JPH11312958A - 自動同調回路及びそれを用いたデータキャリア装置 - Google Patents

自動同調回路及びそれを用いたデータキャリア装置

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JPH11312958A
JPH11312958A JP10131358A JP13135898A JPH11312958A JP H11312958 A JPH11312958 A JP H11312958A JP 10131358 A JP10131358 A JP 10131358A JP 13135898 A JP13135898 A JP 13135898A JP H11312958 A JPH11312958 A JP H11312958A
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capacitors
capacitance
capacitor
circuit
capacitance value
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JP10131358A
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Hidekazu Ishii
英一 石井
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンテナ回路の共振用コンデンサに重み付け
を行って配設個数を可及的に減少させ、しかも共振用の
容量値を細かく設定することができ、かつ容量値変化の
連続性を確実に確保できるようにする。 【解決手段】 アンテナ回路10をアンテナコイルLと
複数のコンデンサC1 〜Cn とで構成するとともに、上
記複数のコンデンサC1 〜Cn の容量値が所定の割合で
大きくなるように重み付けし、上記複数のコンデンサの
うちの幾つかを選択することで上記アンテナ回路が送信
周波数に同調させるように構成した自動同調回路におい
て、上記複数のコンデンサC1 〜Cn を、(n+1)個
目の容量値が、1個目〜n個目迄の各コンデンサの容量
値を合計した値よりも小さな値となるように重み付けす
ることにより、コンデンサの製造ばらつきや、経時変化
及び温度特性の変化等による増加ステップの空白部分が
生じる不都合を防止できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動同調回路及びそ
れを用いたデータキャリア装置に関し、特に、応答機の
電源を質問機から供給するようにしたデータキャリア装
置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】質問機と応答機との間で、電磁結合方式
または電磁誘導方式等により信号の授受を行う方式のデ
ータキャリア装置(例えば、「非接触式ICカードシス
テム」として実用化が進められている)が広く知られて
いる。
【0003】特に、搬送波を応答機側で整流して、応答
機の駆動電力として使用する無電池方式の非接触式デー
タキャリア装置がIDカード用、搬送物の認識用タグ等
として広く用いられるようになってきた。
【0004】このような電磁結合方式の非接触式データ
キャリア装置においては、質問機はOSC(発振器)で
発生させた搬送波を送信データに応じて変調し、その変
調波をドライバー回路で増幅してアンテナコイルを駆動
し、データを応答機に送信するようにしている。
【0005】応答機は、質問機から送られる信号をアン
テナコイルで受信すると、整流回路で搬送波を整流して
内部の動作電力を得るとともに、復調回路で受信信号を
復調してデータ処理回路に送り、データ処理回路で所定
の処理を行うことにより、質問機から送られるデータを
復調するようにしている。
【0006】図6は、このようなデータキャリア装置の
一例を示すブロック図である。図6に示すように、この
データキャリア装置は質問機200 と応答器300 とを備え
る。上記応答器300 は被検出物等に設置され、上記応答
器300 は、この被検出物等の情報をあらかじめ保持して
いる。
【0007】上記質問機200 は、送信部201 と、受信部
202 と、コイル203 と、コンデンサ204 とを備える。そ
して、上記質問機200 は、応答器300 が保持する情報を
読み出すときに、高周波のバースト状の質問信号を出力
する。このとき、質問信号である、バース卜状の高周波
の信号部分の周波徴が、あらかじめ設定されている。こ
の周波教が通信周波数となる。コイル203 とコンデンサ
204 は、通信周波数で共振する回路を形成する。この回
路は、送信部201 からバースト状の質問信号を受け取る
と、この質問信号を磁界に変換して質問波A を送信す
る。
【0008】応答器300 は、コイル301 とコンデンサ30
2 と応答部303 とを備える。コイル301 とコンデンサ30
2 は、所定の同調周波数を持つ同調回路を形成する。通
常、同調周波数は、通信周波教と同じになるように設定
されている。
【0009】応答器300 側では、コイル301 とコンデン
サ302 の同調回路は、質問機200 からの質問波A を受信
すると、バースト状の受信信号を発生する。応答部303
は、同調回路から受信信号を受け取ると、受信信号のバ
ーストの部分から直流電源を生成して、内部に備えるマ
イクロプロセッサ(図示を省略)を駆動する。
【0010】この駆動により、マイクロプロセッサは、
保持する情報を読み出す。応答部303 は、マイクロプロ
セッサからの情報を含む、高周波の応答信号を、バース
ト状の受信信号の中の無信号部分で出力する。コイル30
1 は、応答信号を磁界に変換して応答波B を送信する。
【0011】質問機200 のコイル203 は、応答波B を受
信すると、受信信号を発生する。受信部202 は、受信信
号を受け取ると、所定周波教の信号を選択する。そし
て、受信部202 は、選択した受信信号の中に含まれる情
報を再生する。
【0012】このようにして、質問機200 は、被検出物
等に設置された応答器300 から、情報を取り出すと同時
に、応答器300 は、質問波A により駆動されるので、他
の外部からの電源供給がなくても動作する。
【0013】しかしながら、応答器300 側での同調周波
数が変化して送信機側の送信周波数との同調がずれると
応答器300 側で得られる電力が急速に減少する。そこ
で、特開平9-113614号公報に示すように、送信機側の送
信周波数を自動的に調整して常に最も効率よく電力伝送
が行えるようにしている。
【0014】ところで、質問機200 側から大きな電力を
送るためには、質問機200 の消費電力を大きくする必要
が有るので、質問機200 がポータブル型の場合には、送
信可能な電力に限界が生じる。
【0015】そこで、質問機200 側の消費電力を可及的
に小さくしながら、応答機側で大きな電力が得られるよ
うにするために、質問機200 側の送信回路における送信
効率を向上させることが望まれている。具体的には、質
問機200 側の送信アンテナコイルにコンデンサを接続し
て共振回路を形成し、アンテナ回路を送信周波数に共振
させることにより、高いQ値を得るようにしている。
【0016】上記質問機200 のアンテナ回路の共振周波
数は、質問機200 の周囲の環境に応じて大きく変化して
しまうので、通信を行うときには共振回路の同調をやり
直すことが必要である。そこで、この種のデータキャリ
ア装置では、質問機200 に自動同調回路を設け、アンテ
ナ回路を自動的に同調させるようにしている。
【0017】アンテナ回路を同調させるために、例え
ば、特開平9ー113614号公報にて提案されている
ように複数のコンデンサを配設し、上記コンデンサの幾
つかを選択してアンテナコイルと共振させることが行わ
れている。
【0018】しかし、上記公報にて提案されているよう
に、複数個配設するコンデンサの容量値が全て同じであ
ると、以下に述べる問題が発生する。すなわち、周波数
を細かく調整するために容量値の変化幅を小さくし、し
かも全体として大きな容量値を確保するようにすると膨
大な個数のコンデンサを配設しなければならなくなって
しまう問題が生じる。そこで、各コンデンサの容量値を
べき級数的に増加させて複数のコンデンサを配設するこ
とが考えられる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、例え
ば、各コンデンサの容量値を1,2,4,8,1
6....n(自然数)のようなべき級数状に増加させ
れば、所定の変化幅で容量値を増加させることができ
る。
【0020】この場合、第1のコンデンサの容量値が1
pF、第2のコンデンサの容量値が2pF、第3のコン
デンサの容量値が4pF、第4のコンデンサの容量値が
8pF、第5のコンデンサの容量値が16pFなので、
第1のコンデンサを選択すると、容量値は1pFとな
り、第2のコンデンサを選択すると、容量値は2pFと
なる。
【0021】また、第1のコンデンサ及び第2のコンデ
ンサの両方を選択すると、合計の容量値は3pFとな
り、第3のコンデンサを選択すると4pFとなるので、
上述のようにべき級数的に増加させると、コンデンサの
容量値を1pFずつ連続的に増加させて行くことができ
る。
【0022】しかし、実際に使用されている汎用コンデ
ンサの容量値はべき級数毎のきざみ巾で用意されている
わけではなく、その容量値も厳密なものでは無いので、
一般的に、容量値の大きさにはかなり大きなばらつきが
生じている。また、経時変化や温度特性による同調ずれ
等により、所定のステップ巾で容量値を変化させること
ができない場合が生じる。
【0023】例えば、上述の例で第1〜第4のコンデン
サを全て選択した時の容量値は15pFとなるが、これ
より1pFだけ大きな容量値を選択しようとする場合に
は、上記第1〜第4のコンデンサの選択を全てOFFと
し、第5のコンデンサのみを選択するようにする。
【0024】このような場合、上記第5のコンデンサの
容量値が正確に16pFであれば問題は生じない。しか
し、上述したように汎用コンデンサの場合は容量値にば
らつきがあり、例えば上記第5のコンデンサの容量値が
17pFや18pF(これらの値の前後値も含む)の場
合がある。
【0025】このような場合は、15pFよりも大きな
容量値は17pFや18pFとなってしまうので、16
pFの値が飛んでしまい、容量値変化の連続性を確保で
きなくなってしまう問題が発生する。
【0026】また、本発明の対象となるデータキャリア
装置は、磁界の変化を用いてデータ通信を行っているた
め、設置場所の影響を受けやすく、アンテナコイルの周
囲に金属物が置かれていると、コイル301、203間
の結合状態が変化し、同調周波数が変動してしまうとい
う問題があった。したがって、このような場合には、質
問機200の設置場所で同調周波数の現地調整が必要に
なる。
【0027】本発明は上述の問題点にかんがみ、コンデ
ンサに重み付けを行ってコンデンサの配設個数を可及的
に減少させ、しかも容量値を細かく設定することがで
き、かつ容量値変化の連続性を確実に確保できるように
することを特徴とする。
【0028】また、本発明の他の目的は、目的の同調周
波数に自動的に同調する自動同調回路を提供し、現地で
の負荷調整を軽減することにある。また、本発明のその
他の目的は、コイル、コンデンサ等の部品の品質にバラ
ツキが有る場合にも目的の同調周波数に自動的に調整す
る自動同調回路を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明の自動同調回路
は、アンテナ回路がアンテナコイルと複数のコンデンサ
とで構成されるとともに、上記複数のコンデンサはその
容量値が所定の割合で大きくなるように重み付けされて
いて、上記複数のコンデンサのうちの幾つかを選択する
ことで上記アンテナ回路が送信周波数に同調するように
構成された自動同調回路において、上記複数のコンデン
サは所定の割合で大きくなるように重み付けされている
とともに、(n+1)個目の容量値が、1個目〜n個目
迄の各コンデンサの容量値を合計した値よりも小さな値
となるような重み付けが行われていることを特徴として
いる。また、本発明の他の特徴とするところは、上記複
数のコンデンサを、E12系列の2個飛ばしで配列して
上記(n+1)個目の容量値が、1個目〜n個目迄の各
コンデンサの容量値を合計した値よりも小さな値となる
ようにしたことを特徴としている。また、本発明のデー
タキャリア装置の特徴とするところは、質問用の磁界を
送信する質問機と、上記質問機から送信される磁界を受
信して動作電力を得て動作し、上記質問機からの質問に
対する応答波を送信する応答機とからなり、上記質問機
にはアンテナコイルと複数のコンデンサとで構成される
アンテナ回路が設けられていて、上記複数のコンデンサ
は容量値が所定の割合で大きくなるように重み付けされ
ていて、上記複数のコンデンサのうちの幾つかを選択す
ることで上記アンテナ回路が送信周波数に同調するよう
に構成されたデータキャリア装置において、上記複数個
のコンデンサの容量値の重み付けは、(n+1)個目の
容量値が、1個目〜n個目迄の各コンデンサの容量値を
合計した値よりも小さな値となるように設定されている
ことを特徴としている。また、本発明のデータキャリア
装置の他の特徴とするところは、上記複数のコンデンサ
を、E12系列の2個飛ばしで配列して上記(n+1)
個目の容量値が、1個目〜n個目迄の各コンデンサの容
量値を合計した値よりも小さな値となるようにしたこと
を特徴としている。また、本発明のデータキャリア装置
の他の特徴とするところは、上記アンテナ回路の同調周
波数が送信周波数と一致するように上記複数のコンデン
サの幾つかを選択する同調制御手段と設け、上記同調制
御手段は、位相の進みを検出する第1の位相検出手段
と、位相の連れを検出する第2の位相検出手段と、上記
第1及び第2の位相検出手段の出力に応じてカウントア
ップまたはカウントダウンするカウンタ手段とを供え、
上記カウンタ手段の各ピットの出力によって前記複数の
コンデンサのうちの幾つかをON-OFF制卸することを特徴
としている。
【0030】
【作用】本発明は上記技術手段を有するので、複数のコ
ンデンサの容量値の重み付けを行う際に、(n+1)個
目の容量値が、1個目〜n個目迄の各コンデンサの容量
値を合計した値よりも小さな値となるので、それまで選
択していた容量値よりも大きな容量値のコンデンサを選
択する場合に、新たに選択したコンデンサの容量値は、
それまで選択していた複数のコンデンサの容量を合計し
た値よりも必ず小さくなり、設定値が大きく飛んでしま
って所望の設定値が得られなくなってしまう不都合が生
じない。これにより、複数のコンデンサの何れかを選択
して所定の容量値を確保するときに、細かいステップで
容量値を設定することを、可及的に少ない個数のコンデ
ンサを配設て行うことが可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の自動同調回路及び
それを用いたデータキャリア装置の一実施の形態を説明
する。まず、図1を参照しながら本発明の第1の実施の
形態を説明する。この第1の実施の形態のデータキャリ
ア装置は、直列共振型のアンテナ回路10を設けた例を
示している。
【0032】上記アンテナ回路10は、コイルL及び複
数の共振用コンデンサC1 〜Cn によりアンテナ共振回
路が構成されており、送信部11から送られる送信信号
を効率よく応答機に送信するようにしている。上記コイ
ルL及び複数の共振用コンデンサC1 〜Cn による共振
動作については、後で詳述する。
【0033】本実施の形態のデータキャリア装置におい
ては、量子化器12、位相比較回路13、同調ずれ判定
回路14、アップダウンカウンタ15(図2参照)を有
し、同調ずれ判定回路14の出力に応じて常にアンテナ
回路10が同調するようになっている。
【0034】上記量子化器12は2つのコンパレータ1
21、122及び2つのシュミット回路123、124
を有し、送信部11から出力された信号を上記第2のコ
ンパレータ122の反転入力端子に入力し、コイルLを
通った信号を分圧回路16で分圧し、この分圧した電圧
を上記第1のコンパレータ121の反転入力端子に入力
している。
【0035】そして、上記第1のコンパレータ121の
出力を第1のシュミット回路123に入力し、第2のコ
ンパレータ122の出力を第2のシュミット回路124
に入力している。
【0036】また、位相比較回路13はEXOR回路1
31を有し、上記EXOR回路131の一側端子に上記
第1のシュミット回路123の出力が供給され、他側端
子には上記第2のシュミット回路124の出力が供給さ
れる。そして、上記EXOR回路131の出力がフィル
タ回路132を通して同調ずれ判定回路14に出力され
る。
【0037】上記同調ずれ判定回路14は、2つのコン
パレータ141、142を有し、上記EXOR回路13
1の出力が上記第1のコンパレータ141の非反転入力
端子に供給されるとともに、第2のコンパレータの14
2の反転入力端子に供給される。そして、上記第1のコ
ンパレータ141からは第1のずれ判定信号Xが出力さ
れ、また、第2のコンパレータの142からは第2のず
れ判定信号Yが出力される。
【0038】上記第1及び第2のずれ判定信号X,Y
は、アップダウンカウンタ15とともに同調制御手段を
構成するコントロールロジック回路17に与えられる。
上記コントロールロジック回路17は、図2中に示した
ようなロジックに従って動作して上記アップダウンカウ
ンタ15の動作を制御する。
【0039】すなわち、上記第1のずれ判定信号Xが
“1”レベルで第2のずれ判定信号Yが“0”レベルの
ときには、アップダウンカウンタ15のカウント値が上
がる方向に動作させる。
【0040】また、上記第1のずれ判定信号Xが“0”
レベルで第2のずれ判定信号Yが“1”レベルのときに
は、アップダウンカウンタ15のカウント値が下がる方
向に動作させる。
【0041】また、上記第1のずれ判定信号Xが“0”
レベルで第2のずれ判定信号Yが“0”レベルのとき、
及び第1のずれ判定信号Xが“0”レベルで第2のずれ
判定信号Yが“1”レベルのときには、アップダウンカ
ウンタ15のカウント値が上がる方向にも下がる方向に
も制御しない。
【0042】上記アップダウンカウンタ15は、コント
ロールロジック回路17から与えられる制御信号に従っ
てカウント値を上下させるものであり、Q1 〜QN 個の
出力端子を有している。
【0043】これらの出力端子Q1 〜QN は、アンテナ
回路10に設けられている複数の共振用コンデンサC1
〜Cn と直列にそれぞれ接続されたMOSトランジスタ
のゲート回路に接続されている。これにより、上記出力
端子Q1 〜QN の論理レベルに応じて上記MOSトラン
ジスタがON/OFF動作して、各共振用コンデンサC
1 〜Cn が選択され、アンテナ回路10が送信信号の周
波数に共振するように制御される。
【0044】図3は、アンテナ回路10を125KHzに共振
させる場合の各部の動作を説明する信号波形図である。
図3に示したように、アンテナ回路10が同調している
ときには、B点に現れる信号はコンデンサを通過してい
るので、A点の信号波形よりも90度だけ遅れている。
【0045】それに対し、125KHzよりも小さい方にずれ
ると、B点の信号波形とA点の信号波形との位相差が9
0度よりも小さくなる。この場合には、上記EXOR回
路131の“H”レベル期間が短くなることにより、フ
ィルタ回路132の出力が低下し、この出力低下が同調
ずれ判定回路14により検出される。
【0046】そして、上記同調ずれ判定回路14の検出
出力によってコントロールロジック回路17及びアップ
ダウンカウンタ15の動作が制御され、上記複数の共振
用コンデンサC1 〜Cn が選択され、アンテナ回路10
が送信信号の周波数に共振するように制御される。
【0047】一方、共振周波数が125KHzよりも大きい方
にずれると、B点の信号波形とA点の信号波形との位相
差が90度よりも大きくなる。この場合には、上記EX
OR回路131の“H”レベル期間が長くなるので、フ
ィルタ回路132の出力が上昇し、この出力上昇が同調
ずれ判定回路14により検出される。
【0048】したがって、この場合は上述した場合とは
逆方向にコントロールロジック回路17及びアップダウ
ンカウンタ15の動作が制御され、ずれを補正するのに
適した共振用コンデンサC1 〜Cn の何れかが選択され
て、アンテナ回路10が送信信号の周波数に共振するよ
うに制御される。
【0049】上述のように、本実施の形態においては、
位相がずれた場合は、複数の共振用コンデンサC1 〜C
n の中から、ずれを補正するのに適した何れかのコンデ
ンサを選択するようにしている。また、本実施の形態の
データキャリア装置においては、(n+1)個目の容量
値が、1個目〜n個目迄の各コンデンサの容量値を合計
した値よりも小さな値となるように上記共振用コンデン
サC1 〜Cn に重み付けを行っている。これにより、後
述するように、所定の割合で増加するようにした容量値
がコンデンサを選択する仕方によって飛んでしまい、所
望の値が得られなくなってしまう不都合を確実に回避す
ることができる。
【0050】次に、図4を参照しながら本発明の第2の
実施の形態を説明する。上述した実施の形態はアンテナ
回路を直列共振回路に構成した例を示したが、この第2
の実施の形態の場合には並列共振回路に構成したアンテ
ナ回路20の例を示している。なお、その他の構成は上
述した第1の実施の形態で示した図1の構成と同様なの
で、図示を省略する。
【0051】図4に示したように、本実施の形態のアン
テナ回路20は、直列共振用のコンデンサとしてC1
9 を配設している。そして、各共振用コンデンサC1
〜C9 は、上述した第1の実施の形態の共振用コンデン
サと同様に、(n+1)個目の容量値が、1個目〜n個
目迄の各コンデンサの容量値を合計した値よりも小さな
値となるように重み付けしている。
【0052】このような重み付けの具体的例を説明す
る。上記コンデンサC1 〜C9 として、入手の容易なE
12系列の容量値で±5%のコンデンサを2個飛ばしに
配列して用いることができる。例えば、C1=1000
pF、C2=1800pF、C3=3300pF、C4
=5600pF、C5=0.01μ、C6=0.018
μF、C7=0.033μF、C8=0.056μF、
C9=0.1μFのように設定することができる。
【0053】各コンデンサの値を上述のように設定し、
上記各共振用コンデンサC1 〜C9の幾つかを選択する
と、図5(a)に示すように、コンデンサの容量値の変
化を所定のステップで増加させて行くことができる。そ
して、上記選択していたコンデンサ(1個目〜n個目)
を全てOFFにして、大きな容量値のコンデンサ(n+
1個目)を選択した場合には、図5(a)において矢印
50aで示したように、容量値は瞬間的に落ち込むよう
にしている。これにより、本実施の形態においては、各
コンデンサの容量値にばらつきがあった場合でも、容量
値の増加ステップに空白が生じないようにすることがで
きる。
【0054】そして、上記のように容量値が落ち込んだ
場合には、新たに選択した(n+1)個目のコンデンサ
の他に、1個目〜n個目のコンデンサを任意に選択する
ことにより、所望の容量値を得ることができるので、本
実施の形態によれば、図5(b)中の矢印50bで示す
ような、容量値の増加ステップに空白部分が生じないよ
うにすることができる。
【0055】(同調検出原理)次に、同調検出原理につ
いて詳細に説明する。LCのシリーズ共振回路を電圧駆
動するとき、同調点ではコイルLのインダクタンスとコ
ンデンサCのキャパシタンスによるインピーダンスが互
いに逆位相で打ち消し合うため0(ゼロ)になる。この
場合、理想条件ならば∞の電流が流れることになるが、
実際には駆動系の内部インピーダンスと、コイルL及び
コンデンサCの損失抵抗分があるので、電流値は∞とは
ならずに制限される。
【0056】コイルLとコンデンサCに流れる電流は同
じであり当然同じ位相である。但し、コイルLとコンデ
ンサCのそれぞれの両端の電圧は、コイルLは電流に対
して約90度進み、コンデンサCは電流に対し約90度
遅れる。
【0057】コイルLとコンデンサCにかかる電圧が同
じになる同調点では、駆動電圧の位相と電流の位相は等
しくなる。よって、「駆動電圧と電流が同じ位相になる
ように調整」=「コンデンサの両端の電圧が駆動電圧の
位相より90度遅れになるように調整」すればよい。
【0058】(第2の実施の形態)ところで、図1に示
した回路では、コンデンサC1,C2,・・・Ccを出
力端子Q1,Q2,・・・Qcに接続されたMOSトラ
ンジスタで接続、非接続を制御しているが、実際にはM
OSトランジスタのドレインとグランド間に容量(ドレ
イン・ソース間容量+ドレイン・ゲート間容量)が存在
し、このドレインとグランド間容量がコンデンサC1,
C2,・・・Cnに比べて小さい場合には問題ないが、
コンデンサC1,C2,・・・Ccとの差が少なくなる
と、MOSトランジスタがオフしても完全に切断されな
いことになり、全体の容量が目的の容量にならないと言
う弊害が発生する。
【0059】そこで、この第2の実施の形態では、図7
に示すように、予め各MOSトランジスタに並列にコン
デンサC11,C12,・・・Cccを接続しておき、
MOSトランジスタをオン・オフすることで、総合容量
を変化させるようにしている。そして、全てのMOSト
ランジスタがオフしているときの総容量が図1の実施の
形態における初期設定コンデンサC1と同じになるよう
に各コンデンサの容量が決定される。
【0060】コンデンサC1とコンデンサC11とを例
にとると、コンデンサC1とコンデンサC11の比、
「コンデンサC1:コンデンサC11」が大きいほどM
OSトランジスタのオン・オフによる容量の変化が少な
く、その反対に、比「C1:C11」が小さいほどMO
Sトランジスタのオン・オフによる容量の変化が大きく
なる。
【0061】コンデンサC11,C12,・・・Ccc
の値は、MOSトランジスタの特性等に応じて設計的に
最高値が求められる。
【0062】また、各MOSトランジスタのソース・ド
レイン間電圧がコイルLを通った電圧をコンデンサC1
等とコンデンサC11等で分圧した電圧となるので、各
MOSトランジスタの耐圧を小さくすることができる効
果が得られる。
【0063】
【発明の効果】本発明は上述したように、アンテナ回路
を送信周波数に同調させるためのコンデンサを複数個設
けるとともに、上記複数個の共振用コンデンサの重み付
けを、(n+1)個目に配設されたコンデンサの容量値
が、1個目〜n個目迄に配設された各コンデンサの容量
値を合計した値よりも小さな値となるように設定したの
で、大きな容量値のコンデンサ(n+1)個目を選択し
て、所定のステップで容量値を増加させる際に、コンデ
ンサの製造ばらつきや、経時変化及び温度特性の変化等
による増加ステップの空白部分が生じないようにするこ
とができる。これにより、アンテナ回路の共振周波数を
きめ細かく設定することを、共振用コンデンサの配設個
数を少なくして実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、質問機の概
略を示すブロック図である。
【図2】同調制御手段の一例を示すブロック図である。
【図3】アンテナ回路を125KHzに共振させる場合の各部
の動作を説明する信号波形図である。
【図4】第2の実施の形態を示し、アンテナ回路を直列
共振回路で構成した例を示すブロック図である。
【図5】コンデンサの容量変化ステップの例を示し、
(a)は大きな容量値のコンデンサを選択したときにコ
ンデンサの容量値が落ち込む例を示し、(b)は大きな
容量値のコンデンサを選択したときにコンデンサの容量
値が飛んで空白が生じる例を示す図である。
【図6】従来のデータキャリアシステムの一例を示すブ
ロック図である。
【図7】第2の実施の形態を示し、質問機の概略を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
10 アンテナ回路 11 送信部 12 量子化器 13 位相比較回路 14 同調ずれ判定回路 15 アップダウンカウンタ 16 分圧回路 17 コントロールロジック回路 C1 〜Cn 共振用コンデンサ L コイル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナ回路がアンテナコイルと複数の
    コンデンサとで構成されるとともに、上記複数のコンデ
    ンサはその容量値が所定の割合で大きくなるように重み
    付けされていて、上記複数のコンデンサのうちの幾つか
    を選択することで上記アンテナ回路が送信周波数に同調
    するように構成された自動同調回路において、 上記複数のコンデンサは所定の割合で大きくなるように
    重み付けされているとともに、(n+1)個目の容量値
    が、1個目〜n個目迄の各コンデンサの容量値を合計し
    た値よりも小さな値となるような重み付けが行われてい
    ることを特徴とする自動同調回路。
  2. 【請求項2】 上記複数のコンデンサを、E12系列の
    2個飛ばしで配列して上記(n+1)個目の容量値が、
    1個目〜n個目迄の各コンデンサの容量値を合計した値
    よりも小さな値となるようにしたことを特徴とする請求
    項1に記載の自動同調回路。
  3. 【請求項3】 質問用の磁界を送信する質問機と、上記
    質問機から送信される磁界を受信して動作電力を得て動
    作し、上記質問機からの質問に対する応答波を送信する
    応答機とからなり、上記質問機にはアンテナコイルと複
    数のコンデンサとで構成されるアンテナ回路が設けられ
    ていて、上記複数のコンデンサは容量値が所定の割合で
    大きくなるように重み付けされていて、上記複数のコン
    デンサのうちの幾つかを選択することで上記アンテナ回
    路が送信周波数に同調するように構成されたデータキャ
    リア装置において、 上記複数個のコンデンサの容量値の重み付けは、(n+
    1)個目の容量値が、1個目〜n個目迄の各コンデンサ
    の容量値を合計した値よりも小さな値となるように設定
    されていることを特徴とするデータキャリア装置。
  4. 【請求項4】 上記複数のコンデンサを、E12系列の
    2個飛ばしで配列して上記(n+1)個目の容量値が、
    1個目〜n個目迄の各コンデンサの容量値を合計した値
    よりも小さな値となるようにしたことを特徴とする請求
    項3に記載のデータキャリア装置。
  5. 【請求項5】 上記アンテナ回路の同調周波数が送信周
    波数と一致するように上記複数のコンデンサの幾つかを
    選択する同調制御手段と設け、上記同調制御手段は、位
    相の進みを検出する第1の位相検出手段と、位相の連れ
    を検出する第2の位相検出手段と、上記第1及び第2の
    位相検出手段の出力に応じてカウントアップまたはカウ
    ントダウンするカウンタ手段とを供え、上記カウンタ手
    段の各ピットの出力によって前記複数のコンデンサのう
    ちの幾つかをON-OFF制卸することを特徴とする請求項4
    に記載のデータキャリア装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009072230A1 (ja) * 2007-12-07 2009-06-11 Panasonic Corporation 検波用回路装置および携帯機器
DE102010029305A1 (de) 2009-06-03 2010-12-09 Casio Computer Co., Ltd. Funkwellenempfänger
DE102010029363A1 (de) 2009-06-03 2010-12-23 Casio Computer Co., Ltd. Funkwellenempfänger

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