JPH11321232A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
空気入りラジアルタイヤInfo
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- JPH11321232A JPH11321232A JP10135442A JP13544298A JPH11321232A JP H11321232 A JPH11321232 A JP H11321232A JP 10135442 A JP10135442 A JP 10135442A JP 13544298 A JP13544298 A JP 13544298A JP H11321232 A JPH11321232 A JP H11321232A
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- tire
- belt layer
- belt
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 軽量化を図りながらベルト層におけるエッジ
セパレーションを防止すると共に、乗心地性能及び直進
安定性を向上することを可能にし、しかも運動性能や高
速耐久性等のタイヤ性能を良好にする空気入りラジアル
タイヤを提供する。 【解決手段】 トレッド部3におけるカーカス層2の外
側に、複数本の有機繊維コード又はスチールコードから
なる補強コードを互い平行にマトリックスに埋設してな
る帯状体をタイヤ周方向に対して傾斜させながらベルト
幅方向両端部でタイヤ内側から外側へジグザグ状に折り
返し、補強コードが右傾斜する帯域部分と補強コードが
左傾斜する帯域部分とをタイヤ周方向に交互に配列する
ように構成した折り返しベルト層5を設け、折り返しベ
ルト層5の外側に、複数本のスチールコードをタイヤ周
方向に対するコード角度αが15°≦α<45°となる
ように配列した単一層のスチールコードベルト層4を配
置し、スチールコードベルト層4を折り返しベルト層5
よりも狭幅にする。
セパレーションを防止すると共に、乗心地性能及び直進
安定性を向上することを可能にし、しかも運動性能や高
速耐久性等のタイヤ性能を良好にする空気入りラジアル
タイヤを提供する。 【解決手段】 トレッド部3におけるカーカス層2の外
側に、複数本の有機繊維コード又はスチールコードから
なる補強コードを互い平行にマトリックスに埋設してな
る帯状体をタイヤ周方向に対して傾斜させながらベルト
幅方向両端部でタイヤ内側から外側へジグザグ状に折り
返し、補強コードが右傾斜する帯域部分と補強コードが
左傾斜する帯域部分とをタイヤ周方向に交互に配列する
ように構成した折り返しベルト層5を設け、折り返しベ
ルト層5の外側に、複数本のスチールコードをタイヤ周
方向に対するコード角度αが15°≦α<45°となる
ように配列した単一層のスチールコードベルト層4を配
置し、スチールコードベルト層4を折り返しベルト層5
よりも狭幅にする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベルト構造を改善
した空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは、
軽量化を図りながらベルト層におけるエッジセパレーシ
ョンを防止すると共に、乗心地性能及び直進安定性を向
上することを可能にし、しかも運動性能や高速耐久性等
のタイヤ性能を良好にした空気入りラジアルタイヤに関
する。
した空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは、
軽量化を図りながらベルト層におけるエッジセパレーシ
ョンを防止すると共に、乗心地性能及び直進安定性を向
上することを可能にし、しかも運動性能や高速耐久性等
のタイヤ性能を良好にした空気入りラジアルタイヤに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、空気入りラジアルタイヤのベルト
部には、スチールコードの優れた強度及び弾性率を利用
したスチールコードベルト層が使われている。しかし、
スチールコードベルト層はそのタイヤ幅方向両側端に切
断端面があるために、その切断端面に応力が集中してゴ
ム層との間にセパレーションを生じ易いという欠点があ
った。
部には、スチールコードの優れた強度及び弾性率を利用
したスチールコードベルト層が使われている。しかし、
スチールコードベルト層はそのタイヤ幅方向両側端に切
断端面があるために、その切断端面に応力が集中してゴ
ム層との間にセパレーションを生じ易いという欠点があ
った。
【0003】そこで、ベルト層のエッジセパレーション
を防止するために、スチールコードベルト層の外周側に
ベルト補強層(ベルトカバー層)としてナイロンコード
にゴム引きしたテープをタイヤ周方向に対するコード角
度が実質的に0°となるように巻き付けていた(特公平
4−47618号公報)。しかしながら、このような手
法ではタイヤの軽量化が困難であり、しかも走行中にゴ
ツゴツ感が増加して乗心地性能が悪くなるという欠点が
あった。
を防止するために、スチールコードベルト層の外周側に
ベルト補強層(ベルトカバー層)としてナイロンコード
にゴム引きしたテープをタイヤ周方向に対するコード角
度が実質的に0°となるように巻き付けていた(特公平
4−47618号公報)。しかしながら、このような手
法ではタイヤの軽量化が困難であり、しかも走行中にゴ
ツゴツ感が増加して乗心地性能が悪くなるという欠点が
あった。
【0004】また、従来のスチールコードベルト層は、
スチールコードがタイヤ周方向に対して右傾斜したベル
ト層と左傾斜したベルト層とを積層した2層構造になっ
ているため、その2層構造のベルト層にタイヤ転動時に
発生するタイヤ周方向の引っ張り張力により不可避的に
螺旋状の捩じれを生じていた。このベルト層の捩じれ現
象は、タイヤに対して横力を発生させるため、直進時の
タイヤが横流れ現象を生じ、直進安定性が阻害されると
いう問題があった。
スチールコードがタイヤ周方向に対して右傾斜したベル
ト層と左傾斜したベルト層とを積層した2層構造になっ
ているため、その2層構造のベルト層にタイヤ転動時に
発生するタイヤ周方向の引っ張り張力により不可避的に
螺旋状の捩じれを生じていた。このベルト層の捩じれ現
象は、タイヤに対して横力を発生させるため、直進時の
タイヤが横流れ現象を生じ、直進安定性が阻害されると
いう問題があった。
【0005】一方、ベルト層の幅方向両側端に切断端面
を生じるのを避けるために、1本乃至複数本の有機繊維
コードを互いに平行にゴム引きした帯状体をベルト層幅
にわたってタイヤ幅方向両端で連続的に折り返すことに
よりベルト層を形成することが提案されている(特開昭
4−173404号公報)。しかし、このベルト層で
は、耐セパレーション性は問題ないレベルにあるが、ベ
ルトコードが有機繊維コードであるためベルト剛性が不
足してタイヤ中央部で膨らみ易く形状コントロールが困
難であり、またコーナリングフォースが低下するため運
動性能が劣る等の欠点があった。
を生じるのを避けるために、1本乃至複数本の有機繊維
コードを互いに平行にゴム引きした帯状体をベルト層幅
にわたってタイヤ幅方向両端で連続的に折り返すことに
よりベルト層を形成することが提案されている(特開昭
4−173404号公報)。しかし、このベルト層で
は、耐セパレーション性は問題ないレベルにあるが、ベ
ルトコードが有機繊維コードであるためベルト剛性が不
足してタイヤ中央部で膨らみ易く形状コントロールが困
難であり、またコーナリングフォースが低下するため運
動性能が劣る等の欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、軽量
化を図りながらベルト層におけるエッジセパレーション
を防止すると共に、乗心地性能及び直進安定性を向上す
ることを可能にし、しかも運動性能や高速耐久性等のタ
イヤ性能を良好にした空気入りラジアルタイヤを提供す
ることにある。
化を図りながらベルト層におけるエッジセパレーション
を防止すると共に、乗心地性能及び直進安定性を向上す
ることを可能にし、しかも運動性能や高速耐久性等のタ
イヤ性能を良好にした空気入りラジアルタイヤを提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の空気入りラジアルタイヤは、トレッド部にお
けるカーカス層の外側に、複数本の有機繊維コード又は
スチールコードからなる補強コードを互い平行にマトリ
ックスに埋設してなる帯状体をタイヤ周方向に対して傾
斜させながらベルト幅方向両端部でタイヤ内側から外側
へジグザグ状に折り返し、前記補強コードが右傾斜する
帯域部分と前記補強コードが左傾斜する帯域部分とをタ
イヤ周方向に交互に配列するように構成した折り返しベ
ルト層を設け、該折り返しベルト層の外側に、複数本の
スチールコードをタイヤ周方向に対するコード角度αが
15°≦α<45°となるように配列した単一層のスチ
ールコードベルト層を配置し、該スチールコードベルト
層を前記折り返しベルト層よりも狭幅にしたことを特徴
とするものである。
の本発明の空気入りラジアルタイヤは、トレッド部にお
けるカーカス層の外側に、複数本の有機繊維コード又は
スチールコードからなる補強コードを互い平行にマトリ
ックスに埋設してなる帯状体をタイヤ周方向に対して傾
斜させながらベルト幅方向両端部でタイヤ内側から外側
へジグザグ状に折り返し、前記補強コードが右傾斜する
帯域部分と前記補強コードが左傾斜する帯域部分とをタ
イヤ周方向に交互に配列するように構成した折り返しベ
ルト層を設け、該折り返しベルト層の外側に、複数本の
スチールコードをタイヤ周方向に対するコード角度αが
15°≦α<45°となるように配列した単一層のスチ
ールコードベルト層を配置し、該スチールコードベルト
層を前記折り返しベルト層よりも狭幅にしたことを特徴
とするものである。
【0008】このようにトレッド部におけるカーカス層
の外側にタイヤ幅方向両側端に切断端面を持たない折り
返しベルト層を設け、しかもその外側のスチールコード
ベルト層を折り返しベルト層よりも狭幅にしたので、走
行時におけるベルト層エッジ部への応力集中によるセパ
レーションを防止することができる。また、折り返しベ
ルト層では補強コードの張力低下を生じ難いので、コー
ド自体を軽量化しながら低剛性化することができ、それ
によって乗心地性を向上することができる。
の外側にタイヤ幅方向両側端に切断端面を持たない折り
返しベルト層を設け、しかもその外側のスチールコード
ベルト層を折り返しベルト層よりも狭幅にしたので、走
行時におけるベルト層エッジ部への応力集中によるセパ
レーションを防止することができる。また、折り返しベ
ルト層では補強コードの張力低下を生じ難いので、コー
ド自体を軽量化しながら低剛性化することができ、それ
によって乗心地性を向上することができる。
【0009】しかも、上記折り返しベルト層は補強コー
ドが右傾斜する帯域部分と補強コードが左傾斜する帯域
部分とをタイヤ周方向に交互に配列しているので、タイ
ヤ周方向の引っ張り張力を受けても捩じれを生じにく
い。従って、タイヤ転動時にベルト層の捩じれに起因し
て発生するプライステア、即ちタイヤの横流れ現象を阻
止し、直進安定性を向上することができる。
ドが右傾斜する帯域部分と補強コードが左傾斜する帯域
部分とをタイヤ周方向に交互に配列しているので、タイ
ヤ周方向の引っ張り張力を受けても捩じれを生じにく
い。従って、タイヤ転動時にベルト層の捩じれに起因し
て発生するプライステア、即ちタイヤの横流れ現象を阻
止し、直進安定性を向上することができる。
【0010】更に、折り返しベルト層に加えて、該折り
返しベルト層の外側に、複数本のスチールコードをタイ
ヤ周方向に対するコード角度αが15°≦α<45°と
なるように配列した単一層のスチールコードベルト層を
設けているため、ベルト層の形状コントロールが容易で
あると共に、運動性能や高速耐久性等のタイヤ性能を良
好にすることが可能である。
返しベルト層の外側に、複数本のスチールコードをタイ
ヤ周方向に対するコード角度αが15°≦α<45°と
なるように配列した単一層のスチールコードベルト層を
設けているため、ベルト層の形状コントロールが容易で
あると共に、運動性能や高速耐久性等のタイヤ性能を良
好にすることが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について添付
の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施
形態からなる空気入りラジアルタイヤを例示するもので
ある。図1において、左右一対のビードコア1,1間に
は複数本のカーカスコードをラジアル方向に配列したカ
ーカス層2が装架されており、このカーカス層2の端部
がビードコア1の廻りにタイヤ内側から外側に巻き上げ
られている。
の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施
形態からなる空気入りラジアルタイヤを例示するもので
ある。図1において、左右一対のビードコア1,1間に
は複数本のカーカスコードをラジアル方向に配列したカ
ーカス層2が装架されており、このカーカス層2の端部
がビードコア1の廻りにタイヤ内側から外側に巻き上げ
られている。
【0012】トレッド部3におけるカーカス層2の外側
には、図2及び図3のように複数本の補強コード6を互
い平行にマトリックスに埋設してなる帯状体7をタイヤ
周方向に対して傾斜させながらベルト幅方向両端部でタ
イヤ内側から外側へジグザグ状に折り返すように構成し
た折り返しベルト層5がタイヤ1周にわたって配置され
ている。この折り返しベルト層5は、補強コード6が右
傾斜する帯域部分5aと補強コード6が左傾斜する帯域
部分5bとをタイヤ周方向に交互に一定のピッチで繰り
返し配列するように構成され、これら帯域部分5a,5
bが互いに一部をタイヤ周方向に重複させた2層構造に
なっている。図4に示すように、折り返しベルト層5の
タイヤ周方向に対するコード角度θは15°≦θ≦45
°の範囲に設定されている。これは、タイヤ周方向に対
するコード角度θが上記範囲から外れるとベルト層の耐
久性が低下するからである。
には、図2及び図3のように複数本の補強コード6を互
い平行にマトリックスに埋設してなる帯状体7をタイヤ
周方向に対して傾斜させながらベルト幅方向両端部でタ
イヤ内側から外側へジグザグ状に折り返すように構成し
た折り返しベルト層5がタイヤ1周にわたって配置され
ている。この折り返しベルト層5は、補強コード6が右
傾斜する帯域部分5aと補強コード6が左傾斜する帯域
部分5bとをタイヤ周方向に交互に一定のピッチで繰り
返し配列するように構成され、これら帯域部分5a,5
bが互いに一部をタイヤ周方向に重複させた2層構造に
なっている。図4に示すように、折り返しベルト層5の
タイヤ周方向に対するコード角度θは15°≦θ≦45
°の範囲に設定されている。これは、タイヤ周方向に対
するコード角度θが上記範囲から外れるとベルト層の耐
久性が低下するからである。
【0013】折り返しベルト層5の補強コードとして
は、有機繊維コード又はスチールコードを使用すること
が可能である。有機繊維コードは、例えば、芳香族ポリ
アミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレン
ベンズビスオキサゾール繊維、ポリビニルアルコール繊
維、レーヨン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、
ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維から選ばれた
繊維の1種又は2種以上を撚り合わせたものである。ま
た、折り返しベルト層5の補強コードを埋設するマトリ
ックスとしては、ゴムに限ることなくウレタン樹脂など
のプラスチックを使用することができる。
は、有機繊維コード又はスチールコードを使用すること
が可能である。有機繊維コードは、例えば、芳香族ポリ
アミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレン
ベンズビスオキサゾール繊維、ポリビニルアルコール繊
維、レーヨン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、
ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維から選ばれた
繊維の1種又は2種以上を撚り合わせたものである。ま
た、折り返しベルト層5の補強コードを埋設するマトリ
ックスとしては、ゴムに限ることなくウレタン樹脂など
のプラスチックを使用することができる。
【0014】一方、折り返しベルト層5の外側には、複
数本のスチールコードをタイヤ周方向に対して傾斜する
ように配列した単一層のスチールコードベルト層4がタ
イヤ1周にわたって配置されている。このスチールコー
ドベルト層4はタイヤ幅方向両側端に切断端面を有して
おり、折り返しベルト層5よりも狭幅になっている。ス
チールコードベルト層4のタイヤ周方向に対するコード
角度αは15°≦α<45°、より好ましくは20°≦
α≦40°の範囲に設定されている。このコード角度α
を上記範囲に設定することにより高速耐久性を向上する
ことができる。これは、日本ゴム協会誌の1978年第51巻
第3号の「ラジアルタイヤの構造力学」に記載のよう
に、コード角度がtan -1√2=54.7°の余角35.3°付近
では、ベルト層はタイヤ周方向に引っ張られてもベルト
層の層間剪断歪みが急激に小さくなると共にベルト周方
向剛性が保持されるからである。
数本のスチールコードをタイヤ周方向に対して傾斜する
ように配列した単一層のスチールコードベルト層4がタ
イヤ1周にわたって配置されている。このスチールコー
ドベルト層4はタイヤ幅方向両側端に切断端面を有して
おり、折り返しベルト層5よりも狭幅になっている。ス
チールコードベルト層4のタイヤ周方向に対するコード
角度αは15°≦α<45°、より好ましくは20°≦
α≦40°の範囲に設定されている。このコード角度α
を上記範囲に設定することにより高速耐久性を向上する
ことができる。これは、日本ゴム協会誌の1978年第51巻
第3号の「ラジアルタイヤの構造力学」に記載のよう
に、コード角度がtan -1√2=54.7°の余角35.3°付近
では、ベルト層はタイヤ周方向に引っ張られてもベルト
層の層間剪断歪みが急激に小さくなると共にベルト周方
向剛性が保持されるからである。
【0015】本発明では、上述のようにトレッド部3に
おけるカーカス層2の外側にタイヤ幅方向両側端に切断
端面を持たない折り返しベルト層5を設け、しかもその
外側のスチールコードベルト層4を折り返しベルト層5
よりも狭幅にしたことにより、走行時におけるベルト層
エッジ部への応力集中によるセパレーションを防止する
ことができる。また、折り返しベルト層5ではタイヤ幅
方向両側端に切断端面を持たないことにより補強コード
の張力低下を生じ難いので、コード自体を軽量化しなが
ら低剛性化することができ、それによって乗心地性を向
上することができる。従って、折り返しベルト層5とス
チールコードベルト層4を組み合わせることにより、軽
量化を図りながらベルト層におけるエッジセパレーショ
ンを防止すると共に、乗心地性能を向上することが可能
になる。
おけるカーカス層2の外側にタイヤ幅方向両側端に切断
端面を持たない折り返しベルト層5を設け、しかもその
外側のスチールコードベルト層4を折り返しベルト層5
よりも狭幅にしたことにより、走行時におけるベルト層
エッジ部への応力集中によるセパレーションを防止する
ことができる。また、折り返しベルト層5ではタイヤ幅
方向両側端に切断端面を持たないことにより補強コード
の張力低下を生じ難いので、コード自体を軽量化しなが
ら低剛性化することができ、それによって乗心地性を向
上することができる。従って、折り返しベルト層5とス
チールコードベルト層4を組み合わせることにより、軽
量化を図りながらベルト層におけるエッジセパレーショ
ンを防止すると共に、乗心地性能を向上することが可能
になる。
【0016】しかも、折り返しベルト層5は補強コード
が右傾斜する帯域部分5aと補強コードが左傾斜する帯
域部分5bとをタイヤ周方向に交互に配列しているの
で、タイヤ周方向の引っ張り張力を受けても捩じれを生
じにくく、従来のように一方向に偏った捩じれがベルト
層に発生するのを抑えることができる。従って、タイヤ
転動時にベルト構造に起因して発生するプライステアを
改善し、直進安定性を向上することができる。
が右傾斜する帯域部分5aと補強コードが左傾斜する帯
域部分5bとをタイヤ周方向に交互に配列しているの
で、タイヤ周方向の引っ張り張力を受けても捩じれを生
じにくく、従来のように一方向に偏った捩じれがベルト
層に発生するのを抑えることができる。従って、タイヤ
転動時にベルト構造に起因して発生するプライステアを
改善し、直進安定性を向上することができる。
【0017】更に、折り返しベルト層5だけではベルト
剛性が不足してタイヤ中央部で膨らみ易く形状コントロ
ールが困難であると共に運動性能が不十分になるが、こ
の折り返しベルト層5の外側にスチールコードベルト層
4を設けているため、ベルト層の形状コントロールが容
易であると共に、運動性能や高速耐久性等のタイヤ性能
を良好にすることが可能である。
剛性が不足してタイヤ中央部で膨らみ易く形状コントロ
ールが困難であると共に運動性能が不十分になるが、こ
の折り返しベルト層5の外側にスチールコードベルト層
4を設けているため、ベルト層の形状コントロールが容
易であると共に、運動性能や高速耐久性等のタイヤ性能
を良好にすることが可能である。
【0018】
【実施例】タイヤサイズを195/70R14とし、下
記の本発明タイヤ1,2及び従来タイヤをそれぞれ製作
した。そして、これら試験タイヤについて、下記条件で
高速耐久性、乗心地性能、直進安定性、タイヤ質量を評
価し、その結果を表1に示した。
記の本発明タイヤ1,2及び従来タイヤをそれぞれ製作
した。そして、これら試験タイヤについて、下記条件で
高速耐久性、乗心地性能、直進安定性、タイヤ質量を評
価し、その結果を表1に示した。
【0019】本発明タイヤ1 図5(A),(B)に示すベルト構造を有する。折り返
しベルト層5は芳香族ポリアミド繊維コード1500D
/2をエンド数50本/50mmの打ち込み密度でゴム
引きした帯状体をタイヤ周方向に対して傾斜させながら
ベルト幅方向両端部でタイヤ内側から外側へジグザグ状
に折り返し、補強コードが右傾斜する帯域部分5aと補
強コードが左傾斜する帯域部分5bとをタイヤ周方向に
交互に配列するように構成し、タイヤ周方向に対するコ
ード角度θを30°にした。スチールコードベルト層4
はスチールコード2+2(0.25)をエンド数40本/50
mmの打ち込み密度でゴム引きした幅140mmのシー
トから構成し、タイヤ周方向に対するコード角度αを3
0°にした。
しベルト層5は芳香族ポリアミド繊維コード1500D
/2をエンド数50本/50mmの打ち込み密度でゴム
引きした帯状体をタイヤ周方向に対して傾斜させながら
ベルト幅方向両端部でタイヤ内側から外側へジグザグ状
に折り返し、補強コードが右傾斜する帯域部分5aと補
強コードが左傾斜する帯域部分5bとをタイヤ周方向に
交互に配列するように構成し、タイヤ周方向に対するコ
ード角度θを30°にした。スチールコードベルト層4
はスチールコード2+2(0.25)をエンド数40本/50
mmの打ち込み密度でゴム引きした幅140mmのシー
トから構成し、タイヤ周方向に対するコード角度αを3
0°にした。
【0020】本発明タイヤ2 図5(A),(B)に示すベルト構造を有する。折り返
しベルト層5はスチールコード3×3(0.15)をエンド数
30本/50mmの打ち込み密度でゴム引きした帯状体
をタイヤ周方向に対して傾斜させながらベルト幅方向両
端部でタイヤ内側から外側へジグザグ状に折り返し、補
強コードが右傾斜する帯域部分5aと補強コードが左傾
斜する帯域部分5bとをタイヤ周方向に交互に配列する
ように構成し、タイヤ周方向に対するコード角度θを3
0°にした。スチールコードベルト層4はスチールコー
ド2+2(0.25)をエンド数40本/50mmの打ち込み
密度でゴム引きした幅140mmのシートから構成し、
タイヤ周方向に対するコード角度αを30°にした。
しベルト層5はスチールコード3×3(0.15)をエンド数
30本/50mmの打ち込み密度でゴム引きした帯状体
をタイヤ周方向に対して傾斜させながらベルト幅方向両
端部でタイヤ内側から外側へジグザグ状に折り返し、補
強コードが右傾斜する帯域部分5aと補強コードが左傾
斜する帯域部分5bとをタイヤ周方向に交互に配列する
ように構成し、タイヤ周方向に対するコード角度θを3
0°にした。スチールコードベルト層4はスチールコー
ド2+2(0.25)をエンド数40本/50mmの打ち込み
密度でゴム引きした幅140mmのシートから構成し、
タイヤ周方向に対するコード角度αを30°にした。
【0021】従来タイヤ 図6(A),(B)に示すように2枚のスチールコード
ベルト層4をコードが層間で互いに交差するように積層
し、これらスチールコードベルト層4の両端部をナイロ
ンコード補強層10で覆うと共に、このナイロンコード
補強層10の外側にベルト層全体を覆うナイロンコード
補強層11を設けたベルト構造を有する。スチールコー
ドベルト層4はスチールコード2+2(0.25)をエンド数
40本/50mmの打ち込み密度でゴム引きした幅15
0mm(内側)及び幅140mm(外側)のシートから
構成し、タイヤ周方向に対するコード角度αを30°に
した。また、ナイロンコード補強層10,11は、それ
ぞれナイロン繊維コード840D/2をエンド数70本
/50mmの打ち込み密度でゴム引きしたテープから構
成し、タイヤ周方向に対するコード角度を実質的に0°
にした。
ベルト層4をコードが層間で互いに交差するように積層
し、これらスチールコードベルト層4の両端部をナイロ
ンコード補強層10で覆うと共に、このナイロンコード
補強層10の外側にベルト層全体を覆うナイロンコード
補強層11を設けたベルト構造を有する。スチールコー
ドベルト層4はスチールコード2+2(0.25)をエンド数
40本/50mmの打ち込み密度でゴム引きした幅15
0mm(内側)及び幅140mm(外側)のシートから
構成し、タイヤ周方向に対するコード角度αを30°に
した。また、ナイロンコード補強層10,11は、それ
ぞれナイロン繊維コード840D/2をエンド数70本
/50mmの打ち込み密度でゴム引きしたテープから構
成し、タイヤ周方向に対するコード角度を実質的に0°
にした。
【0022】条件 リムサイズ:14×5・1/2JJ 空気圧:1.9kg/cm2 、荷重:450kg高速耐久性 :試験タイヤをドラム径1707mmのドラ
ム試験機に装着し、JATMA高速耐久性試験に従って
走行させた後、10分毎に速度を10km/hrずつ増
加させ、タイヤが破壊するまでの距離を測定した。評価
結果は、従来タイヤを100とする指数にて示した。こ
の指数値が大きいほど高速耐久性が優れている。
ム試験機に装着し、JATMA高速耐久性試験に従って
走行させた後、10分毎に速度を10km/hrずつ増
加させ、タイヤが破壊するまでの距離を測定した。評価
結果は、従来タイヤを100とする指数にて示した。こ
の指数値が大きいほど高速耐久性が優れている。
【0023】乗心地性能:試験タイヤを国産2.5リッ
トルクラスの車に装着し、3名のテストドライバーによ
るフィーリングテストを行って乗心地性能を評価した。
評価結果は、従来タイヤを100とする指数にて示し
た。この指数値が大きいほど乗心地性能が優れている。
トルクラスの車に装着し、3名のテストドライバーによ
るフィーリングテストを行って乗心地性能を評価した。
評価結果は、従来タイヤを100とする指数にて示し
た。この指数値が大きいほど乗心地性能が優れている。
【0024】直進安定性:実車により直進安定性を測定
した。すなわち、100km/hの速度にて平坦な舗装
路面を直進し、スタート地点よりハンドルをフリーにし
て、100m走行後の車両の片流れ量(距離)を測定し
た。評価結果は、従来タイヤを100とする指数にて示
した。この指数値が大きいほど直進安定性が優れてい
る。
した。すなわち、100km/hの速度にて平坦な舗装
路面を直進し、スタート地点よりハンドルをフリーにし
て、100m走行後の車両の片流れ量(距離)を測定し
た。評価結果は、従来タイヤを100とする指数にて示
した。この指数値が大きいほど直進安定性が優れてい
る。
【0025】タイヤ質量:評価用に製作したタイヤから
各3本を無作為に抽出し、タイヤ質量を測定した。評価
結果は、従来タイヤを100とする指数にて示した。こ
の指数値が小さいほど軽量であることを意味する。
各3本を無作為に抽出し、タイヤ質量を測定した。評価
結果は、従来タイヤを100とする指数にて示した。こ
の指数値が小さいほど軽量であることを意味する。
【0026】
【0027】この表1から明らかなように、本発明タイ
ヤ1,2は従来タイヤに比べて高速耐久性、乗心地性
能、直進走行性が共に優れていた。また、本発明タイヤ
1,2ではベルト層の補強コード自体を低剛性化(軽量
化)しているので、タイヤ質量が従来タイヤに比べて同
等以下になっていた。
ヤ1,2は従来タイヤに比べて高速耐久性、乗心地性
能、直進走行性が共に優れていた。また、本発明タイヤ
1,2ではベルト層の補強コード自体を低剛性化(軽量
化)しているので、タイヤ質量が従来タイヤに比べて同
等以下になっていた。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ト
レッド部におけるカーカス層の外側に、複数本の有機繊
維コード又はスチールコードからなる補強コードを互い
平行にマトリックスに埋設してなる帯状体をタイヤ周方
向に対して傾斜させながらベルト幅方向両端部でタイヤ
内側から外側へジグザグ状に折り返し、前記補強コード
が右傾斜する帯域部分と前記補強コードが左傾斜する帯
域部分とをタイヤ周方向に交互に配列するように構成し
た折り返しベルト層を設け、該折り返しベルト層の外側
に、複数本のスチールコードをタイヤ周方向に対するコ
ード角度αが15°≦α<45°となるように配列した
単一層のスチールコードベルト層を配置し、該スチール
コードベルト層を前記折り返しベルト層よりも狭幅にし
たことにより、軽量化を図りながらベルト層におけるエ
ッジセパレーションを防止すると共に、乗心地性能及び
直進安定性を向上することを可能にし、しかも運動性能
や高速耐久性等のタイヤ性能を良好にすることができ
る。
レッド部におけるカーカス層の外側に、複数本の有機繊
維コード又はスチールコードからなる補強コードを互い
平行にマトリックスに埋設してなる帯状体をタイヤ周方
向に対して傾斜させながらベルト幅方向両端部でタイヤ
内側から外側へジグザグ状に折り返し、前記補強コード
が右傾斜する帯域部分と前記補強コードが左傾斜する帯
域部分とをタイヤ周方向に交互に配列するように構成し
た折り返しベルト層を設け、該折り返しベルト層の外側
に、複数本のスチールコードをタイヤ周方向に対するコ
ード角度αが15°≦α<45°となるように配列した
単一層のスチールコードベルト層を配置し、該スチール
コードベルト層を前記折り返しベルト層よりも狭幅にし
たことにより、軽量化を図りながらベルト層におけるエ
ッジセパレーションを防止すると共に、乗心地性能及び
直進安定性を向上することを可能にし、しかも運動性能
や高速耐久性等のタイヤ性能を良好にすることができ
る。
【図1】本発明の空気入りラジアルタイヤを例示する子
午線断面図である。
午線断面図である。
【図2】本発明における折り返しベルト層を例示する平
面視説明図である。
面視説明図である。
【図3】図2のA−A矢視断面図である。
【図4】図1におけるベルト構造を示す平面視説明図で
ある。
ある。
【図5】本発明の空気入りラジアルタイヤのベルト構造
の一例を示し、(A)は断面説明図であり、(B)は平
面視説明図である。
の一例を示し、(A)は断面説明図であり、(B)は平
面視説明図である。
【図6】従来の空気入りラジアルタイヤのベルト構造の
一例を示し、(A)は断面説明図であり、(B)は平面
視説明図である。
一例を示し、(A)は断面説明図であり、(B)は平面
視説明図である。
1 ビードコア 2 カーカス層 3 トレッド部 4 スチールコードベルト層 5 折り返しベルト層 6 補強コード 7 帯状体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森川 庸雄 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内
Claims (2)
- 【請求項1】 トレッド部におけるカーカス層の外側
に、複数本の有機繊維コード又はスチールコードからな
る補強コードを互い平行にマトリックスに埋設してなる
帯状体をタイヤ周方向に対して傾斜させながらベルト幅
方向両端部でタイヤ内側から外側へジグザグ状に折り返
し、前記補強コードが右傾斜する帯域部分と前記補強コ
ードが左傾斜する帯域部分とをタイヤ周方向に交互に配
列するように構成した折り返しベルト層を設け、該折り
返しベルト層の外側に、複数本のスチールコードをタイ
ヤ周方向に対するコード角度αが15°≦α<45°と
なるように配列した単一層のスチールコードベルト層を
配置し、該スチールコードベルト層を前記折り返しベル
ト層よりも狭幅にした空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項2】 前記折り返しベルト層のタイヤ周方向に
対するコード角度θが15°≦θ≦45°である請求項
1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10135442A JPH11321232A (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | 空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10135442A JPH11321232A (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | 空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11321232A true JPH11321232A (ja) | 1999-11-24 |
Family
ID=15151826
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10135442A Pending JPH11321232A (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | 空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11321232A (ja) |
-
1998
- 1998-05-18 JP JP10135442A patent/JPH11321232A/ja active Pending
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