JPH1130833A - 熱現像感光材料および画像形成方法 - Google Patents

熱現像感光材料および画像形成方法

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JPH1130833A
JPH1130833A JP20250697A JP20250697A JPH1130833A JP H1130833 A JPH1130833 A JP H1130833A JP 20250697 A JP20250697 A JP 20250697A JP 20250697 A JP20250697 A JP 20250697A JP H1130833 A JPH1130833 A JP H1130833A
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JP
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silver
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JP20250697A
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English (en)
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Sachiko Hirano
祥子 平野
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 写真性能に優れ、残色が少なく、しかも、画
像を形成した後の保存性が改良された熱現像感光材料を
提供する。 【解決手段】 支持体上に、少なくとも一層の有機銀塩
及び感光性ハロゲン化銀を含有する感光性層を有する熱
現像感光材料において、感光性ハロゲン化銀粒子が下記
一般式(1)等の分光増感色素を含有する熱現像感光材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱現像感光材料に関し、
更に詳しくは、写真性能に優れ、残色が少なく、しか
も、画像部保存性が非常に優れた熱現像感光材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷及び医用の分野では、画像形
成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題とな
っており、近年では、環境保全、省スペースの観点から
も処理廃液の減量が強く望まれている。
【0003】そこで、液体処理剤を使用しなくても画像
が得られ、簡単で環境を損なわない熱現像感光材料に高
い関心が向けられている。これら熱現像感光材には、レ
ーザー・イメージセッターまたはレーザー・イメージャ
ーにより効率的に露光することができることが望まれて
おり、また、高解像度を有し、鮮明な黒色画像を形成す
ることが要求されてきている。
【0004】しかし、効率よくレーザー・イメージセッ
ターまたはレーザー・イメージャーにより露光させるた
めに、ハロゲン化銀乳剤に分光増感を施すと、熱現像感
光材料では定着あるいは安定化の工程がないため、増感
色素の残留によって残色がもたらされ、このことが問題
となっていた。
【0005】感光性ハロゲン化銀粒子を含有する熱現像
感光材料は、感光性ハロゲン化銀粒子、非感光性の還元
性銀源、還元剤及びバインダーを含有することにより構
成される。
【0006】また、熱現像感光材料は、光照射や露光に
より銀核を形成するハロゲン化銀を含有するものであ
り、定着や安定化の工程を行わないので、形成した画像
を屋内光下で取扱うと、ハロゲン化銀のいわゆる焼出に
よる着色あるいは濃度の上昇が起こり問題とされてき
た。この問題を解決する技術としては、例えば、リサー
チ・ディスクロージャーの1978年6月、17029項に記載
の、メルカプタン、チオン及びチオエーテルのような硫
黄含有化合物を用いる技術が挙げられる。また、米国特
許第4,245,033号明細書、同第4,837,141号明細書、同第
4,451,561号明細書には、現像抑制剤である硫黄化合物
を用いることが、更には、米国特許第4,128,557号明細
書、同第4,137,079号明細書等には、画像形成後の安定
剤として、3−アミノ−5−ベンゾチオ−1,2,4−
トリアゾール化合物を用いることが開示されている。
【0007】しかしながら、以上の技術は、形成した画
像を屋内光下で保存した場合にもたらされる上記の欠陥
を防止するには優れた技術であるが、これらの安定剤を
添加すると、処理中に熱カブリを起したり、感度、濃
度、コントラスト等の写真性能に影響を与えるという問
題点を有していた。
【0008】従って、写真性能への影響が少ない画像形
成後の安定化技術の開発が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、写真
性能に優れ、残色が少なく、しかも、画像を形成した後
の保存性が改良された熱現像感光材料を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、 (1)支持体上に、少なくとも一層の有機銀塩及び感光
性ハロゲン化銀を含有する感光性層を有する熱現像感光
材料において、感光性ハロゲン化銀粒子が下記一般式
(1)〜(5)で示される分光増感色素の少なくとも1
つを含有することを特徴とする熱現像感光材料。
【0011】
【化6】 式中、Z11およびZ12は、各々5員または6員の含窒素
複素環核を完成させるのに必要な非金属原子群を表す。
11およびR12は、各々アルキル基またはアリール基を
表す。Q11およびQ12は、一緒になって4−チアゾリジ
ノン核、5−チアゾリジノン核または4−イミダゾリジ
ノン核を完成するのに必要な非金属原子群を表す。
11、L12、L13、L14およびL15は、各々メチン基ま
たは置換メチン基を表す。n11、n12およびn13は、各
々0または1を表す。X1は、分子の電荷を相殺するの
に必要なイオンを表す。m1は、分子の総電荷を中和さ
せるのに必要な数を表す。ただし、分子内塩を形成して
いるときは0である。
【0012】
【化7】 式中、Z21およびZ22は、各々5員または6員の含窒素
複素環核を完成させるのに必要な非金属原子群を表す。
21およびR22は、各々アルキル基またはアリール基を
表し、R23は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、
アリール基を表す。n21は0または1を表す。X2は、
分子の電荷を相殺するのに必要なイオンを表す。m
2は、分子の総電荷を中和させるのに必要な数を表す。
ただし、分子内塩を形成しているときは0である。
【0013】
【化8】 式中、Z31は、5員または6員の含窒素複素環核を完成
させるのに必要な非金属原子群を表す。R31およびR32
は、各々アルキル基またはアリール基を表す。Q31は、
4−チアゾリジノン核、5−チアゾリジノン核または4
−イミダゾリジノン核を完成するのに必要な非金属原子
群を表す。L31、L32、L33およびL34は、各々メチン
基または置換メチン基を表す。n31は0または1を表
す。
【0014】
【化9】 式中、Z41は、5員または6員の含窒素複素環核を完成
させるのに必要な非金属原子群を表す。R41、R42およ
びR43は、各々アルキル基または置換アリール基を表
す。Q41およびQ42は、それぞれ4−チアゾリジノン
核、5−チアゾリジノン核または4−イミダゾリジノン
核を完成するのに必要な非金属原子群を表す。L41、L
42は、各々メチン基または置換メチン基を表す。n41
0または1を表す。
【0015】
【化10】 式中、Z51およびZ52は、各々5員または6員の含窒素
複素環核を完成させるのに必要な非金属原子群を表す。
51およびR52は、各々アルキル基またはアリール基を
表す。L51、L52、L53、L54およびL55は、各々メチ
ン基または置換メチン基を表す。n51およびn52は、各
々0または1を表す。X5は、分子の電荷を相殺するの
に必要なイオンを表す。m5は、分子の総電荷を中和さ
せるのに必要な数を表す。ただし、分子内塩を形成して
いるときは0である。 (2)有機銀塩及び感光性ハロゲン化銀を含有する感光
性層とは別に、該有機銀塩を還元することができる還元
剤を含む層を少なくとも一層有することを特徴とする上
記(1)に記載の熱現像感光材料。 (3)上記(1)または(2)に記載の熱現像感光材料
に、600nm以上700nm以下の波長の光を放射する露光装置
で露光することを特徴とする画像形成方法。 (4)上記(1)または(2)に記載の熱現像感光材料
に、可視域の波長の光を放射する半導体レーザで露光す
ることを特徴とする画像形成方法。 (5)上記(1)または(2)に記載の熱現像感光材料
に、He−Neレーザで露光することを特徴とする画像
形成方法。 (6)上記(1)または(2)記載の熱現像感光材料
に、LEDで露光することを特徴とする画像形成方法。 によって達成できる。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明の熱現像感光材料は、支持体の一方
の側に、少なくとも一層の感光性ハロゲン化銀と有機銀
塩を少なくとも含有する感光性層を有している。好まし
くい熱現像感光材料は、支持体上の該感光性層側に、該
感光性層とは別に、少なくとも一層の上記の有機銀塩を
還元する還元剤を含む層を有するものである。また、支
持体の片側に感光性層を有し、他方の側にバッキング層
を有するいわゆる片面感光材料も好ましい。
【0018】本発明の熱現像感光材料は、加熱処理によ
り画像形成を行なうことができる。
【0019】次に、本発明の感光性層に用いる感光性ハ
ロゲン化銀について説明する。
【0020】感光性ハロゲン化銀粒子は、光センサーと
して用いるものである。一般的にいうと、高感度を得る
ためには感光性ハロゲン化銀の粒子は、粒子サイズが大
きいことが必要であるが、画像形成後の白濁を低く抑
え、良好な画質を得るためには平均粒子サイズが小さい
方が好ましい。
【0021】本発明においては、画像形成後の白濁を低
く抑え、良好な画質を得るために、平均粒子サイズが小
さいハロゲン化銀の粒子を用いることが好ましく、0.20
μm以下、より好ましくは、0.02μm以上0.15μm以下、
更に好ましくは、0.03μm以上0.11μm以下のハロゲン化
銀の粒子が用いられる。ここでいう粒子サイズとは、ハ
ロゲン化銀粒子が立方体あるいは八面体のいわゆる正常
晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをい
う。また、ハロゲン化銀粒子が正常晶でない場合、例え
ば、球状粒子、棒状粒子あるいは平板状粒子である場合
には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等の体積を有する球
の直径をいう。
【0022】ハロゲン化銀のハロゲン組成は特に制限は
なく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化
銀、沃化銀のいずれであってもよいが、好ましくいハロ
ゲン化銀は、臭化銀、沃化銀、沃臭化銀であり、更に好
ましくは、臭化銀あるいは沃臭化銀であり、特に好まし
くは、沃臭化銀である。
【0023】ハロゲン化銀における沃化銀の含有率は、
0.1モル%以上40モル%以下が好ましく、更に好ましく
は、0.1モル%以上10モル%以下である。
【0024】ハロゲン化銀粒子の粒子内におけるハロゲ
ン組成の分布は、ハロゲン組成が全体に均一であって
も、ステップ状に変化していても、或いは、連続的に変
化していてもよい。好ましくいハロゲン化銀粒子は、内
部の沃化銀含有率が高いコア/シェル構造を有するハロ
ゲン化銀粒子である。
【0025】本発明に用いる感光性ハロゲン化銀粒子
は、水洗しないものであってもよく、また、水洗して可
溶性塩を除去したものであってもよい。
【0026】本発明で用いる感光性ハロゲン化銀粒子は
公知の各種の方法を用いて化学増感を行なうことができ
る。化学増感法にはカルコゲン化合物による化学増感法
があり、カルコゲン化合物を用いて化学増感したハロゲ
ン化銀粒子は、本発明の感光性ハロゲン化銀粒子として
好ましく用いることができる。カルコゲン化合物を用い
る化学増感法としては、硫黄増感法、セレン増感法、テ
ルル増感法が挙げられる。
【0027】化学増感を行なう場合、化学増感剤は、ハ
ロゲン化銀粒子形成中、粒子形成後脱塩前、脱塩後のい
ずれのタイミングで添加してもよいが、粒子形成中ある
いは脱塩後に化学増感剤を添加するのが好ましい。
【0028】本発明で用いる感光性ハロゲン化銀粒子
は、一般式(1)〜(5)で示される分光増感色素によ
って分光増感されている。
【0029】一般式(1)〜(5)において、Z11、Z
12、Z21、Z22、Z31、Z41、Z51、Z52によって完成
される5員または6員の含窒素複素環核には、他の環が
縮合している5員または6員の含窒素複素環核も含ま
れ、例えば、チアゾール核、[例えば、ベンゾチアゾー
ル核、4−クロロベンゾチアゾール核、5−クロロベン
ゾチアゾール核、6−クロロベンゾチアゾール核、7−
クロロベンゾチアゾール核、4−メチルベンゾチアゾー
ル核、5−メチルベンゾチアゾール核、6−メチルベン
ゾチアゾール核、5−ブロモベンゾチアゾール核、6−
ブロモベンゾチアゾール核、5−ヨードベンゾチアゾー
ル核、5−フェニルベンゾチアゾール核、5−メトキシ
ベンゾチアゾール核、6−メトキシベンゾチアゾール
核、5−エトキシベンゾチアゾール核、5−カルボキシ
ベンゾチアゾール核、5−エトキシカルボニルベンゾチ
アゾール核、5−フェネチルベンゾチアゾール核、5−
フルオロベンゾチアゾール核、5−トリフルオロメチル
ベンゾチアゾール核、5,6−ジメチルベンゾチアゾー
ル核、5−ヒドロキシ−6−メチルベンゾチアゾール
核、テトラヒドロベンゾチアゾール核、4−フェニルベ
ンゾチアゾール核、ナフト〔2,1−d〕チアゾール
核、ナフト〔1,2−d〕チアゾール核、ナフト〔2,
3−d〕チアゾール核、5−メトキシナフト〔1,2−
d〕チアゾール核、7−エトキシナフト〔2,1−d〕
チアゾール核、8−メトキシナフト〔2,1−d〕チア
ゾール核、5−メトキシナフト〔2,3−d〕チアゾー
ル核など]、セレナゾール核[例えば、ベンゾセレナゾ
ール核、5−クロロベンゾセレナゾール核、5−メトキ
シベンゾセレナゾール核、5−メチルベンゾセレナゾー
ル核、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール核、ナフト
〔2,1−d〕セレナゾール核、ナフト〔1,2−d〕
セレナゾール核など]、オキサゾール核[例えば、ベン
ゾオキサゾール核、5−クロロベンゾオキサゾール核、
5−メチルベゾオキサゾール核、5−ブロモベンゾオキ
サゾール核、5−フルオロベンゾオキサゾール核、5−
フェニルベンゾオキサゾール核、5−メトキシベンゾオ
キサゾール核、5−トリフルオロベンゾオキサゾール
核、5−ヒドロキシベンゾオキサゾール核、5−カルボ
キシベンゾオキサゾール核、6−メチルベンゾオキサゾ
ール核、6−クロロベンゾオキサゾール核、6−メトキ
シベンゾオキサゾール核、6−ヒドロキシベンゾオキサ
ゾール核、4,6−ジメチルベンゾオキサゾール核、5
−エトキシベンゾオキサゾール核、ナフト〔2,1−
d〕オキサゾール核、ナフト〔1,2−d〕オキサゾー
ル核、ナフト〔2,3−d〕オキサゾール核など]、キ
ノリン核〔例えば、2−キノリン核、3−メチル−2−
キノリン核、5−エチル−2−キノリン核、6−メチル
−2−キノリン核、8−フルオロ−2−キノリン核、6
−メトキシ−2−キノリン核、6−ヒドロキシ−2−キ
ノリン核、8−クロロ−2−キノリン核、8−フルオロ
−4−キノリン核など〕、3,3−ジアルキルインドレ
ニン核(例えば、3,3−ジメチルインドレニン核、
3,3−ジエチルインドレニン核、3,3−ジメチル−
5−シアノインドレニン核、3,3−ジメチル−5−メ
トキシインドレニン核、3,3−ジメチル−5−メチル
インドレニン核、3,3−ジメチル−5−クロロインド
レニン核など)、イミダゾール核[例えば、1−メチル
ベンゾイミダゾール核、1−エチルベンゾイミダゾール
核、1−メチル−5−クロロベンゾイミダゾール核、1
−エチル−5−クロロベンゾイミダゾール核、1−メチ
ル−5,6−ジクロロベンゾイミダゾール核、1−エチ
ル−5,6−ジクロロベンゾイミダゾール核、1−アル
キル−5−メトキシベンゾイミダゾール核、1−メチル
−5−シアノベンゾイミダゾール核、1−エチル−5−
シアノベンゾイミダゾール核、1−メチル−5−フルオ
ロベンゾイミダゾール核、1−エチル−5−フルオロベ
ンゾイミダゾール核、1−フェニル−5,6−ジクロロ
ベンゾイミダゾール核、1−アリル−5,6−ジクロロ
ベンゾイミダゾール核、1−アリル−5−クロロベンゾ
イミダゾール核、1−フェニルベンゾイミダゾール核、
1−フェニル−5−クロロベンゾイミダゾール核、1−
メチル−5−トリフルオロメチルベンゾイミダゾール
核、1−エチル−5−トリフルオロメチルベンゾイミダ
ゾール核、1−エチルナフト〔1,2−d〕イミダゾー
ル核など]、ピリジン核(例えば、ピリジン核、5−メ
チル−2−ピリジン核、3−メチル−4−ピリジン核な
ど)等を挙げるこができる。
【0030】R11、R12、R21、R22、R31、R32、R
41、R42、R43、R51およびR52で表されるアルキル基
およびアリール基には、置換基を有するもの、置換アル
キル基および置換アリール基も含まれる。R11、R12
21、R22、R31、R32、R41、R42、R43、R51およ
びR52は、各々同一であっても異なっていてもよい。
【0031】アルキル基としては、炭素原子数1〜8の
アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基、ベンジル基が
挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基が
挙げられる。
【0032】置換アルキル基及び置換アリール基におけ
る置換基として、例えば、アルキル基、アリール基、カ
ルボキシ基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例え
ば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、ヒドロキ
シ基、アルコキシカルボニル基(炭素原子数8以下、例
えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、
ベンジルオキシカルボニル基など)、アルコキシ基(炭
素原子数7以下、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基、ベンジルオキシ基など)、ア
リールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオ
キシ基など)、アシルオキシ基(炭素原子数3以下、例
えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基な
ど)、アシル基(炭素原子数8以下、例えば、アセチル
基、プロピオニル基、ベンゾイル基、メシル基など)、
カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジ
メチルカルバモイル基、モルホリノカルバモイル基、ピ
ペリジノカルバモイル基など)、スルファモイル基(例
えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモ
イル基、モルホリノスルホニル基など)、アリール基
(例えば、フェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、p
−カルボキシフェニルル基、p−スルホフェニル基、α
−ナフチル基など)などが挙げられる。これら置換基
は、2つ以上有していてもよい。置換アルキル基は、ア
ルキル部分の炭素原子数が6以下であるものが好まし
い。
【0033】R23で表されるアルキル基、アルコキシ
基、アリール基には、置換基を有するものも含まれる。
アルキル基としては、低級アルキル基が好ましく、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ベンジル基など
が挙げられる。アルコキシ基としては、低級アルコキシ
基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。アリール基と
しては、例えば、フェニル基が挙げられる。
【0034】L11、L12、L13、L14、L15、L31、L
32、L33、L34、L41、L42、L51、L52、L53、L54
およびL55で表される置換メチン基における置換基とし
ては、例えば、低級アルキル基(例えば、メチル基、エ
チル基、プロピル基など)、低級アルコキシ基(例え
ば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基など)、フェニル基、置換フェニル基(例えば、カル
ボキシフェニル基など)、ベンジル基等が挙げられる。
また、L31とL33、L32とL34、L52とL54の置換基
は、共同して2価のエチレン結合、例えば、ジエチレン
又はトリエチレンを完成するものであってもよい。この
2価のエチレン結合は、1個または2個以上の置換基、
例えば、炭素原子数1〜4のアルキル基(例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基など)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子
など)、あるいはアルコキシ基(炭素原予数1〜4、例
えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプ
ロポキシ基、ブトキシ基など)などで置換されていても
よい。また、L13はR12と協同して環を形成するもので
あってもよい。
【0035】以下に、一般式(1)〜(5)で示される
分光増感色素の具体例を示すが、本発明で用いることが
できる一般式(1)〜(5)で示される増感色素は、こ
れらの具体例の記載によって限定されるものではない。
【0036】
【化11】
【0037】
【化12】
【0038】
【化13】
【0039】
【化14】
【0040】
【化15】
【0041】
【化16】
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】
【0044】
【化19】
【0045】
【化20】
【0046】
【化21】
【0047】
【化22】
【0048】
【化23】
【0049】
【化24】
【0050】
【化25】
【0051】
【化26】
【0052】
【化27】
【0053】
【化28】
【0054】
【化29】
【0055】
【化30】
【0056】
【化31】
【0057】
【化32】
【0058】
【化33】
【0059】
【化34】
【0060】
【化35】
【0061】
【化36】
【0062】
【化37】
【0063】
【化38】
【0064】分光増感色素は、感光性ハロゲン化銀と有
機銀塩とを混合する前に、感光性ハロゲン化銀に吸着さ
せることが好ましい。感光性ハロゲン化銀粒子に分光増
感色素を添加する時期には制限はなく、例えば、ハロゲ
ン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子形成後から脱塩
処理までの間、脱塩処理後から化学増感までの間、化学
増感後から有機銀塩と混合までの間のいずれの時期であ
っても添加することができる。しかし、好ましくい添加
時期は、脱塩処理後から有機銀塩と混合するまでの間で
ある。
【0065】分光増感色素の添加量は、ハロゲン化銀1
モルに対して1×10-6モル以上1×10-3モル以下が好ま
しく、更に5×10-6モル以上5×10-4モル以下が好まし
く、特に1×10-5モル以上2×10-4モル以下が好まし
い。増感色素の使用量が多いと残色悪化、保存性悪化、
プリントアウトが悪化し好ましくない。増感色素の使用
量は本発明の所期の効果を奏する限り少なくすることが
好ましい。
【0066】次に本発明において用いる有機銀塩につい
て説明する。
【0067】本発明において、有機銀塩には、光に対し
て比較的安定であるが、露光により形成された光触媒
(感光性ハロゲン化銀に形成された銀核など)および還
元剤の存在下で、80℃またはそれ以上に加熱された場合
に銀画像を形成することができる銀塩が用いられる。有
機銀塩は、銀イオンが還元できるものであれば任意の有
機物質であってよい。
【0068】有機銀塩としては、有機酸の銀塩を用いる
ことができる。有機酸の銀塩としては、炭素数が10〜3
0、更に好ましくは、炭素数が15〜28の長鎖脂肪カルボ
ン酸が好ましい。また、配位子が4.0〜10.0の範囲の全
安定定数を有する有機または無機銀塩の錯体も好ましい
有機銀塩である。
【0069】有機酸の銀塩には、脂肪族カルボン酸の銀
塩および芳香族カルボン酸の銀塩が含まれるが、本発明
において用いることができる有機銀塩これらに限定され
るものではない。好ましい脂肪族カルボン酸の銀塩とし
ては、例えば、ベヘン酸銀、ステアリン酸銀、アラキジ
ン酸、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミ
リスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイン酸銀、フマル
酸銀、酒石酸銀、リノール酸銀、酪酸銀および樟脳酸銀
が挙げられる。これらの有機銀塩は、単独で用いても、
2以上を併用してもよい。
【0070】また、有機銀塩としては、メルカプト基ま
たはチオン基を含む化合物の銀塩およびこれらの誘導体
を使用することもできる。これらの化合物の好ましい例
としては、例えば、3−メルカプト−4−フェニル−
1,2,4−トリアゾールの銀塩、2−メルカプトベン
ズイミダゾールの銀塩、2−メルカプト−5−アミノチ
アジアゾールの銀塩、2−(エチルグリコールアミド)
ベンゾチアゾールの銀塩、S−アルキルチオグリコール
酸(アルキル基の炭素数は12〜22である。)などの
チオグリコール酸の銀塩、ジチオ酢酸などのジチオカル
ボン酸の銀塩、チオアミドの銀塩、5−カルボキシル−
1−メチル−2−フェニル−4−チオピリジンの銀塩、
メルカプトトリアジンの銀塩、2−メルカプトベンズオ
キサゾールの銀塩、米国特許第4,123,274号明
細書に記載の銀塩、例えば、3−アミノ−5−ベンジル
チオ−1,2,4−チアゾールなどの1,2,4−メル
カプトチアゾール誘導体の銀塩、米国特許第3,30
1,678号明細書に記載の3−(3−カルボキシエチ
ル)−4−メチル−4−チアゾリン−2−チオンなどの
チオン化合物の銀塩が挙げられる。さらに、イミノ基を
含む化合物の銀塩を使用することができる。これらの化
合物の好ましい例としては、例えば、ベンゾトリアゾー
ルおよびそれらの誘導体の銀塩、例えば、メチルベンゾ
トリアゾール銀などのベンゾトリアゾールの銀塩、5−
クロロベンゾトリアゾール銀などのハロゲン置換ベニゾ
トリアゾールの銀塩、米国特許第4,220,709号
明細書に記載のような1,2,4−卜リアゾールまたは
1−H−テトラゾールの銀塩、イミダゾールおよびイミ
ダゾール誘導体の銀塩などが挙げられる。また、例え
ば、米国特許第4,761,361号明細書および同第
4,775,613号明細書に記載のような種々の銀ア
セチリド化合物も使用することもできる。
【0071】有機銀塩の使用量は、好ましくは感光性層
の約5〜30重量%である。
【0072】一般に、上記熱現像感光材料においては、
照射され、また、露光されたとき、感光性ハロゲン化銀
粒子に形成される銀核が触媒となって銀源を還元し画像
を形成するので、感光性ハロゲン化銀粒子と非感光性の
還元性銀源とは、感光性ハロゲン化銀粒子に形成される
銀核が触媒として作用できるように接近して設けられて
いなければならない。
【0073】感光性ハロゲン化銀粒子に形成される銀核
は銀イオンの還元のための触媒であり、銀核が触媒とし
て作用できるように感光性ハロゲン化銀と銀源とを設け
る様々な技術、例えば、ハロゲン化含有源を用いる銀源
の部分複分解(例えば、米国特許第3,457,075号明細
書)、ハロゲン化銀と銀源材料との混合(例えば、米国
特許第3,839,049号明細書)が開発されており、本発明
においてはこれら技術を用いることができる。
【0074】感光性ハロゲン化銀と有機銀塩とは、混合
されて使用される。感光性ハロゲン化銀と有機銀塩との
混合方法及び混合条件は、本発明の効果を奏することが
できるものであれば限定されるものではないが、好まし
い混合方法としては、例えば、別々に調製した感光性ハ
ロゲン化銀と有機銀塩とを混合する方法、有機銀塩を調
製するいずれかの時点で、別途調製した感光性ハロゲン
化銀を混合する方法が挙げられるが、調製した感光性ハ
ロゲン化銀を有機酸と混合し、その後、有機酸を銀塩化
する方法がより好ましい。
【0075】本発明においては、有機銀塩を還元する還
元剤を使用することが好ましい。本発明に使用できる還
元剤としては、銀イオンを金属銀に還元する任意の物
質、好ましくは有機物質を用いることができる。これら
有機物質としては、フェニドン、ヒドロキノンおよびカ
テコールなどの従来の写真現像剤も有用であるが、ヒン
ダードフェノール還元剤が好ましい。
【0076】還元剤は、有機銀塩及び感光性ハロゲン化
銀を含有する感光性層に添加してもよいが、有機銀塩及
び感光性ハロゲン化銀を含有する感光性層とは別に、層
を設け、該層に含有させるのが好ましい。還元剤を有機
銀塩及び感光性ハロゲン化銀を含有する感光性層に含有
させる場合には、通常、バインダーの1〜10重量%含
有され、有機銀塩及び感光性ハロゲン化銀を含有する感
光性層とは別に設けた層に含有させる場合には、通常、
2〜15重量%含有される。
【0077】本発明において用いることができる還元剤
としては、例えば、フェニルアミドオキシム、2−チエ
ニルアミドオキシムおよびp−フェノキシフェニルアミ
ドオキシムなどのアミドオキシム類;4−ヒドロキシ−
3,5−ジメトキシベンズアルデヒドアジンなどのアジ
ン類;2,2′−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニ
ル−β−フェニルヒドラジンとアスコルビン酸との組合
せのような脂肪族カルボン酸アリールヒドラジドとアス
コルビン酸との組合せ;ポリヒドロキシベンゼンと、ヒ
ドロキシルアミン、レダクトンおよび/またはヒドラジ
ンの組合せ〔例えば、ヒドロキノンと、ビス(エトキシ
エチル)ヒドロキシルアミン、ピペリジノヘキソースレ
ダクトンまたはホルミル−4−メチルフェニルヒドラジ
ンの組合せなど〕;フェニルヒドロキサム酸、p−ヒド
ロキシフェニルヒドロキサム酸およびβ−アリニンヒド
ロキサム酸などのヒドロキサム酸類;アジンとスルホン
アミドフェノールとの組合せ(例えば、フェノチアジン
と2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェ
ノールなど);エチル−α−シアノ−2−メチルフェニ
ルアセテート、エチル−α−シアノフェニルアセテート
などのα−シアノフェニル酢酸誘導体;2,2′−ジヒ
ドロキシ−1,1′−ビナフチル、6,6′−ジブロモ
−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチルおよ
びビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタンに例示
されるようなビス−β−ナフトール類;ビス−β−ナフ
トールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体(例え
ば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンまたは2′,
4′−ジヒドロキシアセトフェノンなど)の組合せ;3
−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロンなどの5−ピ
ラゾロン類;ジメチルアミノヘキソースレダクトン、ア
ンヒドロジヒドロアミノヘキソースレダクトンおよびア
ンヒドロジヒドロピペリドンヘキソースレダクトンに例
示されるようなレダクトン類;2,6−ジクロロ−4−
ベンゼンスルホンアミドフェノールおよびp−ベンゼン
スルホンアミドフェノールなどのスルホンアミドフェノ
ール還元剤;2−フェニルインダン−1,3−ジオンな
ど;2,2−ジメチル−7−t−ブチル−6−ヒドロキ
シクロマンなどのクロマン類;2,6−ジメトキシ−
3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジン
などの1,4−ジヒドロピリジン類;ビスフェニルメタ
ン(例えば、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−
5−メチルフェニルメタン)、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4−エチ
リデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチルフェノー
ル)およビ2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンなど);アスコルビン酸誘導
体(例えば、パルミチン酸1−アスコルビル、ステアリ
ン酸アスコルビルなど);ベンジルアルデヒド、ビアセ
チルアルデヒドなどのアルデヒドおよびケトン;3−ピ
ラゾリドンおよびある種のインダン−1−3−ジオンが
挙げられる。
【0078】本発明においては、前述の成分に加えて、
画像を向上させる「色調剤」として知られる添加剤を含
むと有利になることがある。色調剤材料は、全銀保持成
分の0.1〜10重量%の量で存在することができる。色調
剤は、米国特許第3,080,254号明細書、同第3,847,612号
明細書および同第4,123,282号明細書に示されるよう
に、写真技術において周知の材料である。
【0079】色調剤の例には、フタルイミドおよびN−
ヒドロキシフタルイミド;スクシンイミド、ピラゾリン
−5−オン、ならびにキナゾリノン、3−フェニル−2
−ピラゾリン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キ
ナゾリンおよび2,4−チアゾリジンジオンのような環
状イミド類;ナフタルイミド類(例えば、N−ヒドロキ
シ−1,8−ナフタルイミド);コバルト錯体(例え
ば、コバルトヘキサミントリフルオロアセテート);3
−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2,4−ジ
メルカプトピリミジン、3−メルカプト−4,5−ジフ
ェニル−1,2,4−卜リアゾールおよび2,5−ジメ
ルカプト−1,3,4−チアジアゾールに例示されるメ
ルカプタン類;N−(アミノメチル)アリールジカルボ
キシイミド類、〔例えば、N,N−(ジメチルアミノメ
チル)フタルイミドおよびN,N−(ジメチルアミノメ
チル)−ナフタレン−2,3−ジカルボキシイミド〕;
ならびにブロック化ピラゾール、イソチウロニウム誘導
体およびある種の光退色剤〔例えば、N,N′−ヘキサ
メチレンビス(1−カルバモイル−3,5−ジメチルピ
ラゾール)、1,8−(3,6−ジアザオクタン)ビス
(イソチウロニウムトリフレオロアセテート)および2
−トリブロモメチルスルホニル−ベンゾチアゾール〕;
3−エチル−5〔(3−エチル−2−ベンゾチアゾリニ
リデン)−1−メチルエチリデン〕−2−チオ−2,4
−オキサゾリジンジオン;フタラジン;フタラジノン、
フタラジノン誘導体もしくはその金属塩、または4−
(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノ
ン、5,7−ジメトキシフタラジノンおよび2,3−ジ
ヒドロ−1,4−フタラジンジオンなどの誘導体;フタ
ラジノンとフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4−メ
チルフタル酸、4−ニトロフタル酸およびテトラクロロ
無水フタル酸など)との組合せ;キナゾリンジオン、ベ
ンズオキサジンまたはナフトオキサジン誘導体;色調剤
としてだけでなくその場でハロゲン化銀生成のためのハ
ライドイオン源としても機能するロジウム錯体、例え
ば、ヘキサクロロロジウム(III)酸アンモニウム、臭
化ロジウム、硝酸ロジウムおよびヘキサクロロロジウム
(III)酸カリウムなど;無機過酸化物および過硫酸
塩、例えば、過酸化二硫化アンモニウムおよび過酸化水
素;1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン、8−
メチル−1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオンお
よび6−ニトロ−1,3−ベンズオキサジン−2,4−
ジオンなどのベンズオキサジン−2,4−ジオン;ピリ
ミジン類および不斉−トリアジン類(例えば、2,4−
ジヒドロキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4−アミノ
ピリミジンなど);アザウラシル;およびテトラアザペ
ンタレン誘導体〔例えば、3,6−ジメルカプト−1,
4−ジフェニル−1H,4H−2,3a,5,6a−テ
トラアザペンタレン、および1,4−ジ(o−クロロフ
ェニル)−3,6−ジメルカプト−1H,4H−2,3
a,5,6a−テトラアザペンタレンなど〕が挙げられ
る。
【0080】本発明においては、物性あるいは写真性能
の改良のために熱現像感光材料にバッキング層を設ける
ことが好ましい。バッキング層に用いるのに好適なバイ
ンダーは、透明又は半透明で、無色のものであり、天然
ポリマー、合成樹脂、その他フィルムを形成する媒体、
例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコ一
ル、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテー
ト、セルロースセテートブチレート、ポリビニルピロリ
ドン、カゼイン、デンプン、ポリアクリル酸、ポリメチ
ルメタクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸、
スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、
ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマー
ル、ポリビニルブチラール)、ポリエステル類、ポリウ
レタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
エポキシド類、ポリカーボネート類、ポリビニルアセテ
ート、セルロースエステル類、ポリアミド類が挙げられ
る。
【0081】バッキング層は、これらバインダーを水又
は有機溶媒に溶解した溶液や分散したエマルジョンを塗
設して形成することができる。
【0082】バッキング層は、750〜1400nmの光波長範
囲での最大光学濃度が0.3以上2以下であることが好ま
しく、さらに好ましくは、0.5以上2以下であり、可視
領域においての光学濃度は、0.001以上0.5未満であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは0.001以上0.3未満の光
学濃度を有するハレーション防止層であることが好まし
い。
【0083】本発明の熱現像感光材料には、写真技術に
おける公知の各種技術、処方、添加剤とその添加方法を
用いることができる。特に、熱現像感光材料に用いられ
ている公知技術、処方、添加剤とその添加方法を用いる
ことができる。
【0084】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。 実施例1
【0085】(ハロゲン化銀粒子の調製)純水900ml中
にゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解し、温度3
5℃、pH3.0に調整した後、硝酸銀74gを含む水溶液37
0mlと、臭化カリウムと沃化カリウム(モル比=96:
4)を含む水溶液をpAgを7.7に保ちながらコントロ
ールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。その
後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデン0.3gを添加し、水酸化ナトリウムで
pHを5に調整して平均粒子サイズが0.06μm、投影直
径面積による変動係数が8%、{100}面比率が86%の
立方体沃臭化銀粒子を得た。
【0086】この乳剤を、ゼラチン凝集剤を用いて凝集
沈降させる脱塩処理を施した後、フェノキシエタノール
0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整した。その後
に、表1に示す分光増感色素を、ハロゲン化銀1モル当
たり1×10-4モル添加した。その後、60℃に昇温してチ
オ硫酸ナトリウムを2mg添加し、100分間熟成した後に3
8℃に冷却して化学増感を終了し、ハロゲン化銀粒子1
〜10を得た。なお、ハロゲン化銀粒子10において
は、分光増感色素は添加していない。
【0087】(有機脂肪酸銀乳剤1〜10の調製)水30
0ml中にベヘン酸10.6gを投入し、90℃に加熱溶解し、
十分撹拌した状態で1Nの水酸化ナトリウム31.1mlを添
加し、そのままの状態で1時間放置した。その後30℃に
冷却し、1Nのリン酸7.0mlを添加して十分撹拌した状
態でN−ブロモこはく酸イミド0.01gを添加した。その
後、40℃に加温し、撹拌しながら、予め調製しておいた
上記ハロゲン銀粒子1〜10を、それぞれベヘン酸に対
して銀量として10モル%となるように添加した。さらに
1N硝酸銀水溶液25mlを2分間かけて連続添加し、その
まま撹拌した状態で1時間放置した。
【0088】得られた乳剤に、酢酸エチルに溶解したポ
リビニルブチラールを添加し、十分撹拌した後に静置す
ると、ベヘン酸銀粒子とハロゲン化銀粒子を含有する酢
酸エチル相と水相に分離した。水相を除去した後、遠心
分離してベヘン酸銀粒子とハロゲン化根粒子を採取し
た。その後、東ソー(株)社製合成ゼオライトA−3
(球状)20gとイソプロピルアルコール22ccを添加し、
1時間放置した後濾過した。更に、ポリビニルブチラー
ル3.4gとイソプロピルアルコール23ccを添加し、35℃
にて高速で十分撹拌し、分散させて有機脂肪酸銀乳剤1
〜10を得た。
【0089】(乳剤層塗布液1〜10の調製)上記のよ
うにして調製した有機脂肪酸銀1〜10に、銀1モル当
たり、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを0.
2モル、アンチピリンを0.1モル添加して乳剤塗布液1〜
10を調整した。
【0090】(表面保護層塗布液の調製)下記組成を有
する表面保護層塗布液を調製した。
【0091】 セルロースアセテート 27g アセトン 390g メタノール 50g 二酸化珪素(粒径2μm) 1.5 g 2,2′メチレンヒス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール) 1.0g
【0092】(バッキング層塗布液の調製)下記組成を
有するバッキング層塗布液を調製した。
【0093】 ポリビニルアルコール 256g イオン交換水 46g メタノール 46g ハレーシヨン防止染料〔特開平9−43765号公報の0064項に記載の(17 )〕 0.05g ポリメチルメタクリレート(粒径10μm) 15.0 g
【0094】(熱現像感光材料試料1〜10の調製)上
記のバッキング層塗布液を、厚さ175μmの二軸延伸され
たポリエチレンテレフタレートフィルムの片側に波長81
0nmにおける吸光度が1.2となるように塗設し、バッキン
グ層を形成した。
【0095】二軸延伸されたポリエチレンテレフタレー
トフィルムの上記バッキング層を塗設した面とは反対側
の面に、上記の乳剤層塗布液1〜10を塗布銀量が1.5
g/m2となるように塗布、乾燥し乳剤層を形成した。そ
の後、乳剤層上に上記表面保護層塗布液をセルロースア
セテー卜が4.0g/m2となるように塗布、乾燥し熱現像
感光材料試料1〜10を得た。
【0096】(写真性能の評価)熱現像感光材料試料1
〜10にステップウエッジを密着させ、波長633nmのフ
ィルターを通してフラッシュ露光し、128℃で7秒間加
熱処理した。
【0097】得られた画像の濃度を濃度計により測定し
た。感度は、濃度1.0を与える露光量の逆数に基づいて
評価し、熱現像感光材料試料1の感度を100とする相対
値で表した。得られた結果を表1に示す。
【0098】(画像部保存性の評価)写真性能を評価し
た試料を直射日光のあたる場所に10日間放置し、素現部
の濃度上昇を濃度計により測定し、評価した。得られた
結果を表1に示す。
【0099】(残色の評価)写真性能を評価した試料の
素現部の残色を目視で5段階評価した。残色がほとんど
ないものをランク5とし、残色があるが実用上許容され
るレベルが3、残色が強く実用上問題となるものをレベ
ル2以下とした。得られた結果を表1に示す。
【0100】
【表1】 表1により、本発明の分光増感色素を用いた熱現像感光
材料1〜9は、残色が少なく、画像形成後の保存性が優
れており、かつ、画像形成能が優れていることがわか
る。
【0101】
【発明の効果】本発明の熱現像感光材料は、画像形成能
に優れ、残色が少なく、かつ、画像形成後の保存性に優
れている。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも一層の有機銀塩
    及び感光性ハロゲン化銀を含有する感光性層を有する熱
    現像感光材料において、感光性ハロゲン化銀粒子が下記
    一般式(1)〜(5)で示される分光増感色素の少なく
    とも1つを含有することを特徴とする熱現像感光材料。 【化1】 式中、Z11およびZ12は、各々5員または6員の含窒素
    複素環核を完成させるのに必要な非金属原子群を表す。
    11およびR12は、各々アルキル基またはアリール基を
    表す。Q11およびQ12は、一緒になって4−チアゾリジ
    ノン核、5−チアゾリジノン核または4−イミダゾリジ
    ノン核を完成するのに必要な非金属原子群を表す。
    11、L12、L13、L14およびL15は、各々メチン基ま
    たは置換メチン基を表す。n11、n12およびn13は、各
    々0または1を表す。X1は、分子の電荷を相殺するの
    に必要なイオンを表す。m1は、分子の総電荷を中和さ
    せるのに必要な数を表す。ただし、分子内塩を形成して
    いるときは0である。 【化2】 式中、Z21およびZ22は、各々5員または6員の含窒素
    複素環核を完成させるのに必要な非金属原子群を表す。
    21およびR22は、各々アルキル基またはアリール基を
    表し、R23は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、
    アリール基を表す。n21は0または1を表す。X2は、
    分子の電荷を相殺するのに必要なイオンを表す。m
    2は、分子の総電荷を中和させるのに必要な数を表す。
    ただし、分子内塩を形成しているときは0である。 【化3】 式中、Z31は、5員または6員の含窒素複素環核を完成
    させるのに必要な非金属原子群を表す。R31およびR32
    は、各々アルキル基またはアリール基を表す。Q31は、
    4−チアゾリジノン核、5−チアゾリジノン核または4
    −イミダゾリジノン核を完成するのに必要な非金属原子
    群を表す。L31、L32、L33およびL34は、各々メチン
    基または置換メチン基を表す。n31は0または1を表
    す。 【化4】 式中、Z41は、5員または6員の含窒素複素環核を完成
    させるのに必要な非金属原子群を表す。R41、R42およ
    びR43は、各々アルキル基またはアリール基を表す。Q
    41およびQ42は、それぞれ4−チアゾリジノン核、5−
    チアゾリジノン核または4−イミダゾリジノン核を完成
    するのに必要な非金属原子群を表す。L41、L42は、各
    々メチン基または置換メチン基を表す。n41は0または
    1を表す。 【化5】 式中、Z51およびZ52は、各々5員または6員の含窒素
    複素環核を完成させるのに必要な非金属原子群を表す。
    51およびR52は、各々アルキル基またはアリール基を
    表す。L51、L52、L53、L54およびL55は、各々メチ
    ン基または置換メチン基を表す。n51およびn52は、各
    々0または1を表す。X5は、分子の電荷を相殺するの
    に必要なイオンを表す。m5は、分子の総電荷を中和さ
    せるのに必要な数を表す。ただし、分子内塩を形成して
    いるときは0である。
  2. 【請求項2】 有機銀塩及び感光性ハロゲン化銀を含有
    する感光性層とは別に、該有機銀塩を還元することがで
    きる還元剤を含む層を少なくとも一層有することを特徴
    とする請求項1に記載の熱現像感光材料。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の熱現像感光材
    料に、600nm以上700nm以下の波長の光を放射する露光装
    置で露光することを特徴とする画像形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の熱現像感光材
    料に、可視域の波長の光を放射する半導体レーザで露光
    することを特徴とする画像形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の熱現像感光材
    料に、He−Neレーザで露光することを特徴とする画
    像形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の熱現像感光材料
    に、LEDで露光することを特徴とする画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8226854B2 (en) * 2007-11-30 2012-07-24 Fujifilm Corporation Photoelectric conversion device, imaging device and photosensor

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