JPH11323423A - 飛散物が少ない転炉製鋼方法 - Google Patents

飛散物が少ない転炉製鋼方法

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JPH11323423A
JPH11323423A JP12564698A JP12564698A JPH11323423A JP H11323423 A JPH11323423 A JP H11323423A JP 12564698 A JP12564698 A JP 12564698A JP 12564698 A JP12564698 A JP 12564698A JP H11323423 A JPH11323423 A JP H11323423A
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furnace
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pressure
acid
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JP12564698A
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Shinya Kitamura
信也 北村
Mitsutaka Matsuo
充高 松尾
Kenichiro Naito
憲一郎 内藤
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、炉口付着地金やダスト、スプラッ
シュ等の飛散物が少なく、地金除去作業による稼働率の
低下を招くことなく高稼働率な転炉吹錬を可能とする方
法を提供する。 【解決手段】 上底吹き転炉精錬において、上吹き送酸
時間の少なくとも30%以上の期間に炉内圧を1. 5kg
f/cm2 以上とし、当該期間の送酸速度Fを3. 65(Nm3
/min/ton) 以下とすることを特徴とする転炉製鋼方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は転炉吹錬において、
ダストやスプラッシュのような飛散物が少なく、地金除
去作業による稼働率の低下を招くことなく高稼働率を可
能とする転炉製鋼方法に関する。
【0002】
【従来の技術】転炉操業においては、スプラッシュやダ
ストの飛散により、炉口部に地金が堆積すること、炉下
に落下物が堆積すること、排ガス集塵器の負荷が大きく
なること等の問題を生じていた。
【0003】一般に炉口付着地金は、10〜20チャー
ジに1回程度の頻度で、スクラップシュートを炉口に激
突させ衝撃で落下させたり、スクラップシュートを炉口
に接触させて上下運動させることで機械的に剥離させる
方法で除去させている。また、炉下落下物は、炉下にブ
ルドーザーのような重機を入れて除去している。しか
し、これらの方法では地金除去作業に時間を要するため
転炉の稼働率を大幅に低下させていた。
【0004】一方、転炉炉内に圧力を付与して精錬する
ことは、以下のように公知となっている。
【0005】特開平2 −205616号公報には、転炉
内を1. 5kgf/cm2 (当該明細書ではゲージ圧で記載さ
れているため0. 5kgf/cm2 であるが本明細書では絶対
圧で記載しているため絶対圧に換算した)以上に加圧
し、転炉内への溶鉄とスクラップの総装入量W(t/ch)と
転炉鉄皮内容積V(m3)との関係をW>0. 8Vとする方
法、及び、0. 8V≧W≧0. 5Vとし、かつ、炉内へ
の送酸速度U(Nm3/min/t) をU≧3. 7とする方法が開
示されている。しかし、この方法では重装入(W>0.
8V)した場合には上部空間が減るため飛散物は低減で
きず、また、重装入しない場合には送酸速度が非常に大
きくなっているため飛散物量は低減できない。
【0006】加圧によるダストの低減については、特開
平2−298209号公報に、含鉄冷材溶解専用転炉
で、炉内圧P'(atm)と炭素濃度[ %C] とを、2. 5≦
[ %C] ≦5で、P≧1. 15+0. 3{[%C] −2.
5} とする方法が開示されている。この方法は、溶解専
用転炉での操業条件であり、かつ、送酸速度が規定され
ていないため脱炭用転炉へは適用できない。冶金原理的
に見ると、含鉄冷材の溶解炉の場合には、炭材を供給し
つつ吹酸するため、炭材から溶鉄への浸炭という吸熱反
応が脱炭と同時に常に溶鋼表面(炭材は密度が小さいた
め溶鋼表面に浮遊している)で進行するため火点温度が
低い特徴がある。この場合には、火点では酸化鉄が比較
的安定に生成されるため、ダストやスプラッシュの発生
に対して送酸速度の影響は出ない。これに対して、脱炭
炉では浸炭が無いため高温の火点が形成され、火点で生
成される酸化鉄が不安定となるため送酸速度にスプラッ
シュやダストの発生が大きく依存する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特開平2 −
205616号公報に開示されている方法では飛散物が
低減できず、特開平2−298209号公報に開示され
ている方法では脱炭用転炉へは適用できないという問題
を解決し、炉口付着地金やダストやスプラッシュのよう
な飛散物が少なく、地金除去作業による稼働率の低下を
招くことなく高稼働率を可能とする転炉製鋼方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は以下の各
方法にある。 (1) 上底吹き転炉精錬による転炉製鋼方法におい
て、上吹き送酸時間の少なくとも30%以上の期間に炉
内圧力Pを1. 5kgf/cm2 以上とし、当該期間の送酸速
度Fを3. 65(Nm3/min/ton) 以下とすることを特徴と
する飛散物が少ない転炉製鋼方法。 (2) 全吹酸期間において、炉内圧力P(kgf/cm2) と
送酸速度F(Nm3/min/ton) の関係を、F/Pで1. 2〜
2. 45とすることを特徴とする上記(1)に記載の飛
散物が少ない転炉製鋼方法。 (3) 上吹き送酸時間の内、炭素濃度が1%以上の期
間の70%以上を、炉内圧力Pが1. 5kgf/cm2 以上
で、前記送酸速度Fと炉内圧力Pの比F/Pを1.5〜
2. 0とすることを特徴とする上記(1)又は(2)に
記載の飛散物が少ない転炉製鋼方法。
【0009】
【発明の実施の形態】転炉のダストやスプラッシュは、
いずれも上吹き酸素吹酸に伴い発生する飛散物である。
飛散の駆動力は脱炭反応に伴うCOガスの発生が主であ
る。より詳細に発生機構を論じると、上吹き酸素により
形成される火点で生成された酸化鉄が浴内に巻き込まれ
た後、溶鋼中の炭素と反応してCOガスを発生させるこ
とでダストやスプラッシュが生成される。脱炭転炉のよ
うに火点が極めて高温の場合には、熱力学的に酸化鉄は
不安定のため、送酸速度が低い場合には酸化鉄は表面で
直ちに総てが還元されるため、溶鋼内に巻き込まれる量
は少なく、ダストやスプラッシュは生成しない。これに
対して、送酸速度を高くすると還元速度よりも、酸素の
供給による酸化鉄の生成速度が大きくなるため、一部の
酸化鉄が火点で還元しきれずに溶鋼内へも巻き込まれ、
ダストやスプラッシュを発生させる。従って、飛散物を
抑制するには送酸速度が重要な要因となる。
【0010】一方、炉内圧は、高い方が発生したCOガ
スの体積を小さくできるために飛散物に対しては有利で
ある効果を持つ。
【0011】請求項1は、この知見に基づくものであ
り、炉内圧力Pを1. 5kgf/cm2 以上とし、かつ、送酸
速度Fを3. 65(Nm3/min/ton) 以下とすることで大幅
に飛散物が低下したという実験事実に基づくものであ
る。図1に実験結果を示すが、Fが3. 65以下でPが
1. 5以上で飛散物量が低減することがわかる。ここで
飛散物量は、1チャージの脱炭吹錬で発生したダスト量
と炉下地金の総重量で評価した。ここで、Pが1. 5以
上の期間を上吹き送酸時間の少なくとも30%以上とし
た理由は、30%よりも少ない期間の場合には、飛散物
低下効果が少なく実質的に転炉生産性が上がらないため
である。尚、炉内圧力Pは設備改造費の大幅な増加を抑
制するためには5kgf/cm2 以下であることが好ましい。
【0012】請求項2は、全吹酸期間にわたるさらなる
適正条件を示したものである。炉内圧力を高めること
は、前述のように飛散物を低減させる効果がある反面、
過剰に高圧とした場合には、火点での還元反応は熱力学
的に起こりにくい方向に作用するため(つまり、CO分
圧が高くなるためFeO+[ C] →COの反応が進みに
くくなるため)、溶鋼内へ巻き込まれる酸化物が増加し
飛散物を増大させる効果もある。したがって、飛散物を
低下するには、適正な送酸速度と炉内圧力の関係があ
り、本請求項は、上記の知見に基づき詳細な実験を実施
した結果得られたものである。F/Pの上限である2.
45以下という数値限定は炉内圧力Pが1.5kgf/cm2
よりも低い範囲での最適条件を示すものである。図2
は、送酸速度F(Nm3/min/ton) と炉内圧力P(kgf/cm2)
の比であるF/Pと飛散物量との関係を示した実験結果
であるが、F/Pを2.45以下とすることで飛散物が
低下することがわかる。F/Pが2.45よりも大きい
場合には、圧力に対して相対的に送酸速度が高すぎるた
め、酸素供給による酸化鉄の生成速度が大きくなり一部
の酸化鉄が火点で還元しきれずに溶鋼内へ巻き込まれる
影響が大きくなり、飛散物が増大する。逆に、F/Pの
下限である1.2以上という数値限定理由は、炉内圧力
Pが1.5kgf/cm2 以上の場合の最適条件を示すもので
ある。図3には炉内圧力Pが1.7〜2.7kgf/cm2
場合の実験結果を示すが、F/Pが1.2よりも小さい
場合には、送酸速度に対して相対的に圧力が高すぎるた
め、還元反応が熱力学的に起こりにくくなり、一部の酸
化鉄が火点で還元しきれずに溶鋼内へ巻き込まれるため
飛散物が増大している。尚、炉内圧力Pが1.5kgf/cm
2 よりも低い場合もF/Pが1.2以上になるように操
業しても本発明の効果を何ら損なうものではない。
【0013】請求項3は、最も効果的な条件を示したも
のである。飛散物の発生はCOガス発生速度の大きい脱
炭最盛期が最も激しく、それは、炭素濃度が1%以上の
期間として定義される。従って、この期間に炉内圧力と
送酸速度の両者を、最も飛散物が少ない条件に制御する
ことで最大の効果を得ることができる。上吹き送酸時間
の内、炭素濃度が1%以上の期間の70%以上としたの
は、70%よりも短いと飛散物低下効果が少なく実質的
に転炉生産性が上がらないためであり、炉内圧力Pが
1. 5kgf/cm2 以上で、F/Pが1. 5〜2. 0とした
理由は、最もCO発生が激しい時期にF/Pをより適正
化して飛散物を低減させるためである。炉内圧力PとF
/Pが上記範囲を外れると飛散物が増加する。尚、炭素
濃度が1%以上の全期間を本発明の範囲内の炉内圧力、
送酸速度と炉内圧力の比で操業しても、本発明の効果を
何ら損なうものではない。
【0014】
【実施例】(本発明例)実施例は6トン規模の上底吹き
転炉を用いて実施した。上吹きランスは12φの4孔ラ
ンスを用い、酸素供給速度は1000〜3000Nm3/Hr
とした。底吹きは酸素と冷却用LPGの2重管羽口を用
い酸素を約100Nm3/Hr供給した。以下の組成で約13
50℃の溶銑と、重量比で溶銑の5%相当量のスクラッ
プを挿入した後、上吹きランスより吹酸し脱炭した。
【0015】 C :4.0〜4.3% Si:0.05〜0.35% Mn:0.12〜0.36% P :0.015〜0.085% S :0.005〜0.02% 吹酸開始後、排ガス回収装置(OG)のフードを降下
し、炉口と締結して炉内加圧を開始し、炭素濃度が約
0. 5%の時点で復圧して大気圧に戻した。
【0016】吹酸時間に対する、加圧期間の時間比は約
55%であり、1%以上の炭素濃度の期間に対する加圧
期間は約85%であった。
【0017】炉内圧力を2. 0(kgf/cm2) 、送酸速度を
3. 5(Nm3/min/ton) とした結果、ダスト発生量は約1
0kg/tであり、炉下地金は約3kg/tであった。また、炉
口付着地金もほとんど観察されなかった。
【0018】(比較例)比較例も実施例と同じ上底吹き
転炉を用いて実施した。上吹きランス、底吹き条件等は
すべて同一とした。吹酸開始後、排ガス回収装置(O
G)のフードを降下したが、炉口とは締結せず、大気圧
で操業した。送酸速度を3. 0(Nm3/min/ton) とした
が、ダスト発生量は約30kg/tであり、炉下地金は約1
0kg/tであり、激しい炉口付着地金が観察された。
【0019】
【発明の効果】本発明により、炉口付着地金やダストや
スプラッシュのような飛散物が少なく、地金除去作業に
よる稼働率の低下を招くことなく高稼働率な転炉吹錬が
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】飛散物発生量と、送酸速度、炉内圧力の関係を
示す実験結果。
【図2】炉内圧力Pが1.5kgf/cm2 よりも低い条件で
の飛散物発生量と、送酸速度F、炉内圧力Pの比である
F/Pとの関係を示す実験結果。
【図3】炉内圧力Pが1.5kgf/cm2 以上の条件での飛
散物発生量と、送酸速度F、炉内圧力Pの比であるF/
Pとの関係を示す実験結果。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上底吹き転炉精錬による転炉製鋼方法に
    おいて、上吹き送酸時間の少なくとも30%以上の期間
    に炉内圧力Pを1. 5kgf/cm2 以上とし、当該期間の送
    酸速度Fを3. 65(Nm3/min/ton) 以下とすることを特
    徴とする飛散物が少ない転炉製鋼方法。
  2. 【請求項2】 全吹酸期間において、炉内圧力P(kgf/c
    m2) と送酸速度F(Nm3/min/ton) の関係を、F/Pで
    1. 2〜2. 45とすることを特徴とする請求項1に記
    載の飛散物が少ない転炉製鋼方法。
  3. 【請求項3】 上吹き送酸時間の内、炭素濃度が1%以
    上の期間の70%以上を、炉内圧力Pが1. 5kgf/cm2
    以上で、前記送酸速度Fと炉内圧力Pの比F/Pを1.
    5〜2. 0とすることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の飛散物が少ない転炉製鋼方法。
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