JPH11323361A - シリコーン離型潤滑油 - Google Patents

シリコーン離型潤滑油

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JPH11323361A
JPH11323361A JP13019998A JP13019998A JPH11323361A JP H11323361 A JPH11323361 A JP H11323361A JP 13019998 A JP13019998 A JP 13019998A JP 13019998 A JP13019998 A JP 13019998A JP H11323361 A JPH11323361 A JP H11323361A
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Motohiko Hirai
元彦 平井
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】金属成形物表面、金属酸化物を含む成形物表
面、各種ゴム材料及び合成樹脂との親和性と耐熱性に優
れた離型剤用や潤滑油用のシリコーンオイルを提供す
る。 【解決手段】 一般式1の、アミン当量が 5,000〜100,
000g/molであるアミノアルキル基含有オルガノポリシロ
キサンを主成分とするシリコーン離型潤滑油。 [RはC1〜20の一価炭化水素基、AはR、−R
(NHCHCHNH、ORまたはOH、R
はC1〜6の二価炭化水素基、RはC1〜6の一価
炭化水素基、nは2〜5、pは5〜2,000の数、q
は0〜100の数であり、q=0の場合Aの1個以上は
−R(NHCHCHNHである]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属成形物表面、金
属酸化物を含有する成形物表面、各種ゴム材料及び合成
樹脂との親和性に優れるとともに耐熱性に優れた離型剤
としての用途または潤滑油としての用途に適するシリコ
ーンオイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりジメチルポリシロキサンを代表
とするオルガノポリシロキサンは、離型剤用、潤滑油
用、作動油用、繊維処理剤用等に広く使用されてきた。
これらの用途においては、これらオルガノポリシロキサ
ンの耐熱性及び耐寒性とともに、温度による粘度変化が
小さいこと、表面張力が低いこと等の諸特性が生かされ
ている。また以前より耐熱性に代表される上記諸特性を
保持した上、さらに併せて金属表面との親和性を具備し
たオルガノポリシロキサンが求められている。一方、金
属、金属酸化物との親和性を有するオルガノポリシロキ
サンとして従来からアミノ基含有オルガノポリシロキサ
ンが知られており、カーワックスに撥水耐久性を付与す
るものとして使用されている(米国特許第 3549590号、
同第 3558556号、及び特公昭64-12313号参照)。また複
写機用離型剤原料として実用化されている(特開平3-22
7206号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし公知のアミノ基
含有オルガノポリシロキサンは、ジメチルオルガノポリ
シロキサンに比較して、過酷な条件下での耐熱性に乏し
いため熱酸化され易く、酸化によって粘度が増加し易い
ばかりでなく、場合によってはゲル化するという欠点が
あり、あるいは場合によっては官能基が熱的に破壊さ
れ、その離型性、吸着性が低下するという欠点を有して
いる。これらの理由から汎用のアミノ基含有オルガノポ
リシロキサンの用途は繊維処理剤用、ワックス用といっ
た分野に限定されていた。前記特開平3-227206号は上記
欠点を改良した発明であり、複写機用離型剤に応用され
たものである。しかし基材に対する離型性、潤滑性、吸
着性はまだ不充分なものであり更なる改良が要望されて
いた。本発明者らは、これらの課題を解決するものとし
て特公平8-19432 号の発明を提案した。これによりかな
りの特性向上が認められたが、さらに特性アップが望ま
れていた。本発明はこれらの事情に鑑みなされたもの
で、金属、金属酸化物の成形材料、各種ゴム材料及び合
成樹脂との親和性に優れ、従来品の耐熱性、離型性、潤
滑性、吸着性をさらに改良した特定の化学構造を有する
アミノアルキル基含有オルガノポリシロキサンを主成分
とするシリコーン離型潤滑油を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(化2)で
示されるアミノアルキル基含有オルガノポリシロキサン
が優れた耐熱性と共に離型性、潤滑性、吸着性を付与す
ることを見出し本発明を完成した。即ち本発明は下記一
般式(化2)で示される、アミン当量が 5,000〜100,00
0g/molであるアミノアルキル基含有オルガノポリシロキ
サンを主成分とするシリコーン離型潤滑油である。
【化2】 [式中、Rは炭素数1〜20の一価炭化水素基、AはRも
しくは-R1-(NHCH2CH2)nNH2、OR2 またはOH、R1は炭素数
1〜6の二価炭化水素基、R2は炭素数1〜6の一価炭化
水素基、nは2〜5、pは5〜2,000 の数、qは0〜10
0 の数であり、q=0の場合はAの少なくとも1個は -
R1(NHCH2CH2)nNH2である]
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明につき詳細に説明す
る。本発明のシリコーン離型潤滑油の主成分は前記一般
式(化1)で示され、アミン当量が 5,000〜100,000g/m
olのアミノアルキル基含有オルガノポリシロキサンであ
る。
【0006】本発明におけるアミノアルキル基含有オル
ガノポリシロキサンの一般式(化1)の式中、Rは炭素
数1〜20の一価炭化水素基であり、Rの具体例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基等の
アルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル
基、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール
基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基等
のアラルキル基又はこれらの基の水素原子の一部または
全部がハロゲン原子や任意の有機基で置換された基を挙
げることができる。1分子中のRは同種であっても、ま
た異種であっても良い。Rの90モル%以上はメチル基が
好ましい。
【0007】本発明におけるアミノアルキル基含有オル
ガノポリシロキサンの一般式(化1)の式中、AはRも
しくは -R1-(NHCH2CH2)n-NH2、OR2 、OHであり、全ての
Aが同一であっても異なっていてもよいが、q=0の場
合にはAのうち少なくとも1個は -R1-(NHCH2CH2)n-NH2
である必要がある。OR2 としてはメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。Aは特
にRであることが好ましい。本発明におけるアミノアル
キル基含有オルガノポリシロキサンの一般式(化1)の
式中、R1は炭素数1〜6の二価炭化水素基であり、メチ
レン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレ
ン基などのアルキレン基が好ましく、中でもトリメチレ
ン基が好ましい。一般式(化1)の式中のnについて
は、nが0あるいは1の場合は充分な離型性、潤滑性、
吸着性が得られず、nが5より大きいものは製造が困難
となるため、nは2〜5である。特に好ましくは2ある
いは3である。一般式(化1)の式中のpについては、
pが5未満であると離型潤滑性が乏しくなるし、pが
2,000を超えると粘度が高くなるので取り扱いが困難と
なり、基材表面への濡れ速度が低下して充分な特性が得
られなくなるため5〜2,000であり、好ましくは10〜1,0
00 、より好ましくは 100〜500 である。また、一般式
(化1)の式中のqについては、 100を超えると熱酸化
安定性が低下するため0〜100 であり、好ましくは0〜
50、より好ましくは0〜10である。アミン当量は5,000g
/molより小さいと熱酸化安定性が低下するし、100,000g
/molを超えると離型性、潤滑性が不充分となるため 5,0
00〜100,000g/molであり、好ましくは 7,000〜70,000g/
mol 、より好ましくは10,000〜50,000g/mol である。
【0008】本発明におけるオルガノポリシロキサンの
具体例としては下記一般式(化3)で示される(a)〜
(j)の化合物を挙げることができる。
【化3】
【0009】本発明におけるオルガノポリシロキサンは
公知の合成方法によって容易に得ることができる。例え
ば、アルカリ金属水酸化物、テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド或いはテトラブチルホスホニウムヒドロキ
シドのような触媒の存在下にオクタメチルシクロテトラ
シロキサン等の環状シロキサンと式(化4)あるいは式
(化5)で示される化合物又はその加水分解縮合物及び
その他の原料としてヘキサメチルジシロキサン、α、ω
−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン、ジメトキシジ
メチルシラン等から選択される化合物との平衡化反応に
より得られる。尚これらのオルガノポリシロキサン骨格
中に分岐単位を導入しても差し支えない。
【化4】
【化5】
【0010】本発明のシリコーン離型潤滑油は一般式
(化1)で示されるように限定された構造のアミノ基含
有オルガノポリシロキサンを主成分として使用すること
により、離型性、潤滑性、吸着性、さらに耐熱性に優れ
た離型潤滑油を得ることができる。なおこれらのオルガ
ノポリシロキサンはそのまま使用してもよいし、有機溶
剤に希釈して溶液として、あるいは乳化剤を用いて水性
エマルジョンとして使用してもよい。また、これらに染
料、顔料、酸化防止剤、防腐剤、増粘剤、紫外線吸収剤
などの各種添加剤を、本発明を逸脱しない範囲で添加、
配合することは任意である。
【0011】
【実施例】以下本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。又
特に断らない限り以下に記載する[%]及び[部]は
[重量%]及び[重量部]を意味する。なお、粘度は25
℃における測定値を示す。
【0012】(合成例1)撹拌装置、温度計、還流冷却
装置及び窒素ガス導入管の付いた 500ccのセパラブルフ
ラスコにクロロプロピルメチルジメトキシシラン122gを
仕込み、撹拌下窒素ガスを導入しながら昇温させ、70℃
に達したところでジエチレントリアミン206gを徐々に滴
下した。滴下終了後さらに 110℃で3時間反応させた
後、 132℃/2torrで蒸留することにより式(化6)で
示される化合物を得た。ガスクロ分析による純度は97%
であった。次にこのシラン 60gを上記と同様に 500ccの
セパラブルフラスコに仕込み、撹拌下 13gの水を徐々に
滴下して、滴下終了後に室温で3Hr攪拌し、トルエン 3
0gを投入して未反応の水を共沸脱水で脱水後、トルエン
を除去することにより高粘度の加水分解物 54gを得た。
【化6】
【0013】(合成例2)クロロプロピルメチルジメト
キシシラン100gとトリエチレンテトラミン239gを用いた
他は、合成例1と同様な操作により式(化7)で示され
る化合物を得た。このシランは高沸点であり蒸留が困難
なため、トリエチレンテトラミンを除去することにより
得た。次に(合成例1)と同様な加水分解により対応す
る高粘度の加水分解物 45gを得た。
【化7】
【0014】(合成例3)撹拌装置、温度計、還流冷却
装置及び窒素ガス導入管の付いた1リットルのセパラブ
ルフラスコにオクタメチルシクロテトラシロキサン680
g、ドデカメチルペンタシロキサン20g 、合成例1で得
られた加水分解物5g を仕込み、撹拌下で窒素ガスを導
入しながら昇温させ、 110℃に達したところで平衡化触
媒としてテトラブチルホスホニウムヒドロキシド0.4gを
添加し、5時間平衡化反応を行わせた後、さらに 150℃
で1時間熱処理をした後、 150℃/5torrで減圧下スト
リッピングをおこない下記式(化8)で示される平均構
造式を有する粘度が 830cs、アミン当量が 10,500g/mol
の無色透明な液体を得た(オルガノポリシロキサン
1)。
【化8】
【0015】(合成例4)オクタメチルシクロテトラシ
ロキサン680g、ドデカメチルペンタシロキサン20g 、合
成例1で得られた加水分解物2.5g用いた他は合成例3と
全く同様にして下記式(化9)で示される平均構造式を
有する粘度が 800cs、アミン当量が 19,000g/molの無色
透明な液体を得た(オルガノポリシロキサン2)。
【化9】
【0016】(合成例5)オクタメチルシクロテトラシ
ロキサン680g、ドデカメチルペンタシロキサン20g 、合
成例1で得られた加水分解物1.0g用いた他は合成例3と
全く同様にして下記式(化10)で示される平均構造式
を有する粘度が 810cs、アミン当量が 40,400g/molの無
色透明な液体を得た(オルガノポリシロキサン3)。
【化10】
【0017】(合成例6)オクタメチルシクロテトラシ
ロキサン680g、ドデカメチルペンタシロキサン20g 、合
成例2で得られた加水分解物1.0g 用いた他は合成例3
と全く同様にして下記式(化11)で示される平均構造
式を有する粘度が 820cs、アミン当量が 32,000g/molの
無色透明な液体を得た(オルガノポリシロキサン4)。
【化11】
【0018】(合成例7)オクタメチルシクロテトラシ
ロキサン680g、ドデカメチルペンタシロキサン20g 、合
成例1で得られた加水分解物 13g用いた他は合成例3と
全く同様にして下記式(化12)で示される平均構造式
を有する粘度が 810cs、アミン当量が3,500g/molの無色
透明な液体を得た(オルガノポリシロキサン5)。
【化12】
【0019】(合成例8)オクタメチルシクロテトラシ
ロキサン680g、ドデカメチルペンタシロキサン20g 、合
成例1で得られた加水分解物0.4g用いた他は合成例3と
全く同様にして下記式(化13)で示される平均構造式
を有する粘度が 800cs、アミン当量が120,000g/molの無
色透明な液体を得た(オルガノポリシロキサン6)。
【化13】
【0020】(実施例1〜8及び比較例1〜4)合成例
3〜8で得られた6種類のオルガノポリシロキサンにつ
いてについて下記の各種試験を実施した。 (耐熱試験)6種類のオルガノポリシロキサンの各々25
g を清浄な100ml の硬質ガラスビーカーに採取し、 200
℃に調節した熱風循環式恒温槽中に所定時間放置し、試
験後の粘度を測定した。
【0021】(離型性試験)内容積15ccのサンプル瓶中
に6種類のオルガノポリシロキサンの各々7g とバイト
ンゴムコートしたA1板テストピースを入れ、80℃から
180℃の各温度にて1時間、開放系条件で加熱した。次
にテストピースを抜き取り、オイルを完全に拭き取った
後、マゼンダトナー(富士ゼロックス製)でA4版普通
紙に対する離型性試験を行い下記の基準で評価した。 ○ :トナーが全く残らない △ :周辺部に薄く残る × :周辺部に濃く残る ××:べったり残る
【0022】
【表1】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明のアミノアルキル基含有オルガノ
ポリシロキサンを主成分とするシリコーン離型潤滑油
は、耐熱性が良好であるのみでなく金属、金属酸化物、
各種ゴム材料及び合成樹脂との親和性が良好であるので
耐熱性が要求されるプラスチック加工時の金型離型剤、
潤滑油、複写機用離型剤等の用途に広く使用することが
できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(化1)で示され、アミン当
    量が 5,000〜100,000g/molであるアミノアルキル基含有
    オルガノポリシロキサンを主成分とするシリコーン離型
    潤滑油。 【化1】 [式中、Rは炭素数1〜20の一価炭化水素基、AはRも
    しくは-R1-(NHCH2CH2)nNH2、OR2 またはOH、R1は炭素数
    1〜6の二価炭化水素基、R2は炭素数1〜6の一価炭化
    水素基、nは2〜5、pは5〜2,000 の数、qは0〜10
    0 の数であり、q=0の場合はAの少なくとも1個は -
    R1(NHCH2CH2)nNH2である]
  2. 【請求項2】 -R1(NHCH2CH2)nNH2においてnが2ある
    いは3である請求項1記載のオルガノポリシロキサンを
    主成分とするシリコーン離型潤滑油。
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