JPH1131532A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JPH1131532A
JPH1131532A JP9183658A JP18365897A JPH1131532A JP H1131532 A JPH1131532 A JP H1131532A JP 9183658 A JP9183658 A JP 9183658A JP 18365897 A JP18365897 A JP 18365897A JP H1131532 A JPH1131532 A JP H1131532A
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negative electrode
capacity
electrolyte
positive electrode
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JP9183658A
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Seiji Takeuchi
瀞士 武内
Hidetoshi Honbou
英利 本棒
Katsunori Nishimura
勝憲 西村
Masanori Yoshikawa
正則 吉川
Tadashi Muranaka
村中  廉
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リチウム二次電池の出力密度とサイクル特性の
向上にある。 【解決手段】正極活物質としてのLiNiO2の結晶構
造を安定化したものを用いた正極、炭素粒子にAgの微
細粒子を担持した炭素材を用いた負極、環状エステルと
鎖状エステル混合溶媒とを用いた電解液の環状エステル
の体積比を33%以下にしたリチウム二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メモリーバックア
ップ、携帯機器駆動用電源として好適なリチウム二次電
池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器等の小型,省電力化に伴ないリ
チウム二次電池の大容量化が望まれている。リチウム二
次電池は、正極,負極および非水電解液で構成されてお
り、個々の材料の特性を評価し電池の特性の向上を目指
している。
【0003】例えば、正極材においては、NaFeO2
タイプの層状化合物であるLiCoO2、LiNiO2
の複合酸化物、あるいは、スピネル構造をもつLiMn
24化合物を用い、容量増大とサイクル特性の向上を図
っている。
【0004】また、負極材としては、Liイオンをドー
プし、脱ドープ可能な高結晶性炭素や非晶質系の炭素が
用いられている。しかし、これらの炭素は、(1) 実
用的な充放電速度において炭素の理論容量を十分に発揮
できない、(2) 比較的容量の大きい炭素材において
も放電時の電位が直線的に変化し、電池系において実際
に使用する電圧における容量が小さいという欠点があ
る。
【0005】これらの問題を解決するため特開平5−2
99073号公報では、芯を形成する高結晶性炭素粒子
の表面をVIII族の金属元素を含む膜で被覆し、さらに
その上を炭素で被覆する炭素複合体を電極材料としてお
り、これによって表面の乱層構造を有する炭素材料が、
リチウムのインターカレーションを助けると同時に電極
の表面積が大きくなり、充放電の容量および速度が著し
く向上している。
【0006】特開平2−121258号公報では、H/
C<0.15、面間隔>3.37ÅおよびC軸方向の結晶
子の大きさLc<150Åである炭素物質と、Li合金
可能な金属との混合物を使用することにより、充放電サ
イクル寿命を長く、大電流における充放電特性を良好に
している。
【0007】さらに、特開平5−136099号公報に
おいては、リチウムのインターカレーション,デインタ
ーカレーション可能な黒鉛に、酸化銅を付着させた酸化
銅付着黒鉛複合体を負極に用いると、大きな放電容量を
示すことが開示されている。しかし、いずれにおいて
も、負極炭素材の合成の難しさや、炭素の理論容量が引
き出されていないことなどから、出力密度は未だ十分と
は云えなかった。
【0008】一方電解液についても、その耐酸化,還元
性、電解質塩の解離とイオンの移動に密接な関係にある
電解液の誘電率、粘度、イオン導電率、凝固点、電解質
の溶解度および安全性等について数多くの報告されてい
る。これらは例えば、米国特許第5192629号、特
開平5−13105号公報、特開平5−121097号
公報等に記載されている。
【0009】実際的な電解液としては、環状エステルと
鎖状エステルの混合系に、電解質として1モル程度のL
iPF6を溶解したものが用いられる傾向にある。しか
しながら、炭素材料と電解液の組合せによって電極特性
が大きく変化するので、その選択がきわめて重要とな
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、リ
チウム二次電池の出力密度およびサイクル特性を向上さ
せるためには、正極の容量向上とサイクル特性の改善と
共に、負極においても放電容量とサイクル特性の向上並
びに不可逆容量(第1回充電容量−第1回放電容量)が
低減されなければならない。また、電解質を含む非水電
解液の組成を、前述の正極および負極に対して最適化し
なければならない。
【0011】本発明の目的は、出力密度が大きく、充放
電サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の要旨は、正極,負極および電解質を含む非水電解液
からなるリチウム二次電池において、環状エステルと鎖
状エステルとの混合物からなる電解液中の環状エステル
系電解液の占める体積比が33%以下で、かつ、そのエ
ネルギー密度が384〜420Wh/lの範囲に設定す
るものである。
【0013】環状エステルと鎖状エステルとの混合物か
らなる電解液中の環状エステル系電解液の占める体積比
がほぼ33%のとき、電解液の凝固点は最低となる。
【0014】また、エネルギー密度が384〜420W
h/lで、サイクル特性は300サイクルを示し、実用
上要求される条件を満足する。
【0015】正極については活物質として初期的に充放
電容量の大きいLiNiO2を選択し、この材料の結晶
構造の安定化を図り、サイクル特性を向上させる。ま
た、負極については、Liイオンを吸蔵,放出できる炭
素に、金属の微細粒子を担持した炭素材を用いることに
より、放電容量とサイクル特性の向上を達成する。電池
の出力密度とサイクル特性は、これらの正極と負極に対
し電解液組成を最適化することによりを向上させる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、個々の解決手段について詳
しく述べる。正極に関しては、活物質として、NaFe
2タイプの層状化合物であるLiCoO2、LiNiO
2、LiMnO2等の複合酸化物、あるいは、スピネル構
造をもつLiMn24化合物を用いてもよい。
【0017】これに集電剤と結着剤を混合したペースト
を厚さ20μm前後のアルミニウム箔に塗布し、乾燥,
圧延後熱処理する。ここで活物質の粒子径は0.1〜5
0μmが良く、好ましくは1〜20μmが望ましい。
【0018】導電剤としては、カーボンブラックや黒鉛
系から選択するのが好ましく、添加量(活物質+炭素+
結着剤)は、全体重量(合剤量)に対し5〜30重量%
好ましくは5〜15重量%が望ましい。
【0019】一方結着剤としては、エチレンプロピレン
ターポリマー(EPDM)、ポリフッ化ビニリデン(P
VDF)やポリテトラフルオロエチレン等の電解液と反
応しないものであれば特に限定されない。その添加量
は、前記合剤量に対し1〜15重量%が望ましい。
【0020】この合剤をアルミニウム箔等の集電体に塗
布,圧延して得られる合剤層の厚みは、10〜200μ
mが望ましく、その密度は2.0〜3.5g/cm3、好
ましくは2.5〜3.2g/cm3が望ましい。
【0021】一方、負極として用いる炭素は、高結晶性
炭素粒子、例えば、天然黒鉛、石油コークスまたは石炭
ピッチコークス等から得られる易黒鉛化材料を2500
℃以上の高温で熱処理して得られるものを用いる。その
平均粒径は50μm以下、好ましくは1〜20μmが望
ましい。また形状は球形、塊状、鱗片状、繊維状あるい
は、それらの粉砕品でもよい。
【0022】次に担持金属としては、Liと合金を形成
するAgが好適である。金属の担持法としては、蒸着
法、スパッタリング法、湿式還元法、電気化学的還元
法、メッキ法および気相還元ガス処理等の方法がある
が、Agの場合は湿式還元法が適している。
【0023】Agの担持量としては30重量%以下、好
ましくは1〜10重量%が好適である。担持されたAg
の粒子径は、Li合金の溶解析出速度や炭素粒子とAg
粒子の充填密度を考慮したとき、1,000Å以下が好
ましい。上記のAg担持炭素材は、炭素とAg粒子の混
合系に比し、Ag量が少ない量において同等の効果があ
るため、活物質当りの容量が向上すると同時に、Liと
の合金化容量が利用できる。また、炭素粒子間にAg粒
子を介在させることによる電気電導性や熱伝導性が向上
するという効果が期待できる。
【0024】上記により得られた炭素材を用いて負極を
作成するが、この場合、結着剤を用いる。結着剤として
は、EPDM、PVDFおよびポリテトラクルオロエチ
レン等電解液と反応しないものであれば特に限定されな
い。結着剤の配合量は、炭素材に対し1〜30重量%好
ましくは5〜15重量%が好適である。
【0025】前述の合剤を用いた電極形状としては、シ
ート状、フイルム状、あるいは、Cu等の金属箔上にフ
イルム状に塗布するなど電池形状に適応させることが可
能である。合剤層の厚みは50〜200μmが好まし
く、その密度は1〜2g/cm3、好ましくは1.2〜
1.7g/cm3が望ましい。セパレータとしては、ポリ
プロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)やポリオレ
フィン系の多孔質膜が用いられる。
【0026】電解液としては、環状エステル系のプロピ
レンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(E
C)、鎖状エステル系のジメトキシエタン(DME)、
メチルエチルカーボネート(MEC)、ジメトキシカー
ボネート(DMC)およびジエトキシカーボネート(D
EC)等の2種以上の混合溶媒が用いられる。電解質と
しては、LiPF6、LiBF4やLiC24等があり、
前述の溶媒に1mol/リットル程度溶解して用いる。
【0027】リチウム二次電池の出力密度とサイクル特
性の向上を目指し、正極材として、LiNiO2複合酸
化物結晶中のLi/Niモル比が0.96〜1.04、C
軸長が14.205Å以下およびNi3+/(Ni3++Ni
2+)が0.99以上とし、結晶構造を安定化した活物質を
用いることにより、正極の容量向上とサイクル特性を向
上させた。
【0028】負極材として、炭素粒子にAgの微細粒子
を担持した炭素材を用いた負極によって、(1)放電容
量の増大、(2)電気電導性の向上、(3)熱伝導性の
向上、(4)サイクル特性の向上が達成できた。
【0029】さらに、電解質を含む排水電解液の組成を
最適化することにより、(1)放電容量の増大、(2)
クーロン効率の向上、(3)不可逆容量の低減ができ
た。
【0030】以上の3要素を組み込んだリチウム二次電
池においては、個々の作用,効果に加えてさらにサイク
ル特性が向上するという相乗効果がある。
【0031】〔実施例 1〕NiOとLi2OをLi/
Niモル比が0.90〜1.05となるように配合した粉
末を十分に混合し、グリーンパウダーとした。このグリ
ーンパウダーを500kg/cm2の圧力で圧粉成形
し、直径15mmφ×厚さ3mmのペレットを作成し
た。このペレットをグリーンパウダーを充填したアルミ
ナ製の密封容器に入れ、純酸素中で850℃,20hr
熱処理を行なった。
【0032】冷却後、ペレットを粉砕し、再び前記と同
様圧粉成形し熱処理を行なった。このようにして得られ
たLixNiy2は、X線的にはほぼ単一相であり、L
i/Niモル比が0.92〜1.04、結晶のC軸長が1
4.201〜14.218Åの焼結体であることが分かっ
た。ここで得られた焼結体を乾燥空気中で粉砕,篩い分
けして1〜10μmの活物質粉末を得た。
【0033】これらの活物質87重量%に、導電剤とし
て人造黒鉛を9重量%添加したものに、PVDFのN−
メチルピロリドン(NMP)溶液を用いてPVDFが4
重量%になるよう添加したペーストを、厚さ20μmの
アルミニウム箔に塗布し、風乾後、真空中で80℃,3
hr乾燥した。その後、約2ton/cm2の圧力で加
圧成形した後、真空中で120℃,3hr熱処理して正
極を得た。
【0034】この正極の合剤層の密度は、約3g/cm
3であった。ここで得られた正極とLi金属対極および
セパレータとしてPE系多孔質膜を組合せ、電解液とし
て1モルのLiPF6/EC−DMC(1:1)、参照
極としてLi金属を用い、電位幅は2.5〜4.1Vで充
放電試験を行なった。その結果を図1,図2に示した。
【0035】図1の特性1は、LiNiO2結晶中のL
i/Niモル比と3サイクル目の放電容量を示したもの
である。図1から、Li/Niモル比が0.96〜1.0
4の範囲において170〜180mAh/gの容量を有
する活物質であるのに対し、Li/Ni比が小さくなる
と容量は急激に低下する。また、Li/Niモル比が
1.04を超えるとLiNiO2の単一相が得られなくな
り、異相が混在してくる。
【0036】一方LiNiO2結晶のC軸長と容量低下
率(291〜300サイクルの容量/1〜10サイクル
の容量)を図2に示したが、図からC軸長が14.20
5Å以下では、その値が約0.9を維持しているのに対
し、14.205Åより大きくなると容量低下率は大幅
に増大する。また、Li/Niモル比が0.96〜1.0
4およびC軸長が14.205Å以下の活物質中のNi
3+/(Ni3++Ni2+)を求めてみると、いずれも0.9
9以上の値を有していた。
【0037】〔実施例 2〕高純度化処理を行なった人
造黒鉛9.0gを25mlのC25OHを含む水450
mlに懸濁させる。これを50〜60℃に加温し、撹拌
しながら1.1gのフタル酸水素カリウムと1.73gの
AgNO3を添加溶解する。次いで0.2%のNaBH4
水溶液をマイクロチューブポンプを用いて滴下し、約3
時間かけて還元反応を行なわせる。その後、濾過,水洗
を行ない真空中で350℃,6hr以上加熱乾燥する。
【0038】ここで得られた炭素材のAg量を測定した
ところ、仕込み組成10.0重量%に対し9.95重量%
と良好な値を示した。X線回折分析法によりAgの形態
を調べたところ、X線的にAgは完全に金属であること
が確かめられた。
【0039】次に走査型電子顕微鏡(SEM)とエネル
ギー分散型X線分析装置(EDX)によりAg粒子の分
散状態を観察したところ、Ag粒子は炭素材全面(炭素
粒子エッヂ部に若干リッチであった)に分布していた。
なお、Ag粒子は、100Å程度の粒子径として観測さ
れた。
【0040】この炭素材に結着剤として、PVDFのN
MP溶液を加えてPVDFが炭素材に対して10重量%
になるように添加し、混練したペーストを集電体である
厚さ23μmの銅箔に塗布,風乾後、真空中で80℃,
3hr乾燥した。
【0041】その後、0.5ton/cm2の圧力で成形
した後、真空中で120℃,2hr乾燥し負極を作成し
た。
【0042】この負極の合剤層の密度は、約1.5g/
cm3であった。この負極とLi金属対極およびセパレ
ータとしてPE系多孔質膜を組合せ、電解液として1モ
ルのLiPH6/EC−DMC(1:1)、参照極とし
てLi金属を用い、充放電速度はカーボン1g当り80
mA、電位幅は0.01〜1.0Vでサイクル試験を行な
った。その結果を図3に示した。ちなみに図3には、金
属を担持していない炭素負極の結果も合わせて示した。
【0043】図中の放電容量の値は、活物質当りの容量
で示してある。図のAg担持炭素材負極のサイクル特性
3に示すように、Agを担持しない負極のサイクル特性
4の場合に比し、初期放電容量が360mAh/gと大
きく、300サイクル後の放電容量の低下率も約10%
と極めて小さい値であった。
【0044】〔実施例 3〕本例では、実施例2と同様
の操作で高純度化処理を行なった人造黒鉛に、5重量%
のAgを担持した炭素材を用いて作成した負極を用い、
電解液組成との関係について検討した結果について記述
する。なお、充放電条件は、実施例2と同じ条件であ
る。充放電試験に用いた電解液組成は、EC/EC+D
MCの比を変化させて行なった。
【0045】DMCの体積の1/2量をEMCとDEC
とした組成についても検討した。これらに1モルのLi
PF6を溶解し電解液として用いた。図4には、EC−
DMCの組成を変えたときの電解液組成と不可逆容量率
特性5を示した。通常用いられるEC/DMC=1/1
を用いた時の不可逆容量が23%程度であるのに対し、
EC量を減少させるとその値は小さくなり、20%のE
Cでは約13%の値を示した。
【0046】図5に示す電解液組成とクーロン効率特性
6は、前述の試験の継続において、5サイクル後のクー
ロン効率を示すものである。図5より、EC濃度が低い
ほどクーロン効率が高い傾向を示し、実用的レベルのク
ーロン効率となる。さらに、電解液組成と1サイクル目
に対する30サイクル目の放電容量比特性7を求めて図
6に示した。
【0047】図6の結果においても、EC濃度が低いほ
ど容量比が大きく、サイクル特性の向上に有利であるこ
とが分かった。前述のEC/DMC組成比に対し、DM
Cの1/2量をEMCあるいはDECで置き換えて同様
の検討を行なったが、若干の数値のバラツキは認められ
たものの、全体的には図4、図5および図6と同様の傾
向がみられた。
【0048】EC、DMC、MECおよびDECの物性
値から電池に適用したときの低温特性を向上させるため
には、DMCの一部をMECまたはDECで置換した組
成が有利と考えられる。
【0049】〔実施例 4〕実施例1で得られたLiN
iO2(Li/Ni=1.02、C軸長=14.202
Å、Ni3+/Ni3++Ni2+>0.99)活物質87重
量%に導電剤としての人造黒鉛を9重量%添加したもの
に、PVDFのNMP溶液を用いてPVDFが4重量%
になるようにしたペーストを、厚さ20μmのアルミニ
ウム箔に片面90μmで両面に塗布し、風乾後、真空中
で80℃,3hr乾燥した。その後、ロール圧延し合剤
層密度が約3g/cm3になるように成形した後、真空
中で120℃,3hr熱処理して正極を得た。
【0050】実施例3で用いたと同様、Ag担持炭素材
を用い、これにPVDFのNMP溶液を用いてPVDF
が10重量%になるようにしたペーストを、厚さ33μ
mの銅箔に片面75μmで両面に塗布し、風乾後、真空
中で80℃,3hr乾燥した。
【0051】その後、ロール圧延し合剤層密度が約1.
5g/cm3にるように成形した後、真空中で120℃
で3h熱処理して負極を得た。
【0052】この正極8、負極10と厚さ25μmのP
E製多孔質膜セパレータ12を組合せて、図7に示すよ
うに巻回し、外寸法14mmφ×長さ47mmの電池缶
に収納した。
【0053】正極端子9および負極端子11は、それぞ
れ正極8、負極11に接続される。電解液として1モル
のLiPF6/25%EC−75%DMCを用いて、そ
の特性を評価した。この電池のエネルギー密度の試算例
を図8に示した。
【0054】負極の活物質容量を350mAh/g(5
%Agを含む人造黒鉛を使用)とすると、容量密度は3
50mAh/g×1.5g/cm3×0.9=473mA
h/cm3となる。但し、バインダーを10%含んでい
るものとする。従って、全容量は、473mAh/cm
3×1.78×0.87=732.5mAhとなる。
【0055】エネルギー密度は、0.732Ah×3.7
8V/0.0072cm3=384.5Wh/lであり、
これが最小のエネルギ密度である。
【0056】さらに、本発明では不可逆容量を13%か
ら5%へ改善することが可能である。従って全容量は、
473×1.78×0.95=800mmAh、エネルギ
ー密度は0.800×3.78V/0.0072=420
Wh/lとなる。これが上限のエネルギー密度である。
【0057】〔比較例 1〕実施例4で得られた正極と
図3−4に示した負極と厚さ25μmのPE製多孔質膜
セパレータを組合せ、図7に示すように捲回して外寸法
14φmm×長さ47mmの電池缶に収納し、電解液と
して1モルのLiPF6/50%EC−50%DMCを
用いて、その特性を評価した。この電池のエネルギー密
度の試算例を図9に示した。
【0058】〔実施例 5〕実施例4および比較例1で
得られた電池について、充電終止電圧:4.1V、放電
終止電圧:2.5Vで、それぞれの電池について8時間
率の充放電のサイクル試験を行なった。
【0059】その結果を体積当りのエネルギー密度に換
算して図10に示した。図から本発明での円筒形電池の
サイクル特性13が、従来型円筒形電池のサイクル特性
14と比較し、300サイクル後においても384Wh
/l以上のエネルギー密度を維持している事が確認でき
た。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、リチウム二次電池の出
力密度とサイクル特性を向上させるため、正極活物質で
あるLiNiO2複合酸化物の結晶構造を安定化し、サ
イクル寿命を大幅に向上させることができた。
【0061】また、負極材として、炭素粒子にAgの微
細粒子を担持した炭素材を用いた負極によって、放電容
量の増大とサイクル特性の向上が達成できた。さらに、
電解質を含む非水電解液の組成を最適化することにより
(1)放電容量の増大,(2)クーロン効率の向上,
(3)不可逆容量の低減を図ることができた。
【0062】以上の3要素を取り入れたリチウム二次電
池は、個々の効果に加えてサイクル特性が格段に向上す
るという相乗効果を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】LiNiO2複合酸化物中のLi/Niモル比
と放電容量を示す図である。
【図2】LiNiO2結晶のC軸長と容量低下率を示す
図である。
【図3】炭素およびAg担持炭素材負極のサイクル特性
を示す図である。
【図4】電解液組成と不可逆容量を示す図である。
【図5】電解液組成とクーロン効率との関係を示す図で
ある。
【図6】電解液組成とサイクル特性を示す図である。
【図7】円筒形電池の構成を示す図である。
【図8】本発明の電池のエネルギー密度の試算例であ
る。
【図9】従来型電池のエネルギー密度の試算例である。
【図10】円筒形電池のサイクル特性を示す図である。
【符号の説明】
1…Li/Niモル比が異なる活物質と3サイクル目の
放電容量、2…LiNiO2結晶のC軸長と容量低下
率、3…Ag担持炭素材負極のサイクル特性、4…Ag
を担持しない負極のサイクル特性、5…電解液組成と不
可逆容量率特性、6…電解液組成とクーロン効率、7…
電解液組成と1サイクル目に対する30サイクル目の放
電容量比特性、8…正極、9…正極端子、10…負極、
11…負極端子、12…セパレータ、13…本発明での
円筒形電池のサイクル特性、14…従来型円筒形電池の
サイクル特性。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 正則 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 村中 廉 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極,負極および電解質を含む非水電解
    液からなるリチウム二次電池において、前記正極は正極
    活物質としてLiNiO2を用い、Li/Niのモル比
    が0.96〜1.04、結晶のC軸長が14.205Å以
    下、複合酸化物中のNi3+/Ni3++Ni2+が0.99
    以上であり、前記負極は負極活物質として高結晶性また
    は非晶質系炭素粒子にAgの微細粒子を担持または混合
    した炭素材を用い、前記電解質を含む非水電解液は環状
    エステルと鎖状エステルの混合物で、かつ、環状エステ
    ルの体積混合率が33%以下であり、セパレータとして
    ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリオレフィン系
    の多孔質膜を用い、そのエネルギー密度が384〜42
    0Wh/lであることを特徴とするリチウム二次電池。
JP9183658A 1997-07-09 1997-07-09 リチウム二次電池 Pending JPH1131532A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109019702A (zh) * 2018-07-26 2018-12-18 龙岩学院 一种多孔镍酸锂正极材料的制备方法

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