JPH11315698A - 鋼殻セグメント - Google Patents

鋼殻セグメント

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JPH11315698A
JPH11315698A JP11053913A JP5391399A JPH11315698A JP H11315698 A JPH11315698 A JP H11315698A JP 11053913 A JP11053913 A JP 11053913A JP 5391399 A JP5391399 A JP 5391399A JP H11315698 A JPH11315698 A JP H11315698A
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tunnel
steel shell
steel
joint
segment
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JP11053913A
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English (en)
Inventor
Minoru Nakamura
稔 中村
Takashi Yamaguchi
隆志 山口
Noriyuki Hirozawa
規行 広沢
Tsutomu Yokoyama
務 横山
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トンネル軸方向の結合をボルトレス結合方式
とした鋼殻セグメントにおいて、トンネル円周方向の継
手構造を簡易化する。 【解決手段】相対する鋼殻セグメント1のトンネル軸方
向(セグメントリング間)の連結を、鋼殻側枠5のウェ
ブ13に設けた雄側係合部材35と雌側係合部材36と
の止水パッキング26を介しての係合により行う鋼殻セ
グメントであって、この鋼殻セグメント1におけるトン
ネル円周方向(セグメント)継手部材を、相対する部材
間で面接触可能な継手部板状鋼材20で構成し、この継
手部板状鋼材20に形成した嵌合溝24に止水パッキン
グ26を装着し、この止水パッキング26を介して両継
手部板状鋼材20が水密的に接合される構成を特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル覆工に用
いられる鋼製周縁枠を有する鋼殻セグメントに係り、特
にトンネル軸方向と円周方向のセグメント間をボルトレ
ス方式で結合する鋼殻セグメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆるボルトレス結合方式の鋼殻セグ
メントの従来構造にあっては、トンネル覆工を構築した
ときトンネル軸方向とトンネル円周方向に接合される各
鋼殻セグメント間を確実にかつ水密的に連結するよう、
当該鋼殻セグメントの4周辺の構造に種々の改良がなさ
れている。
【0003】例えば従来の鋼殻セグメントでは、内側フ
ランジと外側フランジがウエブで連結されたH形断面の
鋼殻を平面矩形に組んで各接合部を溶接し、セグメント
4周辺面における前記内側と外側のフランジには、相対
する側と互いに凹凸部で係合するようそれぞれテーパ面
を介して内側と外側の一方が突出接合部、他方が凹み接
合部となるように構成され、かつセグメントのトンネル
円周方向両端におけるウエブ外面に、トンネル円周方向
に相対するセグメント間を連結する雄側係合部材と雌側
係合部材が溶接されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、ボルトレ
ス結合方式の鋼殻セグメントの構造をより簡潔なものと
することにより製作工程と施工の簡易化を図り、工事費
の総合的なコスト低減を実現することについて研究を行
っている。
【0005】前記の観点から検討するとき、従来構造の
鋼殻セグメントはトンネル軸方向の確実な連結だけでな
く、トンネル円周方向の確実な連結を図るために、セグ
メントのトンネル円周方向両端部に前述のような複雑な
加工構造を施しているが、このセグメントにおけるトン
ネル円周方向の両端部の構造はさらに簡潔化し得るとの
知見を得た。
【0006】つまり、本発明者の研究結果によると、次
の3点が解明された。 トンネル覆工において千鳥組に配列される各鋼殻セグ
メント間の結合強度、特に、覆工体の添接強度は専ら鋼
殻セグメントのトンネル軸方向(セグメントリング間)
の結合構造が担っており、トンネル円周方向(セグメン
ト間)の結合構造は殆ど負担していないこと。 それ故に、セグメントのトンネル円周方向両端の接合
構造は、セグメントリング間のような強固な凹凸係合構
造は必要でなく、単なる平面接触可能な板状構造でも何
ら不具合がないこと。 さらに、覆工体はマシーン内のエレクターで組立後、
推進ジヤッキにて地中に押し出されると地下水の水圧に
よる圧縮力を受けるため、トンネル円周方向(セグメン
ト間)のセグメント側枠は互いに圧着力を受け、より接
合しようとする。このため、止水パッキングが押し潰さ
れるほどにセグメント間の接合面を緊締することは必要
でなく、トンネル円周方向の継手部材間が密圧接してい
なくても、この継手部材に設ける止水パッキングが相手
側と適正圧で接触し、弾性変形されていればその反発力
により止水性は十分確保されることを確認した。
【0007】本発明は前記,,の点にもとづいて
従来の課題を解決した鋼殻セグメントを提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め、本発明に係る鋼殻セグメントは次のように構成す
る。請求項1に係る発明は、ウエブを介して結合された
鋼製外側フランジと鋼製内側フランジからなる鋼殻側枠
をトンネル軸方向に所定の間隔をあけて平行に配設し、
前記鋼殻側枠のウエブの端部間をトンネル円周方向継手
部材で連結して鋼殻セグメント本体枠を構成し、前記鋼
殻側枠における外側と内側のフランジには、トンネル軸
方向に相対するフランジ間で凹凸係合するよう、当該相
対する間で内径側と外径側に位置をずらして突出部接合
端面と凹み部接合端面を設け、両接合端面の交わる部位
に形成された嵌合溝に止水パッキングを嵌合し、また、
前記ウエブに設けた雄側係合部材と雌側係合部材の係合
により各鋼殻セグメント本体枠がトンネル軸方向に連結
される鋼殻セグメントであって、この鋼殻セグメントの
トンネル円周方向継手部材を、相対する部材間で面接触
可能な継手部板状鋼材で構成し、当該継手部板状鋼材に
形成した嵌合溝に止水パッキングを装着し、この止水パ
ッキングを介して両継手部板状鋼材が水密的に接合され
る構成を特徴とする。請求項2の発明は、請求項1の発
明において、トンネル円周方向に相対する前記継手部板
状鋼材の一方と他方の対向面に、互いに嵌まり合うガイ
ド凹部とガイド凸部を形成したことを特徴とする。請求
項3の発明は、請求項1または2の発明において、 前
記継手部板状鋼材のそれぞれに形成される前記止水パッ
キングの嵌合溝は、トンネル内外方向に互いに位置をず
らして設け、各嵌合溝は請求項1におけるトンネル軸方
向切羽側と坑口側の両嵌合溝相互間の内外方向の位置ず
れに対応して、それと同レベルに設けてある構成を特徴
とする。請求項4の発明は、請求項3の発明において
前記継手部板状鋼材のそれぞれに、トンネル内外方向に
互いに位置をずらして設ける前記止水パッキングの嵌合
溝は、請求項2における互いに嵌まり合う前記ガイド凹
部とガイド凸部を形成する段差部に設けられている構成
を特徴とする。請求項5の発明は、請求項1〜4のいず
れかの発明において、 前記鋼殻側枠のウエブの端部側
面には、トンネル円周方向に相対する鋼殻セグメントを
トンネル軸方向に相対移動することで、互いに掛合う係
合突起と係合孔開設部材とを設けた構成を特徴とする。
【0009】本発明によると、トンネル覆工として構築
された各鋼殻セグメント間の結合強度は、トンネル軸方
向(セグメントリング間)における雄雌係合部材による
結合及び、鋼殻側枠の内外側フランジにおける突出部接
合端面と凹み部接合端面との係合により確保され、トン
ネル円周方向(セグメント間)の接合は構造が簡潔な継
手部板状鋼材によってなされ、かつ両継手部板状鋼材間
には殆ど空間が形成されず、しかも、両継手部板状鋼材
に設けた止水パッキングを介して両部材間は確実に水密
接合でき、セグメントにおけるトンネル円周方向の継手
部の構造が従来に比べ著しく簡潔で、組立、施工作業も
容易である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照して説明する。図1は、本発明に係る鋼殻セグメン
トの凸面を上にした概要斜視図、図2は図1の正面図、
図3は同じく図1の背面図、図4は同じく平面図、図5
は図1の横断平面図である。さらに、図6〜図14は鋼
殻セグメントのトンネル円周方向の連結構造を示す図、
図15〜図17はトンネル軸方向の連結構造を示す図で
あり、図18は本発明の鋼殻セグメントを用いて構築し
たトンネル覆工例の斜視図である。
【0011】各図から分かるように、鋼殻セグメント1
の鋼殻セグメント本体枠17は、トンネル軸方向に所定
の間隔をおいて平行に配設されたH形鋼からなる円弧状
の鋼殻側枠5とこの鋼殻側枠5の円弧状端部に継手部板
状鋼材20を固着して構成される。この継手部板状鋼材
20は圧延で成型する。
【0012】円弧状の鋼殻側枠5は、ウエブ13と、ウ
エブ13の両端に一体に設けられた内側フランジ2と外
側フランジ7(図15,図16参照)とから構成され、
さらに、平行に配設される左右の円弧状の鋼殻側枠5の
外側フランジ7の凹部19に、鋼板からなるスキンプレ
ート11が溶接により固着され、前記外側フランジ7、
内側フランジ2およびウエブ13からなる鋼殻セグメン
ト本体枠17と、その中に充填された鉄筋コンクリート
(鉄筋は図示省略)14とにより鋼殻セグメント1が構
成されている。なお、前記鋼殻セグメント1には、裏込
め用モルタル等の裏込め材注入用の注入パイプ6が設け
られている。
【0013】前記鋼殻セグメント1のトンネル軸方向一
端側(図15,図16の右側)において、トンネル軸方
向にみて前方に突出する鋼製外側フランジ7には、突出
部接合端面8と凹み部接合端面9と、この突出部接合端
面8と凹み部接合端面9の間を接続する傾斜面3が設け
られる。さらに、傾斜面3の基端部には、その傾斜面3
の延長線上において、前記傾斜面3の断面欠損をするこ
となく略半円断面のパッキング嵌合溝4が設けられる。
【0014】鋼殻セグメント1のトンネル軸方向他端側
(図15,図16の左側)は、前記対向する相手側(図
の右側部分)の外側フランジ7の各部と対称配置になる
ように突出部接合端面8と凹み部接合端面9と、その突
出部接合端面8と凹み部接合端面9の間を接続する傾斜
面3が設けられ、さらに、傾斜面3の基端部には、前述
の場合と同様に略半円断面のパッキング嵌合溝4が設け
られる。
【0015】さらに、図15,図16において、互いに
接合すべき鋼殻セグメント1の内側フランジ2も外側フ
ランジ7の構成と同様、左右側対称配置になるようにし
てそれぞれ突出部接合端面8と凹み部接合端面9と、前
記突出部接合端面8と凹み部接合端面9を接続する傾斜
面3と、傾斜面3の基端部に形成される断面が略半円形
状のパッキング嵌合溝4が前述の場合と同様に設けられ
る。
【0016】次に図5は、円弧状に湾曲する単体の鋼殻
セグメント1の中間部を一部省略して示す横断面で、鋼
殻セグメント1の円弧状の平面からみて四角形の一方の
対角線上の隅部において、鋼殻セグメント1のウエブ1
3の端部に、その孔軸が鋼殻セグメント1の軸方向にな
るように形成された係合孔22を有する連結板23が溶
接29で固着されており、前記係合孔22は鋼殻セグメ
ント1の継手部板状鋼材20より前側に突出位置してい
る。
【0017】また、同図において、鋼殻セグメント1の
平面からみて四角形の他方の対角線の両端部において、
鋼殻側枠5のウエブ13の端部側面に、その軸線が鋼殻
セグメント1の軸方向になるように係合突起30が溶接
29で固着されている。係合突起30は、図1に示すよ
うに、その断面形状がトンネル円周方向に長い横小判型
にすることによって、基端溶接部の溶接長が得られ、継
手に働く引張力に対応させるうえで適している。
【0018】図5〜図14に示すように、前記鋼殻側枠
5のトンネル円周方向両端に固着される前記継手部板状
鋼材20にもトンネル軸方向に伸長するパッキング嵌合
溝24が設けられている。図9,図10に示す例では、
パッキング嵌合溝24はトンネル円周方向に相対する継
手部板状鋼材20の間において、トンネル内外方向に同
じ高さ位置に設けてある。したがって、図9、図10の
継手部板状鋼材20の場合、パッキング嵌合溝24は、
鋼殻側枠5の突出部接合端面8と凹み部接合端面9に段
差を有して形成される嵌合溝4に、セグメントコーナ部
で若干の段差を有して連続しており、嵌合溝24に嵌合
される止水パッキング26は前記コーナ部で段差を有し
て各嵌合溝4に連続している。
【0019】次に、図11,図12に示す継手部板状鋼
材20では、嵌合溝24の配置が図9、図10の継手部
板状鋼材20における嵌合溝24の配置と若干異なる。
つまり、図11,図12では、パッキング嵌合溝24
は、相対する継手部板状鋼材20間においてトンネル内
外方向に段差を有して設けてある。この図11,図12
の場合パッキング嵌合溝24は、鋼殻側枠5の突出部接
合端面8と凹み部接合端面9に段差を有して形成される
嵌合溝4とトンネル内外方向に同じレベルに配置される
ので、セグメントコーナ部で段差を有しないで嵌合溝4
に連続し、嵌合溝24に嵌合される止水パッキング26
は前記コーナ部で段差を有しないで嵌合溝4に連続して
嵌合される。
【0020】また、図11,図12において相対する両
継手部板状鋼材20は、互いに断面点対称となるよう対
向面を凹凸形成する。つまり、両継手部板状鋼材20の
対向フラット近接面21からみてトンネル内外方向両端
部において、一方が凸部15となり、他方が凸部15の
嵌まる凹部16となるよう数mm程度の凹凸を付して構成
し、この凸部15と凹部16を形成する段差部にトンネ
ル内外方向に段差を有してパッキング嵌合溝24が設け
られている。したがって、図11,図12の構成による
と、セグメントをトンネル円周方向に組立てるに際し、
相対する継手部板状鋼材20は平行間隔を保って近接す
ることで、凸部15と凹部16から対向フラット近接面
21にかけてパッキング嵌合溝24を介して連続する対
向ガイド斜面25,28をガイドとして互いに嵌まりあ
って、両継手部板状鋼材20の位置決めが確実にでき、
セグメントのトンネル円周方向の組立てが一層迅速にで
きる。
【0021】図13,図14に示す継手部板状鋼材20
は、図11,図12のパッキング嵌合溝24と、これに
嵌合される止水パッキング26の構成に次の構成を加え
ている。すなわち、相対する継手部板状鋼材20のそれ
ぞれの対向フラット近接面21に、溶接熱による溶接歪
逃がし用の空隙47aを形成するための抉り部47を非
抉り部46を一部残して形成している。この溶接歪逃が
し用抉り部47の存在により、継手部板状鋼材20を鋼
殻側枠5に溶接するとき、溶接熱により相対する両継手
部板状鋼材20のトンネル内外方向両端部が、互いに開
く方向に曲がる不具合がなくなる。
【0022】前記鋼殻セグメント1を円周方向に連結す
るには、図6,図7,図8の順序で行なう。まず、図6
に示すように一対の鋼殻セグメント1を、各係合突起3
0の先端が継手部板状鋼材20にぶつからないようにし
て、この鋼殻セグメント1を互いにトンネル軸一方向に
ずらした状態で、各継手部板状鋼材20同士がトンネル
円周方向に接近するように配置する。
【0023】次に、図7に示すように、継手部板状鋼材
20同士が面接触するまで一対の鋼殻セグメント1をト
ンネル円周方向に接近させる。このとき、係合突起30
と係合孔22のトンネル軸方向に軸線が揃う。
【0024】最後に、各継手部板状鋼材20同士を軽く
スライドさせながら一対の鋼殻セグメント1をトンネル
軸他方向に相対移動させ、それにより鋼殻セグメント1
の両サイドにおいて、それぞれ係合突起30と係合孔2
2が嵌り合うことによって、鋼殻セグメント1がトンネ
ル円周方向に連結され、図9,図10,図11,図13
に示すように継手部板状鋼材20の面接触に近い状態が
保たれる。このとき、複数本の止水パッキング26はそ
れぞれ相手側と接触しており、かつ対向する継手部板状
鋼材20の間には殆ど空隙が存在しないので、この継手
部板状鋼材20の間にはモルタル等を充填しなくともよ
く、かつ止水性も確実に保持される。なお、図1で略図
的に示すように継手部板状鋼材20の両端部の内径側と
外径側は、内側フランジ2と外側フランジ7の端面形状
と同レベルで合致するように形成する。
【0025】なお、図10に示す例では、相対する継手
部板状鋼材20同士は圧接しておらず、両者の間に少し
の間隙Sがあるが、前記複数の各止水パッキング26が
その直径の数分の1(具体的には2mm程度)圧縮変形
して相手側と接触していれば止水性は十分確保され、漏
水しないことを確認している。また、図11,図12の
相対する止水パッキング26の配置がトンネル内外方向
に位置ずれした継手部板状鋼材20にあっても、勿論止
水は完全であり、とくにこの場合はトンネル内外方向に
配置の4本の止水パッキング26が個々に止水効果を発
揮し、止水性が向上する。
【0026】本発明の実施形態では、鋼殻セグメント1
のトンネル軸方向の連結を後述の雄側係合部材35と雌
側係合部材36の係合で行なうのみでもよく、図示例で
は、セグメント1のトンネル円周方向の結合は、前記係
合突起30と係合孔22で行っているが、このトンネル
円周方向を繋ぐ係合突起30と係合孔22の掛け合い構
造は省略することも可能である。
【0027】なお、鋼殻セグメント1の組立において、
各鋼殻セグメント1のトンネル円周方向所定位置への移
動配置はエレクター(図示せず)で行なう。また鋼殻セ
グメント1のトンネル軸方向の移動は押圧ジャッキ(図
示せず)で行なうもので、本発明では、すべて機械的手
段により、かつ簡易な動作で鋼殻セグメント1のトンネ
ル円周方向の連結を行なうことができる。
【0028】また、各図に示すように前記鋼殻セグメン
ト1をトンネル軸方向に容易かつ確実強固に結合するた
め、一方のセグメント1のトンネル軸方向の一側面(ウ
エブ)13に、雄側係合部材35が設けられており、他
方のセグメント1のトンネル軸方向のウエブ(一側面)
13に、雌側係合部材36におけるスライドストッパー
保持フレーム40の一側面が溶接により固着されてい
る。
【0029】前記雄側係合部材35と雌側係合部材36
の詳細は図15〜図17に示されている。まず図17
(A),(B)において、矢印Dがトンネル軸方向、矢
印Eがトンネル半径方向、矢印Fがトンネル円周方向で
ある。各図において、雄側係合部材35として先端にト
ンネル円周方向に突出した係止突起34を有する。係止
部材33が一方のセグメント1のトンネル軸方向のウエ
ブ(一側面)13に溶接で固定されている。他方のセグ
メント1のトンネル軸方向のウエブ(一側面)13に
は、雌側係合部材36としてスライドストッパー保持フ
レーム40によって一対のスライドストッパー32がト
ンネル半径方向に可動的に設けられている。一対のスラ
イドストッパー保持フレーム40は、所定の幅と、長さ
と、厚みを有する金属の板状体で構成され、板状体には
トンネル半径方向に長い2つのガイド孔38が開設され
ている。スライドストッパー保持フレーム40の一側面
は、他方のセグメント1のトンネル軸方向のウエブ(一
側面)13に溶接で固定されている。
【0030】一対のスライドストッパー32は角軸状
で、かつ、両ストッパーの対向面には、係止部材33の
進入側が拡開したテーパ面32Aが付形してある。ま
た、スライドストッパー32は、ガイド孔38内におい
て、ガタつかないでトンネル半径方向に可動自由に設け
られている。左右のスライドストッパー保持フレーム4
0の上下端部に架設され、かつ固定ボルト31によって
固定した連結フレーム45とスライドストッパー32と
の間には、この一対のスライドストッパー32の間が近
づく方向に付勢するばね37が配設されている。
【0031】実施形態に係るストッパー機構は次の場合
特に有効である。図17を参照して説明すると、トンネ
ル軸方向に相対するセグメント1間の偏心が0のとき
は、両セグメント1を近接させることにより、係止部材
33はテーパ面32Aをガイドとして一対のスライドス
トッパー32の間を押し拡げながら進入し、係止突起3
4がスライドストッパー32に係合して抜け出さない。
【0032】他方、実際の施工においては、相対するセ
グメント1間は偏心していることが多く、その偏心を0
に修正する作業は著るしく困難を伴なうために、この場
合は、最大2mm程度を許容範囲として偏心したままで
連結する場合が多い。この場合、本発明の連結構造にあ
っては、セグメント1の偏心に伴って係止部材33のス
ライドストッパー32に対する正常な進入位置からトン
ネル半径方向に2mmずれた位置を進入し、スライドス
トッパー32と係止する。この場合は、一対のスライド
ストッパー32が、一対のばね37付勢を僅かに変えて
係止部材33の偏心に容易に追従でき、ガイド孔38内
を2mmだけトンネル半径方向に変位した位置で係止部
材33の係止突起34と機械的に係合する。そのときの
両部材(つまり、スライドストッパー32と係止部材3
3)の係合姿勢は、相対するセグメント1の偏心が0の
ときの正常な係合姿勢と全く同じである。
【0033】また、相対するセグメント1間は、複数の
セグメントを円周方向に連結してセグメントリングを構
築する際、隣接するセグメントリングのセグメント1の
間で位置ずれしていることが多く、この位置ずれを0に
することは殆ど不可能に近い。この場合は、最大5mm
程度のトンネル円周方向の位置ずれを許容範囲として、
トンネル円周方向の位置ずれのままで連結する場合が多
い。この場合、本発明の連結構造にあっては、係止部材
33の両側面と、一対のスライドストッパー保持フレー
ム40との間に所定の間隙39を形成しておくことによ
り、セグメント1,2のトンネル円周方向のずれに対応
して、係止部材33が左右のスライドストッパー保持フ
レーム40の中間位置より左右いずれかの側に片寄った
位置で、一対のスライドストッパー32の間に進入し、
かつスライドストッパー32に機械的に係止する。この
とき、両部材(つまり、スライドストッパー32と係止
部材33)の係合姿勢は、セグメント1のトンネル円周
方向の変位が0のときの正常な係合姿勢と全く同じであ
る。
【0034】前記雄側係合部材35と雌側係合部材36
は図15,図16に示されるように取付けられている。
【0035】すなわち雌側係合部材36は、スライドス
トッパー保持フレーム40の上下端に連結フレーム45
を配置して枠状に組み、連結フレーム45のボルト挿入
孔41に固定ボルト31を挿入し、かつ保持フレーム4
0の上下端面に形成した雌ねじに螺合することで、両フ
レーム40,45を強固に結合して構成できる。また、
スライドストッパー32の両端のピン孔43に割りピン
44が挿入されていて、この割りピン44がスライドス
トッパー保持フレーム40の外側面に係合することによ
り、スライドストッパー32がガイド孔38から脱出し
ないように設けられている。この雌側係合部材36は、
セグメント1のウエブ(一側面)13に固着する前の段
階では、単体(ユニット)として構成されており、この
単体の状態でセグメント1のウエブ13に溶接する。な
お、雄雌係合部材35,36が係合した後、両セグメン
トのウエブ13間の空隙にはモルタルを充填する。
【0036】また、雌側係合部材36と雄側係合部材3
5は、図ではセグメント1のトンネル軸方向一側面に2
個設けられているが、これに限らず、1個でもあるいは
3個以上の複数個の雌側係合部材36と雄側係合部材3
5を設けてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のボルトレ
ス結合方式の鋼殻セグメントによると、トンネル覆工と
して構築した際、各鋼殻セグメント間の結合強度は、ト
ンネル軸方向(セグメントリング間)における雄雌側係
合部材による結合と、鋼殻側枠の内外側フランジにおけ
る突出部接合端面と凹み部接合端面との係合により確保
される。また、トンネル円周方向(セグメント間)の継
手は従来に比べ構造が簡易で、製作も容易な継手部板状
鋼材による継手部構造とし、かつ両継手部板状鋼材間は
止水パッキングを介して単に平行に近接していても、ま
たは軽く面接触していても、或いは圧接面接触していて
もいずれでもよく、したがって、両継手部板状鋼材間に
殆ど空隙が形成されないので、その継手部板状鋼材間に
充填材を充填する作業が不要であり、鋼殻セグメントの
トンネル円周方向の継手部構造を従来に比べて著るしく
簡単化でき、鋼殻セグメントの製作コストや施工コスト
の低減に大きく寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋼殻セグメントの円弧状凸部を上
にして見たステンプレート省略の概要斜視図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1の背面図である。
【図4】図1の一部省略して示す平面図である。
【図5】図1の一部省略して示す横断平面図である。
【図6】鋼殻セグメントのトンネル円周方向の接合時の
第1工程を示す断面図である。
【図7】鋼殻セグメントのトンネル円周方向の接合時の
第2工程を示す断面図である。
【図8】鋼殻セグメントのトンネル円周方向の接合時の
第3(最終)工程を示す断面図である。
【図9】鋼殻セグメントのトンネル円周方向の第1の接
合例を示す断面図である。
【図10】鋼殻セグメントのトンネル円周方向の第2の
接合例を示す断面図である。
【図11】鋼殻セグメントのトンネル円周方向の第3の
接合例を示す断面図である。
【図12】図11において相対する鋼殻セグメント間を
離間した状態を示す断面図である。
【図13】鋼殻セグメントのトンネル円周方向の第4の
接合例を示す断面図である。
【図14】図13において相対する鋼殻セグメント間を
離間した状態を示す断面図である。
【図15】トンネル軸方向に隣り合う鋼殻セグメント相
互を雄雌係合部材を介して接合すべく、一対の鋼殻セグ
メントの接合部を対向させた状態を示す断面図である。
【図16】前記鋼殻セグメント同士をトンネル軸方向に
接合し、空隙にモルタルを充填した状態を示す断面図で
ある。
【図17】本発明のセグメントをトンネル軸方向に連結
する雄雌係合部材を示し、図(A)は図(B)における
C−C断面図、図(B)は前記部材の側断面図である。
【図18】本発明に係るセグメント履工の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 鋼殻セグメント 2 内側フランジ 3 傾斜面 4 パッキング嵌合溝 5 鋼殻側枠 6 パイプ 7 外側フランジ 8 突出部接合端面 9 凹み部接合端面 11 スキンプレ−ト 13 ウエブ 14 コンクリ−ト 15 凸部 16 凹部 17 鋼殻セグメント本体枠 18 常温硬化材料 19 凹部 20 継手部板状鋼材 21 対向フラット近接面 22 係合孔 23 連結板 24 パッキング嵌合溝 25 ガイド斜面 26 止水パッキング 28 ガイド斜面 29 溶接 30 係合突起 31 固定ボルト 32 スライドストッパ− 33 係止部材 34 係止突起 35 雄側係合部材 36 雌側係合部材 37 ばね 38 ガイド孔 39 間隙 40 スライドストッパ−保持フレ−ム 41 ボルト挿入孔 43 ピン孔 44 割りピン 45 連結フレ−ム 46 非抉り部 47 抉り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 務 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエブを介して結合された鋼製外側フラ
    ンジと鋼製内側フランジからなる鋼殻側枠をトンネル軸
    方向に所定の間隔をあけて平行に配設し、前記鋼殻側枠
    のウエブの端部間をトンネル円周方向継手部材で連結し
    て鋼殻セグメント本体枠を構成し、前記鋼殻側枠におけ
    る外側と内側のフランジには、トンネル軸方向に相対す
    るフランジ間で凹凸係合するよう、当該相対する間で内
    径側と外径側に位置をずらして突出部接合端面と凹み部
    接合端面を設け、両接合端面の交わる部位に形成された
    嵌合溝に止水パッキングを嵌合し、また、前記ウエブに
    設けた雄側係合部材と雌側係合部材の係合により各鋼殻
    セグメント本体枠がトンネル軸方向に連結される鋼殻セ
    グメントであって、この鋼殻セグメントのトンネル円周
    方向継手部材を、相対する部材間で面接触可能な継手部
    板状鋼材で構成し、当該継手部板状鋼材に形成した嵌合
    溝に止水パッキングを装着し、この止水パッキングを介
    して両継手部板状鋼材が水密的に接合される構成を特徴
    とする鋼殻セグメント。
  2. 【請求項2】 トンネル円周方向に相対する前記継手部
    板状鋼材の一方と他方の対向面に、互いに嵌まり合うガ
    イド凹部とガイド凸部を形成したことを特徴とする請求
    項1記載の鋼殻セグメント。
  3. 【請求項3】 前記継手部板状鋼材のそれぞれに形成さ
    れる前記止水パッキングの嵌合溝は、トンネル内外方向
    に互いに位置をずらして設け、各嵌合溝は請求項1にお
    けるトンネル軸方向切羽側と坑口側の両嵌合溝相互間の
    内外方向の位置ずれに対応して、それと同レベルに設け
    てある構成を特徴とする請求項1または2記載の鋼殻セ
    グメント。
  4. 【請求項4】 前記継手部板状鋼材のそれぞれに、トン
    ネル内外方向に互いに位置をずらして設ける前記止水パ
    ッキングの嵌合溝は、請求項2における互いに嵌まり合
    う前記ガイド凹部とガイド凸部を形成する段差部に設け
    られている構成を特徴とする請求項3記載の鋼殻セグメ
    ント。
  5. 【請求項5】 前記鋼殻側枠のウエブの端部側面には、
    トンネル円周方向に相対する鋼殻セグメントをトンネル
    軸方向に相対移動することで、互いに掛合う係合突起と
    係合孔開設部材とを設けた請求項1〜4のいずれかに記
    載の鋼殻セグメント。
JP11053913A 1998-03-04 1999-03-02 鋼殻セグメント Pending JPH11315698A (ja)

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Cited By (8)

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CN105422129A (zh) * 2015-12-21 2016-03-23 南京联众建设工程技术有限公司 用于组合式隧道衬砌、涵洞或综合管廊的拼接结构
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JP2019203353A (ja) * 2018-05-25 2019-11-28 日本製鉄株式会社 セグメント
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