JPH1132458A - 小型モータ用巻線溝付積層鉄心およびその製造方法 - Google Patents
小型モータ用巻線溝付積層鉄心およびその製造方法Info
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- JPH1132458A JPH1132458A JP18545397A JP18545397A JPH1132458A JP H1132458 A JPH1132458 A JP H1132458A JP 18545397 A JP18545397 A JP 18545397A JP 18545397 A JP18545397 A JP 18545397A JP H1132458 A JPH1132458 A JP H1132458A
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- conductive
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐食性向上のための電着塗装膜にふくれやピ
ンホールなどの不具合が発生せず、耐食性に優れている
と共に耐電圧レベルの高い小型モータ用巻線溝付積層鉄
心を用いた小型モータ用固定子または回転子を得る。 【解決手段】 薄鉄板2を積み重ねた巻線溝付小型積層
鉄心積層体1Mの少なくとも板端側表面に導電性下塗り
前処理層4が形成され、導電性下塗り前処理層4の表面
に電着塗装膜3が形成され、場合によってはさらに電着
塗装膜3の表面に粉体静電塗装膜が形成された小型モー
タ用巻線溝付積層鉄心1。
ンホールなどの不具合が発生せず、耐食性に優れている
と共に耐電圧レベルの高い小型モータ用巻線溝付積層鉄
心を用いた小型モータ用固定子または回転子を得る。 【解決手段】 薄鉄板2を積み重ねた巻線溝付小型積層
鉄心積層体1Mの少なくとも板端側表面に導電性下塗り
前処理層4が形成され、導電性下塗り前処理層4の表面
に電着塗装膜3が形成され、場合によってはさらに電着
塗装膜3の表面に粉体静電塗装膜が形成された小型モー
タ用巻線溝付積層鉄心1。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、HDD,VTR,
DVDなどの家庭電化製品や、複写機,ファクシミリな
どの事務機器や、カメラなどの精密機械器具等々の回転
駆動源として利用される小型モータの構成部品である小
型モータ用巻線溝付積層鉄心に関し、かつまた、このよ
うな巻線溝付積層鉄心を得るのに適した小型モータ用巻
線溝付積層鉄心の製造方法に関するものである。
DVDなどの家庭電化製品や、複写機,ファクシミリな
どの事務機器や、カメラなどの精密機械器具等々の回転
駆動源として利用される小型モータの構成部品である小
型モータ用巻線溝付積層鉄心に関し、かつまた、このよ
うな巻線溝付積層鉄心を得るのに適した小型モータ用巻
線溝付積層鉄心の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の小型モータに使用される巻線溝
付積層鉄心としては、例えば、巻線溝付固定子鉄心(ス
テータ鉄心)や巻線溝付回転子鉄心(ロータ鉄心)など
として使用される図3に示すようなものがある。
付積層鉄心としては、例えば、巻線溝付固定子鉄心(ス
テータ鉄心)や巻線溝付回転子鉄心(ロータ鉄心)など
として使用される図3に示すようなものがある。
【0003】この図3に示す小型モータ用巻線溝付積層
鉄心1は、珪素鋼板などの薄鉄板2を多数積み重ねた積
層鉄心本体1Mを有する構成をなすと共に複数の巻線溝
1Aを形成するための複数の巻線突部1Bをそなえ、巻
線突部1Bの全体形状をT字形に形成すると共に、この
T字形の外周部分を円弧形状面1Cに形成し、この積層
鉄心本体1Mの表面の全体に図5に示すように、耐食性
向上のための電着塗装法による耐食性電着塗装膜3を設
けた構造をなすものとなっている。
鉄心1は、珪素鋼板などの薄鉄板2を多数積み重ねた積
層鉄心本体1Mを有する構成をなすと共に複数の巻線溝
1Aを形成するための複数の巻線突部1Bをそなえ、巻
線突部1Bの全体形状をT字形に形成すると共に、この
T字形の外周部分を円弧形状面1Cに形成し、この積層
鉄心本体1Mの表面の全体に図5に示すように、耐食性
向上のための電着塗装法による耐食性電着塗装膜3を設
けた構造をなすものとなっている。
【0004】そして、巻線溝1Aおよび巻線突部1Bの
部分で巻線することにより、図4に示すように、コイル
12を形成することによってモータの固定子(ステー
タ)あるいは回転子(ロータ)11として使用できるも
のとしていた。
部分で巻線することにより、図4に示すように、コイル
12を形成することによってモータの固定子(ステー
タ)あるいは回転子(ロータ)11として使用できるも
のとしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな表面に電着塗装法による電着塗装膜を形成した巻線
溝付積層鉄心1においては、電着塗装膜3としてエポキ
シ樹脂系塗料を用いているため、エポキシ樹脂系塗料を
塗布したあとはエポキシ樹脂を硬化させる必要があるこ
とから、エポキシ樹脂の硬化温度である150〜200
℃に加熱するが、この加熱によって、薄鉄板2の重ね合
わせたすき間部分に存在していた空気が熱膨張すること
によって薄鉄板2の外側に流出すると、図6に示すよう
に、電着塗装膜3の内部に気泡が取り残されてふくれ3
eを生じたり、空気の流出痕でピンホール3pを生じた
りすることがあった。
うな表面に電着塗装法による電着塗装膜を形成した巻線
溝付積層鉄心1においては、電着塗装膜3としてエポキ
シ樹脂系塗料を用いているため、エポキシ樹脂系塗料を
塗布したあとはエポキシ樹脂を硬化させる必要があるこ
とから、エポキシ樹脂の硬化温度である150〜200
℃に加熱するが、この加熱によって、薄鉄板2の重ね合
わせたすき間部分に存在していた空気が熱膨張すること
によって薄鉄板2の外側に流出すると、図6に示すよう
に、電着塗装膜3の内部に気泡が取り残されてふくれ3
eを生じたり、空気の流出痕でピンホール3pを生じた
りすることがあった。
【0006】そのため、このようなふくれ3eやピンホ
ール3pの形成によって、外観品質が悪化したり、耐電
圧が低下したりすることがあるという問題点があったこ
とから、このようなふくれ3eやピンホール3pが発生
しないようにすることが望まれているという課題があっ
た。
ール3pの形成によって、外観品質が悪化したり、耐電
圧が低下したりすることがあるという問題点があったこ
とから、このようなふくれ3eやピンホール3pが発生
しないようにすることが望まれているという課題があっ
た。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上述した従来の課題にかんが
みてなされたものであって、表面に耐食性電着塗装膜を
形成した小型モータ用巻線溝付小型積層鉄心において、
電着塗装膜の加熱硬化に際して膜表面にふくれを生じた
り、膜にピンホールが形成されたりすることがなく、そ
れゆえ、外観品質を良好なものにすることが可能である
と共に、耐電圧をより一層向上することが可能であるよ
うにすることを目的としている。
みてなされたものであって、表面に耐食性電着塗装膜を
形成した小型モータ用巻線溝付小型積層鉄心において、
電着塗装膜の加熱硬化に際して膜表面にふくれを生じた
り、膜にピンホールが形成されたりすることがなく、そ
れゆえ、外観品質を良好なものにすることが可能である
と共に、耐電圧をより一層向上することが可能であるよ
うにすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる小型モー
タ用巻線溝付積層鉄心は、請求項1に記載しているよう
に、薄鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積層鉄心本体の少
なくとも板端側表面に導電性下塗り前処理層が形成さ
れ、導電性下塗り前処理層の表面に電着塗装膜が形成さ
れている構成としたことを特徴としている。
タ用巻線溝付積層鉄心は、請求項1に記載しているよう
に、薄鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積層鉄心本体の少
なくとも板端側表面に導電性下塗り前処理層が形成さ
れ、導電性下塗り前処理層の表面に電着塗装膜が形成さ
れている構成としたことを特徴としている。
【0009】そして、本発明に係わる小型モータ用巻線
溝付積層鉄心の実施態様においては、請求項2に記載し
ているように、導電性下塗り前処理層は、導電性粉末お
よび/または導電性繊維を含む樹脂塗料からなるものと
したことを特徴としている。
溝付積層鉄心の実施態様においては、請求項2に記載し
ているように、導電性下塗り前処理層は、導電性粉末お
よび/または導電性繊維を含む樹脂塗料からなるものと
したことを特徴としている。
【0010】同じく、本発明に係わる小型モータ用巻線
溝付積層鉄心の実施態様においては、請求項3に記載し
ているように、電着塗装膜は、Snなどの硬化促進剤を
含むものとしたことを特徴としている。
溝付積層鉄心の実施態様においては、請求項3に記載し
ているように、電着塗装膜は、Snなどの硬化促進剤を
含むものとしたことを特徴としている。
【0011】同じく、本発明に係わる小型モータ用巻線
溝付積層鉄心の実施態様においては、請求項4に記載し
ているように、電着塗装膜の表面に粉体静電塗装膜が形
成されているものとしたことを特徴としている。
溝付積層鉄心の実施態様においては、請求項4に記載し
ているように、電着塗装膜の表面に粉体静電塗装膜が形
成されているものとしたことを特徴としている。
【0012】同じく、本発明に係わる小型モータ用巻線
溝付積層鉄心の実施態様においては、請求項5に記載し
ているように、導電性下塗り前処理層の層厚が5〜40
μmであるものとしたことを特徴としている。
溝付積層鉄心の実施態様においては、請求項5に記載し
ているように、導電性下塗り前処理層の層厚が5〜40
μmであるものとしたことを特徴としている。
【0013】同じく、本発明に係わる小型モータ用巻線
溝付積層鉄心の実施態様においては、請求項6に記載し
ているように、電着塗装膜の膜厚が30〜80μmであ
るものとしたことを特徴としている。
溝付積層鉄心の実施態様においては、請求項6に記載し
ているように、電着塗装膜の膜厚が30〜80μmであ
るものとしたことを特徴としている。
【0014】同じく、本発明に係わる小型モータ用巻線
溝付積層鉄心の実施態様においては、請求項7に記載し
ているように、粉体静電塗装膜の膜厚が10〜160μ
mであるものとしたことを特徴としている。
溝付積層鉄心の実施態様においては、請求項7に記載し
ているように、粉体静電塗装膜の膜厚が10〜160μ
mであるものとしたことを特徴としている。
【0015】本発明に係わる小型モータ用巻線溝付積層
鉄心の製造方法は、請求項8に記載しているように、薄
鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積層鉄心本体の少なくと
も板端側表面に導電性下塗り前処理層を形成したのち、
導電性下塗り前処理層の表面に電着塗装法により電着塗
装膜を形成するようにしたことを特徴としている。
鉄心の製造方法は、請求項8に記載しているように、薄
鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積層鉄心本体の少なくと
も板端側表面に導電性下塗り前処理層を形成したのち、
導電性下塗り前処理層の表面に電着塗装法により電着塗
装膜を形成するようにしたことを特徴としている。
【0016】そして、本発明に係わる小型モータ用巻線
溝付積層鉄心の製造方法の実施態様においては、請求項
9に記載しているように、薄鉄板を積み重ねた巻線溝付
小型積層鉄心本体の少なくとも板端側表面に導電性下塗
り前処理層を形成したのち、導電性下塗り前処理層の表
面に電着塗装法により電着塗装膜を形成し、電着塗装膜
の表面に粉体静電塗装法により粉体静電塗装膜を形成す
るようにしたことを特徴としている。
溝付積層鉄心の製造方法の実施態様においては、請求項
9に記載しているように、薄鉄板を積み重ねた巻線溝付
小型積層鉄心本体の少なくとも板端側表面に導電性下塗
り前処理層を形成したのち、導電性下塗り前処理層の表
面に電着塗装法により電着塗装膜を形成し、電着塗装膜
の表面に粉体静電塗装法により粉体静電塗装膜を形成す
るようにしたことを特徴としている。
【0017】同じく、本発明に係わる小型モータ用巻線
溝付積層鉄心の製造方法の実施態様においては、請求項
10に記載しているように、導電性下塗り前処理層の層
厚を5〜40μmとするようにしたことを特徴としてい
る。
溝付積層鉄心の製造方法の実施態様においては、請求項
10に記載しているように、導電性下塗り前処理層の層
厚を5〜40μmとするようにしたことを特徴としてい
る。
【0018】同じく、本発明に係わる小型モータ用巻線
溝付積層鉄心の製造方法の実施態様においては、請求項
11に記載しているように、電着塗装膜の膜厚を30〜
80μmとするようにしたことを特徴としている。
溝付積層鉄心の製造方法の実施態様においては、請求項
11に記載しているように、電着塗装膜の膜厚を30〜
80μmとするようにしたことを特徴としている。
【0019】同じく、本発明に係わる小型モータ用巻線
溝付積層鉄心の製造方法の実施態様においては、請求項
12に記載しているように、粉体静電塗装膜の膜厚を1
0〜160μmとするようにしたことを特徴としてい
る。
溝付積層鉄心の製造方法の実施態様においては、請求項
12に記載しているように、粉体静電塗装膜の膜厚を1
0〜160μmとするようにしたことを特徴としてい
る。
【0020】
【発明の作用】本発明に係わる小型モータ用巻線溝付積
層鉄心では、薄鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積層鉄心
本体の少なくとも板端側表面に導電性下塗り前処理層が
形成され、導電性下塗り前処理層の表面に電着塗装膜が
形成されているものとしたから、常温で乾燥される導電
性下塗り前処理層が薄鉄板の積層間隙部に存在する空気
の遮断作用を果たすこととなるので、電着塗装膜に上記
空気の流出に起因するふくれやピンホールなどの不具合
の発生が回避されることとなって、外観品質が良好でそ
してまた耐電圧レベルがさらに向上した小型モータ用巻
線溝付積層鉄心が提供されることとなる。
層鉄心では、薄鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積層鉄心
本体の少なくとも板端側表面に導電性下塗り前処理層が
形成され、導電性下塗り前処理層の表面に電着塗装膜が
形成されているものとしたから、常温で乾燥される導電
性下塗り前処理層が薄鉄板の積層間隙部に存在する空気
の遮断作用を果たすこととなるので、電着塗装膜に上記
空気の流出に起因するふくれやピンホールなどの不具合
の発生が回避されることとなって、外観品質が良好でそ
してまた耐電圧レベルがさらに向上した小型モータ用巻
線溝付積層鉄心が提供されることとなる。
【0021】そして、導電性下塗り前処理層は導電性を
有していることから、この上に電着塗装膜を形成する際
の電着塗装に何んら支障のないものとなる。
有していることから、この上に電着塗装膜を形成する際
の電着塗装に何んら支障のないものとなる。
【0022】そして、請求項2に記載しているように、
導電性下塗り前処理層は、導電性粉末および/または導
電性繊維を含むものとすることによって、良好な導電性
を有する下塗り前処理層となり、電着塗装によって良好
に電着塗装膜が形成されるものとなる。
導電性下塗り前処理層は、導電性粉末および/または導
電性繊維を含むものとすることによって、良好な導電性
を有する下塗り前処理層となり、電着塗装によって良好
に電着塗装膜が形成されるものとなる。
【0023】また、請求項3に記載しているように、電
着塗装膜は、硬化促進剤を含むものとすることによっ
て、電着塗装膜の硬化がより一層促進されることとな
る。
着塗装膜は、硬化促進剤を含むものとすることによっ
て、電着塗装膜の硬化がより一層促進されることとな
る。
【0024】さらにまた、請求項4に記載しているよう
に、電着塗装膜の表面に粉体静電塗装膜が形成されてい
るものとすることによって、電着塗装膜の弱点であるエ
ッジ部分での膜厚減少を静電塗装膜により補うようにな
すことによって、耐電圧レベルがより一層向上したもの
となる。
に、電着塗装膜の表面に粉体静電塗装膜が形成されてい
るものとすることによって、電着塗装膜の弱点であるエ
ッジ部分での膜厚減少を静電塗装膜により補うようにな
すことによって、耐電圧レベルがより一層向上したもの
となる。
【0025】さらにまた、請求項5に記載しているよう
に、導電性下塗り前処理層の層厚が5〜40μmである
ものとすることによって、積層鉄心を構成する薄鉄板の
間に閉じ込められている空気等が加熱によって外部に流
出するのが阻止されて、この空気の外部への流出により
電着塗装膜にふくれやピンホールなどの不具合を生じる
のが防止されることとなる。
に、導電性下塗り前処理層の層厚が5〜40μmである
ものとすることによって、積層鉄心を構成する薄鉄板の
間に閉じ込められている空気等が加熱によって外部に流
出するのが阻止されて、この空気の外部への流出により
電着塗装膜にふくれやピンホールなどの不具合を生じる
のが防止されることとなる。
【0026】さらにまた、請求項6に記載しているよう
に、電着塗装膜の膜厚が30〜80μmであるものとす
ることによって、積層鉄心の耐食性向上にとくに有効な
ものとなる。
に、電着塗装膜の膜厚が30〜80μmであるものとす
ることによって、積層鉄心の耐食性向上にとくに有効な
ものとなる。
【0027】さらにまた、請求項7に記載しているよう
に、粉体静電塗装膜の膜厚が10〜160μmであるも
のとすることによって、電着塗装膜を形成した巻線溝付
積層鉄心のとくにエッジ部分での耐電圧レベルがさらに
向上することとなる。
に、粉体静電塗装膜の膜厚が10〜160μmであるも
のとすることによって、電着塗装膜を形成した巻線溝付
積層鉄心のとくにエッジ部分での耐電圧レベルがさらに
向上することとなる。
【0028】本発明による小型モータ用巻線溝付積層鉄
心の製造方法では、薄鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積
層鉄心本体の少なくとも板端側表面に導電性下塗り前処
理層を形成したのち、導電性下塗り前処理層の表面に電
着塗装法により電着塗装膜を形成するようにしたから、
常温で乾燥される導電性下塗り前処理層は薄鉄板の積層
間隙部に存在する空気の遮断作用を果たすこととなるの
で、電着塗装膜に上記空気の流出に起因するふくれやピ
ンホールなどの不具合の発生が回避されて外観品質が良
好でそしてまた耐電圧レベルが高い小型モータ用巻線溝
付積層鉄心が製造されることとなり、下塗り前処理層は
導電性を有しているので、電着塗装法の実施にも支障が
ないものとなる。
心の製造方法では、薄鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積
層鉄心本体の少なくとも板端側表面に導電性下塗り前処
理層を形成したのち、導電性下塗り前処理層の表面に電
着塗装法により電着塗装膜を形成するようにしたから、
常温で乾燥される導電性下塗り前処理層は薄鉄板の積層
間隙部に存在する空気の遮断作用を果たすこととなるの
で、電着塗装膜に上記空気の流出に起因するふくれやピ
ンホールなどの不具合の発生が回避されて外観品質が良
好でそしてまた耐電圧レベルが高い小型モータ用巻線溝
付積層鉄心が製造されることとなり、下塗り前処理層は
導電性を有しているので、電着塗装法の実施にも支障が
ないものとなる。
【0029】そして、請求項9に記載しているように、
薄鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積層鉄心本体の少なく
とも板端側表面に導電性下塗り前処理層を形成したの
ち、導電性下塗り前処理層の表面に電着塗装法により電
着塗装膜を形成し、電着塗装膜の表面に粉体静電塗装法
により粉体静電塗装膜を形成するようになすことによっ
て、電着塗装膜の弱点であるエッジ部分での膜厚減少を
静電塗装膜により補うようになすことによって、耐電圧
レベルがより一層向上した小型モータ用巻線溝付積層鉄
心が製造されることとなる。
薄鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積層鉄心本体の少なく
とも板端側表面に導電性下塗り前処理層を形成したの
ち、導電性下塗り前処理層の表面に電着塗装法により電
着塗装膜を形成し、電着塗装膜の表面に粉体静電塗装法
により粉体静電塗装膜を形成するようになすことによっ
て、電着塗装膜の弱点であるエッジ部分での膜厚減少を
静電塗装膜により補うようになすことによって、耐電圧
レベルがより一層向上した小型モータ用巻線溝付積層鉄
心が製造されることとなる。
【0030】さらにまた、請求項10に記載しているよ
うに、導電性下塗り前処理層の層厚を5〜40μmとす
るようになすことによって、積層鉄心を構成する薄鉄板
の間に閉じ込められている空気等が加熱によって外部に
流出するのが阻止されて、この空気等の外部への流出に
より電着塗装膜にふくれやピンホールなどの不具合が生
じるのを防止されることとなる。
うに、導電性下塗り前処理層の層厚を5〜40μmとす
るようになすことによって、積層鉄心を構成する薄鉄板
の間に閉じ込められている空気等が加熱によって外部に
流出するのが阻止されて、この空気等の外部への流出に
より電着塗装膜にふくれやピンホールなどの不具合が生
じるのを防止されることとなる。
【0031】さらにまた、請求項11に記載しているよ
うに、電着塗装膜の膜厚を30〜80μmとするように
なすことによって、積層鉄心の耐食性向上にとくに有効
なものとなる。
うに、電着塗装膜の膜厚を30〜80μmとするように
なすことによって、積層鉄心の耐食性向上にとくに有効
なものとなる。
【0032】さらにまた、請求項12に記載しているよ
うに、粉体静電塗装膜の膜厚を10〜160μmとする
ようになすことによって、電着塗装膜を形成した巻線溝
付積層鉄心のとくにエッジ部分での耐電圧レベルがさら
に向上することとなる。
うに、粉体静電塗装膜の膜厚を10〜160μmとする
ようになすことによって、電着塗装膜を形成した巻線溝
付積層鉄心のとくにエッジ部分での耐電圧レベルがさら
に向上することとなる。
【0033】
【実施例】次に、本発明に係る小型モータ用巻線溝付積
層鉄心およびその製造方法の実施例について説明する
が、本発明はこのような実施例にのみ限定されないもの
である。
層鉄心およびその製造方法の実施例について説明する
が、本発明はこのような実施例にのみ限定されないもの
である。
【0034】(実施例1)この実施例では、従来の図3
に示したと同様に、珪素鋼板よりなる薄鉄板2を多数積
み重ねた構成をなす積層鉄心本体1Mを有すると共に、
複数の巻線溝1Aを形成するための複数の巻線突部1B
をそなえ、巻線突部1Bの全体形状をT字形に形成する
と共に、このT字形の外周部分を円弧形状面1Cに形成
し、この積層鉄心本体1Mの表面の全体に耐食性向上の
ための塗装を施す構造をなす小型モータ用巻線溝付積層
鉄心1について実施した例を説明する。
に示したと同様に、珪素鋼板よりなる薄鉄板2を多数積
み重ねた構成をなす積層鉄心本体1Mを有すると共に、
複数の巻線溝1Aを形成するための複数の巻線突部1B
をそなえ、巻線突部1Bの全体形状をT字形に形成する
と共に、このT字形の外周部分を円弧形状面1Cに形成
し、この積層鉄心本体1Mの表面の全体に耐食性向上の
ための塗装を施す構造をなす小型モータ用巻線溝付積層
鉄心1について実施した例を説明する。
【0035】そこで、図3に示した巻線溝付小型積層鉄
心本体1Mを対象とし、導電材としてNiフィラーを配
合した室温乾燥型アクリル系樹脂塗料(神東塗料(株)
製商品名 シントロン E−3063)中に約1分間浸
漬して引き上げたのち室温で1時間乾燥することによっ
て、巻線溝付小型積層鉄心本体1Mの表面に、導電性下
塗り前処理層を形成した。
心本体1Mを対象とし、導電材としてNiフィラーを配
合した室温乾燥型アクリル系樹脂塗料(神東塗料(株)
製商品名 シントロン E−3063)中に約1分間浸
漬して引き上げたのち室温で1時間乾燥することによっ
て、巻線溝付小型積層鉄心本体1Mの表面に、導電性下
塗り前処理層を形成した。
【0036】このとき、導電性樹脂塗料と溶剤(この場
合は、シンナー)との配合比を変えることによって、巻
線溝付小型積層鉄心本体1Mの表面での導電性下塗り前
処理層の層厚を5〜50μmの間で変化させた。
合は、シンナー)との配合比を変えることによって、巻
線溝付小型積層鉄心本体1Mの表面での導電性下塗り前
処理層の層厚を5〜50μmの間で変化させた。
【0037】次いで、エポキシ系樹脂塗料を用い、電着
塗装法によって、膜厚が40〜50μmの電着塗装膜を
形成し、180℃で1時間加熱したのち放冷する硬化処
理を行った。
塗装法によって、膜厚が40〜50μmの電着塗装膜を
形成し、180℃で1時間加熱したのち放冷する硬化処
理を行った。
【0038】図1は、このようにして得た積層鉄心1の
表面の拡大図を示すものであって、薄鉄板2を積層して
なる積層鉄心本体1Mの表面に、導電性下塗り前処理層
4が形成され、この導電性下塗り前処理層4の表面に電
着塗装膜3が形成されたものとなっている。
表面の拡大図を示すものであって、薄鉄板2を積層して
なる積層鉄心本体1Mの表面に、導電性下塗り前処理層
4が形成され、この導電性下塗り前処理層4の表面に電
着塗装膜3が形成されたものとなっている。
【0039】このようにして得た溝付積層鉄心1につい
て、導電性下塗り前処理層4の層厚によるピンホール発
生率および垂れ不良率への影響を調べたところ、表1に
示すごとくになった。
て、導電性下塗り前処理層4の層厚によるピンホール発
生率および垂れ不良率への影響を調べたところ、表1に
示すごとくになった。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示すように、導電性下塗り前処理層
を設けない場合および設けたとしても層厚が小さい場合
には、積層した薄鉄板の間隙に存在していた空気を電着
塗装膜の加熱硬化処理時に遮断することができないた
め、電着塗装膜にピンホールが多く発生して、耐食性を
悪化させたり耐電圧を低下させたりするものもあり、導
電性下塗り前処理層の層厚は5μm以上、より好ましく
は10μm以上とするのが良いことが認められた。
を設けない場合および設けたとしても層厚が小さい場合
には、積層した薄鉄板の間隙に存在していた空気を電着
塗装膜の加熱硬化処理時に遮断することができないた
め、電着塗装膜にピンホールが多く発生して、耐食性を
悪化させたり耐電圧を低下させたりするものもあり、導
電性下塗り前処理層の層厚は5μm以上、より好ましく
は10μm以上とするのが良いことが認められた。
【0042】しかし、導電性下塗り前処理層の層厚が大
きすぎると、垂れを生じることとなって寸法不良となる
ので、40μm以下とするのが良いことが認められた。
きすぎると、垂れを生じることとなって寸法不良となる
ので、40μm以下とするのが良いことが認められた。
【0043】(実施例2)この実施例では、図2に示す
ように、電着塗装膜3の上にさらに粉体静電塗装膜5を
形成した場合を示す。
ように、電着塗装膜3の上にさらに粉体静電塗装膜5を
形成した場合を示す。
【0044】そして、粉体静電塗装膜5を設けることに
よる耐電圧レベルへの影響を調べたところ、表2に示す
結果であった。
よる耐電圧レベルへの影響を調べたところ、表2に示す
結果であった。
【0045】
【表2】
【0046】表2に示すように、電着塗装膜の上にさら
に粉体静電塗装膜を形成することによって、耐電圧レベ
ルをより一層高めることが可能であることが認められ
た。
に粉体静電塗装膜を形成することによって、耐電圧レベ
ルをより一層高めることが可能であることが認められ
た。
【0047】
【発明の効果】本発明に係わる小型モータ用巻線溝付積
層鉄心によれば、薄鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積層
鉄心本体の少なくとも板端側表面に導電性下塗り前処理
層が形成され、導電性下塗り前処理層の表面に電着塗装
膜が形成されているものとしたから、常温で乾燥される
導電性下塗り前処理層が薄鉄板の積層間隙部に存在する
空気の遮断作用を果たすこととなるので、電着塗装膜に
上記空気の流出に起因するふくれやピンホールなどの不
具合の発生を回避することが可能となって、外観品質が
良好でそしてまた耐電圧レベルがさらに向上した小型モ
ータ用巻線溝付積層鉄心を提供することが可能であると
いう著しく優れた効果がもたらされる。
層鉄心によれば、薄鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積層
鉄心本体の少なくとも板端側表面に導電性下塗り前処理
層が形成され、導電性下塗り前処理層の表面に電着塗装
膜が形成されているものとしたから、常温で乾燥される
導電性下塗り前処理層が薄鉄板の積層間隙部に存在する
空気の遮断作用を果たすこととなるので、電着塗装膜に
上記空気の流出に起因するふくれやピンホールなどの不
具合の発生を回避することが可能となって、外観品質が
良好でそしてまた耐電圧レベルがさらに向上した小型モ
ータ用巻線溝付積層鉄心を提供することが可能であると
いう著しく優れた効果がもたらされる。
【0048】そして、導電性下塗り前処理層は導電性を
有していることから、この上に電着塗装膜を形成する際
の電着塗装に何んら支障のないものになるという優れた
効果がもたらされる。
有していることから、この上に電着塗装膜を形成する際
の電着塗装に何んら支障のないものになるという優れた
効果がもたらされる。
【0049】そして、請求項2に記載しているように、
導電性下塗り前処理層は、導電性粉末および/または導
電性繊維を含むものとすることによって、良好な導電性
を有する下塗り前処理層とすることができ、電着塗装に
よって良好に電着塗装膜を形成することが可能であると
いう著しく優れた効果がもたらされる。
導電性下塗り前処理層は、導電性粉末および/または導
電性繊維を含むものとすることによって、良好な導電性
を有する下塗り前処理層とすることができ、電着塗装に
よって良好に電着塗装膜を形成することが可能であると
いう著しく優れた効果がもたらされる。
【0050】また、請求項3に記載しているように、電
着塗装膜は、硬化促進剤を含むものとすることによっ
て、電着塗装膜の硬化をより一層促進するものとするこ
とが可能であるという著しく優れた効果がもたらされ
る。
着塗装膜は、硬化促進剤を含むものとすることによっ
て、電着塗装膜の硬化をより一層促進するものとするこ
とが可能であるという著しく優れた効果がもたらされ
る。
【0051】さらにまた、請求項4に記載しているよう
に、電着塗装膜の表面に粉体静電塗装膜が形成されてい
るものとすることによって、電着塗装膜の弱点であるエ
ッジ部分での膜厚減少を静電塗装膜により補うようにな
すことができ、これによって耐電圧レベルをより一層向
上したものとすることが可能であるという著しく優れた
効果がもたらされる。
に、電着塗装膜の表面に粉体静電塗装膜が形成されてい
るものとすることによって、電着塗装膜の弱点であるエ
ッジ部分での膜厚減少を静電塗装膜により補うようにな
すことができ、これによって耐電圧レベルをより一層向
上したものとすることが可能であるという著しく優れた
効果がもたらされる。
【0052】さらにまた、請求項5に記載しているよう
に、導電性下塗り前処理層の層厚が5〜40μmである
ものとすることによって、積層鉄心を構成する薄鉄板の
間に閉じ込められている空気等が加熱によって外部に流
出するのを阻止することができ、この空気の外部への流
出により電着塗装膜にふくれやピンホールなどの不具合
を生じるのを防止することが可能であるという著しく優
れた効果がもたらされる。
に、導電性下塗り前処理層の層厚が5〜40μmである
ものとすることによって、積層鉄心を構成する薄鉄板の
間に閉じ込められている空気等が加熱によって外部に流
出するのを阻止することができ、この空気の外部への流
出により電着塗装膜にふくれやピンホールなどの不具合
を生じるのを防止することが可能であるという著しく優
れた効果がもたらされる。
【0053】さらにまた、請求項6に記載しているよう
に、電着塗装膜の膜厚が30〜80μmであるものとす
ることによって、積層鉄心の耐食性向上にとくに有効な
ものとなるという優れた効果がもたらされる。
に、電着塗装膜の膜厚が30〜80μmであるものとす
ることによって、積層鉄心の耐食性向上にとくに有効な
ものとなるという優れた効果がもたらされる。
【0054】さらにまた、請求項7に記載しているよう
に、粉体静電塗装膜の膜厚が10〜160μmであるも
のとすることによって、電着塗装膜を形成した巻線溝付
積層鉄心のとくにエッジ部分での耐電圧レベルをさらに
向上したものとすることが可能であるという著しく優れ
た効果がもたらされる。
に、粉体静電塗装膜の膜厚が10〜160μmであるも
のとすることによって、電着塗装膜を形成した巻線溝付
積層鉄心のとくにエッジ部分での耐電圧レベルをさらに
向上したものとすることが可能であるという著しく優れ
た効果がもたらされる。
【0055】本発明による小型モータ用巻線溝付積層鉄
心の製造方法では、薄鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積
層鉄心本体の少なくとも板端側表面に導電性下塗り前処
理層を形成したのち、導電性下塗り前処理層の表面に電
着塗装法により電着塗装膜を形成するようにしたから、
常温で乾燥される導電性下塗り前処理層は薄鉄板の積層
間隙部に存在する空気の遮断作用を果たすこととなるの
で、電着塗装膜に上記空気の流出に起因するふくれやピ
ンホールなどの不具合の発生が回避されて外観品質が良
好でそしてまた耐電圧レベルが高い小型モータ用巻線溝
付積層鉄心を製造することが可能となり、下塗り前処理
層は導電性を有しているので、電着塗装法の実施にも支
障がないものとすることが可能であるという著しく優れ
た効果がもたらされる。
心の製造方法では、薄鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積
層鉄心本体の少なくとも板端側表面に導電性下塗り前処
理層を形成したのち、導電性下塗り前処理層の表面に電
着塗装法により電着塗装膜を形成するようにしたから、
常温で乾燥される導電性下塗り前処理層は薄鉄板の積層
間隙部に存在する空気の遮断作用を果たすこととなるの
で、電着塗装膜に上記空気の流出に起因するふくれやピ
ンホールなどの不具合の発生が回避されて外観品質が良
好でそしてまた耐電圧レベルが高い小型モータ用巻線溝
付積層鉄心を製造することが可能となり、下塗り前処理
層は導電性を有しているので、電着塗装法の実施にも支
障がないものとすることが可能であるという著しく優れ
た効果がもたらされる。
【0056】そして、請求項9に記載しているように、
薄鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積層鉄心本体の少なく
とも板端側表面に導電性下塗り前処理層を形成したの
ち、導電性下塗り前処理層の表面に電着塗装法により電
着塗装膜を形成し、電着塗装膜の表面に粉体静電塗装法
により粉体静電塗装膜を形成するようになすことによっ
て、電着塗装膜の弱点であるエッジ部分での膜厚減少を
静電塗装膜により補うようになすことが可能となり、耐
電圧レベルがより一層向上した小型モータ用巻線溝付積
層鉄心を製造することが可能になるという著しく優れた
効果がもたらされる。
薄鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積層鉄心本体の少なく
とも板端側表面に導電性下塗り前処理層を形成したの
ち、導電性下塗り前処理層の表面に電着塗装法により電
着塗装膜を形成し、電着塗装膜の表面に粉体静電塗装法
により粉体静電塗装膜を形成するようになすことによっ
て、電着塗装膜の弱点であるエッジ部分での膜厚減少を
静電塗装膜により補うようになすことが可能となり、耐
電圧レベルがより一層向上した小型モータ用巻線溝付積
層鉄心を製造することが可能になるという著しく優れた
効果がもたらされる。
【0057】さらにまた、請求項10に記載しているよ
うに、導電性下塗り前処理層の層厚を5〜40μmとす
るようになすことによって、積層鉄心を構成する薄鉄板
の間に閉じ込められている空気等が加熱によって外部に
流出するのを阻止することが可能となって、この空気等
の外部への流出により電着塗装膜にふくれやピンホール
などの不具合が生じるのを防止することが可能になると
いう著しく優れた効果がもたらされる。
うに、導電性下塗り前処理層の層厚を5〜40μmとす
るようになすことによって、積層鉄心を構成する薄鉄板
の間に閉じ込められている空気等が加熱によって外部に
流出するのを阻止することが可能となって、この空気等
の外部への流出により電着塗装膜にふくれやピンホール
などの不具合が生じるのを防止することが可能になると
いう著しく優れた効果がもたらされる。
【0058】さらにまた、請求項11に記載しているよ
うに、電着塗装膜の膜厚を30〜80μmとするように
なすことによって、積層鉄心の耐食性向上にとくに有効
なものとなるという優れた効果がもたらされる。
うに、電着塗装膜の膜厚を30〜80μmとするように
なすことによって、積層鉄心の耐食性向上にとくに有効
なものとなるという優れた効果がもたらされる。
【0059】さらにまた、請求項12に記載しているよ
うに、粉体静電塗装膜の膜厚を10〜160μmとする
ようになすことによって、電着塗装膜を形成した巻線溝
付積層鉄心のとくにエッジ部分での耐電圧レベルをさら
に向上したものとすることが可能であるという著しく優
れた効果がもたらされる。
うに、粉体静電塗装膜の膜厚を10〜160μmとする
ようになすことによって、電着塗装膜を形成した巻線溝
付積層鉄心のとくにエッジ部分での耐電圧レベルをさら
に向上したものとすることが可能であるという著しく優
れた効果がもたらされる。
【図1】 本発明による小型モータ用巻線溝付積層鉄心
の一実施例を示す部分拡大断面説明図である。
の一実施例を示す部分拡大断面説明図である。
【図2】 本発明による小型モータ用巻線溝付積層鉄心
の他の実施例を示す部分拡大断面説明図である。
の他の実施例を示す部分拡大断面説明図である。
【図3】 巻線溝付積層鉄心(本体)の斜面説明図であ
る。
る。
【図4】 図3に示した巻線溝付積層鉄心本体の巻線溝
部分にコイルを形成したモータ用回転子または固定子の
斜面説明図である。
部分にコイルを形成したモータ用回転子または固定子の
斜面説明図である。
【図5】 従来例による小型モータ用巻線溝付積層鉄心
の一例を示す部分拡大断面説明図である。
の一例を示す部分拡大断面説明図である。
【図6】 薄鉄板のすき間から空気が流出することによ
り形成されるふくれおよびピンホールの断面説明図であ
る。
り形成されるふくれおよびピンホールの断面説明図であ
る。
1 小型モータ用巻線溝付積層鉄心 1A 巻線溝 1B 巻線突部 1C 円弧形状面 1M 積層鉄心本体 2 薄鉄板 3 電着塗装膜 4 導電性下塗り前処理層 5 粉体静電塗装膜 11 モータの固定子あるいは回転子 12 コイル
Claims (12)
- 【請求項1】 薄鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積層鉄
心本体の少なくとも板端側表面に導電性下塗り前処理層
が形成され、導電性下塗り前処理層の表面に電着塗装膜
が形成されていることを特徴とする小型モータ用巻線溝
付積層鉄心。 - 【請求項2】 導電性下塗り前処理層は、導電性粉末お
よび/または導電性繊維を含む樹脂塗料からなる請求項
1に記載の小型モータ用巻線溝付積層鉄心。 - 【請求項3】 電着塗装膜は、硬化促進剤を含む請求項
1または2に記載の小型モータ用巻線溝付積層鉄心。 - 【請求項4】 電着塗装膜の表面に粉体静電塗装膜が形
成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の小型
モータ用巻線溝付積層鉄心。 - 【請求項5】 導電性下塗り前処理層の層厚が5〜40
μmである請求項1ないし4のいずれかに記載の小型モ
ータ用巻線溝付積層鉄心。 - 【請求項6】 電着塗装膜の膜厚が30〜80μmであ
る請求項1ないし5のいずれかに記載の小型モータ用巻
線溝付積層鉄心。 - 【請求項7】 粉体静電塗装膜の膜厚が10〜160μ
mである請求項4に記載の小型モータ用巻線溝付積層鉄
心。 - 【請求項8】 薄鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積層鉄
心本体の少なくとも板端側表面に導電性下塗り前処理層
を形成したのち、導電性下塗り前処理層の表面に電着塗
装法により電着塗装膜を形成することを特徴とする小型
モータ用巻線溝付積層鉄心の製造方法。 - 【請求項9】 薄鉄板を積み重ねた巻線溝付小型積層鉄
心本体の少なくとも板端側表面に導電性下塗り前処理層
を形成したのち、導電性下塗り前処理層の表面に電着塗
装法により電着塗装膜を形成し、電着塗装膜の表面に粉
体静電塗装法により粉体静電塗装膜を形成する請求項8
に記載の小型モータ用巻線溝付積層鉄心の製造方法。 - 【請求項10】 導電性下塗り前処理層の層厚を5〜4
0μmとする請求項8または9に記載の小型モータ用巻
線溝付積層鉄心の製造方法。 - 【請求項11】 電着塗装膜の膜厚を30〜80μmと
する請求項8ないし10のいずれかに記載の小型モータ
用巻線溝付積層鉄心の製造方法。 - 【請求項12】 粉体静電塗装膜の膜厚を10〜160
μmとする請求項9に記載の小型モータ用巻線溝付積層
鉄心の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18545397A JPH1132458A (ja) | 1997-07-10 | 1997-07-10 | 小型モータ用巻線溝付積層鉄心およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18545397A JPH1132458A (ja) | 1997-07-10 | 1997-07-10 | 小型モータ用巻線溝付積層鉄心およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1132458A true JPH1132458A (ja) | 1999-02-02 |
Family
ID=16171069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18545397A Pending JPH1132458A (ja) | 1997-07-10 | 1997-07-10 | 小型モータ用巻線溝付積層鉄心およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1132458A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002369424A (ja) * | 2001-06-06 | 2002-12-20 | Ebara Corp | 永久磁石型モータ |
JP2014180144A (ja) * | 2013-03-15 | 2014-09-25 | Hitachi Automotive Systems Ltd | コイル、それを備えた回転電機、及びその製造方法 |
EP3240143A3 (de) * | 2016-04-26 | 2017-11-15 | Kienle + Spiess GmbH | Lamellenpaket zur herstellung von statoren und/oder rotoren von elektromotoren und generatoren |
JP2020054182A (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 日本電産サーボ株式会社 | モータ |
-
1997
- 1997-07-10 JP JP18545397A patent/JPH1132458A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002369424A (ja) * | 2001-06-06 | 2002-12-20 | Ebara Corp | 永久磁石型モータ |
JP2014180144A (ja) * | 2013-03-15 | 2014-09-25 | Hitachi Automotive Systems Ltd | コイル、それを備えた回転電機、及びその製造方法 |
EP3240143A3 (de) * | 2016-04-26 | 2017-11-15 | Kienle + Spiess GmbH | Lamellenpaket zur herstellung von statoren und/oder rotoren von elektromotoren und generatoren |
JP2020054182A (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 日本電産サーボ株式会社 | モータ |
CN110971017A (zh) * | 2018-09-28 | 2020-04-07 | 日本电产伺服有限公司 | 马达 |
CN110971017B (zh) * | 2018-09-28 | 2022-06-03 | 日本电产伺服有限公司 | 马达 |
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