JPH11310467A - 酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具 - Google Patents
酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具Info
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- JPH11310467A JPH11310467A JP10118458A JP11845898A JPH11310467A JP H11310467 A JPH11310467 A JP H11310467A JP 10118458 A JP10118458 A JP 10118458A JP 11845898 A JP11845898 A JP 11845898A JP H11310467 A JPH11310467 A JP H11310467A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】優れた磁気特性、被焼成物との付着がなく、被
焼成物の傷や変形のないものが得られる酸化亜鉛−アル
ミナ系複合材料製焼成用治具の提供 【解決手段】本発明は、酸化亜鉛及びアルミナを主成分
とする酸化亜鉛−アルミナ系複合材料からなる焼成用治
具であって、図1のaに示されるように、焼成用治具1
は、その表面に網目状に凸部2が形成されている。この
一部を拡大したもの(符号11)が図1のbに示されて
おり、凸部2が四角錐状に形成されている。図1のcに
は、更に拡大された四角錐が示され、四つの稜3によっ
て形成されている。凸部2の稜3の傾斜角度は任意であ
るが、好ましくは20°〜70°である。またこの四角
錐はその頂上部が球状4を形成しており、これにより被
焼成物との接触に対する付着を防止すると共に被焼成物
に対する傷が低減される。
焼成物の傷や変形のないものが得られる酸化亜鉛−アル
ミナ系複合材料製焼成用治具の提供 【解決手段】本発明は、酸化亜鉛及びアルミナを主成分
とする酸化亜鉛−アルミナ系複合材料からなる焼成用治
具であって、図1のaに示されるように、焼成用治具1
は、その表面に網目状に凸部2が形成されている。この
一部を拡大したもの(符号11)が図1のbに示されて
おり、凸部2が四角錐状に形成されている。図1のcに
は、更に拡大された四角錐が示され、四つの稜3によっ
て形成されている。凸部2の稜3の傾斜角度は任意であ
るが、好ましくは20°〜70°である。またこの四角
錐はその頂上部が球状4を形成しており、これにより被
焼成物との接触に対する付着を防止すると共に被焼成物
に対する傷が低減される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面に凸部を有する
酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具に関するも
のであり、特に、ソフトフェライトやバリスタ等の焼成
に適し、磁気特性を損なわず、被焼成物との付着が低減
され、また被焼成物の変形がない好適な酸化亜鉛−アル
ミナ系複合材料製焼成用治具に関するものである。
酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具に関するも
のであり、特に、ソフトフェライトやバリスタ等の焼成
に適し、磁気特性を損なわず、被焼成物との付着が低減
され、また被焼成物の変形がない好適な酸化亜鉛−アル
ミナ系複合材料製焼成用治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェライト製磁性材料等の焼成に当って
は、従来、アルミナ質又はジルコニア質の焼成用治具を
用い、この焼成用治具の上に被焼成物を載せて焼成を行
っているが、従来の焼成用治具のうち、アルミナ質の焼
成用治具では、被焼成物の電気的特性や磁気特性が良好
な値となるような焼成条件の設定が難しく、良品率(歩
留り)が低い。またジルコニア質の焼成用治具では、ア
ルミナ質の焼成用治具を用いた場合に比べて、被焼成物
の電気的特性や磁気特性を特定の値に設定したものが容
易に得られるが、焼成用治具自体の重量が大きいことか
ら作業効率が悪く、また、ジルコニア質特有の熱膨張の
ために耐久性の面で問題が生じていた。
は、従来、アルミナ質又はジルコニア質の焼成用治具を
用い、この焼成用治具の上に被焼成物を載せて焼成を行
っているが、従来の焼成用治具のうち、アルミナ質の焼
成用治具では、被焼成物の電気的特性や磁気特性が良好
な値となるような焼成条件の設定が難しく、良品率(歩
留り)が低い。またジルコニア質の焼成用治具では、ア
ルミナ質の焼成用治具を用いた場合に比べて、被焼成物
の電気的特性や磁気特性を特定の値に設定したものが容
易に得られるが、焼成用治具自体の重量が大きいことか
ら作業効率が悪く、また、ジルコニア質特有の熱膨張の
ために耐久性の面で問題が生じていた。
【0003】このような問題のない焼成用治具として、
アルミナ粉末と酸化亜鉛粉末とをアルミナと酸化亜鉛と
がほぼ等モルとなるように混合し、混合物を造粒して成
形した後焼成することにより製造された酸化亜鉛−アル
ミナ系複合材料製焼成用治具(ZnAl2 O4 (亜鉛ア
ルミナスピネル)製焼成用治具)が有効であることが開
発されている。
アルミナ粉末と酸化亜鉛粉末とをアルミナと酸化亜鉛と
がほぼ等モルとなるように混合し、混合物を造粒して成
形した後焼成することにより製造された酸化亜鉛−アル
ミナ系複合材料製焼成用治具(ZnAl2 O4 (亜鉛ア
ルミナスピネル)製焼成用治具)が有効であることが開
発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
如きアルミナと酸化亜鉛とを等モルで混合した原料を用
いて製造された酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用
治具では、次のような問題があった。ハンドリング強
度、耐久性が十分であるとは言えず、改善が望まれる。
焼成条件によっては被焼成物との反応で治具のZnA
l2 O4 の一部が被焼成物に付着する。このため、得ら
れる製品の磁気特性等が劣るものとなり、高品質のもの
を歩留り良く製造することができない。
如きアルミナと酸化亜鉛とを等モルで混合した原料を用
いて製造された酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用
治具では、次のような問題があった。ハンドリング強
度、耐久性が十分であるとは言えず、改善が望まれる。
焼成条件によっては被焼成物との反応で治具のZnA
l2 O4 の一部が被焼成物に付着する。このため、得ら
れる製品の磁気特性等が劣るものとなり、高品質のもの
を歩留り良く製造することができない。
【0005】そこで、本発明者等は、前述の如き問題点
について種々検討したところ、酸化亜鉛−アルミナ系複
合材料製焼成用治具に凸部を設けて被焼成物との接触面
積を少なくしてみたところ、意外にも被焼成物と凸部の
接触部において付着がなく、被焼成物の変形のないもの
が得られ、更に被焼成物の磁気特性にも優れていること
を見出し、ここに本発明をなすに至った。したがって、
本発明が解決しようとする課題は、優れた磁気特性、被
焼成物との付着がなく、被焼成物の傷や変形のないもの
が得られる優れた酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成
用治具を提供することにある。
について種々検討したところ、酸化亜鉛−アルミナ系複
合材料製焼成用治具に凸部を設けて被焼成物との接触面
積を少なくしてみたところ、意外にも被焼成物と凸部の
接触部において付着がなく、被焼成物の変形のないもの
が得られ、更に被焼成物の磁気特性にも優れていること
を見出し、ここに本発明をなすに至った。したがって、
本発明が解決しようとする課題は、優れた磁気特性、被
焼成物との付着がなく、被焼成物の傷や変形のないもの
が得られる優れた酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成
用治具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、以
下の各発明によって達成される。
下の各発明によって達成される。
【0007】(1)治具表面に凸部を有し、該治具表面
と被焼成物との接触面積が2〜70%であることを特徴
とする酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具。 (2)凸部が網目状に配列されていると共に凸部の形状
が四角錐であり、かつ該先端が球状であることを特徴と
する前記第1項に記載の酸化亜鉛−アルミナ系複合材料
製焼成用治具。 (3)被焼成物がソフトフェライトであることを特徴と
する前記第1項又は第2項に記載の酸化亜鉛−アルミナ
系複合材料製焼成用治具。 (4)酸化亜鉛及びアルミナに対して、酸化ジルコニウ
ムの含有量が0.01〜1.0重量%、二酸化珪素の含
有量が0.01〜1.0重量%含有している酸化亜鉛−
アルミナ系複合材料製焼成用治具において、該酸化亜鉛
−アルミナ系複合材料中のクロム、マグネシウム、カル
シウム、ニッケル又はマンガンから選択されるいずれか
の元素の含有量が、前記酸化亜鉛−アルミナに対して
0.01〜1.0重量%であることを特徴とする前記第
1項乃至第3項のいずれかに記載の酸化亜鉛−アルミナ
系複合材料製焼成用治具。
と被焼成物との接触面積が2〜70%であることを特徴
とする酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具。 (2)凸部が網目状に配列されていると共に凸部の形状
が四角錐であり、かつ該先端が球状であることを特徴と
する前記第1項に記載の酸化亜鉛−アルミナ系複合材料
製焼成用治具。 (3)被焼成物がソフトフェライトであることを特徴と
する前記第1項又は第2項に記載の酸化亜鉛−アルミナ
系複合材料製焼成用治具。 (4)酸化亜鉛及びアルミナに対して、酸化ジルコニウ
ムの含有量が0.01〜1.0重量%、二酸化珪素の含
有量が0.01〜1.0重量%含有している酸化亜鉛−
アルミナ系複合材料製焼成用治具において、該酸化亜鉛
−アルミナ系複合材料中のクロム、マグネシウム、カル
シウム、ニッケル又はマンガンから選択されるいずれか
の元素の含有量が、前記酸化亜鉛−アルミナに対して
0.01〜1.0重量%であることを特徴とする前記第
1項乃至第3項のいずれかに記載の酸化亜鉛−アルミナ
系複合材料製焼成用治具。
【0008】本発明では、治具表面に凸部を有し、該治
具表面と被焼成物との接触面積を2〜70%としたこと
により被焼成物と治具との付着が極めて良好に防止さ
れ、また被焼成物が傷ついたり、変形しない良好な品質
のものが得られる。また、凸部が網目状に配列されてい
ると共に凸部の形状が四角錐であり、かつ該先端が球状
であることにより良好に付着が防止され、傷付きが防止
され、磁気特性にも影響されることなく優れた被焼成物
が得られる。
具表面と被焼成物との接触面積を2〜70%としたこと
により被焼成物と治具との付着が極めて良好に防止さ
れ、また被焼成物が傷ついたり、変形しない良好な品質
のものが得られる。また、凸部が網目状に配列されてい
ると共に凸部の形状が四角錐であり、かつ該先端が球状
であることにより良好に付着が防止され、傷付きが防止
され、磁気特性にも影響されることなく優れた被焼成物
が得られる。
【0009】更に本発明の酸化亜鉛−アルミナ系複合材
料製焼成用治具は、被焼成物としてソフトフェライトを
用いるときには、いっそうの優れた付着の防止性、変形
防止及び磁気特性を損ねることなく焼成される。
料製焼成用治具は、被焼成物としてソフトフェライトを
用いるときには、いっそうの優れた付着の防止性、変形
防止及び磁気特性を損ねることなく焼成される。
【0010】本発明は、酸化亜鉛及びアルミナに対し
て、酸化ジルコニウムの含有量が0.01〜1.0重量
%、二酸化珪素の含有量が0.01〜1.0重量%含有
している酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具に
おいて、該酸化亜鉛−アルミナ系複合材料中のクロム、
マグネシウム、カルシウム、ニッケル又はマンガンから
選択されるいずれかの元素の含有量が、前記酸化亜鉛−
アルミナに対して0.01〜1.0重量%であることを
特徴とする酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具
を用いることにより、いっそう良好に付着が防止され、
被焼成物の変形がなく、磁気特性にも影響されることな
のないという優れた効果を奏するものである。
て、酸化ジルコニウムの含有量が0.01〜1.0重量
%、二酸化珪素の含有量が0.01〜1.0重量%含有
している酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具に
おいて、該酸化亜鉛−アルミナ系複合材料中のクロム、
マグネシウム、カルシウム、ニッケル又はマンガンから
選択されるいずれかの元素の含有量が、前記酸化亜鉛−
アルミナに対して0.01〜1.0重量%であることを
特徴とする酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具
を用いることにより、いっそう良好に付着が防止され、
被焼成物の変形がなく、磁気特性にも影響されることな
のないという優れた効果を奏するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明するが、本発明は、これに限定されるものではな
い。本発明の酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治
具は、治具表面に凸部を有し、該治具表面と被焼成物と
の接触面積が2〜70%であることを特徴とするもので
あるが、具体的に、図1により説明する。図1は、本発
明の酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具を示す
平面図である。図2は、本発明の四角錐状の凸部を示す
平面乃至断面図である。図3は、本発明の円錐形状の凸
部を示す平面乃至断面図である。
に説明するが、本発明は、これに限定されるものではな
い。本発明の酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治
具は、治具表面に凸部を有し、該治具表面と被焼成物と
の接触面積が2〜70%であることを特徴とするもので
あるが、具体的に、図1により説明する。図1は、本発
明の酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具を示す
平面図である。図2は、本発明の四角錐状の凸部を示す
平面乃至断面図である。図3は、本発明の円錐形状の凸
部を示す平面乃至断面図である。
【0012】図1のaにおいて、酸化亜鉛−アルミナ系
複合材料製焼成用治具1は、その表面に網目状に凸部2
が形成されている。この一部を拡大したもの(符号1
1)が図1のbに示されており、凸部2が四角錐状に形
成されている。図1のcには、更に拡大された四角錐が
示され、四つの稜3によって形成されている。凸部2の
稜3の傾斜角度は任意であるが、好ましくは20°〜7
0°である。またこの四角錐はその頂上部が球状4を形
成しており、これにより被焼成物との接触に対する付着
を防止すると共に被焼成物に対する傷が低減される。
複合材料製焼成用治具1は、その表面に網目状に凸部2
が形成されている。この一部を拡大したもの(符号1
1)が図1のbに示されており、凸部2が四角錐状に形
成されている。図1のcには、更に拡大された四角錐が
示され、四つの稜3によって形成されている。凸部2の
稜3の傾斜角度は任意であるが、好ましくは20°〜7
0°である。またこの四角錐はその頂上部が球状4を形
成しており、これにより被焼成物との接触に対する付着
を防止すると共に被焼成物に対する傷が低減される。
【0013】この凸部の他の好ましい形状としては、図
3のa,bに示される如き円錐形状21でもよく、適宜
の傾斜31を有している。また他の三角錐状、多角錐状
のいずれでもよい。これらの頂上部の形状は、球状、楕
円球状等が好ましい。
3のa,bに示される如き円錐形状21でもよく、適宜
の傾斜31を有している。また他の三角錐状、多角錐状
のいずれでもよい。これらの頂上部の形状は、球状、楕
円球状等が好ましい。
【0014】また本発明においては、治具表面に形成さ
れる凸部と被焼成物との接触面積が2〜70%であると
き、十分な付着が防止されると共に被焼成物の変形のな
い優れた品質のものが得られる。好ましくは接触面積が
10〜40%である。この接触面積が2%未満では、被
焼成物が変形したり、反りが生じたりする恐れがあり好
ましくない。また接触面積が70%を越えると十分な付
着防止に対する改善がされない。本発明では、被焼成物
がソフトフェライトであるときに、焼成されたフェライ
トが傷のないものが得られ、また接着が防止されて治具
から容易に分離することができる。
れる凸部と被焼成物との接触面積が2〜70%であると
き、十分な付着が防止されると共に被焼成物の変形のな
い優れた品質のものが得られる。好ましくは接触面積が
10〜40%である。この接触面積が2%未満では、被
焼成物が変形したり、反りが生じたりする恐れがあり好
ましくない。また接触面積が70%を越えると十分な付
着防止に対する改善がされない。本発明では、被焼成物
がソフトフェライトであるときに、焼成されたフェライ
トが傷のないものが得られ、また接着が防止されて治具
から容易に分離することができる。
【0015】本発明の酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製
焼成用治具を形成する材料しては、酸化亜鉛−アルミナ
系複合材料であれば、任意に使用できるが、好ましく
は、酸化亜鉛及びアルミナに対して、酸化ジルコニウム
の含有量が0.01〜1.0重量%、二酸化珪素の含有
量が0.01〜1.0重量%含有している酸化亜鉛−ア
ルミナ系複合材料であって、該酸化亜鉛−アルミナ系複
合材料中のクロム、マグネシウム、カルシウム、ニッケ
ル又はマンガンから選択されるいずれかの元素の含有量
が、前記酸化亜鉛−アルミナに対して0.01〜1.0
重量%である。また本発明の酸化亜鉛−アルミナ系複合
材料としては、酸化第二鉄の含有量が酸化亜鉛−アルミ
ナに対して0.05重量%以下であるものが好ましい。
焼成用治具を形成する材料しては、酸化亜鉛−アルミナ
系複合材料であれば、任意に使用できるが、好ましく
は、酸化亜鉛及びアルミナに対して、酸化ジルコニウム
の含有量が0.01〜1.0重量%、二酸化珪素の含有
量が0.01〜1.0重量%含有している酸化亜鉛−ア
ルミナ系複合材料であって、該酸化亜鉛−アルミナ系複
合材料中のクロム、マグネシウム、カルシウム、ニッケ
ル又はマンガンから選択されるいずれかの元素の含有量
が、前記酸化亜鉛−アルミナに対して0.01〜1.0
重量%である。また本発明の酸化亜鉛−アルミナ系複合
材料としては、酸化第二鉄の含有量が酸化亜鉛−アルミ
ナに対して0.05重量%以下であるものが好ましい。
【0016】本発明に用いられる酸化亜鉛−アルミナ系
複合材料の主成分を構成するZnOとAl2 O3 は、通
常の場合、ZnO:Al2 O3 =49.0〜51.0:
51.0〜49.0(モル%)、好ましくはZnOとA
l2 O3 の等モル混合物とされる。この主成分の割合が
上記範囲を外れ、ZnOが多くAl2 O3 が少ないと、
焼結時の変形で得られる焼結体に反りや寸法のバラツキ
が生じ、著しい場合には焼結体自体得ることが困難とな
る。逆に、ZnOが少なくAl2 O3 が多いと、アルミ
ナ相の残留で、この焼成用治具を用いて被焼成物の焼成
を行った際に、被焼成物に悪影響を及ぼすこととなる。
複合材料の主成分を構成するZnOとAl2 O3 は、通
常の場合、ZnO:Al2 O3 =49.0〜51.0:
51.0〜49.0(モル%)、好ましくはZnOとA
l2 O3 の等モル混合物とされる。この主成分の割合が
上記範囲を外れ、ZnOが多くAl2 O3 が少ないと、
焼結時の変形で得られる焼結体に反りや寸法のバラツキ
が生じ、著しい場合には焼結体自体得ることが困難とな
る。逆に、ZnOが少なくAl2 O3 が多いと、アルミ
ナ相の残留で、この焼成用治具を用いて被焼成物の焼成
を行った際に、被焼成物に悪影響を及ぼすこととなる。
【0017】本発明においては、このような主成分に対
して、ZrO2 を添加することにより被焼成物との反応
を防止すると共に、SiO2 を添加することにより,強
度、耐久性の改善を図る。ZrO2 の添加量が少な過ぎ
るとZrO2 添加による被焼成物との反応防止効果が十
分に得られず、逆に多過ぎると被焼成物の磁気特性の低
下を引き起こす。従って、ZrO2 は、酸化亜鉛−アル
ミナ系複合材料中の主成分に対するZrO2 の割合が
0.01〜1.0重量%、好ましくは0.5〜1.0重
量%となるように添加する。
して、ZrO2 を添加することにより被焼成物との反応
を防止すると共に、SiO2 を添加することにより,強
度、耐久性の改善を図る。ZrO2 の添加量が少な過ぎ
るとZrO2 添加による被焼成物との反応防止効果が十
分に得られず、逆に多過ぎると被焼成物の磁気特性の低
下を引き起こす。従って、ZrO2 は、酸化亜鉛−アル
ミナ系複合材料中の主成分に対するZrO2 の割合が
0.01〜1.0重量%、好ましくは0.5〜1.0重
量%となるように添加する。
【0018】また、SiO2 の添加量が少な過ぎるとS
iO2 添加による強度、耐久性の改善効果が十分に得ら
れず、逆に多過ぎると被焼成物の磁気特性の低下を引き
起こす。従って、SiO2 は、酸化亜鉛−アルミナ系複
合材料中の主成分に対するSiO2 の割合が0.01〜
1.0重量%、好ましくは0.08〜1.0重量%とな
るように添加する。なお、本発明に係る酸化亜鉛−アル
ミナ系複合材料中にFe2 O3 が多く含有されている
と、得られる被焼成物の磁気特性の低下を引き起こすた
め、酸化亜鉛−アルミナ系複合材料中の主成分に対する
Fe2 O3 の割合は0.05重量%未満、特に0.01
重量%以下であるか、或いは、実質的にFe2 O3 を含
まないものとするのが好ましい。
iO2 添加による強度、耐久性の改善効果が十分に得ら
れず、逆に多過ぎると被焼成物の磁気特性の低下を引き
起こす。従って、SiO2 は、酸化亜鉛−アルミナ系複
合材料中の主成分に対するSiO2 の割合が0.01〜
1.0重量%、好ましくは0.08〜1.0重量%とな
るように添加する。なお、本発明に係る酸化亜鉛−アル
ミナ系複合材料中にFe2 O3 が多く含有されている
と、得られる被焼成物の磁気特性の低下を引き起こすた
め、酸化亜鉛−アルミナ系複合材料中の主成分に対する
Fe2 O3 の割合は0.05重量%未満、特に0.01
重量%以下であるか、或いは、実質的にFe2 O3 を含
まないものとするのが好ましい。
【0019】本発明では、前記のZrO2 及びSiO2
を少量含有する酸化亜鉛−アルミナ系複合材料に、クロ
ム、マグネシウム、カルシウム、ニッケル又はマンガン
から選択されるいずれかの金属を該主成分に対して0.
01〜1.0重量%含有することにより、耐久性、非付
着性、磁気特性に対して優れた効果を奏するものであ
り、更には、主成分に対してクロム、マグネシウム、カ
ルシウムのいずれかの含有量が、0.001重量%未満
では、焼成治具の耐久性が良くなく、また1.0重量%
を越えると被焼成物の磁気特性が低下する。
を少量含有する酸化亜鉛−アルミナ系複合材料に、クロ
ム、マグネシウム、カルシウム、ニッケル又はマンガン
から選択されるいずれかの金属を該主成分に対して0.
01〜1.0重量%含有することにより、耐久性、非付
着性、磁気特性に対して優れた効果を奏するものであ
り、更には、主成分に対してクロム、マグネシウム、カ
ルシウムのいずれかの含有量が、0.001重量%未満
では、焼成治具の耐久性が良くなく、また1.0重量%
を越えると被焼成物の磁気特性が低下する。
【0020】またニッケルを含む焼成治具の場合、Ni
−Zn系フェライトの磁気特性が向上するが、主成分に
対してニッケルの含有量が、0.001重量%未満で
は、磁気特性は変わらず、主成分に対してニッケルの含
有量が1.0重量%を越えると逆に磁気特性が低下す
る。更にマンガンを含む焼成用治具の場合、Mn−Zn
系フェライトの磁気特性が向上するが、主成分に対して
マンガンの含有量が、0.001重量%未満では、磁気
特性は変わらず、主成分に対してマンガンの含有量が、
1.0重量%を越えると逆に磁気特性が低下する。
−Zn系フェライトの磁気特性が向上するが、主成分に
対してニッケルの含有量が、0.001重量%未満で
は、磁気特性は変わらず、主成分に対してニッケルの含
有量が1.0重量%を越えると逆に磁気特性が低下す
る。更にマンガンを含む焼成用治具の場合、Mn−Zn
系フェライトの磁気特性が向上するが、主成分に対して
マンガンの含有量が、0.001重量%未満では、磁気
特性は変わらず、主成分に対してマンガンの含有量が、
1.0重量%を越えると逆に磁気特性が低下する。
【0021】本発明の酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製
焼成用治具を製造するには、ZnO粉末(純度99.0
%、粒径0.5〜50μm)、Al2 O3 粉末(99.
0%、粒径0.1〜50μm)、ZrO2 粉末及びSi
O2 粉末、Cr,Mg,Ca,Ni,Mn元素として、
Cr2 O7 ,MgO,CaO,NiO,MnOを用い、
所定割合で混合した後、混合物を常法に従って造粒、成
形、焼成する。この場合、成形手段としては、網目形状
に凹部を有する成形金型を用いて成形することにより成
形体表面の片面が網目形状に成形されたものが得られ
る。得られた成形体を、1400〜1650℃で1〜3
時間程度焼成する。
焼成用治具を製造するには、ZnO粉末(純度99.0
%、粒径0.5〜50μm)、Al2 O3 粉末(99.
0%、粒径0.1〜50μm)、ZrO2 粉末及びSi
O2 粉末、Cr,Mg,Ca,Ni,Mn元素として、
Cr2 O7 ,MgO,CaO,NiO,MnOを用い、
所定割合で混合した後、混合物を常法に従って造粒、成
形、焼成する。この場合、成形手段としては、網目形状
に凹部を有する成形金型を用いて成形することにより成
形体表面の片面が網目形状に成形されたものが得られ
る。得られた成形体を、1400〜1650℃で1〜3
時間程度焼成する。
【0022】なお、本発明で用いる原料のZnO粉末、
Al2 O3 粉末やその他の粉末は、いずれも純度99%
以上であることが望ましい。原料粉末の純度が99重量
%未満の場合には、被焼成物の電気的特性並びに磁気特
性が低下する。また、本発明で用いる原料粉末は平均粒
径0.5〜50μm程度であることが好ましい。ソフト
フェライトやバリスタ等の焼成に極めて有用であり、特
に好ましくはソフトフェライトの焼成である。
Al2 O3 粉末やその他の粉末は、いずれも純度99%
以上であることが望ましい。原料粉末の純度が99重量
%未満の場合には、被焼成物の電気的特性並びに磁気特
性が低下する。また、本発明で用いる原料粉末は平均粒
径0.5〜50μm程度であることが好ましい。ソフト
フェライトやバリスタ等の焼成に極めて有用であり、特
に好ましくはソフトフェライトの焼成である。
【0023】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明は、これらの例によって
限定されるものではない。
り具体的に説明するが、本発明は、これらの例によって
限定されるものではない。
【0024】〔実施例1〕純度99.0重量%,平均粒
径1.0μmのZnO粉末と純度99.0重量%,平均
粒径2.0μmのAl2 O3 粉末とを等モル採取し、こ
のZnO−Al2 O3 主成分に対するZrO2 0.01
重量%、SiO2 0.01重量%(いずれも純度99.
9重量%、平均粒径5.0μm)またMgを0.5重量
%となるようにMgOを添加、混合し、更に結合体とし
てポリビニルアルコール(PVA)を粉体全量に対して
2.0重量%加えて混合した。この混合物を造粒する。
径1.0μmのZnO粉末と純度99.0重量%,平均
粒径2.0μmのAl2 O3 粉末とを等モル採取し、こ
のZnO−Al2 O3 主成分に対するZrO2 0.01
重量%、SiO2 0.01重量%(いずれも純度99.
9重量%、平均粒径5.0μm)またMgを0.5重量
%となるようにMgOを添加、混合し、更に結合体とし
てポリビニルアルコール(PVA)を粉体全量に対して
2.0重量%加えて混合した。この混合物を造粒する。
【0025】図2に示されるような四角錐の凹部を網目
状に有する成形金型を用い、この成形金型としては、表
1に示される接触面積が得られる8種類のものを用い
て、前記の造粒物を用いて成形し、図1のbに示される
ような表面の全面に四角錐(縦×横が1mm×1mm)
の凸部を網目状に有する成形体を得た。これを1450
℃で2時間焼成して100mm×100mm×4mm
(厚さ)の焼成物を得た。この焼成物からなる酸化亜鉛
−アルミナ系複合材料製焼成用治具を使用してソフトフ
ェライトを焼成した。得られた焼成物の付着割合と変形
率を表1に示す。
状に有する成形金型を用い、この成形金型としては、表
1に示される接触面積が得られる8種類のものを用い
て、前記の造粒物を用いて成形し、図1のbに示される
ような表面の全面に四角錐(縦×横が1mm×1mm)
の凸部を網目状に有する成形体を得た。これを1450
℃で2時間焼成して100mm×100mm×4mm
(厚さ)の焼成物を得た。この焼成物からなる酸化亜鉛
−アルミナ系複合材料製焼成用治具を使用してソフトフ
ェライトを焼成した。得られた焼成物の付着割合と変形
率を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1から明らかなように、被焼成物の付着
割合と変形率は、2〜70%で効果があり、更に好まし
くは、被焼成物の付着割合と変形率が共に良いのは、1
0〜40%であることがわかる。また実施例1と同様に
して、治具の表面の凸部の形状として、円錐形状のもの
を使用した場合でも、本発明の優れた効果が得られた。
割合と変形率は、2〜70%で効果があり、更に好まし
くは、被焼成物の付着割合と変形率が共に良いのは、1
0〜40%であることがわかる。また実施例1と同様に
して、治具の表面の凸部の形状として、円錐形状のもの
を使用した場合でも、本発明の優れた効果が得られた。
【0028】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の酸化亜鉛−
アルミナ系複合材料製焼成用治具によれば、凸部を網目
状に配列した治具を用いることにより優れた被焼成物の
磁気特性が維持されると共に、被焼成物との付着がな
く、被焼成物の変形のないものが得られるという格別優
れた効果を奏するものである。
アルミナ系複合材料製焼成用治具によれば、凸部を網目
状に配列した治具を用いることにより優れた被焼成物の
磁気特性が維持されると共に、被焼成物との付着がな
く、被焼成物の変形のないものが得られるという格別優
れた効果を奏するものである。
【図1】本発明の酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成
用治具を示す平面図である。
用治具を示す平面図である。
【図2】本発明の四角錐状の凸部を示す平面乃至断面図
である。
である。
【図3】本発明の円錐形状の凸部を示す平面乃至断面図
である。
である。
1 酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具 2 凸部形状 3 凸部の稜線 4 球状部 11 部分拡大した網目状配列 21 円錐形状凸部 31 傾斜
Claims (4)
- 【請求項1】治具表面に凸部を有し、該治具表面と被焼
成物との接触面積が2〜70%であることを特徴とする
酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具。 - 【請求項2】凸部が網目状に配列されていると共に凸部
の形状が四角錐であり、かつ該先端が球状であることを
特徴とする請求項1に記載の酸化亜鉛−アルミナ系複合
材料製焼成用治具。 - 【請求項3】被焼成物がソフトフェライトであることを
特徴とする請求項1又は請求項2に記載の酸化亜鉛−ア
ルミナ系複合材料製焼成用治具。 - 【請求項4】酸化亜鉛及びアルミナに対して、酸化ジル
コニウムの含有量が0.01〜1.0重量%、二酸化珪
素の含有量が0.01〜1.0重量%含有している酸化
亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具において、該酸
化亜鉛−アルミナ系複合材料中のクロム、マグネシウ
ム、カルシウム、ニッケル又はマンガンから選択される
いずれかの元素の含有量が、前記酸化亜鉛−アルミナに
対して0.01〜1.0重量%であることを特徴とする
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の酸化亜鉛−ア
ルミナ系複合材料製焼成用治具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10118458A JPH11310467A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10118458A JPH11310467A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11310467A true JPH11310467A (ja) | 1999-11-09 |
Family
ID=14737158
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10118458A Withdrawn JPH11310467A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 酸化亜鉛−アルミナ系複合材料製焼成用治具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11310467A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012001430A (ja) * | 2010-06-14 | 2012-01-05 | Ixys Semiconductor Gmbh | 両面が金属とされたセラミック基板の製造方法 |
JP2015522784A (ja) * | 2012-05-23 | 2015-08-06 | サン−ゴバン インドゥストリーケラミク レーデンタール ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングSAINT−GOBAIN IndustrieKeramik Roedental GmbH | 棚システム用のセラミックの板 |
EP2978000A4 (en) * | 2013-03-18 | 2016-05-11 | Intermetallics Co Ltd | APPARATUS FOR DIFFUSION PROCESS IN GRAIN JOINTS, AND CONTAINER FOR APPARATUS FOR DIFFUSION PROCESS IN GRAIN JOINTS |
-
1998
- 1998-04-28 JP JP10118458A patent/JPH11310467A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012001430A (ja) * | 2010-06-14 | 2012-01-05 | Ixys Semiconductor Gmbh | 両面が金属とされたセラミック基板の製造方法 |
JP2015522784A (ja) * | 2012-05-23 | 2015-08-06 | サン−ゴバン インドゥストリーケラミク レーデンタール ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングSAINT−GOBAIN IndustrieKeramik Roedental GmbH | 棚システム用のセラミックの板 |
EP2978000A4 (en) * | 2013-03-18 | 2016-05-11 | Intermetallics Co Ltd | APPARATUS FOR DIFFUSION PROCESS IN GRAIN JOINTS, AND CONTAINER FOR APPARATUS FOR DIFFUSION PROCESS IN GRAIN JOINTS |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050705 |