JPH11314167A - 液相拡散接合方法 - Google Patents
液相拡散接合方法Info
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- JPH11314167A JPH11314167A JP13434498A JP13434498A JPH11314167A JP H11314167 A JPH11314167 A JP H11314167A JP 13434498 A JP13434498 A JP 13434498A JP 13434498 A JP13434498 A JP 13434498A JP H11314167 A JPH11314167 A JP H11314167A
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Abstract
際に、接合面の端部に生じ勝ちな隙間の発生を防止し、
接合面全体を良好に接合させる方法を提供する。 【解決手段】 金属材の端面同志をインサート材を介し
て突き合わせた接合系を、インサート材の融点以上に加
熱、昇温させる際、その接合系に、接合面に直角方向の
圧縮力を短時間ずつ複数回繰り返して付加し、接合面近
傍を塑性変形させて前記端面同志をインサート材を介し
て密着させ、端面全域を良好に液相拡散接合させる。ま
た、圧縮力を短時間ずつ繰り返すことで、突き合わせた
金属材が厚み方向に芯ずれすることを防止する。
Description
って金属材同志を接合する方法に関する。
同士を突き合わせ接合する方法として、金属材を、接合
すべき面同志の間に金属材よりも融点の低いアモルファ
ス材などのインサート材を介在させて突き合わせ、その
突き合わせた部分(以下接合系という)をインサート材
の融点以上(例えば、1100〜1300°C程度)に
加熱、昇温させて、その温度に保持し、溶融したインサ
ート材中のボロン、シリコン等を母材(金属材)に拡散
させることによって接合する液相拡散接合方法が知られ
ている。この液相拡散接合方法は、ガス圧接法と比べて
低い作業温度で、また、小さい加圧で接合できるため、
接合部の大きな変形を伴わずに確実な接合が行えるとい
う利点を有する。
面同志の接合にこの液相拡散接合方法を採用することも
知られており、特開平2−241677号公報に記載さ
れている。この公報に記載の液相拡散接合方法は、条材
の端面同志をインサート材を介して突き合わせた接合系
に初期圧縮荷重を付加した状態で加熱し、加熱中(昇温
及びその後の温度保持期間中)に1回、又は2回以上加
圧することを特徴とするもので、この構成により、接合
すべき端面の表面の凹凸によって接合部に発生する欠陥
を防止でき、また、接合すべき端面の酸化皮膜を破壊、
除去して良好な接合部品質を得ることができるというも
のである。
合を板状の金属材の端面同志の接合に適用したところ、
問題のあることが判明した。すなわち、板状の金属材
(幅334mm×厚さ16mmの鋼板)の端面同志を接
合すべく、該端面同志をインサート材(アモルファス)
を介して突き合わせた接合系に、低い圧縮力(14.7
MPa)を作用させた状態で加熱し、インサート材の融
点以上である1200°Cに昇温させ、その温度に3分
間保持して液相拡散接合を行ったところ、図5(a)、
(b)に示すように、金属材1、2の幅方向の中央部分
(二点鎖線で示す部分)は良好に接合して一体化してい
るが、両端部の10〜15mmの領域には、最大間隙が
1mm程度の隙間3が生じており、この領域の接合が不
具合となるという問題が生じた。この隙間3の発生原因
は、昇温時における熱膨張の、接合面と直角方向の成分
が中央部分と両端部で異なる(中央部分が大)ことによ
り金属材の端面が凸形状に湾曲し、インサート材が溶融
する時点では両端部に隙間が生じて接合しなかったため
と思われる。
ト材が溶融した時点で接合系に加える圧縮力を増加さ
せ、隙間3の間隔以上のアプセット(圧下量)を加える
という操作を行ったが、アプセットを加える前に、隙間
3があった領域における溶融アモルファスが劣化(酸
化)し、また、接合すべき面同志の間から流出してしま
い、結局、接合後の強度は、他の部分に比べて極端に低
く、解決策とはならなかった。
載の方法を応用して、接合系の昇温開始から40秒経過
後に、接合系に作用している圧縮力を49.0MPaに
増加させ、約30秒間にわたって(接合系が約1100
°Cに昇温するまで)、その高い圧縮力に保持するとい
う操作を行ったところ、この場合は、図6(a)に示す
ように、金属材1、2は、その全幅にわたって接合する
ものの、その断面を見ると図6(b)に示すように、金
属材1、2の芯がずれることが多いという問題が発生し
た。このような芯ずれは頻繁に生じ、且つ芯ずれの大き
さeが、2〜3mm程度にも及ぶものも多く、無視でき
ないものであった。
されたもので、板状の金属材のように、接合すべき面同
志を突き合わせて液相拡散接合する際に、端部に隙間を
生じやすい金属材に対しても、隙間を生じることなく、
また、大きい芯ずれを生じさせることなく、良好な液相
拡散接合を行うことを可能とする液相拡散接合方法を提
供することを目的とする。
き面同志をインサート材を介して突き合わせた接合系の
圧縮力を増加させた際に生じる芯ずれを防止すべく鋭意
検討の結果、次の事項を見出した。すなわち、接合系を
加熱、昇温させた際、接合系内の温度に、僅かにせよむ
らが生じ、それによって突き合わせた二つの面に生じる
熱膨張にもむらが生じ、突き合わせた面同志が微妙にず
れた状態となり、そこに大きい圧縮力を加えると力のバ
ランスがくずれて突き合わせた面同志がずれようとし、
そのまま圧縮力を作用させておくと、温度の高い部位ほ
ど塑性変形しやすいことから、突き合わせた面同志のず
れが拡大するように塑性変形し(座屈のような状態とな
り)、これによって大きい芯ずれを生じるが、接合系に
加える大きい圧縮力を継続させず、短時間で小さい圧縮
力に戻し、次いで再び大きい圧縮力を作用させるという
動作を繰り返せば、突き合わせた面同志のずれ方向の塑
性変形を抑制して大きな芯ずれを伴わずに、その面の近
傍を圧縮方向に塑性変形させて、隙間を無くすことがで
きることを見出し、本発明を完成した。
手方の金属材と接合すべく、接合すべき面同志をインサ
ート材を介して突き合わせた接合系を、インサート材の
融点以上の温度に加熱して接合させる液相拡散接合方法
において、前記インサート材が溶融する迄の昇温過程
で、前記接合系に対して、接合すべき面と直角方向の圧
縮力を接合系の芯ずれ発生を抑制するように短時間ずつ
複数回付加して、接合すべき面同志がインサート材を介
して互いに密着するように面の近傍を塑性変形させるこ
とを特徴とするものである。本発明はこの構成により、
突き合わせた面同志の間に熱膨張による隙間が生じやす
い接合系においても、大きな芯ずれ発生を伴わずに、イ
ンサート材の溶融前に接合すべき面同志をインサート材
を介して互いに密着させることができ、この状態でイン
サート材が溶融して液相拡散接合が行われるため、接合
強度が大きく且つ芯ずれの小さい、高品質の接合部を得
ることができる。また、接合すべき面に加熱前から多少
の凹凸があっても、圧縮力付加による塑性変形によって
接合すべき面同志のインサート材を介した密着が確保さ
れるので、高品質の接合部を得ることができる。
対象とする金属材は、液相拡散接合を行うことができる
ものであれば任意であり、例えば、各種断面形状の型鋼
(板材を含む)、棒鋼、鋼管等の端面同志の接合、或い
は端面を他の金属材の平坦面(金属板の平坦面、型鋼の
側面等)に対して接合する場合等に本発明を適用し得
る。特に、接合すべき面の少なくとも一方が、板状の条
材、或いは、I型、L型、H型の条材等の、非円形断面
の金属条材の端面である場合に本発明を適用することが
好ましい。これらの金属条材の端面を接合する場合に
は、その端面をインサート材をはさんで相手側の面に突
き合わせた接合系を加熱した時に、熱膨張によりその端
面の端部に隙間を生じることが多く且つ大きい圧縮力を
作用させた時には芯ずれを生じやすいので、本発明適用
の効果が大きい。
用されているものを適宜使用でき、例えば、Fe系ある
いはNi系のアモルファス材等を例示できる。インサー
ト材の厚さは、接合部材質の母材(金属材)からの偏倚
を小とする観点からは薄い方が良く、一方、インサート
材の溶融により接合すべき面同志の密接性を高めるとい
う点では厚い方が良く、これらの兼ね合いから、接合す
べき面の寸法、精整度或いは用途に応じて、従来提唱さ
れている20〜100μmの範囲を目安に選定すればよ
い。インサート材を接合すべき面同志の間に介在させる
方法としては、箔状のインサート材をはさみ込む方法、
箔状のインサート材を接合すべき面に貼り付けておく方
法、溶射等によってインサート材を接合すべき面に施し
ておく方法等を挙げることができる。
としては、油脂等の液相拡散接合に悪影響する物質の除
去は必要であるが、表面粗さはさほど小さくする必要は
ない。本発明では接合面間に圧縮力を作用させて接合面
に直角方向の塑性変形を生じさせるので、1〜2mm程
度の凹凸を持った表面粗さは許容しうる。
ましい。誘導加熱を採用すると、接合系の狭い領域を敏
速に加熱することができ、また、容易にその接合系を、
真空、アルゴン、窒素、ヘリウム等の非酸化性雰囲気と
することができ、高品質の液相拡散接合部を形成できる
という利点が得られる。
ト材を介して突き合わせた接合系に対して、インサート
材が溶融する迄の昇温過程で、前記接合系に対して接合
すべき面と直角方向の圧縮力を短時間ずつ複数回付加す
る。なお、この圧縮力を作用させない時においても、液
相拡散接合によって接合面同志が接合するまでの間は、
少なくとも、接合すべき面同志が離れないように保持し
ておくことが必要であり、このため、前記接合系に対し
て小さい圧縮力を加えておく。以下、説明の便宜上、こ
の低い圧縮力を定常圧縮力と言い、短時間ずつ複数回付
加する圧縮力を高位圧縮力と言う。定常圧縮力として
は、接合すべき面同志が離れない程度のものであれば、
その面の近傍にあまり塑性変形を生じさせないように、
小さいことが望ましく、具体的には、5〜20MPa程
度とすることが好ましい。この定常圧縮力は常時一定に
保つものでもよいし、或いは、経時的に変化するもの
(例えば、最初に一定のアプセットを与えることで初期
圧縮力を付加し、その後はそのアプセット状態に維持す
ることで圧縮力が経時的に減少するもの)でもよい。
時間、回数は、インサート材が溶融する前に、接合すべ
き面同志の端部に熱膨張等によって生じる隙間を無く
し、接合すべき面同志をインサート材を介して互いに密
着させるように面の近傍を塑性変形させることができる
ように選定する。高位圧縮力は大きい程塑性変形を生じ
やすく、接合すべき面同志をインサート材を介して互い
に密着させる効果は増すが、あまり大きくすると芯ずれ
をもたらす座屈等の好ましくない変形が生じる恐れが拡
大する。従って、高位圧縮力の大きさはこれらを考慮
し、安定し且つ過大でない圧下速度が得られるよう、2
0〜70MPa程度に選定することが好ましく、更に
は、25〜50MPa程度に選定することが一層好まし
い。
当たって、各回の高位圧縮力持続時間は、接合面間に芯
ずれが生じたり、接合面間の芯ずれが拡大したりするよ
うな座屈の発生を防止しうるように選定するものであ
る。座屈は、高位圧縮力を継続して作用させた場合に、
或る程度時間が経過した後に急激に拡大する傾向がある
ので、その前に高位圧縮力を解除すれば座屈を防止でき
る。無視しえない程度の座屈が発生するまでの時間は高
位圧縮力が大きい程短いが、本発明者等が確認したとこ
ろ、座屈の生じやすい板状の金属材の端面同志の液相拡
散接合に当たって、高位圧縮力を70MPaとした場合
でも、高位圧縮力を加えはじめてから、5秒以内に高位
圧縮力を解放すると座屈はほとんど生じなかった。従っ
て、高位圧縮力の持続時間を、5秒以下とすれば、大抵
の場合に座屈発生を防止できる。一方、高位圧縮力の持
続時間をあまり短くすると、所望の圧下量を得るための
圧縮回数が多くなり過ぎて実施が困難となることから、
0.1秒以上とすることが好ましい。従って、各回の高
位圧縮力持続時間は、0.1〜5秒の範囲に選定するこ
とが好ましく、更には、0.3〜3秒程度に選定するこ
とが一層好ましい。高位圧縮力の付加終了から次の高位
圧縮力付加開始までの休止時間は、特に制限されず、
0.1秒程度以上であればよい。
圧縮力の大きさ及び1回の高位圧縮力持続時間との兼ね
合いを考慮し、接合系に所望の塑性変形を生じさせるよ
うに定めればよい。高位圧縮力を複数回付加するに当た
って、高位圧縮力の付加間隔(周期)は一定でなくても
よいが、一定とした方が実施が容易となり、好ましい。
また、複数回の高位圧縮力を付加する期間は、接合系の
加熱開始からインサート材が溶融するまでの昇温期間の
うちの一部でもよいが、その昇温期間の大部分とするこ
とが、高位圧縮力を付加する累積時間が長くなり、低い
高位圧縮力を用いて接合すべき面同志をインサート材を
介して確実に密着させることができ、好ましい。
インサート材の融点以上に加熱した後は、融点以上の温
度に保持して液相拡散接合を行う。この際にも、接合す
べき面同志が離れないように、定常圧縮力を加えておく
が、インサート材を溶融させた後の適当な時期に、定常
圧縮力を越える別途の短時間加圧を行うことも推奨され
る。このような短時間加圧を行うと、接合すべき面同志
を絡ませることができ、また、酸化皮膜の破壊、除去を
行うこともでき、接合部の信頼性を一層向上させること
ができる。この別途の短時間加圧の圧力としても、上記
した高位圧縮力と同様の大きさのものを使用できる。ま
た、この場合には、インサート材が溶融状態となり、或
る程度液相拡散接合が進んでいるため、接合すべき面同
志の間の芯ずれが生じにくく、短時間加圧を継続する時
間は、高位圧縮力を加える場合に比べて長く(例えば、
10〜20秒程度に)することができる。
ては、公知の機構を適宜使用でき、例えば、油圧シリン
ダ等の油圧機構を用いたもの、電動モータとねじ機構を
用いたもの等を挙げることができる。中でも、油圧機構
を用いたものは、容易に所望の圧縮力を所望のタイミン
グで付与することができるので、好ましい。
拡散接合を行った結果を示す。図1において、1、2は
接合すべき金属材、5は金属材1、2の互いに接合すべ
き面同志の間にはさんだインサート材、11は固定台、
12はその固定台11に金属材2を取り付けるクラン
プ、13は可動台、14はその可動台13に金属材1を
取り付けるクランプ、15は可動台13に押圧力を作用
させる油圧機構であり、この油圧機構には、押圧力を任
意に所望のタイミングで変化させるための制御装置が備
えられている。従って、この油圧機構で可動台13を押
し下げることで、金属材1、2の接合系に所望の圧縮力
を所望のタイミングで付加することができる。16は、
接合すべき面同志をインサート材5を介して突き合わせ
た接合系を加熱するための誘導コイル、17は、接合系
を非酸素雰囲気に保持するためのケースである。
の条件(図2のグラフ参照)で液相拡散接合を行った。
なお、以下の説明中、温度は接合系の表面温度である。 使用金属材1、2:鋼板(SM490A材、幅334mm×厚さ16mm) 金属材端面処理: ガス切断後、グラインダー仕上げ+脱脂処理 インサート材5: アモルファス MBF−20(融点 1040°C) ケース17内雰囲気:アルゴンガス(酸素濃度 0.5%以下) 温度条件: 常温から1200°Cまで100秒で昇温 1200〜1300°Cに3分間保持、その後、自然冷却 加圧条件:常温から1100°Cへの昇温期間 定常圧縮力(14.7MPa)と高位圧縮力(49.0MPa) を3秒間隔で切り換え(最終のアプセット量は1.5mm) 1100°Cから1200°Cへの昇温期間 定常圧縮力(14.7MPa) 1200°Cに保持開始直後 短時間加圧(49.0MPa)を、累計で6mmのアプセット量 が生じるまで実施(約10秒間) 短時間加圧終了後から接合完了まで 定常圧縮力(14.7MPa)
材について行った結果、すべての場合において、金属材
1、2の全幅に渡って良好に接合した接合部が得られ
た。また、接合した金属材1、2間の芯ずれ量(図6の
符号e)を全ての試料について測定したところ、0.1
〜0.9mmの範囲内に分布しており、きわめて微小で
あった。更に、引張試験を行うために、図7に二点鎖線
で示すように、液相拡散接合終了後の金属材1、2の幅
方向の中央と端部から、JIS Z2201に規定する
1A号試験片に該当する試験片21を切り出した。試験
片21の寸法は、図8(a)、(b)において、厚みt
が16mm、破断領域となる平行部の長さLが220m
m、幅Wが40mmである。また、この試験片21は、
接合部の両面に生じているふくらみ23をそのまま残し
たものである。更に、このふくらみ23による影響をな
くした引張試験を行うため、図8の試験片21と同一寸
法ではあるが、図9に示すように、接合部の両面のふく
らみを除去して平坦とした試験片21Aも作成した。各
試験片21、21Aをそれぞれ、金属材の中央部と端部
のそれぞれについて3個ずつ作成し、JIS Z224
1に規定する試験方法で引張試験を行った。その結果、
全ての試験片の破断強度は、545〜550N/mm2
の範囲内であり、いずれも、接合部に隣接した母材の部
分で破断した。これにより、幅方向の中央も端部も同様
に強固に接着していることが確認され、また、接合部の
両面のふくらみ23には、ノッチ等の破断強度を低下さ
せる欠陥が生じていないことが確認された。
合終了後の金属材の幅方向の中央と端部から、JIS
Z2204に規定する1号試験片に該当する試験片を切
り出し、図10に示すように、接合部の両面にふくらみ
を有するままの試験片25と、そのふくらみを除去して
平坦とした試験片をそれぞれ、金属材の中央部と端部に
ついてそれぞれ6個ずつ作成した。この試験片25の厚
さtは16mm、幅Wは40mm、長さLは200mm
である。これらの試験片25について、JISZ312
2に規定する試験方法で曲げ試験を行った。すなわち、
半数の試験片25については、図11(a)に示すよう
に、その試験片25の中央の接合部を厚み方向に厚み
(16mm)の2倍の半径を持ったマンドレル27で押
して、試験片25を約180°折り曲げ、その曲げ外周
面に割れが生じるか否かを観測し、残りの試験片25に
ついては、図11(b)に示すように、その試験片25
を幅方向に幅(40mm)の2倍の半径を持ったマンド
レル28を用いて、約180°折り曲げ、その曲げ外周
面に割れが生じるか否かを観測した。いずれの場合にお
いても、割れは全く見られず、従って良好に接合してい
ることが確認された。
て、接合すべき二つの端面の内の一方に、深さ1mm、
幅5mmの溝を、厚み方向の中央に位置し、鋼板の幅方
向に延びるように形成し、温度条件は実施例1と同一
で、加圧条件はインサート材溶融後の短時間加圧を行わ
ない以外は実施例1と同一で、5組の鋼板について液相
拡散接合を行った。その結果、いずれの場合において
も、端面に形成していた溝は消え、全体にわたって良好
な接合が行われていた。また、厚み方向の芯ずれもほと
んど生じていなかった。更に接合後の金属材から、実施
例1で説明したのと同様に、引張試験用の試験片を切り
出して、引張試験を行ったところ、いずれの試験片もや
はり母材の部分で破断し、十分な接合強度を備えている
ことが確認された。
て、接合すべき二つの端面の内の一方の幅方向の中央部
に、深さ2mm、幅5mmの溝を形成し、その他は実施
例1と同一条件で、5組の鋼板について液相拡散接合を
行った。その結果、いずれの場合においても、端面に形
成していた溝は消え、全体に渡って良好な接合が行われ
ていた。また、実施例1で説明したのと同様に、引張試
験用の試験片を切り出して、引張試験を行ったところ、
いずれの試験片もやはり母材の部分で破断し、十分な接
合強度を備えていることが確認された。
の条件(図3のグラフ参照)で液相拡散接合を行った。 使用金属材1、2:鋼板(SM490A材、幅334mm×厚さ32mm) 金属材端面処理: ガス切断後、グラインダー仕上げ+脱脂処理 インサート材5: アモルファス MBF−20(融点 1040°C) ケース17内雰囲気:アルゴンガス(酸素濃度 0.5%以下) 温度条件: 常温から1200°Cまで240秒で昇温 1200〜1300°Cに4分間保持、その後、自然冷却 加圧条件:常温から1200°Cへの昇温期間 定常圧縮力(14.7MPa)と高位圧縮力(49.0MPa) を3秒間隔で切り換え 1200°Cに保持開始から1分間 定常圧縮力(14.7MPa) その後(1200°Cに保持開始から1分経過後) 第1回短時間加圧(49.0MPa)を、累計で3.5mmのア プセット量を生じるまで実施(約10秒間) 第1回短時間加圧終了後 定常圧縮力(14.7MPa) 1200°Cに保持開始から2分経過後 第2回短時間加圧(49.0MPa)を、累計で6mmのアプセ ット量を生じるまで実施(約20秒間) 第2回短時間加圧終了後から接合完了まで 定常圧縮力(14.7MPa)
散接合を行った。なお、実施例4では金属材1、2の肉
厚が大きいため、昇温時に表面温度に比べて内部温度が
かなり低くなっており、表面温度が1200°Cに到達
した時点でも内部は1100°C程度であったため、高
位圧縮力の付加を1200°C到達時まで継続した。ま
た、1200°C到達時点以後においても、表面と内部
とに温度差があるため、1回の短時間加圧で累計で6m
mに達するアプセット量を生じさせようとすると、温度
むらに起因した好ましくない変形を生じるので、短時間
加圧を2回に分けて実施した。
も金属材1、2の全幅に渡って良好に接合した接合部が
得られた。また、接合した金属材1、2間の芯ずれ量
(図6の符号e)を全ての金属材について測定したとこ
ろ、0.1〜1.0mmの範囲内に入っていた。次に、
実施例1と同様に、接合後の金属材の中央部と端部から
それぞれ、図8、図9に示す引張試験用の試験片21、
21Aと同様な試験片を3個ずつ作成した。ただし、こ
の試験片の寸法は、厚みtが32mm、破断領域となる
平行部の長さLが220mm、幅Wが25mmである。
これらの試験片について引張試験を行った結果、すべて
の試験片が母材の部分で破断し、その時の破断強度は、
536〜540N/mm2 の範囲内に入っていた。これ
により、実施例4においても、幅方向の中央も端部も同
様に強固に接着していることが確認された。更に、実施
例1と同様に、接合後の金属材の中央部と端部からそれ
ぞれ、図10に示す形状で、厚さtが32mm、幅Wが
40mm、長さLが200mmの曲げ試験用の試験片
と、接合部両面のふくらみを削除した試験片とをそれぞ
れ6個ずつ作成し、曲げ試験を行った。その結果、すべ
ての試験片について、割れの発生は見られず、この点か
らも、幅方向の中央も端部も同様に強固に接着している
ことが確認された。
ンサート材を用いて、実施例1と同一の温度条件で、且
つ接合系に加える圧縮力は常に一定の定常圧縮力(1
4.7MPa)として液相拡散接合を行った。その結
果、得られた接合部は、図5に示すように、両端から1
0〜15mmの範囲に隙間3が生じていた。
ンサート材を用いて、実施例1と同一の温度条件で、且
つ接合系に加える圧縮力は、図4に示すように、加熱開
始から40秒後から30秒間だけ高位圧縮力(49.0
MPa)とし、その他の期間は一定の定常圧縮力(1
4.7MPa)として、10個のサンプルについて液相
拡散接合を行った。その結果、得られた接合部は、図6
に示すように、両端まで接合されていたが、厚み方向に
2〜3mmの芯ずれが生じたものが7個もあった。更
に、この芯ずれの大きい7個の金属材について、実施例
1と同一の引張試験用の試験片を切り出して引張試験を
行ったところ、いずれも、破断強度が400〜450N
/mm2 程度であり、且つ接合部で破断していた。
拡散接合を行うに際し、接合すべき面同志をインサート
材を介して突き合わせている接合系に対して、インサー
ト材が溶融する迄の昇温過程で、接合すべき面に直角方
向の圧縮力を短時間ずつ複数回付加したことにより、突
き合わせた面同志の間に熱膨張による隙間が生じやすい
接合系においても、芯ずれ発生を抑制しながら、インサ
ート材の溶融前に接合すべき面同志をインサート材を介
して互いに密着させることができ、従って、接合すべき
面の全域を良好に液相拡散接合することができ、接合強
度が大きく且つ芯ずれの小さい、高品質の接合部を得る
ことができるという効果を有している。また、接合すべ
き面に加熱前から多少の凹凸があっても、圧縮力付加に
よる塑性変形によって接合すべき面同志のインサート材
を介した密着が確保されるので、この点からも高品質の
接合部を得ることができ、換言すれば、接合すべき面の
表面を精密に機械仕上げする必要がなくなり、前処理工
程を簡略化できるという効果も有している。
も、別途の短時間加圧を行う構成とすると、接合面同志
を絡み合わせ、且つ酸化皮膜の破壊、除去を行うことが
でき、接合部の信頼性を一層向上させることができると
共に、接合すべき面に、より大きい凹凸があっても、そ
の凹凸をつぶして良好な接合を行うことができるという
効果が得られる。
ける液相拡散接合に用いた装置を、一部を断面で示す概
略正面図及び側面図
示すグラフ
示すグラフ
示すグラフ
面同志を従来の液相拡散接合方法(比較例1)で接合し
て得た接合部の概略正面図及び断面図
面同志を、上記異なる従来の液相拡散接合方法(比較例
2)で接合して得た接合部の概略正面図及び断面図
す位置を説明する概略正面図
もので、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図
例を示す概略側面図
すもので、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図
状態を示す概略側面図
Claims (5)
- 【請求項1】 金属材を相手方の金属材と接合すべく、
接合すべき面同志をインサート材を介して突き合わせた
接合系を、インサート材の融点以上の温度に加熱して接
合させる液相拡散接合方法において、前記インサート材
が溶融する迄の昇温過程で、前記接合系に対して、接合
すべき面と直角方向の圧縮力を接合系の芯ずれ発生を抑
制するように短時間ずつ複数回付加して、接合すべき面
同志がインサート材を介して互いに密着するように面の
近傍を塑性変形させることを特徴とする液相拡散接合方
法。 - 【請求項2】 前記接合系に対して短時間ずつ複数回付
加する圧縮力の1回の持続時間を、0.1〜5秒とする
ことを特徴とする請求項1記載の液相拡散接合方法。 - 【請求項3】 前記接合系の加熱開始から前記インサー
ト材が溶融するまでの昇温期間の大部分において、前記
圧縮力を一定周期で間欠的に付加することを特徴とする
請求項1又は2記載の液相拡散接合方法。 - 【請求項4】 更に、インサート材を溶融させた後、別
途の短時間加圧を行って接合すべき面同志を絡ませるこ
とを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の
液相拡散接合方法。 - 【請求項5】 液相拡散接合によって接合する面の少な
くとも一方が、非円形断面の金属条材の端面であること
を特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の液
相拡散接合方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP13434498A JP4127896B2 (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 液相拡散接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP13434498A JP4127896B2 (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 液相拡散接合方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11314167A true JPH11314167A (ja) | 1999-11-16 |
JP4127896B2 JP4127896B2 (ja) | 2008-07-30 |
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JP (1) | JP4127896B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114473169A (zh) * | 2022-02-28 | 2022-05-13 | 西安东瑞增材科技股份有限公司 | 双金属圆柱面形结构风洞电极的扩散焊接方法 |
-
1998
- 1998-04-28 JP JP13434498A patent/JP4127896B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114473169A (zh) * | 2022-02-28 | 2022-05-13 | 西安东瑞增材科技股份有限公司 | 双金属圆柱面形结构风洞电极的扩散焊接方法 |
CN114473169B (zh) * | 2022-02-28 | 2024-05-07 | 西安东瑞增材科技股份有限公司 | 双金属圆柱面形结构风洞电极的扩散焊接方法 |
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