JPH11314291A - 長繊維強化熱可塑性樹脂被覆複合体 - Google Patents

長繊維強化熱可塑性樹脂被覆複合体

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JPH11314291A
JPH11314291A JP10092296A JP9229698A JPH11314291A JP H11314291 A JPH11314291 A JP H11314291A JP 10092296 A JP10092296 A JP 10092296A JP 9229698 A JP9229698 A JP 9229698A JP H11314291 A JPH11314291 A JP H11314291A
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JP
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thermoplastic resin
coated composite
composite
core
resin
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JP10092296A
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English (en)
Inventor
Masanori Ishikawa
真範 石川
Rikio Yonaiyama
力男 米内山
Yasuhiro Sakai
康宏 坂井
Koichi Saito
晃一 斉藤
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】曲げ易く、耐曲げ破壊性にも優れた被覆複合体
を提供することにある。 【解決手段】強化用繊維で長手方向が強化された熱可塑
性樹脂複合体である芯材部と芯材部周面を被覆する熱可
塑性樹脂製の被覆部とからなる長繊維強化熱可塑性樹脂
被覆複合体であって、芯材部の強化用繊維含有率が少な
くとも10重量%、芯材部の平均直径もしくは平均厚み
が3mm以上、被覆部の平均厚みが0.3mm〜1.5mmとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は連続した強化用繊維
で強化された熱可塑性樹脂製の複合体(以下、複合体と
言う)である芯材部と、その周面を被覆する熱可塑性樹
脂製の被覆部とからなる長繊維強化熱可塑性樹脂被覆複
合体(以下、被覆複合体と言う)に関する。更に詳しく
は、曲げ易く、耐曲げ破壊性の優れた被覆複合体であ
り、芯材部に被覆部が外嵌された場合にも、曲げ易さが
殆ど損なわれない被覆複合体に関する。
【0002】
【背景技術】各種産業用ロッド等には、FRP製ロッド
が用いられている。しかるに、このFRP製ロッドは、
曲げにくく加工しにくい等の問題を残していることか
ら、加工し易い(曲げ易い)ロッド等が求められてい
る。
【0003】FRP製ロッドの加工性を改良した成形品
として、例えば特公平1−38668号公報に、「被覆
FRP製品形成用素材」が開示されている。これは、未
硬化のFRP芯材部とこの芯材部を被覆する熱可塑性樹
脂及びこの両者に跨る中間層とからなり、芯材部が硬化
する前に賦形して得るものである。しかし、この成形品
は、賦形時間が制限されていることに加えて再賦形がで
きないという欠点を有しており、得られた成形品は曲げ
にくいものでもあった。
【0004】このようなFRPの欠点を改良したものと
して、例えば特公昭63−37694号公報に、「繊維
強化構造物及びその製造法」が開示されている。これ
は、連続した強化用繊維で強化された熱可塑性樹脂から
なる熱成形可能な複合体である。しかし、得られる複合
体の直径が固定されている場合には、その中における強
化用繊維の含有率が増加するに伴って、その複合体を曲
げて破壊するのに要する応力(耐曲げ破壊性)が大きく
なり、複合体が曲げにくくなってゆくという欠点を有し
ている。
【0005】上記の事実に基づけば、得られる複合体の
直径もしくは厚みが同一の場合には、その中に含有され
る強化用繊維の含有率を低くすれば、曲げ易くなり、複
合体を曲げて加工し易くなるが、耐曲げ破壊性を十分に
備えたものが得られない。また逆に、複合体の強化用繊
維の含有率を高くし、耐曲げ破壊性を向上させると、得
られる複合体が曲げ難くなり、曲げ加工等の後加工性が
悪化する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、曲げ
易く、耐曲げ破壊性にも優れた被覆複合体を提供するこ
とにある。更に、本発明の目的は芯材部に被覆部が外嵌
された場合にも、曲げ易さが殆ど損なわれない被覆複合
体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の互に矛盾
するかに見える双方の命題を適切に均衡させる手段とし
て下記の構成要件を結合させたものである。つまり、強
化用繊維で長手方向が強化された複合体である芯材部と
芯材部周面を被覆する熱可塑性樹脂製の被覆部とからな
る被覆複合体であって、芯材部の強化用繊維含有率が少
なくとも10重量%、芯材部の平均直径もしくは平均厚
みが3mm以上、被覆部の平均厚みが0.3mm〜1.5mmで
ある被覆複合体である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の被覆複合体は、芯材部が
高含有率の強化用繊維で構成されているため耐曲げ破壊
性に優れており、芯材部の周面に存在する被覆部が比較
的軟質で大きな伸び率を備えている熱可塑性樹脂で構成
されているため曲げ易さ及び割れ難さに優れている。
【0009】さらに、上掲の特性とそのバランスをさら
に優れたものとするには、以下の構成が望ましい。つま
り、被覆複合体を長軸に対して垂直の平面で切断して現
われる芯材部断面内に無作為に設定された単位領域(T
z)内に、相似形で大きさの異なる2種の検定領域(Dz
1、Dz2)を画定し、それぞれの検定領域を貫通する強化
用繊維の含有率(C1、C2)を求め、これを3個の単位領
域(Tz1、Tz2及びTz3)について行い、求めた6個の含
有率(C11、C12、C21、C22、C31及びC32)が全て、
Mc±3σ[Mc:相加平均値、σ:標準偏差]、好まし
くはMc±2σの範囲内であるのが望ましい。
【0010】本発明の構成を採用した理由は、以下の通
りである。 *芯材部の強化用繊維の含有率が10重量%を相当に下
回り、しかも芯材部の平均直径もしくは平均厚みが3mm
を相当に下回る場合には、得られる被覆複合体の耐曲げ
破壊性が極端に低下し、実用的でなくなる。また、被覆
部が期待された程の効果を示さなくなる。 *被覆部の平均厚みが0.3mmを相当に下回る場合に
は、芯材部が熱可塑性樹脂で被覆されても、被覆複合体
の耐曲げ破壊性が小幅にしか向上しない。 *被覆部の平均厚が1.5mmを相当に越える場合には、
得られた被覆複合体の耐曲げ破壊性は向上するが、曲げ
難くなる。
【0011】また、本発明の複合体の形状、つまり複合
体を長手方向に対して直角に切断したときの断面形状は
特に限定されない。円形、三角形、四角形または六角形
等の多角形(正多角形に限らず不等辺多角形も包含)の
いずれの形状であっても良い。
【0012】ここで、本発明において、曲げ易さと耐曲
げ破壊性との効果的なバランスは、耐曲げ破壊性を調べ
るための試験である後述の曲げ破壊応力試験によって測
定された値において、被覆複合体の値が複合体の値に対
して1.2倍以上であり、曲げ易さを調べるための試験
である後述の1%撓み応力試験によって測定された値に
おいて、被覆複合体の値が複合体の値に対して1.2倍
以下である。
【0013】<図面に基づく説明>本発明の態様を一層
理解容易にする為に、以下に図面を参照しながら本発明
の好適態様を具体的に説明する。図1Aは、本発明の被
覆複合体の模式的斜視断面図であり、図1Bは、その断
面に設定された単位領域及び検定領域を示す模式的拡大
断面図である。
【0014】図1Aにおいて、(1)は本発明の被覆複
合体、(11)はその被覆部、(12)はその芯材部、
(12f)は芯材部を貫通する強化用繊維を示すもので
ある。また、図1Bにおいて(Tz1)、(Tz2)及び
(Tz3)はそれぞれ芯材部断面(12)内に無作為に設
定される3個の単位領域、(Dz11)及び(Dz12)は
(Tz1)内に無作為に設けられる2個の検定領域であ
り、(Dz21)及び(Dz22)は(Tz2)内に無作為に設
けられる2個の検定領域並びに(Dz31)及び(Dz32)
は(Tz3)内に無作為に設けられる2個の検定領域を表
すものである。
【0015】ここで、複数個の単位領域は、相互に合同
であるが、同一の単位領域(例えば(Tz1))内の複数個
の検定領域、例えば検定領域(Dz11)及び検定領域(Dz1
2)は、相似形で大きさが異なっており、通常は前者が
0.1mm2であれば後者は1mm2となる。勿論、その逆で
も差支え無い。
【0016】この検定領域(例えば(Dz11))内を貫通
する強化用繊維の含有率C11(強化用繊維の占有面積/
検定範囲の面積)を、断面写真撮影によって測定して、
この手続を他の検定領域(例えば(Dz12))にも繰り返
して強化用繊維の含有率C12を求め、更に他の単位領域
(例えば、(Tz2))中の検定領域(例えば、(Dz21))
にも適用して強化用繊維の含有率C21を求め、更に別の
検定領域(例えば、(Dz22))にも適用して強化用繊維
の含有率C22を求めて、それらの相加平均値(算術平均
Mc)を算出してから、各含有率Cと相加平均値Mcから
の偏差δを算出する。そして、この各偏差δを用いて標
準偏差σを算出し、強化用繊維の断面内における分散度
合いを得る。
【0017】<芯材部(12)の材質>本発明に用いられ
る芯材部(12)を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリ
オレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスルホン樹
脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂等を挙げること
ができる。ここで、本発明においては「樹脂」とは、結
晶性重合体に限らず、高分子物質の成形加工業界で一般
に樹脂として取引され、成形又は加工等を施される樹脂
状物を包含する概念である。
【0018】これらの熱可塑性樹脂は単一でも良く、2
種類以上の熱可塑性樹脂を組み合わせた組成物でも良
い。単一の熱可塑性樹脂ではどうしても多様な性質(性
状)を得ることは難しいが、2種類以上の熱可塑性樹脂
を組合せた組成物とすることにより解決することができ
る。この様な組成物の具体例として、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂とポリスチレン樹脂との組成物を挙げること
ができる。ポリフェニレンエーテル樹脂は、融点と分解
点とが接近していることより成形性が悪いが、低融点樹
脂であるポリスチレン樹脂と組み合わせることにより成
形性を良好に保つことができる。
【0019】また別の例として、2種類の熱可塑性樹脂
の間に相溶性(親和性)が欠如している結果として、巧
く熱接着(融着)できない弱点を解決する手段として、
双方の熱可塑性樹脂に対して相溶性を備えている第三の
熱可塑性樹脂を双方又は少なくとも片方へ配合して融着
可能にする改良又はこの第三の熱可塑性樹脂を層状にし
て双方の中間に介在させる様な対策を挙げることができ
る。
【0020】熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹
脂が優れている。芯材部は、含有されている強化用繊維
によって優れた耐曲げ破壊性が付与されるが、この性能
を効果的に保つには、ポリプロピレン樹脂が一般に優位
だからである。
【0021】ポリプロピレン樹脂の中でも最大の剛性を
備えているものはプロピレンの単独重合による結晶性ポ
リプロピレンである。尤も、低温環境で主として用いら
れる用途においては、ポリプロピレン単独重合体に代え
てエチレン等のα-オレフィンの1種以上とからなる(結
晶性)ポリプロピレン共重合体を用いることが好まし
い。
【0022】<被覆部の材質>本発明の被覆複合体を構
成する被覆部は、その内壁面が芯材部の外壁面に対して
強固に接着されているもの、もしくは滑動可能に接触し
ているもののいずれかが好ましい。従って、芯材部に用
いられている熱可塑性樹脂と被覆部に用いられている熱
可塑性樹脂とは、相互に接着性、親和性又は相溶性等を
示すものどうし、もしくは示さないものどうしの組み合
わせが望ましい。それに加えて、被覆複合体の耐曲げ破
壊性に悪影響を及ぼさない様にすることも重要である。
【0023】具体的には、被覆部に用いられる熱可塑性
樹脂も芯材部に用いられる熱可塑性樹脂もポリオレフィ
ン樹脂が好ましい。なお、被覆部が芯材部の耐曲げ破壊
性を損なわない様にする為には、ポリプロピレン樹脂と
して、プロピレンとエチレンもしくはその他のα-オレ
フィンとのポリプロピレン共重合体を用いることが好ま
しい。特に、該ポリプロピレン共重合体は、その通常8
0モル%以上、好ましくは85〜97モル%、更に好ま
しくは90〜95モル%がプロピレン単位で占められる
と共に、その残余の通常20モル%以下、好ましくは1
5〜3モル%、更に好ましくは10〜5モル%が他のα
-オレフィン単位で占められるものが良い。このα-オレ
フィン単位を形成するコモノマーとしては、エチレンが
望ましい。
【0024】被覆部の役割は上記の役割に加えて、芯材
部を汚染、水分その他の好ましくない影響に対して保護
する役割をも包含する。この役割を果たす上でも、ポリ
オレフィン樹脂が有用である。
【0025】
【発明の効果】本発明の被覆複合体は、以下の様な性能
を有する。 (1)被覆複合体の曲げ易さを芯材部と同水準に温存しな
がらも、芯材部の耐曲げ破壊性を著しく改善させる。 (2)被覆複合体表面に毛羽が殆ど発生せず、表面外観が
極めて平滑である。 (3)折り曲げ加工のような後加工が容易である。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて、場合によ
っては有用な比較例を参照しながら具体的に説明する。
しかし、本発明はこれらの実施例によって何らの制約を
受けない。
【0027】<被覆複合体の評価方法>参考例1〜5に
よって得られた各複合体(芯材部)、実施例1〜7およ
び比較例1〜2によって得られた各被覆複合体の曲げ破
壊応力および1%撓み応力をJIS K7203-1982に準じて測
定した。この際、試験速度は1.5mm/min、支点間距離は
100±0.5mm(固定)で行なった。曲げ破壊応力は、数値
が大きいほど耐曲げ破壊性が優れていることを表わす。
また、1%撓み応力は、数値が小さいほど曲げ易いもの
であることを表す。また、各複合体および被覆複合体の
直径は、JIS K6911-1979に準じて測定した。
【0028】(参考例1)下掲の強化用繊維の束である
ガラス繊維のロービング4本を温度270℃に調整され
た無水マレイン酸改質ポリプロピレン[MFR(230℃;2
1.18N)100g/10min]の溶融物で満たされている開繊
含浸槽に供給しながら連続的に含浸を行なった。この開
繊含浸槽は細長い箱形のもので、開繊含浸槽の強化用繊
維導入口からガラス繊維のロービングは開繊含浸槽中に
導入される。また、該槽の底板に穿設された溶融樹脂導
入口から熱可塑性樹脂が該槽内へ導入される。この熱可
塑性樹脂は通常、押出機中で溶融混練された後に管路を
介して又は直接に該槽内へ装入される。
【0029】上記の開繊含浸槽へ導入される強化用繊維
は、何れも平均単繊維径17μmであり、テックス番手
1150g/kmのロービングとして使用される。該槽内に
おいては、熱可塑性樹脂及び強化用繊維の流通路を挟ん
で左右の長辺を形成する左側壁と右側壁との間に、上下
で1対の2本の開繊ピン3対が架装されており、各対を
構成する2本の開繊ピンの上下間隔(H)は強化用繊維の
平均径(D)に対して下記の関係式で表わされる範囲内に
設定されている。 10D≦H≦500D。
【0030】ここで上下間隔(H)は、上下の開繊ピンの
中心軸を通る線が鉛直線に対して傾斜している場合をも
包含する様に定義されている。即ち、上段開繊ピンの中
心と下段開繊ピンの中心とを結んだ線が鉛直線上にない
場合は、いずれか一方の開繊ピンを強化用繊維の流れ方
向に対して平行にスライドさせ、両開繊ピンの中心が鉛
直線上になった時の間隔を上下間隔(H)とする。
【0031】開繊含浸槽の上流側に位置する強化用繊維
導入口(上流端壁に穿設又は上流端の天板に穿設)から
強化用繊維が導入され、上流端の第1開繊ピン対のピン
間隙を非接触で通過して開繊され、次にその下流側に隣
接する第2開繊ピン対のピン間隙を非接触で通過して開
繊され、最後にその下流側に位置する第3開繊ピン対の
ピン間隙を非接触で通過して開繊されながら、開繊によ
って生じた開繊物の強化用繊維間に溶融熱可塑性樹脂が
含浸される。
【0032】第3開繊ピンを通過した強化用繊維と熱可
塑性樹脂とから得られる複合体は、開繊含浸槽の下流端
壁に穿設された賦形ノズル(内径5.70mm)を通して
賦形された後に冷却された結果、長手方向に整列された
強化用繊維を包含した複合体(平均直径5.63mm)が
得られる。この複合体における強化用繊維の含有率は1
8.2重量%であった。その性状値を測定した結果を表
1に示す。
【0033】(参考例2〜5)参考例2〜5においても
基本的には参考例1と同様にして芯材部となる複合体を
得た。尤も、その製造に用いられた強化用繊維のロービ
ング本数及び開繊含浸装置の賦形ノズル径、得られた複
合体の強化用繊維の含有率はそれぞれ参考例1とは異な
る。その性状値測定結果を表1に示す。
【0034】(実施例1)参考例1で得られた複合体を
クロスヘッドダイ(240℃に調整された)に導入しな
がらポリプロピレン[MFR(230℃;21.18N)5g/10mi
n]を円形ダイ(直径6.9mm)中で複合体表面に供給し
ながらその円形ダイを通して被覆成形し、被覆部(平均
厚さ0.55mm)を有する被覆複合体(平均直径6.73
mm)を得た。前記被覆複合体の性状値測定結果を表2に
示す。
【0035】また、得られた被覆複合体の芯材部断面に
設定された単位領域(Tz1)内の検定領域(Dz11:0.1mm
2)を貫通する強化用繊維の含有率C11及び検定領域(Dz
12:1mm2)を貫通する強化用繊維の含有率C12を求める
と共に、他の2個の単位領域((Tz2)及び(Tz3))に対し
てもそれぞれ検定領域((Dz21)及び(Dz22))並びに検定
領域((Dz31)及び(Dz32))を設定し、それぞれを貫通す
る4個の強化用繊維の含有率(C21及びC22並びにC31
及びC32)を求めて、これら6個の強化用繊維の含有率
(C11及びC12、C21及びC22並びにC31及びC32)と相
加平均値Mcとの差(Mc−Cmn;m及びnはそれぞれ1〜3
の整数)の形で6個の偏差δmn(m及びnは前記におけると
同様;δ11及びδ12、δ21及びδ22並びにδ31及びδ32)
を求めると共に、δmnを用いて標準偏差σを算出した。
前記の相加平均値Mc及び標準偏差σ及び被覆複合体の
性状値測定結果を表1に示す。
【0036】(実施例2〜6及び比較例1〜2)実施例
1と基本的には同様にして被覆複合体を得た。尤も、そ
れを構成する複合体の製造方法、円形ダイ直径及び被覆
複合体直径は、実験各例および比較各例によって変更さ
せた結果、実施例1におけるものと異なる。実験各例お
よび比較各例における条件等、得られた被覆複合体の芯
材部断面における強化用繊維の含有率Cmn、それらの相
加平均値Mc、Mcと各強化用繊維の含有率Cmnとの差
(Mc−Cmn)の偏差δmn及びそれから算出された標準偏
差σ並びに前記被覆複合体の性状値を表1および表2に
示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1Aは本発明の被覆複合体の模式的斜視図で
ある。図1Bは、複合体の断面に設定された単位領域及
び検定領域を示すための模式的拡大断面図である。
【符号の説明】
1 本発明の被覆複合体 11 被覆部 12 芯材部 12f 強化用繊維 Tz1〜Tz3 単位領域 Dz11〜Dz32 検定領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強化用繊維で長手方向が強化された熱可塑
    性樹脂複合体である芯材部と芯材部周面を被覆する熱可
    塑性樹脂製の被覆部とからなる長繊維強化熱可塑性樹脂
    被覆複合体であって、芯材部の強化用繊維含有率が少な
    くとも10重量%、芯材部の平均直径もしくは平均厚み
    が3mm以上、被覆部の平均厚みが0.3mm〜1.5mmであ
    る長繊維強化熱可塑性樹脂被覆複合体。
  2. 【請求項2】芯材部の断面に無作為に設定された単位領
    域(Tz)内に、相似形で大きさの異なる2種の検定領域
    (Dz1、Dz2)を画定し、それぞれの検定領域を貫通する
    強化用繊維の含有率(C1、C2)を求め、これを3個の単
    位領域(Tz1、Tz2及びTz3)について行い、求めた6個
    の含有率(C11、C12、C21、C22、C31及びC32)が全
    て、Mc±3σ[Mc:相加平均値、σ:標準偏差]の範
    囲内である請求項1記載の長繊維強化熱可塑性樹脂被覆
    複合体。
  3. 【請求項3】 単位領域(Tz)内に画定される検定領域
    の中の一方の面積(Dz1)が0.1mm2であり、他方の面積
    (Dz2)が1mm2である請求項1または請求項2に記載の
    長繊維強化熱可塑性樹脂被覆複合体。
  4. 【請求項4】 被覆部の熱可塑性樹脂が、プロピレン単
    位80モル%以上と、エチレン、1-ブテン、4-メチル-1
    -ペンテン、1-オクテン及び1-デセンから選ばれる1種
    以上のα-オレフィン単位20モル%以下とで形成され
    た結晶性ポリプロピレン樹脂である請求項1乃至請求項
    3の何れかに記載の長繊維強化熱可塑性樹脂被覆複合
    体。
  5. 【請求項5】 芯材部の外壁面と被覆部の内壁面とが実
    質的に滑動自在に接触している請求項1乃至請求項4の
    何れかに記載の長繊維強化熱可塑性樹脂被覆複合体。
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