JPH11316405A - 車両撮像装置 - Google Patents

車両撮像装置

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Publication number
JPH11316405A
JPH11316405A JP13774698A JP13774698A JPH11316405A JP H11316405 A JPH11316405 A JP H11316405A JP 13774698 A JP13774698 A JP 13774698A JP 13774698 A JP13774698 A JP 13774698A JP H11316405 A JPH11316405 A JP H11316405A
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JP
Japan
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region
light
wavelength
filter
vehicle
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Application number
JP13774698A
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English (en)
Inventor
Kazuo Sasaki
和雄 佐々木
Tomofumi Nakayama
智文 中山
Yasuhiro Suda
康大 須田
Soichi Sudo
聡一 須藤
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Koito Industries Ltd
Original Assignee
Koito Industries Ltd
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Publication date
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  • Exposure Control For Cameras (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽の位置などの周囲照度の状況が変化して
も、運転者の顔及びナンバープレートの両方の像を適正
な露光量で鮮明に撮像する。 【解決手段】 照射部14は、車両10の運転者10a
の顔及びナンバープレート10bを入れた同一視野内
に、赤外領域の閃光を照射する。デジタルカメラ13
は、この閃光の照射に同期して、前記視野を撮像する。
カメラ13のレンズ13aの手前には、光学的フィルタ
部18が配置される。フィルタ部18は、運転者10a
の顔に相当する領域及びナンバープレート10bに相当
する第2の領域において赤外領域より短波長側の光をカ
ットする特性を有するとともに、同一の光量の赤外領域
の入射光に対して前記第1の領域の透過光の光量に比べ
て前記第2の領域の透過光の光量が小さくなるように、
前記第1の領域と前記第2の領域とで赤外領域の光の透
過特性が異なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸重違反車両や速
度違反車両などの車両を、当該車両の運転者の顔及びナ
ンバープレートを同一の視野内に入れて撮影する車両撮
影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両撮像装置として、特
開昭57−67916号公報に開示された車両撮像装置
が提案されている。この車両撮像装置は、車両に閃光を
照射するストロボと、この閃光の照射に同期して車両を
撮影する銀塩フィルムによるカメラとを備え、前記カメ
ラのフィルムと前記車両とを結ぶ光軸上に前記車両のナ
ンバープレートからの反射光を減光するフィルタを配
し、前記ナンバープレートの部分が露光過多とならない
ようにしたものである。
【0003】なお、前記フィルタとして、その透過率を
選定したフィルタが用いられている。すなわち、前記フ
ィルタとして、全波長域に渡って所定の透過率を有する
いわゆるNDフィルタが用いられている。また、前記従
来の車両撮像装置では、前記運転者の顔に相当する部分
には何らフィルタが用いられていない。
【0004】前記フィルタがなければ、ナンバープレー
トは金属製であるため車両の運転者の顔に比べ反射率が
極めて高いことから、運転者の顔の像を鮮明に写すよう
にするとナンバープレートの像が露光過多となってしま
う一方、ナンバープレートの像を鮮明に写すようにする
と運転者の顔の像に対して露光不足となってしまい、運
転者の顔及びナンバープレートの両方を同時に鮮明に写
すことができない。
【0005】これに対し、前記公報には、前記車両撮像
装置によれば、前記フィルタが用いられているので、ナ
ンバープレートからフィルムに入る光は前記フィルタに
より減光される一方、ナンバープレート以外の部分から
フィルムに入る光は減光されないことから、運転者の顔
及びナンバープレートの両方の像を鮮明に写すことがで
きる旨が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の車両撮像装置では、周囲照度の変化の影響が全く考
慮されておらず、太陽の位置などの周囲照度の状況によ
っては、運転者の顔及びナンバープレートの両方の像を
適正な露光量で鮮明に写すことができなかった。特に、
銀塩フィルムを使用したカメラに代えて、デジタルカメ
ラを用いた場合には、デジタルカメラは銀塩フィルムに
比べて撮影可能な光強度範囲(ダイナミックレンジ)が
狭いため、運転者の顔及びナンバープレートの両方の像
を適正な露光量で鮮明に撮像することができない状況が
多くなってしまう。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、太陽の位置などの周囲照度の状況が変化して
も、運転者の顔及びナンバープレートの両方の像を適正
な露光量で鮮明に撮像することができる車両撮像装置を
提供することを目的とする。
【0008】また、本発明は、車両と撮像装置の感光部
との間に特別なフィルタを配置することなく、運転者の
顔及びナンバープレートの両方の像を適正な露光量で鮮
明に撮像することができ、構成が簡単な車両撮像装置を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による車両撮像装置は、車両の
運転者の顔及びナンバープレートを同一の視野内に入れ
て当該車両を撮像する車両撮像装置において、前記視野
を撮像する撮像手段と、前記撮像手段による撮像と同期
して前記視野内に赤外領域の閃光を照射する照射手段
と、前記撮像手段の感光部の手前側に配置された光学フ
ィルタ手段であって、前記視野内の前記顔に相当する第
1の領域及び前記視野内の前記ナンバープレートに相当
する第2の領域において赤外領域より短波長側の光をカ
ットする特性を有するとともに、同一の光量の赤外領域
の入射光に対して前記第1の領域の透過光の光量に比べ
て前記第2の領域の透過光の光量が小さくなるように、
前記第1の領域と前記第2の領域とで赤外領域の光の透
過特性が異なる光学フィルタ手段と、を備えたものであ
る。
【0010】この第1の態様によれば、前述した従来の
車両撮像装置と異なり、前記光学フィルタ手段によっ
て、運転者の顔に相当する第1の領域及びナンバープレ
ートに相当する第2の領域の両方において、赤外領域よ
り短波長側の光(すなわち、可視光等)がカットされ
る。したがって、太陽光は太陽の位置によって可視光成
分の強度が大きく変化するが、撮像手段の感光部に入射
する光の光量は太陽光の可視光成分の大きな強度変化の
影響を受けなくなる。そして、光学フィルタ手段は、同
一の光量の赤外領域の入射光に対して前記第1の領域の
透過光の光量に比べて前記第2の領域の透過光の光量が
小さくなるように、前記第1の領域と前記第2の領域と
で赤外領域の光の透過特性が異なっている。したがっ
て、運転者の顔の像が露光不足になったりナンバープレ
ートの像が露光過多となったりするようなことがなく、
両方の像を適正な露光量で鮮明に撮像することができ
る。
【0011】このように、前記第1の態様によれば、太
陽の位置などの周囲照度の状況が変化しても、運転者の
顔及びナンバープレートの両方の像を適正な露光量で鮮
明に撮像することができる。したがって、撮像手段とし
てデジタルカメラを用いた場合には、そのダイナミック
レンジが狭くても、撮像した画像から、運転者の顔及び
ナンバープレートの肉眼による識別並びにナンバープレ
ートの車両番号の自動認識の精度向上が可能となる。
【0012】本発明の第2の態様による車両撮像装置
は、前記第1の態様による車両撮像装置において、前記
光学フィルタ手段は、前記第1領域において、赤外領域
における最も短い波長の付近の波長を透過限界波長とし
て当該透過限界波長より短い波長領域の光をカットする
とともに当該透過限界波長より長い波長領域の光を透過
させる特性を有し、前記第2の領域において、前記第1
の領域の前記透過限界波長より長い波長を透過限界波長
として当該透過限界波長より短い波長領域の光をカット
するとともに当該透過限界波長より長い波長領域の光を
透過させる特性を有するものである。このような光学フ
ィルタ手段は、具体的には、例えば、前記第1及び第2
の領域をカバーするように配置された第1の赤外線透過
フィルタであって、赤外領域より短波長側の光をカット
する特性を有する第1の赤外線透過フィルタと、前記第
1の領域をカバーすることなく前記第2の領域をカバー
するように配置された第2の赤外線透過フィルタであっ
て、前記第1の赤外線透過フィルタの透過限界波長より
長い透過限界波長を有する第2の赤外線透過フィルタと
から構成することができる。
【0013】本発明の第3の態様による車両撮像装置
は、前記第1の態様による車両撮像装置において、前記
光学フィルタ手段は、前記第1領域において、赤外領域
における最も短い波長の付近の波長を透過限界波長とし
て当該透過限界波長より短い波長領域の光をカットする
とともに当該透過限界波長より長い波長領域の光を透過
させる特性を有し、前記第2の領域において、実質的に
前記赤外領域における一部の波長領域の光のみを透過さ
せる特性を有するものである。このような光学フィルタ
手段は、具体的には、例えば、前記第1及び第2の領域
をカバーするように配置された赤外線透過フィルタであ
って、赤外領域より短波長側の光をカットする特性を有
する赤外線透過フィルタと、前記第1の領域をカバーす
ることなく前記第2の領域をカバーするように配置され
たバンドパスフィルタであって、赤外領域に関しては実
質的に一部の波長領域の光のみを透過させるバンドパス
フィルタとから構成することができる。
【0014】前記第2及び第3の態様は、それぞれ前記
光学フィルタ手段の具体的な特性の例を挙げたものであ
る。前記第1の態様では、前記光学フィルタ手段は、例
えば、前記第1及び第2の領域をカバーするように配置
された第1の赤外線透過フィルタであって、赤外領域よ
り短波長側の光をカットする特性を有する赤外線透過フ
ィルタと、前記第1の領域をカバーすることなく前記第
2の領域をカバーするように配置された減衰フィルタで
あって、赤外領域において波長にかかわらず実質的に所
定の透過率を有する減衰フィルタを用いてもよい。しか
しながら、このような赤外領域に関する減衰フィルタは
一般的に市販されているものではなく、高価なものとな
らざるを得ない。この点、前記第2及び第3の態様で
は、一般的に市販されている赤外線透過フィルタやバン
ドパスフィルタを用いて構成することができるので、安
価となり、好ましい。また、前記第2及び第3の態様で
は、前述したような第1及び第2の領域をカバーする赤
外線透過フィルタと第2の領域のみをカバーする波長に
かかわらず実質的に所定の透過率を有する減衰フィルタ
とを用いた場合に比べて、第2の領域を透過した光の波
長の帯域(及び半値幅)が狭くなる。そして、レンズの
屈折率は光の波長に応じて変化するとともに、一般的な
撮像手段では赤外領域においてその変化による収差を十
分に補正するように構成されていないことから、撮像手
段に有効に入射する赤外領域の光の波長の帯域が狭いほ
ど画像のピントが合い易い。したがって、前記第2及び
第3の態様の場合には、第2の領域に相当するナンバー
プレートの像のピントが合い易くなり、撮像した画像か
らの、ナンバープレートの肉眼による識別及びナンバー
プレートの車両番号の自動認識が一層容易となり、好ま
しい。なお、撮像手段の感度が赤外領域における長波長
域側でも感度が高い場合には、前記第3の態様の方が前
記第2の態様より撮像手段に有効に入射する赤外領域の
光の波長を狭くし易いので、ナンバープレートの肉眼に
よる識別及びナンバープレートの車両番号の自動認識を
更に容易にする上で、好ましい。また、撮像手段の感度
が赤外領域における長波長域側では低い場合には、前記
第2の態様の方が前記第3の態様より撮像手段に有効に
入射する赤外領域の光の波長を狭くし易いので、ナンバ
ープレートの肉眼による識別及びナンバープレートの車
両番号の自動認識を更に容易にする上で、好ましい。
【0015】本発明の第4の態様による車両撮像装置
は、前記第1乃至第3のいずれかの態様による車両撮像
装置において、前記照射手段は、上下方向の向きを互い
に異ならせた複数の照射部を有するものである。
【0016】前記第1乃至第3の態様においては、照射
手段は単一のストロボ等の照射部であってもよいが、こ
の第4の態様のように複数の照射部を用いると、照射光
の光量を十分に大きくすることができるので、太陽光に
含まれる赤外成分の影響も低減することができる。しか
も、前記第4の態様では、複数の照射部の上下方向の向
きが異なっているので、ストロボ等の各照射部の照射光
の光量は方向によって異なることから、運転者の顔に対
する照射光の光量をナンバープレートに対する照射光の
光量より大きくすることができる。したがって、前述し
た光学フィルタ手段の効果と相俟って、太陽の位置など
の周囲照度の状況が変化しても運転者の顔及びナンバー
プレートの両方の像を一層適正な露光量で鮮明に撮像す
ることができる。
【0017】本発明の第5の態様による車両撮像装置
は、車両の運転者の顔及びナンバープレートを同一の視
野内に入れて当該車両を撮像する車両撮像装置におい
て、前記視野を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によ
る撮像と同期して前記視野内に赤外領域の閃光を照射す
る照射手段であって、上下方向の向きを互いに異ならせ
た複数の照射部を有する照射手段と、を備えたものであ
る。
【0018】この第5の態様によれば、照射手段を単一
の照射部のみで構成する場合に比べて、照射光の光量を
十分に大きくすることができるので、太陽光の影響を低
減することができる。そして、前記第5の態様では、複
数の照射部の上下方向の向きが異なっているので、スト
ロボ等の各照射部の照射光の光量は方向によって異なる
ことから、運転者の顔に対する照射光の光量をナンバー
プレートに対する照射光の光量より大きくすることがで
きる。したがって、運転者の顔の像が露光不足になった
りナンバープレートの像が露光過多となったりするよう
なことがなく、両方の像を適正な露光量で鮮明に撮像す
ることができる。ところで、運転者の顔に対する照射光
の光量をナンバープレートに対する照射光の光量より大
きくするような配光特性を実現するには、ストロボ等の
前部にルーバーのような部分的な遮光部材を配置するこ
とが考えられるが、この場合にはこのような遮光部材の
分だけコストアップを免れない。この点、前記第5の態
様では、複数の照射部の上下方向の向きを変えておくだ
けでよいので、構成が簡単で安価となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
による車両撮像装置について、図1乃至図3を参照して
説明する。
【0020】図1は、本実施の形態による車両撮像装置
を示す概略構成図である。図2は、図1に示す車両撮像
装置により撮像された画像の例を示す図である。図3は
図1中の光学フィルタ部を示す拡大図であり、図3
(a)は側面図、図3(b)は図3(a)中のA−A矢
視図である。
【0021】本実施の形態による車両撮像装置は、高速
道路の料金所等において軸重違反車両を撮像するように
構成されており、図1に示すように、料金所に接近する
車両10の軸重を測定する載荷板11と、撮影すべき車
両10の位置を確認する定位置感知器12と、車両10
の運転者10aの顔及びナンバープレート10bを同一
の視野内に入れて当該車両10を撮像する撮像部として
のCCDカメラ等のデジタルカメラ13と、前記視野内
に赤外領域の閃光を照射する照射部14と、これらの全
体を制御する制御部15とを備えている。照射部14
は、単一のストロボ16と、該ストロボ16の照射面に
装着された赤外領域の光のみを透過させる赤外線透過フ
ィルタ17とから構成されている。前記カメラ13は、
レンズ13aと、感光部としてのCCD等の撮像素子1
3bとを有している。そして、本実施の形態では、この
レンズ13aの前面に光学フィルタ部18が配置されて
いる。
【0022】この車両撮影装置によれば、車両10が、
料金所に進入してくると、当該車両10の各車軸が、順
次に載荷板11に載って、各車軸の軸重が測定される。
載荷板11で測定された軸重が制御部15に入力され
る。制御部15は、その軸重が規定値以上であるか否か
を判定し、規定値以上の場合には、定位置感知器12か
らの車両感知の信号に基づいて、カメラ13及びストロ
ボ16に撮像指令信号を与える。この撮像指令信号に応
答して、ストロボ16が赤外線透過フィルタ17を介し
て前記視野内に赤外領域の閃光を照射すると同時に、カ
メラ13が光学フィルタ部18を介して前記視野を撮像
する。カメラ13に撮像された画像データは、制御部1
5に入力され、そのときの載荷板11からの軸重データ
と日時及び料金所の場所(すなわち、違反データ)と一
緒に、記憶装置(図示せず)にデータベースとして保存
されたりプリンタ(図示せず)により印刷されたりす
る。また、必要に応じて、前記画像データから、ナンバ
ープレート10bの車両番号が自動認識される。前述し
たようにしてカメラ13により撮像された画像の一例を
図2に示す。図2において、10’は車両10の像、1
0a’は運転者10aの像、10b’はナンバープレー
ト10bの像を示す。なお、図2では、違反データは省
略している。
【0023】前記光学フィルタ部18は、前記視野内の
運転者10aの顔に相当する第1の領域及び前記視野内
のナンバープレート10bに相当する第2の領域におい
て赤外領域より短波長側の光をカットする特性を有する
とともに、同一の光量の赤外領域の入射光に対して前記
第1の領域の透過光の光量に比べて前記第2の領域の透
過光の光量が小さくなるように、前記第1の領域と前記
第2の領域とで赤外領域の光の透過特性が異なるもので
ある。
【0024】本実施の形態では、光学フィルタ部18
は、具体的には、図3に示すように、前記視野全体を覆
う第1のフィルタ19と、このフィルタ19の下側半分
の領域に重ね合わされた第2のフィルタ20とから構成
されている。フィルタ19の上側半分の領域は前記第1
の領域(運転者10aの顔に相当する領域)を含んでお
り、フィルタ19の下側半分の領域(すなわち、フィル
タ20を重ね合わせた領域)は前記第2の領域(ナンバ
ープレート10bに相当する領域)を含んでいる。
【0025】前記フィルタ19,20として用いること
ができるフィルタの例として、図4に示すような特性を
有するフィルタ1〜5を挙げることができる。図4にお
いて、横軸は波長、縦軸は透過率、曲線F1はフィルタ
1の透過特性、曲線F2はフィルタ2の透過特性、曲線
F3はフィルタ3の透過特性、曲線F4はフィルタ4の
透過特性、曲線F5はフィルタ5の透過特性を示す。図
4からわかるように、フィルタ1,3はそれぞれ、赤外
領域における最も短い波長の付近の波長約700nmを
透過限界波長として当該透過限界波長より短い波長領域
の光をカットするとともに当該透過限界波長より長い波
長領域の光を透過させる特性を有する赤外線透過フィル
タとなっている。フィルタ2は、フィルタ1の透過限界
波長約700nmより長い波長約800nmを透過限界
波長として当該透過限界波長より短い波長領域の光をカ
ットするとともに当該透過限界波長より長い波長領域の
光を透過させる特性を有する赤外線透過フィルタとなっ
ている。フィルタ4は、実質的に波長約600nmと波
長約900nmとの間の波長領域のみを透過させるバン
ドパスフィルタとなっており、赤外領域に関しては実質
的に一部の波長領域の光のみを透過させる。フィルタ5
は、赤外領域において波長にかかわらず実質的に所定の
透過率を有する減衰フィルタとなっている。なお、スト
ロボ16に装着された赤外線透過フィルタ17は、前記
フィルタ1,3と同様の特性を有している。
【0026】ここで、前記光学フィルタ部18の第1の
具体例とその効果について、図5乃至図8を参照して説
明する。この第1の具体例は、前記フィルタ19として
前記フィルタ1を用いるとともに、前記フィルタ20と
して前記フィルタ2を用いたものである。
【0027】図5は太陽光の影響を示す説明図であり、
図5(a)は太陽30が高い位置にある場合(昼間の場
合)、図5(b)は太陽30が低い位置にある場合(朝
夕の場合)を示している。
【0028】図6は、カメラ13の相対感度の一例及び
太陽30が高い位置にある場合における各分光相対照度
を示す図である。図6において、曲線T1は太陽光の相
対照度、曲線C1はカメラ13の相対感度、曲線U1は
太陽光がフィルタ1のみを透過した場合におけるカメラ
13に対して有効な相対照度(すなわち、太陽光の相対
照度とフィルタ1の透過率とカメラ13の相対感度との
積)、曲線L1は太陽光がフィルタ1,2の両方を透過
した場合におけるカメラ13に対して有効な相対照度
(すなわち、太陽光の相対照度とフィルタ1の透過率と
フィルタ2の透過率とカメラ13の相対感度との積)を
示している。したがって、太陽光のみが光学フィルタ部
18を介してカメラ13に直接入射すると仮定すれば、
太陽30が高い位置にある場合には、光学フィルタ部1
8における上側半分の領域(運転者10aの顔に相当す
る領域を含む領域)を透過する光のカメラ13に対して
有効な光量は、図6中の曲線U1で囲まれた面積に相当
し、光学フィルタ部18における下側半分の領域(ナン
バープレート10bに相当する領域を含む領域)を透過
する光のカメラ13に対して有効な光量は、図6中の曲
線L1で囲まれた面積に相当する。
【0029】図7は、カメラ13の相対感度の図6と同
じ例及び太陽30が低い位置にある場合における各分光
相対照度を示す図である。図7において、曲線T2は太
陽光の相対照度、曲線C1はカメラ13の相対感度、曲
線U2は太陽光がフィルタ1のみを透過した場合におけ
るカメラ13に対して有効な相対照度(すなわち、太陽
光の相対照度とフィルタ1の透過率とカメラ13の相対
感度との積)、曲線L2は太陽光がフィルタ1,2の両
方を透過した場合におけるカメラ13に対して有効な相
対照度(すなわち、太陽光の相対照度とフィルタ1の透
過率とフィルタ2の透過率とカメラ13の相対感度との
積)を示している。したがって、太陽光のみが光学フィ
ルタ部18を介してカメラ13に直接入射すると仮定す
れば、太陽30が低い位置にある場合には、光学フィル
タ部18における上側半分の領域(運転者10aの顔に
相当する領域を含む領域)を透過する光のカメラ13に
対して有効な光量は、図7中の曲線U2で囲まれた面積
に相当し、光学フィルタ部18における下側半分の領域
(ナンバープレート10bに相当する領域を含む領域)
を透過する光のカメラ13に対して有効な光量は、図7
中の曲線L2で囲まれた面積に相当する。
【0030】図8は、カメラ13の相対感度の図6と同
じ例及びストロボ光による各分光相対照度を示す図であ
る。図8において、曲線Sはストロボ16から赤外線透
過フィルタ17を介して照射されるストロボ光の相対照
度、曲線C1はカメラ13の相対感度、曲線U3はフィ
ルタ17を介して照射されたストロボ光がフィルタ1の
みを透過した場合におけるカメラ13に対して有効な相
対照度(すなわち、ストロボ光の相対照度とフィルタ1
の透過率とカメラ13の相対感度との積)、曲線L3は
フィルタ17を介して照射されたストロボ光がフィルタ
1,2の両方を透過した場合におけるカメラ13に対し
て有効な相対照度(すなわち、ストロボ光の相対照度と
フィルタ1の透過率とフィルタ2の透過率とカメラ13
の相対感度との積)を示している。したがって、夜間の
ようにストロボ光のみが光学フィルタ部18を介してカ
メラ13に直接入射すると仮定すれば、光学フィルタ部
18における上側半分の領域(運転者10aの顔に相当
する領域を含む領域)を透過する光のカメラ13に対し
て有効な光量は、図8中の曲線U3で囲まれた面積に相
当し、光学フィルタ部18における下側半分の領域(ナ
ンバープレート10bに相当する領域を含む領域)を透
過する光のカメラ13に対して有効な光量は、図8中の
曲線L3で囲まれた面積に相当する。
【0031】図6中の曲線T1と図7中の曲線T2との
比較からわかるように、太陽30が高い位置にある場合
と低い位置にある場合とで、太陽光の可視光成分の強度
が大きく変化している。また、図6乃至図8中の曲線C
1に示すように、カメラ13の相対感度は可視光に対し
て大きい。しかしながら、この第1の具体例では、図6
中の曲線U1,U2及び図7中の曲線L1,L2に示す
ように、光学フィルタ部18によって、運転者10aの
顔に相当する領域及びナンバープレート10bに相当す
る領域の両方において、赤外領域より短波長側の光(す
なわち、可視光等)がカットされる。したがって、カメ
ラ13の撮像素子13bに対して有効に入射する光の光
量は太陽光の可視光成分の大きな強度変化の影響を受け
なくなる。
【0032】第1に、図5(a)に示すように、太陽3
0が高い位置にある場合には、運転者10aの顔は車両
10の屋根の影となっており、太陽光の赤外成分の影響
は少ない。よって、運転者10aの顔に照射される光は
ストロボ光が主体となる。一方、ナンバープレート10
bには太陽光が直接当たるので、ナンバープレート10
bに照射される光は太陽光とストロボ光とを加算したも
のとなり、太陽光の赤外成分の影響は大きい。また、運
転者10aの顔の反射率はナンバープレート10bの反
射率より著しく低く、しかも、運転者10aの手前に
は、赤外光に関する透過率が約30〜40%程度のフロ
ントガラスが存在する。したがって、運転者10aの顔
からの赤外成分の光の光量は、ナンバープレート10b
からの赤外成分の光の光量に比べてかなり小さくなる。
【0033】第2に、図5(b)に示すように、太陽3
0が低い位置にある場合には、運転者10aの顔及びナ
ンバープレート10bの両方が、太陽光を直接受けると
同時に、ストロボ光も加算される。しかし、運転者10
aの顔とナンバープレート10bとの反射率の相違及び
フロントガラスの存在によって、やはり、運転者10a
の顔からの赤外成分の光の光量は、ナンバープレート1
0bからの赤外成分の光の光量に比べてかなり小さくな
る。
【0034】第3に、夜間については、太陽光が存在せ
ず、運転者10aの顔及びナンバープレート10bの両
方にはストロボ光のみが照射されるが、運転者10aの
顔とナンバープレート10bとの反射率の相違及びフロ
ントガラスの存在によって、やはり、運転者10aの顔
からの赤外成分の光の光量は、ナンバープレート10b
からの赤外成分の光の光量に比べてかなり小さくなる。
【0035】以上のようにいずれの状況においても、運
転者10aの顔からの赤外成分の光の光量は、ナンバー
プレート10bからの赤外成分の光の光量に比べてかな
り小さくなってしまう。
【0036】しかしながら、光学フィルタ部18を透過
する結果、この第1の具体例では、図6〜図8中の曲線
U1,U2,U3と曲線L1,L2,L3との比較から
わかるように、運転者10aの顔からカメラ13の撮像
素子13bに有効に到達する赤外成分の光の光量に比べ
て、ナンバープレート10bからカメラ13の撮像素子
13bに有効に到達する赤外成分の光の光量はかなり低
減される。したがって、運転者10aの顔の像10a’
が露光不足になったりナンバープレート10bの像10
b’が露光過多となったりするようなことがなく、両方
の像を適正な露光量で鮮明に撮像することができる。
【0037】以上の説明からわかるように、この第1の
具体例によれば、太陽30の位置などの周囲照度の状況
が変化しても、運転者10aの顔及びナンバープレート
10bの両方の像を適正な露光量で鮮明に撮像すること
ができる。したがって、カメラ13のダイナミックレン
ジが狭くても、撮像した画像から、運転者10aの顔及
びナンバープレート10bの肉眼による識別並びにナン
バープレート10bの車両番号の自動認識の精度向上が
可能となる。
【0038】次に、前記光学フィルタ部18の第2の具
体例とその効果について、図9及び図10を参照して説
明する。この第2の具体例は、前記フィルタ19として
前記フィルタ3を用いるとともに、前記フィルタ20と
して前記フィルタ4を用いたものである。
【0039】図9は、カメラ13の相対感度の他の例及
び太陽30が高い位置にある場合における各分光相対照
度を示す図である。図9において、曲線T1は太陽光の
相対照度、曲線C2はカメラ13の相対感度、曲線U4
は太陽光がフィルタ3のみを透過した場合におけるカメ
ラ13に対して有効な相対照度(すなわち、太陽光の相
対照度とフィルタ3の透過率とカメラ13の相対感度と
の積)、曲線L4は太陽光がフィルタ3,4の両方を透
過した場合におけるカメラ13に対して有効な相対照度
(すなわち、太陽光の相対照度とフィルタ3の透過率と
フィルタ4の透過率とカメラ13の相対感度との積)を
示している。したがって、太陽光のみが光学フィルタ部
18を介してカメラ13に直接入射すると仮定すれば、
太陽30が高い位置にある場合には、光学フィルタ部1
8における上側半分の領域(運転者10aの顔に相当す
る領域を含む領域)を透過する光のカメラ13に対して
有効な光量は、図9中の曲線U4で囲まれた面積に相当
し、光学フィルタ部18における下側半分の領域(ナン
バープレート10bに相当する領域を含む領域)を透過
する光のカメラ13に対して有効な光量は、図9中の曲
線L4で囲まれた面積に相当する。
【0040】図10は、カメラ13の相対感度の図9と
同じ例及び太陽30が低い位置にある場合における各分
光相対照度を示す図である。図10において、曲線T2
は太陽光の相対照度、曲線C2はカメラ13の相対感
度、曲線U5は太陽光がフィルタ3のみを透過した場合
におけるカメラ13に対して有効な相対照度(すなわ
ち、太陽光の相対照度とフィルタ3の透過率とカメラ1
3の相対感度との積)、曲線L5は太陽光がフィルタ
3,4の両方を透過した場合におけるカメラ13に対し
て有効な相対照度(すなわち、太陽光の相対照度とフィ
ルタ3の透過率とフィルタ4の透過率とカメラ13の相
対感度との積)を示している。したがって、太陽光のみ
が光学フィルタ部18を介してカメラ13に直接入射す
ると仮定すれば、太陽30が低い位置にある場合には、
光学フィルタ部18における上側半分の領域(運転者1
0aの顔に相当する領域を含む領域)を透過する光のカ
メラ13に対して有効な光量は、図10中の曲線U5で
囲まれた面積に相当し、光学フィルタ部18における下
側半分の領域(ナンバープレート10bに相当する領域
を含む領域)を透過する光のカメラ13に対して有効な
光量は、図10中の曲線L5で囲まれた面積に相当す
る。
【0041】この第2の具体例によっても、前記第1の
具体例と同様に、太陽30の位置などの周囲照度の状況
が変化しても、運転者10aの顔及びナンバープレート
10bの両方の像を適正な露光量で鮮明に撮像すること
ができる。
【0042】次に、前記光学フィルタ部18の第3の具
体例とその効果について、図11乃至図13を参照して
説明する。この第3の具体例は、前記フィルタ19とし
て前記フィルタ1を用いるとともに、前記フィルタ20
として前記フィルタ5を用いたものである。
【0043】図11は、図6に対応するものであり、太
陽30が高い位置ある場合における各分光相対照度を示
す図である。ただし、図11の縦軸のスケールは、図6
の縦軸のスケールと異なっている。図11の場合も、太
陽光の相対照度及びカメラ13の相対感度は図6の場合
と同一であるが、図11では省略している。図11にお
いて、曲線L6は、太陽光がフィルタ1,5の両方を透
過した場合におけるカメラ13に対して有効な相対照度
(すなわち、太陽光の相対照度とフィルタ1の透過率と
フィルタ5の透過率とカメラ13の相対感度との積)を
示している。また、図11においても、太陽光がフィル
タ1のみを透過した場合におけるカメラ13に対して有
効な相対照度(すなわち、太陽光の相対照度とフィルタ
1の透過率とカメラ13の相対感度との積)を示す図6
中の曲線U1を、そのまま示している。したがって、太
陽光のみが光学フィルタ部18を介してカメラ13に直
接入射すると仮定すれば、太陽30が高い位置にある場
合には、光学フィルタ部18における上側半分の領域
(運転者10aの顔に相当する領域を含む領域)を透過
する光のカメラ13に対して有効な光量は、図11中の
曲線U1で囲まれた面積に相当し、光学フィルタ部18
における下側半分の領域(ナンバープレート10bに相
当する領域を含む領域)を透過する光のカメラ13に対
して有効な光量は、図11中の曲線L6で囲まれた面積
に相当する。
【0044】なお、比較のため、図11においても、太
陽光がフィルタ1,2の両方を透過した場合におけるカ
メラ13に対して有効な相対照度(すなわち、太陽光の
相対照度とフィルタ1の透過率とフィルタ2の透過率と
カメラ13の相対感度との積)を示す図6中の曲線L1
を、そのまま示している。
【0045】図12は、図7に対応するものであり、太
陽30が低い位置ある場合における各分光相対照度を示
す図である。ただし、図12の縦軸のスケールは、図7
の縦軸のスケールと異なっている。図12の場合も、太
陽光の相対照度及びカメラ13の相対感度は図7の場合
と同一であるが、図12では省略している。図12にお
いて、曲線L7は、太陽光がフィルタ1,5の両方を透
過した場合におけるカメラ13に対して有効な相対照度
(すなわち、太陽光の相対照度とフィルタ1の透過率と
フィルタ5の透過率とカメラ13の相対感度との積)を
示している。また、図12においても、太陽光がフィル
タ1のみを透過した場合におけるカメラ13に対して有
効な相対照度(すなわち、太陽光の相対照度とフィルタ
1の透過率とカメラ13の相対感度との積)を示す図7
中の曲線U2を、そのまま示している。したがって、太
陽光のみが光学フィルタ部18を介してカメラ13に直
接入射すると仮定すれば、太陽30が低い位置にある場
合には、光学フィルタ部18における上側半分の領域
(運転者10aの顔に相当する領域を含む領域)を透過
する光のカメラ13に対して有効な光量は、図12中の
曲線U2で囲まれた面積に相当し、光学フィルタ部18
における下側半分の領域(ナンバープレート10bに相
当する領域を含む領域)を透過する光のカメラ13に対
して有効な光量は、図12中の曲線L7で囲まれた面積
に相当する。
【0046】なお、比較のため、図12においても、太
陽光がフィルタ1,2の両方を透過した場合におけるカ
メラ13に対して有効な相対照度(すなわち、太陽光の
相対照度とフィルタ1の透過率とフィルタ2の透過率と
カメラ13の相対感度との積)を示す図7中の曲線L2
を、そのまま示している。
【0047】図13は、図8に対応するものであり、ス
トロボ光による各分光相対照度を示す図である。ただ
し、図13の縦軸のスケールは、図8の縦軸のスケール
と異なっている。図13の場合も、ストロボ光の相対照
度及びカメラ13の相対感度は図8の場合と同一である
が、図13では省略している。図13において、曲線L
8は、太陽光がフィルタ1,5の両方を透過した場合に
おけるカメラ13に対して有効な相対照度(すなわち、
ストロボ光の相対照度とフィルタ1の透過率とフィルタ
5の透過率とカメラ13の相対感度との積)を示してい
る。また、図13においても、太陽光がフィルタ1のみ
を透過した場合におけるカメラ13に対して有効な相対
照度(すなわち、ストロボ光の相対照度とフィルタ1の
透過率とカメラ13の相対感度との積)を示す図8中の
曲線U3を、そのまま示している。したがって、夜間の
ようにストロボ光のみが光学フィルタ部18を介してカ
メラ13に直接入射すると仮定すれば、光学フィルタ部
18における上側半分の領域(運転者10aの顔に相当
する領域を含む領域)を透過する光のカメラ13に対し
て有効な光量は、図13中の曲線U3で囲まれた面積に
相当し、光学フィルタ部18における下側半分の領域
(ナンバープレート10bに相当する領域を含む領域)
を透過する光のカメラ13に対して有効な光量は、図1
3中の曲線L8で囲まれた面積に相当する。
【0048】なお、比較のため、図13においても、ス
トロボ光がフィルタ1,2の両方を透過した場合におけ
るカメラ13に対して有効な相対照度(すなわち、スト
ロボ光の相対照度とフィルタ1の透過率とフィルタ2の
透過率とカメラ13の相対感度との積)を示す図8中の
曲線L3を、そのまま示している。
【0049】この第3の具体例によっても、前記第1の
具体例と同様に、太陽30の位置などの周囲照度の状況
が変化しても、運転者10aの顔及びナンバープレート
10bの両方の像を適正な露光量で鮮明に撮像すること
ができる。
【0050】ところで、前述した図11中の曲線L1と
曲線L6との比較、図12中の曲線L2と曲線L7との
比較及び図13中の曲線L3と曲線L8との比較からわ
かるように、前記第1の具体例の場合のように図3中の
フィルタ20として赤外線透過フィルタである前記フィ
ルタ2を用いる場合には、前記第3の具体例のように図
3中のフィルタ20として減衰フィルタである前記フィ
ルタ5を用いる場合に比べて、フィルタ20を透過した
光の波長の帯域(及び半値幅)が狭くなる。そして、カ
メラ13のレンズ13aの屈折率は光の波長に応じて変
化するとともに、一般的なカメラ13では赤外領域にお
いてその変化による収差を十分に補正するように構成さ
れていないことから、カメラ13に有効に入射する赤外
領域の光の波長の帯域が狭いほど画像のピントが合い易
い。したがって、前記第1の具体例の場合には、前記第
3の具体例に比べて、ナンバープレート10bの像のピ
ントが合い易くなり、撮像した画像からの、ナンバープ
レート10bの肉眼による識別及びナンバープレートの
車両番号の自動認識が一層容易となり、好ましい。
【0051】また、本発明においては、前記第1の具体
例を前記第3の具体例に変形したのと同様に、前記第2
の具体例において、図3中のフィルタ20として、バン
ドパスフィルタである前記フィルタ4に代えて減衰フィ
ルタである前記フィルタ5を用いてもよい。しかしなが
ら、前記第2の具体例のようにフィルタ4を用いた場合
には、フィルタ5を用いる場合に比べて、フィルタ20
を透過した光の波長の帯域(及び半値幅)が狭くなるの
で、前述したのと同様の理由により、ナンバープレート
10bの肉眼による識別及びナンバープレートの車両番
号の自動認識が一層容易となり、好ましい。
【0052】なお、本発明では、前記第1の具体例にお
いて、図3中のフィルタ20として、赤外線透過フィル
タである前記フィルタ2に代えて、バンドパスフィルタ
である前記フィルタ4を用いてもよい。しかしながら、
前記第1の具体例のようにカメラ13の感度が赤外領域
における長波長域側でも感度が高い場合には、前記第1
の具体例のようにフィルタ2を用いた方が、フィルタ4
を用いる場合に比べて、カメラ13に有効に入射する赤
外領域の光の波長が狭くなるので、ナンバープレート1
0bの肉眼による識別及びナンバープレート10bの車
両番号の自動認識を更に容易にする上で、好ましい。
【0053】また、本発明では、前記第2の具体例にお
いて、図3中のフィルタ20として、バンドパスフィル
タである前記フィルタ4に代えて、赤外線透過フィルタ
である前記フィルタ2を用いてもよい。しかしながら、
前記第2の具体例のようにカメラ13の感度が赤外領域
における長波長域側では低い場合には、前記第2の具体
例のようにフィルタ4を用いた方が、フィルタ2を用い
る場合に比べて、カメラ13に有効に入射する赤外領域
の光の波長が狭くなるので、ナンバープレート10bの
肉眼による識別及びナンバープレート10bの車両番号
の自動認識を更に容易にする上で、好ましい。
【0054】なお、図1に示すように、本実施の形態に
おいては、前述したように、光学フィルタ部18がカメ
ラ13のレンズ13aの前面に装着されているが、光学
フィルタ部18をレンズ13aと撮像素子13bとの間
に配置してもよい。この場合、光学フィルタ部18は、
撮像素子13bのガラス上に形成した膜とすることもで
きる。しかしながら、このような場合には、撮像した画
像において上側領域と下側領域との間の境界がはっきり
と現れてしまう。この点、前述した実施の形態のように
光学フィルタ部18をレンズ13aの手前側に配置する
と、そのような境界がぼけ、画像が不自然とならないの
で、好ましい。なお、光学フィルタ部18を用いる代わ
りに、撮像素子13bにおけるナンバープレート10b
に相当する領域の一部の画素の感度を低下させておいて
もよい。
【0055】また、図3に示すように、本実施の形態に
おいては、視野全体を覆う第1のフィルタ19と、この
フィルタ19の下側半分の領域に重ね合わされた第2の
フィルタ20とにより、光学フィルタ部18を構成して
いたが、例えば、第1のフィルタ19を上側半分の大き
さとし、第1のフィルタ19と第2のフィルタ20とを
重ね合わせることなく付け合わせることにより、光学フ
ィルタ部18を構成してもよい。
【0056】次に、本発明の第2の実施の形態による車
両撮像装置について、図14乃至図16を参照して説明
する。
【0057】図14は、本実施の形態による車両撮像装
置を示す概略構成図である。図15は、本実施の形態に
おいて用いられる照射部14を示す概略斜視図である。
図16は、図15に示す照射部14の配光特性を示す図
である。
【0058】本実施の形態による車両撮像装置は、前述
した図1に示す第1の実施の形態による車両撮像装置の
一部を変形したものである。したがって、図14におい
て、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号
を付し、その重複する説明は省略する。
【0059】図14に示すように、本実施の形態が前記
第1の実施の形態と異なる所は、図1中の光学フィルタ
部18が取り除かれている点と、照射部14の構成のみ
である。前記第1の実施の形態では、照射部14が単一
のストロボ16とその照射面に装着された赤外線透過フ
ィルタ17とから構成されていたのに対し、本実施の形
態では、図14に示すように、2台のストロボ40,4
2とそれらの照射面にそれぞれ装着された赤外線透過フ
ィルタ41,43とから構成されている。そして、スト
ロボ40とストロボ42とでは、上下方向の向きが互い
に異なるように設置されている。本実施の形態では、ス
トロボ40,42は同一の配光特性を有しており、スト
ロボ40は水平方向に向けて設置されているのに対し、
ストロボ42は10゜上方向に向けて設置されている。
図16(a)はストロボ40,42の個々の配光特性を
示しており、同図において、B位置はストロボ40,4
2の位置、曲線40’はストロボ40の配光特性、曲線
42’はストロボ42の配光特性を示す。図16(b)
はストロボ40,42全体すなわち照射部14全体の配
光特性を示している。照射部14全体としての配光特性
は、図16(b)に示すように、各ストロボ40,42
の配光特性の加算したものとなるため、運転者10aの
顔に対する照射光の光量がナンバープレート10bに対
する照射光の光量より大きくなる。
【0060】本実施の形態によれば、照射部14を単一
のストロボのみで構成する場合に比べて、照射光の光量
を十分に大きくすることができるので、太陽光の影響を
低減することができる。そして、前述したように、運転
者10aの顔に対する照射光の光量がナンバープレート
10bに対する照射光の光量より大きくなるため、運転
者10aの顔の像が露光不足になったりナンバープレー
ト10bの像が露光過多となったりするようなことがな
く、両方の像を適正な露光量で鮮明に撮像することがで
きる。また、本実施の形態によれば、ストロボの前部に
ルーバーのようあ部分的な遮光部材を配置するものでは
なく、単に2台のストロボ40,42の上下方向の向き
を変えておくだけでよいので、構成が簡単で安価とな
る。
【0061】本実施の形態では、前述した光学フィルタ
部18を取り除いたが、この光学フィルタ部18も併用
してもよい。この場合には、太陽の位置などの周囲照度
の状況が変化しても運転者の顔及びナンバープレートの
両方の像をより一層適正な露光量で鮮明に撮像すること
ができる。
【0062】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。
【0063】例えば、本発明は、軸重違反車両の撮像装
置のみならず、速度違反車両等の他の車両の撮像装置に
適用することができることは、言うまでもない。また、
デジタルカメラに代えて、銀塩フィルムを使用するカメ
ラを用いてもよい。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
太陽の位置などの周囲照度の状況が変化しても、運転者
の顔及びナンバープレートの両方の像を適正な露光量で
鮮明に撮像することができる。
【0065】また、本発明によれば、車両と撮像装置の
感光部との間に特別なフィルタを配置することなく、運
転者の顔及びナンバープレートの両方の像を適正な露光
量で鮮明に撮像することができ、構成が簡単な車両撮像
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による車両撮像装置
を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す車両撮像装置により撮像された画像
の例を示す図である。
【図3】図1中の光学フィルタ部を示す拡大図であり、
図3(a)は側面図、図3(b)は図3(a)中のA−
A矢視図である。
【図4】本発明において用いることができる各種のフィ
ルタの特性を示す図である。
【図5】太陽光の影響を示す説明図である。
【図6】カメラの相対感度の一例及び太陽が高い位置に
ある場合における各分光相対照度を示す図である。
【図7】カメラの相対感度の図6と同じ例及び太陽が低
い位置にある場合における各分光相対照度を示す図であ
る。
【図8】カメラの相対感度の図6と同じ例及びストロボ
光による各分光相対照度を示す図である。
【図9】カメラの相対感度の他の例及び太陽が高い位置
にある場合における各分光相対照度を示す図である。
【図10】カメラの相対感度の図9と同じ例及び太陽が
低い位置にある場合における各分光相対照度を示す図で
ある。
【図11】太陽が高い位置にある場合における各分光相
対照度を示す図である。
【図12】太陽が低い位置にある場合における各分光相
対照度を示す図である。
【図13】ストロボ光による各分光相対照度を示す図で
ある。
【図14】本発明の第2の実施の形態による車両撮像装
置を示す概略構成図である。
【図15】図14に示す車両撮像装置において用いられ
る照射部を示す概略斜視図である。
【図16】図15に示す照射部の配光特性を示す図であ
り、図16(a)は個々のストロボの配光特性を示す
図、図16(b)は照射部全体としての配光特性を示す
図である。
【符号の説明】
10 車両 10a 運転者 10b ナンバープレート 11 載荷板 12 定位置感知器 13 デジタルカメラ 13a レンズ 13b 撮像素子 14 照射部 15 制御部 16,40,42 ストロボ 17,41,43 赤外線透過フィルタ 18 光学フィルタ部 19,20 フィルタ 30 太陽
フロントページの続き (72)発明者 須藤 聡一 神奈川県横浜市戸塚区前田町100番地 小 糸工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の運転者の顔及びナンバープレート
    を同一の視野内に入れて当該車両を撮像する車両撮像装
    置において、 前記視野を撮像する撮像手段と、 前記撮像手段による撮像と同期して前記視野内に赤外領
    域の閃光を照射する照射手段と、 前記撮像手段の感光部の手前側に配置された光学フィル
    タ手段であって、前記視野内の前記顔に相当する第1の
    領域及び前記視野内の前記ナンバープレートに相当する
    第2の領域において赤外領域より短波長側の光をカット
    する特性を有するとともに、同一の光量の赤外領域の入
    射光に対して前記第1の領域の透過光の光量に比べて前
    記第2の領域の透過光の光量が小さくなるように、前記
    第1の領域と前記第2の領域とで赤外領域の光の透過特
    性が異なる光学フィルタ手段と、を備えたことを特徴と
    する車両撮像装置。
  2. 【請求項2】 前記光学フィルタ手段は、前記第1領域
    において、赤外領域における最も短い波長の付近の波長
    を透過限界波長として当該透過限界波長より短い波長領
    域の光をカットするとともに当該透過限界波長より長い
    波長領域の光を透過させる特性を有し、前記第2の領域
    において、前記第1の領域の前記透過限界波長より長い
    波長を透過限界波長として当該透過限界波長より短い波
    長領域の光をカットするとともに当該透過限界波長より
    長い波長領域の光を透過させる特性を有することを特徴
    とする請求項1記載の車両撮像装置。
  3. 【請求項3】 前記光学フィルタ手段は、前記第1領域
    において、赤外領域における最も短い波長の付近の波長
    を透過限界波長として当該透過限界波長より短い波長領
    域の光をカットするとともに当該透過限界波長より長い
    波長領域の光を透過させる特性を有し、前記第2の領域
    において、実質的に前記赤外領域における一部の波長領
    域の光のみを透過させる特性を有することを特徴とする
    請求項1記載の車両撮像装置。
  4. 【請求項4】 前記照射手段は、上下方向の向きを互い
    に異ならせた複数の照射部を有することを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の車両撮像装置。
  5. 【請求項5】 車両の運転者の顔及びナンバープレート
    を同一の視野内に入れて当該車両を撮像する車両撮像装
    置において、 前記視野を撮像する撮像手段と、 前記撮像手段による撮像と同期して前記視野内に赤外領
    域の閃光を照射する照射手段であって、上下方向の向き
    を互いに異ならせた複数の照射部を有する照射手段と、 を備えたことを特徴とする車両撮像装置。
JP13774698A 1998-04-30 1998-04-30 車両撮像装置 Pending JPH11316405A (ja)

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