JPH11323331A - 土壌処理剤及びそれを使用した植生緑化方法 - Google Patents

土壌処理剤及びそれを使用した植生緑化方法

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JPH11323331A
JPH11323331A JP10100393A JP10039398A JPH11323331A JP H11323331 A JPH11323331 A JP H11323331A JP 10100393 A JP10100393 A JP 10100393A JP 10039398 A JP10039398 A JP 10039398A JP H11323331 A JPH11323331 A JP H11323331A
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JP
Japan
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soil
water
copolymer resin
aqueous solution
treating agent
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JP10100393A
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Fumitoshi Tsukiyama
文俊 築山
Yoshinobu Tachibana
良信 橘
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Showa Highpolymer Co Ltd
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  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温での低温粘度安定性、凍結融解安定性、
土壌に対する接着性、保護性に優れ、施工後においては
耐水性のあるフィルムを形成するにもかかわらず溶液と
しては低粘度の土壌処理剤並びにそれを使用した土壌改
良方法並びに植生緑化方法の提供。 【解決手段】 不飽和カルボン酸(A)2〜50重量部
及び共重合可能なモノマー(B)50〜98重量部(合
計100重量部)からなるモノマーを水中で乳化重合
し、得られた共重合樹脂分散液をアルカリ水溶液で中和
して得られた水溶性共重合樹脂からなる土壌処理剤、及
び該土壌処理剤を1〜10重量%の水溶液またはこれと
他の添加剤からなる水溶液とし、土壌1m3 に対し、
0.5〜10リットルを使用する土壌改良方法または該
土壌処理剤に植生用種子または更に肥料、他の緑化用添
加剤と共に土壌に施工する土壌の植生緑化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌改良、土壌侵
食防止あるいは植生緑化に使用できる水溶性共重合樹脂
を含む土壌処理剤及びそれを使用した土壌改良方法、土
壌侵食防止方法及び植生緑化方法に関する。更に詳しく
は極めて高分子であっても低粘度であり、フィルム化し
た後は耐水性に優れ、かつ凍結してもゲル化せずに容易
にもとの状態に戻れる低温粘度安定性、凍結融解安定性
に優れた水溶性共重合樹脂を含む土壌処理剤に関する。
本土壌処理剤単独では土壌に対し、土壌の柔軟性、通気
性、団粒化、保水性あるいは耐水性を付与するなど土壌
改良効果を有し、また植生緑化用の種子、他の添加剤と
共に土壌侵食防止、植生緑化などに有効に用いることが
できるものである。
【0002】
【従来の技術】従来全面伐採(いわゆる皆伐)の斜面、
林道工事、河川の堤防などの傾斜面あるいは法面などの
裸地は、雨水、あるいは風によって簡単に侵食され、土
砂による災害の原因になることは良く知られている。し
たがってこれらの傾斜面は緊急に植生を回復し、雨水な
どによる土壌の侵食を防止することが必要となってく
る。この傾斜面などの土壌改良、土壌侵食防止及び植生
緑化工法としては、一般に機械による種子吹きつけ工法
が主として行われている。すなわち植生緑化用の種子
に、肥料、客土及び他の材料とを混合し、これを水と混
合して土壌面に吹きつけることが広く行われている。こ
の種子吹きつけ工法では、種子が発芽して十分な草生が
行われるまでの期間、種子、幼苗を土壌面に固定し、そ
の流出防止及び風雨による土壌の侵食防止の目的で、一
般に種々の水溶性高分子、合成樹脂エマルジョンが養生
保護剤として用いられている。
【0003】従来、この養生保護剤として使用する水溶
性高分子としては一般にポリアクリルアマイド系樹脂の
水溶液、合成樹脂エマルジョンとしては酢酸ビニル系樹
脂のエマルジョンやエチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂
のエマルジョンが用いられている。ポリアクリルアマイ
ド系樹脂の水溶液の場合には、特に冬場低温での樹脂液
の粘度安定性や凍結融解安定性に優れ、したがって冬場
での取扱作業性や土壌の保水性に優れる反面、水溶性樹
脂のため耐水性がなく、土壌の侵食防止効果が低いた
め、植生土壌が風雨により流出しやすいという問題点が
ある。一方、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンやエチレン
−酢酸ビニル系共重合樹脂エマルジョンの場合には、土
壌面に対する接着性、保護性に優れかつ吹き付け作業性
なども良好であるなどの特徴を有する反面、冬場低温で
の樹脂液が異常な高粘度となったり、いったん凍結した
後はゲル化をおこし使用不可能となるといった冬場での
取扱作業性がきわめて劣るという大きな問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、傾斜面など
の土壌改良、土壌侵食防止及び植生緑化工法に使用する
養生保護剤として、冬場低温での樹脂液の低温粘度安定
性、凍結融解安定性に優れ、土壌に対する接着性、保護
性に優れ、樹脂自体は高分子量であって施工後において
は耐水性のあるフィルムを形成するにもかかわらず、溶
液としては低粘度で吹き付け作業性の良好な土壌処理剤
の開発並びにそれを使用した土壌改良方法又は土壌侵食
防止方法並びに植生緑化方法の開発を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、[1] 不飽
和カルボン酸(A)2〜50重量部及び共重合可能なモ
ノマー(B)50〜98重量部(合計100重量部)か
らなるモノマーを水中で乳化重合し、得られた共重合樹
脂分散液をアルカリ水溶液で中和して得られた水溶性共
重合樹脂を含む土壌処理剤、[2] 不飽和カルボン酸
(A)と共重合可能なモノマー(B)を乳化重合するに
際し、保護コロイドとして天然または合成の水溶性高分
子(C)を用いた上記[1]記載の水溶性共重合樹脂を
含む土壌処理剤、[3] 上記[1]または[2]に記
載の水溶性共重合樹脂を含む水溶液またはこれと他の添
加剤からなる土壌処理剤を土壌面に施工することを特徴
とする土壌改良方法または土壌侵食防止方法、[4]
1〜10重量%の、上記[1]または[2]に記載の水
溶性共重合樹脂を含む水溶液0.5〜10リットルまた
はこれと他の添加剤からなる土壌処理剤を、土壌1m3
に混合し、この混合物を土壌面に施工することを特徴と
する土壌改良方法または土壌侵食防止方法、及び[5]
上記[1]または[2]に記載の水溶性共重合樹脂か
らなる土壌処理剤及び植生用種子または更に肥料、他の
緑化用添加剤と共に土壌面に施工することを特徴とする
土壌の植生緑化方法、を開発することにより上記の目的
を達成した。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において使用する不飽和カ
ルボン酸(A)は、生成する共重合樹脂の水溶性化もし
くは乳化安定化、常温及び低温における貯蔵安定性、超
微粒子化及び生成皮膜の保水性付与のために必要であ
り、土壌に適度な保水性と通気性と強固な結合接着力と
を付与し、施工後の風雨などによる土壌の流亡を防ぐ役
割を果たしている。その使用量は、全使用モノマー量1
00重量部中2〜50重量部、好ましくは5〜30重量
部である。本発明に使用できる不飽和カルボン酸(A)
の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸などが挙げられ、それらの単独もしく
は2種以上を混合して使用できるが、特に(メタ)アク
リル酸が好適である。
【0007】上記の不飽和カルボン酸(A)と共重合可
能なモノマー(B)としては、不飽和カルボン酸(A)
と共重合性があれば特に制限する必要はないが、具体的
には、炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アク
リル酸エステル、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプ
ロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)ア
クリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチル
ヘキシル;炭素数1〜12個を有するアルカンモノカル
ボン酸のビニルエステル、例えば酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、ビニル−n−ブチレート、ビニルバーサテ
ート;不飽和アミド、例えば(メタ)アクリルアミド、
N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル−2−アミ
ノエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、さらにはN−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミドのごときアルコキシメチル(メタ)
アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルフォン酸などの不飽和スルフォン酸もしくはこ
れらのナトリウム塩またはアンモニウム塩、(メタ)ア
クリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
−2−ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシ基含有(メ
タ)アクリレート、不飽和イミド、たとえばマレイン酸
イミド、マレイン酸ジアミド;ビニル系芳香族モノマ
ー、例えばスチレン、p−メチルスチレン、p−スチレ
ンスルフォン酸ソーダなどが挙げられる。
【0008】その使用量は、全使用モノマー量100重
量部中50〜98重量部、好ましくは70〜95重量部
である。これら共重合可能なモノマー(B)は用途に応
じて単独使用または併用できる。これら共重合可能なモ
ノマー(B)の作用としては、土壌に柔軟性と耐水性及
び結合接着力を付与し、土壌の風雨などによる流亡を防
止し、侵食防止効果を与える。なお本発明においては、
一般にラジカル重合性を有するモノマーを本発明の共重
合可能なモノマー(B)の一部として使用可能である。
【0009】このようなラジカル重合性を有するモノマ
ーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ふっ化ビニ
リデンなどのハロゲン含有ビニル化合物、エチレン、
1,3−ブタジエンなどのモノまたはジオレフィン類、
α,β−オレフィン性不飽和カルボン酸、例えばマレイ
ン酸、フマル酸などのエステル類、その他アクリロニト
リルなどが挙げられる。不飽和カルボン酸(A)の使用
量が全使用モノマー量100重量部中2重量部未満の場
合または共重合可能なモノマー(B)の使用量が全使用
モノマー量100重量部中98重量部より多い場合は、
乳化重合時の安定性と生成共重合樹脂分散液の安定性が
不足するばかりでなく、共重合樹脂が水溶化せず、目的
とする低温安定性に優れた水溶性共重合樹脂が得られな
い。また、不飽和カルボン酸(A)の使用量が全使用モ
ノマー量100重量部中50重量部より多い場合または
共重合可能なモノマー(B)の使用量が全使用モノマー
量100重量部中50重量部より少ない場合は、水溶性
共重合樹脂水溶液の粘度が高くなりすぎて取り扱い、作
業性に劣り、また生成皮膜の耐水性が低下する。
【0010】本発明においては、上記の共重合可能なモ
ノマー(B)として、炭素数1〜8のアルキル基を有す
る(メタ)アクリル酸エステルの単独使用またはこの
(メタ)アクリルエステルと不飽和アミド、不飽和スル
フォン酸もしくはこれらのナトリウム塩またはアンモニ
ウム塩またはヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート
などの親水性モノマーとを組み合わせて使用することが
好ましい。
【0011】なお、共重合樹脂の水溶性化は、モノマー
組成により大きく影響を受けるが、親水性のモノマー、
たとえば(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジメチル−2−アミノエチル(メタ)ア
クリルアミド誘導体、N−メチルール(メタ)アクリル
アミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
フォン酸などの不飽和スルフォン酸もしくはこれらのナ
トリウム塩またはアンモニウム塩、(メタ)アクリル酸
−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒ
ドロキシプロピルなどのヒドロキシル基含有(メタ)ア
クリレートなどの(メタ)アクリル系化合物を共重合可
能な単量体として適量使用するときは共重合樹脂に貯蔵
安定性、耐水性を低下させることなく親水性を付与する
ことができ、このため水溶性化もしくは乳化安定化、超
微粒子化、生成皮膜の保水性付与の目的のために使用す
る不飽和カルボン酸(A)の必要量を減ずることができ
る。
【0012】本発明の共重合樹脂分散液は、上記の不飽
和カルボン酸(A)及び共重合可能なモノマー(B)を
水中で乳化重合することによって製造する必要がある。
乳化重合する時は、一般の水溶液重合や他の重合法の場
合に比較して、得られる重合体の分子量が極めて高いポ
リマーが容易に得られる点にある。不飽和カルボン酸
(A)と共重合可能なモノマー(B)を含む混合モノマ
ーの濃度は、樹脂の濃度が5〜30%の範囲になるよう
に使用することが好ましい。樹脂の濃度が5%未満では
コストアップとなり、30%より多いと粘度が高くなり
すぎて作業性に問題が生じる。この得られる共重合樹脂
が高分子量であることは、土壌処理剤として使用した
時、重合体の耐水性を高める一助となり、土壌改良、侵
食防止を目的に使用する場合に有利な性質の一因となっ
ている。乳化重合に際しては、界面活性剤をまったく使
用しないで乳化重合してもよくまた通常の界面活性剤や
反応性界面活性剤を使用してもよい。
【0013】界面活性剤を使用するときは、界面活性剤
として通常乳化重合に使用されている物であればいずれ
であっても使用できる。反応性界面活性剤についても分
子中にラジカル重合性の二重結合を有し、スルホン酸ソ
ーダなどの親水基と別に疎水基を有し、界面活性を有す
る物であれば使用可能である。これらの界面活性剤はノ
ニオン性、アニオン性、カチオン性のいずれでも使用で
きる。
【0014】上記の乳化重合を行うに際し、水溶性共重
合樹脂に対して更なる安定性と耐水性を付与する目的で
保護コロイドとして天然または合成の水溶性高分子
(C)を併用することもできる。かかる水溶性高分子
(C)としては、天然高分子として知られるでんぷん、
デキストリン類など、合成高分子としてはポリビニルア
ルコールやその誘導体、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロースやその誘導体、前記親水性
のモノマー、例えば(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチル−2−アミノエチル
(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリル
アミドなどの(メタ)アクリルアミド誘導体、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸などの不
飽和スルフォン酸もしくはそれらのナトリウム塩または
アンモニウム塩、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル、(メタ)アクリル−2−ヒドロキシプロピルな
どのヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートなどの重合
体、前記不飽和カルボン酸の単独重合体またはこれらの
共重合体などを挙げることができる。
【0015】これらの保護コロイドを使用する際、適量
の低級アルコール類、例えばメチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアル
コールなどや、適量の連鎖移動剤、例えばオクチルチオ
グリコレート、ドデシルマーカプタン、2−メルカプト
エタノール、ベンゼンチオエタノール、メルカプトコハ
ク酸、ブチルメルカプタンなどのマーカプタン類を併用
すると重合反応がスムーズに進行することは良く知られ
ている。
【0016】乳化重合が終了したら、得られた共重合樹
脂分散液は水溶性を付与するためにアルカリ水溶液で中
和することが必要である。この場合に使用するアルカリ
としては、アルカリ金属水酸化物またはアンモニウム水
溶液が好ましく用いられる。中和量としては、得られた
共重合樹脂分散液が透明な溶液となる量を添加する。ほ
とんどの場合pH7〜8程度にすれば十分である。水溶
液をこれ以上のアルカリ側にすることは植生植物に対し
悪影響を与えるおそれがある。また土壌中のアルカリ土
類金属イオンやけい酸イオンなどによる水溶性共重合樹
脂の不溶化作用を妨害することになるので共重合樹脂が
水溶性となった時点で中和を停止することが好ましい。
【0017】かくして得られた水溶性共重合樹脂は、カ
ルボキシル基などの親水性基を側鎖に有するモノマーを
主鎖に有し、水中で透明な溶液状となっており、低温度
においても、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンやエチレン
−酢酸ビニル系樹脂エマルジョンなどの土壌処理剤と異
なり、異常な粘度の上昇を起こさないだけでなく凍結し
ても凍結融解安定性に優れているのでゲル化などをせず
に元通りの溶液になるなど低温特性に優れている。した
がって特に寒冷地や冬場での作業性に優れた土壌処理剤
として使用できる。またポリアクリルアマイド系樹脂の
水溶液のような従来の水溶液樹脂系の土壌処理剤と異な
り、耐水性が良好であり、特に共重合可能なモノマー
(B)として(メタ)アクリル酸エステルを使用した場
合、樹脂の主鎖にアクリル成分を骨格としているため更
に耐水性に優れた土壌処理剤となっている。本発明の水
溶性共重合樹脂を含む土壌処理剤は、一般には水溶液の
形態で使用される。
【0018】本発明の土壌処理剤を土壌改良剤あるいは
土壌侵食防止剤として使用する場合は、上記の水溶性共
重合樹脂の水溶液を単独で、あるいはこれに他の添加
剤、例えば他の土壌処理剤、土壌団粒化剤、界面活性
剤、セメント、砂、砂利、土壌、肥料などを用途、目的
に応じて適宜適量配合して使用することができる。ま
た、本発明の土壌処理剤を植生緑化剤として使用する場
合は、水溶性共重合樹脂の水溶液を含む土壌処理剤に植
生緑化用種子と必要に応じて有機、無機の肥料、他の緑
化用添加剤、例えばファイバー類、切りわら、ピートモ
スなどの土壌、客土などを混合した状態で使用してもよ
い。なお、この際、上記の他の添加剤、例えば他の土壌
処理剤、土壌団粒化剤、界面活性剤、セメント、砂、砂
利等をさらに配合してもよい。本発明の土壌処理剤を土
壌改良剤、土壌侵食防止剤あるいは植生緑化剤として使
用する場合は、一般に吹き付けなどによって土壌面に適
用する。これにより土壌の風雨による侵食を防止するこ
とができる。本発明の土壌処理剤の対象となる土壌面と
しては、山地の崖や林道開発時などの裸地、道路、宅
地、鉄道などの法面などの傾斜地などが最も多いと思わ
れるが、盛り土の表面や切土部分など、風雨に侵食され
やすい土壌面に適用することができる。
【0019】本発明の土壌処理剤を土壌改良方法、土壌
侵食防止方法または植生緑化方法に使用する時は、通常
樹脂濃度を1〜10重量%に希釈して単独で使用する
か、あるいはこの希釈液0.5〜10リットルまたはこ
れと他の添加剤、他の緑化用添加剤からなる土壌処理剤
を土壌1m3 に混合して用いるのが適当である。施工に
際しては、施工現場で水溶性共重合樹脂を使用濃度に希
釈し、他の添加物を加え、この濃度を調整した液を吹き
付けるのが作業性の面で有利であろう。
【0020】
【実施例】以下実施例により本発明をより具体的に説明
するが、本発明はこの実施例に制限されることはない。 (実施例1)保護コロイドとしてポリアクリルアマイド
の15%水溶液95重量部とイソプロピルアルコール1
2重量部を水645重量部に溶解し、反応容器に仕込ん
だ。続いて攪拌しながら80℃に昇温した。一方エチル
アクリレート92重量部、メチルメタクリレート42重
量部とメタクリル酸40重量部を混合し、この混合モノ
マーの20重量%を反応容器にプレチャージする。開始
剤として過硫酸アンモニウムの10%水溶液9重量部を
該反応容器に添加し、80℃で40分間プレポリメリ化
反応(予重合)を行う。続いて残り80%の混合モノマ
ーを反応系を80℃に維持したまま1時間で滴下し、重
合反応を行った。モノマー滴下終了後反応容器は攪拌を
続け、80℃で2時間保持することにより熟成反応を行
った。熟成反応開始後(モノマー滴下終了後)ただちに
N−メチロールアクリルアミドの6%水溶液10重量部
を反応容器に添加する。また熟成反応開始30分後に過
硫酸アンモニウムの10%水溶液9重量部を追加添加し
た。熟成終了後30℃以下になるまで冷却を行い、25
%アンモニア水溶液30重量部と水330重量部の混合
液を添加し、1時間攪拌し、目的の水溶性共重合樹脂水
溶液を得た。
【0021】上記で合成した水溶性アクリル共重合樹脂
水溶液を樹脂濃度が2%となるように水で希釈し、該希
釈した水溶性アクリル共重合樹脂水溶液5リットルにケ
ンタッキーブルーグラスの種子(KGB)10g、ホワ
イトクローバーの種子2g、化成肥料150g、ファイ
バー200gの割合で混合したものを45°の傾斜した
土壌1m2 に均一に吹きつけを行った。4日後から発芽
し始め、2週間後には全面に均一に発芽した。3月後地
面は一面に植草に覆われ、緑化が完成した。この間降雨
があったが、風雨による土壌の侵食、植草種子の流失な
どはまったくなかった。また樹脂液の常温及び低温度に
おける粘度の変化、凍結融解安定性並びに耐水性(水溶
性アクリル共重合樹脂水溶液をガラス板上で20℃、1
週間乾燥して作成した皮膜を1日間水に浸漬後の状態)
をテストした。結果を表1に示す。
【0022】(実施例2)水溶性アクリル共重合樹脂を
製造する実施例1の方法において、N−メチロールアク
リルアミド水溶液をまったく使用しないほかは実施例1
とすべて同様に行い水溶性アクリル共重合樹脂水溶液を
合成した。また植生緑化試験も実施例1と同様にテスト
を実施した結果、実施例1とほとんど同様な結果を得
た。実施例1と同様に植生緑化テスト、水溶液粘度の安
定性、凍結融解安定性及び耐水性についてテストを行っ
た。結果を表1に示す。 (実施例3)水溶性アクリル共重合樹脂を製造する実施
例1の方法において、保護コロイドとしてポリアクリル
アマイド水溶液を使用しないほかは実施例1とすべて同
様に行い水溶性共重合樹脂水溶液を合成した。また植生
緑化試験も実施例1と同様にテストを実施した結果、実
施例1とほとんど同様な結果を得た。実施例1と同様に
植生緑化テスト、水溶液粘度の安定性、凍結融解安定性
及び耐水性についてテストを行った。結果を表1に示
す。
【0023】(比較例1)市販の植生緑化用ポリアクリ
ルアミド水溶液樹脂を用い、実施例1同様に植生緑化テ
スト、水溶液粘度の安定性、凍結融解安定性及び耐水性
についてテストを行った。結果を表1に示す。なお植生
テストは良好であった。 (比較例2)市販の植生緑化用酢酸ビニル系樹脂エマル
ジョンを用い、実施例1と同様に植生緑化テスト、水溶
液粘度の安定性、凍結融解安定性及び耐水性についてテ
ストを行った。結果を表1に示す。なお植生テストは良
好であった。 (比較例3)市販の植生緑化用エチレン−酢酸ビニル系
共重合樹脂エマルジョンを用い、実施例1と同様に植生
緑化テスト、水溶液粘度の安定性、凍結融解安定性及び
耐水性についてテストを行った。結果を表1に示す。な
お植生テストは良好であった。
【0024】(比較例4)実施例1においてメタアクリ
ル酸をまったく使用せずエチルアクリレートを112重
量部、メチルメタクリレートを62重量部使用した以外
は実施例1とまったく同様に行った。結果は乳化重合の
初期段階から凝塊物が大量に発生し、反応途中でゲル化
に至った。 (比較例5)実施例1においてメタアクリル酸を104
重量部使用し、エチルアクリレートを38重量部、メチ
ルメタクリレートを32重量部使用したほかは実施例1
とまったく同様に行った。結果は最後にアンモニア水溶
液と水の混合液を添加した際、途中で異常増粘状態とな
り、最終的にはゲル状態で粘度の測定も不可能の状態と
なった。このゲル状態の樹脂をガラス板上で20℃、1
週間乾燥させたものを1日間水に浸漬した。樹脂は水に
溶解し、消失した。
【0025】
【表1】 表1からも明らかなように、本発明の水溶性共重合樹脂
はいずれも低温での粘度が低く、凍結温度も低い上に、
凍結後もゲル化などを起こさず、融解することにより元
の状態に戻り、冬場での取扱作業性が良好であり、また
皮膜の耐水性も良好であることが明らかとなった。
【0026】
【発明の効果】本発明の土壌処理剤は水溶性共重合樹脂
を主成分とするものであり、皮膜形成が容易で柔軟性に
富み、客土などとの結合接着力が優れ、また高分子量で
あるので耐水性に優れたフィルムを形成するので、施工
後土壌は降雨や風などによる土壌に対する土壌侵食の防
止効果が発揮できる。また樹脂自身、親水性基に富むの
で土壌に対する優れた耐水性を付与するだけでなく、同
時に通気性をも付与するもので、植生緑化種子の発芽
や、幼苗の成育にも十分な効果を発揮し、土質、地形な
どに影響されることが少なく有効に緑化が可能となる。
本発明の土壌処理剤を使用する土壌改良方法、土壌侵食
防止方法あるいは植生緑化方法は、従来の合成樹脂エマ
ルジョン系土壌処理剤やポリアクリルアマイド系水溶液
土壌処理剤に比較し、低温粘度安定性、凍結融解安定
性、保水性、耐水性、団粒化などにおいて多くの優れた
特徴を有するものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和カルボン酸(A)2〜50重量部
    及び共重合可能なモノマー(B)50〜98重量部(合
    計100重量部)からなるモノマーを水中で乳化重合
    し、得られた共重合樹脂分散液をアルカリ水溶液で中和
    して得られた水溶性共重合樹脂を含む土壌処理剤。
  2. 【請求項2】 不飽和カルボン酸(A)と共重合可能な
    モノマー(B)を乳化重合するに際し、保護コロイドと
    して天然または合成の水溶性高分子(C)を用いた請求
    項1記載の水溶性共重合樹脂を含む土壌処理剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の水溶性共重合
    樹脂を含む水溶液またはこれと他の添加剤からなる土壌
    処理剤を土壌面に施工することを特徴とする土壌改良方
    法または土壌侵食防止方法。
  4. 【請求項4】 1〜10重量%の、請求項1または2に
    記載の水溶性共重合樹脂を含む水溶液0.5〜10リッ
    トルまたはこれと他の添加剤からなる土壌処理剤を、土
    壌1m3 に混合し、この混合物を土壌面に施工すること
    を特徴とする土壌改良方法または土壌侵食防止方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の水溶性共重合
    樹脂を含む土壌処理剤及び植生用種子または更に肥料、
    他の緑化用添加剤と共に土壌面に施工することを特徴と
    する土壌の植生緑化方法。
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