JPH11321774A - 滑走型高速艇 - Google Patents
滑走型高速艇Info
- Publication number
- JPH11321774A JPH11321774A JP10136999A JP13699998A JPH11321774A JP H11321774 A JPH11321774 A JP H11321774A JP 10136999 A JP10136999 A JP 10136999A JP 13699998 A JP13699998 A JP 13699998A JP H11321774 A JPH11321774 A JP H11321774A
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- JP
- Japan
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- air
- hull
- low
- pressure area
- boat
- Prior art date
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- Withdrawn
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-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T70/00—Maritime or waterways transport
- Y02T70/10—Measures concerning design or construction of watercraft hulls
Landscapes
- Other Liquid Machine Or Engine Such As Wave Power Use (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 航走中に発生することのある船底部中央付近
の低圧領域によって船体の浮上を阻んで、結果として高
い船速を得るのを困難ならしめている。 【解決手段】 航走中に船底部1に低圧領域2を生じる
ことのある滑走型高速艇において、低圧領域2内の船底
部1に設けた複数の空気吹出孔3と、航走中の喫水線W
より上方の船体部1に設けた空気流入孔4と、この空気
流入孔4と前記空気吹出孔3とを連結する空気導入管5
とを含む船体揚力増加機構を備えたものである。
の低圧領域によって船体の浮上を阻んで、結果として高
い船速を得るのを困難ならしめている。 【解決手段】 航走中に船底部1に低圧領域2を生じる
ことのある滑走型高速艇において、低圧領域2内の船底
部1に設けた複数の空気吹出孔3と、航走中の喫水線W
より上方の船体部1に設けた空気流入孔4と、この空気
流入孔4と前記空気吹出孔3とを連結する空気導入管5
とを含む船体揚力増加機構を備えたものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願に係る発明は、航走
中船底部に発生することのある低圧部に動力を使わずに
空気または水を吹き出すことにより船体の揚力を増加さ
せて推進性能を向上させる機構を有する滑走型高速艇に
関する。
中船底部に発生することのある低圧部に動力を使わずに
空気または水を吹き出すことにより船体の揚力を増加さ
せて推進性能を向上させる機構を有する滑走型高速艇に
関する。
【0002】
【従来技術とその課題】従来から船速を増大させるため
に船の航走中における船体抵抗(摩擦抵抗、造波抵抗、
粘性圧力抵抗、空気抵抗等から成る)を減少させる工夫
が多く見られる。例えば、船底部に空気を導入すること
により、船体抵抗のうち摩擦抵抗を減少させる方法があ
る(例えば、特開昭58−118485号、実開昭61
−169881号、実開平2−99083号公報参
照)。摩擦抵抗は、摩擦抵抗係数C×浸水表面積A×船
速V2 の関数であるから、船体表面を空気で覆うことに
より摩擦抵抗係数を減少させて結果的に船体抵抗を減少
させようとする試みである。
に船の航走中における船体抵抗(摩擦抵抗、造波抵抗、
粘性圧力抵抗、空気抵抗等から成る)を減少させる工夫
が多く見られる。例えば、船底部に空気を導入すること
により、船体抵抗のうち摩擦抵抗を減少させる方法があ
る(例えば、特開昭58−118485号、実開昭61
−169881号、実開平2−99083号公報参
照)。摩擦抵抗は、摩擦抵抗係数C×浸水表面積A×船
速V2 の関数であるから、船体表面を空気で覆うことに
より摩擦抵抗係数を減少させて結果的に船体抵抗を減少
させようとする試みである。
【0003】ところが、本件出願人の模型実験によっ
て、従来の滑走型高速艇では、船型によっては(例えば
下方に向かって凸な船底形状を有するような船型で
は)、図6に示すように航走中に船底部1中央付近に圧
力の低い領域2が発生することが判明している。そし
て、この船底部1の低圧領域2が船速の増加に伴う揚力
の増加、即ち船体の浮上を阻んで、結果として高い船速
を得るのを困難ならしめていることがつきとめられてい
る。このように船速の頭打ち現象を招いている原因を解
明するとともに、低圧領域2の前方のやや上方両舷位置
に同時に高圧部12を生じていることもつきとめられて
いる。
て、従来の滑走型高速艇では、船型によっては(例えば
下方に向かって凸な船底形状を有するような船型で
は)、図6に示すように航走中に船底部1中央付近に圧
力の低い領域2が発生することが判明している。そし
て、この船底部1の低圧領域2が船速の増加に伴う揚力
の増加、即ち船体の浮上を阻んで、結果として高い船速
を得るのを困難ならしめていることがつきとめられてい
る。このように船速の頭打ち現象を招いている原因を解
明するとともに、低圧領域2の前方のやや上方両舷位置
に同時に高圧部12を生じていることもつきとめられて
いる。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この出願発明に係る滑走型高速艇は、航走中に船
底部に低圧領域を生じることのある滑走型高速艇におい
て、当該低圧領域内の船底部に設けた複数の空気吹出孔
と、該航走中の喫水線より上方の船体部に設けた空気流
入孔と、この空気流入孔と前記空気吹出孔とを連結する
空気導入管とを含む船体揚力増加機構を備えたものであ
る。航走中に生じる空気押し込み圧を利用して低圧領域
に空気を吹き込むことにより当該領域の圧力を上昇させ
て、高い船速を得る。つまり、本船体揚力増加機構によ
り、低圧部が解消されることにより揚力が一段と増加し
て船体浮上量が本機構を有さない場合に比して大とな
り、船体抵抗の成分である造波抵抗、粘性圧力抵抗なら
びに摩擦抵抗が小さくなって推進性能が向上(同一主機
馬力で高い船速、船速一定であれば馬力減少)される。
めに、この出願発明に係る滑走型高速艇は、航走中に船
底部に低圧領域を生じることのある滑走型高速艇におい
て、当該低圧領域内の船底部に設けた複数の空気吹出孔
と、該航走中の喫水線より上方の船体部に設けた空気流
入孔と、この空気流入孔と前記空気吹出孔とを連結する
空気導入管とを含む船体揚力増加機構を備えたものであ
る。航走中に生じる空気押し込み圧を利用して低圧領域
に空気を吹き込むことにより当該領域の圧力を上昇させ
て、高い船速を得る。つまり、本船体揚力増加機構によ
り、低圧部が解消されることにより揚力が一段と増加し
て船体浮上量が本機構を有さない場合に比して大とな
り、船体抵抗の成分である造波抵抗、粘性圧力抵抗なら
びに摩擦抵抗が小さくなって推進性能が向上(同一主機
馬力で高い船速、船速一定であれば馬力減少)される。
【0005】或いは、航走中に船底部に低圧領域を生じ
る滑走型高速艇において、当該低圧領域を含む船底部か
ら該航走中の喫水線より上方の船体側面部までの範囲を
二重殻構造に形成することにより該二重殻内を空気通路
となし、該低圧領域内にあって該空気通路に連通する空
気吹出孔を設けると共に、該航走中の喫水線より上方に
あって該空気通路に連通する空気流入孔とを設けてなる
船体揚力増加機構を備え滑走型高速艇である。上記作用
に加え、狭隘な区画の配管作業がなく、しかも二重構造
部では船底の補強が図れる。
る滑走型高速艇において、当該低圧領域を含む船底部か
ら該航走中の喫水線より上方の船体側面部までの範囲を
二重殻構造に形成することにより該二重殻内を空気通路
となし、該低圧領域内にあって該空気通路に連通する空
気吹出孔を設けると共に、該航走中の喫水線より上方に
あって該空気通路に連通する空気流入孔とを設けてなる
船体揚力増加機構を備え滑走型高速艇である。上記作用
に加え、狭隘な区画の配管作業がなく、しかも二重構造
部では船底の補強が図れる。
【0006】また、航走中に船底部に低圧領域を生じ、
該低圧領域より後方にウオータジェット推進器の水取入
口を有する滑走型高速艇において、当該低圧領域内の船
底部に設けた複数の空気吹出孔と、該航走中の喫水線よ
り上方の船体部に設けた空気流入孔と、この空気流入孔
と前記空気吹出孔とを連通する空気導入管とを含む船体
揚力増加機構を備えると共に、最も後方にある空気吹出
孔位置から上記水取入口を挟んで略V形に船尾方向に延
びる遮蔽板を設けた滑走型高速艇である。この遮蔽板に
より、空気吹出孔から放出される気泡が水取入口に吸い
込まれるのを防止してウオータジェット推進器の効率低
下防止を図れる。
該低圧領域より後方にウオータジェット推進器の水取入
口を有する滑走型高速艇において、当該低圧領域内の船
底部に設けた複数の空気吹出孔と、該航走中の喫水線よ
り上方の船体部に設けた空気流入孔と、この空気流入孔
と前記空気吹出孔とを連通する空気導入管とを含む船体
揚力増加機構を備えると共に、最も後方にある空気吹出
孔位置から上記水取入口を挟んで略V形に船尾方向に延
びる遮蔽板を設けた滑走型高速艇である。この遮蔽板に
より、空気吹出孔から放出される気泡が水取入口に吸い
込まれるのを防止してウオータジェット推進器の効率低
下防止を図れる。
【0007】さらに、航走中に船底部に低圧領域を生じ
ることのある滑走型高速艇において、当該低圧領域内の
船底部に設けた複数の水吹出孔と、航走中に喫水線下方
に生じる高圧領域の船体部に設けた水流入孔と、この水
流入孔と前記水吹出孔とを連結する水導入管とを備えた
滑走型高速艇である。即ち、船底部に圧力の低い領域を
有し、かつ、船首部に近い傾斜角度の大きい(立ち上が
っている)船底部に高い圧力領域を有する船型におい
て、低圧領域に空気吹出孔に代えて水吹出孔を設置し、
高圧領域に水流入孔を配してこれらを連結することによ
り、航走中に特に動力を使用することなく水を低圧領域
に吹き出して当該領域の圧力を上昇させることができ
る。この際、水流入孔配置側の高圧部では、圧力低下に
よる圧力の中の抵抗成分の低減も可能となり、船速向上
にさらに有利となる。
ることのある滑走型高速艇において、当該低圧領域内の
船底部に設けた複数の水吹出孔と、航走中に喫水線下方
に生じる高圧領域の船体部に設けた水流入孔と、この水
流入孔と前記水吹出孔とを連結する水導入管とを備えた
滑走型高速艇である。即ち、船底部に圧力の低い領域を
有し、かつ、船首部に近い傾斜角度の大きい(立ち上が
っている)船底部に高い圧力領域を有する船型におい
て、低圧領域に空気吹出孔に代えて水吹出孔を設置し、
高圧領域に水流入孔を配してこれらを連結することによ
り、航走中に特に動力を使用することなく水を低圧領域
に吹き出して当該領域の圧力を上昇させることができ
る。この際、水流入孔配置側の高圧部では、圧力低下に
よる圧力の中の抵抗成分の低減も可能となり、船速向上
にさらに有利となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この出願発明の実施形態を
図面を参照しながら説明する。
図面を参照しながら説明する。
【0009】前述した通り、図6のような下方に向かっ
て凸な船底形状を有する滑走型高速艇では、高速滑走状
態においては船底部に低圧領域とその前方やや上方に高
圧領域が発生する。そこで、本願は航走中船底部に発生
する低圧部に空気または水を吹き出すことにより船体の
揚力を増加させて推進性能を向上させるべく船体揚力増
大機構を備える。
て凸な船底形状を有する滑走型高速艇では、高速滑走状
態においては船底部に低圧領域とその前方やや上方に高
圧領域が発生する。そこで、本願は航走中船底部に発生
する低圧部に空気または水を吹き出すことにより船体の
揚力を増加させて推進性能を向上させるべく船体揚力増
大機構を備える。
【0010】図1はパイピングによる空気吹出法に基づ
く船体揚力増大機構で、(a)は該機構を備えた滑走型高
速艇の側面図、(b)は底面図である。
く船体揚力増大機構で、(a)は該機構を備えた滑走型高
速艇の側面図、(b)は底面図である。
【0011】滑走型高速艇の船底部1の中央付近に存在
する細長い低圧領域2に複数の空気吹出孔3が設けられ
ている。低圧領域2をできる限りカバーしうるだけの数
の空気吹出孔3を設けるのが望ましい。通常は船体中心
線を挟んで各舷に対称的に空気吹出孔3を低圧領域に沿
って船の長手方向に列設する。一方、空気吹出孔3より
前方の船首部に近い喫水線Wより上方の位置に通常は上
記空気吹出孔3に対応した数の空気流入孔4を船の長手
方向に設けてある。これら空気流入孔4と空気吹出孔3
との間に空気導入管5が設けられ、両者を連結してい
る。航走中の押し込み圧を利用して空気が入り込みやす
いように空気流入孔4は空気吹出孔3より前に設けら
れ、空気導入管5は後方に下方傾斜して配管されてい
る。なお、空気流入孔4は船首部にできるだけ近づけて
設ければより大きな押し込み圧を利用できる。航走中に
空気流入孔4から空気を取り入れて空気導入管5を経由
して空気吹出孔3から低圧領域2に吹き出すことにより
低圧領域2の圧力が上昇して揚力が増加し、これによっ
て船体は浮上する。
する細長い低圧領域2に複数の空気吹出孔3が設けられ
ている。低圧領域2をできる限りカバーしうるだけの数
の空気吹出孔3を設けるのが望ましい。通常は船体中心
線を挟んで各舷に対称的に空気吹出孔3を低圧領域に沿
って船の長手方向に列設する。一方、空気吹出孔3より
前方の船首部に近い喫水線Wより上方の位置に通常は上
記空気吹出孔3に対応した数の空気流入孔4を船の長手
方向に設けてある。これら空気流入孔4と空気吹出孔3
との間に空気導入管5が設けられ、両者を連結してい
る。航走中の押し込み圧を利用して空気が入り込みやす
いように空気流入孔4は空気吹出孔3より前に設けら
れ、空気導入管5は後方に下方傾斜して配管されてい
る。なお、空気流入孔4は船首部にできるだけ近づけて
設ければより大きな押し込み圧を利用できる。航走中に
空気流入孔4から空気を取り入れて空気導入管5を経由
して空気吹出孔3から低圧領域2に吹き出すことにより
低圧領域2の圧力が上昇して揚力が増加し、これによっ
て船体は浮上する。
【0012】その結果、図3に示すように、船体の喫水
は小さくなり、船体抵抗が減少し、船速が上昇する。図
3は滑走型高速艇の船体浮上量と船体抵抗との関係図で
ある。これは模型船による水槽試験結果である。縦軸に
船体抵抗(造波抵抗、粘性圧力抵抗および摩擦抵抗の合
計)、横軸に船体浮上量mmをもって示す(左側が喫水
が大きくなる方向、右側が喫水が小さくなる方向)。図
表中、θはトリム角である。この図からどのトリム角で
も船体浮上量が大きく、即ち船体喫水が小さくなれば船
体抵抗は減少することが分かる。
は小さくなり、船体抵抗が減少し、船速が上昇する。図
3は滑走型高速艇の船体浮上量と船体抵抗との関係図で
ある。これは模型船による水槽試験結果である。縦軸に
船体抵抗(造波抵抗、粘性圧力抵抗および摩擦抵抗の合
計)、横軸に船体浮上量mmをもって示す(左側が喫水
が大きくなる方向、右側が喫水が小さくなる方向)。図
表中、θはトリム角である。この図からどのトリム角で
も船体浮上量が大きく、即ち船体喫水が小さくなれば船
体抵抗は減少することが分かる。
【0013】図2は、空気吹出孔3から出た気泡が後部
にあるウオータジェット推進器の水取入口6から吸引さ
れないように、低圧領域2の後端又は最後端の空気吹出
孔3aの後方位置から水取入口6を挟んで両側にV形に
延びる遮蔽板7を船底から突設している。遮蔽板7の高
さは船底面に近接して沿って後方に流れる気泡を水取入
口6に流れ込まないような高さであればよい。通常は1
0mm程度である。かかる遮蔽板7を設けておけばウオー
タジェット推進器の効率の低下を防止できる。
にあるウオータジェット推進器の水取入口6から吸引さ
れないように、低圧領域2の後端又は最後端の空気吹出
孔3aの後方位置から水取入口6を挟んで両側にV形に
延びる遮蔽板7を船底から突設している。遮蔽板7の高
さは船底面に近接して沿って後方に流れる気泡を水取入
口6に流れ込まないような高さであればよい。通常は1
0mm程度である。かかる遮蔽板7を設けておけばウオー
タジェット推進器の効率の低下を防止できる。
【0014】図4はダクティングによる空気吹出法に基
づく船体揚力増大機構で、(a)は該機構を備えた滑走型
高速艇の側面図、(b)は底面図である。図1における空
気流入孔4と空気吹出孔3とを含むようにダクティング
をしたものである。
づく船体揚力増大機構で、(a)は該機構を備えた滑走型
高速艇の側面図、(b)は底面図である。図1における空
気流入孔4と空気吹出孔3とを含むようにダクティング
をしたものである。
【0015】図1では各空気吹出孔3と空気流入孔4に
対応した空気導入管5を設けたが、小さい滑走艇の場合
には配管が困難となる場合もあるので、これを解消する
ため、図4では、低圧領域を含んで船底部1から船側1
aにかけてダクト8を設けて二重構造にし、船底部1な
いし船側1a面とダクト8とで空気通路9を形成したも
のである。船側1aに設けた空気流入孔4及び船底部1
に設けた空気吹出孔3はこの空間通路9に開放してい
る。
対応した空気導入管5を設けたが、小さい滑走艇の場合
には配管が困難となる場合もあるので、これを解消する
ため、図4では、低圧領域を含んで船底部1から船側1
aにかけてダクト8を設けて二重構造にし、船底部1な
いし船側1a面とダクト8とで空気通路9を形成したも
のである。船側1aに設けた空気流入孔4及び船底部1
に設けた空気吹出孔3はこの空間通路9に開放してい
る。
【0016】図5は水吹出法に基づく船体揚力増大機構
で、船体の模式的な側面図である。
で、船体の模式的な側面図である。
【0017】滑走型高速艇には、船底部に圧力の低い領
域と、喫水線下方の船首部に近い傾斜角度の大きい(立
ち上がっている)船底部に高い圧力領域を有する場合が
ある。この場合、低圧領域に空気吹出孔に代えて水吹出
孔10を設置し、高圧領域に水流入孔11を配してこれ
らを連結することにより、航走中に特に動力を使用する
ことなく水を低圧領域に吹き出して当該領域の圧力を上
昇させることができる。この際、水流入孔11の配置側
の高圧部では、圧力低下による抵抗成分の低減も可能と
なり、船速向上にさらに有利となる。
域と、喫水線下方の船首部に近い傾斜角度の大きい(立
ち上がっている)船底部に高い圧力領域を有する場合が
ある。この場合、低圧領域に空気吹出孔に代えて水吹出
孔10を設置し、高圧領域に水流入孔11を配してこれ
らを連結することにより、航走中に特に動力を使用する
ことなく水を低圧領域に吹き出して当該領域の圧力を上
昇させることができる。この際、水流入孔11の配置側
の高圧部では、圧力低下による抵抗成分の低減も可能と
なり、船速向上にさらに有利となる。
【0018】以上の構成では航走中に特に動力を使用す
ることなく空気又は水を低圧領域に吹き出して当該領域
の圧力を増加させることにより、航走中に船速を増加さ
せていくと低圧部が解消されることにより揚力が一段と
増加して船体浮上量が、本機構を有さない場合に比して
大となり、船体抵抗の成分である造波抵抗、粘性圧力抵
抗ならびに摩擦抵抗が小さくなり、同一主機馬力で本機
構を有さない場合に比して高い船速を得ることが可能と
なる。
ることなく空気又は水を低圧領域に吹き出して当該領域
の圧力を増加させることにより、航走中に船速を増加さ
せていくと低圧部が解消されることにより揚力が一段と
増加して船体浮上量が、本機構を有さない場合に比して
大となり、船体抵抗の成分である造波抵抗、粘性圧力抵
抗ならびに摩擦抵抗が小さくなり、同一主機馬力で本機
構を有さない場合に比して高い船速を得ることが可能と
なる。
【0019】
【発明の効果】この出願発明は、以上説明したような形
態で実施され、次のような効果を奏する。
態で実施され、次のような効果を奏する。
【0020】航走中に船底部の低圧領域が生じても、動
力を使わずに当該領域に空気または水を吹き出すことに
より当該低圧領域の圧力の上昇を誘起させて船体浮上量
を増加させ、結果として同一馬力で更に高速度を得る等
推進性能の向上を図ることができる。
力を使わずに当該領域に空気または水を吹き出すことに
より当該低圧領域の圧力の上昇を誘起させて船体浮上量
を増加させ、結果として同一馬力で更に高速度を得る等
推進性能の向上を図ることができる。
【図1】パイピングによる空気吹出法に基づく船体揚力
増大機構で、(a)は該機構を備えた滑走型高速艇の側面
図、(b)は船底面図である。
増大機構で、(a)は該機構を備えた滑走型高速艇の側面
図、(b)は船底面図である。
【図2】水取入口を挟んで両側にV形に延びる遮蔽板を
船底から突設した場合であって、(a)は該滑走型高速艇
の側面図、(b)は船底面図である。
船底から突設した場合であって、(a)は該滑走型高速艇
の側面図、(b)は船底面図である。
【図3】滑走型高速艇の船体浮上量と船体抵抗との関係
図である。
図である。
【図4】ダクティングによる空気吹出法に基づく船体揚
力増大機構で、(a)は該機構を備えた滑走型高速艇の側
面図、(b)は横断面図である。
力増大機構で、(a)は該機構を備えた滑走型高速艇の側
面図、(b)は横断面図である。
【図5】水吹出法に基づく船体揚力増大機構で、船体の
模式的な側面図である。
模式的な側面図である。
【図6】航走中に船底部に発生する低圧領域と高圧領域
を示した図で、(a)は側面図、(b)は船底面図である。
を示した図で、(a)は側面図、(b)は船底面図である。
1…船底部 2…低圧領域 3…空気吹出孔 4…空気流入孔 5…空気導入管 6…水取入口 7…遮蔽板 8…ダクト 9…空気通路 10…水吹出孔 11…水流入孔 12…高圧部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下山 敬次 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 神竹 幹夫 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内
Claims (4)
- 【請求項1】 航走中に船底部に低圧領域を生じること
のある滑走型高速艇において、当該低圧領域内の船底部
に設けた複数の空気吹出孔と、該航走中の喫水線より上
方の船体部に設けた空気流入孔と、この空気流入孔と前
記空気吹出孔とを連結する空気導入管とを含む船体揚力
増加機構を備えたことを特徴とする滑走型高速艇。 - 【請求項2】 航走中に船底部に低圧領域を生じること
のある滑走型高速艇において、当該低圧領域を含む船底
部から該航走中の喫水線より上方の船体側面部までの範
囲を二重殻構造に形成することにより該二重殻内を空気
通路となし、該低圧領域内にあって該空気通路に連通す
る空気吹出孔を設けると共に、該航走中の喫水線より上
方にあって該空気通路に連通する空気流入孔とを設けて
なる船体揚力増加機構を備えたことを特徴とする滑走型
高速艇。 - 【請求項3】 航走中に船底部に低圧領域を生じ、該低
圧領域より後方にウオータジェット推進器の水取入口を
有する滑走型高速艇において、当該低圧領域内の船底部
に設けた複数の空気吹出孔と、該航走中の喫水線より上
方の船体部に設けた空気流入孔と、この空気流入孔と前
記空気吹出孔とを連通する空気導入管とを含む船体揚力
増加機構を備えると共に、最も後方にある空気吹出孔位
置から上記水取入口を挟んで略V形に船尾方向に延びる
遮蔽板を設けたことを特徴とする滑走型高速艇。 - 【請求項4】 航走中に船底部に低圧領域を生じる滑走
型高速艇において、当該低圧領域内の船底部に設けた複
数の水吹出孔と、航走中に喫水線下方に生じる高圧領域
の船体部に設けた水流入孔と、この水流入孔と前記水吹
出孔とを連結する水導入管とを備えたことを特徴とする
滑走型高速艇。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10136999A JPH11321774A (ja) | 1998-05-19 | 1998-05-19 | 滑走型高速艇 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10136999A JPH11321774A (ja) | 1998-05-19 | 1998-05-19 | 滑走型高速艇 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11321774A true JPH11321774A (ja) | 1999-11-24 |
Family
ID=15188435
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10136999A Withdrawn JPH11321774A (ja) | 1998-05-19 | 1998-05-19 | 滑走型高速艇 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11321774A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005529016A (ja) * | 2002-05-07 | 2005-09-29 | ディーケー・グループ・エヌ.エー. エヌ.ブイ. | エア・デフレクターを備えている底部エアキャビティを有している船 |
JP2016124453A (ja) * | 2015-01-06 | 2016-07-11 | 株式会社E・C・R | 滑走艇 |
CN108945285A (zh) * | 2017-05-19 | 2018-12-07 | 常州玻璃钢造船厂有限公司 | 一种三断级滑行艇 |
-
1998
- 1998-05-19 JP JP10136999A patent/JPH11321774A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005529016A (ja) * | 2002-05-07 | 2005-09-29 | ディーケー・グループ・エヌ.エー. エヌ.ブイ. | エア・デフレクターを備えている底部エアキャビティを有している船 |
JP2016124453A (ja) * | 2015-01-06 | 2016-07-11 | 株式会社E・C・R | 滑走艇 |
CN108945285A (zh) * | 2017-05-19 | 2018-12-07 | 常州玻璃钢造船厂有限公司 | 一种三断级滑行艇 |
CN108945285B (zh) * | 2017-05-19 | 2023-09-15 | 常州玻璃钢造船厂有限公司 | 一种三断级滑行艇 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050802 |