JPH1130552A - 迷光補正方法 - Google Patents

迷光補正方法

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JPH1130552A
JPH1130552A JP18523697A JP18523697A JPH1130552A JP H1130552 A JPH1130552 A JP H1130552A JP 18523697 A JP18523697 A JP 18523697A JP 18523697 A JP18523697 A JP 18523697A JP H1130552 A JPH1130552 A JP H1130552A
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JP
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light
wavelength
stray light
stray
signal intensity
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JP18523697A
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Inventor
Mitsunao Sekiwa
三直 関和
Shiro Kawaguchi
史郎 川口
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Otsuka Electronics Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分光光度計の分散光学系から導かれた光を多数
の受光素子を有する受光器によって測定する場合に生じ
る迷光の影響を、当該分光光度計の装置定数として正確
に見積もり、その影響を除去する。 【解決手段】受光器14の全受光素子に対応する波長に
ついて各波長ごとの光を出す基準光分光器3を用意し、
一波長を選択して基準光分光器3から当該波長の光を分
光光度計1に入射させて受光器14の各受光素子によっ
て測定し、各受光素子で測定した受光信号強度と、当該
波長に対応する受光素子によって測定した受光信号強度
との比をとることにより、各受光素子に現れた当該波長
からの迷光成分比rを求め、サンプル光を受光し、ある
波長に対応する受光素子の受光信号強度に前記迷光成分
比rを乗じて各受光素子に現れる当該波長からの迷光成
分を求め、他の波長に対応する受光素子の受光信号強度
についても、前記の手順を繰り返し、ある波長に対応す
る受光素子について各波長からの迷光成分の和をとるこ
とにより当該波長の迷光成分を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分光測定に関する
ものであり、特に分光光度計に生じる迷光の影響を低減
する迷光補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】分光光度計は、光の強度を波長の関数と
して測定する装置であり、光入射スリットと、入射光を
分散させる回折格子と、フォトダイオードアレイとを備
えている。光入射スリットに入射した光のうち、回折格
子から反射される目的とする次数以外の次数の光や、回
折格子に入らなかったごくわずかの光等が、分光器の内
壁等により散乱されフォトダイオードアレイに迷光とし
て入ってくる。また、フォトダイオードアレイの所定の
素子から反射した光が他の素子に回り込んで入ってくる
こともある。
【0003】この迷光は、目的とする波長以外の波長の
光の総和であり、測定の直線性に悪影響を与えるもので
ある。従来、この迷光を除去するために、特定の遮断波
長よりも短い波長の光をカットする迷光測定用試料を通
して特定の遮断波長よりも短い波長の光の透過率を測定
して、それを迷光比(%)とし、分光測定値に当該迷光
比(%)をかけて分光測定値から差し引くことにより、
迷光成分を除去した出力を得る技術が開示されている
(日本分析機器工業会規格「可視・紫外分光光度計の性
能表示方法」JAIMAS0001)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の技術で
は、迷光測定用試料の特性により、特定の遮断波長より
も長い波長の光が、特定の遮断波長よりも短い波長に与
える迷光のみ除去できるだけで、その逆の特定の遮断波
長よりも短い波長の光が、特定の遮断波長よりも長い波
長に与える迷光の影響を除去できない。また、短い波長
同士間、長い波長同士間で発生する迷光の影響も除去で
きない。
【0005】また、前記の技術では、迷光測定用試料の
スペクトルと、実際に分光測定する試料のスペクトルの
差を吸収することができない。もし、実際の試料におけ
る吸光度を迷光から正確に予測したいときは、実際の試
料を迷光測定用試料としなくてはならない。このため、
試料を替えるたびに迷光の測定が必要になり、測定時間
が長くかかる。
【0006】そこで、本発明は、分散光学系から導かれ
た光を、多数の受光素子を有する分光光度計を用いて測
定する場合に生じる迷光の影響を、当該分光光度計の装
置定数として正確に見積もり、その影響を除去すること
のできる迷光補正方法を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の迷光補正方法は、受光器の全受光素子に対
応する波長について各波長ごとの光を出す基準光出力手
段を用意し、一波長を選択して基準光出力手段から当該
波長の光を分光光度計に入射させて受光器の各受光素子
によって測定し、各受光素子で測定した受光信号強度
と、当該波長に対応する受光素子によって測定した受光
信号強度との比をとることにより、各受光素子に現れた
当該波長からの迷光成分比を求め、選択する入射光の波
長を変えて、前記の手順を繰り返し、サンプル光を受光
し、ある波長に対応する受光素子の受光信号強度に前記
迷光成分比を乗じて各受光素子に現れる当該波長からの
迷光成分を求め、他の波長に対応する受光素子の受光信
号強度についても、前記の手順を繰り返し、ある波長に
対応する受光素子について各波長からの迷光成分の和を
とることにより当該波長の迷光成分を求め、これにより
当該波長において迷光の影響が除かれた受光信号強度を
得る方法である(請求項1)。
【0008】基準光出力手段から入射する光は、分散さ
れ迷光となって、受光器の各受光素子により測定され
る。各受光素子で測定した受光信号強度と、当該波長に
対応する受光素子によって測定した受光信号強度との比
をとることにより、各受光素子に現れた当該波長からの
迷光成分比を求めることができる。サンプル光を受光
し、ある波長に対応する受光素子の受光信号強度に前記
迷光成分比を乗ずることとすれば、各受光素子に現れる
当該波長からの迷光成分を求めることができる。
【0009】他の波長に対応する受光素子の受光信号強
度についても、前記の手順を繰り返し、ある波長に対応
する受光素子について各波長からの迷光成分の和をとる
ことにより当該波長の迷光成分を求めることができる。
したがって、当該波長において迷光の影響が除かれた受
光信号強度を得ることができる。 (2) 他の波長に対応する受光素子についても、前記の手
順を繰り返して、これにより迷光の影響が除かれたスペ
クトルを得ることができる(請求項2)。
【0010】(3) 基準光出力手段が、受光器の一部のみ
の受光素子に対応する波長の光を出すものであれば、基
準光出力手段から出力されなかった波長の光に対応する
受光信号強度については、基準光出力手段から出力され
た波長の光に対応する受光信号強度を使って補間により
求めればよい(請求項3)。この構成によれば、基準光
出力手段が、受光器の全部の受光素子に対応する波長の
光を出力することができない場合でも、各波長において
迷光の影響が除かれた受光信号強度又はスペクトルを得
ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面を参照しながら詳細に説明する。 <第1の実施形態>図1は、本発明の迷光補正方法を実
施する装置の構成を示すブロック図である。
【0012】分光光度計1には、光源2の光を分光する
基準分光器3の出力光が入射するようにされている。な
お、この基準分光器3は、迷光補正を行うための基準光
を得る手段であって、本発明の迷光補正の対象は、分光
光度計1である。基準分光器3は、分光光度計1の各受
光素子に対応する波長ごとの光を出すことができれば、
「分光器」に限定されるものではない。例えば、波長可
変レーザなども使用することができる。
【0013】基準分光器3の出力光の波長は可変であ
り、その波長をλk 、出力光の強度をi( λk ) で表
す。なお、基準分光器3の出力光強度i( λk ) の波長
の広がり(半値幅)は小さいほどよく、少なくとも分光
光度計1のフォトダイオードアレイ14の波長分解能と
同程度かそれより小さなものが好ましい。また、基準分
光器3の迷光は、分光光度計1の迷光の1/10以下で
あることが望ましい。
【0014】また、波長λk の添え字kのとりうる数
は、フォトダイオードアレイ14の素子数と同じとす
る。添え字kのとりうる数は、フォトダイオードアレイ
14の素子数よりも多くする必要はない。添え字kのと
りうる数がフォトダイオードアレイ14の素子数より少
ない場合は、第2の実施形態の項で詳しく説明する。フ
ォトダイオードアレイ14が感度を有している測定波長
範囲以外の光が入射する場合は、当該測定波長範囲以外
の光を受光させないフィルターやミラーを分光光度計1
に設置することが好ましい。
【0015】分光光度計1は、基準分光器3の出力光を
取り入れるスリット11、平面鏡12、凹面回折格子1
3、及びフォトダイオードアレイ14を備えている。フ
ォトダイオードアレイ14の各素子の出力は、迷光補正
処理部15に入力され、ここで迷光成分比が算出され、
データとして記憶される。なお、フォトダイオードアレ
イ14の各受光素子の受光時間を可変できるならば、光
量が多い波長と少ない波長とで異なる受光時間で測定
し、後に受光条件を揃えるような較正をしてもよい。
【0016】この分光光度計1を使って、実際に試料と
なる光を分光し、分光データを得る場合には、前記のよ
うに記憶された迷光成分比を用いて、迷光の影響を除く
処理をしている。以下、迷光補正処理部15における迷
光成分の算出方法を説明する。基準分光器3からi( λ
k ) の光を入力した場合の、分光光度計1のフォトダイ
オードアレイ14の各素子の出力光強度をI( λ1 ) ,
I( λ2 ) ,I( λ3) ,‥‥,I( λk ) ,‥‥,I
( λn ) とする。ここでnはフォトダイオードアレイ1
4の素子の数である。
【0017】分光光度計1が理想的なものであって迷光
がなければ、I( λk ) のみ有限値となり、他のI( λ
1 ) ,I( λ2 ) ,‥‥はすべて0になる。なお、実際
には、入射光強度i( λk ) の波長の広がりが無視でき
ないことがある。この場合は、波長λk に対応する受光
素子の周辺の受光素子に迷光以外の原因による出力が出
る。この場合は、I( λk ) の周辺のI( λk-b ) ,‥
‥,I( λk-2 ) ,I( λk-1 ) ,I( λk+1 ) ,I(
λk+2 ) ‥‥,I( λk+a )をI( λk ) に足し込むと
よい(a,bは自然数とする)。足し込む範囲(−bか
らaまで)は、入射光強度i( λk ) の半値幅の2倍と
同程度とするのが適当である。また、全素子数nに比べ
てaやbが非常に小さいならば、足し込むことをせず、
又は足し込むとともに、I( λk ) の周辺のI(
λk-b ) ,‥‥,I(λk-2 ) ,I( λk-1 ) ,I( λ
k+1 ) ,I( λk+2 ) ‥‥,I( λk+a ) をすべて0と
みなしてもよい。0とみなすと、その素子については、
迷光の影響を低減できなくなり迷光成分の算出誤差がで
るが、全体素子数nに比べてaやbが非常に小さいなら
ば、その誤差も非常に小さくなるからである。
【0018】I( λ1 ) ,I( λ2 ) ,‥‥をI(
λk ) で割って、その比をr1k,r2k,‥‥,rjk,‥
‥,rnkと書く。すなわち rjk=I( λj ) /I( λk ) (j=1,2, ‥‥,k, ‥
‥,n) 迷光成分比rjkは、j=kのとき値1となり、j≠kの
とき1より小さな値をとる。この迷光成分比rjk(j≠
k)は、波長λk の光を入射した場合の、フォトダイオ
ードアレイ14の各素子(kを除く)に現れた迷光成分
比を表している。
【0019】以下、j=kのとき比rjjを1から0に置
き換える。しかし、迷光成分比rjjを0とせずに、前後
の迷光成分比rj,j+1 と迷光成分比rj,j-1 との補間に
より求めてもよい。以上の迷光成分比rjkを、波長λk
を変えて、それぞれ求める。次に、実際のサンプル光を
測定したときの各波長の光強度をそれぞれPm (m=1,2,
‥‥,n) とする。サンプル光の波長λ1 の成分が他の波
長の各受光素子に与える迷光量Mj1は、 Mj1=P1 j1 となる。サンプル光の波長λm の成分が他の波長の各受
光素子に与える迷光量M jmは、 Mjm=Pm jm となる。以上のようにして、迷光量Mjmを、jを1から
nまで、mを1からnまで求めればマトリクスを作るこ
とができる。光強度Pj に含まれる迷光量の総和M
j は、 Mj =ΣMjm(mを1からnまで総和) となる。これを光強度Pj から差し引くことにより、迷
光成分が除かれた本来の光量Tj を得ることができる。
【0020】Tj =Pj −Mj なお、実測した各波長の光強度Pm がすでに迷光を含ん
でいるので、これに迷光成分比rjmを乗ずるのは論理的
に矛盾であるようにも感じられるが、通常用いられる分
光光度計では、迷光の影響は入射光に比べて2桁も3桁
も少ないのでこのような心配はない。このようにして、
迷光の影響を除いた光強度を得ることができる。
【0021】以上の解析では、フォトダイオードアレイ
14のj番目の素子に入射する光の強度Pj の中には、
λj 以外の波長λm ( j≠m)の入射光が入っているも
のとし、それを迷光成分として、その合計和を求め、強
度Pj から減算して迷光の影響を除いた。このことを裏
返して見れば、波長λm としてスリット11に入ってく
る光がすべてm番目の素子に入射するとは限らず、他の
素子にも分散されるということを前提としている。した
がって、m番目の素子に入射する光の強度Pm は、波長
λ m としてスリット11に入ってきた光の強度よりも、
分散された分だけ低くなっているはずである。求めたい
のは、波長λm としてスリット11に入ってきた光の強
度であるから、測定された光の強度Pm に、分散された
光の強度の合計和を足す必要がある。
【0022】分散された光の強度の合計和は、 Qm =ΣMjm(jを1からnまで総和) である。したがって、m番目の素子に入射する光の強度
m に、Qm を加えたものを、Pm に代えて採用するこ
とができる。 <第2の実施形態>以上の解析では、基準分光器3の出
力光の可変波長λk の数は、フォトダイオードアレイ1
4の素子数と同じとしていた。しかし、現実には、波長
ごとの光を出す基準光出力手段の出力光が離散的であっ
て、λk の数を多く望めない場合もある。例えば、基準
分光器3に代えて、複数の半導体レーザや複数の発光ダ
イオードの組合わせを使用したときや、迷光を補正する
時間が限られていて全波長を使った測定ができないとき
である。
【0023】そこで、光i( λk ) が飛び飛びの波長で
入射する場合を考える。その波長間隔をΔλとし、Δλ
をフォトダイオードアレイ14の素子数に換算した数を
N個とする。図2(a) は、飛び飛びの波長で入射する光
i( λk ) ,i( λk+N ) ,‥‥を表している。図2
(b) は、波長λk の光i( λk ) を入射させた場合の、
フォトダイオードアレイ14の各素子が受光した光の信
号強度を表している。図2(c)では、波長λk+N の光i
( λk+N ) を入射させた場合の、フォトダイオードアレ
イ14の各素子が受光した光の信号強度を表している。
【0024】波長λk と波長λk+N の間の波長λk+1
λk+2 ,λk+3 ,‥‥,λk+N-1 については光が入射し
ないので、これらの光が入射したと想像した場合の、フ
ォトダイオードアレイ14の各素子が受光する光の信号
強度を得る必要がある。そこで、この信号を補間演算に
よって得る方法を解説する。図2(d) は、波長λk+1
光が入射したと仮定した場合の、フォトダイオードアレ
イ14の各素子が受光するであろう光の信号強度を破線
で表している。いま、フォトダイオードアレイ14の波
長λk+n ( n=1,2,‥‥,N-1) に相当する素子に注目し、
この素子が受光するであろう光の信号強度を計算によっ
て求めることを考える。
【0025】波長λk の光が入射した場合の、フォトダ
イオードアレイ14の波長λk+n に相当する素子の受光
信号強度をIk (λk+n )とし、波長λk+N の光が入射
した場合のフォトダイオードアレイ14の波長λk+n
相当する素子の受光信号強度をIk+N (λk+n )とす
る。これらのIk (λk+n )とIk+N (λk+n )は測定
可能な数値である。波長λk+1 の光が入射した場合のフ
ォトダイオードアレイ14の波長λk+n に相当する素子
が受光する光の信号強度Ik+1 (λk+n )を、I k (λ
k+n )とIk+N (λk+n )との加重平均を使って求め
る。
【0026】Ik+1 (λk+n )=〔(N−1)Ik (λ
k+n )+Ik+N (λk+n )〕/N 以上のようにして、波長λk+1 の光が入射したと仮定し
た場合の、フォトダイオードアレイ14の各素子が受光
する光の信号強度を求めたが、波長λk+2 ,λ k+3 ,‥
‥,λk+s の光が入射したと仮定した場合の、フォトダ
イオードアレイ14の各素子が受光する光の信号強度I
k+2 (λk+n ),Ik+3 (λk+n ),‥‥,Ik+s (λ
k+n )も同様に求めることができる。 Ik+2 (λk+n )=〔(N−2)Ik (λk+n )+2Ik+N (λk+n )〕/N Ik+3 (λk+n )=〔(N−3)Ik (λk+n )+3Ik+N (λk+n )〕/N ‥‥ Ik+s (λk+n )=〔(N−s)Ik (λk+n )+sIk+N (λk+n )〕/N 以上の式において、sはNよりも小さくても大きくても
よい。sがNよりも小さい場合は内挿補間となり、sが
Nよりも大きな場合は、外挿補間(延長補間)となる。
【0027】したがって、以上の式を用いて、波長λk
から波長λk+N までの範囲内の波長のみならず、波長λ
k から波長λk+N までの範囲から外れた波長について
も、これらの光が入射したと想像した場合の、フォトダ
イオードアレイ14の各素子が受光する光の信号強度を
得ることができる。なお、補間の方法としては、前記の
ように1次式で補間する他に、2 次補間(データは3点
必要)、3 次補間、対数補間、指数補間などの方法があ
る。
【0028】このように飛び飛びの波長で光が入射して
も、補間により、入射しない波長の光に対するフォトダ
イオードアレイ14の各素子の出力光強度を推定するこ
とができる。したがって、前に説明したのと同様の手法
を用いて、迷光成分比rjkを求め、総和をとることによ
り、フォトダイオードアレイ14のk番目の素子に入射
する迷光成分Mk を求めることができる。
【0029】本発明は、前記の実施形態に限定されるも
のではなく、発明の範囲内で種々の変更を施すことが可
能である。
【0030】
【実施例】光源にI2 ランプ、基準分光器に大塚電子株
式会社製MCPD-110を使って、同分光光度計MCPD-2000/28
の内部に発生する迷光を測定した。分光光度計MCPD-200
0/28のフォトダイオードアレイは、波長範囲220〜8
00nm、受光素子数480個のものである。
【0031】基準分光器から、300〜750nmの範
囲、50nm間隔で単色光を入射させ、入射波長強度に
対する他の波長強度の迷光成分比rjkを求めた。基準分
光器から入射されなかった波長の光に対応する迷光成分
比rjkについては、300〜750nmの範囲内につい
ては、内挿補間の方法により、220〜300nmの範
囲及び750〜800nmの範囲については外挿補間の
方法により求めた。
【0032】迷光成分比rjkについて総和をとることに
より、分光光度計の中に発生する迷光スペクトルの比率
Mを求めた。一方、従来の迷光測定方法としてシャープ
カットフィルタ(L42)と防塵フィルタ(HA30)
を用いて、220nmから340nmの波長について迷
光補正を行った。すなわち、340nm以上の光が本来
受光強度0の波長領域220nm−340nmに回り込
んでいる状態で実験した。
【0033】その結果、迷光補正する前の出力は約10
-4の値であったが、迷光補正後はその1/4に低減し
た。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明の迷光補正方法によ
れば、ある波長に対応する受光素子について各波長から
の迷光成分の和をとることにより当該波長の迷光成分を
求めることができる。このようにして求めた迷光成分
は、受光器の全受光素子に対応する波長の光からの寄与
を受けたものとなっている。したがって、サンプル光受
光信号強度から前記迷光成分を差し引くことにより、当
該波長において迷光の影響が除かれた正確な受光信号強
度を得ることができ、分光光度計による測定の直線性の
向上を図ることができる。
【0035】また、迷光の影響を、当該分光光度計の装
置定数として見積もることができるので、実際の試料を
替えるたびに迷光の測定をする必要がなくなり、測定時
間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の迷光補正方法を実施する装置の構成を
示すブロック図である。
【図2】基準分光器3から飛び飛びの波長で光を入射さ
せた場合の、受光信号強度を示すグラフであり、図2
(a) は、基準分光器3から飛び飛びの波長で入射する光
i( λk ) ,i( λk+N ) ,‥‥を表している。図2
(b) は、波長λk の光i( λ k ) を入射させた場合の、
フォトダイオードアレイ14の各素子が受光する光の信
号強度を表している。図2(c) では、波長λk+N の光i
( λk+N ) を入射させた場合の、フォトダイオードアレ
イ14の各素子が受光する光の信号強度を表している。
図2(d) は、波長λk+1 の光が入射したと仮定した場合
の、フォトダイオードアレイ14の各素子が受光するで
あろう光の信号強度を破線で表している。
【符号の説明】
1 分光光度計 2 光源 3 基準分光器 11 スリット 12 平面鏡 13 凹面回折格子 14 フォトダイオードアレイ 15 迷光補正処理部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分散光学系から導かれた光を多数の受光素
    子を有する受光器によって測定する分光光度計に生じる
    迷光を補正する方法であって、 (a) 受光器の全受光素子に対応する波長について各波長
    ごとの光を出す基準光出力手段を用意し、 (b) 一波長を選択して基準光出力手段から当該波長の光
    を分光光度計に入射させて受光器の各受光素子によって
    測定し、 (c) 各受光素子で測定した受光信号強度と、当該波長に
    対応する受光素子によって測定した受光信号強度との比
    をとることにより、各受光素子に現れた当該波長からの
    迷光成分比を求め、 (d) 選択する入射光の波長を変えて、前記(c) の手順を
    繰り返し、 (e) サンプル光を受光し、ある波長に対応する受光素子
    の受光信号強度に前記迷光成分比を乗じて各受光素子に
    現れる当該波長からの迷光成分を求め、 (f) 他の波長に対応する受光素子の受光信号強度につい
    ても、前記(e) の手順を繰り返し、 (g) ある波長に対応する受光素子について各波長からの
    迷光成分の和をとることにより当該波長の迷光成分を求
    め、当該波長において迷光の影響が除かれた受光信号強
    度を得ることを特徴とする迷光補正方法。
  2. 【請求項2】前記(a) から(g) までの手順の後に、 (h) 他の波長に対応する受光素子についても、前記(g)
    の手順を繰り返して各波長の迷光成分を求め、迷光の影
    響が除かれたスペクトルを得ることを特徴とする請求項
    1記載の迷光補正方法。
  3. 【請求項3】前記(a) の手順において、基準光出力手段
    は、受光器の一部のみの受光素子に対応する波長の光を
    出すものであり、 前記(b) の手順において、基準光出力手段から出力され
    なかった波長の光に対応する受光信号強度を、基準光出
    力手段から出力された波長の光に対応する受光信号強度
    を使って補間により求めることを特徴とする請求項1又
    は2記載の迷光補正方法。
JP18523697A 1997-07-10 1997-07-10 迷光補正方法 Pending JPH1130552A (ja)

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