JPH1132459A - 回転電機の回転子及びその製造方法 - Google Patents
回転電機の回転子及びその製造方法Info
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- JPH1132459A JPH1132459A JP18348097A JP18348097A JPH1132459A JP H1132459 A JPH1132459 A JP H1132459A JP 18348097 A JP18348097 A JP 18348097A JP 18348097 A JP18348097 A JP 18348097A JP H1132459 A JPH1132459 A JP H1132459A
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- binding material
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- Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】硬化性樹脂を被覆含浸した非金属弾性繊維バイ
ンド材の巻き付け張力による巻締力の低下のないもしく
は小さいバインドリングを有する回転電機の回転子及び
その製造方法を提供する。 【解決手段】硬化性樹脂を被覆含浸したコポリパラフェ
ニレン・3,4′オキシジフェニレンテレフタラミドか
らなる非金属弾性繊維のバインド材をコイルエンド部に
巻き付け張力を加えて巻回するとともに、前記熱硬化性
樹脂を加熱させて前記バインド材と一体硬化させる。
ンド材の巻き付け張力による巻締力の低下のないもしく
は小さいバインドリングを有する回転電機の回転子及び
その製造方法を提供する。 【解決手段】硬化性樹脂を被覆含浸したコポリパラフェ
ニレン・3,4′オキシジフェニレンテレフタラミドか
らなる非金属弾性繊維のバインド材をコイルエンド部に
巻き付け張力を加えて巻回するとともに、前記熱硬化性
樹脂を加熱させて前記バインド材と一体硬化させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転電機の回転子及
びその製造方法に係わり、特にバインド材の巻き付け張
力による巻締力の低下のないもしくは小さいバインドリ
ングを備えた回転電機の回転子及びその製造方法に関す
る。
びその製造方法に係わり、特にバインド材の巻き付け張
力による巻締力の低下のないもしくは小さいバインドリ
ングを備えた回転電機の回転子及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図6に示されているように、円筒型回転
子1のコイルエンド2には鉄芯3および金属性支持体
4,コイル5等が設けられており、この鉄芯3および金
属性支持体4,コイル5の回転で生ずる遠心力が加わる
ため、コイル5に応力が作用してコイル5が変形する。
コイル5にはこれらの応力に抗するための絶縁物が施工
されているが、この変形が絶縁物の許容ひずみ、許容応
力以上になると絶縁物が破壊する。絶縁物が破壊する
と、コイル5と鉄芯3あるいは金属性支持体4等のアー
ス電位部とが短絡して、回転子1の破壊に至り、最悪時
には回転電機が運転不能となる。
子1のコイルエンド2には鉄芯3および金属性支持体
4,コイル5等が設けられており、この鉄芯3および金
属性支持体4,コイル5の回転で生ずる遠心力が加わる
ため、コイル5に応力が作用してコイル5が変形する。
コイル5にはこれらの応力に抗するための絶縁物が施工
されているが、この変形が絶縁物の許容ひずみ、許容応
力以上になると絶縁物が破壊する。絶縁物が破壊する
と、コイル5と鉄芯3あるいは金属性支持体4等のアー
ス電位部とが短絡して、回転子1の破壊に至り、最悪時
には回転電機が運転不能となる。
【0003】コイルエンド2に硬化性樹脂含浸のバイン
ド材6を所定の巻き付け張力で巻回した後、一括して加
熱硬化させて固化している。この際、硬化性樹脂が硬化
収縮して、巻き付けバインド材6の厚さが減じて巻き付
け径が小さくなり、この収縮変位分に対応する巻き付け
張力が低下するため、コイルエンド2の巻締め力が低下
する。また、この硬化収縮の制御を凝らしても永年の運
転中に巻き付けバインド材6自体が巻き付け張力に対抗
しきれずに徐々に伸長する、いわゆるクリープを生じて
結果的に巻き付け張力が低下してコイルエンド2の巻締
め力が低下する。これは上述のように運転時のコイル5
に加わる応力に対する抗力低下となり、コイル5を変形
させることにつながる。
ド材6を所定の巻き付け張力で巻回した後、一括して加
熱硬化させて固化している。この際、硬化性樹脂が硬化
収縮して、巻き付けバインド材6の厚さが減じて巻き付
け径が小さくなり、この収縮変位分に対応する巻き付け
張力が低下するため、コイルエンド2の巻締め力が低下
する。また、この硬化収縮の制御を凝らしても永年の運
転中に巻き付けバインド材6自体が巻き付け張力に対抗
しきれずに徐々に伸長する、いわゆるクリープを生じて
結果的に巻き付け張力が低下してコイルエンド2の巻締
め力が低下する。これは上述のように運転時のコイル5
に加わる応力に対する抗力低下となり、コイル5を変形
させることにつながる。
【0004】このような状況に対処するため、コイルエ
ンド2にバインドリング7を適切に取付けて固定してコ
イル5の変形を防止している。このバインドリング7
は、非磁性金属バインドリングや非磁性金属バインド
線、あるいは非金属性の繊維に硬化性樹脂を含浸させた
ものを硬化して形成される。ここで、非金属性の繊維と
しては、ガラス繊維,カーボン繊維などの無機繊維や芳
香族ポリアミド繊維,芳香族のポリエステル繊維などの
有機繊維が用いられる。
ンド2にバインドリング7を適切に取付けて固定してコ
イル5の変形を防止している。このバインドリング7
は、非磁性金属バインドリングや非磁性金属バインド
線、あるいは非金属性の繊維に硬化性樹脂を含浸させた
ものを硬化して形成される。ここで、非金属性の繊維と
しては、ガラス繊維,カーボン繊維などの無機繊維や芳
香族ポリアミド繊維,芳香族のポリエステル繊維などの
有機繊維が用いられる。
【0005】最近、回転電機の大容量化,高効率化傾向
に伴い、回転子の大径化,長軸化および回転数の増大化
の傾向にあり、このように回転子の大径化,長軸化およ
び回転数の増大化が行われると、コイルエンドに過大な
遠心力が働くため、コイルエンドへの負荷応力,ひずみ
が増大してコイル変形をきたし、コイルの破壊を招く。
そこで、これらの問題に対処するため、バインド材自体
を軽く、かつ比強度,比弾性率の大きい材料を用いてコ
イルエンドに加わる負荷応力およびひずみを極力低減さ
せるバインド固定の方法が採られている。
に伴い、回転子の大径化,長軸化および回転数の増大化
の傾向にあり、このように回転子の大径化,長軸化およ
び回転数の増大化が行われると、コイルエンドに過大な
遠心力が働くため、コイルエンドへの負荷応力,ひずみ
が増大してコイル変形をきたし、コイルの破壊を招く。
そこで、これらの問題に対処するため、バインド材自体
を軽く、かつ比強度,比弾性率の大きい材料を用いてコ
イルエンドに加わる負荷応力およびひずみを極力低減さ
せるバインド固定の方法が採られている。
【0006】これらの例としては、特開昭56−49644 号
公報,特開昭63−124741号公報,特開昭63−228936号公
報,特開平4−200249 号公報などに記載のものがある。
公報,特開昭63−124741号公報,特開昭63−228936号公
報,特開平4−200249 号公報などに記載のものがある。
【0007】特開昭56−49644 号公報に記載のもので
は、高弾性繊維バインド材に被覆用樹脂を若干塗布した
後、このバインド材を巻き付け張力下で溶融被着用樹脂
槽内を通し、余剰樹脂を絞り取ってバインド巻回後、こ
れを加熱して樹脂を硬化させ、バインド巻回の回転子を
得ている。また、特開昭63−124741号公報,特開昭63−
228936号公報に記載のものでは、カーボン繊維プラスチ
ックを主体とするバインド材としている。また、特開平
4−200249 号公報に記載のものでは、可塑剤入り硬化性
樹脂を含浸した非金属弾性バインド材をバインド巻回と
同時に加熱硬化して回転子を得ている。
は、高弾性繊維バインド材に被覆用樹脂を若干塗布した
後、このバインド材を巻き付け張力下で溶融被着用樹脂
槽内を通し、余剰樹脂を絞り取ってバインド巻回後、こ
れを加熱して樹脂を硬化させ、バインド巻回の回転子を
得ている。また、特開昭63−124741号公報,特開昭63−
228936号公報に記載のものでは、カーボン繊維プラスチ
ックを主体とするバインド材としている。また、特開平
4−200249 号公報に記載のものでは、可塑剤入り硬化性
樹脂を含浸した非金属弾性バインド材をバインド巻回と
同時に加熱硬化して回転子を得ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特開昭56−49644 号公
報に記載の従来技術の場合、遠心力等によるバインド材
に加わる荷重が小さい場合に効果があるが、回転子の大
径化,高速回転数化になると相当な厚さの高弾性繊維バ
インド材を全巻回後に被着用樹脂を液状状態から加熱に
より固化(硬化)状態化させるために、バインド繊維間
の被着用樹脂の硬化収縮量が大きくなったり、バインド
層内に剥離やクラックが生じて所定の巻き付け張力の低
下が生じることがある。
報に記載の従来技術の場合、遠心力等によるバインド材
に加わる荷重が小さい場合に効果があるが、回転子の大
径化,高速回転数化になると相当な厚さの高弾性繊維バ
インド材を全巻回後に被着用樹脂を液状状態から加熱に
より固化(硬化)状態化させるために、バインド繊維間
の被着用樹脂の硬化収縮量が大きくなったり、バインド
層内に剥離やクラックが生じて所定の巻き付け張力の低
下が生じることがある。
【0009】また、特開昭63−124741号公報,特開昭63
−228936号公報に記載の従来技術では、カーボン繊維自
体が導電性であるため、この微粉化による絶縁抵抗の低
下,接地電位の適切な処理などの特別な工夫が必要とさ
れる。
−228936号公報に記載の従来技術では、カーボン繊維自
体が導電性であるため、この微粉化による絶縁抵抗の低
下,接地電位の適切な処理などの特別な工夫が必要とさ
れる。
【0010】また、特開平4−200249 号公報に記載の従
来技術では、可塑剤入り硬化性樹脂を含浸した非金属弾
性バインド材をバインド巻回と同時に加熱硬化して硬化
収縮による巻き付け張力の低下を防止を図っている。非
金属弾性バインド材としてはアラミド繊維,カーボン繊
維,ガラス繊維,芳香族ポリエステル繊維,アルミナ繊
維等としているが、回転子の大径化,高速回転数化に加
えて高電圧化になるとコイルエンドに電位が生じること
もあり、コイルエンドの電気的な表面放電,表面短絡防
止の工夫が必要となる。また、短絡時のバインド材自体
の耐炎性や高湿度下での運転を考えてのバインド材自体
の耐湿熱性が必要とされる。また、製作後初期に生じた
バインド材のクラックの進展や巻き付けバインド材自体
が巻き付け張力に対抗しきれずに徐々に伸長する、いわ
ゆるクリープによる永年の運転後での巻き付け張力の低
下防止の改善が必要とされてきた。
来技術では、可塑剤入り硬化性樹脂を含浸した非金属弾
性バインド材をバインド巻回と同時に加熱硬化して硬化
収縮による巻き付け張力の低下を防止を図っている。非
金属弾性バインド材としてはアラミド繊維,カーボン繊
維,ガラス繊維,芳香族ポリエステル繊維,アルミナ繊
維等としているが、回転子の大径化,高速回転数化に加
えて高電圧化になるとコイルエンドに電位が生じること
もあり、コイルエンドの電気的な表面放電,表面短絡防
止の工夫が必要となる。また、短絡時のバインド材自体
の耐炎性や高湿度下での運転を考えてのバインド材自体
の耐湿熱性が必要とされる。また、製作後初期に生じた
バインド材のクラックの進展や巻き付けバインド材自体
が巻き付け張力に対抗しきれずに徐々に伸長する、いわ
ゆるクリープによる永年の運転後での巻き付け張力の低
下防止の改善が必要とされてきた。
【0011】本発明の目的は、硬化性樹脂を被覆含浸し
た非金属弾性繊維バインド材の巻き付け張力による巻締
力の低下のないもしくは小さいバインドリングを有する
回転電機の回転子及びその製造方法を提供することにあ
る。
た非金属弾性繊維バインド材の巻き付け張力による巻締
力の低下のないもしくは小さいバインドリングを有する
回転電機の回転子及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、硬化性樹脂
を被覆含浸したコポリパラフェニレン・3,4′オキシ
ジフェニレンテレフタラミドからなる非金属弾性繊維の
バインド材をコイルエンド部に巻き付け張力を加えて巻
回するとともに、前記熱硬化性樹脂を加熱させて前記バ
インド材と一体硬化させることにより達成される。
を被覆含浸したコポリパラフェニレン・3,4′オキシ
ジフェニレンテレフタラミドからなる非金属弾性繊維の
バインド材をコイルエンド部に巻き付け張力を加えて巻
回するとともに、前記熱硬化性樹脂を加熱させて前記バ
インド材と一体硬化させることにより達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1か
ら図5により説明する。図1は、本実施例の円筒型回転
子の製造装置を示す正面図、図2は、バインドリングの
正面図、図3は、バインドリングの側面図、図4は、バ
インドリング材の縦断面図、図5は、バインドリング材
の構成例とバインドリングの特性の関係を示す図であ
る。
ら図5により説明する。図1は、本実施例の円筒型回転
子の製造装置を示す正面図、図2は、バインドリングの
正面図、図3は、バインドリングの側面図、図4は、バ
インドリング材の縦断面図、図5は、バインドリング材
の構成例とバインドリングの特性の関係を示す図であ
る。
【0014】バインドリングの特性を評価するため、バ
インドリング7aを有する回転子のエンドモデル2a
を、図1に示すバインド巻き付け装置を用いて製造す
る。このバインドリング7aを有する回転子のエンドモ
デル2aの製造法を説明する。
インドリング7aを有する回転子のエンドモデル2a
を、図1に示すバインド巻き付け装置を用いて製造す
る。このバインドリング7aを有する回転子のエンドモ
デル2aの製造法を説明する。
【0015】回転装置8に取り付けた円筒型回転子のコ
イルエンドモデル2a(円形の2分割金属性リングで外
径φ800mm)に硬化性樹脂を被覆含浸した一方向性の
バインド材6a(テープ厚さ0.2mm,テープ幅20mm)
の一方を巻き始め固定し、テンション機9のテンション
ローラ10を介してバインドドラム11に巻き付ける。
この後、回転装置8を図1中の矢印で示す方向に回転さ
せると同時にテンション機9のテンションローラ10に
荷重を加えて張力を発生させ、バインド材6aを巻き付
け張力392N/mm2(40kg/mm2)で半掛け25回巻
き付ける。これと同時に、バインド材6aの各層ごとを
赤外線ヒータ12で加熱し、バインド部を180℃で加
熱硬化して一体固化したバインドリング7aを有する回
転子のエンドモデル2aを製造する。
イルエンドモデル2a(円形の2分割金属性リングで外
径φ800mm)に硬化性樹脂を被覆含浸した一方向性の
バインド材6a(テープ厚さ0.2mm,テープ幅20mm)
の一方を巻き始め固定し、テンション機9のテンション
ローラ10を介してバインドドラム11に巻き付ける。
この後、回転装置8を図1中の矢印で示す方向に回転さ
せると同時にテンション機9のテンションローラ10に
荷重を加えて張力を発生させ、バインド材6aを巻き付
け張力392N/mm2(40kg/mm2)で半掛け25回巻
き付ける。これと同時に、バインド材6aの各層ごとを
赤外線ヒータ12で加熱し、バインド部を180℃で加
熱硬化して一体固化したバインドリング7aを有する回
転子のエンドモデル2aを製造する。
【0016】バインド材6aは、各種の非金属弾性繊
維、すなわちアラミド繊維,芳香族ポリエステル繊維,
カーボン繊維,アルミナ繊維で製作している。ここで、
アルミナ繊維のみテープ厚さ0.45mm,テープ幅25m
mとした。
維、すなわちアラミド繊維,芳香族ポリエステル繊維,
カーボン繊維,アルミナ繊維で製作している。ここで、
アルミナ繊維のみテープ厚さ0.45mm,テープ幅25m
mとした。
【0017】アラミド繊維としては、共重合体のコポリ
パラフェニレン・3,4′オキシジフェニレンテレフタ
ラミド(デュポン社製,品名K29,太さ約1500デ
ニール)とポリパラフェニレンテレフタラミド(帝人社
製,品名テクノーラ,太さ約1500デニール)を用い
た。又、芳香族ポリエステル繊維としては、クラレ社製
の品名ベクトラン(太さ約1500デニール)を用いた。
カーボン繊維としては、単繊維径7μmのPAN系カー
ボン繊維(三菱レーヨン社製,品名TR−30)を用い
た。アルミナ繊維としては、単繊維径10から12μm
の住友スリーエム社製の品名Nextelを用いた。これらの
非金属弾性繊維のバインド材は、体積含有率として50
%から80%とし、比較として45%と85%の場合に
ついても製作した。
パラフェニレン・3,4′オキシジフェニレンテレフタ
ラミド(デュポン社製,品名K29,太さ約1500デ
ニール)とポリパラフェニレンテレフタラミド(帝人社
製,品名テクノーラ,太さ約1500デニール)を用い
た。又、芳香族ポリエステル繊維としては、クラレ社製
の品名ベクトラン(太さ約1500デニール)を用いた。
カーボン繊維としては、単繊維径7μmのPAN系カー
ボン繊維(三菱レーヨン社製,品名TR−30)を用い
た。アルミナ繊維としては、単繊維径10から12μm
の住友スリーエム社製の品名Nextelを用いた。これらの
非金属弾性繊維のバインド材は、体積含有率として50
%から80%とし、比較として45%と85%の場合に
ついても製作した。
【0018】又、バインド材6aに被覆含浸する硬化性
樹脂としては、半硬化性のエポキシ樹脂を用いた。但
し、硬化収縮防止材としての可塑剤であるポリアセター
ルを体積含有率で0か10%添加している。
樹脂としては、半硬化性のエポキシ樹脂を用いた。但
し、硬化収縮防止材としての可塑剤であるポリアセター
ルを体積含有率で0か10%添加している。
【0019】これらのバインド材6aと硬化性樹脂組成
とを組み合わせて、図5に示すように10例についてバ
インドリング7aを有する回転子のエンドモデル2aを
製造した。
とを組み合わせて、図5に示すように10例についてバ
インドリング7aを有する回転子のエンドモデル2aを
製造した。
【0020】これらの回転子のエンドモデル2aについ
て、図2,図3に示すように中央切欠き部に油圧シリン
ダ13を配置して、運転時の遠心力等に対応する荷重F
を発生させてバインドリング7aに874MPaの引張
り応力を加えてバインドリング7aの周方向変位(伸
び)からクリープコンプライアンス(Dc)を求め、7
日後(DT1)と694日後(DT2)の比(DT2/
DT1)から耐クリープ性を評価した。同時に、これら
のバインドテープのバインド時の巻回性,製作初期に発
生した微小クラックについて874MPaの引張り応力
下でクラック進展性を評価比較した。
て、図2,図3に示すように中央切欠き部に油圧シリン
ダ13を配置して、運転時の遠心力等に対応する荷重F
を発生させてバインドリング7aに874MPaの引張
り応力を加えてバインドリング7aの周方向変位(伸
び)からクリープコンプライアンス(Dc)を求め、7
日後(DT1)と694日後(DT2)の比(DT2/
DT1)から耐クリープ性を評価した。同時に、これら
のバインドテープのバインド時の巻回性,製作初期に発
生した微小クラックについて874MPaの引張り応力
下でクラック進展性を評価比較した。
【0021】これらの評価結果を示す図5から、バイン
ド材としてアラミド繊維の共重合体コポリパラフェニレ
ン・3,4′オキシジフェニレンテレフタラミドを用
い、硬化性樹脂と組み合わせた場合、アラミド繊維の体
積含有率が50%から80%の範囲のものが、耐クリー
プ性,クラック進展性,巻回性,耐湿熱性が優れてお
り、繰り返し疲労に対して応力集中によるクラックの進
展もなく、高信頼性バインドリングが得られることが分
かる。このように、非金属弾性繊維のバインド材として
特に共重合体のコポリパラフェニレン・3,4′オキシ
ジフェニレンテレフタラミドからなるアラミド繊維が優
れていることがわかった。
ド材としてアラミド繊維の共重合体コポリパラフェニレ
ン・3,4′オキシジフェニレンテレフタラミドを用
い、硬化性樹脂と組み合わせた場合、アラミド繊維の体
積含有率が50%から80%の範囲のものが、耐クリー
プ性,クラック進展性,巻回性,耐湿熱性が優れてお
り、繰り返し疲労に対して応力集中によるクラックの進
展もなく、高信頼性バインドリングが得られることが分
かる。このように、非金属弾性繊維のバインド材として
特に共重合体のコポリパラフェニレン・3,4′オキシ
ジフェニレンテレフタラミドからなるアラミド繊維が優
れていることがわかった。
【0022】このように、非金属弾性繊維のバインド材
として、コポリパラフェニレン・3,4′オキシジフェ
ニレンテレフタラミドからなるアラミド繊維を用いてい
るので、製作当初において被覆含浸した硬化性樹脂にク
ラックや剥離が生じても上記アラミド繊維は長時間の巻
き付け張力下でもクリープしないのでクラックや剥離が
進展しないことから巻締力の低下のないバインドリング
を得ることができる。又、バインドリングとしての非金
属弾性繊維のバインド材は体積含有率として50%から
80%の範囲のものが、巻き付け作業性,硬化性樹脂硬
化後の繊維の一方向性からみて適切である。80%超に
なると巻き付け張力程度によって硬化性樹脂の分布ムラ
が生じやすく、クラックや剥離等が生じやすい。また、
50%未満になるとバインド巻回の硬化性樹脂の硬化時
に余剰樹脂とともにバインド繊維が流動しやすくなって
繊維の一方向性が保ちにくくなる。
として、コポリパラフェニレン・3,4′オキシジフェ
ニレンテレフタラミドからなるアラミド繊維を用いてい
るので、製作当初において被覆含浸した硬化性樹脂にク
ラックや剥離が生じても上記アラミド繊維は長時間の巻
き付け張力下でもクリープしないのでクラックや剥離が
進展しないことから巻締力の低下のないバインドリング
を得ることができる。又、バインドリングとしての非金
属弾性繊維のバインド材は体積含有率として50%から
80%の範囲のものが、巻き付け作業性,硬化性樹脂硬
化後の繊維の一方向性からみて適切である。80%超に
なると巻き付け張力程度によって硬化性樹脂の分布ムラ
が生じやすく、クラックや剥離等が生じやすい。また、
50%未満になるとバインド巻回の硬化性樹脂の硬化時
に余剰樹脂とともにバインド繊維が流動しやすくなって
繊維の一方向性が保ちにくくなる。
【0023】ここで、アラミド繊維で共重合体のコポリ
パラフェニレン・3,4′オキシジフェニレンテレフタ
ラミドとポリパラフェニレンテレフタラミドでクラック
進展性に差がでているのはバインド基材6Aの耐クリー
プ性の差に依存すると推定される。各種のバインド材で
巻回性に差がでているのはバインド基材6A自体の破断
伸びの差に依存すると推定される。耐湿熱性の差はバイ
ンド基材6A自体の化学構造や結晶構造に依存すると推
定される。
パラフェニレン・3,4′オキシジフェニレンテレフタ
ラミドとポリパラフェニレンテレフタラミドでクラック
進展性に差がでているのはバインド基材6Aの耐クリー
プ性の差に依存すると推定される。各種のバインド材で
巻回性に差がでているのはバインド基材6A自体の破断
伸びの差に依存すると推定される。耐湿熱性の差はバイ
ンド基材6A自体の化学構造や結晶構造に依存すると推
定される。
【0024】なお、本実施例では硬化性樹脂としてエポ
キシ樹脂を用いたが、他にポリエステル樹脂,シリコー
ン樹脂なども汎用として有用である。
キシ樹脂を用いたが、他にポリエステル樹脂,シリコー
ン樹脂なども汎用として有用である。
【0025】以上述べたように、本実施例によれば、バ
インド材の巻き付け張力の低下のないもしくは小さいバ
インドリングを得ることができる。その結果、コイルエ
ンド部の巻締め力の低下がなくなり、これにより回転子
の運転時に働く遠心力等による設定応力下でもコイルエ
ンドが変位しない、すなわちコイルに有害な変形のない
もしくは小さい回転子を得ることができる。
インド材の巻き付け張力の低下のないもしくは小さいバ
インドリングを得ることができる。その結果、コイルエ
ンド部の巻締め力の低下がなくなり、これにより回転子
の運転時に働く遠心力等による設定応力下でもコイルエ
ンドが変位しない、すなわちコイルに有害な変形のない
もしくは小さい回転子を得ることができる。
【0026】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、硬化性樹
脂を被覆含浸した非金属弾性繊維バインド材の巻き付け
張力による巻締力の低下のないもしくは小さいバインド
リングを得ることができる。硬化性樹脂を被覆含浸した
非金属弾性繊維バインド材の巻き付け張力による巻締力
の低下のないもしくは小さいバインドリングを有するこ
とを可能とした円筒型回転子の製造法を得ることができ
る。
脂を被覆含浸した非金属弾性繊維バインド材の巻き付け
張力による巻締力の低下のないもしくは小さいバインド
リングを得ることができる。硬化性樹脂を被覆含浸した
非金属弾性繊維バインド材の巻き付け張力による巻締力
の低下のないもしくは小さいバインドリングを有するこ
とを可能とした円筒型回転子の製造法を得ることができ
る。
【図1】本発明の一実施例である円筒型回転子の製造装
置の側面図である。
置の側面図である。
【図2】バインドリングの正面図である。
【図3】バインドリングの側面図である。
【図4】本実施例のバインド材の縦断側面図である。
【図5】本実施例および比較例のバインド材によるバイ
ンドリングの特性図である。
ンドリングの特性図である。
【図6】回転電機の回転子の縦断面図である。
1…回転子、2…コイルエンド、2a…コイルエンドモ
デル、3…鉄芯、4…金属支持体、5…コイル、6a…
バインド材、6A…バインド基材、6B…硬化性樹脂、
7a…バインドリング、8…回転装置、9…テンション
機、10…テンションローラ、11…バインドドラム、
12…赤外線ヒータ。
デル、3…鉄芯、4…金属支持体、5…コイル、6a…
バインド材、6A…バインド基材、6B…硬化性樹脂、
7a…バインドリング、8…回転装置、9…テンション
機、10…テンションローラ、11…バインドドラム、
12…赤外線ヒータ。
Claims (2)
- 【請求項1】コイルエンドに硬化性樹脂を含浸被覆した
バインド材を固化したバインドリングを備えた回転電機
の回転子であって、前記バインド材がアラミド繊維の共
重合体コポリパラフェニレン・3,4′オキシジフェニ
レンテレフタラミドからなる非金属弾性繊維で形成さ
れ、かつ前記バインド材のアラミド繊維の体積含有率が
50%から80%の範囲であることを特徴とする回転電
機の回転子。 - 【請求項2】回転電機の回転子の鉄芯の溝内に組み込ま
れたコイルのコイルエンド部に、熱硬化性樹脂を被覆含
浸したコポリパラフェニレン・3,4′オキシジフェニ
レンテレフタラミドからなる非金属弾性繊維の体積含有
率が50から80%であるバインド材を巻き始め固定
し、前記バインド材に巻き付け張力を加えて前記バイン
ド材を巻回するとともに、前記熱硬化性樹脂を加熱させ
て前記バインド材と一体硬化させることを特徴とする回
転電機の回転子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18348097A JPH1132459A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | 回転電機の回転子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18348097A JPH1132459A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | 回転電機の回転子及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1132459A true JPH1132459A (ja) | 1999-02-02 |
Family
ID=16136555
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18348097A Pending JPH1132459A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | 回転電機の回転子及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1132459A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010136539A (ja) * | 2008-12-05 | 2010-06-17 | Mitsubishi Electric Corp | 回転電機の回転子 |
CN109861474A (zh) * | 2019-04-10 | 2019-06-07 | 长沙杰立特自动化设备有限公司 | 电枢滚浸机及其电枢载具和电枢夹具 |
-
1997
- 1997-07-09 JP JP18348097A patent/JPH1132459A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010136539A (ja) * | 2008-12-05 | 2010-06-17 | Mitsubishi Electric Corp | 回転電機の回転子 |
CN109861474A (zh) * | 2019-04-10 | 2019-06-07 | 长沙杰立特自动化设备有限公司 | 电枢滚浸机及其电枢载具和电枢夹具 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20041208 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041214 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20050412 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |