JPH11323758A - 漂白パルプの製造方法 - Google Patents

漂白パルプの製造方法

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JPH11323758A
JPH11323758A JP13419498A JP13419498A JPH11323758A JP H11323758 A JPH11323758 A JP H11323758A JP 13419498 A JP13419498 A JP 13419498A JP 13419498 A JP13419498 A JP 13419498A JP H11323758 A JPH11323758 A JP H11323758A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リグノセルロース物質を蒸解して得られる未
漂白パルプからピッチ分を効率良く除去して漂白パルプ
を製造する方法を提供する。 【解決手段】 リグノセルロース物質を蒸解して得られ
る未漂白パルプをアルカリ酸素漂白工程で漂白し、その
後アルカリ抽出段を含む多段漂白工程で漂白処理して漂
白パルプを製造する方法において、アルカリ酸素漂白工
程後にプレス洗浄工程を設け、かつ多段漂白工程中の各
アルカリ抽出段後にプレス洗浄工程を設けることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リグノセルロース
物質から漂白パルプを製造する方法に関する。更に詳し
く述べれば、本発明は、リグノセルロース物質を蒸解し
て得られる未漂白パルプをアルカリ酸素漂白し、その
後、アルカリ抽出段を含む多段漂白工程で処理して漂白
パルプを製造する方法において、アルカリ酸素漂白工程
後、及び多段漂白工程中のアルカリ抽出段後にプレス洗
浄する工程を設けることにより効果的にピッチ成分を除
去し、ピッチ分の少ない漂白パルプの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】リグノセルロース物質を製紙原料として
多くの用途に使用するためには、蒸解のような化学作用
によってパルプ化した後、或いはリファイナー等を用い
て機械的作用によってパルプ化した後、得られるパルプ
を漂白薬品で漂白して白色度を高める必要がある。例え
ば、クラフトパルプは包装資材のように強度を必要とす
る用途に使う場合を除いて、通常、アルカリ酸素漂白し
た後、原子状塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素、酸素、
オゾン、過酸化水素、苛性ソーダ等の漂白剤及び漂白助
剤により漂白処理され、パルプに含まれる着色原因物質
であるリグニン等が除去された後に漂白クラフトパルプ
として使用されるのが一般的である。
【0003】通常パルプ原料として用いられるリグノセ
ルロース物質にはパルプの主成分であるセルロース、ヘ
ミセルロース及びリグニンの他に、脂肪酸、樹脂酸、脂
肪酸グリセライド等のピッチ成分が含まれている。この
ピッチ成分はパルプ化の際に一部がパルプから離脱し
て、いわゆるコロイダルピッチと呼ばれる遊離のピッチ
となることが知られている。一般に、各種パルプ化工程
で製造されたパルプは、精選工程を経て他の製紙用材料
と混合された後、抄紙工程に送られて抄紙され、製品と
なるが、この一連の工程の中で、遊離の浮遊ピッチある
いは付着ピッチが、製紙機械の各所に凝集し、用具の汚
れや、紙汚れ、紙切れ等のピッチトラブルを起こすこと
になる。
【0004】従来から、ピッチトラブルの防止法として
は、原木あるいは木材チップを屋外に積み上げて長期に
わたって放置し、材中のピッチ成分を分解・除去する、
いわゆる“シーズニング”と呼ばれる方法が取られてき
た。しかしながら、この方法では、長期間にわたり大量
の原木あるいは木材チップを放置できるだけの広大な土
地を確保する必要があり、また、放置している間に木材
中のセルロースやヘミセルロースが劣化し、パルプ化し
た場合のパルプ収率が低下するといった問題点があっ
た。
【0005】シーズニング以外のピッチトラブルの防止
法としては、パルプ化及び抄紙工程で種々の付加モル数
を有するポリオキシエチレンのアルキルエーテルあるい
はアルキルフェニル誘導体やそれらを主成分とする界面
活性剤を添加してピッチを乳化、分散させる方法(例え
ば、特公昭50−22606号公報)、タルク等の無機
填料を添加してピッチを吸着させる方法(例えば、紙パ
ルプ技術タイムス 昭和56年4月号、p90−93、
5月号p28−31)、あるいは脂肪酸トリグリセライ
ド加水分解酵素(リパーゼ)を添加してピッチを分解す
る方法(例えば特開平2−160997号公報、特開平
4−240286号公報)や、カビでチップを処理する
方法(Theresa S.Brush等、Tappi
Journal Vol.77,No.1 p155
−159(1994))等が提案されている。
【0006】しかしながら、界面活性剤を添加する方法
は、充分な効果が得られない場合があるだけでなく、工
程中に泡立ちを起こしたり、さらにセルロース間の水素
結合を阻害して、紙力やサイズ度を低下させるといった
問題点を有している。無機填料を添加する方法は、リフ
ァイナーやワイヤーの摩耗、あるいはフェルトの目詰ま
り等の問題点を有している。脂肪酸トリグリセライド加
水分解酵素で処理する方法は、ピッチ成分には脂肪酸ト
リグリセライドだけでなく他の成分も含まれているた
め、充分な効果が得られない場合があるといった問題点
を有している。また、カビでチップを処理する方法は、
チッピングしたての新鮮なチップでなければ効果が出に
くく、処理に長時間を要するといった問題点もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
現状に鑑み、パルプ中のピッチ成分を効率よく除去する
方法について種々検討を重ねた結果、パルプをアルカリ
性下において膨潤させた状態でプレス洗浄機により圧潰
すれば、パルプ内部に残存するピッチ成分を効率良く除
去でき、ピッチ成分の少ないパルプを製造し得ることを
見出した。さらに、パルプの構成成分を分解する酵素を
用いた酵素処理工程を組み合わせることにより、よりピ
ッチ成分の少ないパルプを製造し得ることを見出し、本
発明を完成するに至った。本発明の目的は、アルカリ酸
素漂白工程後及び多段漂白工程中のアルカリ抽出段後に
プレス洗浄する工程を設けることによりパルプからのピ
ッチ成分を効率よく除去し、ピッチ成分の少ないパルプ
を製造し得る漂白パルプの製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)本発明は、リグノ
セルロース物質を蒸解して得られる未漂白パルプをアル
カリ酸素漂白工程で漂白し、その後アルカリ抽出段を含
む多段漂白工程で処理して漂白パルプを製造する方法に
おいて、アルカリ酸素漂白工程後にプレス洗浄工程を設
け、かつ多段漂白工程中の各アルカリ抽出段後にプレス
洗浄工程を設けることを特徴とする漂白パルプの製造方
法である。
【0009】(2)本発明は、前記の各プレス洗浄工程
後のパルプ濃度が20〜45重量%であることを特徴と
する(1)記載の漂白パルプの製造方法である。
【0010】(3)本発明は、前記アルカリ酸素漂白工
程後のプレス洗浄工程後に酵素処理工程を設け、かつ該
酵素処理工程後にプレス洗浄工程を設けることを特徴と
する(1)又は(2)に記載の漂白パルプの製造方法で
ある。
【0011】(4)本発明は、前記酵素処理工程に用い
られる酵素が、少なくともキシラン分解活性を有するこ
とを特徴とする(3)記載の漂白パルプの製造方法であ
る。
【0012】(5)本発明は、前記酵素処理工程に用い
られる酵素が、該酵素を産出する微生物を培養した培養
物として添加されることを特徴とする(3)又は(4)
記載の漂白パルプの製造方法である。
【0013】(6)本発明は、前記微生物がバチルス属
の細菌であることを特徴とする(5)記載の漂白パルプ
の製造方法である。
【0014】(7)本発明は、前記微生物がバチルス
エスピーBX−1(工業技術院微生物工業技術研究所寄
託番号 微工研菌寄第13052号 FERM P−1
3052)、バチルス エスピーBX−2(工業技術院
微生物工業技術研究所寄託番号微工研菌寄第13053
号 FERM P−13053)、バチルスエスピーB
X−3(工業技術院微生物工業技術研究所寄託番号 微
工研菌寄第13054号FERM P−13054)、
バチルス エスピーBX−4(工業技術院微生物工業技
術研究所寄託番号 微工研菌寄第13055号 FER
M P−13055)、バチルス・エスピー2113
(通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所寄託番
号FERMBP−5264)あるいは、バチルス・エス
ピー208(通商産業省工業技術院生命工学工業技術研
究所寄託番号FERM BP−5321)であることを
特徴とする(6)記載の漂白パルプの製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるリグノセルロ
ース物質としては、針葉樹や広葉樹のような木材が好ま
しく用いられるが、ケナフ、麻、バガス、イネ等の非木
本性の植物であってもよく、特に限定するものではな
い。本発明に使用されるパルプを得るための蒸解法とし
ては、クラフト蒸解、ポリサルファイド蒸解、ソーダ蒸
解、アルカリサルファイト蒸解等の公知の蒸解法を用い
ることができるが、パルプ品質、エネルギー効率等を考
慮すると、クラフト蒸解法が好適に用いられる。例え
ば、木材をクラフト蒸解する場合、クラフト蒸解液の硫
化度は5〜75%、好ましくは15〜45%、有効アル
カリ添加率は絶乾木材重量当たり5〜30重量%、好ま
しくは10〜25重量%、蒸解温度は140〜170℃
で、蒸解方式は、連続蒸解法あるいはバッチ蒸解法のど
ちらでもよく、連続蒸解釜を用いる場合は、蒸解液を分
割して添加する修正蒸解法でもよく、その方式は特に問
わない。
【0016】蒸解に際して、使用する蒸解液に蒸解助剤
として、公知の環状ケト化合物、例えばベンゾキノン、
ナフトキノン、アントラキノン、アントロン、フェナン
トロキノン及び前記キノン系化合物のアルキル、アミノ
等の核置換体、或いは前記キノン系化合物の還元型であ
るアントラヒドロキノンのようなヒドロキノン系化合
物、さらにはディールスアルダー法によるアントラキノ
ン合成法の中間体として得られる安定な化合物である
9,10−ジケトヒドロアントラセン化合物等から選ば
れた1種或いは2種以上が添加されてもよく、その添加
率は木材チップの絶乾重量当たり0.001〜1.0重
量%である。
【0017】本発明では、公知の蒸解法により得られた
未漂白化学パルプは洗浄、粗選及び精選工程を経て、公
知のアルカリ酸素漂白法により脱リグニンされる。本発
明に使用されるアルカリ酸素漂白法は、公知の中濃度法
あるいは高濃度法がそのまま適用できるが、現在汎用的
に用いられているパルプ濃度が8〜15重量%で行われ
る中濃度法が好ましい。前記中濃度法によるアルカリ酸
素漂白法において、アルカリとしては苛性ソーダあるい
は酸化されたクラフト白液を使用することができ、酸素
ガスとしては、深冷分離法からの酸素、PSA(Pre
ssure Swing Adsorption)から
の酸素、VSA(Vacuum Swing Adso
rption)からの酸素等が使用できる。
【0018】前記酸素ガスとアルカリは中濃度ミキサー
において中濃度のパルプスラリーに添加され混合が十分
に行われた後、加圧下でパルプ、酸素及びアルカリの混
合物を一定時間保持できる反応塔へ送られ、脱リグニン
される。酸素ガスの添加率は、絶乾パルプ重量当たり
0.5〜3重量%、アルカリ添加率は0.5〜4重量
%、反応温度は80〜120℃、反応時間は15〜10
0分、パルプ濃度は8〜15重量%であり、この他の条
件は公知のものが適用できる。本発明では、アルカリ酸
素漂白工程において、上記アルカリ酸素漂白を連続して
複数回行い、できる限り脱リグニンを進めるのが好まし
い実施形態である。アルカリ酸素漂白が施されたパルプ
は次いでプレス洗浄工程(以下、PW1 工程と略す)へ
送られる。
【0019】本発明のPW1 工程においては、洗浄機の
一つとして必ずプレス洗浄機が使用される。プレス洗浄
機は、水平で平衡に設置された2個の回転するシリンダ
ーの間隙に下方からパルプ懸濁液を通して脱水する機械
であり、脱水、置換、圧搾の3機能を有する洗浄装置と
して使用するのが一般的である。本発明のPW1 工程に
おいては、洗浄後のパルプ濃度が20〜45%、好適に
は30〜40%になるように洗浄される。洗浄後のパル
プ濃度が20%未満の場合には、パルプ中のピッチ成分
の除去効果が十分でなくなるだけでなく、ピッチ成分を
含む有機分も十分に除去されないために、後段の酵素処
理工程あるいは多段漂白処理工程において悪影響を及ぼ
すために適さない。洗浄後のパルプ濃度が45%より高
い場合には、パルプ繊維自体が損傷する可能性があり、
また、エネルギー的にも経済的でなくなるため、適さな
い。本発明のPW1 工程では、複数のプレス洗浄機を使
用することもできるし、他の洗浄機と併用することもで
きる。パルプはPW1 工程終了後、酵素処理工程あるい
は多段漂白工程へ送られる。
【0020】本発明の酵素処理工程で使用される酵素
は、パルプの構成成分を分解するものであればいかなる
酵素でも良い。パルプの構成成分としては、セルロー
ス、ヘミセルロース、リグニン、脂肪酸、樹脂酸等があ
げられ、これらの成分を分解する酵素としては、セルラ
ーゼ、キシラナーゼ、マンナナーゼ、ペクチナーゼ、リ
グニンパーオキシダーゼ、マンガンパーオキシダーゼ、
ラッカーゼ、リパーゼ等が知られており、勿論これらの
酵素でも良く、未だ知られていない酵素でも該当する酵
素であれば良いことは言うまでもない。また、これらの
酵素は単独で用いてもよく、あるいは複合、混合して、
さらには複数回に分けて使用することもできる。これら
酵素のうち、キシラナーゼと呼ばれるキシラン分解酵素
は、漂白促進効果も同時に有しており、好適に用いられ
る。
【0021】前記酵素は、これを生産する任意の適当な
微生物、例えば、担子菌、カビやバクテリア等を培養す
ることによって採取される。さらにこれらの変異株、あ
るいは酵素の生産を増大させるために遺伝子工学によっ
て製造された菌株、すなわち組替え体菌株から採取して
もよい。また、前記酵素は培養液中に生産されたままの
ものでも良く、その濃縮混合物、その乾燥調物、あるい
は精製物のいずれであっても良い。
【0022】本発明の酵素処理工程においては、該酵素
を産出する微生物を培養した後、酵素及び微生物を分離
することなく、培養物の状態で添加することもできる。
本発明の酵素を生産する微生物は、特に限定されるもの
ではないが、例えば、キシラン分解活性を有する酵素を
生産する微生物としてはバチルス属のものが好適に用い
られる。このうち、バチルス エスピーBX−1(工業
技術院微生物工業技術研究所寄託番号 微工研菌寄第1
3052号 FERM P−13052)、バチルスエ
スピーBX−2(工業技術院微生物工業技術研究所寄託
番号 微工研菌寄第13053号 FERM P−13
053)、バチルスエスピーBX−3(工業技術院微生
物工業技術研究所寄託番号 微工研菌寄第13054号
FERM P−13054)、バチルス エスピーB
X−4(工業技術院微生物工業技術研究所寄託番号 微
工研菌寄第13055号 FERM P−1305
5)、バチルス・エスピー2113(通商産業省工業技
術院生命工学工業技術研究所寄託番号FERM BP−
5264)あるいはバチルス・エスピー208(通商産
業省工業技術院生命工学工業技術研究所 寄託番号FE
RM BP−5321)は、これらの微生物が生産する
酵素の性質及び生産性の見地から、特に好適に用いられ
る(特開平6−62839号、特開平6−318450
号各公報参照)。また、微生物を培養するための培地に
使用される物質は特に限定されるものではないが、未晒
パルプ、酸素漂白後パルプ、漂白後パルプ等のパルプが
好適に用いられる。
【0023】本発明の酵素処理工程では、酵素と含水状
態のパルプとが均一に混ざるように低濃度ミキサー、中
濃度ミキサー、スタティックミキサー、高濃度ミキサー
等を用いて撹拌が行われる。酵素の添加量はパルプの状
態、処理温度、処理時間により左右され、所望の酵素処
理が得られるように加減されて添加される。例えば、キ
シラン分解活性を有する酵素を用いた場合には、酵素処
理により溶出されるパルプ中のキシラン由来の全糖量が
パルプ1kg当たり0.1g〜2.0g、好ましくは
0.5g〜1.0gになるように添加量が決められる。
【0024】本発明の酵素処理工程においては、パルプ
濃度は1〜30重量%、好ましくは2〜15重量%の範
囲で行われる。パルプ濃度が1重量%未満では、処理に
大容量の設備を要するので適さない。パルプ濃度が30
%を超えると、パルプと酵素あるいは培養物を均一に混
合する点で問題が生じるので適さない。処理温度は10
〜90℃、好ましくは30〜60℃の範囲であるが、酵
素の至適温度に近い処理温度がより好ましい。一般的な
酵素の場合、処理温度が10℃未満では反応が不十分と
なる上、そのような温度を得ること自体に多大のコスト
を要するので適さない。一方、温度が90℃を超えて高
くなると、処理系を密閉化しないと熱ロスが大きくなる
上、一般的な酵素の場合、酵素自体が変性し、不活性に
なるので適さない。
【0025】処理時の溶液pHは3〜10、好ましくは
5〜9の範囲であるが、酵素の至適pHに近いpHがよ
り好ましい。もし、pHの調整が必要な場合は、任意の
酸性溶液またはアルカリ性溶液を添加して調整すること
ができる。前記のpH調整用に用いられる溶液は、多段
漂白シーケンスからの排水を利用できることはいうまで
もない。処理時間は、10分以上、好ましくは30分〜
180分であるが、時間については特に限定されない。
【0026】本発明の酵素処理は、複数回行うこともで
きる。同一酵素を用いて複数回酵素処理を行うこともで
きるし、複数の酵素を用いて複数回酵素処理を行うこと
もできる。また、本発明の酵素処理は、既設或いは新設
を問わず、反応塔、タンク、チェスト等の容器内で実施
することができる。また、耐圧容器内においては加圧状
態での処理も可能である。パルプは酵素処理工程終了
後、再度、プレス洗浄工程(以下、PW2 工程と略す)
へ送られる。
【0027】本発明の酵素処理工程後のPW2 工程にお
いても、洗浄機の一つとして必ずプレス洗浄機が使用さ
れる。本発明のPW2 工程においては、複数のプレス洗
浄機を使用することもできるし、他の洗浄機と併用する
こともできる。PW2 工程においても、PW1 工程同
様、洗浄後のパルプ濃度が20〜45%、好適には30
〜40%になるように洗浄される。パルプはPW2 工程
終了後多段漂白工程へ送られる。
【0028】本発明の多段漂白処理工程で用いられる漂
白薬品としては、原子状塩素(C)、苛性ソーダ
(E)、次亜塩素酸塩化合物(H)、二酸化塩素
(D)、酸素(O)、過酸化水素(P)、オゾン
(Z)、有機過酸等の公知の漂白剤と漂白助剤からなる
漂白薬品を挙げることができ、これらの中から適宜選択
されて漂白薬品として用いられるが、本発明において
は、多段漂白処理工程中に少なくとも1つ以上のアルカ
リ抽出段が含まれる。
【0029】本発明における多段漂白処理工程での漂白
シーケンスとして、例えばC−E/O−H−D、C/D
−E/O−H−Dのように原子状塩素と塩素系漂白薬品
を含む漂白シーケンスを用いることもできるし、D−E
−D、D−E/O−D、Z−E/O−D、のように原子
状塩素を含まない漂白シーケンスを用いることもでき
る。また、Z−E−P、Z−E/O−P等のように原子
状塩素と塩素系漂白薬品を一切用いない漂白シーケンス
を用いることもできる。ここで、Cは塩素段、E/Oは
酸素で補強したアルカリ抽出段、Dは二酸化塩素段、E
はアルカリ抽出段、Hは次亜塩素酸塩段、Pは過酸化水
素段、Zはオゾン段をそれぞれ意味している。
【0030】本発明においては、多段漂白処理工程中の
アルカリ抽出段終了後にもプレス洗浄工程(以下、PW
3 工程と略す)が設けられる。本発明のPW3 工程にお
いても、洗浄機の一つとして必ずプレス洗浄機が使用さ
れる。本発明のPW3 工程においては、複数のプレス洗
浄機を使用することもできるし、他の洗浄機と併用する
こともできる。PW3 工程においても、PW1 工程同
様、洗浄後のパルプ濃度が20〜45%、好適には30
〜40%になるように洗浄される。
【0031】本発明では、PW1 工程、PW2 工程及び
PW3 工程から生じる濾液は回収して、蒸解工程の蒸解
排液と一緒に回収ボイラーへ送り、燃焼して濾液中に溶
解しているあるいは含まれる有機物を熱エネルギーとし
て利用することができる。また、上記濾液を向流洗浄水
として前段の洗浄に用い、最終的には蒸解工程の蒸解排
液として回収ボイラーへ送り、燃焼して排水中に溶解し
ているあるいは含まれる有機物を熱エネルギーとして利
用することもできる。勿論、上記濾液中に含まれる成分
を分離し、有用成分として回収することも可能である。
また、本発明では多段漂白処理工程において、漂白薬品
として原子状塩素を用いない漂白シーケンスで、更には
原子状塩素と塩素系漂白薬品の両方を用いない漂白シー
ケンスで漂白パルプを製造することができるため、漂白
からの排水も回収して多段漂白処理工程をクローズド化
することもできる。
【0032】本発明において、未漂白パルプをアルカリ
酸素漂白工程で漂白し、その後多段漂白工程で漂白して
漂白パルプを製造するに際し、アルカリ酸素漂白工程後
及び多段漂白工程中のアルカリ抽出段後のパルプをプレ
ス洗浄することにより、ピッチ分の少ない漂白パルプが
得られる理由については今後の研究を待たないと明確に
は断定できないが、本発明者らは以下のように推測して
いる。すなわち、パルプはアルカリ性下において膨潤す
るため、この状態でプレス洗浄機を用いてパルプ洗浄を
行うと、パルプは膨潤状態から一気に圧潰されるので、
パルプの外側だけでなく、内部に残留するピッチ成分ま
でもが除去されるものと考えられる。さらに、この効果
は、酵素反応を用いてパルプ構成成分を分解することに
より、一層増幅されるものと考えられる。
【0033】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、勿論本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。以下に示す実施例1、2及び
比較例1は、木材チップを蒸解して得られる未漂白パル
プをアルカリ酸素漂白工程(O)で漂白した後、C−E
−Dシーケンスで漂白を行ったものであり、実施例3及
び比較例2は、アルカリ酸素漂白した後に酵素処理を行
い、次いでC−E−Dシーケンスで漂白を行ったもので
ある。実施例4は、アルカリ酸素漂白した後に微生物及
び培養物を含んだ状態で酵素処理を行い、次いでC−E
−Dシーケンスで漂白を行ったものである。また、特に
示さない限り、カッパー価の測定、パルプ白色度の測
定、コロイダルピッチの測定、パルプのアルコール−ベ
ンゼン抽出量はそれぞれ以下の方法で行った。なお、実
施例及び比較例における薬品の添加率は絶乾パルプ重量
当たりの重量%示す。
【0034】1.カッパー価の測定 カッパー価の測定は、JIS P 8211に準じて行
った。 2.パルプ白色度の測定 パルプを離解した後、Tappi試験法T205os−
71(JIS P 8209)に従って坪量60g/m
2 のシートを作製し、JIS P 8123に従ってパ
ルプの白色度を測定した。
【0035】3.コロイダルピッチの測定 コロイダルピッチの測定は、Allenの行った方法
(L.H.Allen&PPRIC:Pitch Pa
rticle Concentration;an I
mportant Parameter in Pit
ch Problem,Transaction 3
2,(June,1977))に準じて行った。すなわ
ち、任意の濃度に希釈したパルプスラリーの上清あるい
はパルプ洗浄排水を毛細管を用いてヘマストメーター上
に流し込み、顕微鏡にてコロイダルピッチの粒子数をカ
ウントする。ヘマストメーター上の5ますを観察したと
ころでます目当たりの平均粒子数を算出し、以下の式に
従って、粒子濃度(PPC)を算出した。 PPC(個/cm3 )=A×C/V A:ます目当たりの平均粒子数 C:深さの補正係数=1.1 V:ます目上の液体の容積
【0036】4.パルプのアルコール−ベンゼン抽出量
の測定 パルプのアルコール−ベンゼン抽出量の測定は、Tap
pi 試験法T204os−76に準じて行った。
【0037】実施例1 工場製広葉樹未漂白クラフトパルプ(白色度40.5
%、カッパー価16.5)絶乾重量90.0gを採取
し、絶乾パルプ重量当たり苛性ソーダを1.5%添加
し、次いでイオン交換水で希釈してパルプ濃度を10%
に調整し、間接加熱式オートクレーブに入れ、ゲージ圧
が5kg/cm2 となるように純度が99.9%の市販
の圧縮酸素ガスで加圧し、温度100℃で60分間加熱
し、中濃度法によりアルカリ酸素漂白(O)を行った。
得られたパルプをイオン交換水で希釈してパルプ濃度を
3%に調整した後、ブフナーロートを用いてパルプマッ
トを作製し、シリンダープレス機で脱水し(PW1 )、
アルカリ酸素漂白パルプを得た。脱水後のパルプ濃度は
30.9%であった。
【0038】前記アルカリ酸素漂白パルプを絶乾重量で
80.0gプラスチック袋に入れ、イオン交換水を用い
てパルプ濃度を10%に調整した後、絶乾パルプ重量当
たり有効塩素1.65%に相当する塩素水を添加し、温
度が55℃の恒温水槽に30分間浸漬して塩素段(C
段)の漂白を行った。得られたパルプをイオン交換水で
3%に希釈した後、ブフナーロートで脱水、洗浄した。
C段後のパルプをプラスチック袋に入れ、イオン交換水
を用いてパルプ濃度を10%に調整した後、苛性ソーダ
をC(塩素)添加率の0.7倍量加え、C段と同様にし
て温度60℃で90分間処理し、アルカリ抽出段(E
段)を行った。得られたパルプをイオン交換水で希釈し
てパルプ濃度を3%に調整した後、ブフナーロートを用
いてパルプマットを形成し、シリンダープレス機で脱水
し(PW3 )、E段後パルプを得た。脱水後のパルプ濃
度は30.6%であった。
【0039】続いて、E段後パルプをプラスチック袋に
入れ、イオン交換水を用いてパルプ濃度10%に調整し
た後、絶乾パルプ重量当たり二酸化塩素を0.3%添加
し、C段と同様にして温度70℃で180分間処理し、
二酸化塩素段(D段)の漂白を行った。得られたパルプ
をイオン交換水で3%に希釈し、ブフナーロートを用い
て洗浄、脱水し、白色度85.7%の漂白パルプを得
た。漂白工程各段濾液のコロイダルピッチ数を測定する
とともに、得られた漂白パルプのアルコール−ベンゼン
抽出率を測定した。アルカリ酸素漂白工程後の洗浄工程
(PW1 )に用いた洗浄・脱水機名、パルプ濃度、及び
E段後の洗浄工程(PW3 )に用いた洗浄機名、パルプ
濃度を表1に示した。また、多段漂白工程の各段濾液の
コロイダルピッチ数及び漂白パルプのアルコール−ベン
ゼン抽出率を表2に示した。
【0040】実施例2 洗浄工程におけるシリンダープレスの線圧を変え、プレ
ス後のパルプ濃度をそれぞれ41.0%(PW1 )、4
0.7%(PW3 )とし、塩素添加率を1.55%に変
えた以外は実施例1と同様の操作を行った。多段漂白後
のパルプ白色度は85.5%であった。アルカリ酸素漂
白段工程の洗浄工程(PW1 )に用いた洗浄・脱水機
名、パルプ濃度、及びE段後の洗浄工程(PW3 )に用
いた洗浄機名、パルプ濃度を表1に示した。また、多段
漂白工程の各段濾液のコロイダルピッチ数及び漂白パル
プのアルコール−ベンゼン抽出率を表2に示した。
【0041】実施例3 実施例1のアルカリ酸素漂白工程後のパルプを絶乾重量
で80.0gプラスチック袋に採取し、イオン交換水で
パルプ濃度を10%に調整し、硫酸を添加してpHを
6.0に調整した後、市販のキシラナーゼ(商品名;イ
ルガザイム40A、チバガイギー社製)溶液40μl
(対パルプ0.05%)を添加し、60℃で120分
間、酵素処理を行った。得られたパルプをイオン交換水
で希釈してパルプ濃度を3%に調整した後、ブフナーロ
ートを用いてパルプマットを形成し、シリンダープレス
機で脱水し(PW2 )、酵素処理パルプを得た。脱水後
のパルプ濃度は40.8%であった。ついで、C段の塩
素添加率を1.1%とした以外は、実施例1と同様の多
段漂白工程で漂白を行った。多段漂白後のパルプ白色度
は85.6%であった。アルカリ酸素漂白工程後の洗浄
工程(PW1 )に用いた洗浄・脱水機名、パルプ濃度、
及び酵素処理工程後の洗浄工程(PW2 )に用いた洗浄
・脱水機名、パルプ濃度、ならびにE段後の洗浄工程
(PW3 )に用いた洗浄機名、パルプ濃度を表1に示し
た。また、多段漂白工程の各段濾液のコロイダルピッチ
数及び漂白パルプのアルコール−ベンゼン抽出率を表2
に示した。
【0042】 実施例4バチルス・エスピー2113を表3に示す培地
組成及び培養条件で培養し、培養物を得た。実施例1の
アルカリ酸素漂白工程後のパルプを絶乾重量で80.0
gプラスチック袋に採取し、イオン交換水でパルプ濃度
を10%に調整し、硫酸を添加してpHを6.0に調整
した後、バチルス・エスピー2113の培養物を200
μl添加し、60℃で120分間、酵素処理を行った。
得られたパルプをイオン交換水で希釈してパルプ濃度を
3%に調整した後、ブフナーロートを用いてパルプマッ
トを形成し、シリンダープレス機で脱水し(PW2 )、
酵素処理パルプを得た。脱水後のパルプ濃度は40.6
%であった。ついで、得られたパルプを実施例3と同様
に多段漂白工程で漂白した。多段漂白後のパルプ白色度
は85.7%であった。アルカリ酸素漂白工程後の洗浄
工程(PW1 )に用いた洗浄・脱水機名、パルプ濃度、
及び酵素処理工程後の洗浄工程(PW2 )に用いた洗浄
・脱水機名、パルプ濃度、ならびに多段漂白工程のE段
後の洗浄工程(PW3 )に用いた洗浄機名、パルプ濃度
を表1に示した。また、多段漂白工程の各段濾液のコロ
イダルピッチ数及び漂白パルプのアルコール−ベンゼン
抽出率を表2に示した。
【0043】比較例1 実施例1のアルカリ酸素漂白工程後及びE段後のパルプ
洗浄はブフナーロートを用いた脱水のみとし、塩素添加
率を1.7%に変えた以外は実施例1と同様の操作を行
った。アルカリ酸素漂白工程後及びE段後のパルプ濃度
はそれぞれ15.2%、15.8%であった。多段漂白
後のパルプ白色度は85.4%であった。アルカリ酸素
漂白段後の洗浄工程(PW1 )に用いた洗浄・脱水機
名、パルプ濃度、及びE段後の洗浄工程(PW3 )に用
いた洗浄機名、パルプ濃度を表1に示した。また、多段
漂白工程の各段濾液のコロイダルピッチ数及び漂白パル
プのアルコール−ベンゼン抽出率を表2に示した。
【0044】比較例2 実施例1のアルカリ酸素漂白工程後のパルプを絶乾重量
で80.0gプラスチック袋に採取し、イオン交換水に
濃硫酸を添加してpHを6.0とした硫酸水溶液で希釈
してパルプ濃度を10%に調整した後、市販のキシラナ
ーゼ(商品名;イルガザイム40A、チバガイギー社
製)溶液40μl(対パルプ0.05%)を添加し、6
0℃で120分間、酵素処理を行った。得られたパルプ
の洗浄は、パルプ濃度を3%に調整した後、ブフナーロ
ートを用いて脱水した。脱水後のパルプ濃度は15.6
%であった。ついで、C段の塩素添加率を1.2%とし
た以外は、比較例1と同様の多段漂白工程で漂白した。
多段漂白後のパルプ白色度は85.6%であった。アル
カリ酸素漂白工程後の洗浄工程(PW1 )に用いた洗浄
・脱水機名、パルプ濃度、及び酵素処理工程後の洗浄工
程(PW2 )に用いた洗浄・脱水機名、パルプ濃度、な
らびにE段後の洗浄工程(PW3 )に用いた洗浄機名、
パルプ濃度を表1に示した。また、多段漂白工程の各段
濾液のコロイダルピッチ数及び漂白パルプのアルコール
−ベンゼン抽出率を表2に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】表1及び表2の実施例1、2と比較例1を
比較することから明らかなように、アルカリ酸素漂白工
程及びE段後においてプレス洗浄機を用いてパルプを洗
浄・脱水すれば、パルプ由来のコロイダルピッチが効率
良く除去され、漂白パルプのアルコール−ベンゼン抽出
量が著しく低下する。また実施例3、4、と比較例2を
比較すると明らかなように、キシラン分解活性を有する
酵素でパルプを処理する工程を付加することにより、相
乗的にコロイダルピッチが除去され、アルコール−ベン
ゼン抽出量も低下する。
【0049】
【発明の効果】リグノセルロース物質を蒸解して得られ
る未漂白パルプをアルカリ酸素漂白し、その後アルカリ
抽出段を含む多段漂白工程で漂白して漂白パルプを製造
する方法において、アルカリ酸素漂白工程後及びアルカ
リ抽出後においてプレス洗浄機を用いてパルプを洗浄・
脱水することにより、効果的にピッチ成分を除去し、ピ
ッチ分の少ない漂白パルプの製造方法を提供することが
可能となった。またアルカリ酸素漂白工程後のパルプを
パルプ構成成分を分解する酵素で処理する工程を付加す
ることにより相乗的にピッチ成分を除去し、さらにピッ
チ成分の少ない漂白パルプの製造方法を提供することが
可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 香川 仁志 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内 (72)発明者 三浦 高弘 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内 (72)発明者 岩崎 誠 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リグノセルロース物質を蒸解して得られ
    る未漂白パルプをアルカリ酸素漂白工程で漂白し、その
    後アルカリ抽出段を含む多段漂白工程で処理して漂白パ
    ルプを製造する方法において、アルカリ酸素漂白工程後
    にプレス洗浄工程を設け、かつ多段漂白工程中のアルカ
    リ抽出段後にプレス洗浄工程を設けることを特徴とする
    漂白パルプの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記の各プレス洗浄工程後のパルプ濃度
    が20〜45重量%であることを特徴とする請求項1記
    載の漂白パルプの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ酸素漂白工程後のプレス洗
    浄工程後に酵素処理工程を設け、かつ該酵素処理工程後
    にプレス洗浄工程を設けることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の漂白パルプの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記酵素処理工程に用いられる酵素が、
    少なくともキシラン分解活性を有することを特徴とする
    請求項3記載の漂白パルプの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記酵素処理工程に用いられる酵素が、
    該酵素を産出する微生物を培養した後の培養物として添
    加されることを特徴とする請求項3又は4記載の漂白パ
    ルプの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記微生物がバチルス属の細菌であるこ
    とを特徴とする請求項5記載の漂白パルプの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記微生物がバチルス エスピーBX−
    1、バチルス エスピーBX−2、バチルス エスピー
    BX−3、バチルス エスピーBX−4、バチルス・エ
    スピー2113又はバチルス・エスピー208であるこ
    とを特徴とする請求項5又は6記載の漂白パルプの製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015527497A (ja) * 2012-06-22 2015-09-17 バックマン・ラボラトリーズ・インターナショナル・インコーポレーテッドBuckman Laboratories International Incorporated 製紙プロセスにおけるピッチ制御にリパーゼと酸化剤との組合せを使用する方法及びそれによる製品
CN114182555A (zh) * 2021-12-16 2022-03-15 齐鲁工业大学 一种采用复合酶制剂预处理的秸秆制浆方法及其在制备纸吸管中的应用

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JP2015527497A (ja) * 2012-06-22 2015-09-17 バックマン・ラボラトリーズ・インターナショナル・インコーポレーテッドBuckman Laboratories International Incorporated 製紙プロセスにおけるピッチ制御にリパーゼと酸化剤との組合せを使用する方法及びそれによる製品
AU2013277705B2 (en) * 2012-06-22 2017-03-30 Buckman Laboratories International, Inc. Methods of using combinations of a lipase and an oxidant for pitch control in paper making processes and products thereof
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