JPH11319461A - フィルターの濾材の製造方法 - Google Patents

フィルターの濾材の製造方法

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JPH11319461A
JPH11319461A JP10128642A JP12864298A JPH11319461A JP H11319461 A JPH11319461 A JP H11319461A JP 10128642 A JP10128642 A JP 10128642A JP 12864298 A JP12864298 A JP 12864298A JP H11319461 A JPH11319461 A JP H11319461A
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filter
aerosol
activated carbon
chemical substance
concentration
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JP10128642A
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English (en)
Inventor
Kenzo Takahashi
健造 高橋
Makoto Furukawa
誠 古川
Naoshi Yokoie
尚士 横家
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 希薄な窒素酸化物を効率よく除去できる化学
物質を多孔質な吸着材料の細孔表面にまんべんなく添着
することを可能とすることで、高い窒素酸化物除去特性
を実現することができるフィルターの濾材の製造方法を
提供する。 【解決手段】 フィルターの濾材の製造方法は、窒素酸
化物を選択的に吸着する化学物質が溶剤に溶解されて調
整された溶液を噴霧してエアロゾルを形成する第1の工
程と、第1の工程の後に、多孔質な吸着材料の表面がエ
アロゾルに晒されて吸着材料の表面に化学物質が添着さ
れる第2の工程とを備えたものであり、化学物質は、有
機金属錯体又はアルカリ化合物の少なくともいずれか一
方としたものである。また、吸着材料は、粒子状活性炭
を補強用繊維と共に混抄したシート状材料、又は繊維状
活性炭のシート状材料の少なくともいずれか1つとした
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、人体に有害な大
気汚染物質であるNO2ガス等のNOxガス(窒素酸化
物)を除去するフィルターの濾材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】省エネルギーの観点から最近の居住空間
は、高気密・高断熱化が進んでおり、より高度の空調が
要求されている。こうした空調に関する主要素として、
温度コントロールや湿度コントロール及び有害空気成分
のコントロールを挙げることができる。これらのうちの
温度コントロールや湿度コントロールを実現する装置に
ついては、種々の加熱方式や冷却方式あるいは加湿方式
が開発されており、概ね満足できるものとなっている。
しかしながら、有害空気成分のコントロールを実現する
装置については、有害空気成分のコントロール技術自体
が開発途上にあり、未だ備足できるものは開発されてい
ない。
【0003】有害空気成分のコントロールを行う機器と
しては、室内の悪臭ガスを除去して空気浄化を行なう家
庭用空気清浄器は実用化されているものの、換気機能を
有する空調システムにおける導入する外気の空気清浄に
関する技術は確立されていない。外気の主たる汚染物質
は、車の排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)等の
有害ガスと環境から発生する不快な悪臭ガス等である。
【0004】大気の汚染物質である窒素酸化物には多く
の化学種が知られているが、大気中で安定に存在するの
は車の排気ガスに含まれる一酸化窒素(NO)と、これ
が大気中で酸化した二酸化窒素(NO2)である。二酸
化窒素が人体に有害であることは良く知られているとこ
ろであり、健康に悪影響を与えない環境基準濃度として
40〜60ppbが規定されている。一酸化窒素に関し
ては有害であるというデータがないため、環境基準濃度
は規定されていない。従って、窒素酸化物の除去は人体
に有害なNO2が対象になる。
【0005】従来より窒素酸化物の除去技術として排気
ガス中の一酸化窒素を除去するための技術が多く開発さ
れている。例えば、特開昭50−104783号公報に
は、コバルト錯体を主体とする触媒を用いて排気ガス中
の一酸化窒素を効率良く除去する技術が示されている。
また、特開昭52−134867号公報には、金属フタ
ロシアニンや金属ポルフィリンを主体とする触媒を用い
て排気ガス中の一酸化窒素を還元し無害化する技術が示
されている。しかしながらこのような排気ガス中の窒素
酸化物の除去技術を空調用の窒素酸化物の除去にそのま
ま活用することはできない。即ち、前者と後者とでは対
象とする窒素酸化物が異るうえ、扱うガス濃度も前者が
ppmレベルであるのに対して、後者ではppbレベル
となり、異る対応が迫られることになる。
【0006】こうしたなか、特開昭56−133549
号公報や特開平5−220337号公報には空調用の窒
素酸化物を除去するための技術が示されている。前者
は、外気を処理する熱交換型換気装置に、石膏に類似し
た組成の常温乾式NOx・SOx除去剤と活性炭を組み合
わせたフィルター状の空気浄化剤を組み込んだものであ
り、装置としては静止型である。また後者は、シート状
にした活性炭繊維を円筒状に成形したNOx除去ロータ
を熱交換ロータを同軸で回転させるようにしたものであ
り、装置としては回転型である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】空調用の窒素酸化物を
除去する装置には、小型であることと長期に亘る信頼性
の確保とが要請されていて、こうした観点からは、回転
型よりも静止型の方が優れている。しかしながら上記し
た従来の静止型のものは、低濃度の窒素酸化物を高効率
で除去することができないばかりでなく、空気浄化材の
組成に起因して静圧損失が随分高いといった問題点があ
る他、空気浄化材の寿命が短いといった問題点もある。
【0008】先に発明者等はNO2分子の電子吸引性に
着目し、空気中の濃度がppbレベルの場合にも電子供
与性の固体表面には高効率で化学吸着することを確認
し、比表面積が大きい活性炭の表面に電子供与性を付与
することによりNO2除去効率を大幅に改善する方法を
考案した。活性炭の表面に電子供与性を付与するために
中心金属の酸化還元電位が飽和カロメル電極に対して
0.1〜1.5Vの有機金属錯体を有機溶剤に溶解し、
活性炭を上記溶液に浸漬することにより添着処理した。
上記添着活性炭のNO2除去性能を評価検討した結果、
50〜100ppbの濃度域において風速0.2m/s
であれば80%以上の除去効率を実現した。また、外気
処理装置の標準風速である1m/sにおいても60%以
上という高いNO2ガス除去効率を確認した。
【0009】一方、NO2分子は酸性ガスであるため、
アルカリ性の化学物質を水に溶解した水溶液に浸漬して
添着処理した活性炭を用いても50〜100ppbの濃
度域において風速0.2m/sであれば70%以上の除
去効率を実現した。また、外気処理装置の標準風速であ
る1m/sにおいても50%以上という高いNO2ガス
除去効率を確認した。
【0010】しかし、活性炭は表面が疎水性であるため
に水溶液を用いて添着処理を十分に行うことは容易では
ない。また、有機溶剤に溶解した溶液を用いた場合にも
活性炭の細孔内部迄まんべんなく添着処理することは容
易ではない。
【0011】本発明は上記した従来の問題点を解決する
ためになされたもので、その課題とするところは、希薄
な窒素酸化物を効率よく除去できる化学物質を多孔質な
吸着材料の細孔表面にまんべんなく添着することを可能
とすることで、高い窒素酸化物除去特性を実現すること
ができるフィルターの濾材の製造方法を提供することを
課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係るフィルタ
ーの濾材の製造方法は、窒素酸化物を選択的に吸着する
化学物質が溶剤に溶解されて調整された溶液を噴霧して
エアロゾルを形成する第1の工程と、第1の工程の後
に、多孔質な吸着材料の表面がエアロゾルに晒されて吸
着材料の表面に化学物質が添着される第2の工程とを備
えたものである。
【0013】また、第1の工程では、形成されたエアロ
ゾル濃度と予め定められたエアロゾル濃度との比較に基
づいて溶液の噴霧量を制御し、形成されるエアロゾル濃
度を予め定められたエアロゾル濃度とするものである。
【0014】また、第2の工程では、エアロゾル内を吸
着材料を通過させることを特徴とするものである。
【0015】また、第2の工程の後に、化学物質が添着
された吸着材料の表面を乾燥させる第3の工程をさらに
備えたものである。
【0016】また、化学物質は、有機金属錯体又はアル
カリ化合物の少なくともいずれか一方としたものであ
る。
【0017】また、吸着材料は、粒子状活性炭、繊維状
活性炭、又はハニカム状活性炭の少なくともいずれか1
つとしたものである。
【0018】また、吸着材料は、粒子状活性炭を補強用
繊維と共に混抄したシート状材料、又は繊維状活性炭の
シート状材料の少なくともいずれか1つとしたものであ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明は、粒子径が10ミクロ
ン以下のエアロゾルが多孔質材料の細孔内部迄拡散する
ことに着目している。そこで、NO2ガスを選択的に吸
着する化学物質を溶剤に溶解した溶液を噴霧してエアロ
ゾルを形成し、該エアロゾルの中に多孔質材料の表面が
晒されることで、該化学物質を細孔内部迄まんベんなく
添着処理できることから、この発明は完成された。この
発明に係るフィルターの濾材の製造方法の実施の形態を
以下に説明する。
【0020】実施の形態1.実施の形態1に示すフィル
ターの濾材の製造方法を図1に従って説明する。窒素酸
化物であるNO2ガスを選択的に吸着する化学物質とし
てコバルトのシッフ塩基錯体であるサルコミン(ビスサ
リチルアルデヒドエチレンジイミンコバルト)を用い、
1リットルのアセトンにサルコミンを25g溶解した溶
液を調製する(図1のS1)。
【0021】多孔質吸着材料として厚さが10mm、1
平方インチ当たりのセル数が200の比表面積の大きい
ハニカム状に成形された活性炭を用い、透明なアクリル
樹脂を用いて作製された50cm角の容器に10枚を間
隔を置いて並べ、この溶液をスプレイガンを用いて噴霧
して、多孔質吸着材料の表面がエアロゾルに晒されて、
多孔質吸着材料の表面にサルコミンの添着処理を施す
(図1のS2)。
【0022】約10分保持した後、サルコミンが添着さ
れたハニカム状活性炭を取り上げ、アセトンを乾燥させ
フィルターの濾材を完成させる(図1のS3)。
【0023】そして、厚さ12mmのフィルター枠17
の中にこの金属錯体添着ハニカム状活性炭16を適宜並
べることで、図2に示すようなNOx除去フィルターが
製作できる。
【0024】実施の形態1では、NO2ガスを選択的に
吸着する化学物質である有機金属錯体(サルコミン)を
有機溶剤(アセトン)に溶解した溶液を噴霧してエアロ
ゾルを形成し、エアロゾルの中に多孔質吸着材料を通過
(又は保持)させることにより、多孔質吸着材料の表面
がエアロゾルに晒されて、エアロゾルが多孔質吸着材料
の細孔の隅々迄拡散するため、吸着材料の細孔の表面全
体に有機金属錯体(サルコミン)をまんべんなく添着処
理することが可能となり、後述する検証の通り、このフ
ィルターの濾材をNOx除去フィルターに使用した場合
に極めて高いNO2ガス除去性能を発現する。
【0025】また、多孔質な吸着材料として比表面積の
大きいハニカム状活性炭を用いているが、多孔質な吸着
材料として比表面積の大きい粒子状活性炭、繊維状活性
炭を用いても、NO2ガスを選択的に吸着する化学物質
である有機金属錯体(サルコミン)が添着される有効表
面積を大きく取れるため、NO2除去効率の高いNOx
去フィルターに好適なフィルターの濾材を製造すること
ができる。
【0026】実施の形態2.実施の形態2に示すフィル
ターの濾材の製造方法を図1に従って説明する。窒素酸
化物であるNO2ガスを選択的に吸着する化学物質とし
て炭酸カリウムを用い、1リットルの水に炭酸カリウム
を100g溶解した水溶液を調製する(図1のS1)。
【0027】多孔質吸着材料として厚さが10mm、1
平方インチ当たりのセル数が200の比表面積の大きい
ハニカム状に成形された活性炭を用い、透明なアクリル
樹脂を用いて作製された50cm角の容器に10枚を間
隔を置いて並べ、この水溶液をスプレイガンを用いて噴
霧して、多孔質吸着材料の表面がエアロゾルに晒され
て、多孔質吸着材料の表面に炭酸カリウムの添着処理を
施す(図1のS2)。
【0028】約10分保持した後、炭酸カリウムが添着
されたハニカム状活性炭を取り上げ、水を乾燥させフィ
ルターの濾材を完成させる(図1のS3)。
【0029】そして、厚さ12mmのフィルター枠17
の中にこのアルカリ化合物添着ハニカム状活性炭16を
適宜並べることで、図2に示すようなNOx除去フィル
ターが製作できる。
【0030】実施の形態2では、NO2ガスを選択的に
吸着する化学物質であるアルカリ化合物(炭酸カリウ
ム)を水に溶解した水溶液を噴霧してエアロゾルを形成
し、エアロゾルの中に多孔質吸着材料を通過(又は保
持)させることにより、多孔質吸着材料の表面がエアロ
ゾルに晒されて、エアロゾルが多孔質吸着材料の細孔の
隅々迄拡散するため、吸着材料の細孔の表面全体にアル
カリ化合物(炭酸カリウム)をまんべんなく添着処理す
ることが可能となり、 後述する検証の通り、このフィ
ルターの濾材をNOx除去フィルターに使用した場合に
極めて高いNO2ガス除去性能を発現する。
【0031】また、多孔質な吸着材料として比表面積の
大きいハニカム状活性炭を用いているが、多孔質な吸着
材料として比表面積の大きい粒子状活性炭、繊維状活性
炭を用いても、NO2ガスを選択的に吸着する化学物質
であるアルカリ化合物(炭酸カリウム)が添着される有
効表面積を大きく取れるため、NO2除去効率の高いN
x除去フィルターに好適なフィルターの濾材を製造す
ることができる。
【0032】実施の形態3.実施の形態3に示すフィル
ターの濾材の製造方法では、図3に示す添着装置を用い
て窒素酸化物であるNO2ガスを選択的に吸着する化学
物質をシート状の多孔質吸着材料に添着してフィルター
の濾材を製造する。
【0033】図3中、2はシート状の多孔質吸着材料1
が通過できる入口及び出口となるスリット状開口部を有
し、多孔質吸着材料1にNO2ガスを選択的に吸着する
化学物質の添着処理を行うための容器、21はNO2
スを選択的に吸着する化学物質を溶解した溶液を噴霧し
て容器2内にエアロゾルを発生するエアロゾル発生装置
(噴霧部)、22は容器2内のエアロゾル濃度を検出す
る濃度検出センサ(検出部)、5はシート状の多孔質吸
着材料1が通過できる入口及び出口となるスリット状開
口部を有する乾燥機、6は濃度検出センサ22が検出し
た容器2内のエアロゾル濃度と予め定められたエアロゾ
ル濃度との比較に基づいて容器2内のエアロゾル濃度が
予め定められたエアロゾル濃度になるようにエアロゾル
発生装置21の噴霧量を制御する制御装置(制御部)で
ある。
【0034】このように構成された、図3に示す添着装
置では、エアロゾル発生装置21はNO2ガスを選択的
に吸着する化学物質を溶解した溶液を噴霧して容器2内
にエアロゾルを発生する一方、制御装置6は濃度検出セ
ンサ22が検出した容器2内に形成されたエアロゾル濃
度と予め定められたエアロゾル濃度との比較に基づいて
エアロゾル発生装置21の噴霧量を制御することで、容
器2内にこれから形成されるエアロゾル濃度を予め定め
られたエアロゾル濃度になるようにしている。
【0035】そして、予め定められたエアロゾル濃度に
保たれた容器2内を、シート状の多孔質吸着材料1が連
続的に通過することにより、多孔質吸着材料1の表面が
エアロゾルに晒されて、多孔質吸着材料1の表面にNO
2ガスを選択的に吸着する化学物質が添着処理され、さ
らに乾燥機5で表面に化学物質が添着された多孔質吸着
材料1の溶液成分を乾燥させることにすることにより、
NOx除去フィルターに適したフィルターの濾材を連続
的に製造することができる。
【0036】実施の形態3に示すフィルターの濾材の製
造方法を図4に従って説明する。NO2ガスを選択的に
吸着する化学物質としてコバルトのシッフ塩基錯体であ
るサルコミン(ビスサリチルアルデヒトエチレンジイミ
ンコバルト)を用い、1リットルのアセトンにサルコミ
ンを25g溶解した溶液を調製する(図4のS1)。
【0037】シート状の多孔質吸着材料1として繊維状
活性炭のシートを用い、シート状の多孔質吸着材料1が
通過できるスリット状開口部を有する容器2の中で、エ
アロゾル発生装置21がサルコミンのアセトン溶液を噴
霧してエアロゾルを形成する(図4のS2)。
【0038】ここで、エアロゾルの形成においては、容
器2の中の空気を例えば少量サンプリングして市販の塵
埃濃度計(濃度検出センサ22)を用いてエアロゾル濃
度を計測する。エアロゾル濃度は100〜1000mg
/m3が好ましいため、制御装置6は濃度検出センサ2
2が検出した容器2内のエアロゾル濃度と予め定められ
たエアロゾル濃度との比較に基づいてエアロゾル発生装
置21の噴霧量を制御する。
【0039】そして、シート状の多孔質吸着材料1を連
続的に容器2内を通過させることにより、多孔質吸着材
料1の表面がエアロゾルに晒されて、多孔質吸着材料1
の表面にサルコミンの添着処理を施す(図4のS3)。
【0040】シート状の多孔質吸着材料1を連続的に乾
燥機5内を通過させ、乾燥機5で表面にサルコミンが添
着された多孔質吸着材料1のアセトン成分を乾燥させる
ことにより、フィルターの濾材を完成させる(図4のS
4)。
【0041】そして、フィルターの濾材18をプリーツ
状に織り込んでフィルター枠19の中に納めることによ
り、図5に示すようなNOx除去フィルターが製作でき
る。
【0042】実施の形態3では、シート状の多孔質吸着
材料1が通過できるスリット状開口部を有する容器2の
中でNO2ガスを選択的に吸着する化字物質である有機
金属錯体(サルコミン)を有機溶剤(アセトン)に溶解
した溶液を噴霧してエアロゾルを形成し、シート状の多
孔質吸着材料1を連続的に予め定められたエアロゾル濃
度に保たれたエアロゾル内を通過させることにより、多
孔質吸着材料1の表面がエアロゾルに晒されて、多孔質
吸着材料1の細孔の表面全体に有機金属錯体(サルコミ
ン)をまんべんなく添着処理したフィルターの濾材を連
続的に製造することが可能となる。そして、後述する検
証の通り、このフィルターの濾材をNOx除去フィルタ
ーに使用した場合に極めて高いNO2ガス除去性能を発
現する。
【0043】また、シート状の多孔質吸着材料1が通過
できるスリット状開口部を有する容器2の中にエアロゾ
ルの噴霧部(エアロゾル発生装置21)とエアロゾル濃
度の検出部(濃度検出センサ22)を設置し、NO2
スを選択的に吸着する化字物質である有機金属錯体(サ
ルコミン)を有機溶剤(アセトン)に溶解した溶液を噴
霧したエアロゾル濃度を制御装置6が制御することによ
り、シート状の多孔質吸着材料1の細孔の表面全体に添
着する有機金属錯体(サルコミン)を制御することが可
能となり、有機金属錯体(サルコミン)を過不足なくシ
ート状の多孔質吸着材料1の細孔の表面全体に添着させ
ることができる。
【0044】また、シート状の多孔質吸着材料1として
繊維状活性炭のシートを用いているが、シート状の多孔
質吸着材料1として粒子状活性炭を補強用繊維と共に混
抄したシートを用いても、NO2除去効率の高いフィル
ターの濾材を連続的に製造することができる。
【0045】実施の形態4.実施の形態4に示すフィル
ターの濾材の製造方法でも、実施の形態3と同様に、図
3に示す添着装置を用いて窒素酸化物であるNO2ガス
を選択的に吸着する化学物質をシート状の多孔質吸着材
料に添着してフィルターの濾材を製造する。図3に示す
添着装置の構成及び動作は実施の形態3と同様なので、
添着装置の説明は省略する。
【0046】実施の形態4に示すフィルターの濾材の製
造方法を図4に従って説明する。NO2ガスを選択的に
吸着する化学物質として炭酸カリウムを用い、1リット
ルの水に炭酸カリウムを100g溶解した水溶液を調製
する(図4のS1)。した。
【0047】シート状の多孔質吸着材料1として繊維状
活性炭のシートを用い、シート状の多孔質吸着材料1が
通過できるスリット状開口部を有する容器2の中で、エ
アロゾル発生装置21が炭酸カリウムの水溶液を噴霧し
てエアロゾルを形成する(図4のS2)。
【0048】ここで、エアロゾルの形成においては、容
器2の中の空気を例えば少量サンプリングして市販の塵
埃濃度計(濃度検出センサ22)を用いてエアロゾル濃
度を計測する。エアロゾル濃度は100〜1000mg
/m3が好ましいため、制御装置6は濃度検出センサ2
2が検出した容器2内のエアロゾル濃度と予め定められ
たエアロゾル濃度との比較に基づいてエアロゾル発生装
置21の噴霧量を制御する。
【0049】そして、シート状の多孔質吸着材料1を連
続的に容器2内を通過させることにより、多孔質吸着材
料1の表面がエアロゾルに晒されて、多孔質吸着材料1
の表面に炭酸カリウムの添着処理を施す(図4のS
3)。
【0050】シート状の多孔質吸着材料1を連続的に乾
燥機5内を通過させ、乾燥機5で表面に炭酸カリウムが
添着された多孔質吸着材料1の水成を乾燥させることに
より、フィルターの濾材を完成させる(図4のS4)。
【0051】そして、フィルターの濾材18をプリーツ
状に織り込んでフィルター枠19の中に納めることによ
り図5に示すようなNOx除去フィルターが製作でき
る。
【0052】実施の形態4では、シート状の多孔質吸着
材料1が通過できるスリット状開口部を有する容器2の
中でNO2ガスを選択的に吸着する化字物質であるアル
カリ化合物(炭酸カリウム)を水に溶解した水溶液を噴
霧してエアロゾルを形成し、シート状の多孔質吸着材料
1を連続的に予め定められたエアロゾル濃度に保たれた
エアロゾル内を通過させることにより、多孔質吸着材料
1の表面がエアロゾルに晒されて、多孔質吸着材料1の
細孔の表面全体に炭酸カリウムをまんべんなく添着処理
したフィルターの濾材を連続的に製造することが可能と
なる。そして、後述する検証の通り、このフィルターの
濾材をNOx除去フィルターに使用した場合に極めて高
いNO2ガス除去性能を発現する。
【0053】また、シート状の多孔質吸着材料1が通過
できるスリット状開口部のある容器2の中にエアロゾル
の噴霧部(エアロゾル発生装置21)とエアロゾル濃度
の検出部(濃度検出センサ22)を設置し、NO2ガス
を選択的に吸着する化字物質であるアルカリ化合物(炭
酸カリウム)を水に溶解した水溶液を噴霧したエアロゾ
ル濃度を制御装置6が制御することにより、シート状の
多孔質吸着材料1の細孔の表面全体に添着するアルカリ
化合物(炭酸カリウム)を制御することが可能となり、
アルカリ化合物(炭酸カリウム)を過不足なくシート状
の多孔質吸着材料1の細孔の表面全体に添着させること
ができる。
【0054】また、シート状の多孔質吸着材料1として
繊維状活性炭のシートを用いているが、シート状の多孔
質吸着材料1として粒子状活性炭を補強用繊維と共に混
抄したシートを用いても、NO2除去効率の高いフィル
ターの濾材を連続的に製造することができる。
【0055】さて、このようにして得られたフィルター
の濾材のNOx除去特性を評価するために図6のような
評価設備を用いた。ガス濃度が1000ppmのNO2
の標準ガスボンベ33のガスを工場用圧縮空気32で所
定の濃度(40〜1000ppb)に希釈し、NOx
去フィルター材料(フィルターの濾材)30をセットし
たダクト31の中に流しながらバルブ35を開閉調節し
て、この希釈空気をNOx除去フィルター材料(フィル
ターの濾材)30に透過させて、フィルターの濾材前後
の空気をサンプリングして、環境用窒素酸化物分析計3
4を用いて濃度を計測した。
【0056】上記計測濃度よりNO2除去効率を算出し
た結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1中の比較例1は実施の形態1と同濃度
の処理液を用い、実施の形態1と同様なハニカム状活性
炭を10分間浸漬処理したフィルターの濾材の場合であ
り、比較例2は実施の形態2と同濃度の処理液を用い、
実施の形態2と同様なハニカム活性炭を10分間浸漬処
理したフィルターの濾材の場合である。
【0059】また、製作したフィルターの濾材の処理風
速1.0m/sにおける静圧損失を評価した結果、実施
の形態1及び2の場合のフィルターの濾材では0.5m
mAqと極めて低い値であった。一方、実施の形態3及
び4の場合のフィルターの濾材では静圧損失は1.0m
mAqと除塵フィルター並の静圧損失であった。従って
実施の形態1及び2の場合のフィルターの濾材は、より
高いNO2除去特性と低い静圧損失を両立させた極めて
優れたものであることが分かる。
【0060】実施の形態1〜4のフィルターの濾材に関
しては寿命の評価も実施した。その結果、いずれの場合
も4〜6ケ月程度の寿命であり、再生処理を施すことで
長期使用ができる。実施の形態1及び3の場合のフィル
ターの濾材に関しては添着した化学物質(サルコミン)
が非水溶性であるため、水洗による再生が可能である。
室温の水道水を用いた場合には約12時間の浸漬処理で
再生できる。しかし、水道水にアルカリ性の試薬として
重曹を加え、弱アルカリ性にした室温の水道水を用いた
場合、約1時間の浸漬処理でスピード再生することがで
きる。
【0061】このように、以上説明したようなフィルタ
ーの濾材の製造方法によれば、NO2ガスを選択的に吸
着する化学物質を多孔質な吸着材料の細孔表面にまんべ
んなく添着することが可能となり、その結果、表1に記
載したように高いNO2除去特性を実現することができ
るフィルターの濾材を得ることができる。
【0062】また、NO2ガスを選択的に吸着する化学
物質としての有機金属錯体(サルコミン)を添着処理し
た活性炭を用いることにより、ppbレベルと極めて低
濃度であるNO2ガスを高効率で除去することが出来る
フィルターの濾材を得ることができる。
【0063】フィルターの濾材を静止型の空調装置のN
x除去フィルターに適用することで、比較的小型の空
調システムにも組み込みが可能である。
【0064】
【発明の効果】この発明によれば、希薄な窒素酸化物を
効率よく除去できる化学物質を多孔質な吸着材料の細孔
表面にまんべんなく添着することを可能とすることで、
高い窒素酸化物除去特性を実現することができるフィル
ターの濾材の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1及び2に示すフィルターの濾材
の製造方法の説明図である。
【図2】 実施の形態1及び2に示すフィルターの濾材
の製造方法により製造されたフィルターの濾材を用いた
NOx除去フィルターの概略図である。
【図3】 実施の形態3及び4に示すフィルターの濾材
の製造方法で用いるフィルターの濾材の製造装置の説明
図である。
【図4】 実施の形態3及び4に示すフィルターの濾材
の製造方法の説明図である。
【図5】 実施の形態3及び4に示すフィルターの濾材
の製造方法により製造されたフィルターの濾材を用いた
NOx除去フィルターの概略図である。
【図6】 実施の形態1乃至4に示すフィルターの濾材
の製造方法により製造されたフィルターの濾材を用いた
NOx除去フィルターのNOx除去特性の評価装置の概略
図である。
【符号の説明】
1 シート状の多孔質吸着材料、2 容器、21 エア
ロゾル発生装置、22 濃度検出センサ、5 乾燥機、
6 制御装置、16、18 フィルターの濾材、17、
19 フィルター枠、30 NOx除去フィルター(フ
ィルターの濾材)、31 ダクト、32 工場用圧縮空
気、33 NO2ガスボンベ、34 環境用窒素酸化物
分析計、35 バルブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F24F 3/16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素酸化物を選択的に吸着する化学物質
    が溶剤に溶解されて調整された溶液を噴霧してエアロゾ
    ルを形成する第1の工程と、前記第1の工程の後に、多
    孔質な吸着材料の表面が前記エアロゾルに晒されて前記
    吸着材料の表面に前記化学物質が添着される第2の工程
    とを備えたことを特徴とするフィルターの濾材の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 第1の工程では、形成されたエアロゾル
    濃度と予め定められたエアロゾル濃度との比較に基づい
    て溶液の噴霧量を制御し、形成されるエアロゾル濃度を
    予め定められたエアロゾル濃度とすること特徴とする請
    求項1に記載のフィルターの濾材の製造方法。
  3. 【請求項3】 第2の工程では、エアロゾル内を吸着材
    料を通過させることを特徴とする請求項1又は2に記載
    のフィルターの濾材の製造方法。
  4. 【請求項4】 第2の工程の後に、化学物質が添着され
    た吸着材料の表面を乾燥させる第3の工程をさらに備え
    たことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    フィルターの濾材の製造方法。
  5. 【請求項5】 化学物質は、有機金属錯体又はアルカリ
    化合物の少なくともいずれか一方としたことを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれかに記載のフィルターの濾材
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 吸着材料は、粒子状活性炭、繊維状活性
    炭、又はハニカム状活性炭の少なくともいずれか1つと
    したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載
    のフィルターの濾材の製造方法。
  7. 【請求項7】 吸着材料は、粒子状活性炭を補強用繊維
    と共に混抄したシート状材料、又は繊維状活性炭のシー
    ト状材料の少なくともいずれか1つとしたことを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれかに記載のフィルターの濾
    材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023042772A1 (ja) 2021-09-17 2023-03-23 ダイキン工業株式会社 吸着素子、調湿装置および大気造水機

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