JPH11319850A - ホウ素含有水の処理方法 - Google Patents

ホウ素含有水の処理方法

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JPH11319850A
JPH11319850A JP12925498A JP12925498A JPH11319850A JP H11319850 A JPH11319850 A JP H11319850A JP 12925498 A JP12925498 A JP 12925498A JP 12925498 A JP12925498 A JP 12925498A JP H11319850 A JPH11319850 A JP H11319850A
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Akira Morita
彰 森田
Shoji Asahara
捷治 朝原
Fude Nishiyama
筆 西山
Kozo Shinba
浩三 榛葉
Yoshihiro Eto
良弘 恵藤
Hiroyuki Asada
裕之 朝田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン交換樹脂や薬剤の使用量を少なくし、
小形の装置を使用して高濃度ホウ素含有水および低濃度
ホウ素含有水からホウ素を効率よく高除去率で除去して
高水質の処理水を得ることができ、汚泥発生量も少なく
できるホウ素含有水の処理方法を得る。 【解決手段】 高濃度ホウ素含有水6と低濃度ホウ素含
有水13を区別し、高濃度ホウ素含有水を第1調整槽1
でpH調整して蒸発濃縮装置2で蒸発濃縮して凝縮水1
1と濃縮液12を得、第2調整槽3で凝縮水11と低濃
度ホウ素含有水を混合し、混合水を、イオン交換槽4で
イオン交換するか、凝集処理してホウ素を除去し、処理
水17を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高濃度ホウ素含有水
と低濃度ホウ素含有水を含むホウ素含有水の処理方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ホウ素化合物は種々の分野で使用されて
おり、これらの分野から発生する排水、あるいは他の分
野で発生する排水にはホウ素化合物を含むものがある。
このような化合物は有害とされているため、ホウ素含有
水からホウ素を除去するための処理が行われている。
【0003】ホウ素含有水の処理方法として、凝集、イ
オン交換、蒸発濃縮、逆浸透(RO)処理等の方法が知
られているが、それぞれ一長一短がある。このうち、凝
集処理は多量の薬剤を使用するため、高濃度ホウ素含有
水の処理には不適当である。またイオン交換処理も高濃
度ホウ素含有水の場合には、薬剤使用量および再生廃液
発生量が多くなる。蒸発濃縮は蒸発のための熱量を必要
とするため高濃度ホウ素含有水の処理に適するが、凝縮
水中にホウ素が移行しやすい。またRO処理ではホウ素
除去率が低い。
【0004】このためそれぞれの欠点を補うために、こ
れらを組み合せた方法が行われている。例えばホウ素含
有水を、アルミニウム化合物およびカルシウム化合物を
用いて凝集沈殿によりホウ素を分離除去し、分離水をイ
オン交換処理する方法が行われているが(特公昭59−
24876号)、この方法では廃水を凝集処理するた
め、多量の薬剤を使用する必要があり、発生汚泥量も多
く、その処理が困難である。
【0005】またホウ素含有水をアニオン交換樹脂によ
りイオン交換した後、再生排液を凝集処理する方法(特
公昭58−15193号)、ならびにホウ素含有水をア
ニオン交換樹脂によりイオン交換してホウ素を除去し、
アニオン交換樹脂の再生排液を蒸発濃縮して処理する方
法(特公平1−43594号)も知られているが、これ
らの方法では原水を直接イオン交換するため、多量のイ
オン交換樹脂を使用する必要があり、再生頻度が高く、
再生剤の使用量も多くなる。また後者の方法では蒸発濃
縮により生成する凝縮水中にホウ素が移行しやすい。
【0006】このほかホウ素含有水を逆浸透(以下、R
Oという場合がある)膜装置において膜分離し、濃縮液
を蒸発濃縮し、RO膜装置の透過液と蒸発濃縮による凝
縮液をイオン交換樹脂で処理する方法が示されている
(特開昭59−49898号)。しかしこの方法では、
RO膜のホウ素除去率は通常では約60%程度と低いた
め、多量の樹脂量および薬剤使用量が必要となる。
【0007】この方法では再生排液を原水と混合して処
理できるとしているが、再生排液を原水と混合してRO
膜装置で処理すると、透過液のホウ素濃度は原水の約
1.5倍程度になるため、原水を直接イオン交換する場
合よりも多量の樹脂と再生剤量を必要とし、再生頻度も
高くなる。
【0008】ところでホウ素含有水としてはその発生源
によりホウ素濃度に高低の差があり、このようなホウ素
含有量の異なるホウ素含有水が、異なる発生源から発生
したり、同じ発生源から発生することがある。例えば金
属や半導体の表面処理工程において、表面処理工程では
高濃度ホウ素含有水が発生し、その後の水洗工程では低
濃度ホウ素含有水が発生する。
【0009】従来のホウ素含有水の処理方法では、この
ような高濃度ホウ素含有水および低濃度ホウ素含有水は
被処理液貯槽に導入して混合、均質化して処理を行って
いる。ところがホウ素の処理方法は高濃度ホウ素含有水
に適した方法と低濃度ホウ素含有水の処理に適した方法
とがあるが、これらの混合水は中間的なホウ素含有量と
なり、効率よく処理できないほか、経時的な濃度変動に
よっても処理効率が低下しやすい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、イオ
ン交換樹脂や薬剤の使用量を少なくし、小形の装置を使
用して高濃度ホウ素含有水および低濃度ホウ素含有水か
らホウ素を効率よく高除去率で除去して高水質の処理水
を得ることができ、汚泥発生量も少なくできるホウ素含
有水の処理方法を得ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、高濃度ホウ素
含有水と低濃度ホウ素含有水を含むホウ素含有水の処理
方法であって、ホウ素含有水を高濃度ホウ素含有水と低
濃度ホウ素含有水に区分し、高濃度ホウ素含有水を蒸発
濃縮して凝縮水と濃縮物に分離し、凝縮水と前記低濃度
ホウ素含有水とを混合し、混合水からホウ素を分離除去
することを特徴とするホウ素含有水の処理方法である。
【0012】本発明において処理の対象となるホウ素含
有水は通常オルトホウ酸(H3BO3)の形でホウ素を含
有する水であるが、ホウ酸塩その他の形でホウ素を含む
ものでもよい。このようなホウ素含有水としては、医
薬、化粧品、石けん、金属、半導体、その他のホウ素化
合物を使用する製造工程排水、メッキ排水、原子力発電
所から発生する放射性排水、地熱発電排水、ゴミ焼却場
の洗煙排水などがあげられる。
【0013】これらのホウ素含有水は発生源あるいは発
生時期等によりホウ素含有量が異なるものがある。例え
ばホウ酸を用いる金属や半導体の表面処理工程では表面
処理時に高濃度ホウ素含有水が生じ、その後の水洗工程
では低濃度ホウ素含有水が生じる。このほか別の発生源
から異なる濃度のホウ素含有水が生じる。
【0014】本発明ではこれらのホウ素含有水を高濃度
ホウ素含有水と低濃度ホウ素含有水に区分する。区分の
目安としては、ホウ素濃度で実質的に1000mg/l
以上を高濃度ホウ素含有水、それ未満を低濃度ホウ素含
有水とすることができる。ホウ素濃度1000mg/l
以上のホウ素含有水は、イオン交換処理では原水とほぼ
同量の再生排液が生じ、また凝集処理では薬剤使用量と
汚泥発生量が大量となる。
【0015】このため本発明では高濃度ホウ素含有水に
ついては蒸発濃縮を行って凝縮水と濃縮物に分離する。
高濃度ホウ素含有水はそのまま蒸発濃縮処理を行っても
よく、また他の成分を除去する前処理を行ったのち、蒸
発濃縮を行ってもよい。原水が固形物その他のスケール
成分、腐食成分を含む場合は凝集沈殿、濾過等の前処理
により、これらの他の成分を除去することができる。
【0016】前処理としては固形物除去など、蒸発濃縮
を阻害する物質を除去する範囲で行えばよいが、ホウ素
以外の成分をすべて除去しておくと、後の工程でホウ素
を純粋な形で回収することができる。前処理ではホウ素
は除去されてもよく、また除去されなくてもよい。また
前処理として、蒸発濃縮工程の負荷を軽減するような濃
縮操作を行ってもよいが、RO膜処理のようなホウ素分
離が不完全な濃縮操作を行うことなく、蒸発濃縮工程に
おいて濃縮を行うのが好ましい。
【0017】蒸発濃縮工程は高濃度ホウ素含有水を蒸発
させて濃縮し、ホウ素化合物を濃縮する。蒸発濃縮工程
には、加熱蒸発、真空蒸発、これらの組合せなど任意の
蒸発装置を採用できるが、加熱蒸発が好ましい。各蒸発
装置の形式もフラッシュタイプ、フィルムタイプなど、
任意の形式の蒸発装置を使用することができる。後工程
のホウ素分離除去工程でイオン交換を行う場合は、イオ
ン交換樹脂の再生排液を高濃度ホウ素含有水と混合して
蒸発濃縮するのが好ましい。
【0018】蒸発濃縮工程では前記の蒸発装置に高濃度
ホウ素含有水またはその前処理水等の被処理水、および
場合によってはさらにイオン交換樹脂の再生排液を導入
して水分を蒸発させ、蒸気を凝縮して凝縮水を生成させ
る。凝縮のための冷却水として原水を用いて熱回収する
ことにより、少ない熱量で効率よく蒸発濃縮を行うこと
ができる。水分の蒸発により液側にはホウ素化合物その
他非揮発性成分が濃縮され、濃縮物が得られる。
【0019】このときの濃縮倍率は原水濃度および濃縮
液の処分方法を考慮して決定する。濃縮物は固形物また
は液状物の状態で得、そのままの状態で回収または処分
することができるほか、結晶化を行ったり、あるいはセ
メント等で固化処分することもできる。また濃縮液の状
態で得て凝集等により後処理することもできる。いずれ
の場合も純粋な形でホウ素化合物が得られる場合は回収
して利用することが可能である。
【0020】蒸発濃縮工程で得られる凝縮水には、蒸気
に同伴して移行した1〜10mg/l程度のホウ素が含
まれているので、この凝縮水を低濃度ホウ素含有水と混
合し、ホウ素分離除去工程においてイオン交換、凝集処
理等によりホウ素を分離除去する。凝縮水に含まれるホ
ウ素は原水の1/100〜1/10000程度になって
いるので、ここで使用する樹脂量および再生剤量も原水
を直接イオン交換する場合に比べて少なくすることがで
きる。
【0021】分離除去工程は低濃度のホウ素を効率よく
分離除去できる任意の方法を採用することができるが、
イオン交換または凝集処理が好ましい。特にイオン交換
は再生排液を高濃度ホウ素含有水とともに蒸発濃縮によ
り処理でき、汚泥発生量を少なくできるため好ましい。
【0022】イオン交換処理に使用するイオン交換樹脂
としては、ホウ素を除去するためにはアニオン交換樹脂
を使用するが、カチオンを除去する必要がある場合には
カチオン交換樹脂も使用することができ、この場合は混
床で処理するのが好ましい。ホウ素を除去するためのア
ニオン交換樹脂としては弱塩基性、強塩基性いずれでも
よいが、弱塩基性の方が再生効率は良いため好ましい。
またホウ素の吸着量を高めたキレート樹脂、例えばホウ
素を選択的に吸着するN−メチルグルカミン型の樹脂を
用いると、ホウ素の除去率が高くなるほか、回収ホウ素
化合物(ホウ酸)の純度が高くなる。
【0023】イオン交換工程では、これらのアニオン交
換樹脂を充填した樹脂層に凝縮水と低濃度ホウ素含有水
の混合水を通水してイオン交換を行いホウ素を交換吸着
する。混合水に含まれるホウ素は大部分がオルトホウ酸
であり、水中では(1)式により解離していると考えら
れている。
【化1】 H3BO3+H2O=B(OH)4 -+H+ ・・・・(1)
【0024】(1)式における平衡はpHによって変化
し、pHが高いほど平衡が右にずれる傾向にある。この
場合アニオン交換樹脂がSO4形の場合は、pH9以上
でないと処理困難であり、またOH形の場合は、中性付
近においても処理できるが、とくにpH9以上とするこ
とによりイオン交換量が増大するので好ましい。
【0025】イオン交換工程において、混合水をアニオ
ン交換樹脂と接触させることにより、上記B(OH)4 -
樹脂に交換吸着され除去される。処理水はホウ素その他
のアニオンが除去され、純水に近い高純度の処理水が得
られ、そのまま利用可能である。混合水にカチオンが含
まれる場合は、前述のようにカチオン交換樹脂で処理す
ることによりカチオンを除去することができ、またアニ
オン交換樹脂として他のアニオンも除去する樹脂を用い
て処理する場合はこれにより処理水として純水を得るこ
とができる。
【0026】アニオン交換樹脂がホウ素で飽和した場
合、再生工程に移って樹脂層を逆洗し、さらに再生剤を
通液して交換吸着したホウ素を溶離させる。再生剤とし
ては、酸、アルカリなど一般的な再生剤を用いることが
できるが、特に硫酸、塩酸または硝酸を用いるのが好ま
しい。再生剤の通液によりホウ素が溶離し、高濃度ホウ
素を含有する再生排液が発生する。ホウ素の溶離を終っ
た樹脂は、必要により水酸化ナトリウムでOH形にした
のち、再びホウ素の吸着に用いることができる。
【0027】再生排液はそのまま、またはpH調整して
高濃度ホウ素含有水と混合して蒸発濃縮工程に戻す。蒸
発濃縮工程ではpHが低いほど、オルトホウ酸が蒸気側
に移行しやすいので、中性以上のpHで蒸発濃縮工程に
導入するのが好ましい。高濃度ホウ素含有水が酸性また
はアルカリ性であって、再生排液を混合することにより
中性以上のpHとなる場合は、これらを単に混合するだ
けでよい。これらを混合して中性以上にならない場合に
はpH調整剤として酸またはアルカリを添加するのが好
ましい。再生剤として酸およびアルカリを用いる場合
は、もちろんこれらを混合して蒸発濃縮工程に戻す。
【0028】再生排液を高濃度ホウ素含有水と混合した
被処理水を蒸発濃縮工程で蒸発濃縮することにより、再
生排液に含まれる濃縮されたホウ素その他の物質は濃縮
されて回収または処分される。また再生排液の混合によ
り高濃度ホウ素含有水のホウ素濃度がさらに高くなり、
その分凝縮水側に移行するホウ素の量も多くなるが、こ
れらはイオン交換工程において除去される。
【0029】蒸発濃縮工程に供給する被処理水の水質は
できるだけ安定している方が蒸発濃縮工程の運転上好ま
しいが、このためには間欠的に排出される再生排液を貯
槽に貯留しておき、蒸発濃縮工程に一定量ずつ戻すのが
好ましい。またイオン交換樹脂の再生中にも蒸発濃縮工
程は運転が続けられるので、その間に生成する凝縮水を
貯留して処理量を均質化したり、あるいはイオン交換装
置を複数個設けて切換により処理を連続的に行うように
するのが好ましい。
【0030】上記の処理では、高濃度ホウ素含有水を蒸
発濃縮によりホウ素を濃縮し、ホウ素含量の少ない凝縮
水を低濃度ホウ素含有水と混合してイオン交換するた
め、イオン交換樹脂および再生剤量が少なくてすみ、か
つホウ素除去率を高くして高水質で純水に近い水質の処
理水を得ることができる。またイオン交換樹脂の再生排
液を蒸発濃縮工程に戻して蒸発濃縮すると、再生排液の
処理が容易であり、発生する汚泥量も少なくなる。
【0031】分離除去工程として凝集処理を行う場合
は、凝縮水と低濃度ホウ素含有水の混合水に凝集剤を加
え、ホウ素を不溶化物として析出させ、固液分離により
除去する。凝集剤としてはホウ素を不溶化できるもので
あれば任意のものが使用できるが、アルミニウム化合物
およびカルシウム化合物を用いるのが好ましい。
【0032】この方法について説明すると、被処理水
(凝縮水と低濃度ホウ素含有水の混合水)を、アルミニ
ウム化合物およびカルシウム化合物の存在下にpH9以
上、好ましくはpH10以上、さらに好ましくはpH1
2以上にすることにより不溶性沈殿物を生成させる。ア
ルミニウムイオンまたはカルシウムイオンがすでに存在
している場合には外部から添加する必要はないが、不足
している場合には硫酸アルミニウム、水酸化カルシウム
等のアルミニウム化合物もしくはカルシウム化合物を添
加する。
【0033】アルミニウム化合物の必要量は被処理水お
よび処理水中のホウ素量により異なるが、被処理水中B
が500mg/l、処理水中Bが100mg/lの場合
には、アルミニウムの添加量は約1500mg/l、被
処理水中Bが100mg/l、処理水中Bが5mg/l
の場合には、アルミニウムの添加量は約400mg/l
が標準となる。いずれの場合も後述の実施例の除去ホウ
素量に対するアルミニウムの添加量を基準として算出す
ることができる。カルシウム化合物の必要量は処理水中
の残留アルミニウムイオン量により変るが、上記の例の
場合ではそれぞれ約3%、約2%が標準となる。
【0034】pHの調整は、必要によりアルカリ剤を添
加して行う。カルシウム剤として水酸化カルシウムを使
用する場合には、新たにアルカリ剤を添加しなくてもよ
い場合が多い。アルミニウム化合物の添加、カルシウム
化合物の添加およびpH調整の順序は特に限定されな
い。従って樹脂の再生廃液に水酸化カルシウムを添加し
てpH9以上とした後、硫酸アルミニウムを添加し、も
しpHが9未満になった場合には再度水酸化カルシウム
を添加してもよく、また先に硫酸アルミニウムを添加し
た後、水酸化カルシウムを添加してpH9以上に調整し
てもよい。
【0035】このようにして生成する沈殿の形態は明瞭
ではないが、不溶性で沈降性が良く、自然沈降等により
容易に固液分離され、系外に除去される。分離された汚
泥は蒸発濃縮工程の濃縮物とともに固化等により処理す
ることができる。
【0036】上記の凝集による処理では、高濃度ホウ素
含有水を蒸発濃縮によりホウ素を濃縮し、ホウ素含有量
の少ない凝縮水を低濃度ホウ素含有水と混合して凝集処
理するため、凝集剤の使用量は少なく、発生する汚泥量
も少なくなる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、高濃度ホウ素含有水と
低濃度ホウ素含有水を区分し、高濃度ホウ素含有水を蒸
発濃縮し、凝縮水と低濃度ホウ素含有水を混合して、ホ
ウ素の分離除去を行うため、イオン交換樹脂および薬剤
の使用量を少なくし、小形の装置を使用して高濃度ホウ
素含有水および低濃度ホウ素含有水からホウ素を効率よ
く除去して高水質の処理水を得ることができ、汚泥発生
量も少ない。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態によるホ
ウ素含有水の処理方法を示す系統図であり、分離除去工
程としてイオン交換処理を行う例を示す。図1におい
て、1は第1調整槽、2は蒸発濃縮装置、3は第2調整
槽、4はイオン交換槽、5は排液貯槽である。
【0039】上記の装置によるホウ素含有水の処理方法
は以下の通りである。まず第1調整槽1に第1原水路6
から高濃度ホウ素含有水を導入し、排液供給路7から再
生排液を導入して攪拌機8で攪拌して混合し、必要によ
り薬注路9からpH調整剤を注入して、中性以上のpH
に調整する。第1調整槽1内の混合液を被処理液として
系路10から蒸発濃縮装置2に導入する。
【0040】蒸発濃縮装置2は加熱蒸発式に構成されて
おり、供給される被処理液を加熱蒸発させ、発生する蒸
気を凝縮して凝縮水を得、この凝縮水を系路11から第
2調整槽3に送り、一方濃縮液を濃縮液路12から取出
す。ここでは蒸発によりホウ素は濃縮液側に濃縮され、
一部は凝縮液側に移行する。蒸気は被処理液により冷却
して熱回収するように構成されているが、詳細な図示は
省略されている。第2調整槽3には第2原水路13から
低濃度ホウ素含有水を導入し、攪拌機14で攪拌して系
路11から導入される凝縮水と混合し、混合水を系路1
5からイオン交換槽4に導入する。
【0041】イオン交換槽4はアニオン交換樹脂を充填
した樹脂層16を有しており、イオン交換工程において
樹脂層16に混合水を通水することによりホウ素を交換
吸着させて除去し、処理水を処理水路17から取り出
す。イオン交換槽4は複数個設けることにより、イオン
交換工程の終了により再生工程に移る際、切換えて連続
処理を行う。薬注路18から再生剤を注入して樹脂層1
6を再生し、再生排液を系路19から排液貯槽5に送
る。再生剤としては酸とアルカリを順次流すことにより
再生効率を高めることができる。この場合これらの排液
を排液貯槽5に集め攪拌機20で攪拌することにより中
和を行い、均質化した流量で排液供給路7から第1調整
槽1に供給する。
【0042】図2は他の実施形態の処理方法を示す系路
図であり、分離除去工程として凝集処理を行う例を示
す。図2において、21は凝集槽、22は固液分離槽で
あり、他の構成は図1とほぼ同様となっている。
【0043】上記の装置による処理方法は、第1原水路
6から高濃度ホウ素含有水を第1調整槽1に導入し、必
要により薬注路9からpH調整剤を注入してpH調整す
る。ここでは図1における排液供給路7からの再生排液
の導入はないが、他は同様に処理される。第1調整槽1
の被処理水は蒸発濃縮装置2で蒸発濃縮を行い、凝縮水
と濃縮液を得る。
【0044】凝縮水は系路11から第2調整槽3に導入
し、第2原水路13から導入される低濃度ホウ素含有水
と混合し、混合水を系路15から凝集槽21に導入す
る。凝集槽21では薬注路23から硫酸バンド等のアル
ミニウム化合物を注入し、薬注路24から消石灰等のカ
ルシウム化合物を注入し、必要によりpH調整剤を注入
し攪拌機25で攪拌して凝集反応を行い、ホウ素を不溶
性化合物にする。反応液は系路26から固液分離槽22
に送って固液分離し、処理水路17から処理水を得、排
泥路27から汚泥を排出する。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例について
説明する。
【0046】実施例1 ホウ素を1450mg/l含むpH6.7の高濃度ホウ
素含有水(排出量43.7m3/d)を、蒸発濃縮装置
において100℃に加熱して濃縮倍数20倍で蒸発濃縮
を行い、ホウ素濃度6.5mg/lの凝縮水を得た。濃
縮液から得られた結晶は1.1t/dであった。ホウ素
を5.3mg/l含む低濃度ホウ素含有水(排出量17
4m3/d)を上記の凝縮水とを排出量比で混合した混
合水をN−メチルグルカミン型ホウ素選択吸着樹脂(三
菱化学社製ダイヤイオンCRB−02、商標)の樹脂層
にSV2hr-1で通水したところ、560BVまでホウ
素1mg/l以下の処理水が得られた。
【0047】上記樹脂層を100g/l硫酸で再生した
ところ、ホウ素濃度2450mg/lの再生排液が得ら
れた。この再生排液を中和することなく原水に混合した
ところpH3となり、これを蒸発濃縮装置において濃縮
倍数15倍に濃縮したところ、凝縮水のホウ素濃度は2
6mg/lとなった。この凝縮水を前記と同様に樹脂層
通水したところ、120BVまでホウ素濃度1mg/l
以下の処理水が得られた。
【0048】実施例2 実施例1における凝縮水と低濃度ホウ素含有水の混合液
に硫酸バンド4000mg/lおよび消石灰5000m
g/lを添加して30分間攪拌したところpH12.3
となり、これを固液分離したところ、ホウ素濃度0.1
2mg/lの処理水が得られた。
【0049】比較例1 実施例1と同じ高濃度ホウ素含有水と低濃度ホウ素含有
水を排出量比で混合したところ、この水を蒸発濃縮する
ためには実施例1の約5倍容量の蒸発装置が必要となっ
た。また凝縮水中のホウ素濃度は6.5mg/lとな
り、これをイオン交換処理するためには、イオン交換樹
脂量は実施例1の1.2倍量必要であった。
【0050】比較例2 実施例1と同じ高濃度ホウ素含有水に硫酸バンド60g
/lおよび消石灰114g/l添加、30分攪拌後固液
分離したところpH12.6となり、これを固液分離し
たところ、ホウ素濃度55.3mg/lの処理水が得ら
れ、その際のSS発生量は150g/l−原水(6.6
t/d)であった。
【0051】以上の結果より、高濃度ホウ素含有水を蒸
発濃縮し、凝縮水と低濃度ホウ素含有水を混合してホウ
素の分離除去を行うことにより、薬剤やイオン交換樹脂
の使用量が少なく、小形の装置を使用してホウ素を効率
よく除去し、汚泥発生量も少ないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のホウ素含有水の処理方法を示す系統
図である。
【図2】他の実施形態のホウ素含有水の処理方法を示す
系統図である。
【符号の説明】
1 第1調整槽 2 蒸発濃縮装置 3 第2調整槽 4 イオン交換槽 5 排液貯槽 6 第1原水路 7 排液供給路 8、14、20、25 攪拌機 9、18、23、24 薬注路 12 濃縮液路 13 第2原水路 16 樹脂層 17 処理水路 21 凝集槽 22 固液分離槽 27 排泥路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 彰 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内 (72)発明者 朝原 捷治 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内 (72)発明者 西山 筆 静岡県庵原郡蒲原町蒲原161 日本軽金属 株式会社技術部蒲原内 (72)発明者 榛葉 浩三 静岡県庵原郡蒲原町蒲原161 日本軽金属 株式会社蒲原電極箔工場内 (72)発明者 恵藤 良弘 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 (72)発明者 朝田 裕之 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高濃度ホウ素含有水と低濃度ホウ素含有
    水を含むホウ素含有水の処理方法であって、 ホウ素含有水を高濃度ホウ素含有水と低濃度ホウ素含有
    水に区分し、 高濃度ホウ素含有水を蒸発濃縮して凝縮水と濃縮物に分
    離し、 凝縮水と前記低濃度ホウ素含有水とを混合し、 混合水からホウ素を分離除去することを特徴とするホウ
    素含有水の処理方法。
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