JPH11319172A - ゴルフパター用のグリップおよびゴルフクラブ用のグリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 微妙なタッチのパッティングを可能とするグ
リップを提供する。 【解決手段】 ゴルフパター用のグリップ１１を、シャ
フトの中心軸線ｃに対して外側（ヘッド側）よりも内側
が金属材料１５を含有することにより２０〜７０ｇの範
囲内の重量差で重くなるように構成し、パター用ヘッド
とともにシャフトに装着した状態で、ゴルフパターのシ
ャフトの中心軸線に対する外側と内側との重量比を小さ
くして、スイング時の安定性を増し、ゴルフパターの操
作性、スイングの安定性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はゴルフパター用のグ
リップとゴルフクラブ用のグリップに係り、特にスイン
グ時の安定性を高めることが可能なグリップに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のゴルフパター用のグリップは、シ
ャフトの基端が挿入固定されるような円筒形状のゴム素
材からなるものであった。また、手になじむように、シ
ャフトの中心軸線に対して外側（ヘッド側）よりも内側
を肉厚にして膨らませた形状のグリップも使用されてい
る。さらに、近年、径を太くして手首を安定させるよう
なグリップも開発されている。

【０００３】しかし、従来のゴルフパターは、シャフト
中心軸線に対してのクラブ全体の重量バランスが悪いも
のである。すなわち、ヘッドの重量のほとんどが、シャ
フト中心軸線の外側に作用するため、スイング中にかか
る遠心力により、外回りの動きが大きくなり、クラブの
操作性、スイングの再現性が低いという問題がある。

【０００４】一方、従来のゴルフクラブ（ウッドクラブ
やアイアンクラブ）は、断面が真円のパイプ状のシャフ
トの基端にグリップが装着され、先端にはヘッドが固定
されたものであるが、シャフト中心軸線に対してのクラ
ブ全体の重量バランスが悪いものである。すなわち、ヘ
ッドの重量のほとんどが、シャフト中心軸線の外側に作
用するため、スイング中にかかる遠心力により、外回り
の動きが大きくなり、クラブの操作性、スイングの再現
性が低くなる。

【０００５】ゴルフクラブのスイングは、グリップの握
り方によって大きく左右される。機能性の優れたゴルフ
クラブでも、グリップが悪ければ、それを生かすことが
できない。スイングロボットと違って人間の場合は、親
指、人指し指というのは、日常生活においても最もよく
使う指であり、また力を入れやすく、その結果、スイン
グにおいて外回りの動きが生じて脇が開きやすい。この
ため、小指側すなわちグリップの内側の力で脇を閉め、
スイング中に遠心力によってクラブが体から離れようと
する動きを逆に利用して、クラブ操作性、スイング再現
性を高める技術が必要である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ゴルフパターのヘッド
は、ウッドクラブやアイアンクラブのヘッドに比べて重
く、シャフト中心軸線に対してのクラブ全体の重量バラ
ンスの悪さに起因した上記の問題が生じやすい。また、
ゴルフパターは、ウッドクラブやアイアンクラブに比べ
てスイング速度が大幅に遅いが、逆に微妙なタッチが要
求されるパッティングでは、上記の問題が極めて重大な
影響を及ぼすことになる。

【０００７】このような問題を解決するために、ヘッド
のフェイス面のトウ側とヒール側の重量バランスをそろ
えた、いわゆるフェイスバランスのゴルフパターが開発
されている。しかし、このようなゴルフパターは、外回
りの動きを抑えることはできるものの、重量バランスの
調整をヘッドのみで行っているため、スイングの安定性
に劣るものであった。

【０００８】また、上記のような径を太くしたグリップ
は、手首が安定するので短い距離のパッティングには適
しているが、長い距離のパッティングでは、距離感がつ
かみにくいという問題がある。

【０００９】一方、ゴルフクラブに関しては、一般ゴル
ファーは、シャフトが軽量化するほど、親指側の力を使
い過ぎてしまい、スイング速度は上がるが、外回りのス
イングになり易い。その結果、シャフトおよびグリップ
が軽量化するほど、ヘッドスピードは速くなるが、手元
側が軽くなりすぎるため、外回りの動きが大きくなる。
したがって、一般ゴルファーは、ゴルフクラブの性能が
良くなり、ヘッドスピードは速くなってきたが、操作
性、スイングの再現性においては、あまり変わらず、ゴ
ルフクラブの性能が向上した割にはゴルファー自身の技
術はあまり向上せず、ゴルフクラブの性能を生かしきれ
ない。

【００１０】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、ゴルフパターの操作性、スイングの安定
性を高め、微妙なタッチのパッティングを可能とするグ
リップ、および、ゴルフクラブの操作性、スイングの再
現性を高め、ゴルファー自身のスイング技術を向上させ
ることができるグリップを提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明のゴルフパター用のグリップは、シャ
フトの中心軸線に対して外側（ヘッド側）よりも内側が
重く、その重量差が２０〜７０ｇの範囲内であり、か
つ、内側に金属材料を含有するような構成とした。

【００１２】また、本発明のゴルフパター用のグリップ
は、内外方向の太さＷ１と、これに直交する方向の太さ
Ｗ２との比（Ｗ１／Ｗ２）が０．８〜１．８の範囲内に
あるような構成とした。

【００１３】また、本発明のゴルフパター用のグリップ
は、シャフトの中心軸線に直交する方向の断面積が１．
５〜１０ｃｍ² の範囲内にあるような構成とした。

【００１４】また、本発明のゴルフパター用のグリップ
は、前記金属材料が金属粉、金属繊維、金属ワイヤおよ
び金属板の少なくとも１種であるような構成とした。

【００１５】また、本発明のゴルフパター用のグリップ
は、内側における金属材料の含有密度に分布が存在する
ような構成とした。

【００１６】また、本発明のゴルフパター用のグリップ
は、金属材料の含有密度が、シャフトの中心軸線から離
れるにしたがって高くなるような構成とした。

【００１７】さらに、本発明のゴルフパター用のグリッ
プは、金属材料の含有密度が、シャフトの中心軸線に対
して前側（ヘッドのフェース側）と後側とで異なるよう
な構成とした。

【００１８】また、本発明のゴルフパター用のグリップ
は、前記金属材料が少なくともタングステン材料である
ような構成とした。

【００１９】このような本発明では、シャフトの中心軸
線に対してグリップの内側が外側よりも２０〜７０ｇの
範囲内で重いので、パター用ヘッドとともにシャフトに
装着した状態で、ゴルフパターにおけるシャフトの中心
軸線に対する外側と内側との重量比が小さくなり、スイ
ング時の安定性が増し、ゴルフパターの操作性、スイン
グの安定性が向上する。

【００２０】本発明のゴルフクラブ用のグリップは、シ
ャフトの中心軸線に対して外側（ヘッド側）よりも内側
が重く、その重量差が５〜３０ｇの範囲内であり、か
つ、内側に金属材料を含有するような構成とした。

【００２１】また、本発明のゴルフクラブ用のグリップ
は、前記金属材料が金属粉、金属繊維、金属ワイヤおよ
び金属板の少なくとも１種であるような構成とした。

【００２２】また、本発明のゴルフクラブ用のグリップ
は、内側における金属材料の含有密度に分布が存在する
ような構成とした。

【００２３】また、本発明のゴルフクラブ用のグリップ
は、金属材料の含有密度が、シャフトの中心軸線から離
れるにしたがって高くなるような構成とした。

【００２４】また、本発明のゴルフクラブ用のグリップ
は、金属材料の含有密度が、シャフトの中心軸線に対し
て前側（ヘッドのフェース側）と後側とで異なるような
構成とした。

【００２５】さらに、本発明のゴルフクラブ用のグリッ
プは、前記金属材料は、少なくともタングステン材料で
あるような構成とした。

【００２６】このような本発明では、シャフトの中心軸
線に対してグリップの内側が外側よりも５〜３０ｇの範
囲内で重いので、ヘッドとともにシャフトに装着した状
態で、ゴルフクラブにおけるシャフトの中心軸線に対す
る外側と内側との重量比が小さくなり、スイング時の安
定性が増すので、ゴルフクラブの操作性、スイングの再
現性が向上する。

【００２７】

【発明の実施の形態】本発明の最良と思われる実施形態
について説明する。ゴルフパター用のグリップ 図１は、本発明のゴルフパター用のグリップを装着した
ゴルフパターのシャフト長手方向の部分断面図であり、
ｃはシャフト中心軸線を示す。また、図２は、図１のＡ
−Ａ線におけるシャフト中心軸線Ｃに垂直な面でのグリ
ップの拡大断面図である。図１および図２において、ゴ
ルフクラブ１は、グリップ１１内にシャフト２の基端部
が挿入固定され、シャフト２の他端部がパター用のヘッ
ド３のホーゼル部３ａに挿入され固定されたものであ
る。

【００２８】本発明のゴルフパター用のグリップ１１
は、所望の外形状を有する基材１２と、この基材１２に
シャフト挿入用として設けられた孔部１３とを備えてい
る。そして、シャフト中心軸線Ｃに対し外側の領域ｏ
（ヘッド３側）に位置する基材半体１２ｏよりも、その
反対側、すなわち内側の領域ｉに位置する基材半体１２
ｉが重くなるように重量差をつけてある。この重量差は
２０〜７０ｇ、好ましくは３０〜６０ｇの範囲であり、
このような重量差によって、ゴルフパター１全体のシャ
フト中心軸線Ｃに対する外側ｏと内側ｉとの重量比が小
さくなって、スイング時の安定性が良くなり、ゴルフパ
ターの操作性、スイングの再現性が向上する。重量差が
２０ｇ未満であると、本発明の効果が十分に得られず、
７０ｇを超えると、グリップ１１の重量が大きくなりす
ぎて、ヘッドの重さを感じにくくなり、距離感が悪くな
る。グリップにおける上記の２０〜７０ｇの範囲内にお
ける重量差の設定は、ヘッドの重量、ヘッドの重心位
置、グリップの重量に応じて適宜設定することができ
る。例えば、重量の大きいヘッドを装着する場合、グリ
ップの重量差を上記の範囲内で大き目に設定し、重量の
小さいヘッドを装着する場合、グリップの重量差を上記
の範囲内で小さ目に設定することができる。

【００２９】本発明のゴルフパター用のグリップは、ゴ
ム等の弾性体を主体とするものであり、例えば、シャフ
ト中心軸線Ｃの外側の領域ｏを構成する基材半体１２ｏ
と、内側の領域ｉを構成する基材半体１２ｉとを成型し
た後、互いに対向させて接着することで製造することが
できる。そして、内側の領域ｉを構成する基材半体１２
ｉに金属材料を含有させることにより、２０〜７０ｇの
範囲内で、外側の領域ｏを構成する基材半体１２ｏの重
量よりも大きくしてある。尚、上記の基材半体１２ｏと
基材半体１２ｉを、シャフト中心軸線Ｃから分割したよ
うな構造とせず、シャフト中心軸線Ｃよりも内側から分
割した構造、逆に、シャフト中心軸線Ｃよりも外側から
分割した構造としてもよい。いずれにしても、シャフト
中心軸線Ｃに対し外側の領域ｏに位置する基材半体１２
ｏよりも、内側の領域ｉに位置する基材半体１２ｉが２
０〜７０ｇの範囲の重量差で重くなるように設定する。

【００３０】また、本発明のゴルフパター用のグリップ
１１では、図２に示す内外方向（ヘッド３のヒールから
トウに向かう方向）の太さＷ１と、これに直交する前後
方向の太さＷ２との比（Ｗ１／Ｗ２）が、グリップ１１
の長さ方向の全域において０．８〜１．８の範囲内にあ
る。通常、グリップ１１の先端側１１ａでは、上記の比
（Ｗ１／Ｗ２）が小さく、グリップ１１の後端部に向か
って大きくなるように設定される。上記の比（Ｗ１／Ｗ
２）が０．８未満であると、ゴルファーにとりグリップ
形状が異常に横長に感じられ、また、１．８を超える
と、ゴルファーにとりグリップ形状が異常に縦長に感じ
られ、いずれも、実際に打球する際の微妙なタッチを感
じ取りにくいものとなる。

【００３１】さらに、本発明のゴルフパター用のグリッ
プ１１では、シャフトの中心軸線に直交する方向の断面
積（この断面積は、シャフト挿入用として設けられた孔
部１３の断面積も含むものである）が、グリップの長さ
方向のいずれの箇所においても１．５〜１０ｃｍ² の範
囲内にある。通常、グリップ１１の先端側１１ａでは、
上記の断面積が小さく、グリップ１１の後端部に向かっ
て大きくなるように設定される。断面積が１０ｃｍ² を
超えると、ゴルファーにとりグリップ形状が異常に太く
感じられ、実際に打球する際の微妙なタッチを感じ取り
にくく、上記の２０〜７０ｇの範囲の重量差による効果
が得にくくなる。

【００３２】本発明のゴルフパター用のグリップ１１
は、重量を７０〜１２０ｇ、好ましくは９０〜１１０ｇ
の範囲で設定することができる。そして、上記のよう
に、内側の領域ｉを構成する基材半体１２ｉに金属材料
を含有させることにより、２０〜７０ｇの範囲内で、外
側の領域ｏを構成する基材半体１２ｏの重量よりも大き
くしてあるので、内側を必要以上に膨らませた太い形状
とする必要はない。すなわち、上記の比（Ｗ１／Ｗ２）
が０．８〜１．８、断面積が１．５〜１０ｃｍ² の範囲
となるような、微妙なタッチを感じ取りやすい形状、太
さとすることができる。

【００３３】図３乃至図５は、上記のように、内側の領
域ｉを構成する基材半体１２ｉに金属材料を含有させて
重量差をつけるための手法を示す図であり、それぞれ図
２相当の断面図である。

【００３４】まず、図３に示すグリップ１１では、内側
の領域ｉを構成する基材半体１２ｉに金属粉１５が含有
されている。使用する金属粉の粒径は特に制限はなく、
例えば、１〜１０００μｍの範囲のものを使用すること
ができる。

【００３５】また、図４に示すグリップ１１では、内側
の領域ｉを構成する基材半体１２ｉに金属繊維または金
属板１６が含有されている。

【００３６】さらに、図５に示すグリップ１１では、内
側の領域ｉを構成する基材半体１２ｉに複数の金属ワイ
ヤ１７が含有されている。

【００３７】上記の金属粉、金属繊維、金属板、およ
び、金属ワイヤは、タングステン、チタン、アルミニウ
ム、ニッケル、ボロン、チタン・ニッケル合金、鉛、
銅、銀、金および低炭素鋼等からなるものを使用するこ
とができ、特にタングステンが好ましい。

【００３８】本発明のゴルフパター用のグリップは、上
述のように内側の領域ｉを構成する基材半体１２ｉに金
属材料を含有させる場合に、金属材料の含有密度に分布
を設けてもよい。図６乃至図９は、このような例を示す
図２相当の断面図である。

【００３９】図６に示されるグリップ１１では、内側の
領域ｉを構成する基材半体１２ｉに含有される金属粉１
５が、シャフト中心軸線Ｃから離れた部位に存在する。
すなわち、基材半体１２ｉには、金属粉１５が含有され
ない領域１２ｉ´と、金属粉１５が含有される領域１２
ｉ″とが存在する。また、図７に示されるグリップ１１
では、図６に示される例よりも更にシャフト中心軸線Ｃ
から離れた部位に、金属粉１５が含有される。

【００４０】また、図８に示されるグリップ１１では、
内側の領域ｉを構成する基材半体１２ｉに含有される金
属粉１５が、シャフト中心軸線Ｃから離れた部位であ
り、かつ、シャフト中心軸線Ｃに対し前側の領域ｆ（ヘ
ッド３のフェイス面側）に存在する。このように金属材
料の含有密度に分布を設けることによって、打球後のフ
ォローを行いやすくして引っかけを防止することができ
る。

【００４１】一方、図９に示されるグリップ１１では、
内側の領域ｉを構成する基材半体１２ｉに含有される金
属粉１５が、シャフト中心軸線Ｃから離れた部位であ
り、かつ、シャフト中心軸線Ｃに対し後側の領域ｒ（ヘ
ッド３の背面側）に存在する。このように金属材料の含
有密度に分布を設けることによって、カット気味にパッ
ティングを行う場合にスイングの安定性を高めることが
できる。

【００４２】尚、上記の図６乃至図９に示される例で
は、金属材料として金属粉を用いているが、金属材料と
して金属繊維、金属板、および、金属ワイヤを使用でき
ることは勿論である。ゴルフクラブ用のグリップ 図１０は、本発明のゴルフクラブ用のグリップを装着し
たゴルフクラブのシャフト長手方向の部分断面図であ
り、ｃはシャフト中心軸線を示す。また、図１１は、図
１０のＢ−Ｂ線におけるシャフト中心軸線Ｃに垂直な面
でのグリップの拡大断面図である。図１０および図１１
において、ゴルフクラブ２１は、グリップ３１内にシャ
フト２２の基端部が挿入固定され、シャフト２２の他端
部がソケット２４に挿通された状態でヘッド２３のホー
ゼル部２３ａに挿入され固定されたものである。

【００４３】本発明のゴルフクラブ用のグリップ３１
は、ほぼ円筒形状を有する基材３２と、この基材３２に
シャフト挿入用として設けられた孔部３３とを備えてい
る。そして、シャフト中心軸線Ｃに対し外側の領域ｏ
（ヘッド２３側）に位置する基材半体３２ｏよりも、そ
の反対側、すなわち内側の領域ｉに位置する基材半体３
２ｉが重くなるように重量差をつけてある。この重量差
は５〜３０ｇ、好ましくは１０〜２５ｇの範囲であり、
このような重量差によって、ゴルフクラブ２１全体のシ
ャフト中心軸線Ｃに対する外側ｏと内側ｉとの重量比が
小さくなって、スイング時の安定性が良くなり、クラブ
の操作性、スイングの再現性が向上する。重量差が５ｇ
未満であると、本発明の効果が十分に得られず、３０ｇ
を超えると、グリップの重量が大きくなりすぎ、ゴルフ
クラブのトータルバランスに狂いが生じ好ましくない。

【００４４】本発明のゴルフクラブ用のグリップは、ゴ
ム等の弾性体を主体とするものであり、例えば、シャフ
ト中心軸線Ｃの外側の領域ｏを構成する半円筒状の基材
半体３２ｏと、内側の領域ｉを構成する半円筒状の基材
半体３２ｉとを成型した後、互いに対向させて接着する
ことで製造することができる。そして、内側の領域ｉを
構成する基材半体３２ｉに金属材料を含有させて重量を
大きくすることにより、５〜３０ｇの範囲内で、外側の
領域ｏを構成する基材半体３２ｏの重量よりも大きくし
てある。図１１に示される例では、内側の領域ｉを構成
する基材半体３２ｉに金属粉３５が含有されている。使
用する金属粉の粒径は特に制限はなく、例えば、１〜１
０００μｍの範囲のものを使用することができる。

【００４５】本発明のゴルフクラブ用のグリップは、重
量を４５〜８０ｇの範囲で設定することができる。そし
て、上述のように内側に金属材料を含有させて上記の範
囲の重量差を達成しているので、形状をほぼ円筒形状に
維持することができ、ゴルフクラブ用のグリップに関す
る規則を満足するものである。

【００４６】尚、上記の基材半体３２ｏと基材半体３２
ｉを、シャフト中心軸線Ｃから分割したような構造とせ
ず、シャフト中心軸線Ｃよりも内側から分割した構造、
逆に、シャフト中心軸線Ｃよりも外側から分割した構造
としてもよい。いずれにしても、シャフト中心軸線Ｃに
対し外側の領域ｏに位置する基材半体３２ｏよりも、内
側の領域ｉに位置する基材半体３２ｉが５〜３０ｇの範
囲の重量差で重くなるように設定する。

【００４７】図１２および図１３は、上記のように、内
側の領域ｉを構成する基材半体３２ｉに金属材料を含有
させて重量差をつけるための他の手法を示す図であり、
それぞれ図１１相当の断面図である。

【００４８】まず、図１２に示すグリップ３１では、内
側の領域ｉを構成する基材半体３２ｉに金属繊維または
金属板３６が含有されている。

【００４９】また、図１３に示すグリップ３１では、内
側の領域ｉを構成する基材半体３２ｉに複数の金属ワイ
ヤ３７が含有されている。

【００５０】上記の金属粉、金属繊維、金属板、およ
び、金属ワイヤは、タングステン、チタン、アルミニウ
ム、ニッケル、ボロン、チタン・ニッケル合金、鉛、
銅、銀、金および低炭素鋼等からなるものを使用するこ
とができ、特にタングステンが好ましい。

【００５１】本発明のゴルフクラブ用のグリップは、上
述のように内側の領域ｉを構成する基材半体３２ｉに金
属材料を含有させる場合に、金属材料の含有密度に分布
を設けてもよい。図１４乃至図１６は、このような例を
示す図１１相当の断面図である。

【００５２】図１４に示されるグリップ３１では、内側
の領域ｉを構成する基材半体３２ｉに含有される金属粉
３５が、シャフト中心軸線Ｃから離れた部位に存在す
る。すなわち、基材半体３２ｉには、金属粉３５が含有
されない領域３２ｉ´と、金属粉３５が含有される領域
３２ｉ″とが存在する。

【００５３】また、図１５に示されるグリップ３１で
は、内側の領域ｉを構成する基材半体３２ｉに含有され
る金属粉３５が、シャフト中心軸線Ｃから離れた部位で
あり、かつ、シャフト中心軸線Ｃに対し前側の領域ｆ
（ヘッド２３のフェイス面側）に存在する。このように
金属材料の含有密度に分布を設けることによって、ヘッ
ド２３の返りを良くして打球のスライスを防止すること
ができる。

【００５４】一方、図１６に示されるグリップ３１で
は、内側の領域ｉを構成する基材半体３２ｉに含有され
る金属粉３５が、シャフト中心軸線Ｃから離れた部位で
あり、かつ、シャフト中心軸線Ｃに対し後側の領域ｒ
（ヘッド２３の背面側）に存在する。このように金属材
料の含有密度に分布を設けることによって、引っかけに
より打球がフックすることを防止することができる。

【００５５】尚、上記の図１４乃至図１６に示される例
では、金属材料として金属粉を用いているが、金属材料
として金属繊維、金属板、および、金属ワイヤを使用で
きることは勿論である。

【００５６】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によればゴ
ルフパター用のグリップを、シャフトの中心軸線に対し
て外側（ヘッド側）よりも内側が金属材料を含有するこ
とにより２０〜７０ｇの範囲の重量差で重くなるように
構成しているので、パター用ヘッドとともにシャフトに
装着した状態で、ゴルフパターにおけるシャフトの中心
軸線に対する外側と内側との重量比が小さくなり、いわ
ゆるフェイスバランスに近づき、かつ、グリップ側の重
量が重くなってゴルフパター総重量が重くなり慣性モー
メントの値が大きくなるので、スイング時の安定性が増
し、ゴルフパターの操作性、スイングの安定性を向上さ
せることができる。また、内側に金属材料を含有させる
ことにより、内側を必要以上に膨らませた太い形状とす
ることなく上記の範囲の重量差を達成できるので、グリ
ップの形状の自由度が高くなり、微妙なタッチを感じ取
りやすい形状、太さとすることができる。さらに、内側
における金属材料の含有密度に分布を設けることによ
り、例えば、シャフトの中心軸線から離れるにしたがっ
て金属材料の含有密度を高くすることにより、上記の効
果がより高まり、また、シャフトの中心軸線に対して前
側（ヘッドのフェース側）における金属材料の含有密度
を高くすることにより、打球後のフォローを容易にして
引っかけを防止でき、一方、シャフトの中心軸線に対し
て後側における金属材料の含有密度を高くすることによ
り、カット気味にパッティングを行う場合のスイングの
安定性を高めることができる。

【００５７】また、本発明によればゴルフクラブ用のグ
リップを、シャフトの中心軸線に対して外側（ヘッド
側）よりも内側が金属材料を含有することにより５〜３
０ｇの範囲の重量差で重くなるように構成しているの
で、ヘッドとともにシャフトに装着した状態で、ゴルフ
クラブにおけるシャフトの中心軸線に対する外側と内側
との重量比が小さくなり、スイング中にかかる外側の遠
心力が低減し、その結果、スイング時の安定性が増し、
ゴルフクラブの操作性、スイングの再現性を向上させる
ことができる。また、近年開発が盛んな、ヘッド重心の
番手ごとの移動による全クラブのスイング感覚の統一を
大きく助けることができる。また、内側に金属材料を含
有させることにより、ほぼ円筒形状でありながら上記の
範囲の重量差を達成できるので、ゴルフクラブ用のグリ
ップに関する規則を満足することができる。さらに、内
側における金属材料の含有密度に分布を設けることによ
り、例えば、シャフトの中心軸線から離れるにしたがっ
て金属材料の含有密度を高くすることにより、上記の効
果がより高まり、また、シャフトの中心軸線に対して前
側（ヘッドのフェース側）における金属材料の含有密度
を高くすることにより、ヘッドの返りを良くして打球の
スライスを防止でき、一方、シャフトの中心軸線に対し
て後側における金属材料の含有密度を高くすることによ
り、打球のフックを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のゴルフパター用のグリップを装着した
ゴルフパターのシャフト長手方向の部分断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線におけるシャフト中心軸線に垂
直な面でのグリップの拡大断面図である。

【図３】本発明のゴルフパター用のグリップの他の例を
示す図２相当の断面図である。

【図４】本発明のゴルフパター用のグリップの他の例を
示す図２相当の断面図である。

【図５】本発明のゴルフパター用のグリップの他の例を
示す図２相当の断面図である。

【図６】本発明のゴルフパター用のグリップの他の例を
示す図２相当の断面図である。

【図７】本発明のゴルフパター用のグリップの他の例を
示す図２相当の断面図である。

【図８】本発明のゴルフパター用のグリップの他の例を
示す図２相当の断面図である。

【図９】本発明のゴルフパター用のグリップの他の例を
示す図２相当の断面図である。

【図１０】本発明のゴルフクラブ用のグリップを装着し
たゴルフクラブのシャフト長手方向の部分断面図であ
る。

【図１１】図１０のＢ−Ｂ線におけるシャフト中心軸線
に垂直な面でのグリップの拡大断面図である。

【図１２】本発明のゴルフクラブ用のグリップの他の例
を示す図１１相当の断面図である。

【図１３】本発明のゴルフクラブ用のグリップの他の例
を示す図１１相当の断面図である。

【図１４】本発明のゴルフクラブ用のグリップの他の例
を示す図１１相当の断面図である。

【図１５】本発明のゴルフクラブ用のグリップの他の例
を示す図１１相当の断面図である。

【図１６】本発明のゴルフクラブ用のグリップの他の例
を示す図１１相当の断面図である。

【符号の説明】

１…ゴルフパター ２…シャフト ３…ヘッド １１…ゴルフパター用のグリップ １２…グリップの基材 １２ｏ…グリップの基材半体（外側） １２ｉ…グリップの基材半体（内側） １５…金属粉 １６…金属繊維、金属板 １７…金属ワイヤ ２１…ゴルフクラブ ２２…シャフト ２３…ヘッド ２４…ソケット ３１…ゴルフクラブ用のグリップ ３２…グリップの基材 ３２ｏ…グリップの基材半体（外側） ３２ｉ…グリップの基材半体（内側） ３５…金属粉 ３６…金属繊維、金属板 ３７…金属ワイヤ Ｃ…シャフトの中心軸線

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャフト基端に装着するゴルフパター用
   のグリップであって、シャフトの中心軸線に対して外側
   （ヘッド側）よりも内側が重く、その重量差が２０〜７
   ０ｇの範囲内であり、かつ、内側に金属材料を含有する
   ことを特徴とするゴルフパター用のグリップ。
2. 【請求項２】 内外方向の太さＷ１と、これに直交する
   方向の太さＷ２との比（Ｗ１／Ｗ２）が０．８〜１．８
   の範囲内にあることを特徴とする請求項１に記載のゴル
   フパター用のグリップ。
3. 【請求項３】 シャフトの中心軸線に直交する方向の断
   面積が１．５〜１０ｃｍ² の範囲内にあることを特徴と
   する請求項１または請求項２に記載のゴルフパター用の
   グリップ。
4. 【請求項４】 前記金属材料は、金属粉、金属繊維、金
   属ワイヤおよび金属板の少なくとも１種であることを特
   徴とする請求項１乃至請求項３のいずれかに記載のゴル
   フパター用のグリップ。
5. 【請求項５】 内側における金属材料の含有密度に分布
   が存在することを特徴とする請求項１乃至請求項４のい
   ずれかに記載のゴルフパター用のグリップ。
6. 【請求項６】 金属材料の含有密度が、シャフトの中心
   軸線から離れるにしたがって高くなることを特徴とする
   請求項５に記載のゴルフパター用のグリップ。
7. 【請求項７】 金属材料の含有密度が、シャフトの中心
   軸線に対して前側（ヘッドのフェース側）と後側とで異
   なることを特徴とする請求項５または請求項６に記載の
   ゴルフパター用のグリップ。
8. 【請求項８】 前記金属材料は、少なくともタングステ
   ン材料であることを特徴とする請求項１乃至請求項７の
   いずれかに記載のゴルフパター用のグリップ。
9. 【請求項９】 シャフト基端に装着するゴルフクラブ用
   のグリップであって、シャフトの中心軸線に対して外側
   （ヘッド側）よりも内側が重く、その重量差が５〜３０
   ｇの範囲内であり、かつ、内側に金属材料を含有するこ
   とを特徴とするゴルフクラブ用のグリップ。
10. 【請求項１０】 前記金属材料は、金属粉、金属繊維、
    金属ワイヤおよび金属板の少なくとも１種であることを
    特徴とする請求項９に記載のゴルフクラブ用のグリッ
    プ。
11. 【請求項１１】 内側における金属材料の含有密度に分
    布が存在することを特徴とする請求項９または請求項１
    ０に記載のゴルフクラブ用のグリップ。
12. 【請求項１２】 金属材料の含有密度が、シャフトの中
    心軸線から離れるにしたがって高くなることを特徴とす
    る請求項１１に記載のゴルフクラブ用のグリップ。
13. 【請求項１３】 金属材料の含有密度が、シャフトの中
    心軸線に対して前側（ヘッドのフェース側）と後側とで
    異なることを特徴とする請求項１１または請求項１２に
    記載のゴルフクラブ用のグリップ。
14. 【請求項１４】 前記金属材料は、少なくともタングス
    テン材料であることを特徴とする請求項９乃至請求項１
    ３のいずれかに記載のゴルフクラブ用のグリップ。