JPH1130766A - 光非相反回路 - Google Patents

光非相反回路

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JPH1130766A
JPH1130766A JP18404997A JP18404997A JPH1130766A JP H1130766 A JPH1130766 A JP H1130766A JP 18404997 A JP18404997 A JP 18404997A JP 18404997 A JP18404997 A JP 18404997A JP H1130766 A JPH1130766 A JP H1130766A
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JP
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reciprocal
optical
polarization plane
separation
rotator
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JP18404997A
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Naoto Sugimoto
直登 杉本
Toshihiro Shintaku
敏宏 新宅
Makoto Shimokozono
真 下小園
Akiyuki Tate
彰之 館
Hideshi Kubota
英志 久保田
Haruki Ozawaguchi
治樹 小澤口
Yujiro Kato
雄二郎 加藤
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相反回転子の組み込みを飛躍的に簡易化する
ことにより経済的な光非相反回路を提供する。 【解決手段】 平面光波回路からなる分離合成部位1
3,13' にガイド溝14,14' を設け、このガイド
溝14,14' に相反偏光面回転子2,2' を設置する
ことにより、相反偏光面回転子の配置を簡易化してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信の分野にお
いて使用される光非相反回路に関し、特に磁気光学効果
による非相反効果と複屈折材料による相反効果とを巧み
に利用して、光位相の制御を行い、干渉により消光させ
る原理を用いた光サーキュレータである光非相反回路に
関する。
【0002】
【従来の技術】光位相の制御を利用した干渉型の光サー
キュレータは、高価で集積化が困難な偏光ビームスプリ
ッタを使用する光サーキュレータに比べ、使用する部材
がそれぞれ安価であり、組立も容易であるため優れてい
る(特願平9−42584号参照)。特に、相反偏光面
回転子として板状のバルク型半波長板を用いる干渉型光
サーキュレータは、部品コストが導波路型半波長板を用
いたものに比べて安く有利である。
【0003】図18〜図20は、相反偏光面回転子とし
て板状のバルク型半波長板を用いた従来の干渉型光サー
キュレータの構成を示すものである。図18,図20
(a),(b)に示す従来の干渉型光サーキュレータ
は、1組の3dB光方向性結合器5,5' 、3dB−X
分岐回路6,6' 、マッハツエンダ干渉計からなる3d
B分岐回路23,23' 、またはマルチモード干渉器か
らなる3dB分岐回路24,24' を含む平面光波回路
からなる導波光の分離合成部位1,1' 、2枚の板状の
バルク型半波長板からなる相反偏光面回転子2,2' 、
および1つの磁気光学導波路アレイからなる非相反偏光
面回転子3または1つの磁気光結晶からなる非相反偏光
面回転子3' から構成されている。また、図19、図2
0(c)に示す従来の干渉型光サーキュレータは、1組
の光ファイバカプラからなる導波光の分離合成部位
1'',1''' 、2枚の板状のバルク型半波長板からなる
相反偏光面回転子2,2' 、および1つの磁気光学導波
路アレイからなる非相反偏光面回転子3または1つの磁
気光結晶からなる非相反偏光面回転子3' から構成され
ている。また、一部のタイプでは(図20(b),
(c))構成部品にレンズ26を含んでいる。更に一部
のタイプでは分離合成部位1,1' ,1'',1''' の非
相反偏光面回転子3,3' 側の光が導波するコア部の一
部または全部に位相調整部位27を設けてある(便宜
上、図18〜図20中では全部のコア部に位相調整部位
27を記載してある)。
【0004】位相調整部位27の構成としては、通常、
平面光波回路の光導波路部または光ファイバカプラの光
ファイバ部の一部に加熱用ヒータを設置する構成(N.Ta
tatoet.al.,Joumal of Lightwave Technolgy,Volume 6,
No.6,p.1003-p.1010,1988.,M.Abe et al.Electronics L
etters,Volume 32,No.19,p1818-1819,1990 および M.Ka
wachi,Optical and Quantum Electronics Vol.22,pp391
-416,1990)、平面光波回路の光導波路部または光ファ
イバカプラの光ファイバ部の一部にアモルファスSi膜
を付与し、レーザ光線を照射することによって位相を調
整する構成(M.Okuno etal.,Journal of Lightwave Tec
hnolgy,Volume12,No.4,p.625-p.633,1994 )、平面光波
回路の光導波路部または光ファイバカプラの光ファイバ
部にレーザ光線を照射して位相を調整する部位を設置す
る構成(H.Uetsuka et al.,Electoronics Letters,Volu
me 26,No.4,p.251-253,1990 )(特願平3−36950
0号)、および平面光波回路の光導波路部または光ファ
イバカプラの光ファイバ部のコア部の一部に溝を開けて
光を照射すると屈折率が変わる高分子材料を設置した構
成(平成9年度春季第44回応用物理学関連連合講演会
28a-NG-4,1997)等が用いられる。
【0005】また、非相反偏光面回転子3および3' に
は、通常素子が動作するためにその磁化の方向が光の進
行方向に平行となるように永久磁石または電磁石を設置
することにより磁場4が印加されるように設定されてい
る。なお、一部の干渉型光サーキュレータでは、一度磁
場を印加すれば磁化の方向と大きさを保持する磁気光学
材料を用いた非相反偏光面回転子3および3' を用い磁
石を設置しない構成をとる場合もある。
【0006】これらの光サーキュレータがデバイスとし
て動作するためには、図18〜図20のA−Bまたは
A′−B′断面を示す図21のように分離合成部位1,
1' ,1'',1''' の導波光の進行方向と垂直な面内に
設定されたx−y座標8について、半波長板からなる相
反偏光面回転子2および2' のslow軸7のx軸とな
す角度10のθs1 およびθs2 が θs1 −θs2 =±π/4 …(1) の関係を満たすように設定されなければならない。な
お、図21において、9は平面光波回路からなる分離合
成部位1のコア部、11は光ファイバカプラのコア部で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の干渉型
光サーキュレータの構成では、相反偏光面回転子2およ
び2' が厚さ数十μmの薄板であるためハンドリングが
悪い上、またx−y座標8の目印がないためデバイスの
組立の際、相反偏光面回転子2および2' を(1)式の
関係を満たすように配置することは不可能ではないもの
の非常に煩雑な作業となる。このため図18〜図20に
示す従来の干渉型光サーキュレータは、組立に要するコ
ストが高く、デバイス全体が高価になるという欠点があ
った。
【0008】加えて、図18〜図20に示す従来の干渉
型光サーキュレータのうちタイプI、II、II' 、II''、
IVの構成では、相反偏光面回転子2および2' の厚み
によってできる分離合成部位1および1' と非相反回転
子3の間の幅数十μmの隙間12および12' のため、
これらの素子を接着剤で接着固定する際、分離合成部位
1および1' と非相反回転子3の間の十分な接着強度が
とれにくく、組立作業中に接着面が剥がれやすいため作
製歩留まりが悪く、作製コストが高いという欠点もあっ
た。
【0009】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、相反回転子の組み込みを飛躍
的に簡易化することにより経済的な光非相反回路を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の本発明は、分離された光が伝搬され
る第1および第2の光導波路と、前記第1および第2の
光導波路の一端側に配置され、順方向に進む光を前記第
1および第2の光導波路に分離して出力するとともに、
前記第1および第2の光導波路から入力された逆方向に
進む光を合成する第1の分離合成部位と、前記第1およ
び第2の光導波路の他端側に配置され、前記逆方向に進
む光を第1および第2の光導波路に分離して出力すると
ともに、前記第1および第2の光導波路から入力される
前記順方向に進む光を合成する第2の分離合成部位と、
光の進行方向と垂直な面内に設定されたx−y座標につ
いて、前記第1の光導波路にファラデー回転角がθf1
である第1の非相反回転子とx軸からのslow軸角度
がθs1 である半波長板からなる第1の相反回転子を順
方向に沿って前記第1の非相反回転子および前記第1の
相反回転子の順に配置した第1の偏光回転部位と、前記
第2の光導波路にx軸からのslow軸角度がθs2 で
ある半波長板からなる第2の相反回転子とファラデー回
転角がθf2 である第2の非相反回転子を順方向に沿っ
て前記第2の相反回転子および前記第2の非相反回転子
の順に配置した第2の偏光回転部位とを有し、前記第1
および第2の光導波路を伝搬する光のうち、順方向に進
む光については前記分離された光が同位相で干渉して合
成され、逆方向に進む光については前記分離された光が
逆位相で干渉して合成されるように
【数2】θs1 −θs2 =±π/4 θf1 +θf2 =±π/2+2nπ (但し、nは整
数) を満足するように設定される光非相反回路であって、半
波長板からなる板状の前記第1の相反回転子を前記第1
の光導波路に設置した溝に挿入することにより配置し、
半波長板からなる板状の前記第2の相反回転子を前記第
2の光導波路に設置した溝に挿入することにより配置す
ることを要旨とする。
【0011】請求項1記載の本発明にあっては、半波長
板からなる第1の相反回転子を第1の光導波路に設置し
た溝に挿入し、半波長板からなる第2の相反回転子を第
2の光導波路に設置した溝に挿入するため、相反回転子
の配置が飛躍的に簡易になり、経済的となる。
【0012】また、請求項2記載の本発明は、請求項1
記載の発明において、前記第1および第2の分離合成部
位の少なくとも一方は平面光波回路からなる光方向性結
合器回路を用いて構成されることを要旨とする。
【0013】更に、請求項3記載の本発明は、請求項1
記載の発明において、前記第1および第2の分離合成部
位の少なくとも一方が平面光波回路からなるX分岐回路
を用いて構成されることを要旨とする。
【0014】請求項4記載の本発明は、請求項1記載の
発明において、前記第1および第2の分離合成部位の少
なくとも一方が平面光波回路からなるマッハツエンダ干
渉計回路を用いて構成されることを要旨とする。
【0015】また、請求項5記載の本発明は、請求項1
記載の発明において、前記第1および第2の分離合成部
位の少なくとも一方が平面光波回路からなるマルチモー
ド干渉器回路を用いて構成されることを要旨とする。
【0016】更に、請求項6記載の本発明は、請求項1
記載の発明において、前記第1および第2の分離合成部
位の少なくとも一方が架台上に光ファイバカプラを固定
して構成されることを要旨とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について説明する。
【0018】(実施形態1)図1〜図4は、本発明の実
施形態1に係るタイプI〜XVIの16種類の光非相反
回路である干渉型光サーキュレータの構成を示す図であ
る。本実施形態1は分離合成部位として相反偏光回転子
2,2' の設置のためのガイド溝14,14' を設けた
平面光波回路からなる分離合成部位13,13' を用い
たものである。
【0019】図1〜図4において、2,2' は半波長板
からなる相反偏光面回転子、3は磁気光学導波路アレイ
からなる非相反偏光面回転子、3' は磁気光学結晶板か
らなる非相反偏光面回転子、4は非相反偏光面回転子
3,3' に印加された磁場、5,5' は光方向性結合器
回路、6,6' はX分岐回路、13,13' は半波長板
からなる相反偏光面回転子2,2' を設置するためのガ
イド溝14,14' 付きの平面光波回路からなる分離合
成部位、14,14' は半波長板からなる相反偏光面回
転子2,2' を設置するためのガイド溝、23,23'
はマッハツエンダ干渉計からなる3dB分岐回路、2
4,24' はマルチモード干渉器からなる3dB分岐回
路である。
【0020】また、図16は本実施形態の干渉型光サー
キュレータのC−D部の断面図である。同図において、
2' は前記相反偏光面回転子、7は半波長板からなる相
反偏光面回転子2,2' のslow軸、8は分離合成部
位の導波光の進行方向と垂直な面に設定されたx−y
軸、10はslow軸7とx軸がなす角度θs、15は
分離合成部位13,13' のコア部、16はガイド溝1
4,14' の底面22は半波長板からなる相反偏光面回
転子2,2' の底辺である。
【0021】なお、分離合成部位13,13' の平面光
波回路としては、所謂3dBカプラと同等な機能を示す
3dB分岐回路である方向性結合器回路、X分岐回路、
マッハツエンダ干渉計からなる回路(例えば、K.Jinguj
i 他:Electronics Letter,vol.26,No.17,pp.1325-132
7,1990 )およびマルチモード干渉器からなる回路(例
えば、L.B.Soldano 他:Journal of Lightwave Technol
gy,vol.10,No.12,pp.1843-1850,1992 )等であればよ
い。
【0022】また、本実施形態では、デバイスの組立の
際、図16に示すようにガイド溝14,14' の底面1
6を分離合成部位13,13' の導波光の進行方向と垂
直な面内に設定されたx−y座標8のx軸の目印として
使用し、相反偏光面回転子2,2' を設置する。具体的
には半波長板からなる相反偏光面回転子2,2' をその
底辺をslow軸7と(1)式を満たす関係にある角度
θs1 およびθs2 をなすように加工し、すなわち相反
偏光面回転子2,2' の底辺22をx−y座標8のx軸
と平行となるように加工し、ガイド溝14,14' への
底辺22が底面16と平行に接触するように挿入するこ
とで配置する。
【0023】本実施形態の干渉型光サーキュレータはデ
バイスの組立の際のx−y座標8の目印がない従来の干
渉型光サーキュレータに比べて、相反偏光面回転子2,
2'の配置が飛躍的に容易なため、作製コストが安くな
る。
【0024】また、本実施形態に示す分離合成部位に平
面光波回路を使用し、かつ従来のようにレンズ26を用
いない構成の干渉型光サーキュレータは、従来の図18
に示す分離合成部位に平面光波回路を用いる構成の従来
の干渉型光サーキュレータに比べて、分離合成部位と非
相反回転子3との間の幅数十μmが隙間12,12'が
構造的にないため、分離合成部位と非相反回転子間の接
着において十分な接着強度がとれるため、接着面が剥が
れ難く作製歩留まりが改善され、作製コストを安くする
ことができる。
【0025】なお、本実施形態においては、干渉型光サ
ーキュレータを構成する2つの分離合成部位を同種類の
ものとしているが、相反偏光面回転子2,2' を設置す
るためのガイド溝を設けた分離合成部位を使用するかぎ
り、他の分離合成部位を使用してもよい。
【0026】本実施形態1では、作製する干渉型光サー
キュレータの動作波長は1.55μmに設定した。分離
合成部位13および13' としてSi基板の上に火炎堆
積法と反応性イオンエッチングにより作製した石英系ガ
ラス埋込み型導波路からなる平面光波回路を用いた。石
英系ガラス埋込み型導波路の導波光のフィールド径2ω
は10.5μmとした。ガイド溝14および14' は、
ダイシングソーを用いて形成した。ガイド溝14および
14' の幅および深さは30μmおよび100μmとし
た。相反偏光面回転子2および2' としては、ポリイミ
ド薄膜を熱延伸することにより複屈折性をもたせた半波
長板を用いた。相反偏光面回転子2および2' の厚さは
16μmとした。相反偏光面回転子2および2' のデバ
イスへの組み込みにおいては、図18に示した従来の干
渉型光サーキュレータに比べて、その底辺22をslo
w軸7と角度+π/8および−π/8をなすように加工
し、ガイド溝14,14' へその底辺22が底面16と
平行に接触するように挿入することで、容易に(1)式
を満たすように配置することができた。
【0027】非相反偏光面回転子3としては、ガドリニ
ウムガリウムガーネット(GGG)基板の上に液相エピ
タキシャル成長法とイオンビームエッチングで作製した
LaX 3-X GaY Fe5-Y 12埋込み型導波路が2本
並列に並んだ導波路型回転子を用いた。非相反偏光面回
転子3の長さは3.02mmとし、偏光面回転角はπ/
4とした。なお、非相反偏光面回転子3には磁気光学効
果を引き起こすため磁場4をSm−Co磁石により印加
した。更に、非相反偏光面回転子3の端面には端面での
反射を防止するために石英系ガラスの屈折率に対する反
射防止コートを施した。分離合成部位13および13'
と非相反偏光面回転子3は石英系ガラスと屈折率を整合
させたUV硬化型の接着剤により接続固定した。この
際、接続面に隙間12および12' が存在する図18に
示した従来の干渉型光サーキュレータと異なり、十分な
接続強度がとれるため、接着面が剥がれるなどの障害の
発生は抑制され作製歩留まりが向上した。なお、分離合
成部位13および13' と非相反偏光面回転子3の接続
面は導波路に対して垂直とした。
【0028】図1〜図4に示す本実施形態のタイプI〜
XVIの16種類の干渉型光サーキュレータの4つのポ
ート1〜4に光ファイバを接続した。なお、分離合成部
位13および13' と光ファイバの接続面は、端面での
反射を防止するために導波路に対して垂直から8度傾く
ように設定した。各々のポートから光を入射したとこ
ろ、ポート1から入射した光はポート2へ、ポート2か
ら入射した光はポート3へ、ポート3から入射した光は
ポート4へ、ポート4から入射した光はポート1へ出射
し、光サーキュレータとして動作することが確認され
た。また、それぞれのポートにおける逆方向に光を入射
した際のアイソレーションの値は20dB程度の値を示
した。各ポートの反射減衰量は30dB程度であった。
【0029】表1は図1〜図4に示す本実施形態のタイ
プI〜XVIの干渉型光サーキュレータと上述した図1
8に示す従来例の分離合成部位1および1' として石英
系ガラス導波路からなる平面光波回路を用いた図18に
示したタイプI,II,II' ,II''の従来の干渉型光サー
キュレータを100個作製した際の1個あたりの作製コ
ストを比較したものである。なお、作製コストは図18
(a)に示したタイプIの従来の干渉型光サーキュレー
タにおいて分離合成部位1および1' として石英系ガラ
ス導波路からなる平面光波回路を用いた場合の作製コス
トを100とした相対値である。表からわかるように本
実施形態の作製コストは、従来の作製方法の作製コスト
に比べて、相反偏光面回転子2および2' の配置に要す
るコスト削減と分離合成部位13および13' と非相反
偏光面回転子3の接続固定における歩留まり向上によ
り、6割以上安くなることが確認された。
【0030】
【表1】 なお、本実施形態では分離合成部位13および13' と
して石英系ガラスでできた導波路からなる平面光波回路
を用いたが、多成分系ガラス、重金属酸化物ガラス(T
a酸化物、Nb酸化物等)、シリコンオキシナイトライ
ド、カルコゲナイドガラス等の他のガラス材料でできた
導波路からなる平面光波回路を用いても、本発明の作製
コストが安くなる効果を得られることが確認された。ま
た、LiNbO3 ,LiTaO3 ,PLZT,InP系
およびGaAs系等の半導体材料、ガーネット等の結晶
材料でできた導波路からなる平面光波回路を用いても、
本発明の作製コストが安くなる効果を得られることが確
認された。
【0031】(実施形態2)本実施形態2について、図
1〜図4に示すタイプI〜XVIの16種類の干渉型光
サーキュレータを参照して説明する。本実施形態2では
作製する干渉型光サーキュレータの動作波長は1.55
μmに設定した。分離合成部位13および13' として
Si基板の上に火炎堆積法と反応性イオンエッチングに
より作製した石英系ガラス埋込み型導波路からなる平面
光波回路を用いた。石英系ガラス埋込み型導波路の導波
光のフィールド径2ωは8μmとした。ガイド溝14お
よび14' は、ダイシングソーを用いて形成した。ガイ
ド溝14および14' の幅および深さは26μmおよび
100μmとした。相反偏光面回転子2および2' とし
ては、ポリイミド薄膜を熱延伸することにより複屈折性
をもたせた半波長板を用いた。相反偏光面回転子2およ
び2' の厚さは15μmとした。相反偏光面回転子2お
よび2' のデバイスへの組み込みにおいては、図18に
示した従来の干渉型光サーキュレータに比べて、その底
辺22をslow軸7と角度+π/8および−π/8を
なすように加工し、ガイド溝14,14' へその底辺2
2が底面16と平行に接触するように挿入することで、
容易に(1)式を満たすように配置することができた。
【0032】非相反偏光面回転子3としては、ガドリニ
ウムガリウムガーネット(GGG)基板の上に液相エピ
タキシャル成長法とイオンビームエッチングで作製した
LaX 3-X GaY Fe5-Y 12埋込み型導波路が2本
並列に並んだ導波路型回転子を用いた。非相反偏光面回
転子3の長さは3.02mmとし、偏光面回転角はπ/
4とした。なお、非相反偏光面回転子3には磁気光学効
果を引き起こすため磁場4をSm−Co磁石により印加
した。また、非相反偏光面回転子3の端面には、端面で
の反射を防止するために石英系ガラスの屈折率に対する
反射防止コートを施した。分離合成部位13および1
3' と非相反偏光面回転子3は石英系ガラスと屈折率を
整合させたUV硬化型の接着剤により接続固定した。こ
の際、接続面に隙間12および12' が存在する図18
に示した従来の干渉型光サーキュレータと異なり、十分
な接続強度がとれるため、接着面が剥がれるなどの障害
の発生は抑制され作製歩留まりが向上した。なお、分離
合成部位13および13' と非相反偏光面回転子3の接
続面は、タイプ III,IV,VII,VIII ,XI,XI
I,XVおよびXVIで導波路に対して垂直とし、タイ
プI,II,V,VI,IX,X,XIII およびXIVで
端面での反射を防止するために導波路に対して垂直から
8度傾くように設定した。
【0033】本実施形態のタイプI〜XVIの16種類
の干渉型光サーキュレータの4つのポート1〜4に光フ
ァイバを接続した。なお、分離合成部位13および1
3' と光ファイバの接続面は、端面での反射を防止する
ために導波路に対して垂直から8度傾くように設定し
た。各々のポートから光を入射したところ、ポート1か
ら入射した光はポート2へ、ポート2から入射した光は
ポート3へ、ポート3から入射した光はポート4へ、ポ
ート4から入射した光はポート1へ出射し、光サーキュ
レータとして動作することが確認された。また、それぞ
れのポートにおける逆方向に光を入射した際のアイソレ
ーションの値は20dB程度の値を示した。各ポートの
反射減衰量は、タイプ III,IV,VII,VIII ,X
I,XII,XVおよびXVIで30dB程度、タイプ
I,II,V,VI,IX,X,XIII およびXIVで分
離合成部位13および13' と非相反偏光面回転子3の
接続面を傾けたことにより40dB以上の高い値を示し
た。
【0034】表2は本実施形態2の干渉型光サーキュレ
ータと図18に示す従来例の分離合成部位1および1'
として石英系ガラス導波路からなる平面光波回路を用い
た図18に示したタイプI,II,II' ,II''の従来の干
渉型光サーキュレータを100個作製した際の1個あた
りの作製コストを比較したものである。なお、作製コス
トは実施形態1における図18(a)に示したタイプI
の従来の干渉型光サーキュレータの従来例の作製コスト
を100とした相対値である。表からわかるように本実
施形態の作製コストは、従来の作製方法の作製コストに
比べて、相反偏光面回転子2および2' の配置に要する
コスト削減と分離合成部位13および13' と非相反偏
光面回転子3の接続固定における歩留まり向上により、
6割以上安くなることが確認された。
【0035】
【表2】 なお、本実施形態では分離合成部位13および13' と
して石英系ガラスでできた導波路からなる平面光波回路
を用いたが、多成分系ガラス、重金属酸化物ガラス(T
a酸化物、Nb酸化物等)、シリコンオキシナイトライ
ド、カルコゲナイドガラス等の他のガラス材料でできた
導波路からなる平面光波回路を用いても、本発明の作製
コストが安くなる効果を得られることが確認された。ま
た、LiNbO3 ,LiTaO3 ,PLZT,InP系
およびGaAs系等の半導体材料、ガーネット等の結晶
材料でできた導波路からなる平面光波回路を用いても、
本発明の作製コストが安くなる効果を得られることが確
認された。
【0036】(実施形態3)本実施形態3について、図
1〜図4に示すタイプI〜XVIの16種類の干渉型光
サーキュレータを参照して説明する。本実施形態3では
作製する干渉型光サーキュレータの動作波長は1.3μ
mに設定した。分離合成部位13および13' としてS
i基板の上にスピンコートと反応性イオンエッチングに
より作製した高分子材料PMMAからなる埋込み型導波
路の平面光波回路を用いた。PMMA埋込み型導波路の
導波光のフィールド径2ωは10.5μmとした。ガイ
ド溝14および14' は、ダイシングソーを用いて形成
した。ガイド溝14および14' の幅および深さは32
μmおよび100μmとした。相反偏光面回転子2およ
び2' としては、ポリイミド薄膜を熱延伸することによ
り複屈折性をもたせた半波長板を用いた。相反偏光面回
転子2および2' の厚さは16μmとした。相反偏光面
回転子2および2' のデバイスへの組み込みにおいて
は、図18に示した従来の干渉型光サーキュレータに比
べて、その底辺22をslow軸7と角度−π/8およ
び+π/8をなすように加工し、ガイド溝14,14'
へその底辺22が底面16と平行に接触するように挿入
することで、容易に(1)式を満たすように配置するこ
とができた。
【0037】非相反偏光面回転子3としては、ガドリニ
ウムガリウムガーネット(GGG)基板の上に液相エピ
タキシャル成長法とイオンビームエッチングで作製した
LaX 3-X GaY Fe5-Y 12埋込み型導波路が2本
並列に並んだ導波路型回転子を用いた。非相反偏光面回
転子3の長さは3.02mmとし、偏光面回転角はπ/
4とした。なお、非相反偏光面回転子3には磁気光学効
果を引き起こすため磁場4をSm−Co磁石により印加
した。更に、非相反偏光面回転子3の端面には端面での
反射を防止するためにPMMAの屈折率に対する反射防
止コートを施した。分離合成部位13および13' と非
相反偏光面回転子3はPMMAと屈折率を整合させたU
V硬化型の接着剤により接続固定した。この際、接続面
に隙間12および12' が存在する図18に示した従来
の干渉型光サーキュレータと異なり、十分な接続強度が
とれるため、接着面が剥がれるなどの障害の発生は抑制
され作製歩留まりが向上した。なお、分離合成部位13
および13' と非相反偏光面回転子3の接続面は導波路
に対して垂直とした。
【0038】本実施形態3のタイプI〜XVIの16種
類の干渉型光サーキュレータの4つのポート1〜4に光
ファイバを接続した。なお、分離合成部位13および1
3'と光ファイバの接続面は、端面での反射を防止する
ために導波路に対して垂直から8度傾くように設定し
た。各々のポートから光を入射したところ、ポート1か
ら入射した光はポート2へ、ポート2から入射した光は
ポート3へ、ポート3から入射した光はポート4へ、ポ
ート4から入射した光はポート1へ出射し、光サーキュ
レータとして動作することが確認された。また、それぞ
れのポートにおける逆方向に光を入射した際のアイソレ
ーションの値は21dB程度の値を示した。各ポートの
反射減衰量は30dB程度であった。
【0039】表3は本実施形態3の干渉型光サーキュレ
ータと図18に示す従来例の分離合成部位1および1'
としてPMMA導波路からなる平面光波回路を用いた図
18に示したタイプI,II,II' ,II''の従来の干渉
型光サーキュレータを100個作製した際の1個あたり
の作製コストを比較したものである。なお、作製コスト
は実施形態1における図18(a)に示したタイプIの
従来の干渉型光サーキュレータの従来例の作製コストを
100とした相対値である。表からわかるように本実施
形態の作製コストは、従来の作製方法の作製コストに比
べて、相反偏光面回転子2および2' の配置に要するコ
スト削減と分離合成部位13および13' と非相反偏光
面回転子3の接続固定における歩留まり向上により、6
割以上安くなることが確認された。
【0040】
【表3】 なお、本実施形態では分離合成部位13および13' と
してPMMAでできた導波路からなる平面光波回路を用
いたが、ポリイミド、エポキシ、ポリシロキサン、ポリ
ウレタン等の他の高分子材料でできた導波路からなる平
面光波回路を用いても、本発明の作製コストが安くなる
効果を得られることが確認された。
【0041】(実施形態4)本実施形態4について、図
1〜図4に示すタイプI〜XVIの16種類の干渉型光
サーキュレータを参照して説明する。本実施形態4では
作製する干渉型光サーキュレータの動作波長は1.3μ
mに設定した。分離合成部位13および13' としてS
i基板の上にスピンコートと反応性イオンエッチングに
より作製した高分子材料PMMAからなる埋込み型導波
路の平面光波回路を用いた。PMMA埋込み型導波路の
導波光のフィールド径2ωは8μmとした。ガイド溝1
4および14' の幅および深さは28μmおよび100
μmとした。相反偏光面回転子2および2' としては、
ポリイミド薄膜を熱延伸することにより複屈折性をもた
せた半波長板を用いた。相反偏光面回転子2および2'
の厚さは13μmとした。相反偏光面回転子2および
2' のデバイスへの組み込みにおいては、図18に示し
たタイプI,II,II' ,II''の従来の干渉型光サーキ
ュレータに比べて、その底辺22をslow軸7と角度
−π/8および+π/8をなすように加工し、ガイド溝
14,14' へその底辺22が底面16と平行に接触す
るように挿入することで、容易に(1)式を満たすよう
に配置することができた。
【0042】非相反偏光面回転子3としては、ガドリニ
ウムガリウムガーネット(GGG)基板の上に液相エピ
タキシャル成長法とイオンビームエッチングで作製した
LaX 3-X GaY Fe5-Y 12埋込み型導波路が2本
並列に並んだ導波路型回転子を用いた。非相反偏光面回
転子3の長さは3.02mmとし、偏光面回転角はπ/
4とした。なお、非相反偏光面回転子3には磁気光学効
果を引き起こすため磁場4をSm−Co磁石により印加
した。また、非相反偏光面回転子の端面には、端面での
反射を防止するためにPMMAの屈折率に対する反射防
止コートを施した。分離合成部位13および13' と非
相反偏光面回転子3はPMMAと屈折率を整合させたU
V硬化型の接着剤により接続固定した。この際、接続面
に隙間12および12' が存在する図18に示したタイ
プI,II,II' ,II''の従来の干渉型光サーキュレータ
と異なり、十分な接続強度がとれるため、接着面が剥が
れるなどの障害の発生は抑制され作製歩留まりが向上し
た。なお、分離合成部位13および13' と非相反偏光
面回転子3の接続面は、タイプ III,IV,VII,VII
I ,XI,XII,XVおよびXVIで導波路に対して垂
直とし、タイプI,II,V,VI,IX,X,XIII お
よびXIVで端面での反射を防止するために導波路に対
して垂直から8度傾くように設定した。
【0043】本実施形態のタイプI〜XVIの16種類
の干渉型光サーキュレータの4つのポート1〜4に光フ
ァイバを接続した。なお、分離合成部位13および1
3' と光ファイバの接続面は、端面での反射を防止する
ために導波路に対して垂直から8度傾くように設定し
た。各々のポートから光を入射したところ、ポート1か
ら入射した光はポート2へ、ポート2から入射した光は
ポート3へ、ポート3から入射した光はポート4へ、ポ
ート4から入射した光はポート1へ出射し、光サーキュ
レータとして動作することが確認された。また、それぞ
れのポートにおける逆方向に光を入射した際のアイソレ
ーションの値は23dB程度の値を示した。各ポートの
反射減衰量は、タイプ III,IV,VII,VIII ,X
I,XII,XVおよびXVIで30dB程度、タイプ
I,II,V,VI,IX,X,XIII およびXIVで分
離合成部位13および13' と非相反偏光面回転子3の
接続面を傾けたことにより40dB以上の高い値を示し
た。
【0044】表4は本実施形態4の干渉型光サーキュレ
ータと図18に示す従来例の分離合成部位1および1'
としてPMMA導波路からなる平面光波回路を用いた図
18に示したタイプI,II,II' ,II''の従来の干渉型
光サーキュレータを100個作製した際の1個あたりの
作製コストを比較したものである。なお、作製コストは
実施形態1における図18(a)に示したタイプIの従
来の干渉型光サーキュレータの従来例の作製コストを1
00とした相対値である。表からわかるように本実施形
態4の作製コストは、従来の作製方法の作製コストに比
べて、相反偏光面回転子2および2' の配置に要するコ
スト削減と分離合成部位13および13' と非相反偏光
面回転子3の接続固定における歩留まり向上により、6
割以上安くなることが確認された。
【0045】
【表4】 なお、本実施形態は分離合成部位13および13' とし
てPMMAでできた導波路からなる平面光波回路を用い
たが、ポリイミド、エポキシ、ポリシロキサン、ポリウ
レタン等の他の高分子材料でできた導波路からなる平面
光波回路を用いても、本発明の作製コストが安くなる効
果を得られることが確認された。
【0046】(実施形態5)図5〜図6は、本発明の実
施形態5に係るタイプXVII〜XXIVの8種類の光非
相反回路である干渉型光サーキュレータの構成を示す図
である。本実施形態5は分離合成部位として光ファイバ
カプラを架台21の上に固定した構成でかつ相反偏光面
回転子2,2' の設置のためのガイド溝19,19' を
設けた分離合成部位18,18' を用いたものである。
【0047】図5、図6において、2,2' は半波長板
からなる相反偏光面回転子、3は磁気光学導波路アレイ
からなる非相反偏光面回転子、3' は磁気光学結晶板か
らなる非相反偏光面回転子、4は非相反偏光面回転子
3,3' に印加された磁場、17は光ファイバカプラ、
18,18' は光半波長板カプラ17を架台21に固定
した構成の導波光の分離合成部位、19,19' は分離
合成部位18,18' に設けた半波長板からなる相反偏
光面回転子2,2' を設置するためのガイド溝である。
【0048】また、図17は本実施形態の干渉型光サー
キュレータのC′−D′部の断面図である。同図におい
て、2' は前記相反偏光面回転子、7は半波長板からな
る相反偏光面回転子2,2' のslow軸、8は分離合
成部位の導波光の進行方向と垂直な面に設定されたx−
y軸、10はslow軸7とx軸がなす角度θs、11
は光ファイバカプラのコア部、17は光ファイバカプ
ラ、20はガイド溝19,19' の底面、21は光ファ
イバカプラを固定するための架台、22は半波長板から
なる相反偏光面回転子2,2' の底辺である。
【0049】また、本実施形態では、デバイスの組立の
際、図17に示すようにガイド溝19,19' の底面2
0を分離合成部位18,18' の導波光の進行方向と垂
直な面内に設定されたx−y座標8のx軸の目印として
使用し、相反偏光面回転子2,2' を配置する。具体的
には半波長板からなる相反偏光面回転子2,2' をその
底辺をslow軸7と(1)式を満たす関係にある角度
θs1 およびθs2 なすように加工し、すなわち相反偏
光面回転子2,2' の底辺22をx−y座標8のx軸と
平行となるように加工し、ガイド溝19,19' への底
辺22が底面20と平行に接触するように挿入すること
で配置する。
【0050】本実施形態の干渉型光サーキュレータはデ
バイスの組立の際のx−y座標8の目印がない従来の干
渉型光サーキュレータに比べて、相反偏光面回転子2,
2'の配置が飛躍的に容易なため、作製コストが安くな
る。
【0051】本実施形態5では、作製する干渉型光サー
キュレータの動作波長は1.30μmに設定した。分離
合成部位18および18' としてSi基板の上にシング
ルモード石英系光ファイバからなる3dB光ファイバカ
プラ17を張り付けたものを用いた。石英系光ファイバ
の導波光のフィールド径2ωは10.5μmとした。ガ
イド溝19および19' は、ダイシングソーを用いて形
成した。ガイド溝19および19' の幅および深さは2
9μmおよび100μmとした。相反偏光面回転子2お
よび2' としては、ポリイミド薄膜を熱延伸することに
より複屈折性をもたせた半波長板を用いた。相反偏光面
回転子2および2' の厚さは16μmとした。相反偏光
面回転子2および2' のデバイスへの組み込みにおいて
は、図19に示したタイプIII およびIII'の干渉型光サ
ーキュレータに比べて、その底辺22をslow軸7と
角度−π/8および+π/8をなすように加工し、ガイ
ド溝19,19' へその底辺22が底面20と平行に接
触するように挿入することで、容易に(1)式を満たす
ように配置することができた。
【0052】図5に示す4種類のタイプXVII〜XXで
は、非相反偏光面回転子3として、ガドリニウムガリウ
ムガーネット(GGG)基板の上に液相エピタキシャル
成長法とイオンビームエッチングで作製したLaX
3-X GaY Fe5-Y 12埋込み型導波路が2本並列に並
んだ導波路型回転子を用いた。導波路型の非相反偏光面
回転子3の長さは2.85mmとし、偏光面回転角はπ
/4とした。図6に示す4種類のタイプXXI〜XXI
Vでは、非相反偏光面回転子3' としてカチオン置換ガ
ドリニウムガリウムガーネット基板の上に液相エピタキ
シャル成長法で作製したBiX 3-X Fe5 12厚膜か
らなるバルク型回転子を用いた。バルク型の非相反偏光
面回転子3' の厚さは0.4mmとし、偏光面回転角は
π/4とした。なお、導波路型およびバルク型ともに非
相反偏光面回転子には磁気光学効果を引き起こすため磁
場4をSm−Co磁石により印加した。更に、非相反偏
光面回転子3および3' の端面には端面での反射を防止
するために石英系ガラスの屈折率に対する反射防止コー
トを施した。分離合成部位18および18' と非相反偏
光面回転子3および3' は石英系ガラスと屈折率を整合
させたUV硬化型の接着剤により接続固定した。分離合
成部位18および18' と非相反偏光面回転子3および
3' の接続面は光ファイバカプラ17の導波路に対して
垂直とした。
【0053】本実施形態5のタイプXVII〜XXIVの
8種類の干渉型光サーキュレータの4つのポート1〜4
に光ファイバを接続した。なお、分離合成部位18およ
び18' と光ファイバの接続面は、端面での反射を防止
するために導波路に対して垂直から8度傾くように設定
した。各々のポートから光を入射したところ、ポート1
から入力した光はポートと2へ、ポート2から入射した
光はポート3へ、ポート3から入射した光はポート4
へ、ポート4から入射した光はポート1へ出射し、光サ
ーキュレータとして動作することが確認された。また、
それぞれのポートにおける逆方向に光を入射した際のア
イソレーションの値は22dB程度の値を示した。各ポ
ートの反射減衰量は30dB程度であった。
【0054】表5は本実施形態5の干渉型光サーキュレ
ータと従来例の分離合成部位1''および1''' としてシ
ングルモード石英系光ファイバからなる3dB光ファイ
バカプラを用いた図19に示したタイプIII およびIII'
の従来の干渉型光サーキュレータを100個作製した際
の1個あたりの作製コストを比較したものである。な
お、作製コストは図19(b)に示したタイプIII'の従
来の干渉型光サーキュレータにおいて分離合成部位1''
および1''' としてシングルモード石英系光ファイバか
らなる3dB光ファイバカプラを用いた場合の作製コス
トを100とした相対値である。表からわかるように本
実施形態の作製コストは、従来の作製方法の作製コスト
に比べ、相反偏光面回転子2および2' の配置に要する
コスト削減により、3割以上安くなることが確認され
た。
【0055】
【表5】 なお、本実施形態では分離合成部位18および18' の
光ファイバカプラ17として石英系ガラスでできた光フ
ァイバカプラを用いたが、多成分系ガラス、プラスチッ
ク等の他の材料でできた光ファイバカプラを用いても、
本発明の作製コストが安くなる効果を得られることが確
認された。また本実施形態では分離合成部位18および
18' の光ファイバカプラ17の架台21としてSi基
板を用いたが、Si基板の代わりに他の結晶板、ガラス
基板等のガラス板、ジルコニア等のセラミック板、アル
ミ等の金属板、アクリル等の高分子材料板等を用いても
本発明の作製コストが安くなる効果を得られることが確
認された。
【0056】(実施形態6)本実施形態6について、図
5および図6に示すタイプXVII〜XXIVの8種類の
干渉型光サーキュレータを参照して説明する。本実施形
態では作製する干渉型光サーキュレータの動作波長は
1.55μmに設定した。分離合成部位18および1
8' として石英ガラス基板の上にシングルモード分散シ
フト石英系光ファイバからなる3dB光ファイバカプラ
17を張り付けたものを用いた。石英系光ファイバの導
波光のフィールド径2ωは8μmとした。ガイド溝19
および19' は、ダイシングソーを用いて形成した。ガ
イド溝19および19' の幅および深さは28μmおよ
び100μmとした、相反偏光面回転子2および2' と
しては、ポリイミド薄膜を熱延伸することにより複屈折
性をもたせた半波長板を用いた。相反偏光面回転子2お
よび2' の厚さは14μmとした。相反偏光面回転子2
および2' のデバイスへの組み込みにおいては、図19
に示したタイプIII およびIII'の従来の干渉型光サーキ
ュレータに比べて、その底辺22をslow軸7と角度
+π/8および−π/8をなすように加工し、ガイド溝
19,19' へその底辺22が底面20と平行に接触す
るように挿入することで、容易に(1)式を満たすよう
に配置することができた。図5に示すタイプXVII〜X
Xの4種類では、非相反偏光面回転子3としてガドリニ
ウムガリウムガーネット(GGG)基板の上に液相エピ
タキシャル成長法とイオンビームエッチングで作製した
LaX 3-X GaY Fe5-Y 12埋込み型導波路が2本
並列に並んだ導波路型回転子を用いた。導波路型の非相
反偏光面回転子3の長さは2.95mmとし、偏光面回
転角はπ/4とした。図6に示すタイプXXI〜XXI
Vの4種類では、非相反偏光面回転子3' としてカチオ
ン置換ガドリニウムガリウムガーネット基板の上に液相
エピタキシャル成長法で作製したBiX 3-X Fe5
12厚膜からなるバルク型回転子を用いた。バルク型の非
相反偏光面回転子3' の厚さは0.5mmとし、偏光面
回転角はπ/4とした。なお、導波路型およびバルク型
ともに非相反偏光面回転子には磁気光学効果を引き起こ
すため磁場4をSm−Co磁石により印加した。更に、
非相反偏光面回転子3および3' の端面には端面での反
射を防止するために石英系ガラスの屈折率に対する反射
防止コートを施した。分離合成部位18および18' と
非相反偏光面回転子3および3' は石英系ガラスと屈折
率を整合させたUV硬化型の接着剤により接続固定し
た。なお、分離合成部位18および18' と非相反偏光
面回転子3および3' の接続面は、タイプXIX,X
X,XXIII およびXXIVにおいては光ファイバカプ
ラ17の導波路に対して垂直とし、タイプXVII,XV
III ,XXIおよびXXIIにおいては、端面での反射を
防止するために光ファイバカプラ17の導波路に対して
垂直から8度傾くように設定した。
【0057】本実施形態6のXVII〜XXIVの干渉型
光サーキュレータの4つのポート1〜4に光ファイバを
接続した。なお、分離合成部位18および18' と光フ
ァイバの接続面は、端面での反射を防止するために導波
路に対して垂直から8度傾くように設定した。各々のポ
ートから光を入射したところ、ポート1から入射した光
はポート2へ、ポート2から入射した光はポート3へ、
ポート3から入射した光はポート4へ、ポート4から入
射した光はポート1へ出射し、光サーキュレータとして
動作することが確認された。またそれぞれのポートにお
ける逆方向に光を入射した際のアイソレーションの値は
22dB程度の値を示した。各ポートの反射減衰量は、
タイプXIX,XX,XXIII およびXXIVで30d
B程度、タイプXVII,XVIII ,XXIおよびXXII
で分離合成部位18および18'と非相反偏光面回転子
3および3' の接続面を傾けたことにより40dB以上
の高い値を示した。
【0058】表6は本実施形態6の干渉型光サーキュレ
ータと従来例の分離合成部位1''および1''' としてシ
ングルモード石英系光ファイバからなる3dB光ファイ
バカプラを用いた図19に示したタイプIII およびIII'
の従来の干渉型光サーキュレータを100個作製した際
の1個あたりの作製コストを比較したものである。な
お、作製コストは実施形態5における図19(b)に示
したタイプIII'の従来の干渉型光サーキュレータの従来
例の作製コストを100とした相対値である。表からわ
かるように本実施形態の作製コストは、従来の作製方法
の作製コストに比べて、相反偏光面回転子2および2'
の配置に要するコスト削減により、3割以上安くなるこ
とが確認された。
【0059】
【表6】 なお、本実施形態6では分離合成部位18および18'
の光ファイバカプラとして石英系ガラスでできた光ファ
イバカプラを用いたが、多成分系ガラス、プラスチック
等の他の材料でできた光ファイバカプラを用いても、本
発明の作製コストが安くなる効果を得られることが確認
された。また本実施形態6では分離合成部位18および
18' の光ファイバカプラ17の架台21として石英ガ
ラス基板を用いたが、石英ガラス基板の代わりに他のガ
ラス板、Si基板等の結晶板、ジルコニア等のセラミッ
ク板、アルミ等の金属板、アクリル等の高分子材料板等
を用いても本発明の作製コストが安くなる効果を得られ
ることが確認された。
【0060】(実施形態7)図7は、本発明の実施形態
7に係るタイプXXV〜XXVIII の4種類の光非相反
回路である干渉型光サーキュレータの構成を示す図であ
る。本実施形態7は分離合成部位として相反偏光面回転
子2,2' の設置のためのガイド溝14,14' を設け
た平面光波回路からなる分離合成部位13,13' を用
いたものである。図7に示す各符号は上述した各実施形
態のものと同じである。また、図16は本実施形態の干
渉型光サーキュレータのC−D部の断面図である。
【0061】本実施形態7において、作製する干渉型光
サーキュレータの動作波長は1.55μmに設定した。
分離合成部位13および13' としてSi基板の上に火
炎堆積法と反応性イオンエッチングにより作製した石英
系ガラス埋込み型導波路からなる平面光波回路を用い
た。分離合成部位13および13' の3dB分岐回路と
しては1段の方向性結合器を用いた。石英系ガラス埋込
み型導波路の導波光のフィールド径2ωは10.5μm
とした。ガイド溝14および14' は、ダイシングソー
を用いて形成した。ガイド溝14および14' の幅およ
び深さは27μmおよび100μmとした。相反偏光面
回転子2および2' としては、ポリイミド薄膜を熱延伸
することにより複屈折性をもたせた半波長板を用いた。
相反偏光面回転子2および2' の厚さは16μmとし
た。相反偏光面回転子2および2' のデバイスへの組み
込みにおいては、図20(a)に示したタイプIVの従
来の干渉型光サーキュレータに比べて、その底辺22を
slow軸7と角度+π/8および−π/8をなすよう
に加工し、ガイド溝14,14' へその底辺22が底面
16と平行に接触するように挿入することで、容易に
(1)式を満たすように配置することができた。
【0062】非相反偏光面回転子3' としてはカチオン
置換ガドリニウムガリウムガーネット基板の上に液相エ
ピタキシャル成長法で作製したBiX 3-X Fe5 12
膜厚からなるバルク型回転子を用いた。バルク型の非相
反偏光面回転子3' の厚さは0.6mmとし、偏光面回
転角はπ/4とした。なお、非相反偏光面回転子3'に
は磁気光学効果を引き起こすため磁場4をSm−Co磁
石により印加した。更に、非相反偏光面回転子3' の端
面には端面での反射を防止するために石英系ガラスの屈
折率に対する反射防止コートを施した。分離合成部位1
3および13'と非相反偏光面回転子3' は石英系ガラ
スと屈折率を整合させたUV硬化型の接着剤により接続
固定した。この際、接続面に隙間12および12' が存
在する図20(a)に示したタイプIVの従来の干渉型
光サーキュレータと異なり、十分な接続強度がとれるた
め、接着面が剥がれるなどの障害の発生は抑制され作製
歩留まりが向上した。なお、分離合成部位13および1
3' と非相反偏光面回転子3' の接続面は導波路に対し
て実施形態XXVIIおよびXXVIII で垂直とし、実施
形態XXVおよびXXVIで垂直または端面での反射を
防止するために分離合成部位13および13' の導波路
に対して垂直から8度傾くように設定した。
【0063】本実施形態7のタイプXXV〜XXVIII
の4種類の干渉型光サーキュレータの4つのポート1〜
4に光ファイバを接続した。なお、分離合成部位13お
よび13' と光ファイバの接続面は、端面での反射を防
止するために導波路に対して垂直から8度傾くように設
定した。各々のポートから光を入射したところ、ポート
1から入射した光はポート2へ、ポート2から入射した
光はポート3へ、ポート3から入射した光はポート4
へ、ポート4から入射した光はポート1へ出射し、光サ
ーキュレータとして動作することが確認された。またそ
れぞれのポートにおける逆方向に光を入射した際のアイ
ソレーションの値は21dB程度の値を示した。各ポー
トの反射減衰量は分離合成部位13および13' と非相
反偏光面回転子3の接続面が導波路に対して垂直な場合
で30dB程度であり、8度傾けた場合で45dB程度
であった。
【0064】表7は本実施形態7の干渉型光サーキュレ
ータと従来例の分離合成部位1および1' として石英系
ガラス導波路からなる平面光波回路を用いた図20
(a)に示したタイプIVの従来の干渉型光サーキュレ
ータを100個作製した際の1個あたりの作製コストを
比較したものである。なお、作製コストは図20(a)
に示したタイプIVの従来の干渉型光サーキュレータに
おいて分離合成部位1および1' として石英系ガラス導
波路からなる平面光波回路を用いた場合の作製コストを
100とした相対値である。表からわかるように本実施
形態7の作製コストは、従来の作製方法の作製コストに
比べて、相反偏光面回転子2および2' の配置に要する
コスト削減と分離合成部位13および13' と非相反偏
光面回転子3の接続固定における歩留まり向上により、
6割以上安くなることが確認された。
【表7】 なお、本実施形態7では分離合成部位13および13'
として石英系ガラスでできた導波路からなる平面光波回
路を用いたが、多成分系ガラス、重金属酸化物ガラス
(Ta酸化物、Nb酸化物等)、シリコンオキシナイト
ライド、カルコゲナイドガラス等の他のガラス材料でで
きた導波路からなる平面光波回路を用いても、本発明の
作製コストが安くなる効果を得られることが確認され
た。また、LiNbO3 ,LiTaO3 ,PLZT,I
nP系およびGaAs系等の半導体材料、ガーネット等
の結晶材料およびPMMA、ポリイミド、エポキシ、ポ
リシロキサン、ポリウレタン等の高分子材料でできた導
波路からなる平面光波回路を用いても、本発明の作製コ
ストが安くなる効果を得られることが確認できた。
【0065】更に本実施形態では分離合成部位13およ
び13' の3dB分岐回路として、1段の方向性結合器
を用いたが、3dBカプラと同等な機能を示す3dB分
岐回路であればX分岐回路、マッハツエンダ干渉計から
なる回路およびマルチモード干渉器からなる回路等であ
っても本発明の作製コストが安くなる効果を得られるこ
とが確認された。
【0066】(実施形態8)図8および図9は、本発明
の実施形態8に係るタイプXXIX〜XXXVIの8種
類の光非相反回路である干渉型光サーキュレータの構成
を示す図である。本実施形態8のうち図8に示す実施形
態は分離合成部位として相反偏光面回転子2,2' の設
置のためのガイド溝14,14' を設けた平面光波回路
からなる分離合成部位13,13' を用いたものであ
る。また、図9に示す実施形態は分離合成部位として光
ファイバカプラを架台21の上に固定した構成でかつ相
反偏光面回転子2,2' の設置のためのガイド溝19,
19' を設けた分離合成部位18,18' を用いたもの
である。なお、図8、図9において、26はレンズであ
る。
【0067】また、本実施形態では、デバイスの組立の
際、図16、図17に示すようにガイド溝14,14'
および19,19' の底面16,20を分離合成部位1
3,13' および18,18' の導波光の進行方向と垂
直な面内に設定されたx−y座標8のx軸の目印として
使用し、相反偏光面回転子2,2' を配置する。具体的
には半波長板からなる相反偏光面回転子2,2' をその
底辺をslow軸7と(1)式を満たす関係にある角度
θs1 およびθs2 をなすように加工し、すなわち相反
偏光面回転子2,2' の底辺22をx−y座標8のx軸
と平行となるように加工し、ガイド溝14,14' およ
び19,19' への底辺22が底面16,20と平行に
接触するように挿入することで配置する。
【0068】本実施形態では、デバイスの組立の際のx
−y座標8の目印がない従来の干渉型光サーキュレータ
に比べて、相反偏光面回転子2,2' の配置が飛躍的に
容易なため、作製コストが安くなる。
【0069】本実施形態においては、干渉型光サーキュ
レータを構成する2つの分離合成部位を同種類のものと
しているが、相反偏光面回転子2,2' を設置するため
のガイド溝を設けた分離合成部位を使用するかぎり、他
の分離合成部位を使用してもよい。
【0070】本実施形態8においては、作製する干渉型
光サーキュレータの動作波長は1.55μmに設定し
た。図8に示したタイプXXIX〜XXXIIの4種類で
は分離合成部位13および13' としてSi基板の上に
火炎堆積法と反応性イオンエッチングにより作製した石
英系ガラス埋込み型導波路からなる平面光波回路を用い
た。分離合成部位13および13' の3dB分岐回路と
しては1段の方向性結合器を用いた。石英系ガラス埋込
み型導波路の導波光のフィールド径2ωは8μmとし
た。また、図9に示したタイプXXXIII 〜XXXVI
の4種類では分離合成部位18および18' としてSi
基板の上にシングルモード分散シフト石英系光ファイバ
からなる3dB光ファイバカプラ17を張り付けたもの
を用いた。石英系光ファイバの導波光のフィールド径2
ωは8μmとした。ガイド溝14,14' ,19および
19' は、ダイシングソーを用いて形成した。ガイド溝
14,14' ,19および19' の幅および深さは27
μmおよび100μmとした。相反偏光面回転子2およ
び2' としては、ポリイミド薄膜を熱延伸することによ
り複屈折性をもたせた半波長板を用いた。相反偏光面回
転子2および2' の厚さは16μmとした。相反偏光面
回転子2および2' のデバイスへの組み込みにおいて
は、図20(b),(c)に示したタイプV,VIの従
来の干渉型光サーキュレータに比べて、その底辺22を
slow軸7と角度+π/8および−π/8をなすよう
に加工し、ガイド溝14,14' ,19および19' へ
その底辺22が底面16または20と平行に接触するよ
うに挿入することで、容易に(1)式を満たすように配
置することができた。
【0071】非相反偏光面回転子3' としてはカチオン
置換ガドリニウムガリウムガーネット基板の上に液相エ
ピタキシャル成長法で作製したBiX 3-X Fe5 12
膜厚からなるバルク型回転子を用いた。バルク型の非相
反偏光面回転子3' の厚さは0.5mmとし、偏光面回
転角はπ/4とした。なお、非相反偏光面回転子3'に
は磁気光学効果を引き起こすため磁場4をSm−Co磁
石により印加した。分離合成部位13,13' および1
8,18' と非相反偏光面回転子3' はレンズ26を介
して図8および図9に示すような配置で光学的に結合さ
せた。分離合成部位13,13' および18,18' と
非相反偏光面回転子3' の向かい合った端面は、分離合
成部位13,13' および18,18' の導波路に対し
てタイプXXXI,XXXII,XXXVおよびXXXV
Iにおいて垂直とし、タイプXXIX,XXX,XXX
III およびXXXIVにおいて垂直または端面での反射
を防止するために導波路に対して垂直から8度傾くよう
に設定した。更に非相反偏光面回転子3' 、レンズ26
および分離合成部位13,13' および18,18' の
非相反偏光面回転子3' の向かい合った端面には端面で
の反射を防止するために空気の屈折率に対する反射防止
コートを施した。
【0072】本実施形態8のタイプXXIX〜XXXV
Iの8種類の干渉型光サーキュレータの4つのポート1
〜4に光ファイバを接続した。なお、分離合成部位1
3,13' および18,18' と光ファイバの接続面
は、端面での反射を防止するために導波路に対して垂直
から8度傾くように設定した。各々のポートから光を入
射したところ、ポート1から入射した光はポート2へ、
ポート2から入射した光はポート3へ、ポート3から入
射した光はポート4へ、ポート4から入射した光はポー
ト1へ出射し、光サーキュレータとして動作することが
確認された。またそれぞれのポートにおける逆方向に光
を入射した際のアイソレーションの値は21dB程度の
値を示した。各ポートの反射減衰量は分離合成部位1
3,13' および18,18' と非相反偏光面回転子
3' の向かう合う端面が導波路に対して垂直な場合で3
1dB程度であり、8度傾けた場合で43dB程度であ
った。
【0073】表8は本実施形態8の干渉型光サーキュレ
ータと従来例の分離合成部位1,1' ,1''および
1''' として石英系ガラス導波路からなる平面光波回路
および石英系ファイバカプラを用いた図20(b),
(c)のタイプV,VIに示した従来の干渉型光サーキ
ュレータを100個作製した際の1個あたりの作製コス
トを比較したものである。なお作製コストは図20
(b)に示したタイプVの従来の干渉型光サーキュレー
タにおいて分離合成部位1および1' として石英系ガラ
ス導波路からなる平面光波回路を用いた場合の作製コス
トを100とした相対値である。表からわかるように本
実施形態8の作製コストは、従来の作製方法の作製コス
トに比べて、相反偏光面回転子2および2' の配置に要
するコスト削減により、3割程度安くなることが確認さ
れた。
【0074】
【表8】 なお、本実施形態8のタイプXXIX〜XXXIIの4種
類のタイプでは分離合成部位13および13' として石
英系ガラスでできた導波路からなる平面光波回路を用い
たが、多成分系ガラス、重金属酸化物ガラス(Ta酸化
物、Nb酸化物等)、シリコンオキシナイトライド、カ
ルコゲナイドガラス等の他のガラス材料でできた導波路
からなる平面光波回路を用いても、本発明の作製コスト
が安くなる効果を得られることが確認された。また、L
iNbO3 ,LiTaO3 ,PLZT,InP系および
GaAs系等の半導体材料、ガーネット等の結晶材料お
よびPMMA、ポリイミド、エポキシ、ポリシロキサ
ン、ポリウレタン等の高分子材料でできた導波路からな
る平面光波回路を用いても、本発明の作製コストが安く
なる効果を得られることが確認された。更に分離合成部
位13および13' の3dB分岐回路として、1段の方
向性結合器を用いたが、3dBカプラと同等な機能を示
す3dB分岐回路であればX分岐回路、マッハツエンダ
干渉計からなる回路およびマルチモード干渉器からなる
回路等であっても本発明の作製コストが安くなる効果を
得られることが確認された。
【0075】また、本実施形態8のタイプXXXIII 〜
XXXVIの4種類では分離合成部位18および18'
の光ファイバカプラとして石英系ガラスでできた光ファ
イバカプラを用いたが、多成分系ガラス、プラスチック
等の他の材料でできた光ファイバカプラを用いても、本
発明の作製コストが安くなる効果を得られることが確認
された。更に分離合成部位18および18' の光ファイ
バカプラ17の架台21としてSi基板を用いたが、S
i基板の代わりに他の結晶板、ガラス基板等のガラス
板、ジルコニア等のセラミック板、アルミ等の金属板、
アクリル等の高分子材料板等を用いても本発明の作製コ
ストが安くなる効果を得られることが確認された。
【0076】更に本実施形態ではレンズ26として単レ
ンズを4枚用いたが、2枚のレンズを並列に組み合わせ
たアレイ型複合レンズや複数枚のレンズを直列に組み合
わせた複合レンズ等の他の種類のレンズを用いても本発
明の作製コストが安くなる効果を得られることが確認さ
れた。
【0077】(実施形態9)図10および図11は、本
発明の実施形態9に係るタイプXXXVII〜XLIVの
8種類の光非相反回路である干渉型光サーキュレータの
構成を示す図である。両図において、26はレンズ、2
8は位相調整用薄膜ヒータであり、その他は上述した各
実施形態のものと同じである。
【0078】本実施形態9のうち図10に示す実施形態
および図11に示すタイプXLIII,XLIVの実施形
態は分離合成部位として相反偏光面回転子2,2' の設
置のためのガイド溝14,14' を設けた平面光波回路
からなる分離合成部位13,13' を用いたものであ
る。また、図11に示すタイプXLI,XLIIの実施形
態は分離合成部位として光ファイバカプラを架台21の
上に固定した構成でかつ相反偏光面回転子2,2' の設
置のためのガイド溝19,19' を設けた分離合成部位
18,18' を用いたものである。
【0079】また、本実施形態では、デバイスの組立の
際、図16、図17に示すようにガイド溝14,14'
および19,19' の底面16,20を分離合成部位1
3,13' および18,18' の導波光の進行方向と垂
直な面内に設定されたx−y座標8のx軸の目印として
使用し、相反偏光面回転子2,2' を配置する。具体的
には半波長板からなる相反偏光面回転子2,2' をその
底辺をslow軸7と(1)式を満たす関係にある角度
θs1 およびθs2 をなすように加工し、すなわち相反
偏光面回転子2,2' の底辺22をx−y座標8のx軸
と平行となるように加工し、ガイド溝14,14' およ
び19,19' への底辺22が底面16,20と平行に
接触するように挿入することで配置する。
【0080】本実施形態では、デバイスの組立の際のx
−y座標8の目印がない従来の干渉型光サーキュレータ
に比べて、相反偏光面回転子2,2' の配置が飛躍的に
容易なため、作製コストが安くなる。
【0081】本実施形態9において、作製する干渉型光
サーキュレータの動作波長は1.55μmに設定した。
本実施形態9のタイプXXXVII〜XL,XLIII ,X
LIVの6種類では分離合成部位13および13' とし
てSi基板の上に火炎堆積法と反応性イオンエッチング
により作製した石英系ガラス埋込み型導波路からなる平
面光波回路を用いた。石英系ガラス埋込み型導波路の導
波光のフィールド径2ωは8μmとした。本実施形態9
のタイプXLI,XLIIの2種類では分離合成部位18
および18' としてSi基板の上にシングルモード分散
シフト石英系光ファイバからなる3dB光ファイバカプ
ラ17を張り付けたものを用いた。石英系光ファイバの
導波光のフィールド径2ωは8μmとした。ガイド溝1
4,14' ,19および19' は、ダイシングソーを用
いて形成した。ガイド溝14,14' ,19および1
9' の幅および深さは27μmおよび100μmとし
た。本実施形態では、これまでの実施形態とは異なり分
離合成部位13,13' および18,18' に位相調整
部位27を、平面光波回路の導波路部または光ファイバ
カプラの光ファイバ部の一部の上にTa2 N膜の薄膜ヒ
ータ28を図9に示す配置でそれぞれ設置することによ
り設けた。
【0082】相反偏光面回転子2および2' としては、
ポリイミド薄膜を熱延伸することにより複屈折性をもた
せた半波長板を用いた。相反偏光面回転子2および2'
の厚さは16μmとした。相反偏光面回転子2および
2' のデバイスへの組み込みにおいては、図18〜図2
0に示したタイプI,II,II' ,II'',III ,III',I
VおよびVの従来の干渉型光サーキュレータに比べて、
その底辺22をslow軸7と角度+π/8および−π
/8をなすように加工し、ガイド溝14,14',19
および19' へその底辺22が底面16または20と平
行に接触するように挿入することで、容易に(1)式を
満たすように配置することができた。
【0083】非相反偏光面回転子としては、本実施形態
9のタイプXXXVII〜XLIではガドリニウムガリウ
ムガーネット(GGG)基板の上に液相エピタキシャル
成長法とイオンビームエッチングで作製したLaX
3-X GaY Fe5-Y 12埋込み型導波路が2本並列に並
んだ導波路型回転子3を用いた。非相反偏光面回転子3
の長さは3.02mmとし、偏光面回転角はπ/4とし
た。本実施形態9のタイプXLII〜XLIVでは非相反
偏光面回転子3' としてカチオン置換ガドリニウムガリ
ウムガーネット基板の上に液相エピタキシャル成長法で
作製したBiX 3-X Fe5 12厚膜からなるバルク型
回転子を用いた。バルク型の非相反偏光面回転子3' の
厚さは0.5mmとし、偏光面回転角はπ/4とした。
なお、非相反偏光面回転子3および3' には磁気光学効
果を引き起こすため磁場4をSm−Co磁石により印加
した。
【0084】本実施形態9のタイプXXXVII〜XLII
I においては、分離合成部位13および13' または1
8および18' と非相反偏光面回転子3または3' は石
英系ガラスと屈折率を整合させたUV硬化型の接着剤に
より接続固定した。この際、本実施形態9のタイプXX
XVII〜XL,XLIII においては接続面に隙間12お
よび12' が存在する図18および図20に示したタイ
プI,II,II' ,II'',IVの従来の干渉型光サーキュ
レータと異なり、十分な接続強度がとれるため、接着面
が剥がれるなどの障害の発生は抑制され作製歩留まりが
向上した。なお、非相反偏光面回転子3および3' の端
面には端面での反射を防止するために石英系ガラスの屈
折率に対する反射防止コートを施した。本実施形態9の
タイプXLIVにおいては分離合成部位13,13' と
非相反偏光面回転子3' はレンズ26を介して図10お
よび図11に示すような配置で光学的に結合させた。非
相反偏光面回転子3' 、レンズ26および分離合成部位
13,13' および18,18' の非相反偏光面回転子
3' の向かい合った端面には端面での反射を防止するた
めに空気の屈折率に対する反射防止コートを施した。な
お、本実施形態のタイプXXXVII〜XLIVの分離合
成部位13,13' および18,18' と非相反偏光面
回転子3および3' の向かい合った端面は、分離合成部
位13,13' および18,18' の導波路に対して、
タイプXXXVIII ,XLおよびXLIにおいて垂直と
し、タイプXXXVII,XXXIX,XLII〜XLIV
において垂直または端面での反射を防止するために導波
路に対して垂直から8度傾くように設定した。
【0085】本実施形態9のタイプXXXVII〜XLI
Vの8種類の干渉型光サーキュレータの4つのポート1
〜4に光ファイバを接続した。なお、分離合成部位1
3,13' および18,18' と光ファイバの接続面
は、端面での反射を防止するために導波路に対して垂直
から8度傾くように設定した。光ファイバを通して1つ
のポートから光を入射し、他のポートからの出射光をモ
ニタしながら位相調整薄膜ヒータ28に消光比の値が3
0dBを越えるまで電流を流し調整した。位相調整後、
各々のポートから光を入射したところ、ポート1から入
射した光はポート2へ、ポート2から入射した光はポー
ト3へ、ポート3から入射した光はポート4へ、ポート
4から入射した光はポート1へ出射し、光サーキュレー
タとして動作することが確認された。また、それぞれの
ポートにおける逆方向に光を入射した際のアイソレーシ
ョンの値は30dB程度の値を示した。本実施形態のア
イソレーションの値が実施形態1〜8の値よりも7dB
以上高いのは、位相調整部位27の効果によるものであ
る。各ポートの反射減衰量は分離合成部位13,13'
および18,18' と非相反偏光面回転子3,3' の向
かい合う端面が導波路に対して垂直な場合で31dB程
度であり、8度傾けた場合で43dB程度であった。
【0086】表9は本実施形態9のタイプXXXVII〜
XLIVの干渉型光サーキュレータと従来例の分離合成
部位1,1' ,1''および1''' として石英系ガラス導
波路からなる平面光波回路および石英系ファイバカプラ
を用いた図18〜図20に示したタイプI,II,II' ,
II'',III ,III',IV,Vの従来の干渉型光サーキュ
レータを100個作製した際の1個あたりの作製コスト
を比較したものである。従来例のタイプI,II,II' ,
II'',III ,III' ,IVおよびVは、それぞれ本実
施形態9のタイプXXXVII,XXXVIII ,XXXI
X,XL,XLI,XLII,XLIII およびXLIVに
対応する従来例である。なお、本実施形態9の各従来例
の干渉型光サーキュレータでは実施形態1〜8の各従来
例とは異なり、対応する実施形態と同じ配置で位相調整
用薄膜ヒータ28を設置してある。
【0087】
【表9】 表9中の作製コストは、本実施形態9のタイプXXXV
II,XXXVIII ,XXXIX,XLは、従来例のタイ
プIの作製コストを100とした相対値、本実施形態9
のタイプXLI,XLIIは従来例のタイプIII'の作製コ
ストを100とした相対値、本実施形態9のタイプXL
III は従来例のタイプIVの作製コストを100とした
相対値、実施形態XLIVは従来例Vの作製コストを1
00とした相対値である。表からわかるように本実施形
態の作製コストは、従来の作製方法の作製コストに比べ
て、相反偏光面回転子2および2' の配置に要するコス
ト削減により、また本実施形態のタイプXXXVII,X
XXVIII ,XXXIX,XLおよびXLIII において
は加えて分離合成部位13および13' と非相反偏光面
回転子3または3' の接続固定における歩留まり向上に
より、それぞれの従来例より本実施形態のタイプXXX
VII,XXXVIII ,XXXIX,XLおよびXLIII
において6割以上、本実施形態のタイプXLI,XLII
およびXLIVにおいて3割以上安くなることが確認さ
れた。
【0088】なお、本実施形態9のタイプXXXVII〜
XL,XLIII ,XLIVの6種類では分離合成部位1
3および13' として石英系ガラスでできた導波路から
なる平面光波回路を用いたが、多成分系ガラス、重金属
酸化物ガラス(Ta酸化物、Nb酸化物等)、シリコン
オキシナイトライド、カルコゲナイドガラス等の他のガ
ラス材料でできた導波路からなる平面光波回路を用いて
も、本発明の作製コストが安くなる効果を得られること
が確認された。また、LiNbO3 ,LiTaO3 ,P
LZT,InP系およびGaAs系等の半導体材料、ガ
ーネット等の結晶材料およびPMMA、ポリイミド、エ
ポキシ、ポリシロキサン、ポリウレタン等の高分子材料
でできた導波路からなる平面光波回路を用いても、本発
明の作製コストが安くなる効果を得られることが確認さ
れた。
【0089】また、本実施形態9のタイプXLI,XL
IIの2種類では分離合成部位18および18' の光ファ
イバカプラとして石英系ガラスでできた光ファイバカプ
ラを用いたが、多成分系ガラス、プラスチック等の他の
材料でできた光ファイバカプラを用いても、本発明の作
製コストが安くなる効果を得られることが確認された。
更に分離合成部位18および18' の光ファイバカプラ
17の架台21としてSi基板を用いたが、Si基板の
代わりに他の結晶板、ガラス基板等のガラス板、ジルコ
ニア等のセラミック板、アルミ等の金属板、アクリル等
の高分子材料板等を用いても本発明の作製コストが安く
なる効果を得られることが確認された。加えて、本実施
形態9のタイプXLIVではレンズ26として単レンズ
を4枚用いたが、2枚のレンズを並列に組み合わせたア
レイ型複合レンズや複数枚のレンズを直列に組み合わせ
た複合レンズ等の他の種類のレンズを用いても本発明の
作製コストが安くなる効果を得られることが確認され
た。
【0090】更に、本実施形態では位相調整用薄膜ヒー
タ28を分離合成部位13および13' と18および1
8' の図9に示す位置に設置したが、その他の位置に配
置した場合でも本発明の作製コストが安くなる効果を得
られることが確認された。
【0091】(実施形態10)図12および図13は、
本発明の実施形態10に係るタイプXLV〜LIIの8種
類の光非相反回路である干渉型光サーキュレータの構成
を示す図である。両図において、29は位相調整用のレ
ーザ光線を照射した平面光波回路の光導波路部または光
ファイバカプラの光ファイバ部であり、その他は上述し
た各実施形態のものと同じである。
【0092】本実施形態10のうち図12に示す実施形
態および図13に示すタイプLI,LIIの実施形態は分
離合成部位として相反偏光面回転子2,2' の設置のた
めのガイド溝14,14' を設けた平面光波回路からな
る分離合成部位13,13'を用いたものである。ま
た、図13に示すタイプXLIX,Lの実施形態は分離
合成部位として光ファイバカプラを架台21の上に固定
した構成でかつ相反偏光面回転子2,2' の設置のため
のガイド溝19,19' を設けた分離合成部位18,1
8' を用いたものである。
【0093】また、本実施形態では、デバイスの組立の
際、図16,図17に示すようにガイド溝14,14'
および19,19' の底面16,20を分離合成部位1
3,13' および18,18' の導波光の進行方向と垂
直な面内に設定されたx−y座標8のx軸の目印として
使用し、相反偏光面回転子2,2' を配置する。具体的
には半波長板からなる相反偏光面回転子2,2' をその
底辺をslow軸7と(1)式を満たす関係にある角度
θs1 およびθs2 をなすように加工し、すなわち相反
偏光面回転子2,2' の底辺22をx−y座標8のx軸
と平行となるように加工し、ガイド溝14,14' およ
び19,19' への底辺22が底面16,20と平行に
接触するように挿入することで配置する。
【0094】本実施形態では、デバイスの組立の際のx
−y座標8の目印がない従来の干渉型光サーキュレータ
に比べて、相反偏光面回転子2,2' の配置が飛躍的に
容易なため、作製コストが安くなる。
【0095】本実施形態10において、作製する干渉型
光サーキュレータの動作波長は1.3μmに設定した。
本実施形態10のタイプXLV〜XLVIII ,LI,L
IIの6種類では分離合成部位13および13' としてS
i基板の上に火炎堆積法と反応性イオンエッチングによ
り作製したSiO2 −TiO2 ガラスのコアとSiO2
−P2 5 −B2 3 −ガラスのクラッドで構成される
埋込み型導波路からなる平面光波回路を用いた。埋込み
型導波路の導波光のフィールド径2ωは10.5μmと
した。本実施形態のタイプXLIX,Lの2種類では分
離合成部位18および18' として石英ガラス基板の上
にSiO2 −TiO2 ガラスのコアとSiO2 −P2
5 −B2 3 −ガラスのクラッドで構成されるシングル
モード光ファイバからなる3dB光ファイバカプラ17
を張り付けたものを用いた。光ファイバの導波光のフィ
ールド径2ωは10.5μmとした。ガイド溝14,1
4' ,19および19' は、ダイシングソーを用いて形
成した。ガイド溝14,14' ,19および19' の幅
および深さは23μmおよび150μmとした。本実施
形態では、実施形態1〜8とは異なり分離合成部位1
3,13' および18,18' に位相調整部位27を、
平面光波回路の導波路部または光ファイバカプラの光フ
ァイバの一部に位相調整用のレーザ光線を照射する部位
29を図12および図13に示す配置でそれぞれ設置す
ることにより設けた。
【0096】相反偏光面回転子2および2' としては、
ポリイミド薄膜を熱延伸することにより複屈折性をもた
せた半波長板を用いた。相反偏光面回転子2および2'
の厚さは14μmとした。相反偏光面回転子2および
2' のデバイスへの組み込みにおいては、図18〜図2
0に示したタイプI,II,II' ,II'',III ,III',I
VおよびVの従来の干渉型光サーキュレータに比べて、
その底辺22をslow軸7と角度+π/8および−π
/8をなすように加工し、ガイド溝14,14',19
および19' へその底辺22が底面16または20と平
行に接触するように挿入することで、容易に(1)式を
満たすように配置することができた。
【0097】非相反偏光面回転子としては、本実施形態
10のタイプXLV〜XLIXの5種類ではガドリニウ
ムガリウムガーネット(GGG)基板の上に液相エピタ
キシャル成長法とイオンビームエッチングで作製したL
X 3-X GaY Fe5-Y 12埋込み型導波路が2本並
列に並んだ導波路型回転子3を用いた。非相反偏光面回
転子3の長さは3.02mmとし、偏光面回転角はπ/
4とした、タイプL〜LIIの3種類では非相反偏光面回
転子3' としてカチオン置換ガドリニウムガリウムガー
ネット基板の上に液相エピタキシャル成長法で作製した
BiX 3-X Fe5 12膜厚からなるバルク型回転子を
用いた。バルク型の非相反偏光面回転子3' の厚さは
0.5mmとし、偏光面回転角はπ/4とした。なお、
非相反偏光面回転子3および3' には磁気光学効果を引
き起こすため磁場4をSm−Co磁石により印加した。
【0098】本実施形態のタイプXLV〜LIにおいて
は分離合成部位13および13' または18および1
8' と非相反偏光面回転子3または3' はSiO2 −T
iO2ガラスと屈折率を整合させたUV硬化型の接着剤
により接続固定した。この際、タイプXLV〜XLVII
I ,LIにおいては接続面に隙間12および12' が存
在する図18および図20のタイプI,II,II' ,I
I'',IVに示した従来の干渉型光サーキュレータと異
なり、十分な接続強度がとれるため、接着面が剥がれる
などの障害の発生は抑制され作製歩留まりが向上した。
なお、非相反偏光面回転子3および3' の端面には端面
での反射を防止するためにSiO2 −TiO2ガラスの
屈折率に対する反射防止コートを施した。タイプLIIに
おいては分離合成部位13,13' と非相反偏光面回転
子3' はレンズ26を介して図10に示すような配置で
光学的に結合させた。非相反偏光面回転子3' 、レンズ
26および分離合成部位13,13' および18,1
8' の非相反偏光面回転子3' の向かい合った端面には
端面での反射を防止するために空気の屈折率に対する反
射防止コートを施した。なお、タイプXLV〜LIIの分
離合成部位13,13' および18,18' と非相反偏
光面回転子3および3' の向かい合った端面は、分離合
成部位13,13および18,18' の導波路に対し
て、タイプXLVI,XLVIII およびXLIXにおい
てて垂直とし、タイプXLV,XL,VII,L〜LIIに
おいては垂直または端面での反射を防止するために導波
路に対して垂直から8度傾くように設定した。
【0099】本実施形態10のタイプXLV〜LIIの8
種類の干渉型光サーキュレータの4つのポート1〜4に
光ファイバを接続した。なお、分離合成部位13,1
3' および18,18' と光ファイバの接続面は、端面
での反射を防止するために導波路に対して垂直から8度
傾くように設定した。光ファイバを通して1つのポート
から光を入射し、他のポートからの出射光をモニタしな
がら位相調整用のレーザ光線を照射する部位29に消光
比の値が35dBを越えるまでレーザ光線を照射した調
整した。位相調整後、各々のポートから光を入射したと
ころ、ポート1から入射した光はポート2へ、ポート2
から入射した光はポート3へ、ポート3から入射した光
はポート4へ、ポート4から入射した光はポート1へ出
射し、光サーキュレータとして動作することが確認され
た。またそれぞれのポートにおける逆方向に光を入射し
た際のアイソレーションの値は35dB程度の値を示し
た。本実施形態10のアイソレーションの値が実施形態
1〜8の値よりも12dB以上高いのは、位相調整部位
27の効果によるものである。各ポートの反射減衰量は
分離合成部位13,13' および18,18' と非相反
偏光面回転子3,3'の向かう合う端面が導波路に対し
て垂直な場合で32dB程度であり、8度傾けた場合で
45dB程度であった。
【0100】表10は本実施形態10のタイプXLV〜
LIIの干渉型光サーキュレータと従来例の分離合成部位
1,1' ,1''および1''' として平面光波回路および
光ファイバカプラを用いた図18〜図20のタイプI,
II,II' ,II'',III ,III',IV,Vに示した従来の
干渉型光サーキュレータを100個作製した際の1個あ
たりの作製コストを比較したものである。従来例のタイ
プI,II,II' ,II'',III ,III',IVおよびVは、
それぞれ本実施形態10のタイプXLV,XLVI,X
LVII,XLVIII ,XLIX,L,LIおよびLIIに
対応する従来例である。なお、本実施形態において各従
来例の干渉型光サーキュレータでは実施形態1〜8の各
従来例とは異なり、対応する実施形態と同じ配置で位相
調整用のレーザ光線を照射した部位29を設置してあ
る。
【0101】
【表10】 表10中の作製コストは、本実施形態XLV,XLV
I,XLVII,XLVIII は、実施形態9の従来例Iの
作製コストを100とした相対値、本実施形態10のタ
イプXLIX,Lは実施形態9の従来例III'の作製コス
トを100とした相対値、本実施形態10のタイプLI
は実施形態9の従来例IVの作製コストを100とした
相対値、本実施形態10のタイプLIIは実施形態9の従
来例Vの作製コストを100とした相対値である。表か
らわかるように本実施形態の作製コストは、従来の作製
方法の作製コストに比べて、相反偏光面回転子2および
2'の配置に要するコスト削減により、また本実施形態
のタイプXLV,XLVI,XLVII,XLVIII およ
びLIにおいては加えて分離合成部位13および13'
と非相反偏光面回転子3または3' の接続固定における
歩留まり向上により、それぞれの従来例より本実施形態
のタイプXLV,XLVI,XLVII,XLVIII およ
びLIにおいて6割以上、タイプXLIX,LおよびL
IIにおいて3割以上安くなることが確認された。
【0102】なお、本実施形態10のタイプXLV〜X
LVIII ,LI,LIIの6種類では分離合成部位13お
よび13' としてSiO2 −TiO2 ガラスのコアとS
iO2 −P2 5 −B2 3 −ガラスのクラッドで構成
される導波路からなる平面光波回路を用いたが、レーザ
光線を照射して位相調整できるならばSiO2 −GeO
2 等の他の石英系ガラス、多成分系ガラス、重金属酸化
物ガラス(Ta酸化物、Nb酸化物等)、シリコンオキ
シナイトライド、カルコゲナイドガラス等の他のガラス
材料でできた導波路からなる平面光波回路を用いても、
本発明の作製コストが安くなる効果を得られることが確
認された。また、同じくレーザ光線を照射して位相を調
整できるならば、LiNbO3 ,LiTaO3 ,PLZ
T,InP系およびGaAs系等の半導体材料、ガーネ
ット等の結晶材料およびPMMA、ポリイミド、エポキ
シ、ポリシロキサン、ポリウレタン等の高分子材料でで
きた導波路からなる平面光波回路を用いても、本発明の
作製コストが安くなる効果を得られることが確認され
た。
【0103】また、本実施形態10のタイプXLIX,
Lの2種類では分離合成部位18および18' の光ファ
イバカプラとしてSiO2 −TiO2 ガラスのコアとS
iO2 −P2 5 −B2 3 −ガラスのクラッドで構成
される光ファイバカプラを用いたが、レーザ光線を照射
して位相を調整できるならば、SiO2 −GeO2 等の
他の石英系ガラス、多成分系ガラス、プラスチック等の
他の材料でできた光ファイバカプラを用いても、本発明
の作製コストが安くなる効果を得られることが確認され
た。更に分離合成部位18および18' の光ファイバカ
プラ17の架台21として石英ガラス基板を用いたが、
石英ガラス基板の代わりに他のガラス板、Si基板等の
他の結晶板、ジルコニア等のセラミック板、アルミ等の
金属板、アクリル等の高分子材料板等を用いても本発明
の作製コストが安くなる効果を得られることが確認され
た。加えて、タイプLIIではレンズ26として単レンズ
を4枚用いたが、2枚のレンズを並列に組み合わせたア
レイ型複合レンズや複数枚のレンズを直列に組み合わせ
た複合レンズ等の他の種類のレンズを用いても本発明の
作製コストが安くなる効果を得られることが確認され
た。
【0104】更に本実施形態では位相調整用のレーザ光
線を照射する部位29を分離合成部位13および13'
と18および18' の図12および図13に示す位置に
設置したが、その他の位置に配置した場合でも本発明の
作製コストが安くなる効果を得られることが確認され
た。
【0105】(実施形態11)図14および図15は、
本発明の実施形態11に係るタイプLIII 〜LXの8種
類の光非相反回路である干渉型光サーキュレータの構成
を示す図である。両図において、30は位相調整用高分
子材料、31は位相調整用高分子材料30を挿入した溝
であり、その他は上述した各実施形態のものと同じであ
る。
【0106】本実施形態11のうち図14に示す実施形
態および図15に示すタイプLIX,LXの実施形態は
分離合成部位として相反偏光面回転子2,2' の設置の
ためのガイド溝14,14' を設けた平面光波回路から
なる分離合成部位13,13' を用いたものである。ま
た、図15に示すタイプLVII,LVIII の実施形態は
分離合成部位として光ファイバカプラを架台21の上に
固定した構成でかつ相反偏光面回転子2,2' の設置の
ためのガイド溝19,19' を設けた分離合成部位1
8,18' を用いたものである。
【0107】本実施形態11において、作製する干渉型
光サーキュレータの動作波長は1.3μmに設定した。
本実施形態11のタイプLIII 〜LVI,LIX,LX
の6種類では分離合成部位13および13' としてSi
基板の上に火炎堆積法と反応性イオンエッチングにより
作製した石英系ガラス埋込み型導波路からなる平面光波
回路を用いた。石英系ガラス埋込み型導波路の導波光の
フィールド径2ωは10.5μmとした。タイプLVI
I,LVIII の2種類では分離合成部位18および18'
としてSi基板の上にシングルモード石英系ガラス光
ファイバからなる3dB光ファイバカプラ17を張り付
けたものを用いた。光ファイバの導波光のフィールド径
2ωは10.5μmとした。ガイド溝14,14' ,1
9および19' は、ダイシングソーを用いて形成した。
ガイド溝14,14' ,19および19' の幅および深
さは23μmおよび150μmとした。本実施形態11
では、実施形態1〜8とは異なり分離合成部位13,1
3' および18,18' に位相調整部位27を、平面光
波回路のコア部または光ファイバカプラのコア部の一部
に位相調整用高分子30を挿入した溝31を図14およ
び図15に示す配置でそれぞれ設置することにより設け
た。一部の実施形態では溝31はガイド溝14,14'
,19および19' と兼用した。
【0108】相反偏光面回転子2および2' としては、
ポリイミド薄膜を熱延伸することにより複屈折性をもた
せた半波長板を用いた。相反偏光面回転子2および2'
の厚さは15μmとした。相反偏光面回転子2および
2' のデバイスへの組み込みにおいては、図18〜図2
0のタイプI,II,II' ,II'',III ,III',IVおよ
びVに示した従来の干渉型光サーキュレータに比べて、
その底辺22をslow軸7と角度+π/8および−π
/8をなすように加工し、ガイド溝14,14',19
および19' へその底辺22が底面16または20と平
行に接触するように挿入することで、容易に(1)式を
満たすように配置することができた。
【0109】非相反偏光面回転子としては、本実施形態
11のタイプLIII 〜LVIIではガドリニウムガリウム
ガーネット(GGG)基板の上に液相エピタキシャル成
長法とイオンビームエッチングで作製したLaX 3-X
GaY Fe5-Y 12埋込み型導波路が2本並列に並んだ
導波路型回転子3を用いた。非相反偏光面回転子3の長
さは3.02mmとし、偏光面回転角はπ/4とした。
タイプLVIII 〜LXでは非相反偏光面回転子3' とし
てカチオン置換ガドリニウムガリウムガーネット基板の
上に液相エピタキシャル成長法で作製したBiX 3-X
Fe5 12厚膜からなるバルク型回転子を用いた。バル
ク型の非相反偏光面回転子3' の厚さは0.5mmと
し、偏光面回転角はπ/4とした。なお、非相反偏光面
回転子3および3' には磁気光学効果を引き起こすため
磁場4をSm−Co磁石により印加した。
【0110】本実施形態11のタイプLIII 〜LIXに
おいては分離合成部位13および13' または18およ
び18' と非相反偏光面回転子3または3' は石英系ガ
ラスと屈折率を整合させたUV硬化型の接着剤により接
続固定した。この際、タイプLIII 〜LVI,LIXに
おいては接続面に隙間12および12' が存在する図1
8および図20のタイプI,II,II' ,II'',IVに示
した従来の干渉型光サーキュレータと異なり、十分な接
続強度がとれるため、接着面が剥がれるなどの障害の発
生は抑制され作製歩留まりが向上した。なお、非相反偏
光面回転子3および3' の端面には端面での反射を防止
するために石英系ガラスの屈折率に対する反射防止コー
トを施した。タイプLXにおいては分離合成部位13,
13' と非相反偏光面回転子3' はレンズ26を介して
図15に示すような位置で光学的に結合させた。非相反
偏光面回転子3' 、レンズ26および分離合成部位1
3,13' および18,18' の非相反偏光面回転子
3' の向かい合った端面には端面での反射を防止するた
めに空気の屈折率に対する反射防止コートを施した。な
お、本実施形態11のタイプLIII 〜LXの分離合成部
位13,13' および18,18' と非相反偏光面回転
子3および3' の向かい合った端面は、分離合成部位1
3,13' および18,18' の導波路に対して、タイ
プLIV,LVIおよびLVIIにおいては垂直とし、タ
イプLIII ,LV,LVIII 〜LXにおいては垂直また
は端面での反射を防止するため導波路に対して垂直から
8度傾くように設定した。
【0111】本実施形態のタイプLIII 〜LXの8種類
の干渉型光サーキュレータの4つのポート1〜4に光フ
ァイバを接続した。なお、分離合成部位13,13' お
よび18,18' と光ファイバの接続面は、端面での反
射を防止するために導波路に対して垂直から8度傾くよ
うに設定した。光ファイバを通して1つのポートから光
を入射し、他のポートからの出射光をモニタしながら位
相調整用高分子30に消光比の値が33dBを越えるま
でXeランプ光を照射し調整した。位相調整後、各々の
ポートから光を入射したところ、ポート1から入射した
光はポート2へ、ポート2から入射した光はポート3
へ、ポート3から入射した光はポート4へ、ポート4か
ら入射した光はポート1へ出射し、光サーキュレータと
して動作することが確認された。また、それぞれのポー
トにおける逆方向に光を入射した際のアイソレーション
の値は33dB程度の値を示した。本実施形態のアイソ
レーションの値が実施形態1〜8の値よりも10dB以
上高いのは、位相調整部位27の効果によるものであ
る。各ポートの反射減衰量は分離合成部位13,13'
および18,18' と非相反偏光面回転子3,3' の向
かい合う端面が導波路に対して垂直な場合で31dB程
度であり、8度傾けた場合で41dB程度であった。
【0112】表11は本実施形態のタイプLIII 〜LX
の干渉型光サーキュレータと従来例の分離合成部位1,
1' ,1''および1''' として石英系ガラス導波路から
なる平面光波回路および石英系ファイバカプラを用いた
図18〜図20のタイプI,II,II' ,II'',III ,II
I',IV,Vに示した型の従来の干渉型光サーキュレー
タを100個作製した際の1個あたりの作製コストを比
較したものである。従来例のタイプI,II,II' ,I
I'',III ,III',IVおよびVは、それぞれ実施形態
のタイプLIII ,LIV,LV,LVI,LVII,LV
III ,LIXおよびLXに対応する従来例である。な
お、本実施形態の各従来例の干渉型光サーキュレータで
は実施形態1〜8の各従来例とは異なり、対応する実施
形態と同じ配置で位相調整用高分子30を挿入した溝3
1を設置してある。
【0113】
【表11】 表11中の作製コストは、タイプLIII ,LIV,L
V,LVIについては、実施形態9の従来例Iの作製コ
ストを100とした相対値、タイプLVII,LVIII に
ついては、実施形態9の従来例III'の作製コストを10
0した相対値、タイプLIXについては実施形態9の従
来例IVの作製コストを100とした相対値、タイプL
Xについては実施形態9の従来例Vの作製コストを10
0とした相対値である。表からわかるように本実施形態
の作製コストは、従来の作製方法の作製コストに比べ
て、相反偏光面回転子2および2' の配置に要するコス
ト削減により、またタイプLIII ,LIV,LV,LV
IおよびLIXにおいては加え分離合成部位13および
13' と非相反偏光面回転子3または3' の接続固定に
おける歩留まり向上により、それぞれの従来例よりタイ
プLIII ,LIV,LV,LVIおよびLIXにおいて
6割以上、タイプLVII,LVIII およびLXにおいて
3割以上安くなることが確認された。
【0114】なお、本実施形態のタイプLIII 〜LV
I,LIX,XLの6種類では分離合成部位13および
13' として石英系ガラス導波路からなる平面光波回路
を用いたが、多成分系ガラス、重金属酸化物ガラス(T
a酸化物、Nb酸化物等)、シリコンオキシナイトライ
ド、カルコゲナイドガラス等の他のガラス材料でできた
導波路からなる平面光波回路を用いても、本発明の作製
コストが安くなる効果を得られることが確認された。ま
た、LiNbO3 ,LiTaO3 ,PLZT,InP系
およびGaAs系等の半導体材料、ガーネット等の結晶
材料およびPMMA,ポリイミド、エポキシ、ポリシロ
キサン、ポリウレタン等の高分子材料でできた導波路か
らなる平面光波回路を用いても、本発明の作製コストが
安くなる効果を得られることが確認された。
【0115】また、タイプLVII,LVIII の2種類で
は分離合成部位18および18' の光ファイバカプラと
して石英系ガラスでできた光ファイバカプラを用いた
が、多成分系ガラス、プラスチック等の他の材料ででき
た光ファイバカプラを用いても、本発明の作製コストが
安くなる効果を得られることが確認された。更に分離合
成部位18および18' の光ファイバカプラ17の架台
21としてSi基板を用いたが、Si基板の代わりに他
の結晶板、ガラス基板等のガラス板、ジルコニア等のセ
ラミック板、アルミ等の金属板、アクリル等の高分子材
料板等を用いても本発明の作製コストが安くなる効果を
得られることが確認された。加えて、タイプLXではレ
ンズ26として単レンズを4枚用いたが、2枚のレンズ
を並列に組み合わせたアレイ型複合レンズや複数枚のレ
ンズを直列に組み合わせた複合レンズ等の他の種類のレ
ンズを用いても本発明の作製コストが安くなる効果を得
られることが確認された。
【0116】更に本実施形態では位相調整用高分子30
を挿入した溝31を分離合成部位13および13' と1
8および18' の図14〜図15に示す位置に設置した
が、その他の位置に配置した場合でも本発明の作製コス
トが安くなる効果を得られることが確認された。
【0117】なお、前記実施形態1〜11では動作波長
を1.3μmまたは1.55μmに設定したが、他の設
定波長の干渉型偏波無依存光アイソレータの作製方法に
適用しても同様な効果が確認された。また、相反偏光面
回転子2および2' にポリイミド半波長板を使用した
が、設定波長で適用可能ならば他の高分子材料や水晶、
方解石等の他の種類の半波長板を適用しても同様な効果
が確認された。更に、非相反偏光面回転子3および3'
の材料にLaX 3-X GaY Fe5-Y 12またはBiX
3-X Fe5 12を使用したが、設定波長で適用可能な
らば鉛ガラス、希薄磁性半導体や他の種類の希土類鉄ガ
ーネット単結晶等の他の材料を適用しても同様な効果が
確認された。加えて、前記実施形態1〜11では、相反
偏光面回転子2および2' のslow軸7とX軸がなす
角度10を+π/8または−π/8としたが、角度10
を(1)式を満たす範囲で他の角度に設定しても同様な
効果が確認された。更に前記実施形態1〜11では非相
反偏光面回転子3および3'に磁気光学効果を引き起こ
すため磁場4をSm−Co磁石を設置することにより印
加したが、磁気光学効果を引き起こすために必要な大き
さの磁場4が得られるならば、Sm−Co磁石に代えて
フェライト系磁石、プラスチック磁石、Nd−Fe−B
系磁石等の他の種類の永久磁石や電磁石を設置しても同
様な効果が確認された。また、一度磁場を印加すれば磁
化の方向と大きさを保持する磁気光学材料を用いた非相
反偏光面回転子3および3' を使用する磁石を用いない
構成の干渉型偏波無依存光アイソレータにおいても同様
な効果が確認された。
【0118】なお、上記各実施形態において、分離合成
部位13,13' の平面光波回路としては、所謂3dB
カプラと同等な機能を示す3dB分岐回路である方向性
結合器回路、X分岐回路、マッハツエンダ干渉計からな
る回路(例えば、K.Jinguji他:Electronics Letter,vo
l.26,No.17,pp.1325-1327,1990 )およびマルチモード
干渉器からなる回路(例えば、L.B.Soldano 他:Journa
l of Lightwave Technolgy,vol.10,No.12,pp.1843-185
0,1992 )等であればよい。また、架台21としては、
ガイド溝19,19' を開けるための加工が可能であ
り、光ファイバカプラを保持する強度があるSi基板等
の結晶板、ガラス基板等のガラス板、ジリコニア等のセ
ラミック板、アルミ等の金属板、アクリル等の高分子材
料板等であればよい。
【0119】また、上記各実施形態において、分離合成
部位に平面光波回路を使用し、かつ従来のようにレンズ
26を用いない構成の干渉型光サーキュレータは、従来
の図18〜図20に示す分離合成部位に平面光波回路を
用いる構成の従来の干渉型光サーキュレータに比べて、
分離合成部位と非相反回転子3との間の幅数十μmが隙
間12,12' が構造的にないため、分離合成部位と非
相反回転子間の接着において十分な接着強度がとれるた
め、接着面が剥がれ難く作製歩留まりが改善され、作製
コストを安くすることができる。
【0120】なお、上記各実施形態においては、干渉型
光サーキュレータを構成する2つの分離合成部位を同種
類のものとしているが、相反偏光面回転子2,2' を設
置するためのガイド溝を設けた分離合成部位を使用する
かぎり、他の分離合成部位を使用してもよい。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
半波長板からなる第1の相反回転子を第1の光導波路に
設置した溝に挿入し、半波長板からなる第2の相反回転
子を第2の光導波路に設置した溝に挿入するため、すな
わち分離合成部位として相反偏光面回転子の設置のため
のガイド溝を設けた平面光波回路からなる分離合成部位
を使用したり、または光ファイバカプラを架台上に固定
した構成でかつ相反偏光面回転子の設置のためのガイド
溝を設けた分離合成部位を使用するので、相反偏光面回
転子の配置が飛躍的に簡易になり、作製コストを低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1〜4に係るタイプI〜IV
の4種類の光非相反回路である干渉型光サーキュレータ
の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態1〜4に係るタイプV〜VII
I の4種類の光非相反回路である干渉型光サーキュレー
タの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態1〜4に係るタイプIX〜X
IIの4種類の光非相反回路である干渉型光サーキュレー
タの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態1〜4に係るタイプXIII 〜
XVIの4種類の光非相反回路である干渉型光サーキュ
レータの構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態5,6に係るタイプXVII〜
XXの4種類の光非相反回路である干渉型光サーキュレ
ータの構成を示す図である。
【図6】本発明の実施形態5,6に係るタイプXXI〜
XXIVの4種類の光非相反回路である干渉型光サーキ
ュレータの構成を示す図である。
【図7】本発明の実施形態7に係るタイプXXV〜XX
VIII の4種類の光非相反回路である干渉型光サーキュ
レータの構成を示す図である。
【図8】本発明の実施形態8に係るタイプXXIX〜X
XXIIの4種類の光非相反回路である干渉型光サーキュ
レータの構成を示す図である。
【図9】本発明の実施形態8に係るタイプXXXIII 〜
XXXVIの4種類の光非相反回路である干渉型光サー
キュレータの構成を示す図である。
【図10】本発明の実施形態9に係るタイプXXXVII
〜XLの4種類の光非相反回路である干渉型光サーキュ
レータの構成を示す図である。
【図11】本発明の実施形態9に係るタイプXLI〜X
LIVの4種類の光非相反回路である干渉型光サーキュ
レータの構成を示す図である。
【図12】本発明の実施形態10に係るタイプXLV〜
XLVIII の4種類の光非相反回路である干渉型光サー
キュレータの構成を示す図である。
【図13】本発明の実施形態10に係るタイプXLIX
〜LIIの4種類の光非相反回路である干渉型光サーキュ
レータの構成を示す図である。
【図14】本発明の実施形態11に係るタイプLIII 〜
LVIの4種類の光非相反回路である干渉型光サーキュ
レータの構成を示す図である。
【図15】本発明の実施形態11に係るタイプLVII〜
LXの4種類の光非相反回路である干渉型光サーキュレ
ータの構成を示す図である。
【図16】図1,2,7−13に示す各実施形態の干渉
型光サーキュレータのC−D部の断面図である。
【図17】図5,6,8−13に示す各実施形態の干渉
型光サーキュレータのC′−D′部の断面図である。
【図18】相反偏光面回転子として板状のバルク型半波
長板を用いた従来の干渉型光サーキュレータの構成を示
す図である。
【図19】相反偏光面回転子として板状のバルク型半波
長板を用いた従来の干渉型光サーキュレータの構成を示
す図である。
【図20】相反偏光面回転子として板状のバルク型半波
長板を用いた従来の干渉型光サーキュレータの構成を示
す図である。
【図21】図18〜図20に示す従来の干渉型光サーキ
ュレータにおけるA−BおよびA′−B′の断面構造を
示す図である。
【符号の説明】
2,2' 相反偏光面回転子 3,3' 非相反偏光面回転子 4 磁場 5,5' 光方向性結合器回路 6,6' X分岐回路 7 slow軸 8 x−y軸 11 光ファイバカプラのコア部 13,13' ,18,18' 分離合成部位 14,14' ,19,19' ガイド溝 15 分離合成部位のコア部 16,20 ガイド溝の底面 17 光ファイバカプラ 21 架台 22 相反偏光面回転子の底面 23,23' ,24,24' 3dB分岐回路 26 レンズ 27 位相調整部位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 館 彰之 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 久保田 英志 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 小澤口 治樹 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 加藤 雄二郎 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分離された光が伝搬される第1および第
    2の光導波路と、前記第1および第2の光導波路の一端
    側に配置され、順方向に進む光を前記第1および第2の
    光導波路に分離して出力するとともに、前記第1および
    第2の光導波路から入力された逆方向に進む光を合成す
    る第1の分離合成部位と、前記第1および第2の光導波
    路の他端側に配置され、前記逆方向に進む光を第1およ
    び第2の光導波路に分離して出力するとともに、前記第
    1および第2の光導波路から入力される前記順方向に進
    む光を合成する第2の分離合成部位と、光の進行方向と
    垂直な面内に設定されたx−y座標について、前記第1
    の光導波路にファラデー回転角がθf1 である第1の非
    相反回転子とx軸からのslow軸角度がθs1である
    半波長板からなる第1の相反回転子を順方向に沿って前
    記第1の非相反回転子および前記第1の相反回転子の順
    に配置した第1の偏光回転部位と、前記第2の光導波路
    にx軸からのslow軸角度がθs2 である半波長板か
    らなる第2の相反回転子とファラデー回転角がθf2 で
    ある第2の非相反回転子を順方向に沿って前記第2の相
    反回転子および前記第2の非相反回転子の順に配置した
    第2の偏光回転部位とを有し、前記第1および第2の光
    導波路を伝搬する光のうち、順方向に進む光については
    前記分離された光が同位相で干渉して合成され、逆方向
    に進む光については前記分離された光が逆位相で干渉し
    て合成されるように 【数1】θs1 −θs2 =±π/4 θf1 +θf2 =±π/2+2nπ (但し、nは整
    数) を満足するように設定される光非相反回路であって、 半波長板からなる板状の前記第1の相反回転子を前記第
    1の光導波路に設置した溝に挿入することにより配置
    し、半波長板からなる板状の前記第2の相反回転子を前
    記第2の光導波路に設置した溝に挿入することにより配
    置することを特徴とする光非相反回路。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2の分離合成部位の少
    なくとも一方は平面光波回路からなる光方向性結合器回
    路を用いて構成されることを特徴とする請求項1記載の
    光非相反回路。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2の分離合成部位の少
    なくとも一方は平面光波回路からなるX分岐回路を用い
    て構成されることを特徴とする請求項1記載の光非相反
    回路。
  4. 【請求項4】 前記第1および第2の分離合成部位の少
    なくとも一方は平面光波回路からなるマッハツエンダ干
    渉計回路を用いて構成されることを特徴とする請求項1
    記載の光非相反回路。
  5. 【請求項5】 前記第1および第2の分離合成部位の少
    なくとも一方は平面光波回路からなるマルチモード干渉
    器回路を用いて構成されることを特徴とする請求項1記
    載の光非相反回路。
  6. 【請求項6】 前記第1および第2の分離合成部位の少
    なくとも一方は架台上に光ファイバカプラを固定して構
    成されることを特徴とする請求項1記載の光非相反回
    路。
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