JPH11310778A - 湖沼等における土壌改良方法及びその改良物質 - Google Patents

湖沼等における土壌改良方法及びその改良物質

Info

Publication number
JPH11310778A
JPH11310778A JP11765898A JP11765898A JPH11310778A JP H11310778 A JPH11310778 A JP H11310778A JP 11765898 A JP11765898 A JP 11765898A JP 11765898 A JP11765898 A JP 11765898A JP H11310778 A JPH11310778 A JP H11310778A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soil
lake
sand
lakes
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11765898A
Other languages
English (en)
Inventor
Kayohiko Tanimoto
佳代彦 谷元
Masami Gibo
政巳 宜保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GIBO KENSETSU KOGYO KK
KANKYO BIKEN KK
Original Assignee
GIBO KENSETSU KOGYO KK
KANKYO BIKEN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GIBO KENSETSU KOGYO KK, KANKYO BIKEN KK filed Critical GIBO KENSETSU KOGYO KK
Priority to JP11765898A priority Critical patent/JPH11310778A/ja
Publication of JPH11310778A publication Critical patent/JPH11310778A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Abstract

(57)【要約】 【課題】 湖沼等の湖底に堆積した腐養泥を部分的に撤
去して植生帯兼用の好気性バクリアの固定床を形成する
土壌改良方法及び公害を発生せずに腐養泥を固化改質す
る方法及びそれに使用する物質を提供することを目的と
する。 【解決手段】 湖沼等の堰堤2近傍の湖底土3上に堆積
した腐養泥を撤去して、沿岸に沿う湖内に溝部4を形成
し、この溝部4内の底土上に貝殻を粗割りしたチップ5
を入れ、該チップ5上に山砂6を入れ、この山砂6上に
活水サンド7を入れ、更に活水サンド7の上面に山砂貝
殻混合物8を入れて夫々敷き均しを行うことにより、植
生帯兼用の好気性バクテリアの固定床とした湖沼等にお
ける土壌改良方法を基本手段とする。上記活水サンド7
及び山砂貝殻混合物8の一方もしくは両方に電気石鉱石
を加えたことにより、この電気石鉱石の持つ疎水作用と
加水分解作用による相乗作用を付加した土壌改良方法を
提案する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は湖沼等における湖底
土上に堆積した腐養泥を部分的に撤去して植生帯兼用の
好気性バクテリアの固定床にするとともに、この腐養泥
に電解凝集結合剤を添加して固化するようにした土壌改
良方法及びその改良物質に関するものである。
【0002】
【従来の技術】我国の近年の経済的成長に伴って都市に
おける水の使用量が増大し、水資源の不足と水源の汚染
問題に直面している現状にある。又、水流が停滞する湖
沼とか貯水湖では水中の酸素が欠乏して嫌気性の分解が
進行し、水質の悪化が著しいものとなっている。
【0003】河川の場合でも上流部ではDO(溶存酸
素)が飽和に近いため、有機物が酸化分解されてBOD
(生物化学的酸素要求量)も低く、魚とか水生植物及び
昆虫類の幼虫の生息が可能であるが、湖沼等では過度の
富栄養化が進行して魚とか水鳥,昆虫類の生息は困難と
なっている。
【0004】これら河川とか湖沼等の水が好気性に保持
されていれば各種の有機物は酸化作用によって二酸化炭
素,水,硝酸,硫酸,リン酸などになり、植物性プラン
クトン,水生植物の栄養源となって水質も良好に保つこ
とができる。
【0005】通常、水質の階級として、「貧腐水性」,
「中腐水性」,「強腐水性」に区分することができる。
【0006】「貧腐水性」とは河川の上流に見られるよ
うに有機物がほとんど酸化され、DOが高く、BODが
低い水質であり、底土は好気バクテリアの酸化分解によ
り無機物で構成されている水質を指している。
【0007】「中腐水性」とは有機物の嫌気性分解が進
行し、BODは高いが硫化水素臭がないバクテリアが多
く、藻類が大量に発生し、コイ,フナ,ナマズ等の生物
が生息する水質を指している。
【0008】「強腐水性」とは湖沼等への有機物の流入
によってDOはほとんどゼロであり、BODも高い上、
嫌気性分解により硫化水素,アンモニア,ブタン等の臭
気が強く、底泥は硫化鉄で黒色を呈し、藻類とか原生動
物、魚類が生息しない所謂死滅状態の水質を指してい
る。
【0009】特に湖沼等は閉鎖性が強いため、流入する
栄養源(窒素とかリン)により富栄養化が促進されて微
生物ケイ藻とか緑藻類が発生し、これらの藻類が枯死し
て湖底に堆積して大量の腐養泥(ヘドロ)と化し、この
腐養泥が嫌気性分解により栄養塩が溶出して植物性プラ
ンクトン及び藻類の増殖エネルギーとなって腐水化が進
行することになる。
【0010】腐養泥とは動植物性、主に藻類等の枯死体
の有機質未分解物のヘドロ状物質であり、湖底等に限ら
ず、水路とか河川でも水流が微弱な箇所に発生する。
【0011】湖沼等の自浄作用を回復させるためには、
水を好気性に保持し、DOを高めるとともに多肥性の水
生植物であるホテイ草、ヨシ、マコモ等の植生帯を広く
設けることが必要である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】閉鎖性の強い湖沼の湖
底に堆積した腐養泥を完全に撤去すれば水質を回復させ
ることが可能であるが、これらの腐養泥は膨大な量であ
るため、撤去には莫大な費用と長時間を要してしまう問
題がある。又、単に腐養泥を撤去することは湖沼等にお
ける自然な自浄作用と基本的に相反する作業であって、
水質の悪化を防止する観点から根本的な解決手段である
とはいえない。
【0013】湖沼等のDOが十分に確保されていれば、
好気性バクテリアの分解作用により湖沼は清浄化され、
DOが不足すると好気性微生物が死滅して嫌気状の腐敗
して湖沼となる。前記したように湖沼の湖底に堆積した
腐養泥を撤去しても、流入してくる窒素とかリン及び栄
養宝庫の処理腐養泥から雨水等により溶出する栄養塩に
より湖沼等の水質が急速に汚濁化され、数年で元の腐養
泥の状態に戻ってしまうことになる。
【0014】従って湖沼等の自浄作用を回復させるため
には、水を好気性に保持してDOを高めるとともに湖底
の土壌を改良する一方、植生帯を湖沼等に流入する水域
に広く設け、多肥性の窒素,リンを好む水生植物である
ホテイ草、ヨシ、マコモ等の植物を定植することが好ま
しい。このような植物ゾーンを作ることによって富養塩
の除去及び多種の水中動物の産卵場所ともなり、多くの
水鳥が飛来するとともに魚及び昆虫類の繁殖に最適な環
境が得られる。
【0015】一般に湖底土付近のDOは極めて低く、沈
積している腐養泥は嫌気性バクテリアにより腐敗分解を
起こして水質汚濁の元凶となりやすい。この対応策とし
て、湖内沿岸周囲に好気性バクテリアの湖底床を設置し
て植生帯との兼用をはかる手段が理想的である。
【0016】他方で、従来より各種の沈泥とか汚泥の固
化処理剤が開発,販売されているが、自然環境に配慮し
た処理剤はほとんど存在せず、例えば処理汚泥が強アル
カリ性となって公害物質となったり、固化物から水質悪
化の元凶である栄養塩が溶出する等の問題点がある。
【0017】そこで本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって、湖沼等の湖底に堆積した腐養泥を部分的に撤
去して植生帯兼用の好気性バクリアの固定床を形成した
土壌改良方法及びその改良物質と、公害を発生せずに腐
養泥を固化する方法及びそれに使用する物質を提供する
ことを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、請求項1に記載したように、湖沼等の堰堤近
傍の湖底土上に堆積した腐養泥を撤去して、沿岸に沿う
湖内に溝部を形成し、この溝部内の底土上に貝殻を粗割
りしたチップを入れて敷き均し、該チップ上に山砂を入
れて敷き均しを行い、この山砂上に活水サンドを入れて
敷き均しを行い、更に活水サンドの上面に山砂貝殻混合
物を入れて敷き均しを行うことにより、植生帯兼用の好
気性バクテリアの固定床とした湖沼等における土壌改良
方法を基本手段とする。
【0019】上記活水サンド及び山砂貝殻混合物の一方
もしくは両方に電気石鉱石を加えたことにより、この電
気石鉱石の持つ疎水作用と加水分解作用による相乗作用
を付加した湖沼等における土壌改良方法を提案する。
【0020】活水サンドの標準組成として、SiO2
77.3%,Al23…12.3%,Fe23…0.74
%,CaO…0.50%,Na2O…4.16%,MgO
…0.05%,K2O…4.56%とし、pHは7とす
る。
【0021】前記電気石鉱石は、Na,Fe,Mn,A
l,Li,Mg,B,Si,F,O,H,K,Caの組
成元素でなる極性結晶体でなり、硬度7.25,比重3.
65,屈折率1.62〜1.64,複屈折率0.018の
六方晶系の鉱石で構成されている。
【0022】又、電解凝集結合剤として、酸化アルミニ
ウム(AlO2),酸化第二鉄(FeO),酸化マグネ
シウム(MgO)からなる構成物を用いる。
【0023】かかる湖沼等における土壌改良方法及びそ
の改良物質によれば、沿岸に沿う湖内に植生帯兼用の好
気性バクテリアの固定床が得られ、死滅状態の水質であ
る「強腐水性」の湖沼等であっても水を好気性に保持し
て湖沼等の自浄作用を回復させ、この固定床が植生帯を
兼ねているため水生植物が繁殖し、且つ植物ゾーンを作
ることによって富養塩の除去と水中動物の産卵場所が得
られて水鳥とか魚及び昆虫類の繁殖にも最適な環境が実
現される。
【0024】更に湖底土から撤去した腐養泥に電解凝集
結合剤と適量の石炭灰と消石灰を泥土のpHが7に達す
るまで混入して撹拌を行うことにより、「疎水化現象」
が発生して圧縮結合による不可逆性の疎水化が惹起さ
れ、泥土の固化を行うことができるとともに公害が発生
しない安全な資材として固化物を利用することが可能と
なる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明にかかる湖沼等にお
ける土壌改良方法及びその改良物質の具体的な実施の形
態を説明する。
【0026】先ず本発明にかかる土壌改良方法を湖沼に
適用した例を説明すると、図1に示したように、湖岸1
の堰堤2に沿って湖底土3上の腐養泥を部分的に撤去す
ることにより、沿岸に沿う湖内に水深100〜300m
m前後の浅い斜溝4を形成し、この斜溝4内の底土3直
上にホタテ貝等の貝殻を粗割りしたチップ5を入れ、5
0〜70mm前後の厚みとして敷き均しをする。
【0027】次に該チップ5上に、山砂6を50〜70
mm前後の厚みになるように入れて同様に敷き均しを行
い、この山砂6上に、活水サンド7を40〜60mm前
後の厚みになるように入れて同様に敷き均しを行う。更
に活水サンド7の上面に山砂貝殻混合物8を100mm
前後の厚みになるように入れて敷き均しを行うことによ
って本実施形態にかかる植生帯兼用の固定床が完成す
る。9は湖沼の水面である。
【0028】固定床の設置幅Lは堰堤2から6m〜7m
程度とするのが適当であるが、この長さよりも更に拡大
することによって効果が高められる。
【0029】ホタテ貝等の貝殻を粗割りしたチップ5
は、水質悪化の元凶である窒素,リンのうちの特にリン
に対する除去能力に優れている。作用としては素材破砕
表面の吸着とか晶析反応によるものではなく、炭酸塩か
らリン酸塩への直接的な塩組換反応によるものであり、
貝殻の素材である炭酸塩の溶解とリン酸塩生成の反応が
カップリングして効率よくリンを除去する。
【0030】尚、各種貝殻のリン除去能力は、ホッキ貝
> ホタテ貝 > カキ殻 > サンゴ砂の順となってい
る。
【0031】上記活水サンド7の標準組成は、SiO2
…77.3%,Al23…12.3%,Fe23…0.7
4%,CaO…0.50%,Na2O…4.16%,Mg
O…0.05%,K2O…4.56%とし(全て重量%)
であり、pHは7とした。この活水サンドとは、黒曜焼
石、真珠岩焼石の微粒子を指している。
【0032】更に本発明では、上記活水サンド7及び山
砂貝殻混合物8内の一方もしくは両方に電気石鉱石を加
えたことにより、この電気石鉱石の持つ疎水作用と加水
分解作用による相乗効果を上げることが特徴の1つとな
っている。
【0033】電気石鉱石とは特に活性サンド7の特性機
能を高めるために、水中の微生物環境の安定化と、自然
環境の保持及び活性土壌の維持,疎水化を実現する機能
を有する鉱石である。
【0034】以下に本発明で用いた電気石鉱石の組成と
機能に関して説明する。この電気石鉱石は硬度7.2
5,比重3.65,屈折率1.62〜1.64,複屈折率
0.018の六方晶系の鉱石であり、Na,Fe,M
n,Al,Li,Mg,B,Si,F,O,H,K,C
aの組成元素でなる極性結晶体である。
【0035】一般に誘電体とは電場の中に置くと電気分
極を生じて表面に電荷が現れる物質であるが、この電荷
とは静電気である。ところが極性結晶体である電気石鉱
石は、電場の中に置かなくても始めから電気分極をして
いるため、一方にプラス電極,他方にマイナス電極を自
然発生させる特性を有している。
【0036】このプラス電極とマイナス電極は必ずしも
バランスが取れているのではなく、常に不安定な状態に
ある。このアンバランス状態が電位であり、この電位が
あるためにマイナス電極から常時プラス電極に向けて電
子が流れる。この電子の流れが静電子である。
【0037】常時直流の静電気を発生しつづけている理
由は、宇宙から素粒子として降り注がれている電子には
プラスイオンとマイナスイオンとがあるが、プロトンと
呼ばれるプラスイオンは大気を通過せず、太陽風と呼ば
れるマイナスイオンだけが大気を通過する。このマイナ
スイオンにより電気石鉱石の電位が保たれ、マイナス電
極からプラス電極に向けて静電気が流れる。静電気の電
流値は0.06mA程度の微弱電流である。
【0038】電気石鉱石が常時直流の静電気を発生して
いることは、ボルトチェッカーによる電位測定、pH測
定、水素原子放出試験、マイナスイオン測定、加圧電流
測定により立証することが可能である。更に電気石鉱石
が発生している静電気により、水の電気分解が生じてい
ることからも立証される。
【0039】このように電気石鉱石は永久電極というユ
ニークな特性を有するが、その結晶体はねじれていて、
結晶体が原石,粉末,練状体からの固形化物であっても
小さいほど静電圧が高くなるという特性がある。
【0040】固体物理による静電圧の計算によれば、こ
の静電圧は100万ボルトに達する。この電気石鉱石及
びその粉末は、水分に触れると瞬間的に放電する。これ
に伴って周囲の水分が軽い電気分解を起こし、水の分子
〔H2O〕が水素イオン〔H+〕と水酸イオン〔OH-
に分離する。
【0041】この時にプラスイオンである〔H+〕はマ
イナス電極側に引き寄せられ、そこから放出される電子
と結合し、中和して水素原子となり、又は水素ガスとし
て大気中に放出される。
【0042】これはつまり水がアルカリ化されることを
示している。しかし前記したように静電気の電流値は
0.06mA程度の微弱電流であるため、水分は弱アル
カリとなり、且つ限りなくpH7.5に近づくことにな
る。
【0043】水酸イオン〔OH-〕は周囲の水の分子と
結合してヒドロキシイオン〔H22 -〕という界面活性
物質であるマイナスイオンになり、このヒドロキシイオ
ンが単分子膜を作り、界面活性効果が発生する。ヒドロ
キシイオンは生体内でも重要な役割を持つマイナスイオ
ンである。
【0044】図1に示したように、斜溝4内の底土3上
に5、山砂6、活水サンド7及び山砂貝殻混合物8を順
次敷き均しながら積層することによって植生帯兼用の好
気性バクテリアの固定床が実現される。
【0045】次に湖底土3から撤去した腐養泥の処理方
法を説明する。即ち、この腐養泥に対して本発明により
新たに開発した電解凝集結合剤を添加して固化改質する
ことが特徴となっている。
【0046】上記の電解凝集結合剤とは、イオン価の異
なる無機金属正荷電物質を溶媒中に合成配合し、単一正
荷電ではなし得ない反応を相乗効果により高正荷電位に
改善した液体凝集結合剤で本願出願人は「リバイバー」
と呼称している。
【0047】この電解凝集結合剤を沈泥中に添加するの
と同時に水和反応が起こり、各種の縮合正イオンが生成
され、沈泥の性状に関わりなく負荷電粒子に中和反応を
起こして粒子間に誘因作用を発生させ、団粒子に成長さ
せる作用が得られる。
【0048】具体的な処理方法は以下の通りである。先
ず、湖底土3からポンプアップされた泥土に浮水が多い
場合には、所定の沈澱時間を与えた後に上澄み水を調整
池に放流して水切りを行う。調整池の設備がない場合に
は、本電解凝集結合剤を浮水部分に少量添加し、緩やか
に撹拌して清澄後に支水溝に放流する。
【0049】尚、調整池が浮水で満杯の場合には、貯留
水1トン当たり本電解凝集結合剤を0.5リットルに高
分子溶解液0.5リットルを添加して撹拌する。撹拌後
に20〜30分で完全清澄水となるので、支水溝か湖内
に放流する。
【0050】添加方法として、本電解凝集結合剤をポリ
エチレン製のタンクに入れて耐薬品用ポンプを用いて泥
土中に平均に混入する。混入後はユンボ等により泥土の
撹拌を行う。
【0051】次に石炭灰(フライアッシュ)1kgを水
700ccの割合でタンク中に溶解し、中水ポンプを用
いて撹拌して沈澱の分離を防止し、平均濃度を保つ。そ
して汚泥用ポンプを用いて泥土中に平均に混入し、混入
後は前記と同様にユンボ等により泥土の撹拌を行う。
【0052】更に消石灰1kgを水700ccの割合で
タンク中に溶解し、同様に中水ポンプを用いて撹拌して
沈澱の分離を防止して平均濃度を保ち、汚泥用ポンプを
用いて泥土中に泥土のpHが7に達するまで混入して撹
拌を行う。
【0053】表1は腐養泥1トン当たりの電解凝集結合
剤(リバイバー),石炭灰(フライアッシュ)及び消石
灰の添加量を示している。
【0054】
【表1】
【0055】表1に基づく添加量によって上記の操作を
行うことにより、腐養泥が団粒子となり、完全な固化を
行うことができる。
【0056】表2は本電解凝集結合剤と国内産石炭灰
(フライアッシュ)、国産天然物消石灰及び石膏の混合
割合の一例を示す化学成分表である。
【0057】
【表2】
【0058】本電解凝集結合剤は、酸化アルミニウム
(AlO2),酸化第二鉄(FeO),酸化マグネシウ
ム(MgO)を基本構成物としている。この電解凝集結
合剤は強力な正電荷(陽イオン)を有しており、腐養泥
中に投入撹拌した後に放置すると、シリカとアルミニウ
ムがゲル化反応を起こし、カルシウムとの共存によって
エトリンガイドの針状結晶体を生成し、ポーラス構造内
部に多量の結晶水を固定すると同時にブリージング(浮
水の生成現象)を起こさずに緩やかな凝結が進行する。
【0059】固化反応の初期にシリカ,鉄塩,カルシウ
ムの共存により生成されるエトリンガイドは、自重の4
0〜50%の結晶水を保持する水和物で、土粒子間に架
橋を形成し、土壌の固化強度を高める。又、処理時の含
水比も低減し、ブリージング現象は生じない。
【0060】固化反応の中期にはカルシウムシリケート
が生成される。このカルシウムシリケート水和物はエト
リンガイドの架橋の補強と固化強度を高める働きをす
る。
【0061】固化反応の後期には、ポゾラン反応として
電解凝集結合剤,フライアッシュ,消石灰,土壌等の組
成分から水和反応により生成された各種総合イオンが電
気的に異性荷電を中和し、腐養泥の持つ親水基を破壊し
て凝結反応により団粒土壌に変える。
【0062】ポゾラン反応としては、水和反応により生
成された総合イオンがシリカや鉄塩と結合してカルシウ
ムシリケートやカルシウムアルミネート水和物を生成
し、土粒子の硬結をはかるものと考えられる。
【0063】腐養泥の団粒子が得られる作用を理論的に
説明すると、前記の水和反応時に数系統の荷電位物質が
水中で反応を起こし、異性荷電との強い衝突結合が生じ
てコロイド荷電二重層の殻を余すことなく破壊し、同時
に拘束水分子の極を中和せしめて自由水に変え、沈泥組
織微粒子間にファンデルワールスの法則による引力の強
化現象が発生して凝集結合が始まり、団粒子に成長す
る。この現象を電解結合と呼んでいる。
【0064】成長した団粒子は荷電を失っているため、
粒子相互間に引力圧縮が生じて粒子間から自由水が押し
出される「疎水化現象」が発生する。そして時間の経過
に伴って芯から堅固な圧縮結合による不可逆性の疎水化
が続き、汚泥には戻らない団粒子となる。
【0065】本電解凝集結合剤による固化反応理論か
ら、セメントの固化阻害物質であるリグニン等多量の有
機物の存在下でも上記の反応が進行するため、腐養泥土
壌の固化が可能となる。又、自然乾燥させた腐養泥を重
機等で転圧することによって硬度が調節でき、更に雨水
等で軟弱な地盤に戻る惧れがない。
【0066】以上述べた本発明の実施形態では、湖沼等
における土壌改良方法及びその改良物質として説明した
が、本発明は湖沼等に限定されるものではなく、流れの
緩やかな河川とか貯水池等にも応用して大きな効果を挙
げることができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる湖
沼等における土壌改良方法及びその改良物質によれば、
以下に記す各種の効果が得られる。
【0068】先ず湖沼等の堰堤近傍の湖底土上に堆積し
た腐養泥を撤去して、沿岸に沿う湖内に形成した溝部内
の底土上に貝殻を粗割りしたチップと山砂、活水サンド
及び山砂貝殻混合物を入れて敷き均しを行うことによ
り、植生帯兼用の好気性バクテリアの固定床が得られ、
有機物の流入によってDOがほとんどゼロで、死滅状態
の水質である「強腐水性」の湖沼等であっても水を好気
性に保持してDOを高めて湖沼等の自浄作用を回復させ
ることができる。
【0069】従って閉鎖性の強い湖沼の湖底に堆積した
腐養泥を完全に撤去しなくても水質を回復させることが
可能となり、多量の腐養泥の撤去に要する莫大な費用と
時間は不要となる。
【0070】特に固定床が植生帯を兼ねているため、こ
の植生帯を水域に広く設けることにより、水生植物であ
るホテイ草とか、ヨシ、マコモ等の植物が繁殖し、この
ような植物ゾーンを作ることによって富養塩の除去と多
種の水中動物の産卵場所が得られて多くの水鳥が飛来す
るとともに魚及び昆虫類の繁殖にも最適な環境が実現さ
れる。又、湖沼とか河川の水が好気性に保持されていれ
ば各種の有機物は酸化作用によって二酸化炭素,水,硝
酸,硫酸,リン酸などになり、植物性プランクトン,水
生植物の栄養源となって水質も良好に保つことができ
る。
【0071】更に本発明によれば、湖底土から撤去した
腐養泥に、電解凝集結合剤と適量の石炭灰(フライアッ
シュ)と消石灰を泥土のpHが7に達するまで混入して
撹拌を行うことにより、団粒子が成長するとともに成長
した団粒子は荷電を失っているため、粒子相互間の引力
圧縮によって自由水が押し出される「疎水化現象」が発
生して堅固な圧縮結合による不可逆性の疎水化が引き起
こされて、汚泥には戻らない団粒子として泥土の固化改
質を行うことが可能となる。
【0072】特に本発明により得られた電解凝集結合剤
を用いて腐養泥を固化改質することにより、セメントの
固化阻害物質であるリグニン等多量の有機物の存在下で
も腐養泥土壌の完全固化が可能となり、更に自然乾燥さ
せた腐養泥を転圧することによって硬度が調節できるた
め、自然環境を配慮して公害が発生しない埋立用資材そ
の他の安全な資材として使用することができる。特に雨
水等で軟弱化する惧れがないため、固化物から水質悪化
の元凶である栄養塩が溶出する等の問題は発生しないと
いう大きな特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる土壌改良方法を湖沼に適用した
例を説明するための概要図。
【符号の説明】
1…湖岸 2…堰堤 3…湖底土 4…斜溝 5…チップ 6…山砂 7…活水サンド 8…山砂貝殻混合物 9…水面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湖沼等の堰堤近傍の湖底土上に堆積した
    腐養泥を撤去して、沿岸に沿う湖内に溝部を形成し、こ
    の溝部内の底土上に貝殻を粗割りしたチップを入れて敷
    き均し、該チップ上に山砂を入れて敷き均しを行い、こ
    の山砂上に活水サンドを入れて敷き均しを行い、更に活
    水サンドの上面に山砂貝殻混合物を入れて敷き均しを行
    うことにより、植生帯兼用の好気性バクテリアの固定床
    としたことを特徴とする湖沼等における土壌改良方法。
  2. 【請求項2】 前記活水サンド及び山砂貝殻混合物の一
    方もしくは両方に電気石鉱石を加えたことにより、この
    電気石鉱石の持つ疎水作用と加水分解作用による相乗作
    用を付加したことを特徴とする請求項1記載の湖沼等に
    おける土壌改良方法。
  3. 【請求項3】 湖底土から撤去した腐養泥に、電解凝集
    結合剤と適量の石炭灰(フライアッシュ)と消石灰を、
    泥土のpHが7に達するまで混入して撹拌を行うことに
    より、泥土の固化改質を行うことを特徴とする湖沼等に
    おける土壌改良方法。
  4. 【請求項4】 活水サンドの標準組成として、SiO2
    …77.3%,Al23…12.3%,Fe23…0.7
    4%,CaO…0.50%,Na2O…4.16%,Mg
    O…0.05%,K2O…4.56%とし、pHは7とし
    たことを特徴とする湖沼等における土壌改良物質。
  5. 【請求項5】 電気石鉱石は、Na,Fe,Mn,A
    l,Li,Mg,B,Si,F,O,H,K,Caの組
    成元素でなる極性結晶体でなり、硬度7.25,比重3.
    65,屈折率1.62〜1.64,複屈折率0.018の
    六方晶系の鉱石であることを特徴とする湖沼等における
    土壌改良物質。 【請求項5】 電解凝集結合剤として、酸化アルミニウ
    ム(AlO2),酸化第二鉄(FeO),酸化マグネシ
    ウム(MgO)からなる構成物を用いたことを特徴とす
    る湖沼等における土壌改良物質。
JP11765898A 1998-04-28 1998-04-28 湖沼等における土壌改良方法及びその改良物質 Pending JPH11310778A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11765898A JPH11310778A (ja) 1998-04-28 1998-04-28 湖沼等における土壌改良方法及びその改良物質

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11765898A JPH11310778A (ja) 1998-04-28 1998-04-28 湖沼等における土壌改良方法及びその改良物質

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11310778A true JPH11310778A (ja) 1999-11-09

Family

ID=14717102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11765898A Pending JPH11310778A (ja) 1998-04-28 1998-04-28 湖沼等における土壌改良方法及びその改良物質

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11310778A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1295159C (zh) * 2003-07-28 2007-01-17 南京大学 池塘水体自循环去除污染的方法
CN114573198A (zh) * 2022-03-14 2022-06-03 深圳市日昇生态科技股份有限公司 一种人工湖底泥原位生态修复结构

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1295159C (zh) * 2003-07-28 2007-01-17 南京大学 池塘水体自循环去除污染的方法
CN114573198A (zh) * 2022-03-14 2022-06-03 深圳市日昇生态科技股份有限公司 一种人工湖底泥原位生态修复结构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7758752B2 (en) Composite material and method for removing harmful algal blooms and turning them into submerged macrophytes
US6989266B2 (en) Concrete product containing a mixture of bacillus microbial cells
WO2010116602A1 (ja) 浚渫窪地の埋め戻し方法
CN111253125B (zh) 一种诱导海洋固着生物附着的绿色混凝土及制备方法
CN103641223B (zh) 一种湖泊水生植物腐烂引发水体黑臭的修复方法
Hargreaves Control of clay turbidity in ponds
CN111689586B (zh) 一种河道淤泥处理系统以及水质净化器制备方法
Jiang et al. Preliminary study of calcium silicate hydrate (tobermorite) as crystal material to recovery phosphate from wastewater
JP2917096B2 (ja) 水質並びに底質の苦土系改善剤
JP3729160B2 (ja) 水中又は水浜の環境改善方法及び環境改善用資材
JPH11310778A (ja) 湖沼等における土壌改良方法及びその改良物質
JP5742477B2 (ja) 浚渫窪地の埋め戻し方法
JP2004261661A (ja) 湖沼などの浄化方法及びその浄化システム
JPH10277307A (ja) 吸着凝集剤と水処理方法
JPH0971777A (ja) ヘドロ及び軟弱土壌の固化処理土の中和処理工法
JP2006288323A (ja) 人工水底基盤
CN1202895C (zh) 无机电解凝聚剂及使用该无机电解凝聚剂的泥土改造方法
JPH05305300A (ja) 汚泥疎水化剤
KR100737375B1 (ko) 무기전해 응집제 및 이 무기전해 응집제를 사용한이토개질방법
JPH08173991A (ja) ヘドロの処理方法
JP2903359B2 (ja) 水質活性剤とその製造方法
CN1215700A (zh) 改善水质和底部沉积物质量的氧化镁基改良剂
JPH06315602A (ja) アオコの浮上処理剤および浮上処理方法
JPH0640788B2 (ja) 人工藻場
JP2001225098A (ja) 水質浄化法及びその装置