JPH11323782A - キャスト塗被紙の製造方法 - Google Patents
キャスト塗被紙の製造方法Info
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- JPH11323782A JPH11323782A JP12591798A JP12591798A JPH11323782A JP H11323782 A JPH11323782 A JP H11323782A JP 12591798 A JP12591798 A JP 12591798A JP 12591798 A JP12591798 A JP 12591798A JP H11323782 A JPH11323782 A JP H11323782A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】リウエットキャスト法において、光沢ムラやピ
ンホールの発生が極めて少なく、かつ優れた白紙光沢を
有し、高速生産が可能な製造方法を提供するものであ
る。 【解決手段】原紙上に、顔料及び接着剤を主成分とする
キャスト用水性組成物を塗被、乾燥して乾燥塗被層を設
け、次いで塗被層に再湿潤液を付与して湿潤可塑化後、
加熱された鏡面ドラムにプレスロールを介して圧接さ
せ、乾燥、剥離して強光沢仕上げするキャスト塗被紙の
製造方法において、該再湿潤液中にイオン封鎖剤を含有
することを特徴とする。
ンホールの発生が極めて少なく、かつ優れた白紙光沢を
有し、高速生産が可能な製造方法を提供するものであ
る。 【解決手段】原紙上に、顔料及び接着剤を主成分とする
キャスト用水性組成物を塗被、乾燥して乾燥塗被層を設
け、次いで塗被層に再湿潤液を付与して湿潤可塑化後、
加熱された鏡面ドラムにプレスロールを介して圧接さ
せ、乾燥、剥離して強光沢仕上げするキャスト塗被紙の
製造方法において、該再湿潤液中にイオン封鎖剤を含有
することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はキャスト塗被紙の製
造方法に関し、特に高光沢を有し、光沢ムラやピンホー
ルのないキャスト塗被紙を安定して製造できる方法に関
するものである。
造方法に関し、特に高光沢を有し、光沢ムラやピンホー
ルのないキャスト塗被紙を安定して製造できる方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】キャスト塗被紙は高い表面光沢と優れた
平滑性を有し、かつ印刷適性に優れるため、高級印刷用
紙やラベル用紙、さらにはファンシーバッグとして広く
利用されている。このようなキャスト塗被紙の製造方法
としては、支持体上に設けた湿潤状態にある水性組成物
(以後、塗料と称す)を鏡面を有する加熱ドラムの表面
に圧接、乾燥後、剥離して光沢仕上げするウェットキャ
スト法、支持体上の塗料を一旦乾燥して乾燥塗被層とし
た後、該塗被層に再湿潤液を付与して湿潤可塑化せしめ
た後、加熱ドラムの表面に圧接、乾燥後、剥離して光沢
仕上げするリウェットキャスト法、さらには支持体の上
に設けた湿潤状態の塗料をゲル状態にした後、加熱ドラ
ムの表面に圧接、乾燥後、剥離して光沢仕上げするゲル
化キャスト法等が一般に知られている。これらのキャス
ト仕上げ方法は、いずれも湿潤可塑状態にある塗被層表
面を加熱ドラム表面に圧接、乾燥して加熱ドラムより剥
離して鏡面を写しとる点で共通するものである。
平滑性を有し、かつ印刷適性に優れるため、高級印刷用
紙やラベル用紙、さらにはファンシーバッグとして広く
利用されている。このようなキャスト塗被紙の製造方法
としては、支持体上に設けた湿潤状態にある水性組成物
(以後、塗料と称す)を鏡面を有する加熱ドラムの表面
に圧接、乾燥後、剥離して光沢仕上げするウェットキャ
スト法、支持体上の塗料を一旦乾燥して乾燥塗被層とし
た後、該塗被層に再湿潤液を付与して湿潤可塑化せしめ
た後、加熱ドラムの表面に圧接、乾燥後、剥離して光沢
仕上げするリウェットキャスト法、さらには支持体の上
に設けた湿潤状態の塗料をゲル状態にした後、加熱ドラ
ムの表面に圧接、乾燥後、剥離して光沢仕上げするゲル
化キャスト法等が一般に知られている。これらのキャス
ト仕上げ方法は、いずれも湿潤可塑状態にある塗被層表
面を加熱ドラム表面に圧接、乾燥して加熱ドラムより剥
離して鏡面を写しとる点で共通するものである。
【0003】ところで、キャスト塗被紙の製造方法は、
湿潤塗被層を加熱した鏡面ドラム表面に圧接して乾燥さ
せるため、塗被層中の水分はすべて紙層中を通過して非
キャスト面側から蒸発することになる。そのために、キ
ャスト塗被紙は両面から乾燥が可能な一般の塗工紙製造
の場合と比較し、極めて低速での操業を余儀なくされて
いるのが実状である。
湿潤塗被層を加熱した鏡面ドラム表面に圧接して乾燥さ
せるため、塗被層中の水分はすべて紙層中を通過して非
キャスト面側から蒸発することになる。そのために、キ
ャスト塗被紙は両面から乾燥が可能な一般の塗工紙製造
の場合と比較し、極めて低速での操業を余儀なくされて
いるのが実状である。
【0004】なお、上記キャスト仕上げ法のうち、リウ
ェットキャスト法は、キャスト塗被層が加熱鏡面ドラム
に圧接される前に、一旦乾燥されているため、表面温度
が100℃以上の比較的高温の鏡面ドラムに圧接してキ
ャスト仕上げができるため、乾燥速度を高めることが出
来、他のキャスト法より生産性の点で優れている。
ェットキャスト法は、キャスト塗被層が加熱鏡面ドラム
に圧接される前に、一旦乾燥されているため、表面温度
が100℃以上の比較的高温の鏡面ドラムに圧接してキ
ャスト仕上げができるため、乾燥速度を高めることが出
来、他のキャスト法より生産性の点で優れている。
【0005】しかし、リウェットキャスト法は加熱され
た鏡面ドラムに圧接される前の塗被層の湿潤可塑化程度
が、他のキャスト法に比べ低いため鏡面ドラム表面に均
一に密着され難い。そのために、生産速度が速くなるに
つれ、得られるキャスト塗被紙表面の光沢が低下し、か
つピンホール状の光沢ムラが生じやすいという欠点を有
している。
た鏡面ドラムに圧接される前の塗被層の湿潤可塑化程度
が、他のキャスト法に比べ低いため鏡面ドラム表面に均
一に密着され難い。そのために、生産速度が速くなるに
つれ、得られるキャスト塗被紙表面の光沢が低下し、か
つピンホール状の光沢ムラが生じやすいという欠点を有
している。
【0006】また、ドラム表面を写し取った塗被層が、
加熱された鏡面ドラムから剥離する(以下離型という)
ときに、スムーズに行われず、塗被層の一部が鏡面ドラ
ムに残留する、所謂ドラムピックという現象や紙切れ等
が発生し、満足なキャスト操業を行なうことが出来な
い。このようなリウェットキャスト法の欠点を解消する
ために数々の方法が提案されている。
加熱された鏡面ドラムから剥離する(以下離型という)
ときに、スムーズに行われず、塗被層の一部が鏡面ドラ
ムに残留する、所謂ドラムピックという現象や紙切れ等
が発生し、満足なキャスト操業を行なうことが出来な
い。このようなリウェットキャスト法の欠点を解消する
ために数々の方法が提案されている。
【0007】例えば、キャスト塗被層中の熱可塑性物質
の配合比率を多くしたり、鏡面ドラムに高線圧で圧接す
る方法等が提案されているが、白紙光沢や印刷強度は改
善されるものの、鏡面ドラムでの塗被層の乾燥を終え、
鏡面ドラムから剥離する際の離型性の低下や、乾燥水分
の蒸発がうまく行われないことによるピンホールの発
生、さらには印刷インキの乾燥性の低下といった新たな
欠点が付随することになる。
の配合比率を多くしたり、鏡面ドラムに高線圧で圧接す
る方法等が提案されているが、白紙光沢や印刷強度は改
善されるものの、鏡面ドラムでの塗被層の乾燥を終え、
鏡面ドラムから剥離する際の離型性の低下や、乾燥水分
の蒸発がうまく行われないことによるピンホールの発
生、さらには印刷インキの乾燥性の低下といった新たな
欠点が付随することになる。
【0008】また、プレスロールの加圧線圧を高くし、
且つプレスロールの表面硬度を最適化し、且つプレスロ
ールの表面を平滑にする方法(特開平1−239192
号)が提案されているが、特に90g/m2以下の低米
坪のキャスト塗被紙(以後、薄物キャスト塗被紙と称す
る)に関しては、十分な光沢むらの改善がなされていな
いのが現状である。即ち、プレスロールの硬度を硬く
し、線圧を上げることによって、紙表面にかかる面圧を
増加させ、塗被層の可塑化を促進させることにより、表
面光沢を上げることができる。しかし、プレスロールの
耐久性にも限界があり、130m/分以上の操業が困難で
あるのが実状である。
且つプレスロールの表面硬度を最適化し、且つプレスロ
ールの表面を平滑にする方法(特開平1−239192
号)が提案されているが、特に90g/m2以下の低米
坪のキャスト塗被紙(以後、薄物キャスト塗被紙と称す
る)に関しては、十分な光沢むらの改善がなされていな
いのが現状である。即ち、プレスロールの硬度を硬く
し、線圧を上げることによって、紙表面にかかる面圧を
増加させ、塗被層の可塑化を促進させることにより、表
面光沢を上げることができる。しかし、プレスロールの
耐久性にも限界があり、130m/分以上の操業が困難で
あるのが実状である。
【0009】このように、リウエットキャスト法では白
紙外観品質および操業性の両方をともにバランスさせて
改善することは難しく、一般にはいずれか一方をある程
度犠牲にして生産しているのが現状である。
紙外観品質および操業性の両方をともにバランスさせて
改善することは難しく、一般にはいずれか一方をある程
度犠牲にして生産しているのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き実状によ
り、本発明は、リウエットキャスト法において、光沢ム
ラやピンホールの発生が極めて少なく、かつ優れた白紙
光沢を有し、高速生産が可能な製造方法を提供するもの
である。
り、本発明は、リウエットキャスト法において、光沢ム
ラやピンホールの発生が極めて少なく、かつ優れた白紙
光沢を有し、高速生産が可能な製造方法を提供するもの
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るキャスト塗
被紙の製造方法は、原紙上に、顔料及び接着剤を主成分
とするキャスト用水性組成物を塗被、乾燥して乾燥塗被
層を設け、次いで塗被層に再湿潤液を付与して湿潤可塑
化後、加熱された鏡面ドラムにプレスロールを介して圧
接させ、乾燥、剥離して強光沢仕上げするキャスト塗被
紙の製造方法において、該再湿潤液中にイオン封鎖剤を
含有することを特徴とする。またイオン封鎖剤として
は、エチレンジアミン四酢酸化合物(EDTA),ヒド
ロキシエチルイミノ二酢酸化合物(HIDA),ジヒド
ロキシエチルグリシン(DHEG),ニトリロ三酢酸化
合物(NTA),ヒドロキシエチルエチレンジアミン三
酢酸化合物(HEDTA),ジエチレントリアミン五酢
酸化合物(DTPA)およびトリエチレンテトラアミン
六酢酸化合物(TTHA)の中から選択される少なくと
も一つを使用することが好ましい。
被紙の製造方法は、原紙上に、顔料及び接着剤を主成分
とするキャスト用水性組成物を塗被、乾燥して乾燥塗被
層を設け、次いで塗被層に再湿潤液を付与して湿潤可塑
化後、加熱された鏡面ドラムにプレスロールを介して圧
接させ、乾燥、剥離して強光沢仕上げするキャスト塗被
紙の製造方法において、該再湿潤液中にイオン封鎖剤を
含有することを特徴とする。またイオン封鎖剤として
は、エチレンジアミン四酢酸化合物(EDTA),ヒド
ロキシエチルイミノ二酢酸化合物(HIDA),ジヒド
ロキシエチルグリシン(DHEG),ニトリロ三酢酸化
合物(NTA),ヒドロキシエチルエチレンジアミン三
酢酸化合物(HEDTA),ジエチレントリアミン五酢
酸化合物(DTPA)およびトリエチレンテトラアミン
六酢酸化合物(TTHA)の中から選択される少なくと
も一つを使用することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】上記の如き実状より、本発明者等
は、リウエットキャスト法におけるキャスト塗被紙の製
造方法に関し、操業性は勿論、品質面においても優れた
キャスト塗被紙を得るべく鋭意検討を進めた。その中
で、鏡面ドラム表面に何らかの付着物が固着し、光沢ム
ラやピンホールの原因になっていることを発見した。こ
の付着物について研究を進めた結果、何かの塩ではない
かと推定された。このような塩と推定される物が如何に
して付着物として生成したかについて更に推論を進めた
結果、キャスト塗被層や再湿潤液中に存在する何らかの
イオンが、再湿潤液中に遊離し、他の再湿潤液成分と塩
を形成して高沸点性質を示すため、継続的に鏡面ドラム
表面で乾燥するうえで、剥離を繰り返す鏡面ドラム表面
に固着し、光沢ムラやピンホールの原因になっているの
ではないかと考察した。そこで、このような付着物の生
成を防ぐ一つの方法として再湿潤液中にイオン封鎖剤を
含有させることを試行した。その結果、鏡面ドラム表面
が汚染されず、連続的に高い操業スピードで光沢ムラや
ピンホールの無い優れた白紙光沢と印刷適性をもつキャ
スト塗被紙が得られることを見いだした。これはイオン
封鎖剤により、何らかのイオンが塩とならずに、水溶性
化合物となり、その結果、鏡面ドラム表面に付着物が生
成する現象が発生しなかったのではないかと考えられ
る。尚、これは推論の域を出ないが、以上のような何ら
かのイオンとしてカルシウムイオンなどが含まれるので
はないかと本発明者等は考えている。
は、リウエットキャスト法におけるキャスト塗被紙の製
造方法に関し、操業性は勿論、品質面においても優れた
キャスト塗被紙を得るべく鋭意検討を進めた。その中
で、鏡面ドラム表面に何らかの付着物が固着し、光沢ム
ラやピンホールの原因になっていることを発見した。こ
の付着物について研究を進めた結果、何かの塩ではない
かと推定された。このような塩と推定される物が如何に
して付着物として生成したかについて更に推論を進めた
結果、キャスト塗被層や再湿潤液中に存在する何らかの
イオンが、再湿潤液中に遊離し、他の再湿潤液成分と塩
を形成して高沸点性質を示すため、継続的に鏡面ドラム
表面で乾燥するうえで、剥離を繰り返す鏡面ドラム表面
に固着し、光沢ムラやピンホールの原因になっているの
ではないかと考察した。そこで、このような付着物の生
成を防ぐ一つの方法として再湿潤液中にイオン封鎖剤を
含有させることを試行した。その結果、鏡面ドラム表面
が汚染されず、連続的に高い操業スピードで光沢ムラや
ピンホールの無い優れた白紙光沢と印刷適性をもつキャ
スト塗被紙が得られることを見いだした。これはイオン
封鎖剤により、何らかのイオンが塩とならずに、水溶性
化合物となり、その結果、鏡面ドラム表面に付着物が生
成する現象が発生しなかったのではないかと考えられ
る。尚、これは推論の域を出ないが、以上のような何ら
かのイオンとしてカルシウムイオンなどが含まれるので
はないかと本発明者等は考えている。
【0013】このような、光沢ムラやピンホールの無い
優れた白紙光沢と印刷適性を有するキャスト塗被紙が得
られる本発明のキャスト塗被紙の製造方法について詳述
する。
優れた白紙光沢と印刷適性を有するキャスト塗被紙が得
られる本発明のキャスト塗被紙の製造方法について詳述
する。
【0014】本発明において、鏡面ドラムに圧着使用さ
れるイオン封鎖剤とは、エチレンジアミン、エチレンジ
アミン一水和物、酒石酸エチレンジアミン、及びエチレ
ンジアミン四酢酸化合物(EDTA)、ヒドロキシエチ
ルイミノ二酢酸化合物(HIDA)、ジヒドロキシエチ
ルグリシン(DHEG),ニトリロ三酢酸化合物(NT
A),ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HE
DTA),ジエチレントリアミン五酢酸化合物(DTP
A),トリエチレンテトラアミン六酢酸化合物(TTH
A)等があげられ、中でもエチレンジアミン四酢酸(E
DTA)が好ましく用いられる。上記イオン封鎖剤の再
湿潤液への添加量としては、0.01〜3.0重量%、
特に0.3〜0.6重量%が好ましい。0.3重量%未
満の場合は、光沢ムラの改良効果が十分得られない。
0.6重量%を超えると改良効果がほぼ平衡となり、そ
れ以上の添加はコスト高となり操業採算性が悪くなる虞
れがある。また、更に添加量が5重量%以上になると光
沢ムラの改良効果が得られにくくなる。
れるイオン封鎖剤とは、エチレンジアミン、エチレンジ
アミン一水和物、酒石酸エチレンジアミン、及びエチレ
ンジアミン四酢酸化合物(EDTA)、ヒドロキシエチ
ルイミノ二酢酸化合物(HIDA)、ジヒドロキシエチ
ルグリシン(DHEG),ニトリロ三酢酸化合物(NT
A),ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HE
DTA),ジエチレントリアミン五酢酸化合物(DTP
A),トリエチレンテトラアミン六酢酸化合物(TTH
A)等があげられ、中でもエチレンジアミン四酢酸(E
DTA)が好ましく用いられる。上記イオン封鎖剤の再
湿潤液への添加量としては、0.01〜3.0重量%、
特に0.3〜0.6重量%が好ましい。0.3重量%未
満の場合は、光沢ムラの改良効果が十分得られない。
0.6重量%を超えると改良効果がほぼ平衡となり、そ
れ以上の添加はコスト高となり操業採算性が悪くなる虞
れがある。また、更に添加量が5重量%以上になると光
沢ムラの改良効果が得られにくくなる。
【0015】なお、上記イオン封鎖剤以外に使用される
再湿潤液の組成については、特に限定されるものではな
く、例えばポリエチレンエマルジョン、脂肪酸石鹸、カ
ルシウムステアレート、マイクロクリスタリンワック
ス、界面活性剤、ロート油等の離型剤を0.01〜3.
0重量%程度含有させることが好ましい。また、硫酸亜
鉛、燐酸カルシウム、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメ
タリン酸ナトリウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸アンモニウ
ム、酒石酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カ
リウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の無機
塩類等を0.01〜3.0%含有させることも好まし
い。
再湿潤液の組成については、特に限定されるものではな
く、例えばポリエチレンエマルジョン、脂肪酸石鹸、カ
ルシウムステアレート、マイクロクリスタリンワック
ス、界面活性剤、ロート油等の離型剤を0.01〜3.
0重量%程度含有させることが好ましい。また、硫酸亜
鉛、燐酸カルシウム、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメ
タリン酸ナトリウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸アンモニウ
ム、酒石酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カ
リウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の無機
塩類等を0.01〜3.0%含有させることも好まし
い。
【0016】原紙を構成するパルプ、内添薬剤について
も特に限定されるものではなく、一般に塗工紙分野で使
用される酸性紙、あるいは中性紙における処方が適用さ
れる。
も特に限定されるものではなく、一般に塗工紙分野で使
用される酸性紙、あるいは中性紙における処方が適用さ
れる。
【0017】なお、原紙の片面又は両面には必要に応じ
て、一般の顔料塗被組成物をあらかじめ予備塗工してお
いても良く、その場合の塗工量は片面当り乾燥重量で5
〜30g/m2 程度が望ましい。さらに必要であればこ
の予備塗工した紙を前もってスーパーキャレンダー、ブ
ラシ掛け、キャスト仕上げ等の平滑化処理を施してもよ
い。
て、一般の顔料塗被組成物をあらかじめ予備塗工してお
いても良く、その場合の塗工量は片面当り乾燥重量で5
〜30g/m2 程度が望ましい。さらに必要であればこ
の予備塗工した紙を前もってスーパーキャレンダー、ブ
ラシ掛け、キャスト仕上げ等の平滑化処理を施してもよ
い。
【0018】次いで、この原紙表面にキャスト塗被層を
設けることになるが、この塗被組成物は特に限定される
ものではなく一般にキャスト塗被紙の製造分野で使用さ
れている塗被用顔料と接着剤を主成分とするもので、顔
料としては、例えばカオリン、水酸化アルミニウム、サ
チンホワイト、硫酸バリウム、重質炭酸カルシウム、軽
質炭酸カルシウム、タルク、プラスチックピグメント、
焼成クレー、二酸化チタン等が例示され、これらの中か
ら1種以上が選択使用される。
設けることになるが、この塗被組成物は特に限定される
ものではなく一般にキャスト塗被紙の製造分野で使用さ
れている塗被用顔料と接着剤を主成分とするもので、顔
料としては、例えばカオリン、水酸化アルミニウム、サ
チンホワイト、硫酸バリウム、重質炭酸カルシウム、軽
質炭酸カルシウム、タルク、プラスチックピグメント、
焼成クレー、二酸化チタン等が例示され、これらの中か
ら1種以上が選択使用される。
【0019】接着剤としては、カゼイン、大豆蛋白、等
の蛋白質類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメ
タクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合
体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体等のビニル系
重合体ラテックス、或はこれらの各種重合体をカルボキ
シル基等の官能基含有単量体により、官能基変性したア
ルカリ溶解性或はアルカリ非溶解性の重合体ラテック
ス、ポリビニルアルコール、オレフィン−無水マレイン
酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤、陽性化デ
ンプン、酸化デンプン、エステル化デンプン等のデンプ
ン類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチル
セルロース等のセルロース誘導体等、一般の塗被紙用と
して知られる接着剤を単独或は併用で使用することがで
きる。なお、接着剤の使用量は顔料100重量部に対し
5〜50重量部、一般的には10〜30重量部の範囲で
使用される。
の蛋白質類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメ
タクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合
体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体等のビニル系
重合体ラテックス、或はこれらの各種重合体をカルボキ
シル基等の官能基含有単量体により、官能基変性したア
ルカリ溶解性或はアルカリ非溶解性の重合体ラテック
ス、ポリビニルアルコール、オレフィン−無水マレイン
酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤、陽性化デ
ンプン、酸化デンプン、エステル化デンプン等のデンプ
ン類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチル
セルロース等のセルロース誘導体等、一般の塗被紙用と
して知られる接着剤を単独或は併用で使用することがで
きる。なお、接着剤の使用量は顔料100重量部に対し
5〜50重量部、一般的には10〜30重量部の範囲で
使用される。
【0020】また、上記の顔料と接着剤の他に、塩化ナ
トリウム、塩化アンモニウム、塩化亜鉛、塩化マグネシ
ウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウ
ム、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、硝酸アンモニウム、
第一燐酸ナトリウム、燐酸アンモニウム、燐酸カルシウ
ム、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウ
ム、蟻酸ナトリウム、蟻酸アンモニウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、モノクロル酸ナトリウム、マロン酸
ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、クエ
ン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、乳酸ナトリウム、
グルコン酸ナトリウム、アジピン酸ナトリウム、ジオク
チルスルホコハク酸ナトリウム等の無機酸や有機酸のア
ンモニウム塩や金属塩類、メチルアミン、ジエタノール
アミン、ジエチレントリアミン、ジイソプロピルアミン
等の各種添加剤を適宜使用することができる。また、助
剤として消泡剤、着色剤、離型剤、流動変性剤、耐水化
剤、防腐剤等を必要に応じて用いることもできる。
トリウム、塩化アンモニウム、塩化亜鉛、塩化マグネシ
ウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウ
ム、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、硝酸アンモニウム、
第一燐酸ナトリウム、燐酸アンモニウム、燐酸カルシウ
ム、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウ
ム、蟻酸ナトリウム、蟻酸アンモニウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、モノクロル酸ナトリウム、マロン酸
ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、クエ
ン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、乳酸ナトリウム、
グルコン酸ナトリウム、アジピン酸ナトリウム、ジオク
チルスルホコハク酸ナトリウム等の無機酸や有機酸のア
ンモニウム塩や金属塩類、メチルアミン、ジエタノール
アミン、ジエチレントリアミン、ジイソプロピルアミン
等の各種添加剤を適宜使用することができる。また、助
剤として消泡剤、着色剤、離型剤、流動変性剤、耐水化
剤、防腐剤等を必要に応じて用いることもできる。
【0021】上記材料をもって構成される、キャスト用
塗被組成物は、一般に固形分濃度を45〜65重量%程
度に調製し、固形塗被量が約5〜30g/m2 程度にな
るように、一般に公知公用の塗布装置、即ちブレードコ
ーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラ
シコーター、チャンプレックスコーター、バーコータ
ー、グラビアコーター等を用いて塗被、乾燥される。
塗被組成物は、一般に固形分濃度を45〜65重量%程
度に調製し、固形塗被量が約5〜30g/m2 程度にな
るように、一般に公知公用の塗布装置、即ちブレードコ
ーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラ
シコーター、チャンプレックスコーター、バーコータ
ー、グラビアコーター等を用いて塗被、乾燥される。
【0022】上記の方法でキャスト用塗被液の塗被、乾
燥を行なった後、前述した再湿潤液を用いて、塗工層を
再湿潤した後、加熱された鏡面ドラムに圧接して強光沢
仕上げされる。
燥を行なった後、前述した再湿潤液を用いて、塗工層を
再湿潤した後、加熱された鏡面ドラムに圧接して強光沢
仕上げされる。
【0023】
【実施例】以下本発明を実施例を上げて説明するが、勿
論これらに限定されるものではない、また、例中の部お
よび%は特に断らない限り、それぞれ重量部及び重量%
をしめす。
論これらに限定されるものではない、また、例中の部お
よび%は特に断らない限り、それぞれ重量部及び重量%
をしめす。
【0024】実施例1〜12 カオリン(UW−90 エンゲルハード社製)50部、
軽質炭酸カルシウム(ブリリアントBr−15 白石工
業社製)50部、ポリアクリル酸ナトリウム0.5部を
コーレス分散機を用いて水中に分散し、固形分濃度65
%の顔料スラリーを調成した。このスラリーに消泡剤と
してトリブチルフォスフェート0.5部、離型剤として
ステアリン酸アンモニウム1.0部、接着剤としてアン
モニアを用いて溶解した15%カゼイン水溶液5部(固
形分)及び、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス
18部(固形分)を加え、固形分濃度が45%のキャス
ト用塗被液を調整し、米坪70g/m2 の原紙上にエア
ーナイフコーターを用いて乾燥重量で20g/m2 にな
るように塗布後、エアーフローティングドライヤーで乾
燥した。次にこの塗被紙を表1に組成を表した再湿潤液
にて塗被層表面を再湿潤した後、表面温度105℃のキ
ャストドラムにプレス圧150kg/cmで圧接、乾燥
した後ドラムから剥離することによってキャスト塗被紙
を得た。
軽質炭酸カルシウム(ブリリアントBr−15 白石工
業社製)50部、ポリアクリル酸ナトリウム0.5部を
コーレス分散機を用いて水中に分散し、固形分濃度65
%の顔料スラリーを調成した。このスラリーに消泡剤と
してトリブチルフォスフェート0.5部、離型剤として
ステアリン酸アンモニウム1.0部、接着剤としてアン
モニアを用いて溶解した15%カゼイン水溶液5部(固
形分)及び、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス
18部(固形分)を加え、固形分濃度が45%のキャス
ト用塗被液を調整し、米坪70g/m2 の原紙上にエア
ーナイフコーターを用いて乾燥重量で20g/m2 にな
るように塗布後、エアーフローティングドライヤーで乾
燥した。次にこの塗被紙を表1に組成を表した再湿潤液
にて塗被層表面を再湿潤した後、表面温度105℃のキ
ャストドラムにプレス圧150kg/cmで圧接、乾燥
した後ドラムから剥離することによってキャスト塗被紙
を得た。
【0025】
【表1】
【0026】比較例1〜5 表2に示した再湿潤液を使用した以外は上記実施例と同
じ方法でキャスト塗被紙を得た。
じ方法でキャスト塗被紙を得た。
【0027】
【表2】
【0028】このようにして得られたキャスト塗被紙の
白紙光沢、ピンホール、光沢ムラ、及びキャスト塗被紙
の生産最高速度を表3に示した。
白紙光沢、ピンホール、光沢ムラ、及びキャスト塗被紙
の生産最高速度を表3に示した。
【0029】
【表3】
【0030】なお、上記の評価方法は下記により行なっ
た。 〔白紙光沢〕JIS P8142に準じて測定した。
た。 〔白紙光沢〕JIS P8142に準じて測定した。
【0031】〔光沢ムラ〕キャスト塗被紙表面の光沢ム
ラを以下の基準にしたがって目視で評価した。 ◎:光沢ムラがない ○:光沢ムラが僅かにみられるが、実用上問題ない。 △:光沢ムラがみられる。 ×:光沢ムラが多くみられる。
ラを以下の基準にしたがって目視で評価した。 ◎:光沢ムラがない ○:光沢ムラが僅かにみられるが、実用上問題ない。 △:光沢ムラがみられる。 ×:光沢ムラが多くみられる。
【0032】〔生産最高速度〕キャスト塗被紙を上記の
方法で生産した場合、キャスト塗被紙がキャストドラム
に貼付いたり、ドラムピックが発生せず、安定して操業
することができる最高速度である。例えば実施例2〜7
では速度220(m/分)を示した。
方法で生産した場合、キャスト塗被紙がキャストドラム
に貼付いたり、ドラムピックが発生せず、安定して操業
することができる最高速度である。例えば実施例2〜7
では速度220(m/分)を示した。
【0033】
【発明の効果】表3から明らかなように本発明の方法で
得られたキャスト塗被紙はピンホール、光沢ムラがな
く、白紙光沢、印刷適性に極めて優れたものであった。
さらに生産最高速度高く、操業性に優れていることがわ
かった。
得られたキャスト塗被紙はピンホール、光沢ムラがな
く、白紙光沢、印刷適性に極めて優れたものであった。
さらに生産最高速度高く、操業性に優れていることがわ
かった。
Claims (2)
- 【請求項1】原紙上に、顔料及び接着剤を主成分とする
キャスト用水性組成物を塗被、乾燥して乾燥塗被層を設
け、次いで塗被層に再湿潤液を付与して湿潤可塑化後、
加熱された鏡面ドラムにプレスロールを介して圧接さ
せ、乾燥、剥離して強光沢仕上げするキャスト塗被紙の
製造方法において、該再湿潤液中にイオン封鎖剤を含有
することを特徴とするキャスト塗被紙の製造方法。 - 【請求項2】イオン封鎖剤が、エチレンジアミン四酢酸
化合物(EDTA),ヒドロキシエチルイミノ二酢酸化
合物(HIDA),ジヒドロキシエチルグリシン(DH
EG),ニトリロ三酢酸化合物(NTA),ヒドロキシ
エチルエチレンジアミン三酢酸化合物(HEDTA),
ジエチレントリアミン五酢酸化合物(DTPA)および
トリエチレンテトラアミン六酢酸化合物(TTHA)の
中から選択される少なくとも一つであるキャスト塗被紙
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12591798A JPH11323782A (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | キャスト塗被紙の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12591798A JPH11323782A (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | キャスト塗被紙の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11323782A true JPH11323782A (ja) | 1999-11-26 |
Family
ID=14922143
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12591798A Pending JPH11323782A (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | キャスト塗被紙の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11323782A (ja) |
-
1998
- 1998-05-08 JP JP12591798A patent/JPH11323782A/ja active Pending
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