JPH11319492A - 下水の処理方法 - Google Patents
下水の処理方法Info
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- JPH11319492A JPH11319492A JP15863298A JP15863298A JPH11319492A JP H11319492 A JPH11319492 A JP H11319492A JP 15863298 A JP15863298 A JP 15863298A JP 15863298 A JP15863298 A JP 15863298A JP H11319492 A JPH11319492 A JP H11319492A
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Abstract
ュ−ルを使用して行う場合、窒素や燐等の栄養塩類に対
する除去率を高く保持しつつ高安定の透過流束のもとで
処理できる下水の処理方法を提供する。 【解決手段】二段の逆浸透膜モジュ−ル61,62によ
り下水処理における最終的な高次処理を行う方法におい
て、電気的に中性の親水基を有する被覆層、若しくは親
水基を有し、かつpH6での表面ζ電位が±10mv以
内の被覆層を逆浸透膜の表面に設けた逆浸透膜モジュ−
ルを前段逆浸透膜モジュ−ル61として使用する。
Description
合、最終的な高次処理を膜分離法により行う下水の処理
方法に関するものである。
濾過したうえで、活性汚泥法により生物処理し、その処
理水を河川に放流している。すなわち、粗濾過した下水
を曝気槽に導入し、下水中の有機物を浮遊状態の微生物
により好気性状態で吸着・分解させ、微生物を増殖さ
せ、更に、曝気槽の微生物混合液(ML)を最終沈殿池
に導き、微生物を沈殿分離し、その沈殿微生物を返送汚
泥としての曝気槽の下水流入部に返送して循環処理を行
い、沈殿池の余剰汚泥を適時抜き取っている。近来、環
境問題や水資源の有効利用のために、上記処理水を放流
せずに、例えば、公園等の公共施設の親水用水として再
利用することが検討されている。而して、この有効利用
のためには、上記処理水から窒素や燐等の栄養塩類を高
い除去率で除去することが必要である。
嫌気・好気状態の繰返しで行って有機物と同時に窒素を
も除去することが、所謂、生物学的硝化脱窒法として知
られている。また、活性汚泥処理を完全嫌気状態、無酸
素状態、好気状態で順次に行うことを繰り返して有機物
と同時に窒素及び燐をも除去することが、所謂、生物学
的硝化脱窒燐除去法として知られている。しかしなが
ら、これらの方法では、上記最終の処理水を有効に再利
用できる程度にまで窒素や燐化合物を除去することは困
難である。
に、逆浸透膜モジュ−ルにより最終的な高次処理を行う
ことが提案されている。この処理においては処理水量が
大きいために、逆浸透膜モジュ−ルに透過流束が大のも
のを使用することが要求され、その逆浸透膜モジュ−ル
としては架橋芳香族ポリアミド系逆浸透膜モジュ−ルが
注目されている。しかしながら、本発明者等の試験結果
によれば、この架橋芳香族ポリアミド系逆浸透膜モジュ
−ルで上記最終的な高次処理を行うと、比較的早期に透
過流束が低下し、所定の処理速度を維持することが困難
である。かかる早期透過流束の低下の原因は、処理水中
に含有されている界面活性剤が架橋芳香族ポリアミド膜
表面に顕著に吸着され、膜表面の親水性が低下する結果
であると推定される。
のもとでも透過流束を安定に保持できる逆浸透膜を探求
したところ、ピペラジンアミノ化合物の架橋重合体膜が
安定な透過流束特性を呈することを知った。しかし、こ
の逆浸透膜では、窒素や燐等の栄養塩類に対する除去率
に劣ることが判明した。そこで、原水に接する膜表面が
ピペラジンアミノ化合物の架橋重合体で形成された前段
の逆浸透膜モジュ−ルと、原水に接する膜表面が架橋芳
香族ポリアミドで形成された後段の逆浸透膜モジュ−ル
により、下水処理における最終的な高次処理を行うこと
を提案した(特願平8−18306号)。しかしなが
ら、この方法では、架橋芳香族ポリアミドの逆浸透膜モ
ジュ−ル単独の場合に較べ、窒素や燐等の栄養塩類に対
する除去率を相当に高くできるが、透過流束の安定性は
必ずしも満足できるものではない。
を二段の逆浸透膜モジュ−ルを使用して行う場合、窒素
や燐等の栄養塩類に対する除去率を高く保持しつつ高安
定の透過流束のもとで処理できる下水の処理方法を提供
することににある。
方法は、二段の逆浸透膜モジュ−ルにより下水処理にお
ける最終的な高次処理を行う方法において、電気的に中
性の親水基を有する被覆層、若しくは親水基を有し、か
つpH6での表面ζ電位が±10mv以内の被覆層を逆
浸透膜の表面に設けた逆浸透膜モジュ−ルを前段逆浸透
膜モジュ−ルとして使用することを特徴とする構成であ
り、被覆層としてはポリビニルアルコ−ル(25°の水
に対しては不溶性であり、80℃の水に対しては可溶
性)を好適に使用でき、被覆層の厚さは0.001μm
〜1.0μmとされる。前記逆浸透膜モジュ−ルの逆浸
透膜は上記被覆層を設けない状態で、圧力7.5kgf/cm
2,温度25℃,濃度500ppmの食塩水溶液を供給
液として0.6m3/m2/day以上の透水量を有し、表面ζ
電位はpH5〜11の領域内で絶対値10mv以上であ
るが前記被覆層により±10mv以内とされる。また被
覆層を被覆するまえの逆浸透膜モジュ−ルの膜表面の表
面ζ電位の絶対値はpH5から11の領域で10mVより
大きくされる。前記被覆層を逆浸透膜の表面に設けた逆
浸透膜モジュ−ルは、圧力15kgf/cm2,温度25℃,
濃度1500ppmの食塩水溶液を供給液として0.6
m3/m2/day以上の透水量を有する。前記後段の逆浸透膜
モジュ−ルには、透過流束が0.10m3/m2・〔kgf/c
m2〕・day以上であり、pH6.5、濃度1500ppm
の食塩水溶液を供給液としての25℃、操作圧力10kg
f/cm2での阻止率が90%以上であるものが使用され、
逆浸透膜が架橋芳香族ポリアミドで形成されているもの
や逆浸透膜がピペラジンアミノ化合物の架橋重合体で形
成されているものが好適であり、更には、膜表面の平均
面粗さが55nm以上であるものを使用することが好ま
しい。
ルの逆浸透膜に電気的に中性の親水基を有する被覆層、
若しくは親水基を有し、かつpH6での表面ζ電位が±
10mv以内の被覆層を設ける理由は、逆浸透膜の大な
る透過水量(圧力7.5kgf/cm2,温度25℃,濃度5
00ppmの食塩水溶液を供給液として0.6m3/m2/da
y以上)を保持しつつ界面活性剤の吸着を抑制して透過
流束を大で、かつ安定とするためである。前記被覆層を
設けるにもかかわらず、被覆層の厚みを0.001μm
〜1.0μmとし、次式で示すスキン層の比表面積fを
2〜1000、好ましくは3〜500とすることにより
透過水量を充分に保持できる〔2未満では被覆層を設け
た逆浸透膜の透水量が不充分となり(2以上とすること
により、表面電位低減用薄膜を形成した逆浸透膜の透水
量を操作圧力5kgf/cm2、温度25℃での塩化ナトリウ
ム濃度500ppm,pH6.5の供給液に対し0.6
m3/m2/day以上にできる)、1000を越えると表面が
著しく粗になり、被覆層の均質被覆が困難となる〕。
S)/(多孔支持体の表面積s)
側の表面積であり、多孔支持体の表面積sとは多孔支持
体のスキン層と接触している面の表面積であり、これら
は、表面積測定装置や比表面積測定装置、走査型電子顕
微鏡、透過型電子顕微鏡、原子間力顕微鏡等で測定でき
る。
は、例えば、ポリアミド系、ポリウレア系等の界面重合
法により製膜したものを使用でき、これらの膜は例えば
次のようにして製作できる。すなわち、多孔性ポリスル
ホン支持膜を用い、メタフェニレンジアミン、ピペラジ
ン、ポリエチレンイミン等の反応性アミノ基を有するモ
ノマ−またはポリマ−の水溶液を前記多孔性支持膜の少
なくとも片面に塗布したのち、トリメシン酸クロライ
ド、イソフタル酸クロライド等の多官能酸クロライドま
たはトリレンジイソシアネ−ト等の多官能イソシアネ−
トまたはこれらの混合物のヘキサン等の溶媒と接触させ
て多孔性支持膜上で界面重合で膜成させることにより製
作できる。
の有機物または有機重合体としては、ポリビニルアルコ
−ル、ケン化ポリエチレン−酢酸ビニル重合体、ポリビ
ニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、ポリ
エチレングリコ−ル等のビニル重合体、縮合系重合体、
付加系重合体等から選ぶことができ、特に、25℃にお
いて水不溶性で、熱水(80℃以上)に可溶なもの、例
えばポリビニルアルコ−ルを選ぶことが好ましい。
ン化度が95%以上、好ましくは99〜100%のもの
が好適である。このポリビニルアルコ−ルにおいては、
分子鎖間水素結合により25℃では水不溶性を呈する
が、熱水(80℃以上)には可溶である。これらの条件
を満たせば、逆浸透膜面上に容易に被覆でき、処理液と
接する膜表面での−OH基が多いことに起因する親水性
の増加で汚染物の吸着抑制能を高くでき、また透水量も
多くできる。
または有機重合体以外にも、pH6のもとでの表面ζ電
位を±10mv以内に制御し得、かつ親水基を有する有
機物または有機重合体も使用でき、上記表面ζ電位は、
好ましくはpH6〜8の領域で、より好ましくはpH5
〜11の領域で±10mv以下とすることが望ましい。
この表面ζ電位は、電気泳動液として、10mMの塩
化ナトリウム溶液にヒドロキシプロピルセルロ−スコ−
ティングポリスチレン粒子(520nm)を分散させた
ものを使用し、電気泳動光散乱装置(大塚電子社製,E
LS−800)で電気移動度Uを測定し、ζ=4πηU
/εより求めることができる。ただし、εは電気泳動液
の誘電率、ηは同じく粘度である。
10mv以内に制御し得る有機物または有機重合体とし
ては、シリコンゴム、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポ
リテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、スルホン
化ホリスルホン、スルホン化ポリエ−テルスルホン等の
アニオン性基含有有機重合体、ポリエチレンイミン等の
カチオン性基含有有機重合体、ポリビニルアルコ−ル等
の中性基含有有機重合体、ポリイミド等を挙げることが
できるが、これらのうち、電気的に中性の親水基を有す
る有機物または有機重合体、例えば、−OH、−NH逆
浸透膜O−、−O−、下記の式に示すもの
基を有する有機物または有機重合体であっても、被覆層
として使用可能である。
は、逆浸透膜のスキン層に実質上ダメ−ジを及ぼさない
溶媒、水、低級アルコ−ル、ハロゲン化炭化水素、脂肪
族炭化水素、アセトン、アセトニトリル、またはこれら
の少なくとも二種以上の混合溶媒の何れかに前記有機物
または有機重合物を溶解した溶液を塗布・乾燥する方法
を用い、好適な溶媒としては、メタノ−ル、エタノ−
ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル等の脂肪族アルコ−ル、
エチレンクロルヒドリン等のハロゲン化脂肪族アルコ−
ル、メトメタキシノ−ル、メトキシエタノ−ルまたはこ
れらの低級アルコ−ルと水との混合溶媒を挙げることが
でき、混合溶媒の場合、水の比率は、0〜90%とする
ことが好ましい。また、塗布時の逆浸透膜との濡れ性を
良くするために、界面活性剤を添加することもできる。
有機物または有機重合物の溶液の濃度は0.01〜20
重量%、好ましくは0.05〜5重量%とされ、塗布方
法には浸漬法、転写法、噴霧法等を使用でき、乾燥温度
は例えば、20℃〜200℃、好ましくは50℃〜15
0℃とされる。この被覆層の厚みは、塗布による透水量
の低下を極力抑制するために0.001μm〜1μm好
ましくは0.005μm〜0.5μmに制御され、その
制御は例えば、溶液濃度の調整により行うことができ
る。
族ポリアミド逆浸透膜としては、多孔質基材上で、少な
くとも2個のアミン官能性基を有する単量体の芳香族ポ
リアミン反応体と、多官能性アシルハライドまたはその
混合物から成る単量体の芳香族のアミン反応性反応体
(このアミン反応性反応体1分子につき平均で少なくと
も約2.2個のアシルハライド基を有する)とを、アミ
ン塩の存在下で界面重合することにより作成した複合膜
(例えば、特許第1948993号)が好適に使用さ
れ、少なくとも2個のアミン官能性基を有する単量体の
芳香族ポリアミン反応体には例えば、m−フエニレンジ
アミンが、多官能性アシルハライドから成る単量体の芳
香族のアミン反応性反応体には例えば、トリメンイルク
ロライドが使用される。もちろん、これ以外の架橋芳香
族ポリアミド系膜の使用も可能である。
ンアミノ化合物の架橋重合体逆浸透膜には、ポリビニル
アルコ−ルと第2級アミノ基を一分子中に2個以上有す
るピペラジン系アミノ化合物とが第2級アミノ基及び水
酸基と反応して得る多官能性架橋剤にて架橋重合されて
成る超薄膜と、この超薄膜を一体的に支持する内部層と
して水溶性ポリビニルアルコ−ルからなる多孔質層とか
ら成る表面層を多孔性基材上に有し、ピペラジン系アミ
ノ化合物として、ピペラジン、2−メチルピペラジン、
2,5−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン等を用い
たもの(特公昭61−27083号公報)を使用でき
る。もちろん、これ以外のピペラジンアミノ化合物の架
橋重合体膜の使用も可能である。
高透過流束を確保するために、透過流束0.10m3/m2・
〔kgf/cm2〕・day以上のものが使用され、また、上記の
窒素や燐に対する高い除去率を確保するために、pH
6.5、濃度500ppmの食塩水溶液を供給液として
の25℃、操作圧力7.5kgf/cm2での阻止率が90%
以上のものが使用される。上記後段の逆浸透膜モジュ−
ルにおいては、膜の表面積を大として実質的に膜面積を
大きくするために、膜表面の平均面粗さRaが55nm
以上のものを使用することが好ましい。
って定義され、原子力間顕微鏡、摩擦力顕微鏡、トンネ
ル顕微鏡、走査電子顕微鏡、透過電子顕微鏡等により測
定できる。
の長さ、Sは指定面の面積、f(x,y)は指定面内での高
さ、Zoは次式で与えられる指定面の高さの平均値であ
る。
実施の形態について説明する。図1は本発明において使
用する下水処理施設の一例を示している。図1におい
て、1は粗濾過装置であり、後続の処理施設に障害とな
る粗い浮遊物や油脂が除去され、スクリ−ン、沈砂池、
油脂分離槽、pH調整槽等が設けられている。2は生物
処理装置である。3は前処理装置であり、懸濁物質を除
去し後置の逆浸透膜モジュ−ルを懸濁物質から保護する
ために設けられ、例えば、砂濾過装置や精密濾過装置が
使用される。4は原水タンクを、51は前段送液ポンプ
を示している。61は前段の逆浸透膜モジュ−ルであ
り、電気的に中性の親水基を有する被覆層、若しくは親
水基を有し、かつpH6での表面ζ電位が±10mv以
内の被覆層を逆浸透膜の表面に設けた逆浸透膜モジュ−
ルが用いられている。611は前段非透過水排出管を、
612は前段透過水流出管をそれぞれ示している。41
は酸液タンクを、42は原水タンク4内に酸液を注入す
るためのポンプをそれぞれ示し、pH計43によりポン
プ42が制御され、原水タンク内のpH値が所望値に設
定される。7は中間タンク、例えばパイプヘッダ−を、
52は後段送液ポンプを、62は後段の逆浸透膜モジュ
−ルを、622は後段透過水流出管を、620は後段非
透過水配管をそれぞれ示し、後段非透過水の一部が原水
タンク4にリタ−ン管620’によりリタ−ンされ、残
部は後段非透過水排出管621より排出され、後段透過
水が後段透過水流出管622より用水として取り出され
ていく。8は必要に応じて設けられるアルカリ液タンク
を、9は前段逆浸透膜分離モジュ−ル61の透過側にア
ルカリ液を注入するためのポンプをそれぞれ示してい
る。図示されていないが、原水タンク4に殺菌剤、例え
ば次亜塩素酸ナトリウムやクロラミンを注入するための
タンク及びポンプを設けることもできる。
するには、下水を粗濾過装置1、生物処理装置2並びに
前処理装置3で処理し、これを一旦原水タンク4に貯
え、前段送液ポンプ51により所定の圧力で前段逆浸透
膜分離モジュ−ル61に供給し、原水中の塩や有機物の
通過の阻止により塩等の濃縮された非透過水を前段非透
過水排出管611から排出し、透過側に所定の除去率で
塩等を除去した透過水を発生させていく。この場合、ポ
ンプ42により酸、例えば硫酸や塩酸を原水タンク内に
注入して原水のpH値を5前後に調整する。
段透過水は一旦中間タンク7に貯え、必要に応じてポン
プ9によりアリカリ液、例えば、水酸化ナトリウムや水
酸化カリウム等を注入してその透過水のpHを調整し、
このpH調整透過水を送液ポンプ52により所定の圧力
で後段逆浸透膜分離モジュ−ル62に供給し、塩の濃縮
された後段非透過水の一部を前段ライン側にリタ−ンさ
せると共に後段非透過水の残部を後段非透過水排出管6
21から排出していく。後段逆浸透膜分離モジュ−ル6
2により更に脱塩された後段透過水は、親水用水等の用
水として使用していく。上記において、後段逆浸透膜分
離モジュ−ル62の非透過水は全て排出し、前段ライン
へのリタ−ン量を0にすることもできる。
ように、前段逆浸透膜分離モジュ−ル61のみならず後
段逆浸透膜分離モジュ−ル62の操作圧力をも前段液送
ポンプ51で発生させることもでき、この場合、前段逆
浸透膜分離モジュ−ル61はその透過側においても加圧
されるので、透過側もこの加圧力に対処できる耐圧構造
とされる。なお、図2において、図1と同一符号は同一
の構成要素を示している
ルには、スパイラル型、中空糸型、チュ−ブラ−型、フ
レ−ム&プレ−ト型等を使用できる。上記において、逆
浸透膜分離モジュ−ルには数台のモジュ−ルユニットを
直列または並列に接続し、これらのユニット群の供給側
を一括して原水供給管に接続し、透過側を一括して透過
水流出管に接続したものも使用できる。
鹸や洗剤排液のために多量の界面活性剤が含まれてい
る。而るに、膜の表面層が電気的に中性またはほぼ中性
とされた前段逆浸透膜モジュ−ルにおいては、界面活性
剤に接しても膜面への界面活性剤の吸着が殆ど観られず
に透過流束の低下が僅かである。この界面活性剤は、比
較的分子量が高く、前段の逆浸透膜モジュ−ルにより実
質的にほぼ完全に遮断される。しかも、膜の表面層が親
水性であるために、その表面層の透過性も高く表面層が
前段逆浸透膜モジュ−ルの逆浸透膜自体の透過性を阻害
することも少なく、充分な透過流束を保持できる。従っ
て、前段逆浸透膜モジュ−ルによる充分な透過流束のも
とでのほぼ完全な界面活性剤の遮断により、後段逆浸透
膜モジュ−ルの界面活性剤接触による透過性能の低下を
よく排除して、この後段逆浸透膜モジュ−ルに窒素や燐
に対する本来の高い塩除去率を効果的に発揮させ得、窒
素や燐含有量が僅小で親水用水として利用可能な高水質
の透過水を得ることができる。
透膜には、m−フェニレンジアミン3.0重量%、ラウ
リル硫酸ナトリウム0.15重量%、トリエチルアミン
3.0重量%、カンファ−スルホン酸6.0重量%、イ
ソプロピルアルコ−ル5.0重量%を含有した水溶液の
層を多孔性ポリスルホン支持膜に形成し、その層にトリ
メシン酸クロライド0.20重量%、イソプロピルアル
コ−ル0.05重量%を含有するイソパラフィン系炭化
水素油溶液〔出光化学(株)製IP1016〕を接触さ
せ、120℃,3分間の熱風乾燥によってスキン層を形
成した複合膜を用いた。
は、0.25重量%,ケン化度99%のポリビニルアル
コ−ル(n=2,000)の溶液(溶媒にはイソプロピ
ルアルコ−ル/水の割合が3/7のものを使用)を塗布
し、130℃,5分間で乾燥して形成した。この逆浸透
膜のpH6での表面ζ電位は−20mvであったが、被
覆層を形成した逆浸透膜のpH6での表面ζ電位は0.
2mvであり、電気的に中性の親水基を有する被覆層に
より表面電位を約1/100に低減できた。また、膜断
面を透過型電子顕微鏡により観察して被覆層形成前のス
キン層の比表面積を測定したところ、4.3であった
が、被覆層形成後の前記スキン層の比表面積は2.0で
あり、被覆層形成前の47%であった。更に、被覆層形
成前の逆浸透膜の膜製能を濃度1500ppmのNaC
l水溶液を供給液として圧力15kgf/cm2にて測定した
ところ、NaCl阻止性能は99.48%、透水量は
1.7m9/m2/dayであったが、被覆層を形成した逆浸透
膜のNaCl阻止性能は99.70%、透水量は1.2
m9/m2/dayであった。
5、濃度0.05%の食塩水を供給液として25℃、操
作圧力7.5kgf/cm2での阻止率が99.5%で、純水
の透過流束が0.13m3/m2・〔kgf/cm2〕・dayであり、
膜が架橋芳香族ポリアミド系で、平均表面粗さが80n
mの日東電工株式会社製スパイラル型逆浸透膜モジュ−
ルを使用した。この逆浸透膜モジュ−ルの膜は、ポリス
ルホンからなる多孔質基材上に、m−フェニレンジアミ
ンを2.0重量%、ラウリル硫酸ナトリウムを0.15
重量%、トリエチルアミンを2.0重量%、カンファ−
スルホン酸を4.0重量%、イソプロピルアルコ−ルを
20重量%含有した原液を接触させ、かくして形成した
原液層に、トリメシン酸クロライドを0.15重量%含
有するヘキサン溶液を接触させ、その後120℃の熱風
乾燥機で3分間保持して表面平均粗さ80nmの反応生
成スキン層を形成したものである。
ンプ9は省略した)、亜硝酸窒素濃度200ppm、ア
ンモニア性窒素濃度200ppm、燐濃度200ppm
で、洗剤を高濃度で含有する調整原水を原水タンク4に
貯え、前段送液ポンプ51の送液圧力を7.5kgf/c
m2、後段送液ポンプ52の送液圧力を7.5kgf/cm2と
して、後段逆浸透膜モジュ−ル62の初期透過流束を
0.13m3/m2・〔kgf/cm2〕・dayとするように運転し、
その運転を200時間継続した。
質は表1に示す通りであり、その透過水流量の経時的低
下状態は図3の(イ)に示す通りであった。
に、pH6.5、濃度0.15%の食塩水を供給液とし
ての25℃、操作圧力10kgf/cm2での阻止率が90%
であり、膜がピペラジンポリアミド系である日東電工株
式会社製スパイラル型逆浸透膜モジュ−ルを使用した。
この逆浸透膜モジュ−ルの膜(複合膜)は、ポリスルホ
ンからなる多孔質基材上に、ポリビニルアルコ−ル0.
25重量%、ピペラジン0.25重量%及び水酸化ナト
リウム0。5重量%を含有する原液を均一に塗布した
後、トリメシン酸クロライドの1重量%n−ヘキサン溶
液に温度25℃にて1分間浸漬し、次いで引き上げてn
−ヘキサンを揮散させた後、温度110℃にて10分間
加熱処理したものであり、ポリビニルアルコ−ルとピペ
ラジンアミノ化合物との架橋重合体の超薄膜と、この超
薄膜とポリスルホン多孔質基材との間の原液塗布層内部
の架橋反応に寄与しなかった未反応の水不溶性化ポリビ
ニルアルコ−ル中間層と、ポリスルホン多孔質基材から
なっている。他は実施例1に同じとした。後段逆浸透膜
モジュ−ル62の透過水の水質は表1に示す通りであ
り、その透過水流量の経時的低下状態は図3の(ロ)に
示す通りであった。
ュ−ルとして使用した膜がピペラジンポリアミド系であ
る日東電工株式会社製スパイラル型逆浸透膜モジュ−ル
を前段逆浸透膜モジュ−ルとして用い、実施例1で後段
逆浸透膜モジュ−ルとして使用した膜が架橋芳香族ポリ
アミド系で、平均表面粗さが80nmの日東電工株式会
社製スパイラル型逆浸透膜モジュ−ルを後段モジュ−ル
として用いた。他は実施例1に同じとした。後段逆浸透
膜モジュ−ル62の透過水の水質は表1に示す通りであ
り、その透過水流量の経時的低下状態は図3の(ハ)に
示す通りであった。
ュ−ルとして使用した膜が架橋芳香族ポリアミド系で、
平均表面粗さが80nmの日東電工株式会社製スパイラ
ル型逆浸透膜モジュ−ルを後段モジュ−ルのみを運転圧
力7.5kgf/cm2で運転して、実施例1と同じ調整原水
を処理した。この比較例での透過水の水質は表1に示す
通りであり、その透過水流量の経時的低下状態は図3の
(ニ)に示す通りであった。
ュ−ルとして使用した膜がピペラジンポリアミド系であ
る日東電工株式会社製スパイラル型逆浸透膜モジュ−ル
のみを運転圧力7.5kgf/cm2で運転して、実施例と同
じ調整原水を処理した。この比較例での透過水の水質は
表1に示す通りであり、その透過水流量の経時的低下状
態は図3の(ホ)に示す通りであった。
水の処理方法によれば、下水に界面活性剤が多量に含有
されていても、窒素並びに燐化合物を著しく微量にして
処理でき、しかも、図3から明らかなようにその透過流
束も充分に安定であるから、その処理水を用水として有
効に利用できる。
下水に界面活性剤が多量に含有されていても、窒素並び
に燐を著しく微量にして処理でき、しかも、その透過流
束を充分に安定にできるから、その処理水を親水用水と
して、また水源への返送等により有効に利用できる。
示す説明図である。
示す説明図である。
流束特性を示す図表である。
Claims (10)
- 【請求項1】二段の逆浸透膜モジュ−ルにより下水処理
における最終的な高次処理を行う方法において、電気的
に中性の親水基を有する被覆層を逆浸透膜の表面に設け
た逆浸透膜モジュ−ルを前段逆浸透膜モジュ−ルとして
使用することを特徴とする下水の処理方法。 - 【請求項2】二段の逆浸透膜モジュ−ルにより下水処理
における最終的な高次処理を行う方法において、親水基
を有し、かつpH6での表面ζ電位が±10mv以内の
被覆層を逆浸透膜の表面に設けた逆浸透膜モジュ−ルを
前段逆浸透膜モジュ−ルとして使用することを特徴とす
る下水の処理方法。 - 【請求項3】被覆層を被覆するまえの逆浸透膜モジュ−
ルの膜表面の表面ζ電位の絶対値がpH5から11の領
域で10mVより大きい請求項1または2記載の下水の処
理方法。 - 【請求項4】被覆層が25℃に対し不溶性であり、80
℃の水に対して可溶性であるポリビニルアルコ−ルであ
る請求項1〜3何れか記載の下水の処理方法。 - 【請求項5】被覆層の厚さが0.001μm〜1.0μ
mである請求項1〜4何れか記載の下水の処理方法。 - 【請求項6】圧力15kgf/cm2、温度25℃、濃度15
00ppmのNaCl水溶液を供給液としての逆浸透膜
モジュ−ルの膜表面に被覆層を設けたときの透水量が
0.6m3/m2/day以上である請求項1〜5何れか記載の
下水の処理方法。 - 【請求項7】圧力7.5kgf/cm2、温度25℃、濃度1
500ppmのNaCl水溶液を供給液としての膜表面
に被覆層を設けるまえの逆浸透膜モジュ−ルの透水量が
0.6m3/m2/day以上である請求項1〜6何れか記載の
下水の処理方法。 - 【請求項8】後段の逆浸透膜モジュ−ルの透過流束が
0.10m3/m2・〔kgf/cm2〕・day以上であり、pH6.
5、濃度1500ppmの食塩水溶液を供給液としての
25℃、操作圧力10kgf/cm2での阻止率が90%以上
である請求項1〜7記載の下水の処理方法。 - 【請求項9】後段の逆浸透膜モジュ−ルの逆浸透膜が架
橋芳香族ポリアミドで形成されている請求項8記載の下
水の処理方法。 - 【請求項10】後段の逆浸透膜モジュ−ルの逆浸透膜が
ピペラジンアミノ化合物の架橋重合体で形成されている
請求項8記載の下水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15863298A JPH11319492A (ja) | 1998-05-21 | 1998-05-21 | 下水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15863298A JPH11319492A (ja) | 1998-05-21 | 1998-05-21 | 下水の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11319492A true JPH11319492A (ja) | 1999-11-24 |
Family
ID=15675962
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15863298A Pending JPH11319492A (ja) | 1998-05-21 | 1998-05-21 | 下水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11319492A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2013022580A (ja) * | 2011-07-26 | 2013-02-04 | Daicen Membrane Systems Ltd | Nf膜及びその製造方法 |
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-
1998
- 1998-05-21 JP JP15863298A patent/JPH11319492A/ja active Pending
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JPWO2014084356A1 (ja) * | 2012-11-30 | 2017-01-05 | 旭硝子株式会社 | 含フッ素共重合体からなる分離膜 |
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