JPH11320587A - プレス成形方法とプレス成形装置 - Google Patents

プレス成形方法とプレス成形装置

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JPH11320587A
JPH11320587A JP15053998A JP15053998A JPH11320587A JP H11320587 A JPH11320587 A JP H11320587A JP 15053998 A JP15053998 A JP 15053998A JP 15053998 A JP15053998 A JP 15053998A JP H11320587 A JPH11320587 A JP H11320587A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の形状の成形室に、理想的な状態で未硬
化のペーストを分散する。 【解決手段】 プレス成形方法は、一対の金型1の成形
室2に未硬化のペーストを充填し、金型1を型締めして
成形室2で所定の形状に成形した後、金型1を開いて成
形品を脱型する。プレス成形方法は、一対の金型1を相
対的に傾斜させることにより、成形室2の全体に均一に
未硬化のペーストPを分散させ、その後に金型1を型締
めして成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融したプラスチ
ック、未硬化のゴム、セメントモルタル等の未硬化のペ
ーストを金型に注入してプレス成形する方法と装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】溶融したプラスチックを金型に注入した
後、プレスして成形する、プレス成形方法の概略工程を
図1に示す。この成形方法は、以下の工程でプラスチッ
クを成形する。 プラスチックを加熱溶融させて、未硬化のペースト
である溶融プラスチックとし、これを金型1の成形室2
に注入する。 金型1を型締めして、未硬化のペーストPを成形室
2で加圧して成形する。 金型1を型締め状態に保持して、未硬化のペースト
Pを冷却する。 金型1を開いて、冷却して硬化したプラスチック成
形品Sを取り出す。
【0003】以上の工程で成形するプレス成形方法は、
型締めした金型に溶融プラスチックを圧入する射出成形
に比較して、低コストにプラスチックを成形できる。そ
れは、射出成形に比較して、金型に注入される溶融プラ
スチックの射出圧を相当に低くできるからである。とく
に、射出圧を低くできることから、大きなプラスチック
製品の成形に適している。さらに、この方法は、ゴム、
モルタル、コンクリート等の成形にも使用できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のプレス成形方法
は、未硬化のペーストである溶融プラスチックを注入す
るときに、金型を平行移動させて成形室を広くする。未
硬化のペーストをスムーズに成形室に注入させるためで
ある。図1の装置は、成形室2に未硬化のペーストPを
注入した後、上の金型1を平行に降下させて型締めし、
成形室2で未硬化のペーストPを成形する。このとき、
成形室2の全体に均一に未硬化のペーストPを充填でき
るように、未硬化のペーストPの流動バランスを考慮し
て金型1を設計する必要がある。しかしながら、実際に
は、種々の形状をしている成形室に、常に理想的な状態
で未硬化のペーストを注入するのは難しい。とくに、大
きな成形室や長い成形室の全体に、均一に未硬化のペー
ストを注入するは極めて難しい。未硬化のペーストを成
形室に均一に充填しないで無理に型締めすると、部分的
に充填不足となり、また、充填過多な状態となり、残留
応力等が原因で反りや引けの原因となる。
【0005】成形室に注入する未硬化のペーストの流動
バランスを良くするために、成形室に注入されるペース
ト圧を検出し、このペースト圧で注入速度を制御する方
法が開発されている。しかしながら、この方法によって
も、種々の形状の成形室に理想的な状態で未硬化のペー
ストを注入することはできない。
【0006】さらに、特開平5−301256号公報に
記載されるように、成形室に溶融プラスチックを注入す
るためのゲートノズルを改良した技術も開発されてい
る。このゲートノズルは、成形室に注入する溶融プラス
チックを、ゲートから周囲に分散させる構造としてい
る。この構造によっても、種々の形状の成形室に、理想
的な状態で均一に溶融プラスチックを注入するのは極め
て難しい。
【0007】本発明は、このような欠点を解決すること
を目的に開発されたものである。本発明の重要な目的
は、種々の形状の成形室に、理想的な状態で未硬化のペ
ーストを分散できるプレス成形方法とプレス成形装置と
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のプレス成形方法
は、一対の金型1の成形室2に未硬化のペーストを充填
し、金型1を型締めして成形室2で所定の形状に成形し
て硬化させた後、金型1を開いて成形品を脱型するプレ
ス成形方法を改良したものである。本発明の請求項1の
プレス成形方法は、一対の金型1を相対的に傾斜させる
ことによって、成形室2の全体に均一に未硬化のペース
トPを分散させ、その後に型締めして成形することを特
徴としている。
【0009】本発明の請求項2のプレス成形方法は、未
硬化のペーストPを成形室2に注入するときに、一対の
金型1を相対的に傾斜させて、未硬化のペーストPを成
形室2に均一に分散させた後、金型1を型締めする。
【0010】本発明の請求項3のプレス成形方法は、未
硬化のペーストPを成形室2に注入した後、一対の金型
1を相対的に傾斜させて、未硬化のペーストPを成形室
2に均一に分散させた後に金型1を型締めする。
【0011】本発明の請求項4のプレス成形装置は、一
対の金型1と、この金型1を型締めする型締シリンダー
3と、金型1の成形室2に未硬化のペーストを注入する
注入装置4とを備える。このプレス成形装置は、注入装
置4で金型1の成形室2に未硬化のペーストPを注入
し、未硬化のペーストPの注入された金型1を型締シリ
ンダー3で型締めして成形する。さらに、このプレス成
形装置は、型締シリンダー3を、金型1を傾斜する姿勢
でプレスできるように連結している。金型1が傾斜され
ることよって、金型1の成形室2に注入される未硬化の
ペーストPを均一に分散させるように構成している。
【0012】本発明の請求項5のプレス成形装置は、一
対の金型1のプレス方向の位置を検出する位置センサー
10を備える。この位置センサー10の信号で、複数の
型締シリンダー3を制御して、金型1を所定の位置に傾
斜させる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するためのプレス成形方法とプレス
成形装置を例示するものであって、本発明は方法と装置
を下記のものに特定しない。
【0014】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0015】図2に示すプレス成形装置は、上金型1A
と下金型1Bからなる一対の金型1と、この金型1を型
締めする型締シリンダー3と、この型締シリンダー3に
加圧された油圧を供給する油圧装置5と、金型1の成形
室2に未硬化のペーストを注入する注入装置4とを備え
る。未硬化のペーストは、加熱して溶融されたプラスチ
ックである。ただ、本発明は、未硬化のペーストを溶融
プラスチックに特定しない。未硬化のペーストには、未
硬化のゴム、セメント、モルタルのように、未硬化の状
態でペースト状をしていて硬化するものを全て使用でき
る。
【0016】金型1は、直接に型締シリンダー3で押圧
して型締めすることもできるが、図に示す装置は、上金
型1Aをスライドフレーム6に、下金型1Bを固定フレ
ーム7に連結して、スライドフレーム6と固定フレーム
7を介して型締めしている。
【0017】上金型1Aと下金型1Bからなる一対の金
型1は、成形室2を設けている。成形室2は、上金型1
Aの下面と、下金型1Bの上面との間に設けている。上
金型1Aと下金型1Bは、型締めしない状態、いいかえ
ると、上金型1Aを型締め位置から多少上昇させた状態
で、成形室2に注入される未硬化のペーストPを外部に
漏らさない構造としている。このため、上金型1Aの成
形室2の内面に、下金型1Bの周縁を隙間なく摺動させ
る構造としている。ただ、上金型1Aと下金型1Bの摺
動面は、成形室2に未硬化のペーストPを注入すると
き、さらに、型締めするときに内部の空気を排出できる
隙間に設計される。
【0018】図の金型1は、下金型1Bの中心に、未硬
化のペーストPを注入する供給口8を開口している。下
金型1Bは、供給口8を固定フレーム7の樹脂孔9に連
結するように、固定フレーム7に固定される。
【0019】スライドフレーム6は、下面に上金型1A
を固定し、上面に型締シリンダー3の下端を連結してい
る。スライドフレーム6は、図3の平面図に示すよう
に、4本の型締シリンダー3をバランスして上面に連結
している。型締シリンダー3は必ずしも4本設ける必要
はない。2本の型締シリンダーでスライドフレームを押
圧することもできるからである。ただ、1本の型締シリ
ンダーでは、スライドフレームを所定の角度に傾斜させ
る状態で支持し、あるいは押圧できないので、スライド
フレーム6には、少なくとも2本、すなわち、複数の型
締シリンダー3を連結する。型締シリンダー3の上端
は、図示しないが、プレス成形装置の本体フレームに連
結される。
【0020】固定フレーム7は、本体フレームに水平に
固定される。この固定フレーム7は、樹脂孔9を注入装
置4に連結している。
【0021】油圧装置5は、スライドフレーム6を介し
て上金型1Aの位置を検出する位置センサー10と、こ
の位置センサー10の信号で、型締シリンダー3のバッ
クプレッシャーや押圧プレッシャーを制御する制御回路
11と、制御回路11に制御される制御弁12と、制御
弁12に所定の圧力の油圧を供給する油圧ポンプ13と
を備える。図の油圧装置5は、制御弁12にサーボ弁を
使用して、型締シリンダー3の圧力を制御しているが、
制御弁12には、サーボ弁に代わって、高速オンオフ
弁、電磁比例弁、コントロール弁等も使用できる。
【0022】位置センサー10は、図3の実線で示すよ
うに、スライドフレーム6の四隅に配設され、あるい
は、鎖線で示すように、両端に配設される。四隅に配設
される4組の位置センサー10は、図3において、スラ
イドフレーム6の上下左右の傾き、すなわち、スライド
フレーム6の水平姿勢を立体的に検出できる。両端に配
設される2組の位置センサー10は、図2においてスラ
イドフレーム6の左右の傾斜のみを検出する。
【0023】位置センサー10は、上金型1Aと下金型
1Bの相対的な傾斜を検出する。図の位置センサー10
は、スライドフレーム6を介して、上金型1Aの傾きを
検出する。位置センサー10は、直接に上金型1Aの傾
きを検出することもできる。また、上金型1Aと下金型
1Bの相対的な傾きを検出することもできる。位置セン
サー10は、好ましくは、図3の実線で示すように、ス
ライドフレーム6の四隅に配設して、上金型1Aと下金
型1Bの、x軸方向とy軸方向の傾きを検出する。鎖線
で示すように、スライドフレーム6の両端に設けた位置
センサー10は、スライドフレーム6のx軸方向の傾き
を検出できるが、y軸方向の傾きは検出できない。
【0024】本発明のプレス成形装置は、必ずしも上金
型1Aと下金型1Bの、x軸方向とy軸方向の傾きを検
出する必要はない。たとえば、図3においてx軸を中心
線として対称な成形室2の金型1は、x軸方向の傾きの
みを制御して、成形室2に均一に未硬化のペーストPを
充填できるからである。
【0025】位置センサー10は、スライドフレーム6
や上金型1A等の位置の移動を検出できる全てのもの、
たとえば、マグネスケール(登録商標)等が使用でき
る。
【0026】制御回路11は、未硬化のペーストPを成
形室2に注入するとき、あるいは、成形室2に未硬化の
ペーストPを注入した後、スライドフレーム6を介して
上金型1Aをあらかじめ設定された角度に傾斜させるよ
うに、制御弁12を切り換える。
【0027】制御回路11は、未硬化のペーストPがよ
り多く供給される部分で、上金型1Aと下金型1Bの間
隔が狭くなり、未硬化のペーストPが注入され難い部分
で上金型1Aと下金型1Bの間隔が広くなるように、制
御弁12を介して型締シリンダー3の押圧力を制御す
る。
【0028】図の制御弁12は、プランジャー12Aの
A、B、C位置が、型締シリンダー3に連結される。プ
ランジャー12AのA位置が型締シリンダー3に連結さ
れるとき、型締シリンダー3は油タンク14に連結され
て、型締シリンダー3のバックプレッシャを少なくす
る。したがって、プランジャー12Aがこの位置にある
とき、成形室2に注入される未硬化のペーストPでスラ
イドフレーム6が押し上げられる。プランジャー12A
のB位置が型締シリンダー3に連結されるとき、型締シ
リンダー3は移動せず、スライドフレーム6の上昇が停
止される。さらに、プランジャー12AのC位置が型締
シリンダー3に連結されるとき、型締シリンダー3は油
圧ポンプ13に連結されて、押し下げられる。
【0029】したがって、図の制御弁12は、成形室2
に注入される未硬化のペーストPでスライドフレーム6
と上金型1Aとを上昇させるとき、プランジャー12A
をA位置に切り換える。スライドフレーム6と上金型1
Aとを停止させるとき、プランジャー12AをB位置に
切り換える。スライドフレーム6と上金型1Aとを降下
させて、成形室2の未硬化のペーストPをプレスすると
き、プランジャー12AをC位置に切り換える。したが
って、制御回路11で、プランジャー12Aの位置を
A、B、C位置に切り換えて型締シリンダー3を制御
し、型締シリンダー3でスライドフレーム6と上金型1
Aとの上下位置を制御する。
【0030】注入装置4は、プラスチックを加熱して溶
融状態とした未硬化のペーストを、成形室2に注入す
る。図の注入装置4は、溶融プラスチックを注入する装
置を示す。この注入装置4は、シリンダー15をヒータ
(図示せず)で加熱して、プラスチックを溶融し、シリ
ンダー15内に配設しているスクリュー16で未硬化の
ペーストPを押し出して、定量の未硬化のペーストPを
成形室2に注入する。ただ、注入装置は、シリンダー内
にプランジャーを配設して、定量の未硬化のペーストを
押し出すこともできる。加熱しないで未硬化のペースト
となる、セメントやモルタルの注入装置は、加熱する機
構を必要としない。
【0031】図4と図5は、他の実施例のプレス成形装
置を示す。これ等の図に示すプレス成形装置は、固定フ
レーム7を介することなく、下金型1Bに注入装置4を
連結している。さらに、この図の装置は、成形品を脱型
するときに、金型1を引き上げる型開きシリンダー17
を、スライドフレーム6の上面に連結している。この装
置は、型締シリンダー3で上金型1Aを持ち上げて、金
型1を開く必要がない。図2に示す装置は、型締シリン
ダー3でスライドフレーム6を持ち上げて成形室2を開
いて脱型する。
【0032】さらに、これ等の図に示す装置は、下金型
1Bに設けた未硬化のペーストを注入するための供給口
8に開閉弁18を設けている。開閉弁18は、下金型1
Bに設けた開閉シリンダー19で弁体を上下に移動させ
て、供給口8を開閉する。開閉弁18が開かれると、未
硬化のペーストPが成形室2に注入され、開閉弁18が
閉じられると、未硬化のペーストPの供給は停止する。
【0033】以上のプレス成形装置は、以下の工程で未
硬化のペーストを成形する。 注入装置4で、未硬化のペーストPを金型1の成形
室2に注入する。成形室2に注入される未硬化のペース
トPは、上金型1Aを浮動させる。このとき、上金型1
Aの上昇を、型締シリンダー3で制御して、上金型1A
をあらかじめ定められた傾きに制御して浮動させ、未硬
化のペーストPの流動を制御しながら成形室2に均一に
充填する。型締シリンダー3は、制御弁12でバックプ
レッシャーが制御されて、上金型1Aを定められた傾き
となるように制御する。上金型1Aの傾きは、位置セン
サー10で検出される。したがって、制御回路11は、
位置センサー10から入力される信号で制御弁12を制
御し、型締シリンダー3で上金型1Aを決められた傾き
に制御する。
【0034】制御弁12は、プランジャー12AのB位
置を型締シリンダー3に連結すると、型締シリンダー3
のバックプレッシャーを高くして、上金型1Aの上昇を
阻止する。プランジャー12AのA位置が型締シリンダ
ー3に連結されると、バックプレッシャーが低下して、
上金型1Aが上昇される。したがって、制御弁12は、
プランジャー12AのAまたはB位置を型締シリンダー
3に連結して、上金型1Aの上昇を制御できる。制御弁
12は、制御回路11に制御されて、プランジャー12
Aの位置を切り換える。
【0035】上金型1Aの傾きは、型締シリンダー3に
代わって、複数の型開きシリンダー17で制御すること
もできる。型開きシリンダー17は、型締シリンダー3
と同じように制御されて、上金型1Aの傾きを制御す
る。
【0036】以上の装置は、注入される未硬化のペース
トPで上昇される上金型1Aの浮動を、型締シリンダー
3のバックプレッシャーで制御して、上金型1Aの傾き
を調整する。上金型1Aは、未硬化のペーストPを成形
室2に注入した後、設定された傾きとなるように微速で
降下させて、成形室2に均一に未硬化のペーストPを注
入することもできる。この方法は、型締シリンダー3に
供給する油圧を制御弁12で制御して、上金型1Aを降
下させる。制御弁12は、プランジャー12AのC位置
を型締シリンダー3に連結するときに、上金型1Aを降
下させる。プランジャー12AのB位置を型締シリンダ
ー3に連結すると、上金型1Aの降下は停止される。し
たがって、制御弁12は、プランジャー12AをC位置
とB位置に切り換えて、上金型1Aの降下を制御でき
る。各型締シリンダー3に連結している制御弁12で、
上金型1Aの降下を制御して、上金型1Aを所定の傾き
で降下できる。上金型1Aを降下させるとき、型締シリ
ンダー3の型開き側の圧力、図2においてピストンの下
方のシリンダー内の圧力を一定に制御して、上金型1A
を降下させることにより、上金型1Aをより正確な傾き
角に制御して降下できる。
【0037】 成形室2に均一に未硬化のペーストP
を分散して注入した後、型締シリンダー3で金型1を型
締めして、未硬化のペーストPを成形室2で加圧して成
形する。金型1を型締めするとき、制御弁12はプラン
ジャー12AのC位置を型締シリンダー3に連結する。
【0038】 金型1を型締め状態に保持して、未硬
化のペーストPを硬化させ、その後、金型1を開いて、
硬化したプラスチック等の成形品を取り出す。
【0039】以上のプレス成形方法とプレス成形装置
は、上金型1Aを下金型1Bに対して傾斜させて、成形
室2に均一に未硬化のペーストPを注入する。図示しな
いが、下金型を上金型に対して傾斜させて、未硬化のペ
ーストを成形室に均一に注入することもできる。さら
に、上金型と下金型の両方を傾斜させて、両金型の相対
的な傾斜角を制御して、未硬化のペーストを成形室に均
一に注入することもできる。
【0040】さらに、以上のプレス成形方法とプレス成
形装置は、シリンダーで金型1の傾きを制御している
が、金型1の傾きは、シリンダーに代わって、図6と図
7に示すように、カム20やクランク21で制御するこ
ともできる。図6と図7のプレス成形装置は、カム20
やクランク21の回転角をサーボモーターで制御して、
上金型1Aの傾きを制御する。
【0041】
【発明の効果】本発明のプレス成形方法とプレス成形装
置は、種々の形状の成形室に、理想的な状態で未硬化の
ペーストを分散できる特長がある。それは、本発明のプ
レス成形方法とプレス成形装置が、一対の金型の成形室
に注入される未硬化のペーストを、金型を相対的に傾斜
させることよって、均一に分散させているからである。
相対的に傾斜する金型は、未硬化のペーストを成形室に
注入するとき、あるいは、成形室に未硬化のペーストを
注入した後に傾斜させることによって、注入される未硬
化のペーストを、成形室内で斑なく均一に分散させるこ
とができる。したがって、本発明の成形方法と装置は、
種々の形状の成形室においても、全体に均一に未硬化の
ペーストを注入して、部分的な充填不足や充填過多な状
態を有効に防止し、高品質なプラスチック成形品の製造
が実現できる。
【0042】さらに、請求項5のプレス成形装置は、一
対の金型のプレス方向の位置を検出する位置センサーを
備え、この位置センサーの信号で複数の型締シリンダー
を制御して、金型を所定の位置に傾斜させている。した
がって、金型の相対的な傾きを位置センサーで正確に検
出して、複数の型締シリンダーをより正確に制御して、
金型を理想の状態に傾斜できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のプレス成形方法を示す概略工程図
【図2】本発明の実施例のプレス成形装置の概略断面図
【図3】図2に示すプレス成形装置の平面図
【図4】本発明の他の実施例のプレス成形装置の一部断
面正面図
【図5】図5に示すプレス成形装置の平面図
【図6】金型の傾きを制御する機構の他の一例を示す一
部断面正面図
【図7】金型の傾きを制御する機構の他の一例を示す一
部断面正面図
【符号の説明】
1…金型 1A…上金型 1B…
下金型 2…成形室 3…型締シリンダー 4…注入装置 5…油圧装置 6…スライドフレーム 7…固定フレーム 8…供給口 9…樹脂孔 10…位置センサー 11…制御回路 12…制御弁 12A…プランジャー 13…油圧ポンプ 14…油タンク 15…シリンダー 16…スクリュー 17…型開きシリンダー 18…開閉弁 19…開閉シリンダー 20…カム 21…クランク P…未硬化のペースト S…プラスチック成形品
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 プレス成形方法とプレス成形装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融したプラスチ
ック、未硬化のゴム、セメントモルタル等の未硬化のペ
ーストを金型に注入してプレス成形する方法と装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】溶融したプラスチックを金型に注入した
後、プレスして成形する、プレス成形方法の概略工程を
図1に示す。この成形方法は、以下の工程でプラスチッ
クを成形する。 プラスチックを加熱溶融させて、未硬化のペースト
である溶融プラスチックとし、これを金型1の成形室2
に注入する。 金型1を型締めして、未硬化のペーストPを成形室
2で加圧して成形する。 金型1を型締め状態に保持して、未硬化のペースト
Pを冷却する。 金型1を開いて、冷却して硬化したプラスチック成
形品Sを取り出す。
【0003】以上の工程で成形するプレス成形方法は、
型締めした金型に溶融プラスチックを圧入する射出成形
に比較して、低コストにプラスチックを成形できる。そ
れは、射出成形に比較して、金型に注入される溶融プラ
スチックの射出圧を相当に低くできるからである。とく
に、射出圧を低くできることから、大きなプラスチック
製品の成形に適している。さらに、この方法は、ゴム、
モルタル、コンクリート等の成形にも使用できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のプレス成形方法
は、未硬化のペーストである溶融プラスチックを注入す
るときに、金型を平行移動させて成形室を広くする。未
硬化のペーストをスムーズに成形室に注入させるためで
ある。図1の装置は、成形室2に未硬化のペーストPを
注入した後、上の金型1を平行に降下させて型締めし、
成形室2で未硬化のペーストPを成形する。このとき、
成形室2の全体に均一に未硬化のペーストPを充填でき
るように、未硬化のペーストPの流動バランスを考慮し
て金型1を設計する必要がある。しかしながら、実際に
は、種々の形状をしている成形室に、常に理想的な状態
で未硬化のペーストを注入するのは難しい。とくに、大
きな成形室や長い成形室の全体に、均一に未硬化のペー
ストを注入するは極めて難しい。未硬化のペーストを成
形室に均一に充填しないで無理に型締めすると、部分的
に充填不足となり、また、充填過多な状態となり、残留
応力等が原因で反りや引けの原因となる。
【0005】成形室に注入する未硬化のペーストの流動
バランスを良くするために、成形室に注入されるペース
ト圧を検出し、このペースト圧で注入速度を制御する方
法が開発されている。しかしながら、この方法によって
も、種々の形状の成形室に理想的な状態で未硬化のペー
ストを注入することはできない。
【0006】さらに、特開平5−301256号公報に
記載されるように、成形室に溶融プラスチックを注入す
るためのゲートノズルを改良した技術も開発されてい
る。このゲートノズルは、成形室に注入する溶融プラス
チックを、ゲートから周囲に分散させる構造としてい
る。この構造によっても、種々の形状の成形室に、理想
的な状態で均一に溶融プラスチックを注入するのは極め
て難しい。
【0007】本発明は、このような欠点を解決すること
を目的に開発されたものである。本発明の重要な目的
は、種々の形状の成形室に、理想的な状態で未硬化のペ
ーストを分散できるプレス成形方法とプレス成形装置と
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のプレス成形方法
は、一対の金型1の成形室2に未硬化のペーストを充填
し、金型1を型締シリンダー3で型締めして成形室2で
所定の形状に成形して硬化させた後、金型1を開いて成
形品を脱型するプレス成形方法を改良したものである。
本発明の請求項1のプレス成形方法は、一対の金型1を
相対的に傾斜させることによって、成形室2の全体に均
一に未硬化のペーストPを分散させ、その後に型締めし
て成形する。
【0009】さらに、本発明の請求項1のプレス成形方
法は、成形室2に注入される未硬化のペーストPで、上
金型1Aを浮動させると共に、未硬化のペーストPを注
入するときに、上金型1Aを引き上げて金型1を開く型
開きシリンダー17、または型締シリンダー3のバック
プレッシャーを、制御弁12で制御して上金型1Aの上
昇を制御して、上金型1Aをあらかじめ定められた傾き
に制御させながら浮動させて、未硬化のペーストPの流
動を制御して、成形室2に均一に充填する。
【0010】本発明の請求項のプレス成形装置は、一
対の金型1と、この金型1を型締めする型締シリンダー
3と、金型1の成形室2に未硬化のペーストを注入する
注入装置4とを備える。このプレス成形装置は、注入装
置4で金型1の成形室2に未硬化のペーストPを注入
し、未硬化のペーストPの注入された金型1を型締シリ
ンダー3で型締めして成形する。さらに、このプレス成
形装置は、型締シリンダー3を、金型1を傾斜する姿勢
でプレスできるように連結している。
【0011】さらにまた、本発明のプレス成形装置は、
成形室2に注入される未硬化のペーストPで、上金型1
Aを浮動させると共に、未硬化のペーストPを注入して
上昇させる上金型1Aの上昇を、制御弁12でもって、
上金型1Aを引き上げて金型1を開く型開きシリンダー
17または型締シリンダー3のバックプレッシャーで制
御して、上金型1Aをあらかじめ定められた傾きに制御
させながら浮動させて、未硬化のペーストPの流動を制
御しながら成形室2に均一に分散して充填する。
【0012】本発明の請求項のプレス成形装置は、一
対の金型1のプレス方向の位置を検出する位置センサー
10を備える。この位置センサー10の信号で、複数の
型締シリンダー3のバックプレッシャーを制御して、金
型1を所定の位置に傾斜させる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するためのプレス成形方法とプレス
成形装置を例示するものであって、本発明は方法と装置
を下記のものに特定しない。
【0014】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0015】図2に示すプレス成形装置は、上金型1A
と下金型1Bからなる一対の金型1と、この金型1を型
締めする型締シリンダー3と、この型締シリンダー3に
加圧された油圧を供給する油圧装置5と、金型1の成形
室2に未硬化のペーストを注入する注入装置4とを備え
る。未硬化のペーストは、加熱して溶融されたプラスチ
ックである。ただ、本発明は、未硬化のペーストを溶融
プラスチックに特定しない。未硬化のペーストには、未
硬化のゴム、セメント、モルタルのように、未硬化の状
態でペースト状をしていて硬化するものを全て使用でき
る。
【0016】金型1は、直接に型締シリンダー3で押圧
して型締めすることもできるが、図に示す装置は、上金
型1Aをスライドフレーム6に、下金型1Bを固定フレ
ーム7に連結して、スライドフレーム6と固定フレーム
7を介して型締めしている。
【0017】上金型1Aと下金型1Bからなる一対の金
型1は、成形室2を設けている。成形室2は、上金型1
Aの下面と、下金型1Bの上面との間に設けている。上
金型1Aと下金型1Bは、型締めしない状態、いいかえ
ると、上金型1Aを型締め位置から多少上昇させた状態
で、成形室2に注入される未硬化のペーストPを外部に
漏らさない構造としている。このため、上金型1Aの成
形室2の内面に、下金型1Bの周縁を隙間なく摺動させ
る構造としている。ただ、上金型1Aと下金型1Bの摺
動面は、成形室2に未硬化のペーストPを注入すると
き、さらに、型締めするときに内部の空気を排出できる
隙間に設計される。
【0018】図の金型1は、下金型1Bの中心に、未硬
化のペーストPを注入する供給口8を開口している。下
金型1Bは、供給口8を固定フレーム7の樹脂孔9に連
結するように、固定フレーム7に固定される。
【0019】スライドフレーム6は、下面に上金型1A
を固定し、上面に型締シリンダー3の下端を連結してい
る。スライドフレーム6は、図3の平面図に示すよう
に、4本の型締シリンダー3をバランスして上面に連結
している。型締シリンダー3は必ずしも4本設ける必要
はない。2本の型締シリンダーでスライドフレームを押
圧することもできるからである。ただ、1本の型締シリ
ンダーでは、スライドフレームを所定の角度に傾斜させ
る状態で支持し、あるいは押圧できないので、スライド
フレーム6には、少なくとも2本、すなわち、複数の型
締シリンダー3を連結する。型締シリンダー3の上端
は、図示しないが、プレス成形装置の本体フレームに連
結される。
【0020】固定フレーム7は、本体フレームに水平に
固定される。この固定フレーム7は、樹脂孔9を注入装
置4に連結している。
【0021】油圧装置5は、スライドフレーム6を介し
て上金型1Aの位置を検出する位置センサー10と、こ
の位置センサー10の信号で、型締シリンダー3のバッ
クプレッシャーや押圧プレッシャーを制御する制御回路
11と、制御回路11に制御される制御弁12と、制御
弁12に所定の圧力の油圧を供給する油圧ポンプ13と
を備える。図の油圧装置5は、制御弁12にサーボ弁を
使用して、型締シリンダー3の圧力を制御しているが、
制御弁12には、サーボ弁に代わって、高速オンオフ
弁、電磁比例弁、コントロール弁等も使用できる。
【0022】位置センサー10は、図3の実線で示すよ
うに、スライドフレーム6の四隅に配設され、あるい
は、鎖線で示すように、両端に配設される。四隅に配設
される4組の位置センサー10は、図3において、スラ
イドフレーム6の上下左右の傾き、すなわち、スライド
フレーム6の水平姿勢を立体的に検出できる。両端に配
設される2組の位置センサー10は、図2においてスラ
イドフレーム6の左右の傾斜のみを検出する。
【0023】位置センサー10は、上金型1Aと下金型
1Bの相対的な傾斜を検出する。図の位置センサー10
は、スライドフレーム6を介して、上金型1Aの傾きを
検出する。位置センサー10は、直接に上金型1Aの傾
きを検出することもできる。また、上金型1Aと下金型
1Bの相対的な傾きを検出することもできる。位置セン
サー10は、好ましくは、図3の実線で示すように、ス
ライドフレーム6の四隅に配設して、上金型1Aと下金
型1Bの、x軸方向とy軸方向の傾きを検出する。鎖線
で示すように、スライドフレーム6の両端に設けた位置
センサー10は、スライドフレーム6のx軸方向の傾き
を検出できるが、y軸方向の傾きは検出できない。
【0024】本発明のプレス成形装置は、必ずしも上金
型1Aと下金型1Bの、x軸方向とy軸方向の傾きを検
出する必要はない。たとえば、図3においてx軸を中心
線として対称な成形室2の金型1は、x軸方向の傾きの
みを制御して、成形室2に均一に未硬化のペーストPを
充填できるからである。
【0025】位置センサー10は、スライドフレーム6
や上金型1A等の位置の移動を検出できる全てのもの、
たとえば、マグネスケール(登録商標)等が使用でき
る。
【0026】制御回路11は、未硬化のペーストPを成
形室2に注入するとき、あるいは、成形室2に未硬化の
ペーストPを注入した後、スライドフレーム6を介して
上金型1Aをあらかじめ設定された角度に傾斜させるよ
うに、制御弁12を切り換える。
【0027】制御回路11は、未硬化のペーストPがよ
り多く供給される部分で、上金型1Aと下金型1Bの間
隔が狭くなり、未硬化のペーストPが注入され難い部分
で上金型1Aと下金型1Bの間隔が広くなるように、制
御弁12を介して型締シリンダー3の押圧力を制御す
る。
【0028】図の制御弁12は、プランジャー12Aの
A、B、C位置が、型締シリンダー3に連結される。プ
ランジャー12AのA位置が型締シリンダー3に連結さ
れるとき、型締シリンダー3は油タンク14に連結され
て、型締シリンダー3のバックプレッシャを少なくす
る。したがって、プランジャー12Aがこの位置にある
とき、成形室2に注入される未硬化のペーストPでスラ
イドフレーム6が押し上げられる。プランジャー12A
のB位置が型締シリンダー3に連結されるとき、型締シ
リンダー3は移動せず、スライドフレーム6の上昇が停
止される。さらに、プランジャー12AのC位置が型締
シリンダー3に連結されるとき、型締シリンダー3は油
圧ポンプ13に連結されて、押し下げられる。
【0029】したがって、図の制御弁12は、成形室2
に注入される未硬化のペーストPでスライドフレーム6
と上金型1Aとを上昇させるとき、プランジャー12A
をA位置に切り換える。スライドフレーム6と上金型1
Aとを停止させるとき、プランジャー12AをB位置に
切り換える。スライドフレーム6と上金型1Aとを降下
させて、成形室2の未硬化のペーストPをプレスすると
き、プランジャー12AをC位置に切り換える。したが
って、制御回路11で、プランジャー12Aの位置を
A、B、C位置に切り換えて型締シリンダー3を制御
し、型締シリンダー3でスライドフレーム6と上金型1
Aとの上下位置を制御する。
【0030】注入装置4は、プラスチックを加熱して溶
融状態とした未硬化のペーストを、成形室2に注入す
る。図の注入装置4は、溶融プラスチックを注入する装
置を示す。この注入装置4は、シリンダー15をヒータ
(図示せず)で加熱して、プラスチックを溶融し、シリ
ンダー15内に配設しているスクリュー16で未硬化の
ペーストPを押し出して、定量の未硬化のペーストPを
成形室2に注入する。ただ、注入装置は、シリンダー内
にプランジャーを配設して、定量の未硬化のペーストを
押し出すこともできる。加熱しないで未硬化のペースト
となる、セメントやモルタルの注入装置は、加熱する機
構を必要としない。
【0031】図4と図5は、他の実施例のプレス成形装
置を示す。これ等の図に示すプレス成形装置は、固定フ
レーム7を介することなく、下金型1Bに注入装置4を
連結している。さらに、この図の装置は、成形品を脱型
するときに、金型1を引き上げる型開きシリンダー17
を、スライドフレーム6の上面に連結している。この装
置は、型締シリンダー3で上金型1Aを持ち上げて、金
型1を開く必要がない。図2に示す装置は、型締シリン
ダー3でスライドフレーム6を持ち上げて成形室2を開
いて脱型する。
【0032】さらに、これ等の図に示す装置は、下金型
1Bに設けた未硬化のペーストを注入するための供給口
8に開閉弁18を設けている。開閉弁18は、下金型1
Bに設けた開閉シリンダー19で弁体を上下に移動させ
て、供給口8を開閉する。開閉弁18が開かれると、未
硬化のペーストPが成形室2に注入され、開閉弁18が
閉じられると、未硬化のペーストPの供給は停止する。
【0033】以上のプレス成形装置は、以下の工程で未
硬化のペーストを成形する。 注入装置4で、未硬化のペーストPを金型1の成形
室2に注入する。成形室2に注入される未硬化のペース
トPは、上金型1Aを浮動させる。このとき、上金型1
Aの上昇を、型締シリンダー3で制御して、上金型1A
をあらかじめ定められた傾きに制御して浮動させ、未硬
化のペーストPの流動を制御しながら成形室2に均一に
充填する。型締シリンダー3は、制御弁12でバックプ
レッシャーが制御されて、上金型1Aを定められた傾き
となるように制御する。上金型1Aの傾きは、位置セン
サー10で検出される。したがって、制御回路11は、
位置センサー10から入力される信号で制御弁12を制
御し、型締シリンダー3で上金型1Aを決められた傾き
に制御する。
【0034】制御弁12は、プランジャー12AのB位
置を型締シリンダー3に連結すると、型締シリンダー3
のバックプレッシャーを高くして、上金型1Aの上昇を
阻止する。プランジャー12AのA位置が型締シリンダ
ー3に連結されると、バックプレッシャーが低下して、
上金型1Aが上昇される。したがって、制御弁12は、
プランジャー12AのAまたはB位置を型締シリンダー
3に連結して、上金型1Aの上昇を制御できる。制御弁
12は、制御回路11に制御されて、プランジャー12
Aの位置を切り換える。
【0035】上金型1Aの傾きは、型締シリンダー3に
代わって、複数の型開きシリンダー17で制御すること
もできる。型開きシリンダー17は、型締シリンダー3
と同じように制御されて、上金型1Aの傾きを制御す
る。
【0036】以上の装置は、注入される未硬化のペース
トPで上昇される上金型1Aの浮動を、型締シリンダー
3のバックプレッシャーで制御して、上金型1Aの傾き
を調整する。
【0037】 成形室2に均一に未硬化のペーストP
を分散して注入した後、型締シリンダー3で金型1を型
締めして、未硬化のペーストPを成形室2で加圧して成
形する。金型1を型締めするとき、制御弁12はプラン
ジャー12AのC位置を型締シリンダー3に連結する。
【0038】 金型1を型締め状態に保持して、未硬
化のペーストPを硬化させ、その後、金型1を開いて、
硬化したプラスチック等の成形品を取り出す。
【0039】以上のプレス成形方法とプレス成形装置
は、上金型1Aを下金型1Bに対して傾斜させて、成形
室2に均一に未硬化のペーストPを注入する。図示しな
いが、下金型を上金型に対して傾斜させて、未硬化のペ
ーストを成形室に均一に注入することもできる。さら
に、上金型と下金型の両方を傾斜させて、両金型の相対
的な傾斜角を制御して、未硬化のペーストを成形室に均
一に注入することもできる。
【0040】さらに、以上のプレス成形方法とプレス成
形装置は、シリンダーで金型1の傾きを制御している
が、金型1の傾きは、シリンダーに代わって、図6と図
7に示すように、カム20やクランク21で制御するこ
ともできる。図6と図7のプレス成形装置は、カム20
やクランク21の回転角をサーボモーターで制御して、
上金型1Aの傾きを制御する。
【0041】
【発明の効果】本発明のプレス成形方法とプレス成形装
置は、種々の形状の成形室に、理想的な状態で未硬化の
ペーストを分散できる特長がある。それは、本発明のプ
レス成形方法とプレス成形装置が、一対の金型の成形室
に注入される未硬化のペーストを、金型を相対的に傾斜
させることよって、均一に分散させているからである。
相対的に傾斜する金型は、未硬化のペーストを成形室に
注入するとき、あるいは、成形室に未硬化のペーストを
注入した後に傾斜させることによって、注入される未硬
化のペーストを、成形室内で斑なく均一に分散させるこ
とができる。したがって、本発明の成形方法と装置は、
種々の形状の成形室においても、全体に均一に未硬化の
ペーストを注入して、部分的な充填不足や充填過多な状
態を有効に防止し、高品質なプラスチック成形品の製造
が実現できる。
【0042】さらに、請求項5のプレス成形装置は、一
対の金型のプレス方向の位置を検出する位置センサーを
備え、この位置センサーの信号で複数の型締シリンダー
を制御して、金型を所定の位置に傾斜させている。した
がって、金型の相対的な傾きを位置センサーで正確に検
出して、複数の型締シリンダーをより正確に制御して、
金型を理想の状態に傾斜できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のプレス成形方法を示す概略工程図
【図2】本発明の実施例のプレス成形装置の概略断面図
【図3】図2に示すプレス成形装置の平面図
【図4】本発明の他の実施例のプレス成形装置の一部断
面正面図
【図5】図5に示すプレス成形装置の平面図
【図6】金型の傾きを制御する機構の他の一例を示す一
部断面正面図
【図7】金型の傾きを制御する機構の他の一例を示す一
部断面正面図
【符号の説明】 1…金型 1A…上金型 1B…
下金型 2…成形室 3…型締シリンダー 4…注入装置 5…油圧装置 6…スライドフレーム 7…固定フレーム 8…供給口 9…樹脂孔 10…位置センサー 11…制御回路 12…制御弁 12A…プランジャー 13…油圧ポンプ 14…油タンク 15…シリンダー 16…スクリュー 17…型開きシリンダー 18…開閉弁 19…開閉シリンダー 20…カム 21…クランク P…未硬化のペースト S…プラスチック成形品

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の金型(1)の成形室(2)に未硬化のペ
    ーストを充填し、金型(1)を型締めして未硬化のペース
    トを成形室(2)で所定の形状に成形して硬化させた後、
    金型(1)を開いて成形品を脱型するプレス成形方法にお
    いて、 一対の金型(1)を相対的に傾斜させることにより、成形
    室(2)の全体に均一に未硬化のペースト(P)を分散させ、
    その後に型締めして成形することを特徴とするプレス成
    形方法。
  2. 【請求項2】 未硬化のペースト(P)を成形室(2)に注入
    するときに、一対の金型(1)を相対的に傾斜させて、成
    形室(2)に均一に分散させた後、金型(1)を型締めする請
    求項1に記載されるプレス成形方法。
  3. 【請求項3】 未硬化のペースト(P)を成形室(2)に注入
    した後、一対の金型(1)を相対的に傾斜させて未硬化の
    ペースト(P)を成形室(2)に均一に分散させた後、金型
    (1)を型締めする請求項1に記載されるプレス成形方
    法。
  4. 【請求項4】 一対の金型(1)と、この金型(1)を型締め
    する型締シリンダー(3)と、金型(1)の成形室(2)に未硬
    化のペーストを注入する注入装置(4)とを備え、注入装
    置(4)で金型(1)の成形室(2)に未硬化のペースト(P)を注
    入し、未硬化のペースト(P)の注入された金型(1)を型締
    シリンダー(3)で型締めして未硬化のペーストを成形し
    て硬化させるように構成されてなるプレス成形装置にお
    いて、 型締シリンダー(3)を、金型(1)を傾斜する姿勢でプレス
    できるように連結しており、金型(1)を傾斜させること
    よって、金型(1)の成形室(2)に注入される未硬化のペー
    スト(P)を均一に分散させるように構成されてなるプレ
    ス成形装置。
  5. 【請求項5】 一対の金型(1)のプレス方向の位置を検
    出する位置センサー(10)を備え、この位置センサー(10)
    の信号で複数の型締シリンダー(3)を制御して、金型(1)
    を所定の位置に傾斜させる請求項4に記載されるプレス
    成形装置。
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