JPH11310616A - ジエンエラストマ―類の気相アニオン重合 - Google Patents

ジエンエラストマ―類の気相アニオン重合

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JPH11310616A
JPH11310616A JP11067314A JP6731499A JPH11310616A JP H11310616 A JPH11310616 A JP H11310616A JP 11067314 A JP11067314 A JP 11067314A JP 6731499 A JP6731499 A JP 6731499A JP H11310616 A JPH11310616 A JP H11310616A
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particles
rubber
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JP11067314A
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William M Cole
ウイリアム・エム・コール
William L Hergenrother
ウイリアム・エル・ハーゲンロザー
Theodore J Knutson
セオドア・ジエイ・ナトソン
Georg G A Boehm
ゲオルク・ジー・エイ・ベーム
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F36/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds
    • C08F36/02Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds
    • C08F36/04Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds conjugated
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、共役ジエンモノマー類の気相アニ
オン重合で用いるに適していて非常に高い分子量を有す
る分枝ジエンポリマー類、例えばスチレンブタジエンゴ
ム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴムなどをア
ニオン的に製造しようとする時に用いるに有用な固体状
の支持型アニオン触媒を提供するものである。 【解決手段】 この触媒に金属置換可能粒子、例えば結
合ゴム、熱可塑性ポリマーまたは硬化エラストマーを含
めて、それにIA族のアルカリ金属原子による多重金属
置換を受けさせる。この触媒を気相アニオン重合で用い
ると分枝を多数有するジエンポリマーが生じ、このポリ
マーは望ましい特性を示し、例えば分子量が極めて高
く、分子量分布、Tgおよびビニル含有量を制御するこ
とができ、そして炭化水素溶媒および油を容易に吸収す
る能力を有する。このポリマー類を加硫性エラストマー
コンパウンドおよび製品、例えばタイヤなどの製造で配
合するのは容易で、それらは優れた耐摩耗性および耐引
裂き性を示しかつ低下したヒステリシス特性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は気相重合反応分野に関する。本
発明は、特に、ジエンエラストマー類(diene e
lastomers)、特にスチレンブタジエンゴム
(styrene butadiene rubbe
r)(SBR)の製造で用いるに適した新規な固体状の
支持型気相アニオン重合触媒に向けたものである。
【0002】非常に望ましくて向上した特性を示すポリ
マー類、例えばポリ−α−オレフィン類およびポリブタ
ジエンなどを製造しようとする時に気相流動床、撹拌も
しくはパドル型(paddle−type)反応槽方法
が用いられることはよく知られている。このような気相
方法、特に気体流動床方法は他の通常の重合方法に比較
してポリマーの製造を資本投資費用が劇的に低くかつエ
ネルギーの使用および運転費用が劇的に節約されるばか
りでなく安全に関する余裕度が高くかつ環境の懸念が低
い状態で行う手段を与えるものである。気相重合方法の
ポリマー生成物は、ゴム製品を製造する時の配合が容易
な自由流れする粒子状の粉末である。
【0003】モノマー類を気相重合で重合させようとす
る場合にも溶液重合方法の場合と同様に通常は触媒を用
いる必要がある。しかしながら、α−オレフィン類、例
えばエチレンまたはプロピレンなど、または共役ジエン
類、例えばブタジエンなどの気相重合で用いられる触媒
は、今まで、チタン、バナジウムなどを基とする固体状
の支持型チーグラー・ナッタ(supported Z
iegler−Natta)タイプの触媒、固体状の支
持型クロム塩、VIII族の遷移金属化合物もしくは他
の固体状支持型、または溶液状の遷移金属配位触媒など
に制限されていた。溶液相アニオン重合反応で活性を示
す触媒およびイオンもしくはフリーラジカル機構で働く
触媒は典型的に気相重合方法で用いるには適さない。こ
のように、気相重合で通常用いられる触媒はいずれも共
役ジエン類をアニオン共重合させてジエンゴム(これは
ゴム製タイヤの製造で用いられる鍵となる原料である)
を生じさせる能力を持たない。
【0004】更に、気相用支持型触媒に関連した欠点の
1つは、支持体材料、例えばアルミナ、シリカなどが後
に残留無機灰としてポリマー生成物内に残存することで
ポリマーに含まれる不純物の全体レベルが増加すること
にある。そのような不純物の量に応じて、恐らくは、ポ
リマーの特性がいくらか影響を受ける可能性があり、例
えばフィルム外観の等級、耐衝撃性、引裂き強度などが
影響を受ける可能性がある。そのような触媒を用いた公
知気相重合方法の別の欠点は、結果として生じるポリマ
ーの「粘性」を低くして樹脂粒子が凝集しないようにし
かつポリマーの大きな固まりが生じないようにする目的
で典型的には粉付け用充填材、例えばカーボンブラック
などを望ましくなく多い量(例えば生成物中30%)で
用いる必要がある点である。
【0005】しかしながら、気相重合は溶液重合に比較
して有利なことから、ジエンエラストマー類、例えばス
チレンブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソ
プレンゴムなどを経済的かつ効率良くもたらし得る気相
アニオン重合方法を提供することができれば、これは有
益である。
【0006】
【発明の要約】本発明は、共役ジエンモノマー類の気相
アニオン重合で用いるに適していて非常に高い分子量を
有する分枝ジエンポリマー類、例えばスチレンブタジエ
ンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴムなど
をアニオン的に製造しようとする時に用いるに有用な固
体状の支持型アニオン触媒を提供するものである。本発
明の触媒を用いた気相アニオン重合方法で製造した巨大
分枝(macro−branched)ポリマー類は極
めて高い分子量および制御された(controlle
d)分子量分布、ガラス転移温度(Tg)およびビニル
含有量を有することから、これらは数多くのいろいろな
高性能加硫ゴムの製造で用いるに有用である。本発明の
方法を用いて合成したポリマー類はまた他の望ましい特
性も示し、例えば炭化水素溶媒および油を容易に吸収す
る能力を有し、それらを加硫性エラストマーコンパウン
ドおよび製品の製造で配合するのは容易であり、このよ
うなコンパウンドおよび製品は優れた耐摩耗性および耐
引裂き性を示しかつ低下したヒステリシス特性を示す。
【0007】本発明の1つの態様における触媒は式P
(Me)n[式中、Pは、結合ゴム(bound ru
bber)を含んで成る直径が約1ミクロンから約10
00ミクロンの金属置換可能(metalatabl
e)粒子である]で表される。この粒子は共有結合した
「n」個のIA族アルカリ金属(Me)原子で多重金属
置換されている(multiply−metalate
d)。本発明の文脈で用いる如き用語「結合ゴム」は、
本分野の技術者に公知な如く、単なる物理的連行(ju
st physical entrainment)を
越えてカーボンブラックに付着しているゴム(このゴム
と一緒に簡単な炭素網状組織が形成されている)を意味
する。このような結合ゴム粒子には全ての金属置換可能
カーボンブラック結合ゴムが含まれ、例えばカーボンブ
ラック−スチレンブタジエンゴム、カーボンブラック−
ブタジエンゴム、カーボンブラック−天然ゴムなどが含
まれ得る。本発明の文脈で用いる如き用語「金属置換」
は、本分野の技術者に公知の酸:塩基反応を指し、これ
は強塩基の金属原子が酸性度が高いポリマーに移ること
に付随して上記ポリマーの水素原子が上記塩基に移るこ
とでポリマーの炭素−金属原子の共有結合が生じること
を伴う。「金属置換可能」結合ゴム(または本発明の態
様で用いる金属置換可能熱可塑性ポリマーまたは金属置
換可能硬化エラストマー)は、そのような反応に参与し
て金属置換を受け得るゴムである。
【0008】上記結合ゴム粒子に結合する金属原子の数
はn=3からn=多数の原子、即ち10x(例えば10
10)の範囲である。単一の粒子に結合するアルカリ金属
原子は全部同じであってもよいか或は互いに異なってい
てもよい。この金属原子は如何なるIA族金属であって
もよく、それにはリチウム、ナトリウム、カリウム、ル
ビジウム、セシウムおよびフランシウムが含まれる。こ
の金属原子を好適にはリチウム、ナトリウムおよびカリ
ウムから選択し、より好適には、これはナトリウム原子
およびカリウム原子の少なくとも1つとリチウム原子の
混合物である。最も好適には、上記アルカリ金属原子の
全部を同じにして、リチウム原子にする。
【0009】本明細書に記述する如き共役ジエンモノマ
ー類の気相重合で用いるに適した他の固体状支持型アニ
オン触媒が、我々が本出願と同じ日に提出した同時係属
中の共譲渡米国特許出願連続番号 (代理人処
理番号9704026)、即ち表題が「Anionic
Polymerization Initiator
s For Preparing Macro−Bra
nched Diene Rubbers」(開始剤お
よびそれの製造方法に関する開示は引用することによっ
て本明細書に組み入れられる)に開示されている。その
開示した開始剤(これはまた共役ジエンモノマー類の溶
液相アニオン重合で用いるにも有用である)は、本発明
の触媒と同じ式で表されるが、その開示した開始剤の粒
子部分は結合ゴムではなく金属置換可能熱可塑性ポリマ
ー(好適には80℃から約300℃のTgを示す)また
は硬化エラストマーを含んで成る点で本発明の触媒とは
異なる。
【0010】この上に示した先行開示のアニオン重合開
始剤および本発明のアニオン重合触媒は、各々、それを
気相重合装置の反応ゾーンに仕込む時、炭素原子数が約
4から約12の共役ジオレフィンモノマー類をアニオン
的にホモ重合させ、そして共役ジオレフィンモノマー類
と炭素原子数が約8から約20のモノビニル芳香族モノ
マー類を共重合させて、非常に高い分子量を有する分枝
ジエンポリマー類を生じさせる能力を有する。
【0011】本発明の方法で生じさせる巨大分枝(ma
cro−branched)ジエンポリマー類は、軽く
て粒子状で魚の「キャビア」に類似している。この上に
示した先行開示の開始剤および本発明の触媒を用いて製
造したポリマー類は、以前の気相重合方法で製造された
ポリマー類とは対照的に、粘着を起こさないことから凝
集物を生じない。従って、希釈をもたらす粉付け剤(p
owdering agents)を添加する必要はな
く、その結果として、ポリマー生成物の純度がより高く
なる。更に、上記粒子が後でポリマー内に残ったとして
も、それは重合体であることから、結果として得るゴム
製品の無機不純物には加わらず、コンパウンド化(co
mpounding)または混練り(milling)
中にせん断を受け(即ち分散し)、通常のゴムのように
加工される。
【0012】本発明は、上記触媒に由来する粒子を含有
する巨大分枝ジエンポリマー類、このポリマーから生じ
させた加硫性エラストマー組成物、そしてこの加硫性エ
ラストマー組成物から生じさせた構成要素を少なくとも
1つ有するタイヤを提供する。本発明は、更に、固体状
の支持型アニオン重合触媒の製造方法、そして本発明の
触媒および同時係属中の米国特許出願連続番号
(この上で引用することによって組み入れた)に開示し
た開始剤を用いた気相アニオン重合方法も提供する。
【0013】本発明の別の態様では、高い分子量を有す
るジエンポリマー類を製造するに適した気相アニオン重
合方法を提供し、この方法では、粉砕した粒子、例えば
グラファイト化(graphitized)カーボンブ
ラック、ポリエチレン、アセトン抽出を受けさせた(a
ceton−extracted)スクラップゴムなど
を油(これに遊離n−ブチルリチウムを溶解させてお
く)で被覆しておく。線状ポリマー類のアニオン重合を
溶液中で行う場合に用いられるよく知られている触媒は
n−ブチルリチウムである。本明細書では、驚くべきこ
とに、そのようにしてn−ブチルリチウムの分子を固体
状支持体粒子に多数吸収させておいたものがまた気相ア
ニオン重合の触媒としも働き、そしてそれを気相重合装
置の反応ゾーンに仕込む時、それは炭素原子数が約4か
ら約12の共役ジオレフィンモノマー類をアニオン的に
ホモ重合させ、そして共役ジオレフィンモノマー類と炭
素原子数が約8から約20のモノビニル芳香族モノマー
類を共重合させて、非常に高い分子量を有するジエンポ
リマー類を生じさせ得ることを見い出した。
【0014】
【発明の詳細な記述】本発明は、1つの態様において、
以下に記述する如き炭素原子数が約4から約12の共役
ジオレフィンモノマー類の気相アニオン重合および上記
共役ジオレフィンモノマー類と炭素原子数が約8から約
20のモノビニル芳香族モノマー類の気相アニオン共重
合を行って巨大分枝ジエンポリマーを生じさせようとす
る時に用いるに適した新規な固体状の支持型アニオン重
合触媒を提供する。この触媒は式 P(Me)n [式中、Pは、結合ゴムを含んで成る直径が約1ミクロ
ンから約1000ミクロンの金属置換可能粒子であり、
Meは上記粒子に共有結合しているIA族のアルカリ金
属であり、そしてnは3に等しいか或はそれ以上の整数
である]で表される。より好適には、nはアルカリ金属
(Me)の多重度、即ち10x(例えば1010)を表
し、そしてこの粒子は共有結合したアルカリ金属原子を
多数含んで成る。
【0015】本発明のこの態様における別の面では、そ
のような金属置換可能粒子に、この上で引用することに
よって組み込んだ米国特許出願連続番号 に開
示しかつ以下に詳細に考察する如き熱可塑性ポリマーま
たは硬化エラストマーを含める。
【0016】この金属原子はIA族の如何なる金属であ
ってもよく、それにはリチウム、ナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム、セシウムおよびフランシウムが含まれ
る。本発明の触媒ではルビジウム、セシウムおよびフラ
ンシウムも使用可能であるが、それらは比較的高価であ
ることから、それらの使用はあまり好適ではない。従っ
て、上記金属原子は好適にはリチウム、ナトリウムまた
はカリウム原子、より好適にはリチウム原子とナトリウ
ム原子および/またはカリウム原子の混合物である。最
も好適には、上記アルカリ金属原子の全部をリチウムに
する。
【0017】1つの粒子上に存在させるアルカリ金属原
子は、以下に記述する如き触媒調製で用いるアルカリ金
属化合物(類)に応じて、全部同じであってもよいか或
は互いに異なっていてもよい。例えば、1種類のみのア
ルカリ金属化合物、例えばアルキルリチウム、アルキル
ナトリウム、アルキルカリウムまたは別のIA族のアル
カリ金属化合物を用いると、単一の種類の金属で金属置
換された粒子が生じる。しかしながら、アルキルリチウ
ム化合物とアルキルナトリウム化合物および/またはア
ルキルカリウム化合物および/または別のIA族のアル
キル金属化合物(金属置換用共作用剤として)を一緒に
した混合物を用いると、リチウムばかりでなくナトリウ
ムおよび/またはカリウムおよび/または他の金属で金
属置換された粒子が生じる。好適にはアルキルリチウム
化合物を触媒の調製で単独で用い、その結果として、リ
チウムのみで金属置換された粒子を生じさせる。
【0018】この1番目の態様の本発明の触媒を示す図
式図を図1−4に示す。図1に示すように、触媒1は粒
子2(これには結合ゴム、熱可塑性ポリマーまたは硬化
エラストマーが含まれる)を含んでいてそれの炭素原子
(複数)にアルカリ金属原子(Me)3が3個(n=
3)共有結合している(各々が異なる炭素原子に共有結
合している)。図2に示す好適な態様では、粒子2にア
ルカリ金属原子3が多数結合している(この粒子上の多
数の炭素原子に結合している)。上記粒子2は外側表面
4と内側マトリックス5を含んで成る。従って、図2−
4に示すように、アルカリ金属原子3は外側表面4(図
2)にか或は内側マトリックス5(図3)にか或は外側
表面4と内側マトリックス5の両方(図4)に共有結合
し得る。以下に記述する気相重合方法を行っている間、
上記アルカリ金属原子の各々は、支持体である上記粒子
の炭素原子に結合していて、成長するポリマーの「リビ
ング末端」に担持される。
【0019】本発明のこの態様の1つの面において、上
記粒子は金属置換可能結合ゴム粒子を含んで成る。本発
明で用いるに適切な金属置換可能結合ゴムには、全ての
金属置換可能カーボンブラック結合ゴム(以下に記述す
る如く生じさせる)が含まれ、それには、これらに限定
するものでないが、カーボンブラック−スチレンブタジ
エンゴム、カーボンブラック−ポリブタジエンゴム、カ
ーボンブラック−ポリイソプレンゴム、カーボンブラッ
ク−スチレンイソプレンゴム、カーボンブラック−スチ
レンブタジエンイソプレンゴムおよびカーボンブラック
−天然ゴムが含まれる。他のそのような結合ゴムは本分
野の技術者によく知られている。このような結合ゴム粒
子は、上記触媒で用いるに適した簡単な炭素網状組織固
体状支持体を与える。従って、そのような粒子を気相ア
ニオン重合触媒の粒子部分として用いて図5に示す巨大
分枝ポリマー類を生じさせると、この粒子はそのような
巨大分枝ポリマー複合体の一部として残存する。そのよ
うな結合ゴム粒子を含有する巨大分枝ポリマー類をコン
パウンドにするか或は混練りする時、上記ポリマーと粒
子の結合点がせん断で分解し、従ってポリマーの加工性
がより良好になる。
【0020】本発明のこの態様の別の面では、上記粒子
にTgが好適には80℃から約300℃の金属置換可能
熱可塑性ポリマーを含める。本発明で用いるに適切な金
属置換可能熱可塑性ポリマー類には、これらに限定する
ものでないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン類、ポリ置換スチレン類などが含まれる。他のそ
のような金属置換可能熱可塑性ポリマー類は本分野の技
術者によく知られている。このような粒子を図5に示し
た巨大分枝ポリマー類を製造する時のアニオン重合触媒
の粒子部分として用いると、この粒子はまたその巨大分
枝ポリマー複合体の一部として残存する。このような巨
大分枝ポリマー類をコンパウンドにする時、好適には、
加工温度を上記熱可塑性ポリマー粒子のTgよりも高く
して、上記熱可塑性粒子に分解を受けさせると、より小
さい粒子[限界において、この粒子に結合しているポリ
マー/エラストマー鎖は1つのみであり得る]が生じ、
このように、上記ポリマーの加工性がより良好になり得
る。
【0021】本発明のこの態様の更に別の面では、上記
粒子に金属置換可能硬化エラストマーを含める。この硬
化エラストマーは本分野の技術者に公知の如何なる金属
置換可能硬化エラストマーであってもよく、それにはコ
ンパウンドにして硬化させたゴム、例えばスクラップタ
イヤゴムなどが含まれる。本発明で用いるに適した典型
的な硬化エラストマー類はスチレンブタジエンゴム、天
然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどである。
他のそのような金属置換可能硬化エラストマー類は本分
野の技術者によく知られている。コンパウンドにして硬
化させたゴムに含まれているある種の油、硬化剤および
他の材料は、アルカリ金属化合物による上記粒子の金属
置換を害する可能性があることから、そのコンパウンド
にして硬化させたゴム粒子を本触媒の調製で用いるに先
立って、好適には、それにアセトンを用いた抽出を少な
くとも16時間受けさせることを通して、少なくとも硬
化剤を実質的に除去しておく。このような硬化エラスト
マー粒子を含有させた巨大分枝ポリマー類をコンパウン
ドにするか或は混練りする時、ポリマーと粒子の結合点
がせん断で分解し、それによって、ポリマーの加工性が
より良好になる。
【0022】図6に例示する本発明の別の態様では、粒
子20に、共有結合した金属原子による金属置換を受け
させておかない。むしろ、粒子20の表面を油22、好
適には鉱油で覆い、その油にn−ブチルリチウムを溶解
させておく。このような触媒を用いる1つの利点は、そ
のようにするとn−ブチルリチウム分子が主に粒子の表
面に多数吸収されてリチウム原子24が気相アニオン重
合で利用される点である。この態様では、図7に示すよ
うに、結果として生じるポリマー鎖26は粒子に共有結
合していないで、むしろ他の成長するポリマー鎖と一緒
に絡み合うか或はより合うことを通して上記粒子に付着
した状態で残存し得る。この粒子に好適には熱可塑性ポ
リマー(この上に記述したように好適には80℃から約
300℃のTgを示すポリマー)(例えば粉砕ポリエチ
レン)、硬化エラストマー(例えばアセトンを用いた抽
出を受けさせたスクラップゴム)、結合ゴム、カーボン
ブラック、またはグラファイト化カーボンブラックを含
める。グラファイト化カーボンブラックは、非常に高い
温度(例えば1000℃)に加熱して化学反応性部位を
全部除去しておいたカーボンブラックであるとして本分
野の技術者に公知である。このような被覆粒子を気相重
合反応ゾーン内に存在させると、n−ブチルリチウム触
媒のための固体状支持体が得られるばかりでなくまた成
長するポリマーが一緒に粘着して凝集物が生じるのが防
止されることから、その方が有利である。
【0023】本発明の態様全部で、便利には、本技術分
野でよく知られるように粒子を固定孔サイズのメッシュ
に通すことで粒子の直径を約1から約1000ミクロン
に合わせておいてもよい。例えば、20メッシュの粒子
は直径が約841ミクロン以下の粒子であり、200メ
ッシュの粒子は直径が約74ミクロン以下の粒子であ
り、そして400メッシュの粒子は直径が約37ミクロ
ン以下の粒子である。上記粒子上の金属置換部位の数
は、この粒子の大きさ、金属置換反応で用いるアルカリ
金属化合物の濃度、処理時間および温度、この粒子の調
製で用いる極性調整剤(polar coordina
tor)などに依存する。
【0024】上記結合ゴム粒子の調製は、可変速ロータ
ー(rotors)と温度制御が備わっているミキサ
ー、例えばバンバリーまたはブラベンダーミキサーなど
で実施可能である。結合ゴムの調製に適したローター速
度およびミキサー温度はゴム加工の技術者によく知られ
ている。約80度Fから約400度Fの温度を達成しよ
うとする時には一般に約10rpmから約200rpm
のローター速度を用いてもよい。上記結合ゴム粒子の調
製では、ポリマーを混合用チャンバに入れた後、カーボ
ンブラックを徐々に添加する。カーボンブラックが高い
パーセントで結合したゴムを達成する目的でカーボンブ
ラックを過剰量で添加するのが望ましい。ポリマーの少
なくとも25%がカーボンブラックに結合するようにす
べきである。好適にはポリマーの少なくとも35%、よ
り好適には少なくとも50%がカーボンブラックに結合
するようにすべきである。従って、ポリマーに結合した
カーボンブラックに加えて遊離カーボンブラックがいく
らか混合物中に残存するようにするのが望ましい。ポリ
マーとカーボンブラックの重量比を約1:1にすると結
果として一般に所望のカーボンブラック過剰量になる。
次に、このポリマーとカーボンブラックの混合を選択し
た温度およびローター速度でこれらの混合物が粉砕され
て所望の粒子サイズになりかつポリマーが所望量でカー
ボンブラックに結合するに充分な時間行う。一般に、ロ
ーター速度および混合温度が一定であると仮定すると、
結合するカーボンブラックの量は混合時間を長くすれば
するほど多くなり、混合時間を短くすればするほど結合
するカーボンブラックの量が少なくなる。例えば、ロー
ター速度を60rpmにしそして混合温度を140度F
にして混合時間を20分にすると、結果として、結合ゴ
ムのレベルが50%を越える粒子が生じるであろう。以
下に記述するように、カーボンブラックが結合を起こし
易くする目的で前以て「官能化を受けさせ」ておいたポ
リマーを用いると、結合ゴムのパーセントがより高くな
るであろう。次に、この粒子をミキサーから取り出して
分級を受けさせ、本固体状支持型アニオン触媒の調製で
用いる。
【0025】カーボンブラックに結合したゴムのパーセ
ントの測定では、この上に示したようにして調製したゴ
ムをトルエンに少なくとも16時間、好適には約24時
間浸漬する。カーボンブラックが結合していないゴムは
トルエンに溶解する。溶解しなかった残りのゴムはカー
ボンブラックに結合している。元の調合物に入っていた
結合ゴムの重量パーセントを数学的に決定する。
【0026】金属置換を受けさせた結合ゴム粒子を含ん
で成るアニオン重合触媒を調製する方法に、この上に示
したようにして調製した直径が約1ミクロンから約10
00ミクロンの結合ゴム粒子を準備して(i)この結合
ゴム粒子と(ii)式R(Me)[式中、Rは、炭素原
子数が1から約20のヒドロカルビル基を表し、そして
MeはIA族のアルカリ金属である]で表されるアルカ
リ金属化合物を(iii)極性調整剤の存在下で反応さ
せる段階を含める。上記極性調整剤は上記IA族のアル
カリ金属原子を活性にするものであり、本分野の技術者
に公知な如く、上記粒子の金属置換中に炭素原子−金属
原子の共有結合を生じさせるに必要である。
【0027】結合ゴム粒子の代わりに熱可塑性ポリマー
粒子または硬化エラストマー粒子に金属置換を受けさせ
たものを含んで成るアニオン重合触媒調製も、同時係属
中の米国特許出願連続番号 (この上で引用する
ことによって組み入れた)に記述されているように、正
確に同じ様式で行う。
【0028】本発明のこの態様に従って金属置換を受け
させた触媒の調製は、一般に、無水および嫌気条件下、
この上に記述した結合ゴム粒子または熱可塑性ポリマー
粒子または硬化エラストマー粒子が無水の炭化水素溶
媒、例えばシクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トル
エン、ペンタン、ヘプタンなどに入っている懸濁液を乾
燥窒素雰囲気下で生じさせることを通して実施可能であ
る。次に、この懸濁液に極性調整剤を添加した後、以下
に記述するアルカリ金属化合物を同じか或は同様な溶媒
に入れて添加する。この極性調整剤とアルカリ金属化合
物のモル比を約0.03:1から約4:1、好適には約
0.05:1から約1:1、より好適には約0.06:
1から約0.5:1の範囲にする。この反応混合物に存
在させる粒子の最適量は、選択する極性調整剤とアルカ
リ金属化合物の比率、使用する粒子の種類、粒子の直
径、そして望まれる金属置換度合に伴って多様である。
本分野の技術者は、本明細書の表1に報告する典型的な
データを調べることで、適切な粒子量を選択することが
できるであろう。本触媒の調製で使用可能ないろいろな
反応温度および時間はアニオン重合触媒調製技術分野の
技術者に公知である。
【0029】この金属置換を受けさせた固体状の支持型
アニオン触媒の調製で用いるアルカリ金属化合物は式R
(Me)[式中、Meは元素周期律表のIA族金属であ
り、好適にはリチウム、ナトリウムおよびカリウムから
選択され、より好適にはリチウムであり、そしてRは、
炭素原子数が1から約20のヒドロカルビル基である]
で表される。本方法ではリチウムアルカリ金属化合物が
最も好適であるが、また、ナトリウムおよび/またはカ
リウムおよび/または他のIA族アルカリ金属(これに
はルビジウム、セシウムおよびフランシウムが含まれ
る)の化合物を個別に用いることも可能である。しかし
ながら、このような他の化合物を用いる場合、好適には
リチウム化合物との混合物として金属置換で用いること
で、ナトリウムおよび/またはカリウムおよび/または
他のIA族の化合物をリチウム化合物の共作用剤として
働かせる。従って、その結果として生じる粒子は、この
上に記述したように、アルカリ金属化合物(類)から派
生する1つ以上の種類のアルカリ金属原子で金属置換さ
れ得る。
【0030】典型的なR基には、脂肪族および環状脂肪
族基、例えばアルキル類、シクロアルキル類、アルケニ
ル類、アルキニル類、アリール類およびアラルキル類が
含まれる。R基の具体的な例には、これらに限定するも
のでないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−アミ
ル、イソアミル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デ
シル、シクロペンチル−メチル、シクロヘキシル−エチ
ル、シクロペンチル−エチル、メチル−シクロペンチル
エチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2,2,1
−ビシクロヘプチル、メチルシクロペンチル、ジメチル
シクロペンチル、エチルシクロペンチル、メチルシクロ
ヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキ
シル、イソプロピルシクロヘキシル、それらの組み合わ
せなどが含まれる。本発明の金属置換を受けさせた触媒
の調製で用いるに好適なアルカリ金属化合物はn−ブチ
ルリチウムである。
【0031】このようにして調製した各金属置換粒子
は、冷蔵環境において加圧下少なくとも1カ月以上に及
んで安定な固体状の支持型触媒であり、これは、アニオ
ン重合性モノマー類の気相アニオン重合で巨大分枝ポリ
マー生成物を生じさせようとする場合に用いるに有用で
ある。この粒子は重合体性質を有することから、各粒子
は容易に炭化水素溶媒を吸収し、このように、非常に膨
潤し得る粒子として最良に記述される。例えば、約60
メッシュから約35メッシュの乾燥結合ゴム粒子または
200メッシュの乾燥スクラップゴム粒子はこの粒子の
内側マトリックス内に溶媒を1グラム当たり2から5グ
ラム吸収する能力を有する。
【0032】この膨潤した粒子は、この上に記述したよ
うに、選択した反応条件に応じて少なくとも3個、好適
には複数の金属原子による金属置換を受ける。この粒子
の金属置換をポリマーの炭素−金属結合と会合した極性
調整剤の存在下で起こさせる。そのような極性調整剤を
用いた金属置換反応は本分野の技術者に公知である。こ
の極性調整剤は、気相アニオン重合過程全体に渡って、
本触媒の炭素−金属結合と会合したままである。しかし
ながら、極性調整剤を本触媒と会合した状態で存在させ
ると、ジエン重合が修飾を受ける結果として、モノマー
の1,4組み込みレベルが低下しそしてそれに付随して
生成するポリマーのTgが高くなる[即ち気相重合反応
ゾーンに入れる極性調整剤の濃度を高くすればするほど
結果として生じるジエンポリマーのガラス転移温度(T
g)が高くなる]。アルカリ金属化合物と極性調整剤か
ら標準的(本発明でない)金属置換ポリマーを製造する
通常手順で用いられている極性調整剤とアルカリ金属の
モル比は約2:1である。しかしながら、本発明の触媒
(これを後で用いて共役ジエンモノマー類を重合させ
る)の多重金属置換で2:1の比率を用いると、重合の
結果として生じる生成物は高いTgを示すグラフトコポ
リマーになってしまうであろう(例えば、低ビニルの
1,4−ポリブタジエンに非常に高ビニルのポリブタジ
エンがグラフト化した生成物)。本発明の1つの目的
は、タイヤなどの如きゴム製品で用いるに適した低いT
g、好適には−20℃未満、より好適には−30℃未
満、最も好適には−35℃未満のTgを有するポリマー
類を製造することにある。従って、本触媒の調製では、
標準的な極性調整剤:アルカリ金属化合物モル比よりも
低いモル比でそれらを存在させて調製を行うのが望まし
い。我々の同時係属中出願連続番号 に開示したよ
うに、驚くべきことに、極性調整剤とアルカリ金属化合
物の比率を2:1未満にまで下げることができるばかり
でなく極性調整剤とアルカリ金属のモル比を0.03:
1の如き低い値にまで下げると上記粒子が金属置換を受
ける度合が実際に高くなることを見い出した。
【0033】極性調整剤として用いるに有用な化合物は
有機化合物であり、それには、これらに限定するもので
ないが、テトラヒドロフラン、線状および環状のオリゴ
マー状オキソラニルアルカン類、例えば2−2’−ジ
(テトラヒドロフリル)プロパン、ジ−ピペリジルエタ
ン、ジメチルエーテル、ペンタメチルジエチレンジアミ
ン、ジアザビシクロオクタン、ヘキサメチルホスホルア
ミド、N−N’−ジメチルピペラジン、ジエチルエーテ
ル、トリブチルアミンなどが含まれる。上記線状および
環状のオリゴマー状オキソラニルアルカンである極性調
整剤は米国特許第4,429,091号(極性溶媒に関
する主題事項は引用することによって本明細書に組み入
れられる)に記述されている。極性調整剤として有用な
他の化合物には、酸素もしくは窒素ヘテロ原子および結
合していない1対の電子を有する化合物が含まれる。そ
の例にはモノおよびオリゴアルキレングリコール類のジ
アルキルエーテル類、「クラウン]エーテル類、完全ア
ルキル置換ジアミン類、例えばテトラメチルエチレンジ
アミン(TMEDA)など、および完全アルキル置換ト
リアミン類が含まれる。
【0034】本発明のこの態様の方法に従って生じさせ
た金属置換触媒を気相重合方法で用いて図5に示す巨大
分枝ジエンポリマー類を生じさせるが、このポリマー類
は、クエンチング(quenching)前に式 P−[(ポリマー)−Me]n [式中、P、Meおよびnは、この上に記述した通りで
あり、そして(ポリマー)は上記粒子に共有結合してい
るポリマー鎖を表し、ここで、上記ポリマー鎖のポリマ
ー成分は、以下に詳細に記述するように、炭素原子数が
約4から約12の共役ジオレフィンモノマー類から作ら
れたポリマー類および上記共役ジオレフィンモノマー類
と炭素原子数が約8から約20のモノビニル芳香族モノ
マー類から作られたコポリマー類から選択される]で表
される。上記モノマー類を好適にはスチレン、ブタジエ
ン、イソプレンおよびそれらの混合物から選択する。以
下に記述するように、そのような巨大分枝ジエンポリマ
ー類をこのポリマー100重量部当たり約5から約80
重量部のカーボンブラックと一緒にしてコンパウンドに
することを通して、上記ポリマーから加硫性エラストマ
ー組成物の調製を行う。このエラストマー組成物に、好
適には、スチレンブタジエンゴム、ポリブタジエンゴ
ム、ポリイソプレンゴム、イソプレンブタジエンゴム、
スチレンとブタジエンとイソプレンから作られたターポ
リマーゴム、および上記ゴムの混合物から成る群から選
択されるゴムを含める。
【0035】本発明のこの態様の固体状支持型金属置換
触媒を用いた共役ジエンモノマー類の気相アニオン重合
方法に、(1)気相反応ゾーンに(a)この上に記述し
た金属置換を受けさせた固体状支持型アニオン重合触媒
(この上に記述した結合ゴムまたは熱可塑性ポリマーま
たは硬化エラストマーを含んで成る粒子を有する)およ
び(b)この上に記述した少なくとも1種のアニオン重
合性共役ジエンモノマーを仕込み、(2)上記モノマー
を重合させてポリマーを生じさせそして(3)このポリ
マーを上記反応ゾーンから取り出す段階を含める。以下
に記述するように、一般的には、上記触媒を炭化水素溶
媒に入れて懸濁液の状態にし、そして上記方法に、好適
には、上記モノマーを仕込む前に溶媒を反応ゾーンから
除去しておく段階を更に含める。
【0036】この上に記述した固体状支持型の遊離n−
ブチルリチウム触媒を用いた共役ジエンモノマー類の気
相アニオン重合方法に、(1)気相反応ゾーンに(a)
(i)80℃から約300℃のTgを示す熱可塑性ポリ
マー、硬化エラストマー、結合ゴム、カーボンブラッ
ク、グラファイト化カーボンブラックおよびそれらの混
合物から成る群から選択されるものを含んで成る直径が
1から約1000ミクロンの粒子を多数および(ii)
溶解しているn−ブチルリチウムが入っている油を含ん
でいてこの油が多数のn−ブチルリチウム分子が上記粒
子に吸収されるように上記粒子の表面上に被膜を形成し
ている固体状の支持型アニオン重合触媒、(b)極性調
整剤、および(c)炭素原子数が約4から約12の共役
ジオレフィンモノマー類およびこのジオレフィンモノマ
ー類と一緒の炭素原子数が約8から約20のモノビニル
芳香族モノマー類から選択されるアニオン重合性共役ジ
エンモノマー類を逐次的に仕込み、(2)上記モノマー
類を重合させてポリマーを生じさせ、そして(3)この
ポリマーを上記反応ゾーンから取り出す段階を含める。
上記極性調整剤と上記アルカリ金属化合物のモル比を約
0.03:1から約4:1、好適には約0.05:1か
ら約1:1、より好適には約0.06:1から約0.
5:1の範囲にする。
【0037】気相重合ではいろいろな技術が使用可能で
あり、例えばバッチ式、半バッチ式および連続式重合が
使用可能である。バッチ式または半バッチ式気相重合方
法を用いる時には、上記方法に、好適には、巨大分枝ジ
エンポリマーを反応ゾーンから取り出すに先立って、以
下に記述する停止剤もしくは官能化剤を用いて重合を停
止させる段階を更に含める。連続式気相重合方法を用い
る場合には、重合反応を反応ゾーンの外側で停止させ
る。
【0038】この重合は、この記述した固体状支持型触
媒と共役ジエンモノマーを気相重合に適切な任意の反応
槽、例えば撹拌反応槽、回転反応槽もしくは流動床反応
槽またはこのようないろいろな種類の反応槽の任意組み
合わせに備わっている反応ゾーン内で接触させることを
通して実施する。そのような反応槽は、重合が起こり得
る温度および圧力と同様に、本分野の技術者によく知ら
れている。上記金属置換を受けさせた触媒を炭化水素溶
媒に入っている懸濁液としてスラリーの状態で反応ゾー
ンに仕込む。従って、本触媒を用いる時、上記方法に、
好適には、上記モノマー類を仕込む前に、例えば反応ゾ
ーンを窒素または別の不活性ガスでパージ洗浄すること
などで溶媒を反応ゾーンから除去しておく段階を更に含
める。上記共役ジエンモノマー類を反応ゾーンに仕込む
時、一般的には、これを混ぜものなしに送り込む。この
重合反応を、無水の嫌気条件下、不活性ガス、例えば窒
素など中で実施する。この重合は1ミリバールから50
バールの圧力、好適には1から20バールの圧力下で実
施可能である。この重合は一般に便利な如何なる温度で
実施されてもよく、例えば約−20℃から約250℃の
温度で実施可能である。バッチ式重合の場合には、ピー
ク温度を約49℃から約149℃、より好適には約80
℃から約120℃に維持するのが好適である。重合を撹
拌下で約0.15から24時間継続させる。
【0039】本触媒を典型的には不飽和炭化水素モノマ
ー類、例えばブタジエン、イソプレンなどの重合、そし
てそれとモノビニル芳香族、例えばスチレンおよびそれ
の誘導体(例えばα−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン)から作られたコポリマー類などの重合で用いる。
従って、巨大分枝エラストマー生成物には、モノマーA
から作られたジエンホモポリマー類およびそれとモノビ
ニル芳香族モノマー類Bから作られたコポリマー類が含
まれる。典型的なジエンホモポリマー類は、炭素原子数
が4から約12の共役ジオレフィンモノマー類から作ら
れたホモポリマー類である。典型的なビニル芳香族コポ
リマー類は炭素原子数が8から約20のモノマー類から
作られたコポリマー類である。好適な巨大分枝エラスト
マー類には、ジエンのホモポリマー類、例えばポリブタ
ジエンおよびポリイソプレンなど、コポリマー類、例え
ばスチレンブタジエンゴムおよびイソプレンブタジエン
ゴムなど、およびスチレンとブタジエンとイソプレンか
ら作られたターポリマー類などが含まれる。コポリマー
類およびターポリマー類が含有するジエン単位の量を約
99から10重量パーセントにしそしてモノビニル芳香
族単位の量を約1から約99重量パーセントにしてもよ
い(全体で100パーセント)。本発明のポリマー類、
コポリマー類およびターポリマー類の1,2−微細構造
含有量(1,2−microstructure co
ntents)はジエン含有量を基準にして約10から
約80パーセントの範囲であってもよく、好適なポリマ
ー類、コポリマー類およびターポリマー類の1,2−微
細構造含有量は約25から65パーセントである。
【0040】この弾性重合体であるコポリマー類は、好
適には、本技術分野で公知のランダム化剤(dando
mizing agents)を用いてモノマーAとB
を同時に共重合させる結果として生じるランダムコポリ
マー類である。ブロックコポリマー類であるポリ(b−
スチレン−b−ブタジエン−b−スチレン)は熱可塑性
エラストマー(弾性重合体)であり、これは時としてS
−B−Sポリマー類と呼ばれる。
【0041】本発明の触媒は上記モノマーから生じる
「リビング」巨大分枝ジエンポリマーを形成する。図5
は、本発明の金属置換を受けさせた触媒を用いて製造し
た巨大分枝ポリマー20の図式図である。ポリマー鎖1
2は、高度に膨潤した粒子10の金属置換部位の各々か
ら重合した鎖である。金属14は、クエンチング前、ポ
リマー鎖のリビング末端に担持されている。この上に記
述したように、各粒子はポリマー鎖を3から複数含んで
いてもよく、その数は10の倍数、例えば1019などと
して測定可能である。ポリマー鎖は更に上記粒子の内側
マトリックス内に存在する金属置換を受けた部位の所で
も生じ得る、と言うのは、重合性モノマー類は溶媒に溶
解して粒子の中に入り込む可能性がありかつまた重合性
モノマー類は粒子および成長するポリマー鎖の両方に溶
解し得るからである。
【0042】この上に記述したように、遊離n−リチウ
ムが吸収されている粒子を用いると、図7に示すよう
に、結果として生じるポリマー鎖は上記粒子に共有結合
するのではなくむしろ他の成長するポリマー鎖と一緒に
からみ合うか或はより合うことを通して上記粒子に付着
した状態で保持される可能性がある。
【0043】上記ポリマー鎖は上述したジエンのホモポ
リマー類、モノビニル芳香族のホモポリマー類、ジエン
/モノビニル芳香族のランダムコポリマー類、ブロック
コポリマー類または上記いずれかの混合物のいずれであ
ってもよい。本触媒で用いた元の粒子がポリマー生成物
に含まれる量は典型的に約0.5%から約1%であり得
る。しかしながら、上記粒子の金属置換度などの如きパ
ラメーターを変えることを通して上記生成物に含まれる
上記粒子の濃度を変えることができ、例えば触媒調製で
用いる材料の濃度、粒子サイズなどを変えるか或は重合
反応で反応ゾーンに仕込むモノマーの濃度を変えること
などで変えることができる。
【0044】連続式気相重合反応を用いる場合には、重
合が完了した後、結果として生じたポリマーを反応ゾー
ンの外側でプロトン性クエンチング剤、例えば水、蒸気
またはアルコール、例えばイソプロパノールなど、また
は以下に記述する如き官能化剤デ停止させることを通し
て、巨大分枝ジエンポリマーを得る。このような停止剤
を反応槽に加えた後、この槽を約0.1から約4.0時
間撹拌する。通常は、反応の完了を確保する目的で、ポ
リマーとクエンチング剤を約30℃から約120℃の温
度で約0.25時間から約1.0時間撹拌することを通
してクエンチングを実施する。
【0045】バッチ式もしくは半バッチ式気相重合反応
を用いる場合には、官能化剤を反応ゾーンに仕込むこと
を通して重合反応を反応ゾーン内で停止させる。
【0046】最後に、重合反応停止後にいくらか存在し
得る溶媒を通常技術でポリマーから除去する。このよう
な技術には蒸気またはアルコールを用いた凝固、熱によ
る脱溶媒、または他の全ての適切な方法が含まれる。追
加的に、ドラム乾燥、押出し加工機乾燥、真空乾燥など
で溶媒を除去することも可能である。ドラム乾燥、アル
コール中で起こさせる凝固、蒸気または熱水を用いた脱
溶媒、押出し加工機を用いた乾燥、真空乾燥、スプレー
乾燥およびそれらの組み合わせを用いた脱溶媒が好適で
ある。通常は、反応ゾーンから取り出した後のポリマー
に抗酸化剤、例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BH
T)などおよび/または抗オゾン化合物を添加する。
【0047】官能化剤は、ポリマー鎖の末端に残存する
官能基を与える化合物である。所望の官能基を与えよう
とする時、ポリマーに結合している金属に反応し得る末
端官能性を与える(例えば「エンドキャッピング(en
dcapping)」を与える)如何なる化合物も選択
可能である。しかしながら、このポリマーの分枝構造が
維持されるように、上記官能化剤がまたカップリング剤
でもあるのは好適でない(即ち、この官能化剤は鎖末端
を一緒に連成させるべきでない)。本発明の方法を用い
てエラストマー類の重合を行う時には特に官能化剤を用
いるのが好適である、と言うのは、官能基を持たせると
充填材、例えばシリカおよびカーボンブラックなどとの
均一および均質な混合が助長されるからである。従っ
て、例えば本発明の方法を用いて生じさせた加硫性巨大
分枝エラストマー類をコンパウンドにすると、結果とし
て、向上した物性、例えば低下したヒステリシスなどを
示すゴム製品がもたらされ、このことは、ゴム製品が向
上した反発弾性を示し、タイヤの状態で低下した転がり
抵抗を示し、かつ機械的応力を受けた時の熱蓄積が低い
ことを意味する。そのような化合物の例は、アルコール
類、置換アルジミン類、置換ケチミン類、ミヒラーケト
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1−ア
ルキル置換ピロリジノン類、1−アリール置換ピロリジ
ノン類、トリブチル錫クロライドおよびそれらの混合物
である。反応性化合物のさらなる例には、米国特許第
5,066,729号および5,521,309号(停
止剤および停止反応に関する主題事項は引用することに
よって本明細書に組み入れられる)に記述されている停
止剤が含まれる。本発明の実施を単にそのような停止剤
に限定するものでない、と言うのは、ポリマーに結合し
ているアルカリ金属に反応し得る他の化合物を選択して
所望の官能基を与えることも可能であるからである。
【0048】上記気相重合方法で生じる最終的な重合生
成物、即ち巨大分枝ジエンポリマー類は、軽量で、粒子
状で、魚のキャビアに似ている。このポリマー類は粘着
しないことから凝集物を生じない。次に、この上に記述
したように、上記生成物(これには上記触媒粒子が入っ
ている)をコンパウンドにするか或は混練りしてもよ
く、このようにすると、熱可塑性ポリマー粒子の場合に
は分散が起こり、或は結合ゴム粒子または硬化エラスト
マー粒子の場合にはせん断でポリマーの中心部分が分解
を受け、上記ポリマーは基の分子量にまで小さくなる。
【0049】この巨大分枝ポリマーに含まれるポリマー
鎖各々の分子量は通常約20,000から約500,0
00、好適には約100,000から約200,000
であり、従って、生じる巨大分枝ポリマーの分子量は、
通常のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)技術で測
定した時、公知の線状ポリマー類に比較して数桁大き
い。好適には、このポリマー類の多分散性(数分子量に
対する分子量の比率)は幅広い範囲に渡って調節可能で
あり、1から約20、好適には1から約5、より好適に
は1から約2の範囲で調節可能である。
【0050】この巨大分枝ポリマー類が持ち得る分子量
の理論的計算を以下に示す。この計算では、タイヤ用ゴ
ムの粒子を200メッシュに粉砕したと仮定し、表1に
示した金属置換触媒(#3で表示)を用いる。
【0051】粒子が d=74μm r=37μm の均一な形状を有する球であると仮定し、粉砕したタイ
ヤ用ゴムは均一で密度は、
【0052】
【数1】 であると仮定すると、球の表面積は、
【0053】
【数2】 で、球の体積は、
【0054】
【数3】 で、粒子1個の質量は、
【0055】
【数4】 で、粉砕したタイヤ用ゴム1グラム当たりの粒子の数
は、
【0056】
【数5】 で、粒子1個当たりのリビング部位の数は、
【0057】
【数6】 である。
【0058】触媒#3(モル規定は0.33であると仮
定)を10cc用いてモノマーを40グラム重合させる
と、期待される分子量は
【0059】
【数7】 であろう。
【0060】本発明に従って生じさせる高度に分枝した
ポリマー類は、非常に高い分子量を有することに加えて
望ましい特性を示す。例えば、本ポリマー類は優れた油
吸収特性を示しかつ配合が容易である。それらはまた他
のポリマー類、例えばスチレンブタジエンゴム、天然ゴ
ム、ポリブタジエンなどとの混合も容易で、ポリマーブ
レンド物を生じる。本発明のポリマー類は「冷流れ」を
示さない(即ち、ポリマーの「玉」はそれの一体性を玉
として経時的に保持し、このことは、「冷流れ」を示
す、即ち「平らになる」ポリマーとは対照的である)。
【0061】また、本発明の方法を用いて合成した巨大
分枝ポリマー類をコンパウンドにして優れた耐摩耗およ
び耐引裂き性を示しかつ低下したヒステリシス特性を示
す加硫性エラストマーコンパウンドおよび製品を製造す
ることも可能である。タイヤ、ショックアブソーバー、
マウント、パワーベルトなどの如き製品にすると、これ
らは向上した反発弾性を示し、低下した転がり抵抗を示
し、かつ機械的応力がかかった時の熱蓄積量が低く、そ
の結果として、燃料経済性が向上する。転がり抵抗の低
下は、勿論、ラジアルばかりでなくバイアスプライ型両
方の空気入りタイヤにとって有益な特性であり、このよ
うに、本発明の加硫性エラストマー組成物を用いてその
ようなタイヤのトレッドストック(treadstoc
ks)を製造することができる。本組成物を用いてまた
他のエラストマー製タイヤ構成要素、例えばサブトレッ
ド、黒色サイドウォール、ボディプライスキム、ビード
フィラーなどを製造することも可能である。
【0062】本発明のポリマー類は、トレッドストック
用コンパウンドに入れるゴム100部として使用可能で
あるか、或は通常用いられる如何なるトレッドストック
用ゴムと一緒にブレンドされてもよく、そのようなゴム
には、天然ゴム、合成ゴムおよびそれらのブレンド物が
含まれる。本発明のポリマー類を通常のゴムと一緒にブ
レンドする時の量は幅広く多様であり得、その下限はゴ
ム全体の約10から20重量パーセントから成り得る。
このような最小量は主に所望のヒステリシス低下の度合
に依存する。従って、このようなコンパウンドに本発明
のポリマーを10−100重量%含めてもよく、その残
りを通常のゴム(用いる場合)にしてもよい。
【0063】本ポリマー類は全ての形態のカーボンブラ
ックと一緒に配合可能であり、カーボンブラックの量を
ゴム100部当たり約5から80重量部(phr)の範
囲にし、約35から60phrが好適である。このよう
なカーボンブラックには通常に入手可能な商業的生産の
カーボンブラックいずれもが含まれ得る。好適なカーボ
ンブラックコンパウンドの例が米国特許第5,521,
309号(カーボンブラックコンパウンドに関する主題
事項は引用することによって本明細書に組み入れられ
る)に記述されている。このカーボンブラックの全部ま
たは一部の代わりにシリカを用いることも可能である。
【0064】この補強ゴムコンパウンドに硬化を公知の
加硫剤を約0.1から10phr用いた通常様式で受け
させてもよい。適切な加硫剤の一般的開示に関しては、
Kirk−Othmer,Encyclopedia
of Chemical Technology,第3
版、Wiley Interscience,N.Y.
1982,20巻、365−468頁の特に“Vulc
anizationAgents and Auxil
iary Materials”,390−402頁を
参考にすることができる。加硫剤は単独でか或は組み合
わせて使用可能である。
【0065】本発明の加硫性エラストマー組成物の調製
は、標準的なゴム混合用装置および手順を用いて、本明
細書に示した巨大分枝ポリマー類をカーボンブラックお
よび他の通常のゴム用添加剤(これには例えば充填材、
例えばシリカなど、可塑剤、抗酸化剤、硬化剤などが含
まれる)と一緒にコンパウンドにする、即ち混合するこ
とを通して実施可能である。上記エラストマー組成物に
加硫を通常のゴム加硫条件下で受けさせると、それは低
下したヒステリシス特性を示し、特に低下した転がり抵
抗を示すタイヤ用のトレッドゴムとして用いるに特に適
応している。
【0066】
【実施例および一般的実験手順】触媒調製 本発明に従って生じさせる固体状支持型アニオン触媒の
調製および特性を立証する目的で、結合ゴム粒子(カー
ボンブラック−スチレンブタジエンゴム粒子またはカー
ボンブラック−天然ゴム粒子)を調製した後、これとリ
チウムヒドロカルビル化合物を極性調整剤の存在下で反
応させて、多重リチウム化(multi−lithia
ted)結合ゴム粒子を生じさせる(実施例1)。
【0067】他の固体状支持型アニオン触媒の調製を、
我々の同時係属中特許出願連続番号 に記述したように、
熱可塑性ポリマー粒子またはスクラップゴム、天然ゴム
もしくはスチレンブタジエンゴム粒子とリチウムヒドロ
カルビル化合物を極性調整剤の存在下で反応させてそれ
ぞれ多重リチウム化熱可塑性ポリマー粒子または硬化ゴ
ム粒子を生じさせることを通して行った(実施例2およ
び3)。
【0068】実施例4では、固体状支持型気相アニオン
重合方法で用いるに適した鉱油中の遊離BuLi触媒の
調製を例示する。
【0069】次に、そのようにして生じさせた触媒をブ
タジエンモノマーの気相重合で用いた。
【0070】記述する粒子、アルキル金属化合物、極性
調整剤および溶媒は、本発明の方法で使用可能なそれら
の単なる例を意図したもので、それらの個々の使用は制
限を意図したものでない、と言うのは、本分野の技術者
は他の金属置換可能粒子、アルカリ金属化合物、極性調
整剤および溶媒を利用することができるからである。
【0071】
【実施例】触媒調製手順 実施例1 この実施例では、カーボンブラック−スチレンブタジエ
ン結合ゴム粒子またはカーボンブラック−天然ゴム結合
ゴム粒子を固体状支持体として用いた金属置換触媒の調
製を記述する。この結合ゴム粒子の調製を、容量が30
0グラムのブラベンダー/バンバリーミキサーにスチレ
ンブタジエンゴムまたは天然ゴムを140グラム入れて
60rpmのローター速度を用いて140度Fで混合す
ることを通して行う。次に、上記ミキサー内の内容物が
粉砕されるまで上記ミキサーに140グラムのカーボン
ブラック(N110)を徐々に加える。この混合物には
結合していない過剰量のカーボンブラックが残存する。
【0072】この結合ゴム粒子を用いた触媒の調製を3
2オンスの飲料用ボトル内で行ったが、ここでは、この
ボトルを115℃で少なくとも16時間焼くことで乾燥
させた後、穴が2つ開いているクラウンキャップおよび
ゴムライナーで蓋をする。このボトルを乾燥窒素でパー
ジ洗浄しながら冷却する。このボトルに上記粒子を6グ
ラム入れる。次に、このボトルに蓋をしてヘキサンを2
0ml加えた後、窒素でパージ洗浄する。次に、6.6
2モル規定(M)のテトラメチルエチレンジアミン(T
MEDA)を1.8ミリリットル(ml)か、或は別法
として、1.8Mの2−2’−ジ(テトラヒドロフリ
ル)プロパン(OOPS)を8ml加えた後、ヘキサン
中1.6MのBuLi溶液を10ml加える。このボト
ルを50℃の回転ボトル浴内で24時間加熱する。次
に、このボトルを上記ボトル浴から取り出した後、室温
になるまで冷却する。次に、この固体状支持型触媒を懸
濁液の状態で触媒分解防止の目的で冷環境(冷蔵庫)に
入れて加圧下で貯蔵する。
【0073】この手順を用いて、表1に挙げる如き結合
ゴムを粒子として用いて材料濃度を変えていろいろな固
体状支持型触媒を調製した。
【0074】実施例2 この実施例では、熱可塑性ポリマーを粒子として用いた
触媒の調製を記述する。この用いたポリマーは、修飾ス
チレンから作られた分子量が2,900でTgが100
℃のコポリマーであり、これの商標はENDEXR15
5(Hercules Inc.、Wilmingto
n、DE)である。この触媒の調製を32オンスの飲料
用ボトル内で行ったが、ここでは、このボトルを115
℃で少なくとも16時間焼くことで乾燥させた後、穴が
2つ開いているクラウンキャップおよびゴムライナーで
蓋をする。このボトルを乾燥窒素でパージ洗浄しながら
冷却する。このボトルにENDEX(商標)を5.3グ
ラム入れる。このボトルに乾燥マーブル(marble
s)を15から20個加える。次に、このボトルに蓋を
してヘキサンを35ml加えた後、窒素でパージ洗浄す
る。次に、6.62MのTMEDAを1.2ml加えた
後、ヘキサン中1.6MのBuLi溶液を15ml加え
る。このボトルを50℃の回転ボトル浴内で24時間加
熱する。次に、このボトルを上記ボトル浴から取り出し
て室温になるまで冷却した後、余分な液体を除去した。
このボトルを機械的振とう機で激しく振とうすることで
大きな粒子を粉砕して小さい粒子にする。次に、この粒
子を50グラムのヘキサンに入れて再び懸濁させる。次
に、この固体状支持型触媒を懸濁液の状態で触媒分解防
止の目的で冷環境(冷蔵庫)に入れて加圧下で貯蔵す
る。
【0075】この手順を用いて、表1に挙げる如き熱可
塑性コポリマーであるENDEX(商標)を粒子として
用いて材料濃度を変えていろいろな固体状支持型触媒を
調製した。
【0076】実施例3 この実施例では、200メッシュの粉砕スクラップタイ
ヤゴム(RouseRubber Industrie
s)を粒子として用いた固体状支持型触媒の調製を記述
する。この粒子を触媒調製で用いるに先立って、この粒
子にアセトンを用いた抽出を少なくとも16時間受けさ
せることで硬化剤を実質的に全部除去しておく。この触
媒の調製を32オンスの飲料用ボトル内で行ったが、こ
こでは、このボトルを115℃で少なくとも16時間焼
くことで乾燥させた後、穴が2つ開いているクラウンキ
ャップおよびゴムライナーで蓋をする。このボトルを乾
燥窒素でパージ洗浄しながら冷却する。
【0077】このボトルに上記粉砕スクラップゴム粒子
を4.5グラム入れた。次に、このボトルに蓋をしてヘ
キサンを50グラム加えた後、窒素でパージ洗浄した。
次に、6.62モル規定(M)のテトラメチルエチレン
ジアミン(TMEDA)を1.9ミリリットル(ml)
を加えた後、ヘキサン中3重量%のn−ブチルリチウム
(BuLi)を100グラム加えた。このボトルを50
℃の回転ボトル浴内で24時間加熱した。次に、このボ
トルを上記ボトル浴から取り出した後、室温になるまで
冷却した。
【0078】いくらか残存する遊離BuLiを除去する
目的で、最初の希釈用ヘキサン(55グラム)を加えた
後、上記ボトルに入っている粒子が底に降下するまでボ
トルを静置する。次に、溶媒の上方層(96グラム)を
除去した後、2番目の希釈用ヘキサン(113グラム)
を加える。このボトルを激しく振とうした後、粒子が再
び底に降下するまで静置する。次に、このボトルから2
番目の溶媒抽出液を取り出す(109グラム)。3番目
の希釈用ヘキサン(102グラム)を加え、3番目の抽
出を実施(206グラム)した後、粒子を再び50グラ
ムのヘキサンに懸濁させる。アルコール停止反応(al
cohol termination)によるブタン発
生の滴定を用いた分析により、BuLiの89%が反応
したとして示され、従って最終懸濁液の濃度は0.33
Mである。
【0079】この固体状支持型触媒を懸濁液の状態で触
媒分解防止の目的で冷環境(冷蔵庫)に入れて加圧下で
貯蔵する。
【0080】この手順を用いて、表1に挙げる如き硬化
ゴムを粒子として用いて材料濃度を変えていろいろな固
体状支持型触媒を調製した。
【0081】実施例4 この実施例では、固体状支持型気相重合方法で用いるに
適した鉱油中の遊離BuLi触媒の調製を記述する。
【0082】この触媒の調製を32オンスの飲料用ボト
ル内で行ったが、ここでは、このボトルを115℃で少
なくとも16時間焼くことで乾燥させる。このボトルに
固体状支持体粒子(表1参照)および磁気撹拌棒を入れ
た後、穴が2つ開いているクラウンキャップおよびゴム
ライナーで蓋をする。このボトルを乾燥窒素でパージ洗
浄しながら冷却する。
【0083】このボトルにヘキサン中1.6Mのn−ブ
チルリチウムを145ml加えた後、鉱油を100グラ
ム加えた。次に、このボトルを機械的撹拌装置の上に置
いて、若干真空をかけることで、ヘキサン溶媒を除去し
た。
【0084】次に、この調製した触媒を分解防止の目的
で冷環境(冷蔵庫)に入れて加圧下で貯蔵した。
【0085】触媒の特徴付け 実施例1、2および3に示した如く調製した触媒のいく
つかの特性を表1に挙げる。この表に示すように、Bu
Liに対する極性調整剤(修飾剤、Mod.)の比率を
低くすると、結果として、粒子に結合していて活性を示
す元のリチウム(BuLiに由来)のパーセントが高く
なる。更に、結合したリチウムのパーセントが高いこと
は、金属に結合させる前の粒子中に存在する不純物(吸
収されている水、ヒドロキシル基、カルボキシル基など
による)の量が低かったことを示している。また、ヘキ
サンに入っている個々の触媒の計算モル規定値も挙げ
る。
【0086】ポリマー調製 以下に示す実施例では、本発明の触媒を用いた半バッチ
式ポリブタジエン気相アニオン重合の3種類の方法、即
ち実施例1、2および3に示した如く調製した粒子状触
媒に適した「小型粒子注入方法」および「大型粒子ドラ
イボックストランスファー方法」、そして実施例4に示
した如く調製した鉱油中の遊離BuLiを用いて生じさ
せた触媒に適した「固体状支持体上遊離BuLi方法」
を例示する。このような方法の実施例は限定を意図する
ものでない、と言うのは、本分野の技術者は本発明の触
媒を用いて上記ポリマー類および他のポリマー類、例え
ばスチレン−ブタジエンゴムなどを製造するに適した他
の気相アニオン重合方法を決定することができるからで
ある。また、スチレンとブタジエンを共重合させてスチ
レン−ブタジエンゴムを生じさせる場合の反応温度およ
び圧力も本分野の技術者に公知であり、このようなコポ
リマーは、この記述した方法を用いて、過度の実験を伴
うことなく適当な温度および圧力下で製造可能である。小型粒子注入方法 この実施例では、粉砕ゴムを粒子として用いた触媒(実
施例2に示した如く調製)の存在下でブタジエンモノマ
ーを気相アニオン重合させる半バッチ式方法を説明す
る。
【0087】ブタジエンモノマー(混ぜものなし)供給
装置(吸熱器として働く水浴内に保持)に連結している
サンプル口を伴う1000mlの溝付き(flute
d)丸底フラスコ内で重合を実施する。上記モノマー供
給装置にはまたフラスコに入れるモノマーを計量するバ
ルブも備わっている。上記フラスコには更に気体状窒素
供給装置に流体連結している入り口と真空ポンプに流体
連結している出口も備わっている。このフラスコへの窒
素供給を公知手段、例えば真空ポンプに連結させた圧力
メーターまたは「バブラー」(約2”鉱油)などを用い
て監視する。気泡の存在は窒素がフラスコの中を通って
流れることを示している。このフラスコを更にロータリ
ーエバポレーターに取り付ける。このロータリーエバポ
レーターの傾きをフラスコ内の反応体が上記溝付きフラ
スコの底の上を滑るのではなく滝のように落下するか或
は混ざり合うような回転軸になるように調整する。
【0088】表2に挙げるポリマー#P1から#P6の
各々の調製では、表1に挙げる量で触媒#1から#5を
用い、下記の一般的重合工程段階を用いた。ブタジエン
モノマーを所望度合の重合が起こるまでゆっくりと連続
的にフラスコに計量して入れた後、重合反応を停止させ
る。
【0089】重合を始める時、最初にフラスコを窒素で
パージ洗浄する。次に、触媒(溶媒、例えばヘキサンな
どに入っているスラリーの形態)を上記フラスコに仕込
んだ後、フラスコの回転を約30rpmで開始させる。
次に、このフラスコを50℃から65℃の水浴内で加熱
するか、或は触媒と一緒に導入した溶媒が上記フラスコ
から実質的に全部除去されるまで窒素で激しくパージ洗
浄する。
【0090】溶媒を除去した後、窒素流を用いて上記フ
ラスコ内に若干正の圧力(約3mmHg)を樹立する。
この圧力に到達した時点で、ブタジエンモノマーを上記
フラスコに窒素が全部ブタジエンに置き換わるまでゆっ
くりと計量して入れた後、若干正の圧力を維持する。次
に、窒素の供給を止めた後、バブラーの圧力を正に維持
することを通してフラスコ内の圧力を監視する。
【0091】ブタジエンモノマーの重合を2時間進行さ
せる。この期間中、上記フラスコは次第に「キャビア」
様の巨大分枝ポリブタジエンポリマーで満たされて来
る。次に、ブタジエンモノマーの供給を止めてフラスコ
を窒素で激しくパージ洗浄する。
【0092】窒素パージ洗浄後、プロトン性停止剤(例
えばイソプロピルアルコール)または官能化剤をフラス
コに仕込んだ後、抗酸化剤を仕込む。次に、このフラス
コの内容物を取り出して、その結果として得たポリマー
からいくらか残存する溶媒(例えば抗酸化剤に由来)を
例えばドラム乾燥などで除去する。大型粒子ドライボックストランスファー方法 この実施例では、粉砕ゴム粒子または熱可塑性ポリマー
粒子を用いた触媒(それぞれ実施例1および3に示した
如く調製)の存在下でブタジエンモノマーを気相アニオ
ン重合させる半バッチ式方法を説明する。重合を「小型
粒子注入方法」で用いたフラスコと同じ1000mlの
溝付き丸底フラスコを用いた同じ半バッチ式気相重合系
で実施する。しかしながら、触媒粒子が大きくてそれを
シリンジでフラスコの入り口に入れるのは容易でないこ
とから、このような方法を用いる。
【0093】表2に挙げるポリマー#P7から#P10
の各々の調製では、触媒#9、#10、#7および#8
をそれぞれ表1に挙げる量で用い、下記の一般的重合工
程段階を用いた。
【0094】この方法では、重合を始める前に溶媒を上
記粒子状触媒から除去しておいた。開放フラスコに大型
の乾燥金属置換触媒粒子を入れた後、このフラスコを閉
じて窒素でパージ洗浄する。このフラスコの回転を約3
0rpmで開始させた後、このフラスコを50℃から6
5℃の水浴内に保持する。次に、窒素流を用いて上記フ
ラスコ内に若干正の圧力(約3mmHg)を樹立する。
この圧力に到達した時点で、ブタジエンモノマーを上記
フラスコに窒素が全部ブタジエンに置き換わるまでゆっ
くりと計量して入れた後、若干正の圧力を維持する。そ
の後、「小型粒子注入方法」の場合と同様に重合を進行
させる。固体状支持体上遊離BuLi方法 この実施例では、遊離BuLiが鉱油に入っている溶液
を用いた触媒(実施例4に従って調製)の存在下でブタ
ジエンモノマーを気相アニオン重合させる半バッチ式方
法を説明する。重合を「小型粒子注入方法」で用いたフ
ラスコと同じ1000mlの溝付き丸底フラスコを用い
た同じ半バッチ式気相重合系で実施する。
【0095】表2に挙げるポリマー#P12から#P1
6の各々の調製では、触媒#F−1から#F−5を表1
に挙げる量で用い、下記の一般的重合工程段階を用い
た。重合を極性調整剤、例えばTMEDAまたはOOP
Sの存在下、この極性調整剤とBuLiの比率を0.2
5:1にして行う。ブタジエンモノマーを上記フラスコ
に所望度合の重合が起こるまでゆっくりと連続的に計量
して入れた後、重合反応を停止させる。
【0096】この方法では、最初に固体状担体粒子を開
放フラスコに入れる。この粒子の直径は1から約100
0ミクロンであり、これはカーボンブラック、グラファ
イト化カーボンブラック、粉砕スクラップゴム、結合ゴ
ム、ポリエチレンなどであってもよい。このフラスコに
入れた粒子の量(グラム)および種類を表2に挙げる。
次に、このフラスコを閉じて窒素でパージ洗浄する。次
に、このフラスコに、鉱油に溶解させたBuLi(実施
例4に従って調製)を表2挙げる量で仕込んだ後、極性
調整剤、例えば6.62MのTMEDAまたは1.8M
のOOPSをこの極性調整剤とBuLiの比率が0.2
5:1になるように仕込む。このフラスコの回転を約3
0rpmで開始させた後、このフラスコを50℃から6
5℃の水浴内に保持する。次に、窒素流を用いて上記フ
ラスコ内に若干正の圧力(約3mmHg)を樹立する。
この圧力に到達した時点で、ブタジエンモノマーを上記
フラスコに窒素が全部ブタジエンに置き換わるまでゆっ
くりと計量して入れた後、若干正の圧力を維持する。そ
の後、「小型粒子注入方法」の場合と同様に重合を進行
させる。
【0097】気相重合生成物の特徴付け 表2に示すように、ポリマー生成物は各々満足されるT
gである−27.8℃から−84.7℃のTgを示した。
「可溶物」は、粒子に結合しているポリマー鎖の数が比
較的少ないポリマーを表し、そのようなポリマーはトル
エンなどの如き溶媒に溶解し得る。このような可溶ポリ
マー類の数分子量(Mn)は3,700から198,3
00の範囲で低い多分散性を示し、従ってこれはポリマ
ー鎖を多数有する多重分枝ポリマーの最小分子量を表し
ている。好適なポリマーは可溶ポリマーのパーセントが
低くて巨大分枝ポリマーが占めるパーセントが高いポリ
マーである。
【0098】ポリマーP−12からP−16は、固体状
支持型遊離BuLiを触媒として用いた時に生じるポリ
マーの例である。ポリマーP−12(不活性な粒子をフ
ラスコ内で用いなかったことから、BuLiが入ってい
る油がフラスコの内側のみを覆っている場合の重合反応
生成物の例である)に比較して、ポリマーP−13から
P16の有意量はBuLiが上記粒子に吸収されている
時に生じる。
【0099】本明細書に好適な態様を言及することで本
発明を記述してきたが、本発明をその開示した具体的な
形態に限定することを意図するものでないと理解される
べきである。それとは対照的に、本発明の精神および範
囲内に入る全ての修飾形および代替形態の全部を保護す
ることを意図する。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】 本発明の特徴および態様は以下のとおりである。
【0103】1. 共役ジエンモノマー類の気相重合で
用いるに適した固体状の支持型アニオン重合触媒であっ
て、式 P(Me)n [式中、Pは、結合ゴムを含んで成る直径が約1ミクロ
ンから約1000ミクロンの金属置換可能粒子であり、
Meは該粒子に共有結合しているIA族のアルカリ金属
原子であり、そしてnは3に等しいか或はそれ以上の整
数である]で表される触媒。
【0104】2. 該結合ゴムがカーボンブラック−ス
チレンブタジエンゴム、カーボンブラック−ポリブタジ
エンゴム、カーボンブラック−ポリイソプレンゴム、カ
ーボンブラック−スチレンイソプレンゴム、カーボンブ
ラック−スチレンブタジエンイソプレンゴムおよびカー
ボンブラック−天然ゴムから選択される第1項記載の触
媒。
【0105】3. 該アルカリ金属原子がリチウム、ナ
トリウムまたはカリウム原子である第1項記載の触媒。
【0106】4. 該アルカリ金属原子がリチウム原子
である第3項記載の触媒。
【0107】5. 該アルカリ金属原子がリチウムの原
子とナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよ
びフランシウムの少なくとも1つの原子から選択される
原子の混合物である第1項記載の触媒。
【0108】6. nが該粒子に共有結合しているアル
カリ金属原子の多重度を表す整数である第1項記載の触
媒。
【0109】7. 該粒子が外側表面と内側マトリック
スを含んでいて該アルカリ金属原子が該外側表面に共有
結合しているか或は該内側マトリックスに共有結合して
いるか或は該外側表面と内側マトリックスの両方に共有
結合している第6項記載の触媒。
【0110】8. 巨大分枝ジエンポリマーであって、
クエンチング前に式 P−[(ポリマー)−Me]n [式中、Pは、結合ゴムを含んで成る直径が約1ミクロ
ンから約1000ミクロンの粒子を表し、MeはIA族
のアルカリ金属原子であり、nは3に等しいか或はそれ
以上の整数であり、そして(ポリマー)は該粒子に共有
結合しているポリマー鎖を表し、ここで、該ポリマー鎖
のポリマー成分が、炭素原子数が約4から約12の共役
ジオレフィンモノマー類から作られたポリマー類および
該共役ジオレフィンモノマー類と炭素原子数が約8から
約20のモノビニル芳香族モノマー類から作られたコポ
リマー類およびターポリマー類から選択される]で表さ
れるポリマー。
【0111】9. 該モノマー類がブタジエン、スチレ
ンおよびそれの誘導体およびイソプレンから選択される
第8項記載のポリマー。
【0112】10. 該アルカリ金属原子がリチウム、
ナトリウムまたはカリウム原子である第8項記載のポリ
マー。
【0113】11. 該アルカリ金属原子がリチウム原
子である第10項記載のポリマー。
【0114】12. 該アルカリ金属原子がリチウム原
子とナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよ
びフランシウムの少なくとも1つの原子から選択される
原子の混合物である第8項記載のポリマー。
【0115】13. nが該粒子に共有結合しているポ
リマー鎖の多重度を表す整数である第8項記載のポリマ
ー。
【0116】14. 該粒子に結合しているn個のポリ
マー鎖の各々が約20,000から約500,000の
分子量を有する第8項記載のポリマー。
【0117】15. 該ポリマーが−20℃未満のTg
を示す第8項記載のポリマー。
【0118】16. 該Tgが−30℃未満である第1
5項記載のポリマー。
【0119】17. 該Tgが−35℃未満である第1
6項記載のポリマー。
【0120】18. 加硫性エラストマー組成物であっ
て、第8項記載のポリマーとこのポリマー100重量部
当たり約5から約80重量部のカーボンブラックから作
られた組成物。
【0121】19. 加硫性エラストマー組成物であっ
て、第15項記載のポリマーとこのポリマー100重量
部当たり約5から約80重量部のカーボンブラックから
作られた組成物。
【0122】20. タイヤであって、第18項記載の
加硫性エラストマー組成物から作られた構成要素が少な
くとも1つ備わっているタイヤ。
【0123】21. タイヤであって、第19項記載の
加硫性エラストマー組成物から作られた構成要素が少な
くとも1つ備わっているタイヤ。
【0124】22. 共役ジエンモノマー類の気相重合
で用いるに適した固体状の支持型アニオン重合触媒を製
造する方法であって、(1) (a)可変速ローターと
温度制御が備わっているミキサー内で(i)ポリマーと
(ii)過剰量のカーボンブラックを選択した温度およ
びローター速度で該ポリマーとカーボンブラックが粉砕
されかつ該ポリマーの少なくとも25%がカーボンブラ
ックに結合するに充分な時間混合し、(b)該ミキサー
から粒子を取り出し、(c)該粒子の分粒を行う、段階
で作られた直径が約1ミクロンから約1000ミクロン
の結合ゴム粒子を準備し、(2) (i)該結合ゴム粒
子と(ii)式R(Me)[式中、Rは、炭素原子数が
1から約20のヒドロカルビル基を表し、そしてMeは
IA族のアルカリ金属である]で表されるアルカリ金属
化合物を(iii)極性調整剤の存在下で反応させて式 P(Me)n [式中、Pは、アルカリ金属原子に共有結合している結
合ゴム粒子を表し、そしてnは3に等しいか或はそれ以
上の整数である]で表される反応生成物を生じさせる、
段階を含む方法。
【0125】23. 該アルカリ金属がリチウム、ナト
リウムまたはカリウムである第22項記載の方法。
【0126】24. 該アルカリ金属がリチウムである
第23項記載の方法。
【0127】25. 該アルカリ金属化合物がリチウム
化合物とナトリウム化合物、カリウム化合物、ルビジウ
ム化合物、セシウム化合物およびフランシウム化合物の
少なくとも1つから選択される化合物の混合物を表す第
22項記載の方法。
【0128】26. 該R基がアルキル類、シクロアル
キル類、アルケニル類、アルキニル類、アリール類、ア
ラルキル類およびそれらの組み合わせから本質的に成る
脂肪族および環状脂肪族基から選択される第22項記載
の方法。
【0129】27. 該アルカリ金属化合物がn−ブチ
ルリチウムである第22項記載の方法。
【0130】28. 該極性調整剤をテトラヒドロフラ
ン、線状のオリゴマー状オキソラニルアルカン類、環状
のオリゴマー状オキソラニルアルカン類、モノおよびオ
リゴアルキレングリコール類のジアルキルエーテル類、
クラウンエーテル類、完全アルキル置換ジアミン類、完
全アルキル置換トリアミン類およびそれらの混合物から
本質的に成る群から選択する第22項記載の方法。
【0131】29. 該極性調整剤と該アルカリ金属化
合物のモル比を約0.03:1から約4:1にする第2
2項記載の方法。
【0132】30. 該モル比を約0.05:1から約
1:1にする第29項記載の方法。
【0133】31. 該モル比を約0.06:1から約
0.5:1にする第30項記載の方法。
【0134】32. 共役ジエンモノマー類の気相アニ
オン重合方法であって、(1) 気相反応ゾーンに、
(a) 式 P(Me)n [式中、Pは、80℃から約300℃のTgを示す熱可
塑性ポリマー、硬化エラストマー、結合ゴムおよびそれ
らの混合物から成る群から選択されるものを含んで成る
直径が約1ミクロンから約1000ミクロンの粒子を表
し、Meは該粒子に共有結合しているIA族のアルカリ
金属原子であり、そしてnは3に等しいか或はそれ以上
の整数である]で表される固体状の支持型アニオン重合
触媒、および(b) 炭素原子数が約4から約12の共
役ジオレフィンモノマー類および炭素原子数が約8から
約20のモノビニル芳香族モノマー類から選択されるア
ニオン重合性共役ジエンモノマー、を仕込み、(2)
該モノマー類を重合させて、クエンチング前に式 P−[(ポリマー)−Me]n [式中、Pは粒子を表し、MeはIA族のアルカリ金属
原子であり、nは3に等しいか或はそれ以上の整数であ
り、そして(ポリマー)は該粒子に共有結合しているポ
リマー鎖を表す]で表されるジエンポリマーを生じさ
せ、そして(3) このポリマーを該反応ゾーンから取
り出す、段階を含む方法。
【0135】33. 該重合を停止剤または官能化剤で
停止させる段階を更に含む第32項記載の方法。
【0136】34. 該停止剤または該官能化剤をアル
コール類、置換アルジミン類、置換ケチミン類、ミヒラ
ーケトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
1−アルキル置換ピロリジノン類、1−アリール置換ピ
ロリジノン類、トリブチル錫クロライドおよびそれらの
混合物から成る群から選択する第33項記載の方法。
【0137】35. 該触媒を炭化水素溶媒に懸濁させ
そして該モノマー類を仕込む前に該溶媒を該反応ゾーン
から除去する段階を更に含む第32項記載の方法。
【0138】36. 該硬化エラストマーが配合して硬
化させたエラストマーから実質的に硬化剤を除去したも
のである第32項記載の方法。
【0139】37. 共役ジエンモノマー類の気相アニ
オン重合方法であって、(1) 気相反応ゾーンに、
(a) (i)80℃から約300℃のTgを示す熱可
塑性ポリマー、硬化エラストマー、結合ゴム、カーボン
ブラック、グラファイト化カーボンブラックおよびそれ
らの混合物から成る群から選択されるものを含んで成る
直径が1から約1000ミクロンの粒子を多数および
(ii)溶解しているn−ブチルリチウムが入っている
油を含んでいて該油が多数のn−ブチルリチウム分子が
該粒子に吸収されるように該粒子の表面上に被膜を形成
している固体状の支持型アニオン重合触媒、(b) 極
性調整剤、および(c) 炭素原子数が約4から約12
の共役ジオレフィンモノマー類および該ジオレフィンモ
ノマー類と一緒の炭素原子数が約8から約20のモノビ
ニル芳香族モノマー類から選択されるアニオン重合性共
役ジエンモノマー類、を逐次的に仕込み、(2) 該モ
ノマー類を重合させてポリマーを生じさせ、そして
(3) このポリマーを該反応ゾーンから取り出す、段
階を含む方法。
【0140】38. 該油が鉱油である第37項記載の
方法。
【0141】39. 該極性調整剤をテトラヒドロフラ
ン、線状のオリゴマー状オキソラニルアルカン類、環状
のオリゴマー状オキソラニルアルカン類、モノおよびオ
リゴアルキレングリコール類のジアルキルエーテル類、
クラウンエーテル類、完全アルキル置換ジアミン類、完
全アルキル置換トリアミン類およびそれらの混合物から
本質的に成る群から選択する第37項記載の方法。
【0142】40. 該極性調整剤と該n−ブチルリチ
ウムのモル比を約0.03:1から約4:1にする第3
7項記載の方法。
【0143】41. 該モル比を約0.05:1から約
1:1にする第40項記載の方法。
【0144】42. 該モル比を約0.06:1から約
0.5:1にする第41項記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】共有結合した3個のアルカリ金属原子で金属置
換されている結合ゴム粒子を含んで成る本発明の触媒の
図式図である。
【図2】表面に共有結合した多数のアルカリ金属原子で
金属置換された図1の触媒の図式図である。
【図3】結合ゴム粒子の内側マトリックスが共有結合し
たアルカリ金属原子で多重金属置換されている粒子を含
んで成る本発明の触媒の図式図である。
【図4】結合ゴム粒子の表面および内側マトリックスの
両方が共有結合したアルカリ金属原子で多重金属置換さ
れている粒子を含んで成る本発明の触媒の図式図であ
る。
【図5】図1から4に示した金属置換触媒を用いて生じ
させた巨大分枝ジエンポリマーの図式図である。
【図6】n−ブチルリチウムが溶解している油で覆われ
た粒子、例えばグラファイト化カーボンブラック、粉砕
ゴムまたは粉砕ポリエチレンの図式図である。
【図7】図6の粒子を触媒として用いた時に生じるジエ
ンポリマー鎖の図式図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 9/00 C08L 9/00 (72)発明者 セオドア・ジエイ・ナトソン アメリカ合衆国ミネソタ州55410エデイ ナ・ウエストシツクステイースストリート 3404 (72)発明者 ゲオルク・ジー・エイ・ベーム アメリカ合衆国オハイオ州44313アクロ ン・サンセツトビユードライブウエスト 1212

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエンモノマー類の気相重合で用い
    るに適した固体状の支持型アニオン重合触媒であって、
    式 P(Me)n [式中、Pは、結合ゴムを含んで成る直径が約1ミクロ
    ンから約1000ミクロンの金属置換可能粒子であり、
    Meは該粒子に共有結合しているIA族のアルカリ金属
    原子であり、そしてnは3に等しいか或はそれ以上の整
    数である]で表される触媒。
  2. 【請求項2】 巨大分枝ジエンポリマーであって、クエ
    ンチング前に式 P−[(ポリマー)−Me]n [式中、Pは、結合ゴムを含んで成る直径が約1ミクロ
    ンから約1000ミクロンの粒子を表し、MeはIA族
    のアルカリ金属原子であり、nは3に等しいか或はそれ
    以上の整数であり、そして(ポリマー)は該粒子に共有
    結合しているポリマー鎖を表し、ここで、該ポリマー鎖
    のポリマー成分が、炭素原子数が約4から約12の共役
    ジオレフィンモノマー類から作られたポリマー類および
    該共役ジオレフィンモノマー類と炭素原子数が約8から
    約20のモノビニル芳香族モノマー類から作られたコポ
    リマー類およびターポリマー類から選択される]で表さ
    れるポリマー。
  3. 【請求項3】 加硫性エラストマー組成物であって、請
    求項2記載のポリマーとこのポリマー100重量部当た
    り約5から約80重量部のカーボンブラックから作られ
    た組成物。
  4. 【請求項4】 タイヤであって、請求項3記載の加硫性
    エラストマー組成物から作られた構成要素が少なくとも
    1つ備わっているタイヤ。
  5. 【請求項5】 共役ジエンモノマー類の気相重合で用い
    るに適した固体状の支持型アニオン重合触媒を製造する
    方法であって、 (1) (a)可変速ローターと温度制御が備わってい
    るミキサー内で(i)ポリマーと(ii)過剰量のカー
    ボンブラックを選択した温度およびローター速度で該ポ
    リマーとカーボンブラックが粉砕されかつ該ポリマーの
    少なくとも25%がカーボンブラックに結合するに充分
    な時間混合し、 (b)該ミキサーから粒子を取り出し、 (c)該粒子の分粒を行う、段階で作られた直径が約1
    ミクロンから約1000ミクロンの結合ゴム粒子を準備
    し、(2) (i)該結合ゴム粒子と(ii)式R(M
    e)[式中、Rは、炭素原子数が1から約20のヒドロ
    カルビル基を表し、そしてMeはIA族のアルカリ金属
    である]で表されるアルカリ金属化合物を(iii)極
    性調整剤の存在下で反応させて式 P(Me)n [式中、Pは、アルカリ金属原子に共有結合している結
    合ゴム粒子を表し、そしてnは3に等しいか或はそれ以
    上の整数である]で表される反応生成物を生じさせる、
    段階を含む方法。
  6. 【請求項6】 共役ジエンモノマー類の気相アニオン重
    合方法であって、(1) 気相反応ゾーンに、 (a) 式 P(Me)n [式中、Pは、80℃から約300℃のTgを示す熱可
    塑性ポリマー、硬化エラストマー、結合ゴムおよびそれ
    らの混合物から成る群から選択されるものを含んで成る
    直径が約1ミクロンから約1000ミクロンの粒子を表
    し、Meは該粒子に共有結合しているIA族のアルカリ
    金属原子であり、そしてnは3に等しいか或はそれ以上
    の整数である]で表される固体状の支持型アニオン重合
    触媒、および(b) 炭素原子数が約4から約12の共
    役ジオレフィンモノマー類および炭素原子数が約8から
    約20のモノビニル芳香族モノマー類から選択されるア
    ニオン重合性共役ジエンモノマー、を仕込み、(2)
    該モノマー類を重合させて、クエンチング前に式 P−[(ポリマー)−Me]n [式中、Pは粒子を表し、MeはIA族のアルカリ金属
    原子であり、nは3に等しいか或はそれ以上の整数であ
    り、そして(ポリマー)は該粒子に共有結合しているポ
    リマー鎖を表す]で表されるジエンポリマーを生じさ
    せ、そして(3) このポリマーを該反応ゾーンから取
    り出す、段階を含む方法。
  7. 【請求項7】 共役ジエンモノマー類の気相アニオン重
    合方法であって、(1) 気相反応ゾーンに、 (a) (i)80℃から約300℃のTgを示す熱可
    塑性ポリマー、硬化エラストマー、結合ゴム、カーボン
    ブラック、グラファイト化カーボンブラックおよびそれ
    らの混合物から成る群から選択されるものを含んで成る
    直径が約1から約1000ミクロンの粒子を多数および
    (ii)溶解しているn−ブチルリチウムが入っている
    油を含んでいて該油が多数のn−ブチルリチウム分子が
    該粒子に吸収されるように該粒子の表面上に被膜を形成
    している固体状の支持型アニオン重合触媒、 (b) 極性調整剤、および (c) 炭素原子数が約4から約12の共役ジオレフィ
    ンモノマー類および該ジオレフィンモノマー類と一緒の
    炭素原子数が約8から約20のモノビニル芳香族モノマ
    ー類から選択されるアニオン重合性共役ジエンモノマー
    類、を逐次的に仕込み、(2) 該モノマー類を重合さ
    せてポリマーを生じさせ、そして(3) このポリマー
    を該反応ゾーンから取り出す、段階を含む方法。
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