JPH11323873A - 海岸構造物 - Google Patents

海岸構造物

Info

Publication number
JPH11323873A
JPH11323873A JP10134916A JP13491698A JPH11323873A JP H11323873 A JPH11323873 A JP H11323873A JP 10134916 A JP10134916 A JP 10134916A JP 13491698 A JP13491698 A JP 13491698A JP H11323873 A JPH11323873 A JP H11323873A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
leg
legged structure
leg members
legged
sand
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10134916A
Other languages
English (en)
Inventor
Takatsu Wagi
多克 和木
Masami Origasa
正美 折笠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
World Engineering Co
Original Assignee
World Engineering Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by World Engineering Co filed Critical World Engineering Co
Priority to JP10134916A priority Critical patent/JPH11323873A/ja
Publication of JPH11323873A publication Critical patent/JPH11323873A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A10/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
    • Y02A10/11Hard structures, e.g. dams, dykes or breakwaters

Landscapes

  • Revetment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 海岸に近接する海底地盤に設置し、砂等が洗
掘されることを防止するために、多脚構造物を鉄鋼構造
物で任意の大きさに構成して、敷設と移動を容易に行い
得るとともに、組み合わせや配置を任意に行い得るよう
にする。 【解決手段】 多脚構造物10は本体部材11の周囲か
ら放射方向に脚部材12〜14を突出させて、鉄鋼構造
物として一体化して構成する。前記脚部材のうち、2つ
の脚部材を海底地盤1上に設置して、直立する脚部材を
用いて潮流7や波浪等の速度を減衰させ、海岸側の脚部
材に対して堆積砂2の層を形成させて砂の流出を防ぎ、
海岸の侵食の防止に活用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海岸に近い海中の
設置して、海岸の砂等が潮流や波浪により侵食されるこ
とを防止するための海岸構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】海岸の侵食を防止するためには、従来よ
り海岸線に近接する海中に、消波ブロックを多数個積み
重ねた消波堤を構築すること等の手段が用いられてお
り、砂浜の砂を侵食から守るためには、海中に潜堤を構
築することが知られている。前記消波ブロックを列状に
構築する場合には、任意の大きさのブロックを積み重ね
て消波堤を構築することができ、ブロックの一部が海底
地盤内に沈下・埋設した場合でも、その上に新たにブロ
ックを積み上げることによって、容易に修復できるとい
う特徴がある。したがって、各種の海浜の保護方法を用
いることによって、特に、砂浜の海岸に直接荒波が打ち
寄せることによる侵食を防止して、海岸の景観を保護で
きるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記潜堤は
最低潮位よりも低く構築されることが一般的であり、海
岸からの眺望には大きな影響は生じないものであるが、
前記潜堤の構築経費が非常に高価である。前記潜堤とは
別に、消波ブロックを用いる方法と、海中護岸を構築す
る方法を用いる場合には、海岸線から任意の距離離れた
場所に列状に構築することができるが、一般に、構造物
の頂部が海面上に突出するような高さに構築される。し
たがって、その構造物が、海岸からの眺望の障害になる
ことは避けられないものである。また、前記構造物にお
いても、比較的波の荒い海域に構築するものであること
から、その構築作業の環境は良いものではなく、工事費
用も安くならないという問題がある。さらに、前記各種
の構造物は、それが不要となった後でも、撤去すること
は非常に困難なものであり、無理に撤去しようとすると
構築時と同様な高額の経費を必要とする。
【0004】本発明は、前述したような従来の侵食防止
のための海岸構造物の問題を解消するもので、敷設と撤
去を容易に行い得るとともに、砂の流出を有効に防止で
きる海岸構造物を提供することを目的としている。
【0005】
【発明を解決するための手段】本発明は、海岸構造物に
関する。本発明の請求項1の発明は、長く形成した軸芯
部材に対して、多数の板状の脚部材を前記軸芯部から放
射状に突出させて一体に多脚構造物を構成したことを特
徴とする。請求項2の発明は、前記軸芯部材として筒状
の部材を用い、前記筒状の部材の周囲に多数の脚部材放
射状に突出させて構成することを特徴とする。請求項3
の発明は、前記筒状の部材および複数の脚部材のうちの
少なくとも1つに多数の貫通孔を設け、前記孔を介して
海水の流通を許容することを特徴とする。
【0006】請求項4の発明は、長く形成した軸芯部材
に対して、多数の板状の脚部材を前記軸芯部から放射状
に突出させて一体に多脚構造物を構成するとともに、前
記多脚構造物に設けた脚部材のうちの1つを棒状脚部材
として構成することを特徴とする。請求項5の発明は、
前記2つの脚部材の両側部に各々蓋部材を取付けて、下
面が開口する空間部を構成し、前記空間部から水を吸引
する装置を接続し、前記吸引する水とともに海底の砂を
前記空間部に入り込ませることを特徴とする。請求項6
の発明は、前記多脚構造物を多数積み重ねて用いること
を特徴とする。請求項7の発明は、前記多脚構造物の軸
芯部材または脚部材に空気を噴出させる手段を設け、前
記空気噴出手段に向けて空気を供給する手段を配置し、
前記空気噴出手段によりエアーカーテンを形成すること
を特徴とする。
【0007】前述したように構成したことにより、多脚
構造物を鉄鋼構造物として構成する場合には、任意の大
きさと重量とを有するものとして形成でき、海底地盤に
設置した際に多脚構造物が受ける波浪等の圧力に十分に
対処させることができる。また、波浪の影響を受けて多
脚構造物が移動した場合でも、元の位置に移動させるこ
とは容易にできるものであり、脚部材を本体に対して等
角度に配置したものでは、転がったとしても、その脚部
材による海底地盤上での位置決めと、直立する脚部材に
よる波浪の圧力の解消等の作用は確実に維持できる。そ
して、本発明の多脚構造物を用いることにより、海岸の
流砂防止と波の圧力を緩和する構造物としての性能を発
揮でき、海岸の保護のために有効に利用することができ
る。
【0008】また、本発明の多脚構造物は、あらかじめ
海底地盤に脚部材を潜り込ませる状態で設置できるの
で、その海底での安定性を良好に設定できる。さらに、
前記多脚構造物を鉄鋼製の一体構造物とした場合、設置
した後で任意の位置に移動させたり、撤去することも容
易にでき、従来の消波堤のように、永久構造物としての
み利用するもののみではない。そして、鉄鋼で構成して
いても、その肉の厚さを適宜設定することにより、海水
により腐食されたとしても、コンクリート製の構造物と
同様に、長期間の使用に耐えることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図示される例にしたがって、本発
明の鋼製海岸構造物を説明する。図1、2に示す例は、
本発明に使用する多脚構造物の構造を示しているもの
で、肉厚の鋼管で構成した本体部材11に対して、放射
状に複数枚の脚部材12、13、14を突出させて配置
して、多脚構造物10を構成している。前記多脚構造物
10は、本体部材と脚部材とをそれぞれ鋼材で構成する
ものであり、本体部材の周囲に脚部材を溶接手段を用い
て固定して、剛体の構造物を形成しいる。なお、本発明
においては、本体部材11として使用する鋼管は、任意
の太さのものを用いることが可能であり、脚部材を構成
する鋼板としても、任意の厚さのものを用いることが可
能である。前記多脚構造物を鋼材で構成する場合に、例
えば、海水による腐食が0.1〜0.2mm/年であると
して考えると、脚部材の厚さを10mmとして形成する場
合には、約50年の耐用年数の間、海中に設置したまま
で使用可能であると考えられる。
【0010】前記多脚構造物10は、図3に示すよう
に、海底地盤1の上に設置することができるもので、例
えば、クレーン船から吊り下げて海中に敷設する場合で
も、2つの脚部材13、14を脚を地盤上に設置して、
1つの脚部材12が直立する状態となる。そして、例え
ば、強い波を受けて転動するとしても、図4に示すよう
に、2つの脚部材が地盤上に踏ん張る状態で、1つの脚
部材12が直立するようになる。したがって、前記多脚
構造物に3つの脚部材を等角度で配置する場合には、波
の圧力により転動しても、その多脚構造物の消波性能に
は変化がなく、海岸構造物としての性能を良好に維持す
ることができる。
【0011】前述したようにして、多脚構造物を海底地
盤1上に設置した場合に、前記多脚構造物10の本体部
材11から突出させた3つの脚部材が、全て板状の部材
として構成されていると仮定すると、図3に開示するよ
うに、海岸から戻される波は、脚部材12により下方に
案内される潮流5となる。そして、その潮流の流速が急
激に低下するので、砂地から運んで来た砂は沈殿し、脚
部材14の上に次第に堆積される。また、脚部材13側
では、海岸に打ち寄せる波の圧力により脚部材13の位
置する海底で洗掘が発生し、脚の先端部で洗掘部3が形
成されることによって、脚部材13が洗掘部に突入する
ように傾きながら沈むと考えられる。しかしながら、前
記脚部材の1つが地盤中に沈む状態となると、その脚部
材が傾斜して洗掘部に入り込む状態となりから、さらに
安定性が向上するものとなるとともに、脚部材14に対
して堆積した砂2の圧力により、多脚構造物が地盤上で
移動できない状態に固定される。
【0012】図5、6に示す例は、1つの脚部材に孔1
6……を多数設けておき、潮流の一部を孔16……を通
すことにより、脚部材12が受ける圧力を少なくする例
を示している。このように構成した場合には、2つの脚
部材13、14により海底地盤上での多脚構造物の支持
を行うことができるが、多脚構造物が転動した場合に
は、孔を設けた脚部材の効果が得られないことがあると
想定される。図5の実施例では、多脚構造物10aが転
動した場合には、脚部材12に代わって、孔がない脚部
材13等が直立する状態となるので、脚部材12に対す
る潮流の通過性能に欠陥が発生する。そのために、本実
施例では、多脚構造物10aを脚部材12が直立する状
態で正確に設置することが必要である。
【0013】本実施例で示す多脚構造物10aにおいて
は、図6に示すように、直列した脚部材12には多数の
孔16が設けられているために、強い潮流の圧力が脚部
材12に当たったとしても、その圧力の一部は孔16を
通って海側に流れる。そして、脚部材12に当って圧力
を加える潮流の一部は、下方に向けての流れ5となるの
で、その流速が減少した潮流から砂等が沈殿して、堆積
砂2の層を構成することは、前記図3の場合と同様にな
る。また、前記多脚構造物10aに対する波または潮流
の圧力により、脚部材13と14とは地盤に潜り込むよ
うな力が加えられるので、2本の脚部材13、14によ
り安定した状態で脚部材12を直立させて保持できる。
【0014】図7、8に示す例は、本体部材11と脚部
材12〜14のそれぞれに、孔を貫通させて設けた多脚
構造物10bの例を示している。この実施例では、本体
部材と脚部材の各々に設ける孔15、16は、任意の大
きさのものとして構成することができるものであり、強
い潮流の影響を受けやすい海域に配置して、多脚構造物
により潮流を減衰させて、海岸に強い波が打ち寄せるこ
とを防止するために用いることができる。また、本実施
例では、多脚構造物10bの構造体の全てに潮流の通過
を許容する孔15、16が形成されていることから、図
8に示すように、波または潮流の影響を強く受けた場合
でも、孔の部分から通る分だけ多脚構造物の各部分にあ
たる圧力は小さくなる。
【0015】したがって、その圧力の変化に対応して流
速が減じられることによって、潮流により運ばれてくる
砂等が沈殿することから、多脚構造物の周囲全体に砂が
沈殿して、堆積砂の層が形成される。なお、一度多脚構
造物の周囲に堆積された砂等は、その後の強い潮流によ
り再び移動することも考えられるが、常に堆積砂層に対
して砂等の供給と移動とが繰り返されることにより、多
脚構造物を設置してから一定期間が経過した後では、多
脚構造物の下部が砂に埋まった状態で、海底地盤上に安
定保持されると考えられる。
【0016】図9に示す例は、1つの脚部材を棒状脚部
材17を列設して構成し、他の2つの脚部材12、14
を板状部材で構成する多脚構造物10cの例を示してい
る。この多脚構造物10cにおいては、本体部材11に
は多数の貫通孔15……を設け、脚部材12にも多数の
孔16……を設けて、本体部材11と脚部材12が受け
る波の圧力を、孔を通すことにより減衰させて、多脚構
造物に荒い波の圧力が大きく付与されないようにする。
また、本体部材11から突出させて設ける棒状脚部材1
7……は、任意の太さと巾を有する部材で構成すること
ができるもので、波の圧力により海側に向けた力が付与
されることにより、棒状脚部材が海底地盤に向けて強く
押圧されて潜り込むことによって安定保持できる。
【0017】さらに、この多脚構造物10cにおいて
は、前記各実施例と同様に、脚部材14に対しても孔を
設けることが可能であり、その他に、脚部材12、14
および本体部材11には孔を設けないものとして構成す
ることも可能である。前述したように構成したことによ
り、多脚構造物が転動することを想定すると、脚部材1
3に代えて設ける棒状脚部材17が、突っ張り部材とし
て作用しない状態となることが考えられる。そこで、本
実施例においては、前記図5に示した例と同様に、多脚
構造物が転動しないように保持できるように、比較的波
の圧力の小さい海域で使用すれば良いことになるが、そ
の他に、他の形状の多脚構造物と組み合わせて使用する
ことによって、安定保持できるような対策を加えると良
い。
【0018】前記各実施例では、本体部材を円筒状また
は肉厚のパイプ状の部材で構成し、その本体部材の周囲
に3つの脚部材を放射状に突出させて配置する場合を例
にして説明したが、本発明においては、図10〜12に
示す変形例のように構成することも可能である。図10
に示す多脚構造物20の例では、本体部材21を略三角
形状のものとして構成し、その三角の頂部に脚部材2
2、22a、22bを各々取付けて構成しているが、前
記三角の本体に取付ける脚部材は、任意の位置から突出
させることが可能である。前記多脚構造物20において
は、例えば、本体部材の1つの辺と脚部材とを鉄板を折
り曲げて構成したモジュールとし、3つのモジュールを
組み合わせて溶接することによって容易に構成すること
が可能であり、その他に、任意の組み合わせ手段を用い
ることができる。
【0019】図11に示す例は、本体部材25の断面形
状を四角形状のものとして形成し、その本体部材の周囲
に3つの脚部材26〜26bをそれぞれ突出させて設
け、多脚構造物24を構成する場合を示している。ま
た、図12に示す例では、円筒状断面の本体部材28の
周囲に、放射状に5つの脚部材29〜29dを等角度で
突出させて設けて、多脚構造物28を構成する場合を示
している。前記図12に示す例では、構造物に対して横
側から波の力を受けると容易に転動するものと考えられ
るが、多数の多脚構造物を積み重ねるようにして配置す
る場合には、多脚構造物の脚部材が相互に干渉し合うも
のとなる。そして、多数のた脚構造体を組み合わせたも
のに対して、転がり方向の力が加えられた際に、相互に
転がり抵抗をの抵抗を大きくして、構造体の組み合わせ
体の波等に対する抵抗力を強固なものとすることができ
る。なお、前記図10〜12に示す各実施例において
も、本体部材の太さや脚部材の突出長さ等は任意に形成
できるものであり、前記本体部材や脚部材に孔を設けて
波の圧力に対処させようとすることも、必要に応じて容
易に行い得るものである。
【0020】
【実施例】前述したように構成する多脚構造物におい
て、例えば、多脚構造物を設置した直後に、大きな安定
性を得ようとする場合には、以下に示すような補助手段
を適用することが可能である。図13、14に示す多脚
構造物30の例において、前記図1の例と同様に、本体
部材31の周囲に放射状に脚部材32〜34を突出させ
て構成したものを、1つの対象として示している。前記
多脚構造物30においては、本体部材31の両端部に蓋
部材35を取付けて内部を密閉し、2つの脚部材33、
34の両端部に蓋部材36を取付けて、前記脚部材3
3、34と両側の蓋部材36とにより下面が開口した空
間37を形成している。
【0021】前記多脚構造物30においては、本体部材
31と空間部37との間に吸引孔38を設けておき、前
記吸引孔38を介して本体部材の内部と空間部37とを
連通させている。そして、前記多脚構造物30を所定の
海域に設置してから、前記本体部材31に対してポンプ
40にホース41を接続し、本体部材31を介して空間
部37の水を吸引することにより、前記多脚構造物の下
部の閉じられた空間部から大量の水を吸引させる。前記
本体部材を介して下部の空間から水を吸引する動作によ
り、多脚構造物の下部の2つの脚部材33、34が海底
の砂の中に潜り込むような作用が発生し、多脚構造物の
2つの脚部材の先端部は所定の深さまで、海底地盤中に
潜り込ませられる。前記下部の空間部の水を吸引する際
には、海底地盤の砂が海水とともに空間部に向けて移動
するが、大部分の砂は脚部材に区画される空間部37に
貯留され、その一部が本体部材31の内部に入り込むと
考えられる。したがって、前述したように、海底地盤上
に多脚構造物を設置した後で、ポンプにより下部の空間
部から海水を吸引する作業を行うことによって、多脚構
造物の下部が砂の中に入り込んで、多脚構造物を安定し
た状態で設置できることになる。
【0022】図15、16に示す例は、前記図13の多
脚構造物の変形例として示しているものである。図15
に示す多脚構造物30aにおいては、脚部材33、34
の両端部にのみ蓋部材36を配置して、多脚構造物の下
部に下面のみが開放された空間部37を形成し、脚部材
33に取付けたホース41をポンプ40に接続してい
る。そして、多脚構造物30aを海底地盤上に設置した
後で、下部の空間部37から海水を吸引することによ
り、多脚構造物の2つの脚部材33、34を地盤中に潜
り込ませるとともに、空間部37に砂を入り込ませるよ
うにする。
【0023】図16に示す例は、前記図10〜12の多
脚構造物を、さらに変形して構成した多脚構造物30b
の構造を示している。この実施例に示す多脚構造物30
bにおいては、3つの脚部材を相互に接続して多脚構造
物を構成しているもので、例えば、鉄筋コンクリートで
一体形成することもできる。前記多脚構造物30bにお
いては、脚部材33に対してホース41を接続し、脚部
材33、34の間に蓋部材36を配置することにより、
下部の空間部37を、下面が開口するものとして構成す
る。そして、前記各実施例と同様に、多脚構造物30b
を海底地盤上に設置してから、ポンプ40により空間部
の水を吸引して、内部に砂を充満させるとともに、脚部
材33、34の突出側端部を砂に潜り込ませるようにし
て安定させる。
【0024】前記各実施例に示されるように、多脚構造
物の下部の脚部材を強制的に地盤の中に潜り込ませるよ
うに、補助手段を配置した多脚構造物においては、例え
ば、図17に示すように、多数の多脚構造物30、30
A……をチェーン等のような接続具45を用いて接続し
て、長い多脚構造物の列を形成することができる。ま
た、前記多脚構造物の列を構成するに際しては、各多脚
構造物に対してポンプを配置して、各々の多脚構造物に
対して安定化作用を付与することもできる。さらに、1
つのポンプ40を用いて、各多脚構造物に対してホース
41を順次接続し、多脚構造物に対する安定化作業を順
次施して設置しても良い。そして、前述したようにし
て、複数の多脚構造物を順次接続することによって、海
岸線に沿わせて長い多脚構造物による流砂防止堤防のよ
うな構造物を構築することが可能になる。
【0025】
【実施例2】前記図17に示したように多脚構造物を列
状に設置して、海岸の砂を波から保護することの他に、
多脚構造物を用いた本実施例では、図18、19に示す
ように、離岸堤50として構築されている海洋構造物の
間に、前記多脚構造物を配置することにより、砂浜を保
護することができる。前記離岸堤50……は、砂浜等を
洗掘から保護するために、海岸線4から所定の距離を隔
てた場所に点状に配置されているのが普通である。とこ
ろが、従来の離岸堤においては、各離岸堤の間に比較的
大きな間隔が形成されているものであり、潮流や波等が
離岸堤の間を通って海岸に押し寄せることは避けられな
いという問題がある。もちろん、離岸堤を配置すること
によって、海岸の砂地が大きく洗掘されることは防止で
きるものの、完全に流砂を防止することは困難なもので
ある。
【0026】そこで、本発明においては、前記列状に配
置している離岸堤50、50……の間に、多脚構造物1
0をそれぞれ配置して、前記離岸堤50が強い波を受け
た際の圧力を負担させて、前記離岸堤の間を流通する潮
流により海岸から運び出される砂を、多脚構造物により
とめることができるようにする。つまり、図19に示す
ようにして、離岸堤の間に多脚構造物10を配置するこ
とによって、引き潮が砂を運び出そうとする作用に、多
脚構造物が抵抗部材として作用し、多脚構造物により引
き波の流速を減少させることによって、砂を多脚構造物
の手前側(海岸側)に堆積させて、砂浜を保護させるよ
うにする。
【0027】図20に示す例は、多脚構造物を多数個積
み重ねて消波構造体55を形成する場合の例を示してい
るもので、前記消波構造体に配置する多脚構造物として
は、前記各実施例に示された多脚構造物のうちの任意の
ものを選択して用いることができる。例えば、前記多脚
構造物として図12に示されたような構成のものを用い
て、消波構造体55を構成する場合には、多脚構造物の
本体部材に設ける全ての脚部材を、板状のものとして構
成する必要はなく、図9に示したような棒状脚部材を設
けた多脚構造物を組み合わせても良い。そして、多数個
の多脚構造物を積み重ねるようにして消波構造体を形成
する場合には、各多脚構造物が脚部材を組み合わせるよ
うにして相互に接続し合う状態となるので、従来のコン
クリート製の消波構造体の場合のように、個々の構造物
が互いに独立して動き得るものとはならず、脚部材の組
み合わせ部で互いに支持し合う状態で消波構造体を形成
する。
【0028】
【実施例3】前述したように、本発明においては、本体
部材から複数の脚部材を突出させて構成した多脚構造物
を用い、脚部材の一部を海底地盤に潜り込ませることに
より、海流等により砂が流されて砂浜が消失することを
防止するために多脚構造物を使用する例を示した。これ
に対して、図21、22に示す例では、単純に砂が流さ
れることを防止するのみでなしに、多脚構造物から気泡
を噴出させて海中にエアーカーテンを形成し、多脚構造
物により砂の流出を防止する作用と、海岸に打ち寄せる
波の圧力を減少させる機能とを兼ね備えた多脚構造物を
構成することもできる。
【0029】図21に示す例では、構造物60を前記図
1の例のような構造のものとし、本体部材11に対して
エアーポンプ65からホース66を接続している。ま
た、前記本体部材11には所定の位置に多数の孔63を
列状に形成しておき、前記孔63から空気を泡状にして
噴出させるようにして、垂直の脚部材62に沿わせて気
泡を上昇させたエアーカーテン68を形成させる。ま
た、図22に示す例では、前記図16に示したような多
脚構造物に対して、垂直の脚部材62の頂部に多数の孔
を列状に設けたエアーパイプ67を一体に取り付けてい
る。そして、前記パイプ67に設けた孔から気泡を噴出
させてエアーカーテン68を形成させるようにしてい
る。
【0030】前述したようにして、多脚構造物と一体に
エアーカーテン68を形成する手段を設けた場合には、
前記多脚構造物の上部にエアーカーテンを形成すること
により、波の圧力を弱めるとともに、潮流に含まれてい
る砂等に対する海水の保持力を減少させて、砂を沈殿さ
せる作用を助長する。また、一般に水中にエアーカーテ
ンを設置した場合には、波の圧力と波高とを減少させる
作用を発揮できるものとされることから、荒波の圧力を
減少させて、海岸に打ち寄せる波の力を少なくし、波に
よる海岸の侵食作用を弱めることが可能になる。そし
て、海底から所定の高さまで脚部材を突出させている多
脚構造物により、戻り波に対する干渉作用を付与し、水
流の方向を変更したりして水流とともに運ばれる砂を分
離して、多脚構造物の近傍に堆積させることにより、海
岸の砂の流出を保護する作用を良好に行うことが可能と
なる。
【0031】前記本発明の多脚構造物の各実施例におい
て、多脚構造物の本体部材を、円筒状のもので構成する
場合の他に、任意の断面形状のものを本体部材として用
いることができる。そして、その本体部材の周囲に放射
状に脚部材のような突出部材を配置して、一体のものと
して構成することにより、多脚構造物が転動するような
条件におかれても、その多脚構造物による流砂の防止
と、波の圧力を減少させる作用を良好に発揮できる。ま
た、前記本発明の各実施例における多脚構造物として
は、鉄鋼構造物として構成するのが本発明の目的に対応
するものであり、任意の大きさのものを施工現場の条件
に合わせて容易に構成することができる。
【0032】さらに、多脚構造物の本体部材として、任
意の棒状のものを用いて、その棒状の本体部材に任意の
形状の脚部材を放射状に突出させて配置することによ
り、多脚構造物の安定性と消波の作用等を発揮できるも
のとすることも可能である。また、本実施例に示す多脚
構造物は、その構造が簡単なものであり、パイプと鉄板
とを組み合わせることによって、任意の場所で容易に構
築が可能であるから、従来の消波用の多脚コンクリート
ブロック等のように、大規模な製造設備を用いることを
必要としない。そして、多脚構造物を数トン〜数10ト
ンの重量のものとして構成することにより、小型のクレ
ーン船を用いて容易に敷設でき、その設置に際しての位
置決め等も容易に行うことができる。さらに、多脚構造
物を必要としなくなったときには、クレーン等を用いて
容易に撤去でき、台船に積載して任意の位置に移動させ
ることができる。前記鉄鋼構造物には貝類や海草等が容
易に付着するので、多脚構造物を魚礁として利用可能で
あり、自然環境に悪影響を与えることはなく、使用目的
の達成後に放置して置いても、問題とはならない。
【0033】
【発明の効果】前述したように構成したことにより、多
脚構造物を鉄鋼構造物として構成する場合には、任意の
大きさと重量とを有するものとして形成でき、海底地盤
に設置した際に多脚構造物が受ける波浪等の圧力に十分
に対処させることができる。また、波浪の影響を受けて
多脚構造物が移動した場合でも、元の位置に移動させる
ことは容易にできるものであり、脚部材を本体に対して
等角度に配置したものでは、転動したとしても、その脚
部材による海底地盤上での位置決めと、直立する脚部材
による波浪の圧力の解消等の作用は確実に維持できる。
そして、本発明の多脚構造物を用いることにより、海岸
の流砂防止と波の圧力を緩和する構造物としての性能を
発揮でき、海岸の保護のために有効に利用することがで
きる。
【0034】また、本発明の多脚構造物は、あらかじめ
海底地盤に脚部材を潜り込ませる状態で設置できるの
で、その海底での安定性を良好に設定できる。さらに、
前記多脚構造物は鉄鋼で構成した一体構造物であるか
ら、設置した後で任意の位置に移動させたり、撤去する
ことも容易にでき、従来の消波堤のように、永久構造物
としてのみ利用するものではない。そして、鉄鋼で構成
していても、その肉の厚さを適宜設定することにより、
海水により腐食されたとしても、コンクリート製の構造
物と同様に、長期間の使用に耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多脚構造物の正面図である。
【図2】 図1の多脚構造物の斜視図である。
【図3】 多脚構造物の周囲での潮流と堆積砂の説明図
である。
【図4】 多脚構造物が転動する状態の説明図である。
【図5】 多脚構造物の第2の実施例の斜視図である。
【図6】 図5の多脚構造物における潮流と堆積砂の関
係の説明図である。
【図7】 多脚構造物の第3の実施例の斜視図である。
【図8】 図7の多脚構造物における潮流と堆積砂の関
係の説明図である。
【図9】 多脚構造物の第4の実施例の斜視図である。
【図10】 多脚構造物の変形例の説明図である。
【図11】 多脚構造物の第2の変形例の説明図であ
る。
【図12】 多脚構造物の第3の変形例の説明図であ
る。
【図13】 多脚構造物の第4の変形例の説明図であ
る。
【図14】 図13の多脚構造物の設置状態の説明図で
ある。
【図15】 多脚構造物の第5の変形例の説明図であ
る。
【図16】 図15の多脚構造物の設置状態の説明図で
ある。
【図17】 複数の多脚構造物を列状に設置する構造の
説明図である。
【図18】 離岸堤の間に多脚構造物を配置する場合の
説明図である。
【図19】 図18の斜視図である。
【図20】 多脚構造物を多数重ねて配置する状態の説
明図である。
【図21】 多脚構造物の第6の変形例の説明図であ
る。
【図22】 多脚構造物の第7の変形例の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 海底地盤、 2 堆積砂、 3 洗掘部、
4 海岸、5 潮流、 10 多脚構造物、 1
1 本体部材、12〜14 脚部材, 15・16
孔、 17 棒状脚部材、20・24・27・3
0 多脚構造物、 32〜34 脚部材、35・3
6 蓋部材、 37 空間部、 38 吸引孔、
39 孔、 40 ポンプ、 41 エアーホー
ス、45 接続具、 50 離岸堤、 55 消
波構造体、60 多脚構造物、 63 エアー噴出
孔、 67 エアーポンプ、68 エアーカーテ
ン。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長く形成した軸芯部材に対して、多数の
    板状の脚部材を前記軸芯部から放射状に突出させて一体
    に多脚構造物を構成したことを特徴とする海岸構造物。
  2. 【請求項2】 前記軸芯部材として筒状の部材を用い、
    前記筒状の部材の周囲に多数の脚部材放射状に突出させ
    て構成することを特徴とする請求項1に記載の海岸構造
    物。
  3. 【請求項3】 前記筒状の部材および複数の脚部材のう
    ちの少なくとも1つに多数の貫通孔を設け、前記孔を介
    して海水の流通を許容することを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の海岸構造物。
  4. 【請求項4】 長く形成した軸芯部材に対して、多数の
    板状の脚部材を前記軸芯部から放射状に突出させて一体
    に多脚構造物を構成するとともに、 前記多脚構造物に設けた脚部材のうちの1つを棒状脚部
    材として構成することを特徴とする請求項1または2に
    記載の海岸構造物。
  5. 【請求項5】 前記2つの脚部材の両側部に各々蓋部材
    を取付けて、下面が開口する空間部を構成し、 前記空間部から水を吸引する装置を接続し、前記吸引す
    る水とともに、海底の砂を前記空間部に入り込ませるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の海岸構造物。
  6. 【請求項6】 長く形成した軸芯部材に対して、多数の
    板状の脚部材を前記軸芯部から放射状に突出させて一体
    に多脚構造物を構成し、 前記多脚構造物を多数積み重ねて用いることを特徴とす
    る請求項1ないし4のいずれかに記載の海岸構造物。
  7. 【請求項7】 長く形成した軸芯部材に対して、多数の
    板状の脚部材を前記軸芯部から放射状に突出させて一体
    に多脚構造物を構成し、 前記多脚構造物の軸芯部材または脚部材に空気を噴出さ
    せる手段を設け、前記空気噴出手段に向けて空気を供給
    する手段を配置し、前記空気噴出手段によりエアーカー
    テンを形成することを特徴とする海岸構造物。
JP10134916A 1998-05-18 1998-05-18 海岸構造物 Pending JPH11323873A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10134916A JPH11323873A (ja) 1998-05-18 1998-05-18 海岸構造物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10134916A JPH11323873A (ja) 1998-05-18 1998-05-18 海岸構造物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11323873A true JPH11323873A (ja) 1999-11-26

Family

ID=15139540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10134916A Pending JPH11323873A (ja) 1998-05-18 1998-05-18 海岸構造物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11323873A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017210832A (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 五洋建設株式会社 サンゴ礫堆積による陸化方法、そのための透過構造物および構造体
JP2017210833A (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 五洋建設株式会社 サンゴ礫堆積による陸化方法、そのための透過構造物および構造体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017210832A (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 五洋建設株式会社 サンゴ礫堆積による陸化方法、そのための透過構造物および構造体
JP2017210833A (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 五洋建設株式会社 サンゴ礫堆積による陸化方法、そのための透過構造物および構造体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20170342673A1 (en) Wave dissipation systems, modules and methods for constructing the same
US8979427B2 (en) Coastal recovery utilizing repositionable shoal module
US6499911B2 (en) Compliant porous groin and shoreline reclamation method
JP2006241806A (ja) 津波防波堤
JPH04504151A (ja) 透水形防波堤
JP2009114636A (ja) 消波構造物
KR20100116895A (ko) 해빈 침식 및 표사 이동 방지용 강성 식생 모형체와 그 강성 식생 모형체의 배치 방법
JPH11323873A (ja) 海岸構造物
CN109797708A (zh) 柔性减能系统
JP4550231B2 (ja) 底質移動制御方法
JPH07113219A (ja) 多段津波防波堤
JP4502268B2 (ja) 護岸ブロック及び海底面保護構造体
KR100657180B1 (ko) 해안의 토사 침식 방지 구조물
Colantoni et al. Coastal defence by breakwaters and sea-level rise: the case of the Italian Northern Adriatic Sea
Soliman et al. Shoreline changes due to construction of Alexandria submerged breakwater, Egypt
Oumeraci Nonconventional wave damping structures
JP2006125102A (ja) 海岸用ブロック
van Rijn Detached breakwaters
KR100654304B1 (ko) 친환경적인 하천 호안 시설물
KR101183076B1 (ko) 조력 발전 장치의 시공 방법.
KR200408221Y1 (ko) 친환경적인 하천 호안 시설물
KR100484414B1 (ko) 생태계 보호용 호안시설물
EP3748084A1 (en) Method and device for transporting sediment along a bottom of a water mass
Parchure et al. Lessons learned from existing projects on shoaling in harbors and navigation channels
JP4519585B2 (ja) 傾斜板を有する消波ブロックを使用したダブルリーフ型潜堤