JPH11318464A - 耐熱性ppi及びそれをコードする遺伝子 - Google Patents

耐熱性ppi及びそれをコードする遺伝子

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JPH11318464A
JPH11318464A JP10137024A JP13702498A JPH11318464A JP H11318464 A JPH11318464 A JP H11318464A JP 10137024 A JP10137024 A JP 10137024A JP 13702498 A JP13702498 A JP 13702498A JP H11318464 A JPH11318464 A JP H11318464A
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JP
Japan
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protein
ppi
amino acid
glu
acid sequence
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JP10137024A
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Toshimochi Iida
年以 飯田
Masahiro Furuya
昌弘 古谷
Tadashi Maruyama
正 丸山
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 免疫抑制剤FK506に結合性の耐熱性PPI
及びそれをコードする遺伝子。 【効果】 変性タンパク質の再生、タンパク質試薬の安
定化、組み換えタンパク質の生産、さらには新規免疫抑
制剤、生理活性物質の探索に有用なタンパク質を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性PPI (Pept
idyl prolyl cis-trans isomerase )及びそれをコード
する遺伝子に関する。
【0002】
【従来の技術】分子シャペロン、PPI 、 PDI(Peptidyl
disulfide isomerase)は、タンパク質の構造の形成、
維持に働く因子として近年着目されてきており、変性タ
ンパク質の再生などに利用されている。例えば、遺伝子
組み換え技術により有用タンパク質を生産するとき、大
腸菌等の系においては過剰生産により不活性な封入体と
して目的タンパク質が生産されることがあるが、その
際、変性剤により可溶化した封入体をこれらの因子と共
存させた状態で希釈したり、あるいは目的遺伝子ととも
にこれらの因子をコードする遺伝子を発現させることに
より、目的タンパク質を再生することが可能である。ま
た、試薬として使用するタンパク質は、液状化させ、室
温で保存できるようにすることが望ましいが、そのよう
な保存形態はこれらの因子を共存させることによって可
能になると考えられている。
【0003】PPI は、免疫抑制剤サイクロスポリンA及
びFK506のターゲット分子であること、また細胞内での
タンパク質の折り畳み、細胞内情報伝達系に関与するこ
となどから、その阻害剤を探索することは、新規免疫抑
制剤、その他の生理活性物質の開発につながると考えら
れており、上記因子の中でも特に着目されている。これ
まで市販されているPPI としては、例えば、シグマ社か
らCyclophilin(サイクロスポリンA結合性タンパク質)
タイプ及びFKBP(FK506 結合性タンパク質タンパク質)
タイプのものがそれぞれ、2種類、1種類ずつ上市され
ている(シグマ社1997年度カタログP.327及びP.462)
が、いずれも動物由来あるいは大腸菌での組み換え体で
あり、その安定性は低く、4℃あるいは-20℃という低温
で保存する必要がある。
【0004】一方、好熱性真正細菌であるバチルス・ス
テアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus
)由来のCyclophilinタイプのPPI も報告されているが
(Journal of Fermentation and Bioengineering,
Vol. 79 , No. 2, 87-94, 1995 )、65℃では失活が起
こってしまいそれほど熱安定性は高くない。また、この
PPI はサイクロスポリンAに感受性ではないので動物のP
PI とはタイプが異なっており、免疫抑制剤探索には利
用しにくいと考えられる。一方、FKBPタイプの耐熱性PP
I としては、本発明者らが好熱性メタン菌メタノコッカ
ス・サームリソトロフィカス(Methanococcus thermli
thotrophicus)DSM2095株から得ているが(Journal of
Bacteriology, Vol.180,No.2, 388-394, 1998、特開平1
0-91 号公報)、本菌も生育至適温度が65℃であり、生
育至適温度が80℃以上の超好熱菌由来のものはこれまで
に見出されていなかった。従って、さらに耐熱性に優
れ、前記好熱性メタン菌由来のPPI とは異なる新しいPP
I の発見が期待されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来知られ
ている耐熱性PPI よりも更に耐熱性に優れるPPI を提供
するとともに、その大量生産に必要な遺伝子を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、サーモコッカス
(Thermococcus)属に属する微生物が従来の既知のPPI
よりもはるかに耐熱性に優れるPPI を生産することを見
いだし、本発明を完成した。即ち、本発明は、以下の
(a) 又は(b) のタンパク質をコードする遺伝子である。
【0007】(a) 配列番号2に記載のアミノ酸配列から
なるタンパク質 (b) 配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しく
は複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、PPI 活性を有するタンパク質 また、本発明は、以下の(a) 又は(b) に示すタンパク質
である。 (a) 配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク
質 (b) 配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しく
は複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、PPI 活性を有するタンパク質
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (1)本発明の遺伝子 本発明の遺伝子は、(a) 配列番号2に記載のアミノ酸配
列からなるタンパク質、又は(b) 配列番号2に記載のア
ミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠
失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、PP
I 活性を有するタンパク質をコードする。上記(a) のタ
ンパク質をコードする遺伝子は、以下の手順で得ること
ができる。まず、サーモコッカス属に属する微生物を培
養、集菌後、菌体を破砕し、常法によってゲノムDNAを
調製する。次に、既知の耐熱性FKBPタイプのPPI のアミ
ノ酸配列からPCRに用いるプライマーを設計し、前記ゲ
ノムDNAを鋳型としてPCRを行い、目的の遺伝子の部分DN
A 断片を得る。これを〔32P〕等の放射性物質もしくは
ジコキシゲニン等の非放射性物質で標識し、遺伝子スク
リーニングのプローブとする。
【0009】一方、サーモコッカス属に属する微生物の
ゲノムDNAを適当な制限酵素で切断後、適当なベクター
に連結し、ゲノムDNAライブラリーを作製する。ベクタ
ーにはλファージ由来の各種ベクターたとえばλgt10や
λZapIIなど、あるいはpUC18やpBR322等のプラスミドベ
クターを用いることができる。目的の遺伝子を保持する
クローンの選択には、前記プローブを用いてハイブリダ
イゼーションを行い、これに強く結合するクローンを選
択すればよい。塩基配列の決定はサンガー法やマキサム
−ギルバート法等の一般的な方法によって決定できる。
以上の手順により翻訳開始コドンから終止コドンを含む
遺伝子の全長を単離することができる。
【0010】また、(a) のタンパク質をコードする遺伝
子の塩基配列は配列番号1に示すように既に決定されて
いるので、これを利用してこの遺伝子を得ることもでき
る。例えば、配列番号1で表されるDNA の5'末端及び3'
末端のそれぞれに対応するプライマーを合成し、サーモ
コッカス属に属する微生物から調製したDNA を鋳型とし
て、PCR を行うことによってもこの遺伝子を得ることが
できる。なお、(a) のタンパク質をコードする遺伝子を
導入した大腸菌は、工業技術生命工学工業技術研究所
に、FERM P-16766として寄託されている(寄託日:平成
10年4月17日)。上記(b) のタンパク質をコードする遺
伝子は、(a) のタンパク質をコードする遺伝子を本願の
出願時において常用される技術、例えば、部位特異的変
異誘発法(Nucleic Acids Res. 10, 6487-6500, 1982)
を用いて改変することにより作製できる。
【0011】(2)本発明のタンパク質 本発明のタンパク質は、(a) 配列番号2に記載のアミノ
酸配列からなるタンパク質及び(b) 配列番号2に記載の
アミノ酸配列において1若しくは複個のアミノ酸が欠
失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、PP
I 活性を有するタンパク質を包含する。このようなタン
パク質は、上述の本発明の遺伝子を適当な発現ベクター
に挿入し、微生物や培養細胞に導入して発現させること
により、生産することができる。本発明のタンパク質
は、変性タンパク質の再生、タンパク質試薬の安定化、
組み換えタンパク質の生産、さらには新規免疫抑制剤、
生理活性物質の開発に有用である。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明の範囲はこれに限定されるものではない。 〔実施例1〕 サーモコッカス KS-1株のゲノムDNAの調
製 サーモコッカス KS-1株(以下、単に「KS-1株」とい
う)を 5 L容器で培養し、湿潤菌体を得た。この湿潤菌
体0.5 gを10mlのTNE緩衝液(100 mM NaCl, 20 mMEDTAを
含む 20 mMトリス塩酸緩衝液、 pH8.0)に懸濁し、これ
に10% SDS溶液と1%トリトンX-100 溶液を各々1 mlずつ
添加し、4℃で一晩放置した。ついで温度を50℃にして
プロテイナーゼK溶液 (20mg /ml) を50μl 添加し、4
時間振盪した。これをフェノール及びクロロホルムで処
理した後、RNase A溶液 (0.5mg/ml)を50μl添加し、37
℃で1時間放置した。再び10% SDS溶液を1 ml、プロテ
イナーゼ K溶液 (20mg/ml)を50 ml添加し、50℃で70分
放置した。これをフェノール及びクロロホルムで処理し
た後(溶液量10 ml )、1 mlの3 Mの酢酸ナトリウム溶
液 (pH 5.2)、25 mlのエタノールを添加し、-20℃で2
時間放置した。その後高速遠心機で遠心しDNAを沈殿さ
せ、70%エタノール溶液 3 mlで沈殿を洗浄、遠心エバポ
レーターで乾固させて、TE緩衝液 0.5 mlに溶解した。
この操作により約1 mg のゲノムDNAが得られた。
【0013】〔実施例2〕 PCR によるPPI 遺伝子断片
の増幅およびその塩基配列の決定 今までに知られているFKBPタイプPPI のアミノ酸配列の
アライメントを行い、相同性の高い領域からForward側
としてN(S)-G-I-P-G-F(L)-E、reverse側としておよびN-
H-P(E)-L-A-G-Kのアミノ酸配列に相当する以下のDNAプ
ライマーを合成した。 FK-a-1F : ARYGGNATHCCNGGNYTNGA FK-FLAP-2R : TTNCCNGCNARNKSRTGRTT
【0014】実施例1で調製したKS-1 株のDNAを鋳型と
してPCR Amplification kit(宝酒造)を用いてPCR
(変性94℃、0.5分;アニーリング51℃、1分;伸長72
℃1.5分、のサイクルを30回)を行った結果、257bpの断
片が増幅された。この断片に対して2.5%アガロースゲル
(ニューシーブGTG、宝酒造)で電気泳動を行い、DN
A断片を切り出して透析チューブに挿入し、電気泳動に
より溶出し、フェノール処理、エタノール沈殿によりDN
Aを回収した。沈殿を70%エタノールで洗浄後、減圧乾固
し、TE緩衝液に溶解した。
【0015】以上のように調製したDNA断片をpT7-Blue
ベクター(Novagen社)にTakaraligation kit Ver.1
(宝酒造)を用いて連結し、これを用いてコンピテント
セルE. coli JM109(宝酒造)を形質転換した。陽性ク
ローンを選択し、挿入断片のあることを確認後、5 mlの
LB培地(50μg/mlのアンピシリンを含む)に植菌し、一
晩37℃で振盪培養した。培養液を遠心分離して集菌後、
主にラボマニュアル遺伝子工学増補版pp51-52(村松正
実編、丸善、1990年)記載の方法に従ってプラスミドDN
Aを調製した。この操作により約10μg のDNAを調製し
た。1サンプルあたり0.2 μgのDNAを鋳型として、Dye
Terminator cycle sequencing kit (パーキンエルマー
社)を用いてシークエンス反応を行い、DNAシークエン
サー(377A, アプライドバイオシステムズ社)により塩
基配列を決定した。その結果、PCRによって増幅された
上記の遺伝子断片をコードするアミノ酸配列は、上記の
ように設計したプライマーをコードするアミノ酸配列を
含むこと、及び他の生物のFKBPタイプPPI と相同性を示
すことから、確かにPPI 遺伝子の一部であることが明ら
かになった。
【0016】〔実施例3〕 KS-1株ゲノムDNAライブラ
リーの作製 実施例1で作製したゲノムDNA 30μgに25ユニットの制
限酵素BamHIを添加して24時間37℃で反応させ、ゲノムD
NA の切断を行った。切断反応後の溶液をフェノール処
理、エタノール沈殿により、DNA断片を得た。一方、Bam
HI で切断し、脱リン酸化処理したpUC18(ファルマシア
社より購入)のBamHI 切断部位に前記のゲノムDNA断片
をTakara ligation kit Ver.1で連結し、これを用いて
E. coli JM109を形質転換し、KS-1 株ゲノムDNAライブ
ラリーを作製した。
【0017】〔実施例4〕 PPI 遺伝子を含む組み換え
クローンの選択 実施例2で作製した257bpのDNA断片10ngを PCR DIG pro
be synthesis kit(ベーリンガーマンハイム社)を用い
てラベルし、プローブとした。一方、実施例3で作製し
た形質転換株をLBプレート(アンピシリン、X-gal、IPT
Gを含む)にまいて一晩培養後、形質転換されたコロニ
ーをナイロンメンブレン ハイボンドN(アマシャム-フ
ァルマシア社)上に固定し、コロニーハイブリダイゼー
ションを行った。方法は主に上記 kit添付のプロトコー
ルに従い、プレハイブリダイゼーション、ハイブリダイ
ゼーションは58℃で、洗浄は0.1%SDSを含む0.5xSSCバッ
ファーを用いて58℃で行った。約8000個のクローンから
プローブと結合する2個のコロニーを得た。これらのコ
ロニーのプラスミド挿入されているDNA断片を調べた結
果、2クローンとも目的の遺伝子の全長を含んでいるこ
とが予想された。そこでDye Terminator cyclesequenci
ng kitを用いてシークエンス反応を行い、377ADNAシー
クエンサーにより塩基配列を決定した。得られた遺伝子
は配列番号1に示した通り、目的の遺伝子の全長を含ん
でいた。
【0018】〔実施例5〕 PPI 遺伝子の発現ベクター
の作製 実施例4で取得した遺伝子を大腸菌発現ベクターpET-5a
(Novagen社) に組み込むため、開始コドンを含む領域
の上流にNdeI認識配列を、終止コドンを含む領域の下流
にBamHI認識配列を持つプライマーを設計し、上記陽性
クローンのDNAを鋳型にPCR(変性94℃、0.5分;アニー
リング53℃、1分;伸長72℃1.5分、のサイクルを30
回)を行った。得られたバンドをpT7-Blue T-ベクター
(Novagen社)に連結し、配列の確認をしたのち、制限
酵素NdeIとBamHIで切断を行った。アガロースゲル電気
泳動を行った後、約470bpの断片を切り出し、pET-5aのN
deI、BamHI部位に挿入し、KS-1株由来のPPI 遺伝子の発
現ベクターpEFE1-3を作製した。なお本プラスミドは工
業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている。
【0019】〔実施例6〕 PPI遺伝子の発現、およびP
PI の精製 実施例5で作製した発現ベクターpEFE1-3でE. coli BL2
1(DE3) 株を形質転換し、そのコロニーを得た。これを1
00ml容三角フラスコに入ったLB培地(25ml、アンピシリ
ン50μg/ml を含む)で一晩培養し、前培養液とした。
この前培養液4mlずつを200mlのLB培地の入った坂口フラ
スコ5本に植菌した。37℃で3時間振とう培養しOD660
が0.8になったところで0.5mMになるようにIPTGを添加
し、さらに3時間培養を継続してPPI タンパク質の発現
を誘導した。培養後、遠心分離機にて集菌を行い、25ml
のTEバッファーに懸濁し、超音波破砕機(Branson 25
0)で菌体を破壊した。遠心分離によってdebrisを除
き、上澄を回収した。タンパク質濃度が5mg/mlになるよ
うにTEバッファーで希釈し、85℃30分間熱処理を行っ
た。遠心分離によって変性した大腸菌由来のタンパク質
を除去したのち、セントリカットミニ(V-10、クラボ
ウ)で濃縮し、0.1M NaClを含む20mMトリス塩酸緩衝液
(pH8.0) で平衡化したSuperdex 75pgのゲル濾過カラム
(16x60 cm)に試料をかけた。それぞれの画分(2ml)のう
ち5 μlを用いて20%SDS-PAGE(イワキ、SDS-PAGEmini)
で発現タンパク質に相当するバンドの存在する画分(4m
l)を回収し、セントリカットミニ(V-10、クラボウ)で
1mlまで濃縮し、酵素試料とした。
【0020】〔実施例7〕 精製PPI の性質の検討 精製酵素を用いてPPI 活性を測定した。測定法はキモト
リプシンがペプチドのtransのみに作用することを利用
してcis-transの異性化の速度を測るTakahashiらの方法
(Nature, Vol.337,473-475, 1989 )を用いた。15℃で
の測定の結果、kcat/Km (/μM,s)の値は、N-succinyl-A
la-Leu-Pro-Phe-p-nitroanilideを基質とすると0.35、N
-succinyl-Ala-Ala-Pro-Phe-p-nitroanilideを基質とす
ると0.29という値であり、基質による差は比較的小さか
った。
【0021】次いでFK506による阻害の影響を調べた。
図1に示すように、FK506の濃度が上がるにつれてPPI
活性は低下し、阻害を受けることが明らかとなった。IC
50値は7 μMであった。また、25μM まででサイクロス
ポリンによる阻害は見られなかった。精製酵素の熱安定
性を調べた。図2に示すように活性半減期は90℃で180
分、100℃でも40分と非常に耐熱性が高いことが分かっ
た。メタノコッカス・サームリソトロフィカスのPPI の
活性半減期は90℃で90分、100℃で30分であることか
ら、それよりもさらに耐熱性が高かった。
【0022】
【発明の効果】本発明は、動物由来のものと同様に、免
疫抑制剤FK506に結合性である、耐熱性のFKBPタイプPPI
遺伝子を提供する。本発明の遺伝子から作られるタン
パク質は、変性タンパク質の再生、タンパク質試薬の安
定化、組み換えタンパク質の生産、さらには新規免疫抑
制剤、生理活性物質の探索に極めて有用である。
【0023】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:907 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列の特徴 生物名:サーモコッカス(Thermococcus)sp. 株名:KS-1 配列 ACATCCTGCC CGAAGAGTGA GTCCTTTGCT TTTTCTCACT TCCCAAGTAT GTTTCCGAAT 60 GCCCAAAGAT TTATAAAGGG GAGAGCCTAC TCCCGCTGAA GACACTTTTG GAGTTGAAGG 120 AA ATG AAA GTT GAA GCT GGT GAT TAT GTT CTC TTC CAC TAC GTT GGA 167 Met Lys Val Glu Ala Gly Asp Tyr Val Leu Phe His Tyr Val Gly 1 5 10 15 AGG TTC GAG GAT GGA GAA GTT TTT GAC ACA AGC TAC GAG GAG ATA GCC 215 Arg Phe Glu Asp Gly Glu Val Phe Asp Thr Ser Tyr Glu Glu Ile Ala 20 25 30 AGA GAG AAT GGC ATT CTC GTC GAG GAG AGG GAG TAC GGC CCA ATG TGG 263 Arg Glu Asn Gly Ile Leu Val Glu Glu Arg Glu Tyr Gly Pro Met Trp 35 40 45 GTC AGG ATA GGC GTC GGT GAG ATC ATC CCT GGC CTC GAT GAA GCC ATA 311 Val Arg Ile Gly Val Gly Glu Ile Ile Pro Gly Leu Asp Glu Ala Ile 50 55 60 ATT GGC ATG GAA GCT GGA GAG AAG AAG ACC GTG ACC GTT CCC CCC GAG 359 Ile Gly Met Glu Ala Gly Glu Lys Lys Thr Val Thr Val Pro Pro Glu 65 70 75 AAG GCT TAC GGA ATG CCG AAC CCA GAG CTT GTA ATC TCC GTT CCA AGG 407 Lys Ala Tyr Gly Met Pro Asn Pro Glu Leu Val Ile Ser Val Pro Arg 80 85 90 95 GAA GAA TTC ACA AAG GCC GGC CTT GAA CCC CAG GAA GGT CTC TAC GTC 455 Glu Glu Phe Thr Lys Ala Gly Leu Glu Pro Gln Glu Gly Leu Tyr Val 100 105 110 ATG ACC GAT TCT GGC ATA GCC AAG ATA GTT TCC GTT GGA GAG AGC GAG 503 Met Thr Asp Ser Gly Ile Ala Lys Ile Val Ser Val Gly Glu Ser Glu 115 120 125 GTA TCC CTT GAC TTC AAC CAC CCG CTA GCA GGT AAG ACC CTA GTC TTT 551 Val Ser Leu Asp Phe Asn His Pro Leu Ala Gly Lys Thr Leu Val Phe 130 135 140 GAG GTA GAA GTC ATA GAA GTA AAA AAG GCC GAA GAG GAC TCA GAA GCT 599 Glu Val Glu Val Ile Glu Val Lys Lys Ala Glu Glu Asp Ser Glu Ala 145 150 155 TAGCTTGAGT ATCGTGGCCA CTTTGAACAC AACAAGCCCC ATTACAGTTA GCATAAGGGA 659 ATACTTCAAG CCTGCGCTGT ACTTCCCTTC TCTTATTATT CCCATTCCCA GACCTGAAAG 719 GACTGCCTGG ACTACAACGA AGGCCATCAA AATCGTTGTC ATCGAGTCCA TGGGAAACAT 779 GATTCCAAGC TCCGGGCTGC TCATCGATGA CATTACTTGA GTAACTATAC CGAGGATAAG 839 GGGGCCAACA AAACCGCTAG TTATGGTAAA AAACATTATT TGCATGCCCG TCGATGCCTT 899 TCTCTCCT 907
【0024】 配列番号:2 配列の長さ:159 配列の型:アミノ酸 トポロジー:不明 配列の種類:タンパク質 配列の特徴 生物名:サーモコッカス(Thermococcus)sp. 株名:KS-1 配列 Met Lys Val Glu Ala Gly Asp Tyr Val Leu Phe His Tyr Val Gly Arg 1 5 10 15 Phe Glu Asp Gly Glu Val Phe Asp Thr Ser Tyr Glu Glu Ile Ala Arg 20 25 30 Glu Asn Gly Ile Leu Val Glu Glu Arg Glu Tyr Gly Pro Met Trp Val 35 40 45 Arg Ile Gly Val Gly Glu Ile Ile Pro Gly Leu Asp Glu Ala Ile Ile 50 55 60 Gly Met Glu Ala Gly Glu Lys Lys Thr Val Thr Val Pro Pro Glu Lys 65 70 75 80 Ala Tyr Gly Met Pro Asn Pro Glu Leu Val Ile Ser Val Pro Arg Glu 85 90 95 Glu Phe Thr Lys Ala Gly Leu Glu Pro Gln Glu Gly Leu Tyr Val Met 100 105 110 Thr Asp Ser Gly Ile Ala Lys Ile Val Ser Val Gly Glu Ser Glu Val 115 120 125 Ser Leu Asp Phe Asn His Pro Leu Ala Gly Lys Thr Leu Val Phe Glu 130 135 140 Val Glu Val Ile Glu Val Lys Lys Ala Glu Glu Asp Ser Glu Ala 145 150 155
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタンパク質のPPI 活性とFK506 の濃度
との関係を示す図
【図2】本発明のタンパク質のPPI 活性と加熱時間との
関係を示す図
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:01) (72)発明者 丸山 正 岩手県釜石市平田第3地割75番1号 株式 会社海洋バイオテクノロジー研究所釜石研 究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a) 又は(b) のタンパク質をコー
    ドする遺伝子。 (a) 配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク
    質 (b) 配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しく
    は複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたア
    ミノ酸配列からなり、PPI 活性を有するタンパク質
  2. 【請求項2】 以下の(a) 又は(b) に示すタンパク質。 (a) 配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク
    質 (b) 配列番号2に記載のアミノ酸配列において1若しく
    は複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたア
    ミノ酸配列からなり、PPI 活性を有するタンパク質
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