JPH11323525A - 溶射試験片の製作方法 - Google Patents

溶射試験片の製作方法

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JPH11323525A
JPH11323525A JP12852798A JP12852798A JPH11323525A JP H11323525 A JPH11323525 A JP H11323525A JP 12852798 A JP12852798 A JP 12852798A JP 12852798 A JP12852798 A JP 12852798A JP H11323525 A JPH11323525 A JP H11323525A
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JP
Japan
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test piece
thermal spraying
coating
thermal
base material
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JP12852798A
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Kazuo Nanba
一夫 難波
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IHI Corp
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 見掛け上(外観)は完全な溶射皮膜である
が、実際には皮膜が母材に強固に結合していない不完全
な試験片を、簡単かつ確実に製作することができる溶射
試験片の製作方法を提供する。 【解決手段】 不完全皮膜を形成する試験片の母材の一
部又は全部に、表面粗さがRmax 10μm以上かつR
max 35μm以下の凹凸面を形成し、次いでその部分を
マスキングして溶射を行う。#40〜#80のサンドペ
ーパ、又はブラスト処理により、前記凹凸面を形成する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非破壊検査により
溶射皮膜の健全性を確認するための溶射試験片の製作方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】大型ボイラの火炉壁の耐食性を向上させ
るために耐食材料(例えば50Ni−50Cr)が溶射
されることがある。しかし、かかる耐食材料の溶射処理
は、下地処理、ブラスト、溶射、等の複数の工程を必要
とし、特にボイラ火炉壁のように大面積の場合には、溶
射処理のために必要な期間や費用が非常に長くかつ高く
なる問題がある。
【0003】更に、かかる溶射処理を適切に行わない
と、ボイラの使用中に、溶射皮膜のめくれや脱落が生
じ、火炉壁の寿命を短縮し、メンテナンス費用が大幅に
増大するおそれがある。そのため、溶射処理後に超音波
検査等の非破壊検査により溶射面の全体にわたり溶射皮
膜の健全性を的確に判断する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、非破壊検査に
より溶射皮膜の健全性を確認する自体は従来から試みら
れているが、溶射皮膜の健全性を確実に判断するには現
状では至っていない。そのため、溶射処理後に非破壊検
査を行う場合でも、従来は下地処理、ブラスト、溶射、
等の各工程を安全側に過剰に行わざるを得ず、その結
果、特にボイラ火炉壁のように大面積の場合には、溶射
処理の期間と費用が過大になる問題点があった。
【0005】そこで、条件を変えた溶射試験片を多数製
作し、この試験片を用いて非破壊検査の適切な条件を確
立することが強く望まれているが、従来、完全な溶射試
験片を製作することはできるが、不完全な試験片を製造
する方法が確立されていなかった。すなわち、非破壊検
査では、見掛け上(外観)は完全な溶射皮膜であるが、
実際には皮膜が母材に強固に結合していない不完全な試
験片が必要になるが、かかる不完全な試験片は、従来簡
単には製作できず、かつかかる不完全性を有すること
は、試験片を切断して顕微鏡等で確認する以外には確認
のしようがなかった。
【0006】本発明は、かかる要望を満たすために創案
されたものである。すなわち、本発明の目的は、見掛け
上(外観)は完全な溶射皮膜であるが、実際には皮膜が
母材に強固に結合していない不完全な試験片を、簡単か
つ確実に製作することができる溶射試験片の製作方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、不完全
皮膜を形成する試験片の母材に、表面粗さがRmax 10
μm以上かつRmax 35μm以下の凹凸面を形成し、次
いで溶射を行う、ことを特徴とする溶射試験片の製作方
法が提供される。また、不完全皮膜を形成する試験片の
母材の一部に、表面粗さがRmax 10μm以上かつR
max 35μm以下の凹凸面を形成し、次いでその部分を
マスキングして溶射を行う、ことを特徴とする溶射試験
片の製作方法が提供される。本発明の好ましい実施形態
によれば、#40〜#80のサンドペーパ、又はブラス
ト処理により、前記凹凸面を形成することが好ましい。
【0008】本発明の発明者等は、多数の溶射処理を行
った結果、溶射前のブラスト処理を行わないと、皮膜の
内部応力により皮膜がめくれあがってしまい、簡単に剥
離する溶射被膜ができてしまうが、このブラスト処理の
度合を低くし、母材の面粗さを変化させると、見掛け上
は完全な溶射皮膜であるが、実際には皮膜が母材に強固
に結合していない不完全な試験片を製作できることを新
たに見いだした。本発明はかかる新規の知見に基づくも
のである。
【0009】すなわち、本発明の発明者等は、皮膜を浮
かせたい場所に対して、#40、#80、#320、の
粗さの異なるサンドペーパを用いた試験片と、母材その
ままの試験片、及びコンパウンドで表面を磨いた試験片
を製作して同一条件で溶射し、それぞれの試験片の断面
を顕微鏡で確認した結果、#40〜#80のサンドペー
パを用いたもの、すなわち、Rmax 10μm以上かつR
max 35μm以下の凹凸面を形成し、次いで溶射するこ
とにより、見掛け上(外観)は完全な溶射皮膜である
が、実際には皮膜が母材に強固に結合していない不完全
な試験片を、簡単かつ確実に製作することができること
を確認した。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。図1は、本発明の溶射試験
片の製作方法を示す工程図である。この図に示すよう
に、本発明の溶射試験片の製作方法は、下地処理2、マ
スキング4、ブラスト6、及び溶射8の各工程からな
る。下地処理2では、不完全皮膜を形成する試験片1の
母材の一部に、#40〜#80の粗さの異なるサンドペ
ーパを用いて表面粗さがRmax 10μm以上かつRmax
35μm以下の凹凸面を形成する。マスキング4では下
地処理した部分を適当な型板を用いてマスキングする。
ブラスト6では、マスキング部以外をブラスト材を用い
て溶射に適した面粗にブラスト処理する。次いで、所望
の耐食材料(例えば50Ni−50Cr)を用いて試験
片1の表面に溶射を行う。
【0011】なお、試験片1の全面に不完全皮膜を形成
する場合には、まず試験片1の母材に、表面粗さがR
max 10μm以上かつRmax 35μm以下の凹凸面を形
成し、次いでマスキング4、ブラスト6を省略して溶射
を行うことができる。この場合には、試験片1の全面に
結合力の弱い不完全皮膜が形成される。また、表面粗さ
がRmax 10μm以上かつRmax 35μm以下の凹凸面
は、上述したように、#40〜#80のサンドペーパを
用いて軽く磨くことにより形成してもよく、或いは、適
切なブラスト処理により、同様の表面粗さを持った凹凸
面を形成してもよい。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。試験片の
母材として、外径34mm−SCH160の鋼管を用意
し、下地処理2として、同一の鋼管(STS管)の一部
に サンドペーパ#40、サンドペーパ#80、サン
ドペーパ#320の3種類を軽く磨く程度に行ったもの
と、そのままの母材、マスキングコンパウンドを3
倍に薄めて磨いたものとを準備した。図2は、このよう
に下地処理2を部分的に行った試験片1の模式図であ
る。この図において〜は、上述したそれぞれの下地
処理2に対応している。なお、溶射範囲は、鋼管の上面
180°の範囲である。また、上述した下地処理2は、
鋼管の長さ方向に10mmづつ行った。次いで、図1に
示したマスキング4、ブラスト6を実施した後、溶射材
料として50Ni−50Crを用い、標準的な溶射条件
で膜厚約450μmの溶射を行った。完成した試験片の
膜厚は約300μm〜600μmであった。
【0013】完成した各試験片を外観検査すると共に、
その断面を顕微鏡観察することにより、以下の結果が得
られた。なお、図3は、のサンドペーパ#80による
下地処理による場合の顕微鏡写真(6倍)を模式的に示
したものである。のサンドペーパ#40による下地処
理部分のみに、溶射皮膜が正常に形成された。顕微鏡観
察によると、6倍程度の拡大では確認できないが40倍
以上の拡大により、母材と皮膜の間に黒い線として欠陥
が確認できた。なお、下地処理時の表面粗さはRmax
5μmであった。のサンドペーパ#80による下地処
理では、見掛け上(外観)は完全な溶射皮膜であるが、
6倍程度の拡大で確認できる剥離箇所が50%程度存在
していた。従って、サンドペーパ#40による場合と同
様にサンドペーパ#80による場合でも、本発明の目的
とする不完全な溶射試験片を製作することができる。な
お、下地処理時の表面粗さはRmax 10μmであった。
のサンドペーパ#320による下地処理では、全域に
剥離又は割れが生じ、見掛け上も不完全な溶射皮膜とな
った。6倍程度の拡大では左右の皮膜の間に母材が露出
していた。これは、溶射皮膜内に生じる引張応力がその
まま皮膜に作用するために割れが生じたものと考えられ
る。従って、かかる下地処理は、本発明の方法には適用
できないことがわかる。なお、下地処理時の表面粗さは
max 2.0μmであった。のそのままの母材を用い
た場合には、市販材料の表面粗さが小さいため、皮膜が
連続せず、ほぼ全域で母材が露出していた。また、マ
スキングコンパウンドを3倍に薄めて磨いたも場合も、
の場合とほぼ同様の結果が得られた。従って、これら
も、本発明の方法には適用できないことがわかる。な
お、及びにおける表面粗さはの下地処理よりも更
に小さかった。
【0014】以上の試験結果から、のサンドペーパ#
80による下地処理により、目標の欠陥に近い不完全な
溶射試験片を製作できることがわかった。また、のサ
ンドペーパ#40による下地処理でも、欠陥形状は異な
るがミクロな欠陥ができることが分かった。また、〜
の差は、表面粗さの差によるものであり、本発明の目
的とする不完全な試験片を製作するには、不完全皮膜を
形成する試験片の母材に、表面粗さがRmax 10μm以
上かつRmax 35μm以下の凹凸面を形成する必要があ
ることが確認された。
【0015】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できる
ことは勿論である。
【0016】
【発明の効果】上述したように、#40〜#80のサン
ドペーパを用いたもの、すなわち、R max 10μm以上
かつRmax 35μm以下の凹凸面を形成し、次いで溶射
することにより、見掛け上(外観)は完全な溶射皮膜で
あるが、実際には皮膜が母材に強固に結合していない不
完全な試験片を、簡単かつ確実に製作することができ
る。
【0017】すなわち、本発明の溶射試験片の製作方法
は、見掛け上(外観)は完全な溶射皮膜であるが、実際
には皮膜が母材に強固に結合していない不完全な試験片
を、簡単かつ確実に製作することができる、等の優れた
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶射試験片の製作方法を示す工程図で
ある。
【図2】本発明の方法の実施例を示す図である。
【図3】本発明による試験片断面の模式図である。
【符号の説明】
1 試験片 2 下地処理 4 マスキング 6 ブラスト 8 溶射

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不完全皮膜を形成する試験片の母材に、
    表面粗さがRmax 10μm以上かつRmax 35μm以下
    の凹凸面を形成し、次いで溶射を行う、ことを特徴とす
    る溶射試験片の製作方法。
  2. 【請求項2】 不完全皮膜を形成する試験片の母材の一
    部に、表面粗さがR max 10μm以上かつRmax 35μ
    m以下の凹凸面を形成し、次いでその部分をマスキング
    して溶射を行う、ことを特徴とする溶射試験片の製作方
    法。
  3. 【請求項3】 #40〜#80のサンドペーパ、又はブ
    ラスト処理により、前記凹凸面を形成する、ことを特徴
    とする請求項1又は2に記載の溶射試験片の製作方法。
JP12852798A 1998-05-12 1998-05-12 溶射試験片の製作方法 Pending JPH11323525A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113302721A (zh) * 2019-12-23 2021-08-24 株式会社日立高新技术 等离子体处理装置的部件的制造方法以及部件的检查方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113302721A (zh) * 2019-12-23 2021-08-24 株式会社日立高新技术 等离子体处理装置的部件的制造方法以及部件的检查方法
CN113302721B (zh) * 2019-12-23 2023-07-11 株式会社日立高新技术 等离子体处理装置的部件的制造方法以及部件的检查方法

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