JPH11314003A - 蒸留装置及び蒸留方法 - Google Patents

蒸留装置及び蒸留方法

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JPH11314003A
JPH11314003A JP216099A JP216099A JPH11314003A JP H11314003 A JPH11314003 A JP H11314003A JP 216099 A JP216099 A JP 216099A JP 216099 A JP216099 A JP 216099A JP H11314003 A JPH11314003 A JP H11314003A
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liquid
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Keiji Yoshimoto
圭司 吉本
Takeshi Nishiyama
健 西山
Katsunori Tamura
勝典 田村
Noboru Okamoto
昇 岡本
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多数の計装品を配設する必要をなくし、複雑な
制御を行う必要をなくす。 【解決手段】塔本体と、第1室14A〜16A及び第2
室14B〜16Bを形成する中仕切り22〜24と、塔
本体内に少なくとも第1〜第3の成分を含有する原液M
を供給するフィードノズル41と、上方に濃縮部AR1
を、下方に回収部AR2を備えた第1の蒸留部25と、
少なくとも一部が前記塔本体の塔頂と隣接させて配設さ
れ、上方に濃縮部AR3を、下方に回収部AR4を備え
た第2の蒸留部26と、少なくとも一部が前記塔本体の
塔底と隣接させて配設され、上方に濃縮部AR5を、下
方に回収部AR6を備えた第3の蒸留部27と、第1〜
第3の成分を排出する第1〜第3の排出手段とを有す
る。前記中仕切り22〜24は偏心させられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸留装置及び蒸留
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の蒸留塔を組み合わせ、複数
の成分を含有する原液から各成分を蒸留によって分離さ
せて製品を得る場合、前記各蒸留塔を別々に建設する
と、占有面積が大きくなってしまう。また、側塔方式の
蒸留装置においては、各蒸留塔内の圧力を調整するため
に各蒸留塔間における蒸気の分配を制御する必要がある
ので、各蒸留塔を安定させて運転することができない。
【0003】そこで、外筒内に内筒を配設し、該内筒内
に原液を供給して蒸留を行うようにしたペトリューク式
の蒸留塔を使用する蒸留装置が提供されている。ところ
が、この場合、内筒を外筒に対して支持したり、外筒を
貫通させてラインを配設したり、内筒にフィードノズル
を取り付けたりすることが困難であり、蒸留装置のコス
トが高くなってしまう。また、ラインと外筒との間、及
びフィードノズルと内筒との間を十分にシールすること
ができないので、前記蒸留塔における蒸留の効率が低く
なってしまう。
【0004】そして、内筒と外筒とが同心的に配設さ
れ、回収部及び濃縮部が環状体構造になるので、前記回
収部及び濃縮部に配設されるトレイを製造するのが困難
になる。そこで、内部を平板状の中仕切りによって区画
した蒸留装置が提供されている(米国特許第42305
33号明細書参照)。
【0005】この場合、該蒸留装置は、入口管を介して
原液が供給され、前記入口管より上方に形成された濃縮
部、及び前記入口管より下方に形成された回収部を備え
た第1の蒸留部と、該第1の蒸留部の上端に接続され、
該上端より上方に形成された濃縮部、及び前記上端より
下方に形成され、かつ、前記第1の蒸留部の濃縮部と中
仕切りを介して隣接する回収部を備えた第2の蒸留部
と、前記第1の蒸留部の下端に接続され、該下端より上
方に形成され、かつ、前記第1の蒸留部の回収部と中仕
切りを介して隣接する濃縮部、及び前記下端より下方に
形成された回収部を備えた第3の蒸留部とを有する。
【0006】したがって、蒸留装置のコストを低くする
ことができ、蒸留の効率を高くすることができ、充填
(てん)物エレメントを容易に製造することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の蒸留装置においては、上方から下降してきた液体を
第1の蒸留部の濃縮部及び第2の蒸留部の回収部に適正
に分配するために、第2の蒸留部の濃縮部から第1の蒸
留部の濃縮部に供給される液体の流量をアナライザ、流
量コントローラ及び流量制御弁によって調整する必要が
あるだけでなく、第2の蒸留部の濃縮部から第2の蒸留
部の回収部に供給される液体の流量をレベルセンサ、流
量コントローラ及び流量制御弁によって調整する必要が
ある。
【0008】また、上方から下降してきた液体を第1の
蒸留部の回収部及び第3の蒸留部の濃縮部に適正に分配
するために、第1の蒸留部に供給される原液の流量を流
量コントローラ及び流量制御弁によって調整する必要が
あるだけでなく、第1、第2の蒸留部間から排出される
製品の量をレベルセンサ、流量コントローラ及び流量制
御弁によって調整する必要がある。
【0009】そして、下方から上昇してきた蒸気を第1
の蒸留部の回収部及び第3の蒸留部の濃縮部に適正に分
配するために、第3の蒸留部の回収部から第1の蒸留部
の回収部に供給される蒸気の流量をアナライザ及び流量
制御弁によって調整する必要があるだけでなく、第3の
蒸留部の回収部から第3の蒸留部の濃縮部に供給される
蒸気の流量をアナライザ及び流量制御弁によって調整す
る必要がある。
【0010】このように、液体及び蒸気を適正に分配す
るために、アナライザ、流量コントローラ、流量制御
弁、レベルセンサ等の多数の計装品を配設する必要があ
るだけでなく、各計装品を操作して複雑な制御を行う必
要があるので、蒸留装置が大型化してしまうだけでな
く、蒸留装置のコストが高くなってしまう。本発明は、
前記従来の蒸留装置の問題点を解決して、多数の計装品
を配設する必要がなく、複雑な制御を行う必要がなく、
小型化することができ、コストを低くすることができる
蒸留装置及び蒸留方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の蒸
留装置においては、塔本体と、該塔本体内を分割し、互
いに隣接する第1室及び第2室を形成する中仕切りと、
前記塔本体内に少なくとも第1〜第3の成分を含有する
原液を供給するフィードノズルと、上方に濃縮部を、下
方に回収部を備えた第1の蒸留部と、少なくとも一部が
前記塔本体の塔頂と隣接させて配設され、上方に濃縮部
を、下方に回収部を備えた第2の蒸留部と、少なくとも
一部が前記塔本体の塔底と隣接させて配設され、上方に
濃縮部を、下方に回収部を備えた第3の蒸留部と、前記
第1の成分を排出する第1の排出手段と、前記第2の成
分を排出する第2の排出手段と、前記第3の成分を排出
する第3の排出手段とを有する。
【0012】そして、前記中仕切りは偏心させられ、第
1室の断面積と第2室の断面積とが異なる。本発明の他
の蒸留装置においては、さらに、前記第1の蒸留部は前
記塔本体の中央に配設される。本発明の更に他の蒸留装
置においては、さらに、前記フィードノズルは第1の蒸
留部内に原液を供給する。
【0013】本発明の更に他の蒸留装置においては、さ
らに、前記フィードノズルは、前記第1の蒸留部におけ
る濃縮部と回収部との間に配設される。本発明の更に他
の蒸留装置においては、さらに、少なくとも前記第1の
蒸留部における濃縮部及び回収部に、それぞれ充填物が
独立させて配設される。本発明の更に他の蒸留装置にお
いては、さらに、前記各充填物は互いに種類が同じであ
る。
【0014】本発明の更に他の蒸留装置においては、さ
らに、前記各充填物は互いに種類が異なる。本発明の蒸
留方法においては、上方に濃縮部を、下方に回収部を備
えた第1の蒸留部、少なくとも一部が塔頂と隣接させて
配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第2
の蒸留部、少なくとも一部が塔底と隣接させて配設さ
れ、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第3の蒸留
部、及び第1室の断面積と第2室の断面積とを異ならせ
るために偏心させて配設された中仕切りを備える塔本体
内に、少なくとも第1〜第3の成分を含有する原液を供
給し、前記第2の蒸留部の上端に接続された凝縮器によ
って所定の成分の蒸気を凝縮し、前記第3の蒸留部の下
端に接続された蒸発器によって所定の成分の液体を蒸発
させ、前記第2の蒸留部の上端において第1の成分に富
んだ液体を、前記第3の蒸留部の下端において第3の成
分に富んだ液体を、前記中仕切りが配設された部分にお
いて第2の成分に富んだ液体を得る。
【0015】本発明の他の蒸留方法においては、さら
に、前記第1の成分は第2の成分より、該第2の成分は
第3の成分より沸点が低い。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の
第1の実施の形態における結合型蒸留塔の概念図、図2
は本発明の第1の実施の形態における蒸留装置の概念図
である。図において、10は結合型蒸留塔であり、該結
合型蒸留塔10は、第1セクション11、第2セクショ
ン12、第3セクション13、第4セクション14、第
5セクション15、第6セクション16、第7セクショ
ン17、第8セクション18及び第9セクション19か
ら成る。
【0017】そして、前記結合型蒸留塔10の塔本体
は、前記第4セクション14、第5セクション15及び
第6セクション16において、それぞれ平板状の中仕切
り22〜24によって第1室14A〜16Aと第2室1
4B〜16Bとに区分され、第1室14A〜16Aと第
2室14B〜16Bとは互いに隣接させられる。また、
前記第1室14A〜16Aによって第1の蒸留部25
が、前記第1セクション11、第2セクション12、第
3セクション13及び第2室14Bによって第2の蒸留
部26が、前記第2室15B、16B、第7セクション
17、第8セクション18及び第9セクション19によ
って第3の蒸留部27がそれぞれ形成される。
【0018】なお、前記中仕切り22〜24を断熱材に
よって形成したり、中仕切り22〜24の内部を真空に
したりして、中仕切り22〜24を断熱構造にすること
もできる。この場合、第1室14Aと第2室14Bとの
間、第1室15Aと第2室15Bとの間、及び第1室1
6Aと第2室16Bとの間の熱伝達をそれぞれ少なくす
ることができるので、蒸留の効率を高くすることができ
る。
【0019】そして、結合型蒸留塔10のほぼ中央に前
記第5セクション15が配設され、第1室15Aにフィ
ードノズル41が、前記中仕切り22〜24が配設され
た部分の第2室15Bにサイドカットノズル42がそれ
ぞれ形成される。また、結合型蒸留塔10の塔頂に前記
第1セクション11が配設され、該第1セクション11
に、凝縮器81に接続させて蒸気出口43及び還流液入
口44がそれぞれ形成される。さらに、結合型蒸留塔1
0の塔底に第9セクション19が配設され、該第9セク
ション19に、蒸発器82に接続させて缶出液出口45
及び蒸気入口46がそれぞれ形成される。なお、前記蒸
気出口43によって第1の排出手段が、サイドカットノ
ズル42によって第2の排出手段が、缶出液出口45に
よって第3の排出手段がそれぞれ構成される。
【0020】前記構成の結合型蒸留塔10において、成
分A〜Cを含有する混合物が原液Mとして前記フィード
ノズル41に供給される。なお、成分Aは成分Bより、
該成分Bは成分Cより沸点が低い。そして、成分A〜C
によって第1〜第3の成分が構成され、前記結合型蒸留
塔10、前記凝縮器81、蒸発器82等によって蒸留装
置が構成される。
【0021】また、前記第1の蒸留部25内において前
記フィードノズル41より上方に配設された第1室14
Aによって濃縮部AR1が、フィードノズル41より下
方に配設された第1室16Aによって回収部AR2がそ
れぞれ形成される。そして、前記第2の蒸留部26内に
おいて前記第1の蒸留部25の上端に接続され、該上端
より上方に配設された第2セクション12によって濃縮
部AR3が、前記第1の蒸留部25の上端より下方にお
いて、前記濃縮部AR1と隣接させて配設された第2室
14Bによって回収部AR4がそれぞれ形成される。さ
らに、前記第3の蒸留部27内において前記第1の蒸留
部25の下端に接続され、該下端より上方において、前
記回収部AR2と隣接させて配設された第2室16Bに
よって濃縮部AR5が、前記第1の蒸留部25の下端よ
り下方に配設された第8セクション18によって回収部
AR6がそれぞれ形成される。
【0022】このようにして、第1の蒸留部25の上端
が第2の蒸留部26の中央に、第1の蒸留部25の下端
が第3の蒸留部27の中央にそれぞれ接続される。そし
て、前記構成の蒸留装置による蒸留方法において、フィ
ードノズル41から供給された原液Mが前記回収部AR
2を下降させられ、その間に、上方になるに従って成分
A及びBに富んだ蒸気が、下方になるに従って成分B及
びCに富んだ液体が発生させられ、第1の蒸留部25の
下端から第3の蒸留部27に成分B及びCに富んだ液体
が供給される。
【0023】さらに、該成分B及びCに富んだ液体は、
第3の蒸留部27内において加熱され蒸発させられて成
分B及びCに富んだ蒸気になり、前記回収部AR2内を
上昇する間に、原液Mと接触し、該原液Mから成分A及
びBに富んだ蒸気を発生させる。続いて、前記成分A及
びBに富んだ蒸気は、濃縮部AR1内を上昇し、前記第
1の蒸留部25の上端から第2の蒸留部26に供給され
る。さらに、前記成分A及びBに富んだ蒸気は、第2の
蒸留部26内において冷却されて凝縮され、成分A及び
Bに富んだ液体になる。
【0024】そして、該成分A及びBに富んだ液体の一
部は、濃縮部AR1に還流され、該濃縮部AR1内を上
昇する成分A及びBに富んだ蒸気と接触させられる。こ
のようにして、第1の蒸留部25の上端から第2の蒸留
部26に成分A及びBに富んだ蒸気を供給することがで
きる。前記回収部AR6においては、成分B及びCに富
んだ液体が下降し、上方において成分Bに富んだ蒸気
を、下方になるに従って成分Cに富んだ液体をそれぞれ
発生させる。したがって、成分Cに富んだ液体は缶出液
として缶出液出口45から排出される。
【0025】また、前記缶出液出口45から排出された
成分Cに富んだ液体の一部は蒸発器82に送られ、該蒸
発器82によって加熱され蒸発させられて成分Cに富ん
だ蒸気になる。該成分Cに富んだ蒸気は、蒸気入口46
から第9セクション19に供給され、該第9セクション
19内及び前記回収部AR6内を上昇する間に、成分B
及びCに富んだ液体と接触し、該成分B及びCに富んだ
液体から成分Bに富んだ蒸気を発生させる。
【0026】続いて、該成分Bに富んだ蒸気の一部は、
濃縮部AR5内を上昇し、第3の蒸留部27の上端にお
いて第2の蒸留部26からの成分Bに富んだ液体と接触
し、成分Bに富んだ液体になる。このようにして、前記
第3の蒸留部27の上端において得られた成分Bに富ん
だ液体は、サイドカット液、すなわち、製品としてサイ
ドカットノズル42から排出される。
【0027】一方、前記第2の蒸留部26の回収部AR
4においては成分A及びBに富んだ液体が下降し、上方
において成分Aに富んだ蒸気を、下方になるに従って成
分Bに富んだ液体をそれぞれ発生させる。このようにし
て、前記第2の蒸留部26の下端において得られた成分
Bに富んだ液体は、製品としてサイドカットノズル42
から排出される。
【0028】続いて、前記成分Aに富んだ蒸気は、濃縮
部AR3内を上昇して前記蒸気出口43から排出されて
前記凝縮器81に送られ、該凝縮器81によって凝縮さ
れて成分Aに富んだ液体になる。このようにして、成分
A及びBに富んだ蒸気は、前記第2の蒸留部26によっ
て成分Aに富んだ蒸気と成分Bに富んだ液体とに分離さ
せられ、成分Aに富んだ蒸気は塔頂から排出され、前記
凝縮器81によって凝縮されて成分Aに富んだ液体にな
り、成分Bに富んだ液体は製品としてサイドカットノズ
ル42から排出される。また、成分B及びCに富んだ液
体は、前記第3の蒸留部27によって成分Bに富んだ液
体と成分Cに富んだ液体とに分離させられ、成分Bに富
んだ液体は製品としてサイドカットノズル42から排出
され、成分Cに富んだ液体は塔底から排出される。
【0029】そして、成分Aの蒸留の効率を高くするた
めに、前記成分Aに富んだ液体は、還流液入口44から
濃縮部AR3に還流され、該濃縮部AR3内を上昇する
成分A及びBに富んだ蒸気と接触させられる。なお、前
記各濃縮部AR1、AR3、AR5及び各回収部AR
2、AR4、AR6は、一つの節から成る充填物によっ
て形成されるようになっているが、蒸留しようとする各
成分間の比揮発度によっては、蒸留に必要な理論段数を
確保するために、使用される充填物の特性に対応させて
複数の節から成る充填物によって形成することもでき
る。また、各節間にディストリビュータを配設すること
もできる。さらに、フィードノズル41及びサイドカッ
トノズル42を必ずしも同じ高さに配設する必要はな
い。
【0030】このようにして、複数の蒸留塔を使用する
ことなく、原液Mを各成分に分離させることができる。
また、複数の蒸留塔において加熱及び冷却をそれぞれ繰
り返す必要がないので、凝縮器、蒸発器、ポンプ等の計
装品を多数配設する必要がなくなる。したがって、占有
面積を小さくすることができるだけでなく、ユーティリ
ティの使用量及び消費エネルギーを少なくすることがで
き、蒸留装置のコストを低くすることができる。
【0031】なお、前記結合型蒸留塔10は、全体とし
て約30〜100段の理論段数を有し、第4セクション
14及び第6セクション16にそれぞれ5〜30段程度
を当てるようにするのが好ましい。ところで、第3セク
ション13にコレクタ54及びチャンネル型のディスト
リビュータ61が配設され、前記コレクタ54によって
集められた液体は、前記ディストリビュータ61によっ
て所定の分配比率で第4セクション14の第1室14A
と第2室14Bとに異なる量ずつ分配される。
【0032】また、第5セクション15の第1室15A
におけるフィードノズル41の直上にはコレクタ62
が、直下にチューブラ型のディストリビュータ63が配
設され、前記コレクタ62によって集められた液体は、
前記フィードノズル41を介して供給された原液Mと共
に、ディストリビュータ63によって第6セクション1
6の第1室16Aに供給される。
【0033】一方、第5セクション15の第2室15B
におけるサイドカットノズル42の直上にはチムニーハ
ット型のコレクタ65が、直下にチューブラ型のディス
トリビュータ66が配設され、前記コレクタ65によっ
て集められた液体は、製品として前記サイドカットノズ
ル42から排出されるとともに、ディストリビュータ6
6によって第6セクション16の第2室16Bに供給さ
れる。
【0034】さらに、第7セクション17には、コレク
タ67及びチューブラ型のディストリビュータ68が配
設され、第6セクション16から下降してきた液体は、
前記コレクタ67によって集められた後、ディストリビ
ュータ68によって前記第8セクション18に供給され
る。ところで、本実施の形態においては、上方、すなわ
ち、第2セクション12から第3セクション13に下降
してきた液体を、第4セクション14の第1室14A及
び第2室14Bに分配するようになっているが、分配比
率は原液Mの成分の種類、原液Mの成分の組成、結合型
蒸留塔10の理論段数、製品に要求される純度(品質)
等の蒸留条件に基づいてあらかじめ設定される。
【0035】そのために、前記ディストリビュータ61
は、液体を中仕切り22に対して直角の方向に分配する
図示されない分配部を備え、該分配部によって前記第1
室14Aの上方(以下「第1室上方部」という。)に供
給される液体の量と、前記第2室14Bの上方(以下
「第2室上方部」という。)に供給される液体の量とを
異ならせるようになっている。
【0036】なお、前記製品がサイドカットノズル42
から排出されるので、第1室上方部に供給される液体の
量より第2室上方部に供給される液体の量が多くされ
る。また、蒸留装置において2種類以上の製品を得るた
めに、蒸留条件を変更する必要がある場合には、蒸留条
件に対応させて前記分配比率を変更する必要がある。そ
こで、前記分配部を複数配設し、各分配部ごとに前記分
配比率を異ならせるようにしている。そのために、前記
第2セクション12から下降してきた液体は、コレクタ
54によって集められ、切換弁83、84を介して選択
的にディストリビュータ61に供給される。例えば、純
度が99.98〔重量%〕の製品を得る場合、分配比率
は4:6にされ、純度が99.999〔重量%〕の製品
を得る場合、分配比率は2:8にされる。また、負荷率
は50〜100〔%〕に変更される。
【0037】このように、分配部を配設するだけで最適
な分配比率で液体を分配することができるので、液体を
分配するためのアナライザ、流量コントローラ、流量制
御弁、レベルセンサ等の多数の計装品を配設する必要が
ないだけでなく、各計装品を操作して複雑な制御を行う
必要がない。したがって、蒸留装置を小型化することが
できるだけでなく、蒸留装置のコストを低くすることが
できる。
【0038】ところで、結合型蒸留塔10を設計するに
当たり、各室内の単位高さ当たりの平衡理論段数NTS
M〔段/m〕、一理論段当たりの充填高さHETP〔m
m〕、Fファクタf〔(m/s)/√(kg/
3 )〕、室内の単位高さ当たりの圧力損失ΔP〔mm
Hg/m〕を決定する必要がある。なお、前記Fファク
タfは、蒸気の圧力を考慮に入れた実質速度を表すパラ
メータであり、空塔速度をuとし、蒸気密度をρ〔kg
/m3 〕としたとき、 f=u√(ρ) である。ここで、蒸気密度ρは、圧力をP〔mmHg〕
とし、温度をT〔°K〕とし、モル数をMとしたとき、 ρ=273.2・P・M/22.41×760・T =P・M/(62.36)・T である。
【0039】ところで、充填物が配設された室内におい
て液体を下降させ、かつ、蒸気を上昇させようとすると
きに、室内を下降する液体によって蒸気の流れに圧力損
失が発生する。本実施の形態においては、前記ディスト
リビュータ61が、前記第1室上方部に供給される液体
の量と第2室上方部に供給される液体の量とを異ならせ
るようにしているので、前記第1室14A及び第2室1
4Bを下降する液体の流量、すなわち、降下液量は互い
に異なる。その結果、第1室14A及び第2室14Bの
圧力損失が互いに異なり、第1室14A及び第2室14
Bを上昇する蒸気の量、すなわち、上昇蒸気量が互いに
異なってしまう。
【0040】そこで、降下液量が互いに異なっても圧力
損失が等しくなるように、Fファクタfを設定するよう
にしている。図3は本発明の第1の実施の形態における
圧力損失のシミュレーションを行った結果を示す図であ
る。この場合、下記の条件でシミュレーションを行っ
た。
【0041】 下降材料:酢酸エチル(MW=88.1) 操作圧力:常圧(760〔mmHg〕) 操作温度:76〔℃〕 蒸気の密度:3.0785〔kg/m3 〕 液体の密度:900〔kg/m3 〕 表面強力:20〔dyn/cm〕 充填物Aの種類:BXパッキング(商品名:住友重機械
工業株式会社製) 降下液量:5、10、15、20、25、30〔m3
2 hr〕 Fファクタf〔(m/s)√(kg/m3 )〕と単位断
面積当たりの上昇蒸気流量〔kg/m2 hr〕との関
係: 0.5 3200 1.0 6300 1.5 9500 2.0 12600 2.5 15800 このように、充填物AとしてBXパッキングを使用し、
Fファクタfを0.5〜2.5に変化させたとき、図か
ら分かるように、Fファクタfが0.5〜1.5の場合
には、降下液量が変化しても圧力損失がほとんど変化し
ないことが分かる。
【0042】そこで、本実施の形態においては、第2セ
クション12、第4セクション14、第6セクション1
6及び第8セクション18の充填物AとしてBXパッキ
ングを使用し、Fファクタfを1.0〜1.5にするよ
うにしている。したがって、第2セクション12、第4
セクション14、第6セクション16及び第8セクショ
ン18における圧力損失がほぼ一定になるので、第1室
14A、16Aにおいて発生する圧力損失と第2室14
B、16Bにおいて発生する圧力損失とが等しくなる。
その結果、上昇する蒸気に対して下降する液体の影響が
及ばないので、蒸気は均等に分配されて上昇する。な
お、Fファクタfを0.5〜1.0にすることもできる
が、その場合、実質速度が低くなる分だけ室の断面積が
大きくなる。
【0043】しかも、蒸気を分配するために多数の計装
品を配設する必要がないだけでなく、各計装品を操作し
て複雑な制御を行う必要がない。したがって、蒸留装置
を小型化することができるだけでなく、蒸留装置のコス
トを低くすることができる。また、結合型蒸留塔10内
の液体の下降、及び蒸気の上昇を円滑化することができ
るので、各室内の充填物Aにおいてチャンネリング(液
切れ)現象が発生するのを防止することができるだけで
なく、マルディストリビューション(不均一な液体の分
散)が発生するのを防止することができる。
【0044】ところで、前記結合型蒸留塔10において
は、第4セクション14、第5セクション15、第6セ
クション16に中仕切り22〜24が配設されているの
で、第1室14Aと第2室14Bとの間、及び第1室1
6Aと第2室16Bとの間において圧力損失に差が生じ
やすい。そこで、結合型蒸留塔10の設計によって、第
1室14Aと第2室14Bとの間、及び第1室16Aと
第2室16Bとの間において圧力損失に差が生じるのを
防止するようにした本発明の第2の実施の形態について
説明する。
【0045】図4は本発明の第2の実施の形態における
結合型蒸留塔の特性を示す図、図5は本発明の第2の実
施の形態における充填物特性を示す図である。この場
合、第2セクション12、第4セクション14の第1室
14A及び第2室14B、並びに第6セクション16の
第1室16A及び第2室16Bに充填物AとしてBXパ
ッキングを使用し、第8セクション18に充填物Bとし
てメラパック350Y(商品名:住友重機械工業株式会
社製)を使用した。
【0046】ここで、前記第1室14A、16Aにおい
て発生する圧力損失をδP1 とし、前記第2室14B、
16Bにおいて発生する圧力損失をδP2 とする。ま
た、第1室14A、16A及び第2室14B、16Bの
各理論段数をNTSi (i=14A、16A、14B、
16B)とし、単位高さ当たりの平衡理論段数をNTS
i (i=14A、16A、14B、16B)〔段/
m〕とし、単位高さ当たりの圧力損失をΔPi (i=1
4A、16A、14B、16B)とする。
【0047】このとき、前記圧力損失δP1 は、 δP1 =(NTS14A /NTSM14A )・ΔP14A
(NTS14B /NTSM14B )・ΔP14B であり、前記圧力損失δP2 は、 δP2 =(NTS16A /NTSM16A )・ΔP16A
(NTS16B /NTSM16B )・ΔP16B であるので、図4を参照して、各Fファクタfi (i=
14A、16A、14B、16B)を算出し、図5を参
照して、各Fファクタfi に対応する単位高さ当たりの
圧力損失ΔPi 、及び単位高さ当たりの平衡理論段数N
TSMi 〔段/m〕を算出すると、各理論段数NTSi
を所定の値に設定することによって、前記圧力損失δP
1 、δP2 は、 δP1 ≒δP2 にすることができる。
【0048】なお、図5においては、各Fファクタ
i 、各圧力損失ΔPi 及び各平衡理論段数NTSMi
ごとの値は示されず、範囲で表されている。次に、本発
明の第3の実施の形態について説明する。図6は本発明
の第3の実施の形態における結合型蒸留塔の特性を示す
図、図7は本発明の第3の実施の形態における充填物特
性を示す図である。
【0049】第2セクション12及び第8セクション1
8に、充填物Cとしてメラパック250Y(商品名:住
友重機械工業株式会社製)を使用し、第4セクション1
4の第1室14A及び第2室14B、並びに第6セクシ
ョン16の第1室16A及び第2室16Bに充填物Dと
してメラパック250X(商品名:住友重機械工業株式
会社製)を使用した。この場合、第2セクション12及
び第8セクション18においてメラパック250Yが使
用されるので、結合型蒸留塔10(図1)内の液体及び
蒸気の流れを安定させることができた。また、第4セク
ション14の第1室14A及び第2室14B、並びに第
6セクション16の第1室16A及び第2室16Bにメ
ラパック250Xが使用されるので、上昇蒸気量が多く
ても、圧力損失δP1 、δP2 に与えられる影響は少な
い。
【0050】ここで、例えば、各理論段数NTSi を、 NTS14A =14 〔段〕 NTS14B =13 〔段〕 NTS16A =12 〔段〕 NTS16B =7 〔段〕 とすると、第1室14A、16Aにおいて発生する圧力
損失δP1 は、 δP1 =(NTS14A /NTSM14A )・ΔP14A +(NTS14B /NTS M14B )・ΔP14B =(14/2.2)×0.8+(13/2.0)×4.5 =34.34 〔mmHg〕 であり、前記第2室14B、16Bにおいて発生する圧
力損失δP2 は、 δP2 =(NTS16A /NTSM)・ΔP16A +(NTS16B /NTSM) ・ΔP16B =(12/2.0)×4.0+(7/2.0)×3.0 =34.5 〔mmHg〕 である。
【0051】したがって、前記圧力損失δP1 、δP2
を δP1 ≒δP2 にすることができる。次に、本発明の第4の実施の形態
について説明する。図8は本発明の第4の実施の形態に
おける結合型蒸留塔の特性を示す図、図9は本発明の第
4の実施の形態における充填物特性を示す図である。
【0052】この場合、第1室14A、16Aの理論段
数(NTS14A +NTS16A )と第2室14B、16B
の理論段数(NTS14B +NTS16B )とが異なり、か
つ、上昇蒸気量が互いに異なる場合に有効であり、第2
セクション12に充填物Cが、第1室14A、16Aに
充填物Dが、第2室14B、16Bに充填物Aが、第8
セクション18に充填物Bが配設される。
【0053】その結果、第1室14A、16Aにおいて
発生する圧力損失δP1 、及び前記第2室14B、16
Bにおいて発生する圧力損失δP2 を、 δP1 ≒δP2 にすることができる。次に、各充填物A〜Dを選択する
だけでは圧力損失δP1 、δP2 を等しくすることがで
きない場合に、圧力損失δP1 、δP2 を等しくするよ
うにした本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0054】図10は本発明の第5の実施の形態におけ
る結合型蒸留塔の要部概念図、図11は本発明の第5の
実施の形態における結合型蒸留塔の要部断面図である。
図において、113は第3セクション、114A〜11
6Aは第1室、114B〜116Bは第2室、117は
第7セクション、122〜124は中仕切りである。
【0055】本実施の形態は、結合型蒸留塔における蒸
留条件によって、第1室114A、116A内の上昇蒸
気量と第2室114B、116B内の上昇蒸気量とが互
いに異なる場合に有効である。そのために、前記中仕切
り122〜124が偏心させられ、本実施の形態におい
ては、第1室114A、116Aの断面積S1が第2室
114B、116Bの断面積S2より小さくされ、 S1:S2=3:7 にされる。
【0056】ところで、第1室114A、116A内の
上昇蒸気量をV1とし、第2室114B、116B内の
上昇蒸気量をV2とし、第1室114A、116A内の
空塔速度をu1とし、第2室114B、116B内の空
塔速度をu2とすると、前記空塔速度u1、u2は、 u1=(V1/S1)×3600 〔m/s〕 u2=(V2/S2)×3600 〔m/s〕 になり、前記断面積S1、S2を変更することによっ
て、空塔速度u1、u2を変更し、調和させることがで
きる。
【0057】その結果、第1室114A、116AのF
ファクタf114A、f116A及び第2室114B、116B
のFファクタf114B、f116Bを変更することができ、第
1室114A、116A内の単位高さ当たりの圧力損失
ΔP114A、ΔP116A及び第2室114B、116B内の
単位高さ当たりの圧力損失ΔP114B、ΔP116Bを変更す
ることができる。
【0058】そこで、本実施の形態においては、前記断
面積S1、S2を異ならせることによって、第1室11
4A、116A内の単位高さ当たりの圧力損失Δ
114A、ΔP116Aと第2室114B、116B内の単位
高さ当たりの圧力損失ΔP114B、ΔP116Bとを等しく
し、圧力損失δP1 、δP2 を等しくするようにしてい
る。次に、本発明の第6の実施の形態について説明す
る。
【0059】図12は本発明の第6の実施の形態におけ
る結合型蒸留塔の要部概念図、図13は本発明の第6の
実施の形態における結合型蒸留塔の要部断面図である。
図において、213は第3セクション、214A〜21
6Aは第1室、214B〜216Bは第2室、217は
第7セクション、222〜224は中仕切りである。
【0060】本実施の形態は、結合型蒸留塔における蒸
留条件によって、第1室214A、216A内の上昇蒸
気量と第2室214B、216B内の上昇蒸気量とが互
いに異なる場合に有効である。そのために、前記中仕切
り222〜224が偏心させられ、本実施の形態におい
ては、第1室214A、216Aの断面積S1が第2室
214B、216Bの断面積S2より小さくされ、 S1:S2=4:6 にされる。
【0061】また、第1室214A内の充填物高さが第
2室214B内の充填物高さより小さくされ、第1室2
16A内の充填物高さが第2室216B内の充填物高さ
より大きくされる。前記各実施の形態においては、充填
物としてBXパッキング、メラパック250X、メラパ
ック250Y、メラパック350Yが使用されている
が、CYパッキング、メラパック125X、メラパック
125Y、メラパック170X、メラパック170Y、
メラパック2X、メラパック2Y、メラパック500
X、メラパック500Y、メラパック750Yを使用す
ることもできる(いずれも商品名:住友重機械工業株式
会社製)。なお、本発明は前記実施の形態に限定される
ものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させる
ことが可能であり、それらを本発明の範囲から排除する
ものではない。
【0062】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、蒸留装置においては、塔本体と、該塔本体内を分
割し、互いに隣接する第1室及び第2室を形成する中仕
切りと、前記塔本体内に少なくとも第1〜第3の成分を
含有する原液を供給するフィードノズルと、上方に濃縮
部を、下方に回収部を備えた第1の蒸留部と、少なくと
も一部が前記塔本体の塔頂と隣接させて配設され、上方
に濃縮部を、下方に回収部を備えた第2の蒸留部と、少
なくとも一部が前記塔本体の塔底と隣接させて配設さ
れ、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第3の蒸留
部と、前記第1の成分を排出する第1の排出手段と、前
記第2の成分を排出する第2の排出手段と、前記第3の
成分を排出する第3の排出手段とを有する。
【0063】そして、前記中仕切りは偏心させられ、第
1室の断面積と第2室の断面積とが異なる。この場合、
第1室の断面積と第2室の断面積とを異ならせることに
よって、前記第1室において発生する圧力損失と前記第
2室において発生する圧力損失とを等しくすることがで
きるので、上昇する蒸気に対して下降する液体の影響が
及ばないようにすることができる。したがって、蒸気は
均等に分配されて上昇する。
【0064】しかも、蒸気を分配するためにアナライ
ザ、流量コントローラ、流量制御弁、レベルセンサ等の
多数の計装品を配設する必要がないだけでなく、各計装
品を操作して複雑な制御を行う必要がない。したがっ
て、蒸留装置を小型化することができるだけでなく、蒸
留装置のコストを低くすることができる。また、結合型
蒸留塔内の液体の下降、及び蒸気の上昇を円滑化するこ
とができるので、各充填物においてチャンネリング現象
が発生するのを防止することができるだけでなく、マル
ディストリビューションが発生するのを防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における結合型蒸留
塔の概念図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における蒸留装置の
概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における圧力損失の
シミュレーションを行った結果を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における結合型蒸留
塔の特性を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における充填物特性
を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における結合型蒸留
塔の特性を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における充填物特性
を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態における結合型蒸留
塔の特性を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態における充填物特性
を示す図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態における結合型蒸
留塔の要部概念図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態における結合型蒸
留塔の要部断面図である。
【図12】本発明の第6の実施の形態における結合型蒸
留塔の要部概念図である。
【図13】本発明の第6の実施の形態における結合型蒸
留塔の要部断面図である。
【符号の説明】
22〜24、122〜124、222〜224 中仕
切り 25〜27 第1〜第3の蒸留部 41 フィードノズル 42 サイドカットノズル 43 蒸気出口 45 缶出液出口 114A、116A 第1室 114B、116B 第2室 AR1、AR3、AR5 濃縮部 AR2、AR4、AR6 回収部
フロントページの続き (72)発明者 岡本 昇 東京都田無市谷戸町二丁目1番1号 住重 東京エンジニアリング株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)塔本体と、(b)該塔本体内を分
    割し、互いに隣接する第1室及び第2室を形成する中仕
    切りと、(c)前記塔本体内に少なくとも第1〜第3の
    成分を含有する原液を供給するフィードノズルと、
    (d)上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第1の蒸
    留部と、(e)少なくとも一部が前記塔本体の塔頂と隣
    接させて配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備
    えた第2の蒸留部と、(f)少なくとも一部が前記塔本
    体の塔底と隣接させて配設され、上方に濃縮部を、下方
    に回収部を備えた第3の蒸留部と、(g)前記第1の成
    分を排出する第1の排出手段と、(h)前記第2の成分
    を排出する第2の排出手段と、(i)前記第3の成分を
    排出する第3の排出手段とを有するとともに、(j)前
    記中仕切りは偏心させられ、第1室の断面積と第2室の
    断面積とが異なることを特徴とする蒸留装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の蒸留部は前記塔本体の中央に
    配設される請求項1に記載の蒸留装置。
  3. 【請求項3】 前記フィードノズルは第1の蒸留部内に
    原液を供給する請求項1又は2に記載の蒸留装置。
  4. 【請求項4】 前記フィードノズルは、前記第1の蒸留
    部における濃縮部と回収部との間に配設される請求項3
    に記載の蒸留装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも前記第1の蒸留部における濃
    縮部及び回収部に、それぞれ充填物が独立させて配設さ
    れる請求項1〜4のいずれか1項に記載の蒸留装置。
  6. 【請求項6】 前記各充填物は互いに種類が同じである
    請求項5に記載の蒸留装置。
  7. 【請求項7】 前記各充填物は互いに種類が異なる請求
    項5に記載の蒸留装置。
  8. 【請求項8】 (a)上方に濃縮部を、下方に回収部を
    備えた第1の蒸留部、少なくとも一部が塔頂と隣接させ
    て配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第
    2の蒸留部、少なくとも一部が塔底と隣接させて配設さ
    れ、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第3の蒸留
    部、及び第1室の断面積と第2室の断面積とを異ならせ
    るために偏心させて配設された中仕切りを備える塔本体
    内に、少なくとも第1〜第3の成分を含有する原液を供
    給し、(b)前記第2の蒸留部の上端に接続された凝縮
    器によって所定の成分の蒸気を凝縮し、(c)前記第3
    の蒸留部の下端に接続された蒸発器によって所定の成分
    の液体を蒸発させ、(d)前記第2の蒸留部の上端にお
    いて第1の成分に富んだ液体を、前記第3の蒸留部の下
    端において第3の成分に富んだ液体を、前記中仕切りが
    配設された部分において第2の成分に富んだ液体を得る
    ことを特徴とする蒸留方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の成分は第2の成分より、該第
    2の成分は第3の成分より沸点が低い請求項8に記載の
    蒸留方法。
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