JPH11320731A - 熱可塑性樹脂延伸フイルム - Google Patents

熱可塑性樹脂延伸フイルム

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JPH11320731A
JPH11320731A JP13848098A JP13848098A JPH11320731A JP H11320731 A JPH11320731 A JP H11320731A JP 13848098 A JP13848098 A JP 13848098A JP 13848098 A JP13848098 A JP 13848098A JP H11320731 A JPH11320731 A JP H11320731A
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stretched
thermoplastic resin
film
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fine particles
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JP13848098A
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Masatsuki Yamanaka
昌月 山中
Noriyoshi Chiba
徳美 千葉
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Yupo Corp
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Yupo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面強度が高く、エンボス加工性に優れてお
り、かつインキ密着性も良好である熱可塑性樹脂延伸フ
ィルムを提供すること。 【解決手段】熱可塑性樹脂40〜85重量%および無機
または有機微粒子60〜15重量%を含有する延伸フイ
ルム基材層(A)の少なくとも片面上に、熱可塑性樹脂
30〜90重量%、および前記延伸フイルム基材層
(A)の無機または有機微粒子よりも平均粒子径が小さ
い無機または有機微粒子70〜10重量%を含有する延
伸フイルム表面層(B)を有しており、かつ、空孔率が
5%以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂延伸フイ
ルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面強度が高く、
エンボス加工性に優れており、かつインキ密着性も良好
である熱可塑性樹脂延伸フイルムおよびその製造方法に
関する。本発明の熱可塑性樹脂延伸フイルムは、微細空
孔を有する建築装飾材をはじめとする様々な用途に利用
しうる。
【0002】
【従来の技術】印刷適性やエンボス加工適性に優れた熱
可塑性樹脂として、塩化ビニル樹脂や塩化ビニル/酢酸
ビニル共重合体樹脂などの塩化ビニル系樹脂が知られて
いる。塩化ビニル系樹脂は、可塑剤による硬度調節が容
易でしかも安価であることから、産業上広く利用されて
いる。このため、建築装飾材(以後「建装材」と記す)
に用いられる樹脂フイルムとしても、塩化ビニル樹脂を
主成分とするフイルムが多く使用されている。しかしな
がら、塩化ビニル樹脂は、廃棄物処理時や火災時に塩素
ガスや塩化水素ガスなどの有害ガスを発生し、焼却炉の
劣化や環境汚染を招くという問題がある。また、可塑剤
のブリーディングにより室内が汚染されるという問題も
あり、その使用は世界的に規制される傾向にある。
【0003】これらの問題を解決するために、最近では
塩化ビニル系樹脂の代わりにポリオレフィン樹脂を用い
た材料の開発が活発に行われている。しかしながら、ポ
リオレフィン樹脂を用いた材料には、結晶性が有るとい
う欠点がある。また、熱可塑性樹脂延伸フィルムにする
場合は、延伸による分子の配向によりエンボスの掛かり
が塩化ビニル系フイルムに比べて悪くなるという問題も
ある。また、グラビヤ印刷、シルクスクリーン印刷、オ
フセット輪転印刷、水性フレキソ印刷等により絵柄を印
刷するときには、インキ密着性が悪く、多色印刷では絵
柄のズレが起こる等の欠点が指摘されている。
【0004】インキ密着性を改善するために、一般にフ
イルム表面にアンカー処理等が行われているが、生産コ
ストの上昇を招くため実用的とはいえない。また、例え
ばポリオレフィン系無延伸フイルムを用いて多色印刷を
行う場合は、印刷方向の抗張力が低いのでフイルムの張
力を低くして印刷しなければならず、フイルムの蛇行を
招いてしまう。また、このような蛇行を防止するため
に、フイルムの張力を上げるとフイルムが容易に伸びて
寸法変化を起こすために、1色目と2色目以降の印刷時
に絵柄がズレて高精細な印刷ができないという欠点もあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とし
た。すなわち本発明は、表面強度が高く、エンボス加工
性に優れており、かつインキ密着性も良好である熱可塑
性樹脂延伸フイルムを提供することを解決すべき課題と
した。また本発明は、多色印刷時に絵柄がズレず高精細
な印刷を行うことができる安価な熱可塑性樹脂延伸フイ
ルムを提供することを解決すべき課題とした。さらに本
発明は、環境汚染を招くおそれがなく、廃棄物処理時に
焼却炉を劣化させることがない熱可塑性樹脂延伸フイル
ムを提供することを解決すべき課題とした。また本発明
は、上記の特徴を備えた建装材、および上記熱可塑性樹
脂延伸フイルムの製造方法を提供することも解決すべき
課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を進めた結果、平均粒子径が異
なる複数層の延伸フイルムからなり、空孔率が5%以上
の熱可塑性樹脂延伸フイルムが所望の効果を奏すること
を見出し、本発明を提供するに至った。すなわち本発明
は、熱可塑性樹脂40〜85重量%および無機または有
機微粒子60〜15重量%を含有する延伸フイルム基材
層(A)の少なくとも片面上に、熱可塑性樹脂30〜9
0重量%、および前記延伸フイルム基材層(A)の無機
または有機微粒子よりも平均粒子径が小さい無機または
有機微粒子70〜10重量%を含有する延伸フイルム表
面層(B)を有しており、かつ、式(1)で計算される
空孔率が5%以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂
延伸フイルムを提供する。
【数2】 ρ0・・・・・熱可塑性樹脂延伸フイルムの真密度 ρ1・・・・・熱可塑性樹脂延伸フイルムの密度
【0007】本発明の好ましい実施態様では、空孔率は
5〜60%の範囲内である。また、延伸フイルム基材層
(A)の無機または有機微粒子の平均粒子径は0.6〜
3μmの範囲内であり、延伸フイルム表面層(B)の無
機または有機微粒子の平均粒子径は0.1〜2μmの範
囲内である。さらに、延伸フイルム基材層(A)および
延伸フイルム表面層(B)の熱可塑性樹脂は、熱可塑性
非エラストマーと熱可塑性エラストマーとの混合物であ
る。また、延伸フイルム表面層(B)にはエンボス加工
が施されている。
【0008】本発明の別の好ましい実施態様では、延伸
フイルム基材層(A)および延伸フイルム表面層(B)
の熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン樹脂、オレフィン系
熱可塑性エラストマー、またはポリオレフィン樹脂とオ
レフィン系熱可塑性エラストマーとの混合物である。こ
こでいう混合物は、ポリオレフィン樹脂100重量部に
対して、オレフィン系熱可塑性エラストマーを5〜10
0重量部を含有することが好ましい。本発明の熱可塑性
樹脂延伸フイルムは、特に建築装飾材に利用することが
できる。
【0009】本発明はまた、熱可塑性樹脂40〜85重
量%および無機または有機微粒子60〜15重量%を含
有するフイルム基材層(A)の少なくとも片面上に、熱
可塑性樹脂30〜90重量%、および前記フイルム基材
層(A)の無機または有機微粒子よりも平均粒子径が小
さい無機または有機微粒子70〜10重量%を含有する
フイルム表面層(B)を積層した後に、得られた積層体
を延伸する工程を有することを特徴とする上記熱可塑性
樹脂延伸フイルムの製造方法も提供する。本発明の製造
方法では、積層を行う前にあらかじめフイルム基材層
(A)を延伸しておいてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の実施形態
について詳細に説明する。本発明の熱可塑性樹脂延伸フ
イルムは、延伸フイルム基材層(A)の少なくとも片面
上に延伸フイルム表面層(B)を有している。延伸フイ
ルム基材層(A)は、熱可塑性樹脂40〜85重量%お
よび無機または有機微粒子60〜15重量%を含有す
る。また、延伸フイルム表面層(B)は、熱可塑性樹脂
30〜90重量%、および延伸フイルム基材層(A)の
無機または有機微粒子よりも平均粒子径が小さい無機ま
たは有機微粒子70〜10重量%を含有する。
【0011】基材層(A)および表面層(B)に使用す
る熱可塑性樹脂の種類は特に制限されない。例えば、高
密度ポリエチレンや中密度ポリエチレン等のエチレン系
樹脂、プロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、
エチレン−環状オレフィン共重合体等のポリオレフィン
系樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−
6,T等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレ
ートやその共重合体、ポリブチレンテレフタレートやそ
の共重合体、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエス
テル系樹脂;ポリカーボネート、アタクティックポリス
チレン、シンジオタクティックポリスチレン等を使用す
ることができる。中でも、非極性のポリオレフィン系樹
脂を用いることが好ましい。
【0012】さらにポリオレフィン系樹脂の中でも、耐
薬品性およびコスト等の面からプロピレン系樹脂を用い
ることが好ましい。プロピレン系樹脂としては、プロピ
レンを単独重合させたアイソタクティック重合体ないし
はシンジオタクティック重合体を例示することができ
る。また、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−
ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィ
ンとプロピレンとを共重合体させた、様々な立体規則性
を有するポリプロピレンを主成分とする共重合体を使用
することもできる。共重合体は2元系でも3元系以上の
多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共
重合体でもよい。プロピレン系樹脂には、プロピレン単
独重合体よりも融点が低い樹脂を2〜25重量%配合し
て使用することが好ましい。そのような融点が低い樹脂
として、高密度ないしは低密度のポリエチレンを例示す
ることができる。
【0013】基材層(A)および表面層(B)には、熱
可塑性樹脂としてとくに熱可塑性エラストマーを選択し
て使用することもできる。本明細書において「熱可塑性
エラストマー」とは、分子中に弾性を有するゴム成分
(ソフトセグメント)と塑性変形を防止するための分子
拘束成分(ハードセグメント)の両成分から構成されて
いて、室温ではハードセグメントが加流ゴムの加流点の
働きをしてゴム的性質を示す一方、加熱することにより
ハードセグメントが溶融して熱可塑性樹脂としての流動
特性を示すものをいう。本明細書では、これ以外の熱可
塑性樹脂を「熱可塑性非エラストマー」と称する。
【0014】ソフトセグメントとハードセグメントの種
類、分子量、配列等が異なる多数の熱可塑性エラストマ
ーが知られている。例えば、スチレン系熱可塑性エラス
トマーとしては、旭化成工業(株)製タフテック(商品
名)、三菱化学(株)製ラバロン(商品名)がある。オ
レフィン系熱可塑性エラストマーとしては、三井石油化
学工業(株)製ミラストマー(商品名)、三菱化学
(株)製サーモラン(商品名)がある。ポリエステル系
熱可塑性エラストマーとしては、東レ・デュポン(株)
製ハイトレル(商品名)、東洋紡(株)製ペルプレン
(商品名)がある。その他ポリウレタン系熱可塑性エラ
ストマー等も知られている。これらの熱可塑性エラスト
マーの中では、オレフィン系熱可塑性エラストマーを使
用するのが好ましい。
【0015】基材層(A)および表面層(B)には、上
記の熱可塑性樹脂の中から1種を選択してこれを単独で
使用してもよいし、2種以上を選択して組み合わせて使
用してもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合に
は、熱可塑性非エラストマーと熱可塑性エラストマーを
混合して使用してもよい。両者を混合して使用する場合
には、熱可塑性樹脂100重量部に対して熱可塑性エラ
ストマーを5〜100重量部混合するのがエンボス適性
や印刷適性の面で好ましい。中でも、ポリオレフィン樹
脂100重量部に対してオレフィン系熱可塑性エラスト
マーを5〜100重量部混合するのが特に好ましい。
【0016】基材層(A)と表面層(B)では同一の熱
可塑性樹脂を使用してもよいし、異なる熱可塑性樹脂を
使用してもよい。本発明の好ましい実施態様では、表面
層(B)には基材層(A)よりも融点が低い熱可塑性樹
脂を使用する。このように融点が異なる熱可塑性樹脂を
使用することによって、印刷適性、表面強度およびイン
キ密着強度をさらに良好にすることができる。
【0017】基材層(A)および表面層(B)に使用す
る有機または無機微粒子の種類は特に制限されない。無
機微粒子としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カル
シウム、クレー、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、
酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪藻土、酸化珪素等を例
示することができる。中でも重質炭酸カルシウム、クレ
ー、珪藻土を使用すれば、安価で延伸時のボイド形成性
がよいために好ましい。
【0018】有機微粒子としては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、
ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリス
チレン、メラミン樹脂、ポリエチレンサルファイト、ポ
リイミド、ボリエチルエーテルケトン、ポリフエニレン
サルファイト等を例示することができる。中でも、使用
する熱可塑性樹脂よりも融点が高くて非相溶性の微粒子
を使用するのがボイド形成の点で好ましい。
【0019】基材層(A)および表面層(B)には、上
記の微粒子の中から1種を選択してこれを単独で使用し
てもよいし、2種以上を選択して組み合わせて使用して
もよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、有
機微粒子と無機微粒子を混合して使用してもよい。ま
た、基材層(A)と表面層(B)では同一の微粒子を使
用してもよいし、異なる微粒子を使用してもよい。ただ
し、平均粒子径は基材層(A)よりも表面層(B)の微
粒子の方が小さくなるように設定する。このように平均
粒子径を調節することによって、表面突起物が減少し、
表面平滑性等がよくなり、その結果より高精細な印刷が
可能になる。
【0020】好ましい平均粒子径の範囲は基材層(A)
が0.6〜3μmの範囲内であり、表面層(B)が0.
1〜2μmの範囲内である。特に表面層(B)の微粒子
の平均粒子径を上記範囲内にすることによって、表面に
微細な亀裂を形成させてインキの接着性を向上し、印刷
時の白抜けを有効に防ぐことができる。また、表面層
(B)では、熱可塑性樹脂延伸フイルムの表面突起物の
原因になる粒径44μm以上の粗大粒子の含有量を10
ppm以下にしておくことが好ましい。
【0021】これらの微粒子を熱可塑性樹脂中に配合混
練する際に、必要に応じて分散剤、酸化防止剤、相溶化
剤、難燃剤、紫外線安定剤、着色顔料等を添加すること
ができる。特に基材層(A)および表面層(B)には無
機または有機の着色顔料を使用して所望の色に着色する
ことが好ましい。また、本発明の熱可塑性樹脂延伸フイ
ルムを耐久資材として使用する場合には、酸化防止剤や
紫外線安定剤等を添加しておくのが好ましい。さらに、
有機微粒子を使用する場合は、相溶化剤の種類や添加量
が有機微粒子の粒子形態を決定することから重要であ
る。好ましい相溶化剤として、マレイン酸変性ポリプロ
ピレン(三洋化成工業(株)製、商品名ユーメックス)
を例示することができる。また、相溶化剤の添加量は、
有機微粒子100重量部に対して0.5〜10重量部に
するのが好ましい。
【0022】基材層(A)は、熱可塑性樹脂を60〜8
5重量%、無機または有機微粒子を40〜15重量%含
有する。無機または有機微粒子の含有量が40重量%を
越えると、厚さが均一な熱可塑性樹脂延伸フィルムを製
造することが困難になる。また無機または有機微粒子の
含有量が15重量%未満では、延伸によって十分なボイ
ドが形成されず、エンボス加工適性が悪くなる。具体的
には、エンボス深さが不足し、エンボス戻りが大きくな
ってしまう。
【0023】表面層(B)は、熱可塑性樹脂を30〜9
0重量%、無機または有機の微粒子を70〜10重量%
含有する。無機または有機微粒子の含有量が70重量%
を超えると、均一に延伸することが困難になり、延伸し
たフイルムの表面に膜ヤブレが生じて印刷仕上がりが悪
くなる。また無機または有機微粒子の含有量が10重量
%未満では、表面層(B)に発生する微細な亀裂の数が
不足して後に適用するインクの密着性が悪くなる。
【0024】熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂と
オレフィン系熱可塑性エラストマーの混合物を用いる場
合は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対してオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーを基材層(A)では5〜5
0重量部、表面層(B)では20〜100重量部にする
のが好ましい。この範囲内の割合で混合することによっ
て、延伸時に基材層(A)と表面層(B)に形成される
空孔量および表面強度を特に良好にすることができる。
すなわち、形成される空孔によって、エンボス加工時に
おける樹脂部分の熱変形を十分に吸収することができる
ためにエンボスのかかりが良くなり、塩化ビニルフイル
ムと同等のエンボスを行うことが可能になる。
【0025】本発明の熱可塑性樹脂延伸フイルムは、基
材層(A)の少なくとも一面に表面層(B)を有するも
のが含まれる。したがって、基材層(A)の表裏両面に
表面層(B)を有するものも含まれる。この場合は2つ
の表面層(B)に使用する熱可塑性樹脂および微粒子は
同じであっても異なっていてもよい。2つの表面層に
は、それぞれに要求される機能に応じて適当な材料を選
択して使用することができる。基材層(A)と表面層
(B)の厚さの比は9:1〜5:5にするのが、表面強
度、印刷適性、エンボス加工性の面で好ましい。
【0026】本発明の熱可塑性樹脂延伸フイルムは、微
細な空孔(ボイド)を有する微多孔性構造を有してお
り、上記式(1)で計算される空孔率が5%以上であ
る。空孔率が5%未満であるとエンボスのかかりが悪く
なる。好ましい空孔率の範囲は5〜60%である。空孔
率が60%以下であれば、フイルムの材料強度が比較的
高くて、セロテープ等によって表面破壊が起きにくいの
で好ましい。式(1)のρ0は熱可塑性樹脂延伸フイル
ムの真密度を表わし、ρ1は熱可塑性樹脂延伸フイルム
の密度を表わす。延伸前のフイルム材料が多量の空気を
含有するものでない限り、熱可塑性樹脂延伸フイルムの
真密度は延伸前の密度にほぼ等しい。
【0027】本発明の熱可塑性樹脂延伸フイルムは、当
業者に公知の種々の方法を組み合わせることによって製
造することができる。いかなる方法により製造された熱
可塑性樹脂延伸フイルムであっても、請求項1に記載さ
れる条件を満たすものである限り本発明の範囲内に包含
される。したがって、基材層(A)と表面層(B)を別
々に延伸した後に積層することによって製造したもので
あってもよいし、基材層(A)と表面層(B)を積層し
た後にまとめて延伸することによって製造したものであ
ってもよい。また、これらの方法を組み合わせて製造し
たものであってもよい。
【0028】好ましい製造方法は、基材層(A)と表面
層(B)を積層した後にまとめて延伸する工程を含むも
のである。別個に延伸して積層する場合に比べると簡便
でありコストも安くなる。また、基材層(A)と表面層
(B)に形成される空孔の制御もより容易になる。特に
基材層(A)には延伸により表面層(B)よりも多くの
空孔が形成されるように制御し、基材層(A)がエンボ
ス適性を改善しうる層として有効に機能させることが好
ましい。
【0029】延伸には、公知の種々の方法を使用するこ
とができる。延伸の温度は、非結晶樹脂の場合は使用す
る熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹脂の
場合には非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶部
の融点以下の熱可塑性樹脂に好適な公知の温度範囲内で
行うことができる。具体的には、ロール群の周速差を利
用した縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧
延、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせに
よる同時二軸延伸などにより延伸することができる。
【0030】延伸倍率は特に限定されず、本発明の熱可
塑性樹脂延伸フイルムの使用目的と用いる熱可塑性樹脂
の特性等を考慮して適宜決定する。例えば、熱可塑性樹
脂としてプロピレン単独重合体ないしはその共重合体を
使用するときには、一方向に延伸する場合は約1.2〜
12倍、好ましくは2〜10倍であり、二軸延伸の場合
は面積倍率で1.5〜60倍、好ましくは10〜50倍
である。その他の熱可塑性樹脂を使用するときには、一
方向に延伸する場合は1.2〜10倍、好ましくは2〜
7倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で1.5〜2
0倍、好ましくは4〜12倍である。さらに、必要に応
じて高温での熱処理を施す。延伸温度は使用する熱可塑
性樹脂の融点より2〜60℃低い温度であり、延伸速度
は20〜350m/分であるのが好ましい。
【0031】本発明の熱可塑性樹脂延伸フイルムは、そ
のまま使用に供してもよいし、さらに別の熱可塑性フイ
ルム等に積層して使用してもよい。さらに積層する場合
には、例えばポリエステルフイルム、ポリアミドフイル
ム、ポリオレフインフイルム等の透明または不透明なフ
イルムに積層することができる。本発明の熱可塑性樹脂
延伸フイルムの厚さは特に制限されない。例えば、30
〜400μm、好ましくは60〜200μmに調製する
ことができる。また、上述のように他のフイルムと積層
することによって全体の厚さを1mm程度にすることも
できる。
【0032】本発明の熱可塑性樹脂延伸フイルムは、様
々な用途に供することができる。例えば、建築装飾用の
壁紙、化粧合板用化粧紙、床材、自動車の内装材、粘着
加工を施したタックラベル等に有用である。特に建築装
飾材として使用する場合には、エンボス適性を高めるた
めに基材層(A)の厚さを全体の厚さの50%以上にす
ることが望ましい。
【0033】本発明の熱可塑性樹脂延伸フイルムの表面
層(B)には、使用目的に応じて印刷を行うことができ
る。印刷の種類や方法は特に制限されない。例えば、公
知のビヒクルに顔料を分散したインキを用いたグラビヤ
印刷、水性フレキソ、シルクスクリーン等の印刷等の公
知の印刷手段を用いて印刷することができる。また、金
属蒸着や、グロス印刷、マット印刷等により印刷するこ
ともできる。印刷する絵柄は、石目、木目、格子、水玉
等の天然物柄や抽象柄等から適宜選択することができ
る。
【0034】本発明の熱可塑性樹脂延伸フイルムにはエ
ンボス加工を施すことができる。エンボス加工は、印刷
を行った後に行うのが一般的であるが、エンボス加工後
にさらに印刷を行っても構わない。エンボス加工は、例
えば、平版プレス機、ロールエンボス機等公知の各種プ
レス、エンボス機を用いて熱や圧力によりエンボス版の
凹凸形状を賦形することによって行うことができる。ロ
ールエンボス法は円筒状のエンボス版の凹凸形状を対象
材料に熱圧で賦形する方法である。熱圧賦形は、熱可塑
性樹脂延伸フイルムの表面層(B)に使用している樹脂
の熱変形温度と溶融温度の間に加熱して、エンボス版を
該熱可塑性樹脂延伸フイルムの表面に押圧して賦形した
後、冷却して形状を固定することによって行う。加熱方
法としては、例えば赤外線照射、温風吹付け、加熱ロー
ラーからの伝導熱、誘電加熱等の方法が用いられる。な
お、エンボスの賦形は、エンボス機を用いずに、延伸
前、延伸後のいずれにおいてもフイルム成形と同時に行
うこともできる。
【0035】本発明の熱可塑性樹脂延伸フイルムを化粧
合板として用いる場合には、エンボス形成後にワイピン
グを施して凹部内にワイピングインキを充填することに
よって意匠性を向上させることができる。特に木目の導
管部の外観を再現する場合には好適である。
【0036】また、最外層には透明な樹脂層からなる表
面保護層を形成するのが望ましい。表面保護層は表面層
を保護するとともに、下層の絵柄やエンボス等の意匠に
立体感を付与する機能も有する。したがって、本発明の
熱可塑性樹脂延伸フイルムを化粧板や壁紙として使用す
る場合に表面保護層は特に有用である。表面保護層は塗
工または貼合により形成することができる。表面物性を
さらに向上させるためには耐候性、耐摩耗性、耐汚染性
等の表面物性の優れた無色透明または着色透明の樹脂を
用いるのが好ましい。このような樹脂として好ましいの
は、例えば各種アクリレート、ポリエステル等から電離
放射線硬化性樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル
等の2液硬化型樹脂、フッ素樹脂、ポリシロキサン系樹
脂等である。この表面保護層には、公知の抗菌剤、防カ
ビ剤、香料等を配合してもよい。
【0037】各種の印刷やエンボス加工が施された熱可
塑性樹脂延伸フイルムの裏面には、他の素材を貼合せる
ことができる。例えば壁紙または床材として使用する場
合は、裏打ち紙等を貼合せることができる。裏打ちに使
用される素材は特に限定されず、例えば薄葉紙、クラフ
ト紙等の紙、ガラス繊維、炭素繊維等の無機質繊維、織
布、不織布、樹脂フイルムまたはシート、金属箔、質材
料などの単体、或いは、上記の材料を接着や熱融着など
の公知の手段で積層した複合材料を用いることができ
る。
【0038】また、本発明の熱可塑性樹脂延伸フィルム
を鉄板やアルミニウム板等の金属板上に接着剤や熱融着
等を用いて積層することによって板状素材で裏打ちした
樹脂化粧板を製造することもできる。また、本発明の熱
可塑性樹脂延伸フイルムを各種木質合板上に接着剤で積
層することによって樹脂化粧合板を製造することもでき
る。さらに裏打ちに粘着剤層、或いは該粘着剤層と離型
シートとを積層形成して、タックシール形式の化粧紙を
製造することもできる。
【0039】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、
操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更す
ることができる。したがって、本発明の範囲は以下に示
す具体例に制限されるものではない。以下に記載する実
施例および比較例では、表1に示す材料を選択して使用
した。
【0040】
【表1】
【0041】(実施例1)ポリオレフィン樹脂(a)4
7重量%、エラストマー23重量%および相溶化剤2重
量%の混合物に、平均粒子径1.8μmの無機微粒子2
8重量%を配合して配合物[イ]を調製した。これとは
別に、ポリオレフィン樹脂(b)30重量%、エラスト
マー20重量%および相溶化剤2重量%の混合物に、平
均粒子径1.2μmの無機微粒子48重量%を配合して
配合物[ロ]を調製した。配合物[イ]と配合物[ロ]
を250℃に設定した別々の押出機にて溶融混練し、配
合物[イ]の両面に配合物[ロ]がダイ内で積層される
ようにして押出成形を行い、冷却装置にて70℃まで冷
却することによって無延伸シートを得た。
【0042】このシートを125℃に加熱した後、縦方
向に5倍延伸した。次いで、得られたフイルムの両面に
春日電機(株)製の放電処理機を用いて50W/m
分のコロナ処理を行って3層構造の延伸フイルムを得
た。この延伸フイルムの各層([ロ]/[イ]/
[ロ])の厚みは15μm/50μm/15μm、密度
は0.85g/cm、空孔率は29%であった。次い
で、得られた延伸フイルムの表面層に木目柄のグラビヤ
印刷(インキ:東洋インキ(株)製、商品名:CCS
T)を施した後、100℃に加熱されたエンボスロール
にて木目柄のエンボス加工を行った。さらにその表面に
UV硬化型樹脂(大日精化製)を8g/mとなるよう
に塗工し、高圧水銀灯(80W)を10m/分で2回照
射して、エンボス加工した延伸フイルムを得た。
【0043】(実施例2)ポリオレフィン樹脂(c)5
5重量%、エラストマー13重量%および相溶化剤2重
量%の混合物に、平均粒子径1.8μmの無機微粒子3
0重量%を配合して配合物[イ]を調製した。これとは
別に、ポリオレフィン樹脂(d)25重量%、エラスト
マー25重量%および相溶化剤2重量%の混合物に、平
均粒子径1.0μmの無機微粒子48重量%を配合して
配合物[ロ]を調製した。配合物[イ]と配合物[ロ]
を250℃に設定した別々の押出機にて溶融混練し、配
合物[イ]の両面に配合物[ロ]がダイ内で積層される
ようにして押出成形を行い、冷却装置にて70℃まで冷
却することによって無延伸シートを得た。
【0044】このシートを115℃に加熱した後、縦方
向に3.5倍延伸した。次いで、得られたフイルムの両
面に春日電機(株)製の放電処理機を用いて、50W/
・分のコロナ処理を行って3層構造の延伸フイルム
を得た。この延伸フイルムの各層([ロ]/[イ]/
[ロ])の厚みは20μm/50μm/20μm、密度
は0.95g/cm、空孔率は22%であった。次い
で、得られた延伸フイルムの表面を実施例1と同様の方
法でエンボス加工した。
【0045】(実施例3)ポリプロピレン樹脂(a)6
3重量%、エラストマー5重量%および相溶化剤2重量
%の混合物に、平均粒子径1.5μmの無機微粒子30
重量%を配合して配合物[イ]を調製した。この配合物
を押出機にて溶融混練した後、ダイより押出成形し、冷
却装置にて70℃まで冷却することによって無延伸シー
トを得た。このシートを125℃に加熱した後、縦方向
に5倍延伸した。これとは別に、ポリオレフィン樹脂
(b)40重量%、エラストマー10重量%および相溶
化剤2重量%の混合物に、平均粒子径1.0μmの無機
微粒子48重量%を配合して配合物[ロ]を調製した。
この配合物を250℃に設定した2台の押出機にて溶融
混練し、先に製造した5倍延伸シートの両面に積層し
た。
【0046】この3層構造の積層シートを155℃に加
熱した後、テンター延伸機を用いて横方向に8倍延伸し
た。次いで、春日電機(株)製の放電処理機を用いて5
0W/m・分のコロナ処理を行った。この延伸フイル
ムの各層([ロ]/[イ]/[ロ])の厚みは20μm
/40μm/20μm、密度は0.8g/cm、空孔
率は34%であった。次いで、得られた延伸フイルムの
表面を実施例1と同様の方法でエンボス加工した。
【0047】(実施例4〜6)以下の表に記載される配
合量と無機微粒子の粒径に変更して実施例1と同じ方法
で延伸フイルムとエンボス加工した延伸フイルムを製造
した。
【表2】
【0048】(比較例1)ポリオレフィン樹脂(a)7
0重量%に平均粒子径1.8μmの無機微粒子30重量
%を配合して配合物[イ]を調製した。これとは別に、
ポリオレフィン樹脂(e)52重量%に、平均粒子径
1.8μmの無機微粒子48重量%を配合して配合物
[ロ]を調製した。配合物[イ]と配合物[ロ]を25
0℃に設定した別々の押出機にて溶融混練し、配合物
[イ]の両面に配合物[ロ]がダイ内で積層されるよう
にして押出成形を行い、冷却装置にて70℃まで冷却す
ることによって無延伸シートを得た。このシートを15
0℃に加熱した後、縦方向に5倍延伸した。
【0049】次いで、得られたフイルムの両面に春日電
機(株)製の放電処理機を用いて50W/m・分のコ
ロナ処理を行って3層構造の延伸フイルムを得た。この
延伸フイルムの各層([ロ]/[イ]/[ロ])の厚み
は、15μm/50μm/15μm、密度は1.15g
/cm、空孔率は4%であった。次いで、得られた延
伸フイルムの表面を実施例1と同様の方法でエンボス加
工した。
【0050】(比較例2)ポリオレフィン樹脂(a)3
5重量%、エラストマー33重量%および相溶化剤2重
量%の混合物に、平均粒子径1.8μmの無機微粒子3
0重量%を配合して配合物[イ]を調製した。これとは
別に、ポリオレフィン樹脂(b)40重量%、エラスト
マー10重量%および相溶化剤2重量%の混合物に、平
均粒子径1.2μmの無機微粒子48重量%を配合して
配合物[ロ]を調製した。配合物[イ]と配合物[ロ]
を250℃に設定した別々の押出機にて溶融混練し、配
合物[イ]の両面に配合物[ロ]がダイ内で積層される
ようにして押出成形を行い、冷却装置にて70℃まで冷
却することによって無延伸シートを得た。
【0051】次いで無延伸シートの両面に春日電機
(株)製の放電処理機を用いて、50W/m・分のコ
ロナ処理を行って3層構造の無延伸フイルムを得た。得
られたフイルムの各層([ロ]/[イ]/[ロ])の厚
みは15μm/50μm/15μm、密度は1.2g/
cm、空孔率は1%であった。さらに、得られた無延
伸フイルムの表面を実施例1と同様の方法でエンボス加
工した。
【0052】(比較例3)ポリオレフィン樹脂(a)7
0重量%に平均粒径1.8μmの無機微粒子30重量%
を配合して配合物[イ]を調製した。これとは別に、ポ
リオレフィン樹脂(e)52重量%に平均粒子径1.8
μmの無機微粒子48重量%を配合して配合物[ロ]を
調製した。配合物[イ]と配合物[ロ]を250℃に設
定した別々の押出機にて溶融混練し、配合物[イ]の両
面に配合物[ロ]がダイ内で積層されるようにして押出
成形を行い、冷却装置にて70℃まで冷却することによ
って無延伸シートを得た。
【0053】次いで無延伸シートの両面に春日電機
(株)製の放電処理機を用いて50W/m・分のコロ
ナ処理を行って3層構造の無延伸フイルムを得た。得ら
れたフイルムの各層([ロ]/[イ]/[ロ])の厚み
は15μm/55μm/15μm、密度は1.18g/
cm、空孔率は1%であった。さらに、得られた無延
伸フイルムの表面を実施例1と同様の方法でエンボス加
工した。
【0054】(試験例)実施例1〜6および比較例1〜
3で調製した各フイルムについて試験および評価を行っ
た。エンボス加工前の延伸または無延伸フイルムに対し
ては表面強度を試験した。また、エンボス加工を行った
フイルムに対してはエンボス加工性とインキ密着性を評
価した。
【0055】エンボス加工前の延伸または無延伸フイル
ムに対する表面強度は、以下の方法で試験した。延伸フ
イルムまたは無延伸フイルムの表面に粘着テープ(ニチ
バン(株)製、商品名:セロテープ)を貼り付け、十分
に押しつけた後、引張り試験機((株)島津製作所製、
商品名:オートグラフ)で1000mm/分の速度で粘
着テープを剥離した。剥離されたフイルムの表面状態を
下記の基準により判定した ◎:表面変化無し ○:極わずかに表面が毛羽立っているが、実用上問題は
ない △:表面の毛羽立ちが多く、実用上問題がある ×:フイルムの層内から剥離が起きており、実用上使用
できない
【0056】エンボス加工したフイルムのエンボス加工
性は下記の基準により肉眼で判定した。 ○:立体感があり且つシャープにエンボスされている △:ややシャープさに欠けるが立体感があり、実用上問
題はない ×:立体感もシャープさも欠けていてエンボスが浅く、
実用上使用できない
【0057】エンボス加工したフイルムのインキ密着性
は下記の方法により試験した。グラビヤ印刷されたフイ
ルムのインク表面に粘着テープ(ニチバン(株)製:商
品名:セロテープ)を貼り付け、十分に押しつけた後、
粘着テープを一定の速度および角度で引き剥がしインク
の取られ方を下記の基準により肉眼で判定した ◎:全くインクが剥がれない ○:フイルムの材料部分が破壊されているが、実用上問
題はない △:剥離するときの抵抗はあるがインクの殆どが剥がれ
て実用上問題がある X:剥離するときの抵抗がなく、インク全量が剥がれて
実用上使用できない
【0058】各試験結果を空孔率とともに以下の表にま
とめて示す。
【表3】
【0059】
【発明の効果】表3から明らかなように、本発明の熱可
塑性樹脂延伸フィルムは、表面強度が高く、エンボス加
工性に優れており、かつインキ密着性も良好である。し
たがって、本発明の熱可塑性樹脂延伸フイルムは建装材
をはじめとるする種々の用途に効果的に供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3/24 C08K 3/24 C08L 23/02 C08L 23/02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂40〜85重量%、および無
    機または有機微粒子60〜15重量%を含有する延伸フ
    イルム基材層(A)の少なくとも片面上に、 熱可塑性樹脂30〜90重量%、および前記延伸フイル
    ム基材層(A)の無機または有機微粒子よりも平均粒子
    径が小さい無機または有機微粒子70〜10重量%を含
    有する延伸フイルム表面層(B)を有しており、かつ、 式(1)で計算される空孔率が5%以上であることを特
    徴とする熱可塑性樹脂延伸フイルム。 【数1】 ρ0・・・・・熱可塑性樹脂延伸フイルムの真密度 ρ1・・・・・熱可塑性樹脂延伸フイルムの密度
  2. 【請求項2】前記空孔率が5〜60%の範囲内であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂延伸フイ
    ルム。
  3. 【請求項3】前記延伸フイルム基材層(A)の無機また
    は有機微粒子の平均粒子径が0.6〜3μmの範囲内で
    あり、前記延伸フイルム表面層(B)の無機または有機
    微粒子の平均粒子径が0.1〜2μmの範囲内であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂
    延伸フイルム。
  4. 【請求項4】前記延伸フイルム基材層(A)および前記
    延伸フイルム表面層(B)の熱可塑性樹脂が、熱可塑性
    非エラストマーと熱可塑性エラストマーとの混合物であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱
    可塑性樹脂延伸フイルム。
  5. 【請求項5】前記延伸フイルム基材層(A)および前記
    延伸フイルム表面層(B)の熱可塑性樹脂が、ポリオレ
    フィン樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、また
    はポリオレフィン樹脂とオレフィン系熱可塑性エラスト
    マーとの混合物であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の熱可塑性樹脂延伸フイルム。
  6. 【請求項6】前記混合物が、ポリオレフィン樹脂100
    重量部に対して、オレフィン系熱可塑性エラストマーを
    5〜100重量部含有することを特徴とする請求項5に
    記載の熱可塑性樹脂延伸フイルム。
  7. 【請求項7】前記延伸フイルム表面層(B)にエンボス
    加工が施されていることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載の熱可塑性樹脂延伸フイルム。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性
    樹脂延伸フイルムを使用した建築装飾材。
  9. 【請求項9】熱可塑性樹脂40〜85重量%、および無
    機または有機微粒子60〜15重量%を含有するフイル
    ム基材層(A)の少なくとも片面上に、 熱可塑性樹脂30〜90重量%、および前記フイルム基
    材層(A)の無機または有機微粒子よりも平均粒子径が
    小さい無機または有機微粒子70〜10重量%を含有す
    るフイルム表面層(B)を積層した後に、 得られた積層体を延伸する工程を有することを特徴とす
    る請求項1に記載の熱可塑性樹脂延伸フイルムの製造方
    法。
  10. 【請求項10】前記積層を行う前にあらかじめフイルム
    基材層(A)を延伸しておく工程をさらに有することを
    特徴とする請求項9の製造方法。
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