JPH1130701A - 光学系及び変倍光学系 - Google Patents

光学系及び変倍光学系

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JPH1130701A
JPH1130701A JP9298391A JP29839197A JPH1130701A JP H1130701 A JPH1130701 A JP H1130701A JP 9298391 A JP9298391 A JP 9298391A JP 29839197 A JP29839197 A JP 29839197A JP H1130701 A JPH1130701 A JP H1130701A
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JP
Japan
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lens
lens group
optical system
mol
object side
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Application number
JP9298391A
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Inventor
Hiroshi Mukai
弘 向井
Yasushi Yamamoto
康 山本
Tetsuo Kono
哲生 河野
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B15/00Optical objectives with means for varying the magnification
    • G02B15/14Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective
    • G02B15/142Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having two groups only
    • G02B15/1421Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having two groups only the first group being positive
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/04Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
    • G02B1/041Lenses

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視域での光学特性に優れ、光学樹脂として
必要な特性、特に耐環境特性に優れた光学樹脂を用い
た、大量生産に適した光学系を提供する。 【解決手段】 物体側から順に、絞りS1と、正のパワー
を有する第1レンズ群Gr1と、負のパワーを有する第2レ
ンズ群Gr2と、からなる。第1レンズ群Gr1は、物体側か
ら順に、絞りS2、物体側に凹面を向けた正メニスカス形
状で、物体側、像側ともに非球面形状である第1レンズL
1から構成されている。また、第2レンズ群Gr2は、物体
側に凹面を向けた負メニスカス形状で物体側、像側とも
に非球面形状である第2レンズL2から構成されている。
以上構成において、第2レンズL2は、9,9ビス[4-(2-ヒ
ドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの共重合比が
ジカルボン酸成分を100モル%としたときに35モル%乃
至45モル%の範囲の非晶質ポリエステル樹脂を材料とす
る樹脂レンズである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルカメラや
銀塩カメラ等の光学機器に好適な光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、光学機器の光学系に使用され
る光学素子の材料として、光学ガラスあるいは光学樹脂
が使用されている。このうち、前者の光学ガラスは屈折
率と分散の組み合わせにより多種の材料が存在している
のものの、材料コストが高く形状の加工が容易ではない
という問題を有していた。近年、光学系において収差補
正等を行う目的により、光学素子の面形状を非球面にす
る設計が数多く行われている。しかしながら、光学ガラ
スを材料とする非球面光学素子をを加工することは依然
として困難であり、高コストを招来していた。
【0003】一方、後者の光学樹脂は、大量生産に適す
る、軽量である、非球面加工が容易である等の長所を有
している。このような、光学樹脂としては、従来より、
ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光学樹
脂を多用した光学系を設計しようとすると、従来の光学
樹脂だけでは、光学性能の向上と光学系のコンパクト化
に限界があった。特に、光学系の色収差を低減しようと
する場合、通常アッベ数の大きい正パワーのレンズ等の
光学素子とアッベ数の小さい負パワーのレンズ等の光学
素子とが必要であるため、光学樹脂においては、ポリカ
ーボネート(PC)を負レンズ、ポリメチルメタクリレート
(PMMA)を正レンズの材料として使用することになる。し
かしながら、これらの材料の組み合わせでは、レンズ枚
数の低減とレンズ系のコンパクト化を行うには十分では
なく、さらに大きな、あるいは小さなアッベ数を有する
光学樹脂が必要であった。従って、ポリカーボネート(P
C)やポリメチルメタクリレート(PMMA)よりも、可視域で
さらに大きなあるいは小さなアッベ数を有する光学樹脂
が求められていた。
【0005】ところが、レンズ材料に使用可能な光学樹
脂には、アッベ数のみではなく、可視域での透過率が高
い、成型性がよい、複屈折が小さい、耐環境性に優れて
いる等の要件を満足することが求められる。従って、た
とえ屈折率、アッベ数等の光学特性が優れている樹脂で
あっても、必要とされる他の特性を満足する樹脂でなけ
れば光学樹脂として使用することはできなかった。
【0006】本発明は、上記課題に鑑み、可視域での光
学特性に優れ、光学樹脂として必要な特性、特に耐環境
特性に優れた光学樹脂を用いた、大量生産に適した光学
系を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の光学系は、正のパワーを有するレン
ズ群を含む光学系において、前記レンズ群に含まれる少
なくとも1枚の負のパワーを有するレンズは、9,9ビス
[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの共
重合比がジカルボン酸成分を100モル%としたときに35
モル%乃至45モル%の範囲の非晶質ポリエステル樹脂を
材料とすることを特徴とする。
【0008】また、請求項2記載の光学系は、負のパワ
ーを有するレンズ群を含む光学系において、前記レンズ
群に含まれる少なくとも1枚の正のパワーを有するレン
ズは、9,9ビス[4-(2ヒドロキシエトキシ)フェニル]フ
ルオレンの共重合比がジカルボン酸成分を100モル%と
したときに35モル%乃至45モル%の範囲の非晶質ポリエ
ステル樹脂を材料とすることを特徴とする。
【0009】また、請求項3記載の変倍光学系は、物体
側から順に、正のパワーを有する第1レンズ群と、負の
パワーを有する第2レンズ群と、から構成され、前記第1
レンズ群及び第2レンズ群の間隔を変化させることによ
り変倍を行う変倍光学系において、前記第1レンズ群
は、9,9ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フ
ルオレンの共重合比がジカルボン酸成分を100モル%と
したときに35モル%乃至45モル%の範囲の非晶質ポリエ
ステル樹脂を材料とする1枚の負パワーを有するレンズ
を有することを特徴とする。
【0010】また、請求項4記載の変倍光学系は、物体
側から順に、正のパワーを有する第1レンズ群と、負の
パワーを有する第2レンズ群と、から構成され、前記第1
レンズ群及び第2レンズ群の間隔を変化させることによ
り変倍を行う変倍光学系において、前記第2レンズ群
は、9,9ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フ
ルオレンの共重合比がジカルボン酸成分を100モル%と
したときに35モル%乃至45モル%の範囲の非晶質ポリエ
ステル樹脂を材料とする1枚の負パワーを有するレンズ
を有することを特徴とする。
【0011】また、請求項5記載の変倍光学系は、物体
側から順に、負のパワーを有する第1レンズ群と、正の
パワーを有する第2レンズ群と、から構成され、前記第1
レンズ群及び第2レンズ群の間隔を変化させることによ
り変倍を行う変倍光学系において、前記第1レンズ群
は、9,9ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フ
ルオレンの共重合比がジカルボン酸成分を100モル%と
したときに35モル%乃至45モル%の範囲の非晶質ポリ
エステル樹脂を材料とする1枚の正パワーを有するレン
ズを有することを特徴とする。
【0012】また、請求項6記載の光学系は、複数のレ
ンズと、絞りと、を有する結像光学系において、絞りと
結像面との間に、9,9ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)
フェニル]フルオレンの共重合比がジカルボン酸成分を
100モル%としたときに35モル%乃至45モル%の範囲の
非晶質ポリエステル樹脂を用いたレンズを備えているこ
とを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施した実施形態
について説明する。実施形態の光学系で使用している非
晶質ポリエステル樹脂は、ポリエステルテレフタレート
のジオール成分であるエチレングリコールの1部をフル
オレンと呼ばれる側鎖を有するBHEPF(9,9-ビス[4-(2-
ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン)に代えた共
重合体である。このBHEPFは、石炭または石油タールか
ら抽出するか、あるいは石油化学品から容易に合成され
るフルオレンを原料として安価に製造可能である。
【0014】以下に、上記BHEPFの構造を示す。
【0015】
【化1】
【0016】また、上記BHEPFを有するポリエステル樹
脂の繰り返し単位の構造を示す。
【0017】
【化2】
【0018】次に、以下の表に従来より光学樹脂として
使用されているポリカーカーボネート(PC)、ポリメチル
メタクリレート(PMMA)、及び非晶質ポリエステル樹脂(O
P)の特性を比較した表を示す。
【0019】
【表1】
【0020】このように、非晶質ポリエステル樹脂は従
来の光学樹脂と比較して屈折率が高く、アッベ数が小さ
い。また、光学樹脂において特に問題となる複屈折が非
常に小さく光学的等方性が非常によいという特徴を有し
ている。非晶質ポリエステル樹脂の高屈折率と低複屈折
の性質は、前述の特異な側鎖フルオレンの存在に起因し
ている。
【0021】非晶質ポリエステル樹脂は、特にポリカー
ボネート(PC)と比較した場合、高屈折率でアッベ数が小
さく複屈折も小さい。したがって、光学系へ適用するに
際しては、従来のポリカーボネート(PC)を使用せざるを
得なかった光学素子へ適用することにより、光学系の光
学性能や耐久性を向上させるのに特に効果を有する。
【0022】また、実施形態の非晶質ポリエステル樹脂
は、上記BHEPFの共重合比がジカルボン酸成分を100モル
%としたときに35モル%乃至45モル%の範囲にあるの
で、樹脂成形体の色調が良好で、成形が容易であるとい
う特徴を有している。すなわち、BHEPFの共重合比がこ
の範囲にあると、該ポリエステル樹脂のガラス転移温度
が115乃至125°C程度となるため、成形時の黄変が少な
く、面精度の良好な成形体を得ることが可能となる。BH
EPFの共重合比が45モル%を超えて大きくなると、ガラ
ス転移温度が125°C以上と高くなり、樹脂の溶融温度が
上昇し精密な面精度を維持するために成形時の樹脂温度
をより高温にする必要が生じ、黄変が発生しやすい。す
なわち、光学素子として使用できる着色のない成形体を
得ることが困難となる。一方、共重合比が35モル%を超
えて小さくなると、ガラス転移温度が110°C以下とな
り、高温な場所、例えば夏の日向にある車中に繰り返し
置かれた場合、変形等が発生し、初期の面精度が狂いや
すく、長期の信頼性を確保することができない。
【0023】図9は、非晶質ポリエステル樹脂の分光透
過率特性を示すグラフである。図9において、曲線(a)は
非晶質ポリエステル樹脂に紫外線吸収剤を添加したサン
プルの分光透過率、曲線(b)は曲線(a)と同じサンプルに
200時間紫外線を照射して得られたサンプルの分光透過
率、曲線(c)は曲線(a)と同じサンプルをさらに紫外線吸
収剤を添加したポリメチルメタクリレート(PMMA)で挟ん
だものに200時間紫外線を照射して得られたサンプルの
分光透過率、をそれぞれ示す。
【0024】図9の曲線(a)と曲線(b)との比較からも分
かるように、非晶質ポリエステル樹脂は、長時間に亘っ
て紫外線が照射されると、紫外線の作用により短波長領
域の透過率が低下して黄色い着色が発生していまうとい
う性質を有している。曲線(a)のサンプルのように、非
晶質ポリエステル自身に紫外線吸収剤を添加しても紫外
線に対する効果は十分ではない。このため、非晶質ポリ
エステル樹脂を材料とするレンズを長時間紫外線にさら
される可能性がある光学系に使用する場合は、曲線(c)
のサンプルのように非晶質ポリエステル樹脂レンズの前
後の少なくともいずれか一方に紫外線吸収剤を添加した
光学材料からなる光学素子を配置することが望ましい。
このように、紫外線吸収剤を添加した光学素子を配置
し、さらに非晶質ポリエステル樹脂自身にも紫外線吸収
剤を添加することにより、非晶質ポリエステル樹脂の紫
外線の吸収による影響を減少させることができる。
【0025】一方、光学性能上あるいは配置スペース
上、紫外線吸収剤を添加した光学材料からなる光学樹脂
を配置できない場合は、非晶質ポリエステル樹脂のレン
ズを長時間紫外線にさらさないようにすることが望まし
い。たとえば、光学系の途中に絞りを有する撮影光学系
の場合、非晶質ポリエステル樹脂レンズを絞りよりも後
方に配置すると、紫外線の照射量を最小限にすることが
でき好ましい。また、光路途中にシャッターを有するい
わゆるレンズシャッターカメラの光学系の場合、通常、
絞りがシャッターとしても機能するので、絞り(シャッ
ター)よりも後方に非晶質ポリエステル樹脂レンズを配
置することにより、樹脂レンズ対する紫外線の照射量を
極めて減少させることができ非常に好ましい。
【0026】次に、図面を参照しながら、本発明の実施
の形態の光学系について説明する。図1乃至図4は、本発
明の第1乃至第4実施形態の光学系に対応するレンズ構成
図で、最小焦点距離状態でのレンズ配置を表している。
図中、記載されている矢印は、最小焦点距離状態から最
長焦点距離状態への変倍の際の各レンズ群の移動を模式
的に表したものである。
【0027】第1実施形態の光学系は、図1において、物
体側から順に、絞りS1と、正のパワーを有する第1レン
ズ群Gr1と、負のパワーを有する第2レンズ群Gr2と、か
らなり、最短焦点距離端から最長焦点距離端への変倍に
際して、絞りS1と第1レンズ群Gr1の間隔を増加させ、か
つ第1レンズ群Gr1と第2レンズ群Gr2との間隔を減少させ
るように、それぞれ物体側へ移動させる変倍光学系であ
る。
【0028】第1レンズ群Gr1は、物体側から順に、絞り
S2、物体側に凹面を向けた正メニスカス形状で、物体
側、像側ともに非球面形状である第1レンズL1から構成
されている。また、第2レンズ群Gr2は、物体側に凹面を
向けた負メニスカス形状で物体側、像側ともに非球面形
状である第2レンズL2から構成されている。第1実施形態
において、第2レンズL2は、非晶質ポリエステル樹脂を
材料とする樹脂レンズである。
【0029】第1実施形態の変倍光学系では、負のパワ
ーを有する第2レンズ群Gr2を高屈折率でアッベ数の小さ
い(分散の大きい)非晶質ポリエステル樹脂を材料とする
第2レンズL2、1枚で構成しているので、第1レンズ群Gr1
と第2レンズ群Gr2で良好に各収差バランスをとることが
でき、良好な光学性能を達成することができる。また、
正負2成分変倍光学系では、第2レンズ群Gr2に含まれる
レンズの有効径は大きくなりがちであるが、これを非晶
質ポリエステル樹脂を材料とする第2レンズL2、1枚で構
成しているので、安価な変倍光学系を提供することがで
きる。さらに、絞りを第1レンズ群Gr1の物体側に配置し
ているので、非晶質ポリエステル樹脂を材料とする第2
レンズL2に照射される紫外線量を最小限にすることがで
きる。特に、この光学系をレンズシャッターカメラに適
用した場合、露光時以外に第2レンズL2に紫外線を照射
させることがないので、紫外線照射による分光透過率特
性の劣化を招くことがない構成にすることができる。
【0030】第2実施形態の光学系は、図2において、物
体側から順に、正のパワーを有する第1レンズ群Gr1と、
負のパワーを有する第2レンズ群Gr2と、からなり、最短
焦点距離端から最長焦点距離端への変倍に際して、第1
レンズ群Gr1と第2レンズ群Gr2との間隔を減少させるよ
うに、それぞれ物体側へ移動させる変倍光学系である。
【0031】第1レンズ群Gr1は、物体側から順に、物体
側に凹面を向けた正メニスカス形状で、物体側、像側と
もに非球面形状である第1レンズL1と、絞りS1とから構
成されている。また、第2レンズ群Gr2は、物体側に凹面
を向けた負メニスカス形状で物体側、像側ともに非球面
形状である第2レンズL2と、物体側に凹面を向けた負メ
ニスカス形状である第3レンズL3とから構成されてい
る。第2実施形態において、第2レンズL2は、非晶質ポリ
エステル樹脂を材料とする樹脂レンズである。
【0032】第2実施形態の変倍光学系では、負のパワ
ーを有する第2レンズ群Gr2を、非晶質ポリエステル樹脂
を材料とする第2レンズL2と、第3レンズL3との2枚で構
成しており、第2レンズ群Gr2の負のパワーをそれぞれの
レンズ群に分散させている。このように第2レンズ群Gr2
を異なるアッベ数を有する2枚のレンズで構成すること
により、全系の色収差のバランスが良好にとられてい
る。また、この2枚の負レンズは、全系の非点収差等の
収差も良好に補正している。また、絞りを第2レンズ群G
r2の物体側に配置しているので、非晶質ポリエステル樹
脂を材料とする第2レンズL2に照射される紫外線量を最
小限にすることができる。特に、この光学系をレンズシ
ャッターカメラに適用した場合、露光時以外に第2レン
ズL2に紫外線を照射させることがないので、紫外線照射
による分光透過率特性の劣化を招くことがない構成にす
ることができる。
【0033】第3実施形態の光学系は、図3において、物
体側から順に、正のパワーを有する第1レンズ群Gr1と、
負のパワーを有する第2レンズ群Gr2と、からなり、最短
焦点距離端から最長焦点距離端への変倍に際して、第1
レンズ群Gr1と第2レンズ群Gr2との間隔を減少させるよ
うに、それぞれ物体側へ移動させる変倍光学系である。
【0034】第1レンズ群Gr1は、物体側から順に、物体
側に凸面を向けた負メニスカス形状で、物体側、像側と
もに非球面形状である第1レンズL1と、物体側に凹面を
向けた正メニスカス形状の第2レンズL2と、絞りS1とか
ら構成されている。また、第2レンズ群Gr2は、物体側に
凹面を向けた負メニスカス形状で物体側、像側ともに非
球面形状である第3レンズL3から構成されている。第3実
施形態において、第1レンズL1は、非晶質ポリエステル
樹脂を材料とする樹脂レンズである。
【0035】第3実施形態の変倍光学系では、正のパワ
ーを有する第1レンズ群Gr2を、非晶質ポリエステル樹脂
を材料とする第1レンズL1と第2レンズL2との2枚で構成
しており、第1レンズ群Gr1の正のパワーをそれぞれのレ
ンズ群に分散させている。このように第1レンズ群Gr1を
負レンズと正レンズ2枚で構成することにより、第1レン
ズ群Gr1で発生する色収差を低減することができ、全変
倍域において良好に各収差補正を行うことができる。
【0036】第4実施形態の光学系は、図4において、物
体側から順に、負のパワーを有する第1レンズ群Gr1と、
絞りS1と、正のパワーを有する第2レンズ群Gr2と、から
なり、最短焦点距離端から最長焦点距離端への変倍に際
して、第1レンズ群Gr1を一旦像側へ移動させた後さらに
物体側へ移動させ、かつ絞りS1と第2レンズ群Gr2との間
隔を減少させるように、それぞれ物体側へ移動させる変
倍光学系である。
【0037】第1レンズ群Gr1は、物体側から順に、物体
側に凸面を向けた負メニスカス形状の第1レンズL1と、
弱い正パワーを有し、物体側、像側ともに非球面形状で
ある第2レンズL2と、から構成されている。また、第2レ
ンズ群Gr2は、両凸形状で物体側が非球面形状である第3
レンズL3と、両凹形状で、物体側、像側ともに非球面形
状である第4レンズL4とから構成されている。第4実施形
態において、第2レンズL2及び第4レンズL4は、それぞれ
非晶質ポリエステル樹脂を材料とする樹脂レンズであ
る。
【0038】第4実施形態の変倍光学系では、第1レンズ
群Gr1で発生する色収差を、高分散の非晶質ポリエステ
ル樹脂を材料とする第2レンズL2で補正することがで
き、また、第2レンズ群Gr2で発生する色収差を、高分散
の非晶質ポリエステル樹脂を材料とする第4レンズL4で
補正することができるため、変倍に際してレンズ群を光
軸方向に移動させても、色収差が変動しない構成を実現
している。このため、全変倍領域において良好に色収差
をはじめとする各収差が補正されている。
【0039】第4実施形態の負正2成分からなる変倍光学
系は、長いレンズバックを有するため、一眼レフレック
スカメラの交換レンズ系や、ビデオ用光学系に最適な光
学系である。しかしながら、このタイプの光学系では、
各収差を補正しようとする場合、ガラスレンズの非球面
化が困難であるため非球面を多用することができず、レ
ンズ枚数を削減することが困難であった。これに対し
て、第4実施形態の変倍光学系では、各群に樹脂レンズを
用いたため非球面を多用することが可能となり、大幅な
レンズ枚数の削減を達成している。
【0040】
【実施例】以下、本発明に係る接眼レンズ系の実施例を
示す。以下に示す、実施例1乃至4は、上述した第1乃至
第4実施形態の具体的な数値実施例であり、実施例1乃至
4のレンズ構成図は図1乃至図4に対応する。各実施例に
おいて、ri(i=1,2,3,...)は物体側から数えてi番目の面
の曲率半径、di(i=1,2,3,...)は物体側から数えてi番目
の軸上間隔を示し、Ni(i=1,2,3,...)、νi(i =1,2,
3,...)は物体側から数えてi番目のレンズのd線に対する
屈折率(Nd)アッベ数(νd)を示す。また、各実施例
の焦点距離f、FナンバーFnoの値、及び実施例1の軸上
間隔d1,d4の値、実施例2の軸上間隔d3の値、実施例3
の軸上間隔d5の値、実施例4の軸上間隔d4,d5の値は、
それぞれ左から順に、最短焦点距離状態(広角端)、中間
焦点距離状態、最長焦点距離状態(望遠端)に相当する値
を示している。
【0041】なお、各実施例中、曲率半径に*印を付し
た面は非球面で構成された面であることを示し、非球面
の面形状を表わす以下の式で定義するものとする。
【0042】
【数1】
【0043】但し、 X:光軸方向の基準面からの変位量、 Y:光軸と垂直な方向の高さ、 C:近軸曲率、 ε:2次曲面パラメータ、 Ai :i次の非球面係数、 である。
【0044】なお、各実施例の非球面データにおいて、
eの後の数は指数部分を表し、例えば1.0e2であれば、1.
0×102を表すものとする。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】図5乃至8は、実施例1乃至4に対応する収
差図である。各収差図のうち、左側から順に、球面収差
図、非点収差図、歪曲収差図を表している。また、各収
差図は、上から順に、前述した最短焦点距離状態(広角
端)、中間焦点距離状態、最長焦点距離状態(望遠端)に
相当する光学系の収差を示している。
【0050】各球面収差図おいて、実線はd線に対する
球面収差量、点線は正弦条件の不満足量を表す。また、
各非点収差図において、実線DSはサジタル面、点線DMは
メリディオナル面をそれぞれ表す。さらに、非点収差図
及び歪曲収差図において、縦軸は像高Y'に相当する。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、可視域
での光学特性に優れ、光学樹脂として必要な特性、特に
耐環境特性に優れた光学樹脂を用いた、大量生産に適し
た光学系を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の光学系のレンズ配置図である。
【図2】第2実施形態の光学系のレンズ配置図である。
【図3】第3実施形態の光学系のレンズ配置図である。
【図4】第4実施形態の光学系のレンズ配置図である。
【図5】第1実施形態の光学系の収差図である。
【図6】第2実施形態の光学系の収差図である。
【図7】第3実施形態の光学系の収差図である。
【図8】第4実施形態の光学系の収差図である。
【図9】非晶質ポリエステル樹脂の分光透過率特性を表
すグラフである。
【符号の説明】
Gr1:第1レンズ群 Gr2:第2レンズ群

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正のパワーを有するレンズ群を含む光学
    系において、前記レンズ群に含まれる少なくとも1枚の
    負のパワーを有するレンズは、9,9ビス[4-(2-ヒドロキ
    シエトキシ)フェニル]フルオレンの共重合比がジカル
    ボン酸成分を100モル%としたときに35モル%乃至45モ
    ル%の範囲の非晶質ポリエステル樹脂を材料とすること
    を特徴とする光学系。
  2. 【請求項2】 負のパワーを有するレンズ群を含む光学
    系において、前記レンズ群に含まれる少なくとも1枚の
    正のパワーを有するレンズは、9,9ビス[4-(2-ヒドロキ
    シエトキシ)フェニル]フルオレンの共重合比がジカル
    ボン酸成分を100モル%としたときに35モル%乃至45モ
    ル%の範囲の非晶質ポリエステル樹脂を材料とすること
    を特徴とする光学系。
  3. 【請求項3】 物体側から順に、正のパワーを有する第
    1レンズ群と、負のパワーを有する第2レンズ群と、から
    構成され、前記第1レンズ群及び第2レンズ群の間隔を変
    化させることにより変倍を行う変倍光学系において、 前記第1レンズ群は、9,9ビス[4-(2-ヒドロキシエトキ
    シ)フェニル]フルオレンの共重合比がジカルボン酸成
    分を100モル%としたときに35モル%乃至45モル%の範
    囲の非晶質ポリエステル樹脂を材料とする1枚の負パワ
    ーを有するレンズを有することを特徴とする変倍光学
    系。
  4. 【請求項4】 物体側から順に、正のパワーを有する第
    1レンズ群と、負のパワーを有する第2レンズ群と、から
    構成され、前記第1レンズ群及び第2レンズ群の間隔を変
    化させることにより変倍を行う変倍光学系において、 前記第2レンズ群は、9,9ビス[4-(2-ヒドロキシエトキ
    シ)フェニル]フルオレンの共重合比がジカルボン酸成
    分を100モル%としたときに35モル%乃至45モル%の範
    囲の非晶質ポリエステル樹脂を材料とする1枚の負パワ
    ーを有するレンズを有することを特徴とする変倍光学
    系。
  5. 【請求項5】 物体側から順に、負のパワーを有する第
    1レンズ群と、正のパワーを有する第2レンズ群と、から
    構成され、前記第1レンズ群及び第2レンズ群の間隔を変
    化させることにより変倍を行う変倍光学系において、 前記第1レンズ群は、9,9ビス[4-(2-ヒドロキシエトキ
    シ)フェニル]フルオレンの共重合比がジカルボン酸成
    分を100モル%としたときに35モル%乃至45モル%の範
    囲の非晶質ポリエステル樹脂を材料とする1枚の正パワ
    ーを有するレンズを有することを特徴とする変倍光学
    系。
  6. 【請求項6】 複数のレンズと、絞りと、を有する光学
    系において、絞りと結像面との間に、9,9ビス[4-(2-ヒ
    ドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの共重合比が
    ジカルボン酸成分を100モル%としたときに35モル%乃
    至45モル%の範囲の非晶質ポリエステル樹脂を用いたレ
    ンズを備えていることを特徴とする光学系。
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