JPH11318118A - 温湯浸種槽および温湯浸種装置 - Google Patents

温湯浸種槽および温湯浸種装置

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JPH11318118A
JPH11318118A JP15374298A JP15374298A JPH11318118A JP H11318118 A JPH11318118 A JP H11318118A JP 15374298 A JP15374298 A JP 15374298A JP 15374298 A JP15374298 A JP 15374298A JP H11318118 A JPH11318118 A JP H11318118A
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Kenzo Kawashima
謙蔵 川島
Kazuaki Murata
和昭 村田
Hideaki Arakawa
秀明 荒川
Seizo Kawashima
誠蔵 川島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 農場レベルで必要な量の種籾の殺菌を確実に
行なえるようにする。 【解決手段】 温湯浸種槽は、種籾を所定の温度の温水
に浸漬するための上面が開放された箱状の温水槽1と、
温水槽1に所定の温度に温度調節された温水を供給する
ための温水器2と、枠体7に互いに間隔をおいて支持さ
れた複数の収納籠8からなりかつ温水槽1に出し入れ自
在な種籾収納容器9を備えている。加えて、温水槽1
に、一方の側壁の近傍から他方の側壁に向けて温水を同
時に吐出するための複数の吐出口5を有する供給管4
と、略中央部における底部近傍部位から温水を排出する
ための排出口6aを有する排出管6とを設けることによ
って、温水が一方の側壁の近傍から他方の側壁に向けて
流動するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種籾の殺菌を所定
の温度の温水により行なう、いわゆる冷水温湯浸種方法
や温湯浸種方法の実施に用いるための温湯浸種槽および
温湯浸種装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】褐条病、苗立枯細菌病等の細菌病に対す
る対策としては、有効な薬剤が存在しないことから、次
に説明する冷水温湯浸種方法や温湯浸種方法が有効であ
ることが実験室レベルで確認されている。
【0003】冷水温湯浸種方法は、種籾を20℃以下の
冷水に16〜24時間浸漬したのち48〜49℃の温湯
に1〜2分間浸し、ついで、51℃の温湯に約7分間浸
したのち20℃以下の冷水で冷却する。また、温湯浸種
方法は、種籾を57℃の温湯に15分間浸漬したのち2
0℃以下の冷水で冷却する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した冷水温湯浸種
方法や温湯浸種方法は、正確な温水温度および浸漬時間
の厳守が肝要であるが、実際に農場レベルで必要な量の
種籾の殺菌に用いる場合、単に実験室で用いられる温水
槽を大型化しただけでは、正確な温水温度および浸漬時
間の厳守が困難であるばかりでなく、温水槽に浸された
種籾全体を均一な殺菌温度に維持することが困難であっ
た。
【0005】本発明は、上記従来の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであって、農場レベルで必要な量
の種籾の殺菌を確実に行なうことができる温湯浸種槽お
よび温湯浸種装置を実現することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の温湯浸種槽は、上面が開放された箱状の温
水槽と、所定の温度に温度調節された温水を供給するた
めの温水器と、枠体に互いに隙間をおいて支持された複
数の収納籠からなりかつ前記温水槽に出し入れ自在な種
籾収納容器を備え、前記温水槽に、その互いに対向する
側壁のうちの一方の側壁の近傍から他方の側壁へ向けて
前記温水器より供給された前記温水を同時に吐出するた
めの複数の吐出口を有する供給管と、前記温水槽の略中
央部における底部近傍部位から前記温水を排出するため
の排出口を有する排出管とを設けることによって、前記
温水が前記一方の側壁の近傍から前記他方の側壁に向け
て流動するように構成したことを特徴とするものであ
る。
【0007】また、本発明の温湯浸種装置は、請求項1
記載の温湯浸種槽を2個併設してそのうちの一方を予浸
用とするとともに他方を浸種用とし、前記浸種用の温湯
浸種槽に隣接して冷水槽を配設し、さらに、前記予浸用
および浸種用の温湯浸種槽並びに冷水槽に対し、逐次種
籾収納容器を吊り下げて搬送するとともに出し入れする
ための走行クレーン装置を配設したことを特徴とするも
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の温湯浸種槽の一実施の形
態を図面に基づいて説明する。
【0009】図1に示すように、温湯浸種槽は、種籾を
所定の温度の温水に浸漬するための上面が開放された箱
状の温水槽1と、温水槽1に所定の温度に温度調節され
た温水を供給するための温水器2と、枠体7に互いに隙
間をおいて支持された4個の収納籠8からなりかつ温水
槽1に出し入れ自在な種籾収納容器9を備えている。
【0010】本実施の形態において、種籾収納容器9
は、4個の金網や多孔板等からなる収納籠8が互いに隙
間をおいて枠体7に支持されており、かつ、種籾収納容
器9と温水槽1の側壁との間に間隙が生じる形状に設定
されている。しかしこれに限らず、収納籠の数を必要に
応じ任意の数に変更したり、各収納籠を枠体に着脱自在
に設けるように変更することができることはいうまでも
ない。
【0011】温水槽1に、その互いに対向する側壁のう
ちの一方の側壁の近傍から他方の側壁へ向けて温水器2
より供給された所定の温度の温水を同時に吐出するため
の4個の吐出口5を有する供給管4が、前記一方の側壁
に沿って配設されており、該供給管4の略中央部が導入
管3を介して温水器2に接続されている。また、温水槽
1には、略中央部における底部近傍部位から温水を排出
するための排出口6aを有する排出管6が配設されてい
る。このため、温水槽1に供給された温水が、一方の側
壁の近傍から他方の側壁に向けて流動する。
【0012】なお、本実施の形態では、供給管4に4個
の吐出口5を設けたものを示したが、供給管に設ける吐
出口の数は必要に応じて任意の数に変更できる。
【0013】続いて、本実施の形態による温湯浸種槽の
動作について説明する。
【0014】種籾収納容器9の各収納籠8に種籾を詰め
た網袋10を収納し、種籾収納容器9と温水槽1の側壁
との間に隙間が生じると同時に、収納籠8の間の隙間が
吐出口5から吐出される温水の方向と略平行になるよう
に温水槽1内に配置する。
【0015】そして、温水器2により所定の温度に温度
調節された温水を導入管3を介して供給管4に供給する
と、前記温水は各吐出口5より同時に吐出されて矢印方
向に流動したのち、温水槽1の略中央部の底部近傍の排
出口6aより排出管6内へ流入する流れとなって槽外へ
排出される。このため、温水槽1中において温水が滞留
することがなく温水槽1中における温水の温度ムラの発
生が防止され、各収納籠8中の籾を確実に殺菌すること
ができる。
【0016】次に、本発明の温湯浸種装置の一実施の形
態について説明する。
【0017】本実施の形態による温湯浸種装置は、図1
に示した温湯浸種槽を用いたものである。図2に示すよ
うに、2個の図1と同様の温湯浸種槽を併設し、そのう
ちの一方を予浸用の温湯浸種槽20とするとともに他方
を浸種用の温湯浸種槽30とし、浸種用の温湯浸種槽3
0に隣接して冷水槽40を配設し、さらに、予浸用の温
湯浸種槽20、浸種用の温湯浸種槽30、冷水槽40に
対し、逐次種籾収納容器9を吊り下げて搬送するととも
に出し入れするための走行クレーン装置50が配設され
ている。
【0018】なお、走行クレーン装置50は、支柱51
によって支持されたガイドレール52と、該ガイドレー
ル52に案内されて予浸用の温湯浸種槽20と冷水槽4
0との間で往復移動する自走クレーン53を備え、自走
クレーン53のフック54を種籾収納容器9の枠体7に
設けられた吊り具11に引っかけて吊り下げるように構
成されたものを用いるとよい。
【0019】続いて、本実施の形態による温湯浸種装置
の動作について説明する。
【0020】(冷水温湯浸種方法の場合) 予浸用の温湯浸種槽20には、その温水器2によ
り、48〜49℃に温度調節した温水を供給し、浸種用
の温湯浸種槽30にはその温水器2により51℃に温度
調節した温水を供給し、冷水槽40は20℃以下の冷水
で満たしておく。
【0021】 上記ののち、予め20℃以下の冷水
に16〜24時間浸した網袋10に詰めた種籾を種籾収
納容器9の各収納籠8にそれぞれ収納し、該種籾収納容
器9を自走クレーン53で吊り下げて予浸用の温湯浸種
槽20へ搬送し、48〜49℃の温水中に1〜2分間浸
たす。
【0022】 上記ののち、種籾収納容器9を自走
クレーン53により予浸用の温湯浸種槽20から引き上
げて浸種用の温湯浸種槽30上へ搬送し、51℃の温湯
中に15分間浸漬する。
【0023】 上記ののち、種籾収納容器9を浸種
用の温湯浸種槽30から自走クレーン53により引き上
げて冷水槽40上へ搬送し、20℃以下の冷水に浸して
冷却する。
【0024】(温湯浸種方法の場合) 浸種用の温湯浸種槽30に、その温水器2により、
57℃に温度調節した温水を供給し、冷水槽40は20
℃以下の冷水で満たしておく。
【0025】 上記ののち、網袋10に詰めた乾燥
種籾を、種籾収納容器9の各収納籠8にそれぞれ収納
し、該種籾収納容器9を自走クレーン53で吊り下げて
浸種用の温湯浸種槽30上に搬送し、57℃の温水に1
5分間浸漬する。
【0026】 上記ののち、自走クレーン53によ
って種籾収納容器9を浸種用の温湯浸種槽30から引き
上げて冷水槽40上に搬送し、20℃以下の冷水に浸し
て冷却する。
【0027】
【発明の効果】本発明は、上述のとおり構成されている
ので次に記載するような効果を奏する。
【0028】農場レベルで必要な大量の種籾を温水に浸
漬して殺菌する際に、正確な温水温度および浸漬時間を
厳守することができるため、大量の種籾を確実かつ迅速
に殺菌することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る温湯浸種槽の一実施の形態を示
し、(a)は模式平面図、(b)は(a)のA−A線に
沿う模式断面図である。
【図2】本発明に係る温湯浸種装置の一実施の形態を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 温水槽 2 温水器 3 導入管 4 供給管 5 吐出口 6 排出管 6a 排出口 7 枠体 8 収納籠 9 種籾収納容器 10 網袋 11 吊り具 20 予浸用の温湯浸種槽 30 浸種用の温湯浸種槽 50 走行クレーン装置 51 支柱 52 ガイドレール 53 自走クレーン 54 フック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川島 誠蔵 栃木県下都賀郡藤岡町大字藤岡4290 株式 会社タイガーカワシマ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面が開放された箱状の温水槽と、所定
    の温度に温度調節された温水を供給するための温水器
    と、枠体に互いに隙間をおいて支持された複数の収納籠
    からなりかつ前記温水槽に出し入れ自在な種籾収納容器
    を備え、 前記温水槽に、その互いに対向する側壁のうちの一方の
    側壁の近傍から他方の側壁へ向けて前記温水器より供給
    された前記温水を同時に吐出するための複数の吐出口を
    有する供給管と、前記温水槽の略中央部における底部近
    傍部位から前記温水を排出するための排出口を有する排
    出管とを設けることによって、前記温水が前記一方の側
    壁の近傍から前記他方の側壁に向けて流動するように構
    成したことを特徴とする温湯浸種槽。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の温湯浸種槽を2個併設し
    てそのうちの一方を予浸用とするとともに他方を浸種用
    とし、前記浸種用の温湯浸種槽に隣接して冷水槽を配設
    し、さらに、前記予浸用および浸種用の温湯浸種槽並び
    に冷水槽に対し、逐次種籾収納容器を吊り下げて搬送す
    るとともに出し入れするための走行クレーン装置を配設
    したことを特徴とする温湯浸種装置。
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