JPH11306449A - 侵入検知装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 警戒エリアにある侵入者を正確に検知するこ
とのできる侵入検知装置を提供する。 【解決手段】 赤外領域の光に対してのみ反射率の高い
インクで印刷されたパターンＰを有する警戒エリア１
と、警戒エリア１を撮像する撮像装置２と、撮像装置２
によって撮像された画像から警戒エリア１内のパターン
Ｐを抽出する画像処理部３と、抽出されたパターンＰの
変化から侵入者が警戒エリア１に侵入したか否かを判断
する中央処理部４とからなるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ビル等において警
戒エリアに侵入者があるか否かを検知する侵入検知装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の侵入検知装置には、撮像装置によ
り撮像された画像に対して画像処理を施すことで侵入者
を検知するものがあった。これらの多くは、侵入者がな
いときに警戒エリアを撮像した画像と警戒中に撮像した
画像とから、輝度変化が生じた領域を物体の侵入による
ものと仮定している。そして、輝度変化のあった領域を
連続的に追跡し、その動き等の特徴から侵入者であるか
否かを判断している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
な構成の侵入検知装置では、警戒エリアを照らす照明の
変化等により生じた輝度変化を侵入者によるものと誤っ
て判断し、侵入者が存在しないにもかかわらず侵入者が
あるとして警報を発報してしまうことがあるという問題
点を有していた。

【０００４】本発明は、上記の問題点に鑑みて成された
ものであり、その目的とするところは、警戒エリアにあ
る侵入者を正確に検知することのできる侵入検知装置を
提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
赤外領域の光に対してのみ反射率の高いインクで印刷さ
れたパターンを有する警戒エリアと、警戒エリアを撮像
する撮像装置と、撮像装置によって撮像された画像から
警戒エリア内のパターンを抽出する画像処理部と、抽出
されたパターンの変化から侵入者が警戒エリアに侵入し
たか否かを判断する中央処理部とからなることを特徴と
するものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて図１乃至図４に基づき詳細に説明する。図１は侵入
検知装置の概略構成図である。図２は警戒エリア内のパ
ターンの一例を示す図である。図３は警戒エリアに侵入
者がある状態を示す図である。図４は侵入検知装置によ
り侵入検知するまでの過程を示すフローチャートであ
る。なお、図３（ａ）及び図３（ｂ）は連続的に撮像さ
れた画像である。

【０００７】本実施の形態に係る侵入検知装置は、図１
に示すように、赤外領域の光に対してのみ反射率が高い
インク（以下、インビジブルインクと記載）で所定のパ
ターンＰを印刷した警戒エリア１と、警戒エリア１を撮
像しその赤外領域の映像を出力する撮像装置２と、撮像
装置２から入力される画像からインビジブルインクで印
刷されたパターンＰを抽出する画像処理部３と、抽出し
たパターンＰの変化から侵入者を検知し、警報を発報す
る中央処理部４とから構成されている。

【０００８】なお、撮像装置２によって正確にパターン
Ｐの映像が出力されるように、赤外領域の光のみを透過
する赤外透過フィルタ５を撮像装置２のレンズに取り付
けるようにしてもよい。また、パターンＰを鮮明に撮像
するために警戒エリア１を赤外照明装置６にて照らすよ
うにしてもよい。さらに、撮像装置２は、警戒エリア１
全体を撮像できるように広角レンズを備えたものであっ
てもよいし、撮像方向を自在に変更することのできる駆
動手段（図示せず）を備えたものであってもよい。

【０００９】警戒エリア１には、赤外光を吸収する素材
上にインビジブルインクを用いて図２に示すようなパタ
ーンＰを印刷しておく。画像処理部３では、このパター
ンＰを入力画像の中から抽出し、侵入者によって生じる
パターンＰの変化によって侵入者を検知する。この時、
撮像されたパターンＰの変化の一例を図３に示す。図３
において、領域「Ａ」は侵入者によって生じたパターン
Ｐの変化を示している。

【００１０】次に、上述した構成の侵入検知装置におい
て、侵入者を検知する手続きについて図４に基づき説明
する。まず、警戒エリア１の画像を撮像し、画像処理部
３に入力する。このとき、赤外照明装置６により赤外光
が照射されているので、警戒エリア１内のインビジブル
インクにより印刷されたパターンＰにて反射された赤外
光は、赤外透過フィルタ５を介して撮像装置２に入力さ
れる。赤外透過フィルタ５により赤外光以外は撮像装置
２に入力されないようになっているので、室内照明の影
響を受けにくく、パターンＰの抽出が比較的容易に行わ
れる。

【００１１】次いで、画像処理部３にて、パターンＰの
抽出のために撮像された画像に対して二値化処理を行
う。本実施の形態では、パターンＰの赤外光に対する反
射率が高いことから比較的高い閾値が設定できる。この
ため、ノイズ成分を二値化処理にて低減することが可能
になる。

【００１２】所定の時間間隔で警戒エリア１の画像を撮
像し、その画像に対して二値化処理を行う。そして、侵
入者が存在しないときに撮像しておいた参照画像との差
分処理を行う。もし、人や物が警戒エリア１内に存在す
れば、警戒エリア１内のインビジブルインクで印刷され
たパターンＰが隠されることになるので、この差分処理
によって隠されたパターンＰを抽出することが可能にな
る。

【００１３】隠されたパターンＰを「隣り合う隠された
パターンは結合する」等の条件で結合し、意味のある領
域に分けた後、番号を付する。なお、本実施の形態で
は、図３（ａ）及び図３（ｂ）に示すように、領域
「Ｐ」及び領域「Ａ」に番号を付すことになる。各領域
毎に面積や重心位置等の特徴量を算出し、中央処理部４
に出力することになる。

【００１４】中央処理部４では、前回の処理で算出し、
記憶していた領域の特徴量と今回算出した領域の特徴量
とを比較し、時間軸方向に領域間で対応付けを行う。本
実施の形態では、図３（ａ）の領域「Ａ」と図３（ｂ）
の領域「Ａ」とが特徴量の類似する領域として対応付け
られる。対応付けられた領域の位置、例えば、重心位置
の差から移動ベクトルを計算し、この値を記憶する。

【００１５】以上の処理により、警戒エリア１内に「ど
のくらいの大きさ」で「どちら方向へ、どのくらいの速
さで移動している」物体が存在するかを検出することが
可能になる。このようにして算出された各領域の特徴量
と予め作成しておいた侵入者の特徴モデル（例えば、面
積、移動速度、移動方向等）を比較し、一致度が高けれ
ば侵入者があるとして警報を発報するのである。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、請求項１記載の発明にあ
っては、赤外領域の光に対してのみ反射率の高いインク
で印刷されたパターンを有する警戒エリアと、警戒エリ
アを撮像する撮像装置と、撮像装置によって撮像された
画像から警戒エリア内のパターンを抽出する画像処理部
と、抽出されたパターンの変化から侵入者が警戒エリア
に侵入したか否かを判断する中央処理部とからなるよう
にしたので、侵入者を撮像した画像から的確に抽出する
ことが可能になるため、警戒エリアにある侵入者を正確
に検知することのできる侵入検知装置を提供することが
できるという効果を奏する。また、警戒エリア内におい
て自動的に侵入検知することが可能になるので、省人化
を図ることが可能になる。また、赤外照明を照射するこ
とによって、検知精度が向上し、夜間照明のない状況で
も検知することが可能になる。さらに、警戒エリア内の
パターン及び赤外照明は肉眼では見えないので侵入者に
気付かれることなく警戒エリアを監視することが可能に
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】侵入検知装置の概略構成図である。

【図２】警戒エリア内のパターンの一例を示す図であ
る。

【図３】警戒エリアに侵入者がある状態を示す図であ
る。

【図４】侵入検知装置により侵入検知するまでの過程を
示すフローチャートである。

【符号の説明】

Ｐ パターン １ 警戒エリア ２ 撮像装置 ３ 画像処理部 ４ 中央処理部 ５ 赤外透過フィルタ ６ 赤外照明装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 栄一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 川島 寿一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 赤外領域の光に対してのみ反射率の高い
   インクで印刷されたパターンを有する警戒エリアと、警
   戒エリアを撮像する撮像装置と、撮像装置によって撮像
   された画像から警戒エリア内のパターンを抽出する画像
   処理部と、抽出されたパターンの変化から侵入者が警戒
   エリアに侵入したか否かを判断する中央処理部とからな
   ることを特徴とする侵入検知装置。