JPH11324319A - 空気膜型枠工法の施工評価方法及びその装置並びに空気膜型枠工法の施工評価プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

空気膜型枠工法の施工評価方法及びその装置並びに空気膜型枠工法の施工評価プログラムを記録した記録媒体

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JPH11324319A
JPH11324319A JP10133203A JP13320398A JPH11324319A JP H11324319 A JPH11324319 A JP H11324319A JP 10133203 A JP10133203 A JP 10133203A JP 13320398 A JP13320398 A JP 13320398A JP H11324319 A JPH11324319 A JP H11324319A
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concrete
deformation
spraying
analysis
membrane element
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JP10133203A
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Toshio Honma
俊雄 本間
Hiroyuki Sumi
広幸 角
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Fujita Corp
Original Assignee
Fujita Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気膜の変形及び吹き付けコンクリートの変
形を数値解析し、この解析結果から最適なコンクリート
吹き付けの施工手順及び施工条件を決定する。 【解決手段】 形状設定手段23は解析モデルの膜要素
を形状データから想定される形状に設定し、外力付与手
段24は膜要素の吹き付け領域にコンクリート自重に相
当する外力を作用させる。膜要素解析手段25は外力を
付与した膜要素の変形量を算出し、コンクリート要素解
析手段26は膜要素の解析機能を停止した状態で、膜要
素の変形量とコンクリートの材料特性データに基づいて
コンクリート要素の変形量を算出する。判定手段27は
コンクリート要素の変形量が許容値以内か否かを判定す
る。評価手段29は膜要素の変形量とコンクリート要素
の変形量及び判定結果に基づいて、予め設定したコンク
リート吹き付け施工手順及び施工条件をチェックし評価
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気圧により膨ら
ませた空気膜を型枠し、この型枠の外面にコンクリート
を吹き付けてコンクリート構造物を構築する空気膜型枠
工法の解析方法並びに空気膜型枠工法の解析プログラブ
を記録した記録媒体に関し、さらに詳しくは、コンクリ
ート吹き付けに相当する荷重を空気膜に作用した時の空
気膜の変形及び吹き付けコンクリートの変形を数値解析
し、この解析結果から空気膜に対する最適なコンクリー
ト吹き付けの施工手順及び施工条件を評価できるように
した空気膜型枠工法の施工評価方法及びその装置並びに
空気膜型枠工法の施工評価プログラブを記録した記録媒
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気膜型枠工法は、空気圧により膨らま
せた空気膜を型枠とし、この型枠の外表面にコンクリー
トを吹き付けてドームやアーチ構造物を構築する工法で
あり、穀物等の貯蔵施設や道路・水路のアーチカルバー
トなどのコンクリート構造物を構築する工法として知ら
れている。
【0003】従来、このような空気膜を型枠とするコン
クリート構造物の構築に際しては、ドーム状またはアー
チ状に形作られた膜体の縁部をコンクリート底版上に気
密に取り付け、この膜体とコンクリート底版で囲まれた
気密空間に空気を圧入して膜体を膨らませることにより
ドーム状またはアーチ状の空気膜枠体を形成し、この空
気膜の内側空間を高圧状態に保持したまま、空気膜体の
外面に配筋等を施した後、コンクリートを所定の厚さに
吹き付ける。そして、吹き付けたコンクリートが硬化さ
れた後、空気膜体の内側空間の圧力を大気圧に下げ、膜
体を取り外して撤収する。その後、硬化されたコンクリ
ート壁の内面及び外面に防水や仕上げ処理を施し、これ
により、ドーム状またはアーチ状のコンクリート構造物
を構築するようにしている。このような空気膜を型枠と
するコンクリート構造物の構築方法によれば、コンクリ
ート型枠や足場の組み立て、その解体作業を省略するこ
とができ、工期の短縮やコンクリート構造物のコストダ
ウンを図ることが可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
空気膜を型枠とするコンクリート構造物の構築に際し、
その施工工程で最も問題となるのはコンクリートの吹き
付けによる空気膜の変形である。すなわち、内側空間を
高圧状態に保持した空気膜の外面にコンクリートを吹き
付けると、その吹き付け厚さに応じた荷重が空気膜に作
用し、空気膜が沈下変形し、この沈下変形量に応じて吹
き付けコンクリートも変形することになる。この場合、
コンクリートの変形量がコンクリートの凝結過程におい
てコンクリートに損傷が起こらない許容値以内であれば
問題はないが、吹付けコンクリートが硬化する以前に許
容値を超える状態に空気膜が沈下変形すると、コンクリ
ートに生じる応力はコンクリートの破壊強度以上とな
り、空気膜を型枠とするコンクリート構造物の構築が不
能になってしまう。
【0005】そこで、コンクリートの吹き付けによる空
気膜の沈下変形をコンクリートの許容値範囲に維持する
ために、施工現場においては、空気膜の内圧を空気膜外
面へのコンクリートの部分吹き付け領域が拡大されるに
つれ、及び空気膜にかかるコンクリート重量が増大する
につれて上昇させるようにしている。このため、施工現
場においては、コンクリート吹き付け時の空気膜の沈下
変形量を計測手段により測定し、この測定結果に応じて
空気膜の内圧を制御するようにしている。しかし、空気
膜を型枠として構築される穀物等のアーチ型貯蔵施設に
適用されるコンクリート構造物のスパーン(直径)は、
例えば27mと大きく、かつ高さが4m以上になるた
め、この広い範囲においてコンクリート吹き付け作業に
伴う空気膜の沈下変形量を測量器等の計測手段により正
確に計測することは極めて困難である。しかも、大空間
である空気膜の内圧を、コンクリートの変形が許容範囲
に納まるようにリアルタイムに制御することは、実用上
の観点から不可能に等しい。
【0006】従って、従来においては、過去の空気膜型
枠によるコンクリート構造物の構築時に蓄積されたデー
タと専門技術者の経験則に基づいて、空気膜の内圧及び
吹き付けの施工手順を決定し、これにしたがいコンクリ
ートの吹き付けを実施するようにしている。しかしなが
ら、このような過去の蓄積データや専門技術者の経験則
により空気膜の内圧や吹き付けの施工手順を決定する方
式では、空気膜型枠工法により構築されるコンクリート
構造物の形状や規模が変化すると、これに対応して空気
膜の内圧や吹き付けの施工手順を簡便に決定することが
できず、ひいては、空気膜型枠工法の特徴を半減してし
まうという問題があった。
【0007】本発明は、上記のような問題を解決するた
めになされたもので、その目的は、コンクリート吹き付
けに相当する荷重を空気膜に作用した時の空気膜の変形
及び吹き付けコンクリートの変形を数値解析し、この解
析結果から空気膜に対する最適なコンクリート吹き付け
の施工手順及び施工条件を決定できる空気膜型枠工法の
施工評価方法及びその装置並びに空気膜型枠工法の施工
評価プログラブを記録した記録媒体を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、空気圧により膨らませた空気膜を型枠し、こ
の型枠の外面に予め設定した施工手順及び施工条件に基
づきコンクリートを吹き付けてコンクリート構造物を構
築する空気膜型枠工法の施工評価方法であって、解析対
象となるコンクリート構造物の形状データと前記空気膜
及びコンクリートに関する材料特性データと前記空気膜
を前記形状データから想定される形状の型枠に膨らませ
るのに必要な内圧データを取り込むデータ入力ステップ
と、前記形状データから想定される空気膜型枠に対して
該空気膜型枠の拘束基部から頂部に至る必要最小限の解
析領域を切り出して解析モデルを作成する解析モデル作
成ステップと、前記膜の材料特性データと前記内圧デー
タに基づき、前記解析モデルの膜要素を前記形状データ
から想定される形状に設定する形状設定ステップと、前
記膜要素に対するコンクリート部分吹き付け領域を予め
設定されたコンクリート吹き付け施工手順に従い膜要素
の基部から頂部に向けて複数に区分し、この区分された
各部分吹き付け領域に膜要素の基部から頂部に向け順番
にコンクリート吹き付け時のコンクリート自重に相当す
る外力を作用させる外力付与ステップと、前記外力付与
ステップで外力を付与した時の各部分吹き付け領域にお
ける膜要素の変形を数値解析して膜要素の変形量を算出
する膜要素解析ステップと、前記膜要素の解析機能を停
止した状態で前記算出した膜要素の変形量と前記コンク
リートの材料特性データに基づいてコンクリート要素の
変形量を算出するコンクリート要素解析ステップと、前
記コンクリート要素解析ステップで算出された各部分吹
き付け領域におけるコンクリート要素の変形量がコンク
リートの凝結過程においてコンクリートに損傷が起こら
ない許容値以内か否かを判定する判定ステップと、前記
算出された膜要素の変形量と前記算出されたコンクリー
ト要素の変形量及び前記判定ステップの判定結果をコン
クリート吹き付け施工過程の履歴データとして記憶する
履歴データ記憶ステップと、前記履歴データを基に前記
予め設定したコンクリート吹き付け施工手順及び部分吹
き付け領域数や吹き付け範囲や膜内圧を含む施工条件を
チェックし評価する評価ステップとを備えることを特徴
とする。
【0009】本発明はまた、前記判定ステップにおい
て、前記コンクリート要素解析ステップで算出された各
部分吹き付け領域におけるコンクリート要素の変形量が
コンクリートの凝結過程においてコンクリートに損傷が
起こる許容値以上であると判定された時は、該部分吹き
付け領域を調整して該部分吹き付け領域におけるコンク
リート要素の変形量が許容値以内に抑制されるように施
工条件を変更することを特徴とする。本発明はまた、前
記区分された各部分吹き付け領域に対して順番に吹付け
を行う施工途中に全膜要素の内圧を上昇させて膜要素及
びコンクリート要素の変形解析を行うことを特徴とす
る。本発明はまた、前記区分された頂部の部分吹き付け
領域における膜要素にコンクリート吹き付け時のコンク
リート自重に相当する外力を作用させて変形解析する以
前に、前記頂部以外の各部分吹き付け領域のコンクリー
トを硬化させて膜要素及びコンクリート要素の変形解析
を行うことを特徴とする。本発明はまた、前記コンクリ
ート構造物の形状データは、スパンと、高さと、曲率半
径の各データを含み、前記空気膜の材料特性データは、
弾性係数と、ポアソン比と、厚みと、比重の各データを
含み、前記コンクリートの材料特性データは、弾性係数
と、ポアソン比と、厚みと、比重の各データを含むもの
である。本発明はまた、前記膜要素解析ステップ及びコ
ンクリート要素解析ステップでは、有限要素法を用いて
膜要素の変形解析を行うことを特徴とする。
【0010】本発明は、空気圧により膨らませた空気膜
を型枠し、この型枠の外面に予め設定した施工手順及び
施工条件に基づきコンクリートを吹き付けてコンクリー
ト構造物を構築する空気膜型枠工法の施工評価装置であ
って、解析対象となるコンクリート構造物の形状データ
と前記空気膜及びコンクリートに関する材料特性データ
と前記空気膜を前記形状データから想定される形状の型
枠に膨らませるのに必要な内圧データを取り込むデータ
入力手段と、前記形状データから想定される空気膜型枠
に対して該空気膜型枠の拘束基部から頂部に至る必要最
小限の解析領域を切り出して解析モデルを作成する解析
モデル作成手段と、前記膜の材料特性データと前記内圧
データに基づき、前記解析モデルの膜要素を前記形状デ
ータから想定される形状に設定する形状設定手段と、前
記膜要素に対するコンクリート部分吹き付け領域を予め
設定されたコンクリート吹き付け施工手順に従い膜要素
の基部から頂部に向けて複数に区分し、この区分された
各部分吹き付け領域に膜要素の基部から頂部に向け順番
にコンクリート吹き付け時のコンクリート自重に相当す
る外力を作用させる外力付与手段と、前記外力付与手段
で外力を付与した時の各部分吹き付け領域における膜要
素の変形を数値解析して膜要素の変形量を算出する膜要
素解析手段と、前記膜要素の解析機能を停止した状態で
前記算出した膜要素の変形量と前記コンクリートの材料
特性データに基づいてコンクリート要素の変形量を算出
するコンクリート要素解析手段と、前記コンクリート要
素解析手段で算出された各部分吹き付け領域におけるコ
ンクリート要素の変形量がコンクリートの凝結過程にお
いてコンクリートに損傷が起こらない許容値以内か否か
を判定する判定手段と、前記算出された膜要素の変形量
と前記算出されたコンクリート要素の変形量及び前記判
定手段の判定結果をコンクリート吹き付け施工過程の履
歴データとして記憶する履歴データ記憶手段と、前記履
歴データを基に前記予め設定したコンクリート吹き付け
施工手順及び部分吹き付け領域数や吹き付け範囲や膜内
圧を含む施工条件をチェックし評価する評価手段とを備
えることを特徴とする。
【0011】本発明はまた、前記判定手段において、前
記コンクリート要素解析手段で算出された各部分吹き付
け領域におけるコンクリート要素の変形量がコンクリー
トの凝結過程においてコンクリートに損傷が起こる許容
値以上であると判定された時は、該部分吹き付け領域を
調整して該部分吹き付け領域におけるコンクリート要素
の変形量が許容値以内に抑制されるように施工条件を変
更することを特徴とする。本発明はまた、前記区分され
た各部分吹き付け領域に対して順番に吹付けを行う施工
途中に全膜要素の内圧を上昇させて膜要素及びコンクリ
ート要素の変形解析を行うことを特徴とする。本発明は
また、前記区分された頂部の部分吹き付け領域における
膜要素にコンクリート吹き付け時のコンクリート自重に
相当する外力を作用させて変形解析する以前に、前記頂
部以外の各部分吹き付け領域のコンクリートを硬化させ
て膜要素及びコンクリート要素の変形解析を行うことを
特徴とする。本発明はまた、前記コンクリート構造物の
形状データは、スパンと、高さと、曲率半径の各データ
を含み、前記空気膜の材料特性データは、弾性係数と、
ポアソン比と、厚みと、比重の各データを含み、前記コ
ンクリートの材料特性データは、弾性係数と、ポアソン
比と、厚みと、比重の各データを含むものである。本発
明はまた、前記膜要素解析手段及びコンクリート要素解
析手段では、有限要素法を用いて膜要素の変形解析を行
うことを特徴とする。
【0012】本発明は、空気圧により膨らませた空気膜
を型枠し、この型枠の外面に予め設定した施工手順及び
施工条件に基づきコンクリートを吹き付けてコンクリー
ト構造物を構築する空気膜型枠工法の施工評価プログラ
ムを記録した記録媒体であって、解析対象となるコンク
リート構造物の形状データと前記空気膜及びコンクリー
トに関する材料特性データと前記空気膜を前記形状デー
タから想定される形状の型枠に膨らませるのに必要な内
圧データを取り込むデータ入力ステップと、前記形状デ
ータから想定される空気膜型枠に対して該空気膜型枠の
拘束基部から頂部に至る必要最小限の解析領域を切り出
して解析モデルを作成する解析モデル作成ステップと、
前記膜の材料特性データと前記内圧データに基づき、前
記解析モデルの膜要素を前記形状データから想定される
形状に設定する形状設定ステップと、前記膜要素に対す
るコンクリート部分吹き付け領域を予め設定されたコン
クリート吹き付け施工手順に従い膜要素の基部から頂部
に向けて複数に区分し、この区分された各部分吹き付け
領域に膜要素の基部から頂部に向け順番にコンクリート
吹き付け時のコンクリート自重に相当する外力を作用さ
せる外力付与ステップと、前記外力付与ステップで外力
を付与した時の各部分吹き付け領域における膜要素の変
形を数値解析して膜要素の変形量を算出する膜要素解析
ステップと、前記膜要素の解析機能を停止した状態で前
記算出した膜要素の変形量と前記コンクリートの材料特
性データに基づいてコンクリート要素の変形量を算出す
るコンクリート要素解析ステップと、前記コンクリート
要素解析ステップで算出された各部分吹き付け領域にお
けるコンクリート要素の変形量がコンクリートの凝結過
程においてコンクリートに損傷が起こらない許容値以内
か否かを判定する判定ステップと、前記算出された膜要
素の変形量と前記算出されたコンクリート要素の変形量
及び前記判定ステップの判定結果をコンクリート吹き付
け施工過程の履歴データとして記憶する履歴データ記憶
ステップと、前記履歴データを基に前記予め設定したコ
ンクリート吹き付け施工手順及び部分吹き付け領域数や
吹き付け範囲や膜内圧を含む施工条件をチェックし評価
する評価ステップとをコンピュータに実行させるもので
ある。
【0013】本発明はまた、前記判定ステップにおい
て、前記コンクリート要素解析ステップで算出された各
部分吹き付け領域におけるコンクリート要素の変形量が
コンクリートの凝結過程においてコンクリートに損傷が
起こる許容値以上であると判定された時は、該部分吹き
付け領域を調整して該部分吹き付け領域におけるコンク
リート要素の変形量が許容値以内に抑制されるように施
工条件を変更することを特徴とする。本発明はまた、前
記区分された各部分吹き付け領域に対して順番に吹付け
を行う施工途中に全膜要素の内圧を上昇させて膜要素及
びコンクリート要素の変形解析を行うことを特徴とす
る。本発明はまた、前記区分された頂部の部分吹き付け
領域における膜要素にコンクリート吹き付け時のコンク
リート自重に相当する外力を作用させて変形解析する以
前に、前記頂部以外の各部分吹き付け領域のコンクリー
トを硬化させて膜要素及びコンクリート要素の変形解析
を行うことを特徴とする。
【0014】本発明の空気膜型枠工法の施工評価方法及
び記録媒体に記録した空気膜型枠工法の施工評価プログ
ラブでは、形状設定ステップにおいて、膜の材料特性デ
ータと内圧データに基づき、解析モデルの膜要素を形状
データから想定される形状に設定し、かつ、外力付与ス
テップにおいて、解析モデルの膜要素に対するコンクリ
ート部分吹き付け領域を予め設定されたコンクリート吹
き付け施工手順に従い膜要素の基部から頂部に向けて複
数に区分し、この区分された各部分吹き付け領域に膜要
素の基部から頂部に向け順番にコンクリート吹き付け時
のコンクリート自重に相当する外力を作用させる。そし
て、膜要素解析ステップにおいて、外力付与ステップで
外力を付与した時の各部分吹き付け領域における膜要素
の変形を数値解析して膜要素の変形量を算出し、さら
に、コンクリート要素解析ステップにおいて、膜要素の
解析機能を停止した状態で、算出した膜要素の変形量と
コンクリートの材料特性データに基づいてコンクリート
要素の変形量を算出する。その後、判定ステップにおい
て、コンクリート要素解析ステップで算出された各部分
吹き付け領域におけるコンクリート要素の変形量がコン
クリートの凝結過程においてコンクリートに損傷が起こ
らない許容値以内か否かを判定する。そして、評価ステ
ップにおいて、算出された膜要素の変形量とコンクリー
ト要素の変形量及び判定結果に基づいて、予め設定した
コンクリート吹き付け施工手順及び部分吹き付け領域数
や吹き付け範囲や膜内圧を含む施工条件をチェックし評
価する。
【0015】また、本発明の空気膜型枠工法の施工評価
装置では、形状設定手段が、膜の材料特性データと内圧
データに基づき、解析モデルの膜要素を形状データから
想定される形状に設定し、かつ、外力付与手段が、解析
モデルの膜要素に対するコンクリート部分吹き付け領域
を予め設定されたコンクリート吹き付け施工手順に従い
膜要素の基部から頂部に向けて複数に区分し、この区分
された各部分吹き付け領域に膜要素の基部から頂部に向
け順番にコンクリート吹き付け時のコンクリート自重に
相当する外力を作用させる。そして、膜要素解析手段
が、外力付与手段で外力を付与した時の各部分吹き付け
領域における膜要素の変形を数値解析して膜要素の変形
量を算出し、さらに、コンクリート要素解析手段が、膜
要素の解析機能を停止した状態で、算出した膜要素の変
形量とコンクリートの材料特性データに基づいてコンク
リート要素の変形量を算出する。その後、判定手段が、
コンクリート要素解析手段で算出された各部分吹き付け
領域におけるコンクリート要素の変形量がコンクリート
の凝結過程においてコンクリートに損傷が起こらない許
容値以内か否かを判定する。そして、評価手段が、算出
された膜要素の変形量とコンクリート要素の変形量及び
判定結果に基づいて、予め設定したコンクリート吹き付
け施工手順及び部分吹き付け領域数や吹き付け範囲や膜
内圧を含む施工条件をチェックし評価する。
【0016】したがって、本発明によれば、コンクリー
ト吹き付けに相当する荷重を空気膜に作用した時の空気
膜の変形及び吹き付けコンクリートの変形を数値解析す
ることができ、この解析結果から空気膜に対する最適な
コンクリート吹き付けの施工手順及び施工条件を評価し
決定することができる。
【0017】また、本発明においては、各部分吹き付け
領域に対して順番に吹付けを行う施工途中に全膜要素の
内圧を上昇させて膜要素及びコンクリート要素の変形解
析を行うことにより、該内圧上昇工程がコンクリート吹
付け前後の変形量に及ぼす挙動を解析でき、その解析結
果としてコンクリートの変形量を、コンクリートの凝結
過程において変形によりコンクリートに損傷が起こらな
い、許容値以内に抑制し得る効果がある。本発明はま
た、前記区分された頂部の部分吹き付け領域における膜
要素にコンクリート吹き付け時のコンクリート自重に相
当する外力を作用させて変形解析する以前に、前記頂部
以外の各部分吹き付け領域のコンクリートを硬化させて
膜要素及びコンクリート要素の変形解析を行うことによ
り、硬化工程の後に吹き付けられる領域の膜要素の沈下
挙動を解析でき、その解析結果として膜要素の沈下量を
低減し得る効果がある。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明による空気膜
型枠工法の施工評価装置の一例を示す機能ブロック図、
図2は本発明による空気膜型枠工法の施工評価装置を構
成するパーソナルコンピュータを示す構成図、図3は図
1の施工評価装置の動作を説明するためのフローチャー
ト、図4は図1の施工評価装置をドーム形状の空気膜型
枠工法に適用した場合の解析モデル及びこの解析モデル
に対して予め設定した施工手順に従いコンクリートを吹
き付けて有限要素法により変形解析を行う過程の一例を
示す説明図である。以下ではこれらの図を参照して本発
明による空気膜型枠工法の施工評価装置の実施例につい
て説明し、同時に本発明による空気膜型枠工法の施工評
価方法並びに施工評価プログラムを記録した記録媒体の
実施の形態について説明する。
【0019】本実施の形態における空気膜型枠工法の施
工評価装置は、具体的には図2に示したパーソナルコン
ピュータ1から構成されている。このパーソナルコンピ
ュータ1は、CPU2、キーボードやマウス等の入力部
3、RAM等の内部記憶装置4、ハードディスク装置等
からなる外部記憶装置5及びCRT等の表示装置6、プ
リンタ7などを備える。また、後に詳しく説明する図1
に示した各部の機能は、パーソナルコンピュータ1の内
部記憶装置4に外部記憶装置5から本発明の施工評価処
理に必要な所定のプログラムデータをロードし、このプ
ログラムデータに基づいてCPU2を動作することによ
り実現される。また、外部記憶装置5は本発明の実施の
形態に使用される施工評価標処理に必要な所定のプログ
ラムデータを記録したフロッピディスク等の記録媒体5
Aを備えている。
【0020】次に、図1に示す空気膜型枠工法の施工評
価装置の構成について説明すると、本実施の形態におけ
る空気膜型枠工法の施工評価装置は、データ入力手段2
1、解析モデル作成手段22、形状設定手段23、外力
付与手段24、膜要素解析手段25、コンクリート要素
解析手段26、判定手段27、履歴データ記憶手段2
8、及び評価手段29を含んで構成されている。
【0021】データ入力手21は、図2のキーボードや
マウス等の入力部3に相当するものであり、解析対象と
なるドーム形状のコンクリート構造物の形状データであ
るスパンと、高さと、曲率半径の各データ、空気膜に関
する材料特性データである弾性係数と、ポアソン比と、
厚みと、比重の各データ,及びコンクリートに関する材
料特性データである弾性係数と、ポアソン比と、厚み
と、比重の各データ、空気膜を前記形状データから想定
される形状の型枠に膨らませるのに必要な内圧データな
どを取り込む。
【0022】解析モデル作成手段22は、前記形状デー
タから想定されるドーム状の空気膜型枠に対して該空気
膜型枠の底版と結合される拘束基部から頂部に至る必要
最小限の解析領域、例えばシェル要素の連続条件を考慮
してドーム形状の1/4に相当する部分を切り出して解
析モデルを作成する。形状設定手段23は、前記膜の材
料特性データと内圧データに基づき、解析モデルの膜要
素を前記形状データから想定される形状、すなわちスパ
ンが27.00m、高さが3.48m、曲率半径が2
8.56mのドーム形状になるように設定する。外力付
与手段24は、膜要素に対するコンクリート部分吹き付
け領域を予め設定されたコンクリート吹き付け施工手順
に従い膜要素の基部から頂部に向けて複数に区分し、こ
の区分された各部分吹き付け領域に膜要素の基部から頂
部に向け順番にコンクリート吹き付け時のコンクリート
自重に相当する外力を付与する処理を実行する。
【0023】膜要素解析手段25は、外力付与手段24
で外力を付与した時の各部分吹き付け領域における膜要
素の変形を有限要素法により数値解析して膜要素の変形
量を算出する。コンクリート要素解析手段26は、膜要
素解析手段25の解析機能を停止した状態で、膜要素解
析手段25で算出した膜要素の変形量と前記コンクリー
トの材料特性データに基に有限要素法によりコンクリー
ト要素の変形量を算出する。判定手段27は、コンクリ
ート要素解析手段26で算出した各部分吹き付け領域に
おける変形量が、コンクリート凝結過程においてコンク
リートに損傷が起こらない許容値以内か否かを判定す
る。履歴データ記憶手段28は、図2に示すRAM等の
内部記憶装置4から構成されるもので、膜要素解析手段
25で算出された変形量、コンクリート要素解析手段2
6で算出された変形量及び判定手段26での判定結果を
コンクリート吹き付け施工過程の履歴データとして記憶
する。評価手段29は、履歴データを基にして前記予め
設定したコンクリート吹き付け施工手順及び部分吹き付
け領域数やその吹き付け範囲や膜内圧を含む施工条件を
チェックし評価する。
【0024】次に、上記のように構成された空気膜型枠
工法の施工評価装置をドーム形状のコンクリート構造物
の施工解析に適用した場合の動作について、図2ないし
図4を参照して説明する。まず、データ入力手段21に
より、解析対象となるドーム形状のコンクリート構造物
の形状データであるスパン(例えば、27.00m)
と、高さ(例えば、3.48m)と、曲率半径(例え
ば、28.56m)の各データ、空気膜に関する材料特
性データである弾性係数(例えば、4800kg/cm
2)と、ポアソン比(例えば、0.2)と、厚み(例え
ば、0.01mm)と、比重(例えば、1.0)の各デ
ータ,及びコンクリートに関する材料特性データである
弾性係数(例えば、200kg/cm2)と、ポアソン
比(例えば、0.18)と、厚み(例えば、20mm)
と、比重(例えば、2.5)の各データ、空気膜を前記
形状データから想定される形状の型枠に膨らませるのに
必要な内圧データ(例えば、167mmAq,186m
mAqなど)を順次入力する(ステップS1)。これら
の各データの入力処理時は、図2に示すCRT等の表示
装置6に表示されるとともに、RAM等の内部記憶装置
4に格納される。
【0025】このような解析に必要な空気膜及びコンク
リートに関するデータの入力が完了すると、解析モデル
作成手段22が動作し、入力された形状データから想定
されるドーム状の空気膜型枠を有限要素法で解析するに
際し、実際の空気膜型枠を忠実に表現した必要最小限の
解析領域を、例えばシェル要素の連続条件を考慮してド
ーム形状の1/4に相当する部分を、図4(A)に示す
ように切り出して解析モデル31を作成する(ステップ
S2)。この場合、膜及びコンクリートはメッシュ分割
された4節点厚肉シェル要素となり、そして、膜とコン
クリートを2重要素とするために自由度が同じ要素を使
用する。
【0026】次に、形状設定手段23が動作することに
より、解析モデル31の全膜要素に167mmAqに相
当する内圧を作用したと同様の内圧データと膜の材料特
性データから得られる膜自重データに基づいて、解析モ
デルの膜要素を前記形状データから想定される形状、す
なわちスパンが27.00m、高さが3.48m、曲率
半径が28.56mのドーム形状に膨らませた形状に設
定する(ステップS3)。次に、解析モデル31の膜要
素の基部から頂部に向けて複数に区分した各部分吹き付
け領域A1〜A3に膜要素の基部から頂部に向け、予め
設定されたコンクリート吹き付け施工手順に従いコンク
リート吹き付け時のコンクリート自重に相当する外力を
順番に付与する処理を実行する。すなわち、外力付与手
段24が動作することにより、まず、図4(B)に示す
ように解析モデル31の膜要素の第1のコンクリート部
分吹き付け領域A1にコンクリートを吹き付けたと同様
なコンクリート自重に相当する外力を作用させる(ステ
ップS4)。
【0027】そして、膜要素解析手段25では、この外
力付与状態における部分吹き付け領域A1の膜要素の変
形を有限要素法で解析し、部分吹き付け領域A1に対応
する膜要素の変形量を算出する(ステップ5)。次い
で、コンクリート要素解析手段26では、膜要素解析手
段25の解析機能を停止した状態で、膜要素解析手段2
5で算出した膜要素の変形量と前記コンクリートの材料
特性データに基づいてコンクリート要素の変形量を算出
する(ステップS6)。判定手段27では、コンクリー
ト要素解析手段26で算出された部分吹き付け領域A1
におけるコンクリート要素の変形量が、コンクリート凝
結過程においてコンクリートに損傷が起こらない許容値
以内か否かを判定する(ステップS7)。この判定結果
及び上記算出された膜要素の変形量とコンクリート要素
の変形量は、コンクリート吹き付け施工手順の履歴デー
タとして履歴データ記憶手段28に格納される(ステッ
プS8)。その後、解析モデル31の膜要素の全ての部
分吹き付け領域に対して外力付与による膜要素及びコン
クリート要素の変形解析が終了したかを判定する(ステ
ップS9)。
【0028】また、ステップS9において、否定判定さ
れた場合は、ステップS4に戻り、再度外力付与手段2
4を動作させて、図4(C)に示すように解析モデル3
1の膜要素の第2のコンクリート部分吹き付け領域A2
にコンクリートを吹き付けたと同様なコンクリート自重
に相当する外力を作用させる。その後、膜要素解析手段
25により、この外力付与状態における部分吹き付け領
域A2の膜要素の変形を有限要素法で解析し、部分吹き
付け領域A2に対応する膜要素の変形量を算出する。次
いで、コンクリート要素解析手段26により、膜要素解
析手段25で算出した膜要素の変形量とコンクリートの
材料特性データに基づいてコンクリート要素の変形量を
算出する。算出された部分吹き付け領域A2におけるコ
ンクリート要素の変形量は、コンクリート凝結過程にお
いてコンクリートに損傷が起こらない許容値以内か否か
を判定手段27で判定する。この判定結果及び算出され
た膜要素及びコンクリート要素の変形量は履歴データと
して履歴データ記憶手段28に格納される。
【0029】更に、ステップS9において、領域A3ま
で吹付け処理解析が終了したかを判定し、否定判定され
た場合は、ステップS4に戻り、再度外力付与手段24
を動作させて、図4(D)に示すように解析モデル31
の膜要素の第3のコンクリート部分吹き付け領域A3
(頂部領域)にコンクリートを吹き付けたと同様なコン
クリート自重に相当する外力を作用させる。その後、解
析手段25により、この外力付与状態における部分吹き
付け領域A3の膜要素の変形を有限要素法で解析し、部
分吹き付け領域A3に対応する膜要素の変形量を算出す
る。次いで、コンクリート要素解析手段26により、膜
要素解析手段25で算出した膜要素の変形量とコンクリ
ートの材料特性データに基づいてコンクリート要素の変
形量を算出する。算出された部分吹き付け領域A3にお
けるコンクリート要素の変形量は、コンクリート凝結過
程においてコンクリートに損傷が起こらない許容値以内
か否かを判定手段27で判定する。この判定結果及び算
出された変形量は履歴データとして履歴データ記憶手段
28に格納される。
【0030】解析モデル31の全ての部分吹き付け領域
に対する荷重・変形解析処理が終了したことが判定され
ると、評価手段29が動作し、履歴データ記憶手段28
に格納され履歴データ、すなわち、各部分吹き付け領域
ごとに算出された膜要素の変形量及びコンクリート要素
の変形量と判定手段27の判定結果を基にして、予め設
定したコンクリート吹き付け施工手順及び部分吹き付け
領域数やその吹き付け範囲や膜内圧を含む施工条件をチ
ェックし評価する(ステップS10)。
【0031】上述の膜要素に対するコンクリート吹き付
けは、膜要素の内圧を167mmAqに設定し、この状
態の解析モデル31に対して、領域A1の吹付け→領域
A2の吹付け→領域A3の吹付けの施工手順(以下、シ
リーズ1という)でコンクリートの吹き付けに相当する
コンクリート自重を作用させて膜及びコンクリートの変
形をシミュレーションした場合である。このようなシリ
ーズ1で示す施工手順及び施工条件で膜及びコンクリー
トの変形をシミュレーションした場合、変形量がコンク
リート凝結過程においてコンクリートに損傷が起こらな
い許容値以内の変形量であると評価せれれば、上記施工
手順及び施工条件で上記形状データに対応するアーチ状
のコンクリート構造物を構築することが可能になる。す
なわち、シリーズ1で示す施工手順及び施工条件で、ス
パンが27.00m、高さが3.48m、曲率半径が2
8.56mのドーム状のコンクリート構造物を空気膜型
枠工法により構築する場合、シリーズ1の施工手順及び
施工条件が適合するものであるか否かを判断することが
できる。
【0032】本発明による空気膜型枠工法の施工評価方
式は、上述した施工手順及び施工条件のものに限定され
ず、種々の施工手順及び施工条件の解析・評価にも適用
できる。例えば、膜要素の内圧を167mmAqに設定
し、この解析モデル31に対して、「領域A1の吹き付
け→内圧186mmAq→領域A2の吹き付け→領域A
1、A2の硬化→領域A3の吹き付け」を順に行う施工
手順及び施工条件(以下、シリーズ2という)、また
は、膜要素の内圧を167mmAqに設定し、この解析
モデル31に対して、「領域A1の吹き付け→領域A2
の吹き付け→領域A1、A2の硬化→領域A3の吹き付
け」を順に行う施工手順及び施工条件(以下、シリーズ
3という)の評価も可能である。ここで、上記シリーズ
2がシリーズ1と異なる点は、領域A1の吹き付け終了
時点で膜要素の内圧186mmAqに上昇させたこと、
及び領域A1、A2の硬化工程を付加したところにあ
る。
【0033】すなわち、このシリーズ2では、膜要素の
領域A1にコンクリートを吹き付ける解析を行った後、
全膜要素の内圧を167mmAqから186mmAqに
上昇させて膜要素及びコンクリート要素の変形解析を膜
要素解析手段25及びコンクリート要素解析手段26に
より行う。これにより、膜要素の内圧上昇工程がコンク
リート吹付け前後の変形量に及ぼす挙動を解析する。こ
の解析結果では、コンクリートの変形量を、その凝結過
程において変形によりコンクリートに損傷が起こらない
許容値以内に抑制し得る効果がある。また、全膜要素の
内圧を186mmAqに上昇させてから、領域A2にコ
ンクリートを吹き付ける解析を行った後、領域A1、A
2のコンクリートを硬化させることによる、変形量がほ
ぼ0mmとなる解析を行う。これにより、硬化工程の後
に吹き付けられる領域A3の膜要素の沈下挙動を解析す
る。この解析結果では、領域A3における膜要素の沈下
量を低減し得る効果がある。
【0034】また、上記シリーズ3がシリーズ1と異な
る点は、領域A1、A2の硬化工程を付加したところに
ある。すなわち、全膜要素の内圧を167mmAqに設
定した状態で、領域A1及び領域A2にコンクリートを
吹き付ける解析を行った後、この領域A1及びA2のコ
ンクリートを硬化させることによる、変形量がほぼ0m
mとなる解析を行う。これにより、硬化工程の後に吹き
付けられる領域A3の膜要素の沈下挙動を解析する。こ
の解析結果では、領域A3における膜要素の沈下量を低
減し得る効果がある。
【0035】以下、上記シリーズ1ないしシリーズ3の
解析結果について、図5ないし図7を参照して比較検討
する。図5は、縦軸にコンクリートの変形量をとり、横
軸にドーム中心からの距離をとって示すシリーズ1にお
ける領域A3の吹き付け前後に生じた変形量の測定結果
を示すグラフであり、図6は、縦軸にコンクリートの変
形量をとり、横軸にドーム中心からの距離をとって示す
シリーズ1及び2におけるコンクリート吹き付け前後に
生じた変形量の測定結果を示すグラフであり、図7は、
縦軸にコンクリートの変形量をとり、横軸にドーム中心
からの距離をとって示すシリーズ3における領域A3の
吹き付け前後に生じた変形量の測定結果を示すグラフで
ある。
【0036】シリーズ3では、図7のグラフから明らか
なように、領域A1及びA2のコンクリートを硬化させ
ることにより、領域A3にコンクリートを吹き付けても
領域A1及びA2に対応する膜要素の変形量は破線で示
すごとく、ほぼ0mmとなり、領域Aに対応する膜要素
の変形量は実線に示すように沈下する。これに対し、シ
リーズ1では、領域A1及びA2の硬化工程がないた
め、領域A1〜A3に対応する膜要素の変形量は、図5
の実線に示すようになる。この結果、シリーズ3の領域
3の前後に生じる膜要素の沈下量は、シリーズ1の場合
の約半分となる。このことから、領域A1及びA2を硬
化させることは領域A3の吹付け時の膜要素の沈下を抑
えるのに有効であることが認められる。
【0037】一方、シリーズ2に示すように、膜要素の
領域A1にコンクリートを吹き付ける解析を行った後、
全膜要素の内圧を167mmAqから186mmAqに
上昇させた場合、領域A1〜A3に対応する膜要素の変
形量は、図6の曲線61に示すようになり、また、シリ
ーズ1に示すように、膜要素の内圧を上昇させない場合
の変形量は図6の曲線62に示すようになる。この結
果、各部分吹き付け領域に対して順番に吹付けを行う施
工途中に全膜要素の内圧を上昇させる工程を導入するこ
とは、吹付け前後の変形量を小さくできるという点で有
効であることが認められる。
【0038】なお、本発明における空気膜型枠工法の施
工評価方式は、上述したシリーズ1ないしシリーズ3に
示した施工手順及び施工条件のものに限定されず、その
他の施工手順及び施工条件のものについても同様に適応
できることは勿論である。また、本発明の施工評価方式
は、上述したドーム状のコンクリート構造物に限らず、
アーチカルバートなどのアーチ構造物の施工解析評価に
も同様に適用することができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明の空気膜型枠
工法の施工評価方法及び記録媒体に記録した空気膜型枠
工法の施工評価プログラブでは、形状設定ステップにお
いて、膜の材料特性データと内圧データに基づき、解析
モデルの膜要素を形状データから想定される形状に設定
し、かつ、外力付与ステップにおいて、解析モデルの膜
要素に対するコンクリート部分吹き付け領域を予め設定
されたコンクリート吹き付け施工手順に従い膜要素の基
部から頂部に向けて複数に区分し、この区分された各部
分吹き付け領域に膜要素の基部から頂部に向け順番にコ
ンクリート吹き付け時のコンクリート自重に相当する外
力を作用させる。そして、膜要素解析ステップにおい
て、外力付与ステップで外力を付与した時の各部分吹き
付け領域における膜要素の変形を数値解析して膜要素の
変形量を算出し、さらに、コンクリート要素解析ステッ
プにおいて、膜要素の解析機能を停止した状態で、算出
した膜要素の変形量とコンクリートの材料特性データに
基づいてコンクリート要素の変形量を算出する。その
後、判定ステップにおいて、コンクリート要素解析ステ
ップで算出された各部分吹き付け領域におけるコンクリ
ート要素の変形量がコンクリートの凝結過程においてコ
ンクリートに損傷が起こらない許容値以内か否かを判定
する。そして、評価ステップにおいて、算出された膜要
素の変形量とコンクリート要素の変形量及び判定結果に
基づいて、予め設定したコンクリート吹き付け施工手順
及び部分吹き付け領域数や吹き付け範囲や膜内圧を含む
施工条件をチェックし評価する。
【0040】また、本発明の空気膜型枠工法の施工評価
装置では、形状設定手段が、膜の材料特性データと内圧
データに基づき、解析モデルの膜要素を形状データから
想定される形状に設定し、かつ、外力付与手段が、解析
モデルの膜要素に対するコンクリート部分吹き付け領域
を予め設定されたコンクリート吹き付け施工手順に従い
膜要素の基部から頂部に向けて複数に区分し、この区分
された各部分吹き付け領域に膜要素の基部から頂部に向
け順番にコンクリート吹き付け時のコンクリート自重に
相当する外力を作用させる。そして、膜要素解析手段
が、外力付与手段で外力を付与した時の各部分吹き付け
領域における膜要素の変形を数値解析して膜要素の変形
量を算出し、さらに、コンクリート要素解析手段が、膜
要素の解析機能を停止した状態で、算出した膜要素の変
形量とコンクリートの材料特性データに基づいてコンク
リート要素の変形量を算出する。その後、判定手段が、
コンクリート要素解析手段で算出された各部分吹き付け
領域におけるコンクリート要素の変形量がコンクリート
の凝結過程においてコンクリートに損傷が起こらない許
容値以内か否かを判定する。そして、評価手段が、算出
された膜要素の変形量とコンクリート要素の変形量及び
判定結果に基づいて、予め設定したコンクリート吹き付
け施工手順及び部分吹き付け領域数や吹き付け範囲や膜
内圧を含む施工条件をチェックし評価する。
【0041】したがって、本発明によれば、コンクリー
ト吹き付けに相当する荷重を空気膜に作用した時の空気
膜の変形及び吹き付けコンクリートの変形を数値解析す
ることができ、この解析結果から空気膜に対する最適な
コンクリート吹き付けの施工手順及び施工条件を評価し
決定することができる。
【0042】また、本発明によれば、各部分吹き付け領
域に対して順番に吹付けを行う施工途中に全膜要素の内
圧を上昇させて膜要素及びコンクリート要素の変形解析
を行うことにより、該内圧上昇工程がコンクリート吹付
け前後の変形量に及ぼす挙動を解析でき、その解析結果
として変形量を抑制し得る効果がある。また、本発明に
よれば、前記区分された頂部の部分吹き付け領域におけ
る膜要素にコンクリート吹き付け時のコンクリート自重
に相当する外力を作用させて変形解析する以前に、前記
頂部以外の各部分吹き付け領域のコンクリートを硬化さ
せて膜要素及びコンクリート要素の変形解析を行うこと
により、硬化工程の後に吹き付けられる領域の膜要素の
沈下挙動を解析でき、その解析結果として膜要素の沈下
量を低減し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空気膜型枠工法の施工評価装置の
一例を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明による空気膜型枠工法の施工評価装置を
構成するパーソナルコンピュータを示す構成図である。
【図3】図1の施工評価装置の動作を説明するためのフ
ローチャートである。
【図4】図1の施工評価装置をドーム形状の空気膜型枠
工法に適用した場合の解析モデル及びこの解析モデルに
対して予め設定した施工手順に従いコンクリートを吹き
付けて有限要素法により変形解析を行う過程の一例を示
す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるシリーズ1の領域
A3の吹き付け前後に生じた変形量の測定結果を示すグ
ラフである。
【図6】本発明の実施の形態におけるシリーズ1及び2
におけるコンクリート吹き付け前後に生じた変形量の測
定結果を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態におけるシリーズ3におけ
る領域A3の吹き付け前後に生じた変形量の測定結果を
示すグラフである。
【符号の説明】
21 データ入力手段 22 解析モデル作成手段 23 形状設定手段 24 外力付与手段 25 膜要素解析手段 26 コンクリート要素解析手段 27 判定手段 28 履歴データ記憶手段 29 評価手段

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気圧により膨らませた空気膜を型枠
    し、この型枠の外面に予め設定した施工手順及び施工条
    件に基づきコンクリートを吹き付けてコンクリート構造
    物を構築する空気膜型枠工法の施工評価方法であって、 解析対象となるコンクリート構造物の形状データと前記
    空気膜及びコンクリートに関する材料特性データと前記
    空気膜を前記形状データから想定される形状の型枠に膨
    らませるのに必要な内圧データを取り込むデータ入力ス
    テップと、 前記形状データから想定される空気膜型枠に対して該空
    気膜型枠の拘束基部から頂部に至る必要最小限の解析領
    域を切り出して解析モデルを作成する解析モデル作成ス
    テップと、 前記膜の材料特性データと前記内圧データに基づき、前
    記解析モデルの膜要素を前記形状データから想定される
    形状に設定する形状設定ステップと、 前記膜要素に対するコンクリート吹き付け領域を予め設
    定されたコンクリート吹き付け施工手順に従い膜要素の
    基部から頂部に向けて複数に区分し、この区分された各
    部分吹き付け領域に膜要素の基部から頂部に向け順番に
    コンクリート吹き付け時のコンクリート自重に相当する
    外力を作用させる外力付与ステップと、 前記外力付与ステップで外力を付与した時の各部分吹き
    付け領域における膜要素の変形を数値解析して膜要素の
    変形量を算出する膜要素解析ステップと、 前記膜要素の解析機能を停止した状態で前記算出した膜
    要素の変形量と前記コンクリートの材料特性データに基
    づいてコンクリート要素の変形量を算出するコンクリー
    ト要素解析ステップと、 前記コンクリート要素解析ステップで算出された各部分
    吹き付け領域におけるコンクリート要素の変形量がコン
    クリートの凝結過程においてコンクリートに損傷が起こ
    らない許容値以内か否かを判定する判定ステップと、 前記算出された膜要素の変形量と前記算出されたコンク
    リート要素の変形量及び前記判定ステップでの判定結果
    をコンクリート吹き付け施工過程の履歴データとして記
    憶する履歴データ記憶ステップと、 前記履歴データを基にして前記予め設定したコンクリー
    ト吹き付け施工手順及び部分吹き付け領域数や吹き付け
    範囲や膜内圧を含む施工条件をチェックし評価する評価
    ステップと、 を備えることを特徴とする空気膜型枠工法の施工評価方
    法。
  2. 【請求項2】 前記判定ステップにおいて、前記コンク
    リート要素解析ステップで算出された各部分吹き付け領
    域におけるコンクリート要素の変形量がコンクリートの
    凝結過程においてコンクリートに損傷が起こる許容値以
    上であると判定された時は、該部分吹き付け領域を調整
    して該部分吹き付け領域におけるコンクリート要素の変
    形量が許容値以内に抑制されるように施工条件を変更す
    ることを特徴とする請求項1記載の空気膜型枠工法の施
    工評価方法。
  3. 【請求項3】 前記区分された各部分吹き付け領域に対
    して順番に吹付けを行う施工途中に全膜要素の内圧を上
    昇させて膜要素及びコンクリート要素の変形解析を行う
    ことを特徴とする請求項1または2記載の空気膜型枠工
    法の施工評価方法。
  4. 【請求項4】 前記区分された頂部の部分吹き付け領域
    における膜要素にコンクリート吹き付け時のコンクリー
    ト自重に相当する外力を作用させて変形解析する以前
    に、前記頂部以外の各部分吹き付け領域のコンクリート
    を硬化させて膜要素及びコンクリート要素の変形解析を
    行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記
    載の空気膜型枠工法の施工評価方法。
  5. 【請求項5】 前記コンクリート構造物の形状データ
    は、スパンと、高さと、曲率半径の各データを含み、前
    記空気膜の材料特性データは、弾性係数と、ポアソン比
    と、厚みと、比重の各データを含み、前記コンクリート
    の材料特性データは、弾性係数と、ポアソン比と、厚み
    と、比重の各データを含む請求項1記載の空気膜型枠工
    法の施工評価方法。
  6. 【請求項6】 前記膜要素解析ステップ及びコンクリー
    ト要素解析ステップでは、有限要素法を用いて膜要素の
    変形解析を行うことを特徴とする請求項1記載の空気膜
    型枠工法の施工評価方法。
  7. 【請求項7】 空気圧により膨らませた空気膜を型枠
    し、この型枠の外面に予め設定した施工手順及び施工条
    件に基づきコンクリートを吹き付けてコンクリート構造
    物を構築する空気膜型枠工法の施工評価装置であって、 解析対象となるコンクリート構造物の形状データと前記
    空気膜及びコンクリートに関する材料特性データと前記
    空気膜を前記形状データから想定される形状の型枠に膨
    らませるのに必要な内圧データを取り込むデータ入力手
    段と、 前記形状データから想定される空気膜型枠に対して該空
    気膜型枠の拘束基部から頂部に至る必要最小限の解析領
    域を切り出して解析モデルを作成する解析モデル作成手
    段と、 前記膜の材料特性データと前記内圧データに基づき、前
    記解析モデルの膜要素を前記形状データから想定される
    形状に設定する形状設定手段と、 前記膜要素に対するコンクリート部分吹き付け領域を予
    め設定されたコンクリート吹き付け施工手順に従い膜要
    素の基部から頂部に向けて複数に区分し、この区分され
    た各部分吹き付け領域に膜要素の基部から頂部に向け順
    番にコンクリート吹き付け時のコンクリート自重に相当
    する外力を作用させる外力付与手段と、 前記外力付与手段で外力を付与した時の各部分吹き付け
    領域における膜要素の変形を数値解析して膜要素の変形
    量を算出する膜要素解析手段と、 前記膜要素の解析機能を停止した状態で前記算出した膜
    要素の変形量と前記コンクリートの材料特性データに基
    づいてコンクリート要素の変形量を算出するコンクリー
    ト要素解析手段と、 前記コンクリート要素解析手段で算出された各部分吹き
    付け領域におけるコンクリート要素の変形量がコンクリ
    ートの凝結過程においてコンクリートに損傷が起こらな
    い許容値以内か否かを判定する判定手段と、 前記算出された膜要素の変形量と前記算出されたコンク
    リート要素の変形量及び前記判定手段での判定結果をコ
    ンクリート吹き付け施工過程の履歴データとして記憶す
    る履歴データ記憶手段と、 前記履歴データを基にして前記予め設定したコンクリー
    ト吹き付け施工手順及び部分吹き付け領域数や吹き付け
    範囲や膜内圧を含む施工条件をチェックし評価する評価
    手段と、 を備えることを特徴とする空気膜型枠工法の施工評価方
    法。
  8. 【請求項8】 前記判定手段において、前記コンクリー
    ト要素解析手段で算出された各部分吹き付け領域におけ
    るコンクリート要素の変形量がコンクリートの凝結過程
    においてコンクリートに損傷が起こる許容値以上である
    と判定された時は、該部分吹き付け領域を調整して該部
    分吹き付け領域におけるコンクリート要素の変形量が許
    容値以内に抑制されるように施工条件を変更することを
    特徴とする請求項7記載の空気膜型枠工法の施工評価装
    置。
  9. 【請求項9】 前記区分された各部分吹き付け領域に対
    して順番に吹付けを行う施工途中に全膜要素の内圧を上
    昇させて膜要素及びコンクリート要素の変形解析を行う
    ことを特徴とする請求項7または8記載の空気膜型枠工
    法の施工評価装置。
  10. 【請求項10】 前記区分された頂部の部分吹き付け領
    域における膜要素にコンクリート吹き付け時のコンクリ
    ート自重に相当する外力を作用させて変形解析する以前
    に、前記頂部以外の各部分吹き付け領域のコンクリート
    を硬化させて膜要素及びコンクリート要素の変形解析を
    行うことを特徴とする請求項7乃至9の何れか1項に記
    載の空気膜型枠工法の施工評価装置。
  11. 【請求項11】 前記コンクリート構造物の形状データ
    は、スパンと、高さと、曲率半径の各データを含み、前
    記空気膜の材料特性データは、弾性係数と、ポアソン比
    と、厚みと、比重の各データを含み、前記コンクリート
    の材料特性データは、弾性係数と、ポアソン比と、厚み
    と、比重の各データを含む請求項7記載の空気膜型枠工
    法の施工評価装置。
  12. 【請求項12】 前記膜要素解析手段及びコンクリート
    要素解析手段では、有限要素法を用いて膜要素の変形解
    析を行うことを特徴とする請求項7記載の空気膜型枠工
    法の施工評価装置。
  13. 【請求項13】 空気圧により膨らませた空気膜を型枠
    し、この型枠の外面に予め設定した施工手順及び施工条
    件に基づきコンクリートを吹き付けてコンクリート構造
    物を構築する空気膜型枠工法の施工評価プログラムを記
    録した記録媒体であって、 解析対象となるコンクリート構造物の形状データと前記
    空気膜及びコンクリートに関する材料特性データと前記
    空気膜を前記形状データから想定される形状の型枠に膨
    らませるのに必要な内圧データを取り込むデータ入力ス
    テップと、 前記形状データから想定される空気膜型枠に対して該空
    気膜型枠の拘束基部から頂部に至る必要最小限の解析領
    域を切り出して解析モデルを作成する解析モデル作成ス
    テップと、 前記膜の材料特性データと前記内圧データに基づき、前
    記解析モデルの膜要素を前記形状データから想定される
    形状に設定する形状設定ステップと、 前記膜要素に対するコンクリート部分吹き付け領域を予
    め設定されたコンクリート吹き付け施工手順に従い膜要
    素の基部から頂部に向けて複数に区分し、この区分され
    た各部分吹き付け領域に膜要素の基部から頂部に向け順
    番にコンクリート吹き付け時のコンクリート自重に相当
    する外力を作用させる外力付与ステップと、 前記外力付与ステップで外力を付与した時の各部分吹き
    付け領域における膜要素の変形を数値解析して膜要素の
    変形量を算出する膜要素解析ステップと、 前記膜要素の解析機能を停止した状態で前記算出した膜
    要素の変形量と前記コンクリートの材料特性データに基
    づいてコンクリート要素の変形量を算出するコンクリー
    ト要素解析ステップと、 前記コンクリート要素解析ステップで算出された各部分
    吹き付け領域におけるコンクリート要素の変形量がコン
    クリートの凝結過程においてコンクリートに損傷が起こ
    らない許容値以内か否かを判定する判定ステップと、 前記算出された膜要素の変形量と前記算出されたコンク
    リート要素の変形量及び前記判定ステップでの判定結果
    をコンクリート吹き付け施工過程の履歴データとして記
    憶する履歴データ記憶ステップと、 前記履歴データを基にして前記予め設定したコンクリー
    ト吹き付け施工手順及び部分吹き付け領域数や吹き付け
    範囲や膜内圧を含む施工条件をチェックし評価する評価
    ステップと、 をコンピュータに実行させるための空気膜型枠工法の施
    工評価プログラムを記録した記録媒体。
  14. 【請求項14】 前記判定ステップにおいて、前記コン
    クリート要素解析ステップで算出された各部分吹き付け
    領域におけるコンクリート要素の変形量がコンクリート
    の凝結過程においてコンクリートに損傷が起こる許容値
    以上であると判定された時は、該部分吹き付け領域を調
    整して該部分吹き付け領域におけるコンクリート要素の
    変形量が許容値以内に抑制されるように施工条件を変更
    することを特徴とする請求項13記載の空気膜型枠工法
    の施工評価プログラムを記録した記録媒体。
  15. 【請求項15】 前記区分された各部分吹き付け領域に
    対して順番に吹付けを行う施工途中に全膜要素の内圧を
    上昇させて膜要素及びコンクリート要素の変形解析を行
    うことを特徴とする請求項13または14記載の空気膜
    型枠工法の施工評価プログラムを記録した記録媒体。
  16. 【請求項16】 前記区分された頂部の部分吹き付け領
    域における膜要素にコンクリート吹き付け時のコンクリ
    ート自重に相当する外力を作用させて変形解析する以前
    に、前記頂部以外の各部分吹き付け領域のコンクリート
    を硬化させて膜要素及びコンクリート要素の変形解析を
    行うことを特徴とする請求項13乃至15の何れか1項
    に記載の空気膜型枠工法の施工評価プログラムを記録し
    た記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103669871A (zh) * 2013-12-02 2014-03-26 重庆大学 一种预拌混凝土施工期间间接裂缝综合防治和处理的方法
CN109635406A (zh) * 2018-12-05 2019-04-16 长沙科达智能装备股份有限公司 一种基于点云切片的隧道全自动喷浆轨迹规划方法

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