JPH11305460A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH11305460A
JPH11305460A JP12815798A JP12815798A JPH11305460A JP H11305460 A JPH11305460 A JP H11305460A JP 12815798 A JP12815798 A JP 12815798A JP 12815798 A JP12815798 A JP 12815798A JP H11305460 A JPH11305460 A JP H11305460A
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JP
Japan
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phthalocyanine
dihydroxysilicon
electrophotographic photoreceptor
synthesis example
dihydroxysilicon phthalocyanine
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP12815798A
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English (en)
Inventor
Toyoji Ohashi
豊史 大橋
Junko Watabe
純子 渡部
Kazutaka Ida
和孝 井田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH11305460A publication Critical patent/JPH11305460A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】帯電性、感度、暗減衰、残留電位、環境特性、
繰り返し特性などが良好で且つバランスのとれた電子写
真感光体を提供する。 【解決手段】導電性支持体上に感光層を形成して成る電
子写真感光体において、電荷発生材料としてジヒドロキ
シシリコンフタロシアニン化合物を使用し、電荷輸送材
料としてブタジエン骨格を有する化合物を使用して成
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体に
関するものであり、詳しくは、可視領域から近赤外の波
長領域に至るまで高い感度と優れた特性を有する電子写
真感光体に関するものである。以下、電子写真感光体を
感光体と略記する。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザー光を光源とし、高速化、
高画質、ノンインパクト化をメリットとしたレーザープ
リンターが広く普及するに至り、その要求に耐え得る感
光体の開発が盛んである。特に、半導体レーザーを光源
とする方式が主流であり、その光源波長である780nm
前後の長波長光に対して高感度な特性を有する感光体が
強く望まれている。
【0003】上記の様な状況の中、フタロシアニン化合
物については、(1)比較的容易に合成できること、
(2)600nm以上の長波長域に吸収ピークを有するこ
と、(3)中心金属や結晶形により分光感度が変化し、
半導体レーザーの波長域で高感度を示す化合物が幾つか
発表されていることから、精力的に研究開発が行われて
いる。
【0004】フタロシアニン化合物、例えば、銅フタロ
シアニンの場合、安定系のβ形以外にα、γ、ε、π、
χ、τ、ρ、δ等の結晶形が知られており、これらの結
晶形は、機械的歪力、硫酸処理、有機溶剤処理、加熱処
理などにより相互に転移可能である(有機エレクトロニ
クス材料シリーズ6「フタロシアニン」参照)。そし
て、フタロシアニン化合物の吸収スペクトルや光導電性
は、中心金属の種類のみならず、上記の様な結晶形によ
っても異なり、同じ中心金属を持つフタロシアニン化合
物であっても結晶形の相違により光導電性が異なる。
【0005】ところで、特開昭50−38543号公報
には、銅フタロシアニンの結晶形と電子写真特性に関
し、α、β、γ、ε形の比較ではε形が最も高い感度を
示すことが記載されている。一方、ヒドロキシメタルフ
タロシアニンに関しては、ジヒドロキシゲルマニウムフ
タロシアニン、ジヒドロキシスズフタロシアニン又はジ
ヒドロキシシリコンフタロシアニンを使用した感光体が
米国特許第4,557,989号明細書に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案された感光体は、電子写真特性において必ずしも十分
とは言えない。本発明は、斯かる実情に鑑みなされたも
のであり、その目的は、帯電性、感度、暗減衰、残留電
位、環境特性、繰り返し特性などが良好で且つバランス
のとれた感光体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を
重ねた結果、電荷発生材料および電荷輸送材料として特
定の化合物を組合せて使用するならば上記の目的を容易
に達成し得るとの知見を得、本発明を完成させるに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、導電性支持体
上に感光層を形成して成る電子写真感光体において、電
荷発生材料としてジヒドロキシシリコンフタロシアニン
化合物を使用し、電荷輸送材料としてブタジエン骨格を
有する化合物を使用して成ることを特徴とする電子写真
感光体に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明の感光体における電荷発生材料(ジヒドロ
キシシリコンフタロシアニン化合物)及び電荷輸送材料
(ブタジエン骨格を有する化合物)について説明する。
【0010】本発明で使用するジヒドロキシシリコンフ
タロシアニン化合物の基本構造は、次の一般式(I)で
表される。
【0011】
【化1】
【0012】上記のジヒドロキシシリコンフタロシアニ
ン化合物には、アルキル、アルコキシ、ハロゲン原子置
換基体が含有されてもよい。好ましいジヒドロキシシリ
コンフタロシアニン化合物としては、単斜晶形で且つ格
子定数a=12.8±1Å、b=14.5±1Å、c=6.8±1Å、
β=94.4±1゜を有するジヒドロキシシリコンフタロシ
アニン化合物、または、X線回折スペクトルにおいて、
図1に示す様に、ブラッグ角2θ(±0.3゜)9.2、14.1、
15.3、19.7、27.1゜にピークを有するジヒドロキシシリ
コンフタロシアニン化合物が挙げられる。なお、例え
ば、12.2、23.1、23.4゜にもピークを有するが、製造条
件や結晶配向性の違い及びX線回折スペクトルの測定手
法などでピーク強度の割合や位置などは多少変動するこ
とがある。
【0013】上記の格子定数は、下記の条件でX線回折
スペクトルを測定し、伊藤らの方法(Nature,164,755
(1949), "X-ray Studieson Polymorphism", Maru
zen,Tokyo,187)に準じて求めた値である。
【0014】
【表1】 X線 Cu Kα1 電圧 50KV 電流 250mA スタート角度 5.00deg ストップ角度 60.00deg ステップ角度 0.01deg 測定時間 10.00sec/step スリット DS 1deg, SS 1deg, RS 0.15mm
【0015】また、上記のX線回折スペクトルは下記の
条件で測定したものである。
【0016】
【表2】X線 Cu Kα1 電圧 40KV 電流 30mA スタート角度 3.00deg ストップ角度 40.00deg ステップ角度 0.05deg 測定時間 0.50sec/step スリット DS 1deg, SS 1deg, RS 0.5mm
【0017】上記の新規結晶型ジヒドロキシシリコンフ
タロシアニン化合物は、例えば次の(1)又は(2)の
方法で製造することが出来る。
【0018】(1)先ず、1、3−ジイミノイソインドリ
ン又はフタロジニトリルと四塩化ケイ素を溶媒中で加熱
した後、反応生成物をろ過、洗浄、精製し、ジクロロシ
リコンフタロシアニン化合物を得る。次いで、N-メチル
ピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボ
ネート、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の極性
溶剤中で加熱することにより加水分解させてジヒドロキ
シシリコンフタロシアニン化合物を得る。
【0019】(2)先ず、ジクロロシリコンフタロシア
ニン化合物をアルコール存在下で処理し、ジアルコキシ
シリコンフタロシアニン化合物を得る。次いで、上記と
同様に極性溶剤で加熱することにより、ジヒドロキシシ
リコンフタロシアニン化合物を得る。
【0020】一方、本発明で使用するブタジエン骨格を
有する化合物としては、例えば後述の化学式(1)〜
(21)で表される化合物が挙げられる。
【0021】本発明の感光体は、導電性支持体上に感光
層を形成して成り、そして、感光層中に電荷発生材料
(ジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物)と電荷
輸送材料(ブタジエン骨格を有する化合物)とを含有す
る。感光層は、通常、積層型として構成されるが一層
(単層)型であってもよい。
【0022】積層型感光層は、電荷発生層と電荷輸送層
とを任意の順序で積層して構成される。そして、電荷発
生層は、蒸着法または電荷発生材料とバインダーとの分
散液による塗布法によって形成され、電荷輸送層は、有
機溶剤液からのキャスト法または上記の様な塗布法によ
って形成される。一方、一層型感光層は、電荷発生材料
と電荷輸送材料とバインダとの分散液による塗布法によ
って形成される。そして、本発明の感光体は、接着層、
ブロッキング層などの中間層の他、電気特性や機械特性
の改良のための保護層などを有していてもよい。
【0023】導電性支持体としては、例えば、アルミニ
ウム、銅、ニッケル等の金属ドラムやシート、これら金
属箔のラミネート物や蒸着物が挙げられる。更に、導電
物質(金属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅、高分子
電解質など)を適当なバインダーと共に塗布することに
より導電処理したプラスティックフィルム、プラスティ
ックドラム、紙などの他、導電性物質を含有することに
より導電性となったプラスティックシートやドラム、導
電性金属酸化物(酸化スズ、酸化インジウム等)の層を
表面に有するプラスティックフィルムが挙げられる。
【0024】ブロッキング層は、導電性支持体の表面に
形成され、導電性支持体からの不必要な電荷の注入阻止
に有効である。また、ブロッキング層は、感光層の帯電
を高める作用の他、感光層と導電性支持体との密着性を
高める作用もある。
【0025】ブロッキング層の構成材料としては、アル
ミニウム陽極酸化皮膜、酸化アルミニウム、水酸化アル
ミニウム、酸化チタン、表面処理酸化チタン等の無機
物、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デ
ンプン類、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等の
有機層、その他、有機ジルコニウム化合物、チタニウム
キレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機
チタニウム化合物、シランカップリング剤などが挙げら
れる。ブロッキング層の膜厚は、通常0.1〜20mm、
好ましくは0.1〜10mmの範囲である。
【0026】積層型感光層の場合、塗布法によって形成
される電荷発生層は、電荷発生材料とバインダーの他、
必要に応じ、有機光導電性化合物、色素、電子吸引性化
合物を含有する。
【0027】有機光導電性化合物としては、例えば、ジ
アルコキシシリコンフタロシアニン、チタニルフタロシ
アニン、ガリウムフタロシアニン、インジウムフタロシ
アニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系化
合物、アゾ化合物、アントラキノン系化合物、ペリレン
系化合物、多環キノン系化合物、スクアリック酸メチン
系化合物などが挙げられる。
【0028】バインダー(結着樹脂)としては、例え
ば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アク
リルアミド、アクリロニトリル、ビニルアルコール、エ
チルビニルエーテル、ビニルピリジン等のビニル化合物
の重合体および共重合体、フェノキシ樹脂、ポリスルホ
ン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラ
ール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステ
ル樹脂、セルロースエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ
素樹脂、アルキッド樹脂、ポリアリレート樹脂などが挙
げられる。
【0029】電荷発生層用の塗布液は、バインダー溶液
に電荷発生材料を分散(一部溶解してもよい)させて調
製される。有機溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル等の
エーテル類、アセトン、メチエチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハ
ロゲン化芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン等
のハロゲン化脂肪族炭化水素、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等のアルコール類、酢酸メチル、
酢酸エチル等のエステル類、N,N-ジメチルホルムアミ
ド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチル
スルホキシド等のスルホキシド類などが挙げられる。
【0030】バインダーの使用割合は、電荷発生材料1
00重量部に対し、通常1〜1000重量部、好ましく
は10〜400重量部の範囲である。分散方法として
は、例えば、ボールミル、サンドグラインドミル、遊星
ミル、ロールミル、ペイントシェーカー等による方法が
挙げられる。
【0031】塗布方法としては、ディップコーティング
法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング
法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング
法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング
法、カーテンコーティング法、リングコーティング法な
どが挙げられる。
【0032】塗布後の乾燥は、例えば、25〜250℃
の温度で5分〜3時間の範囲で静止または送風下で行う
ことが出来る。また、形成される電荷発生層の膜厚は、
通常0.1〜5mmの範囲が適当である。
【0033】積層型感光層の電荷輸送層は、電荷輸送材
料とバインダーの他、必要に応じ、酸化防止剤などの添
加物を含有する。バインダーとしては、前記と同様の絶
縁性樹脂が使用できる。バインダーの使用割合は、電荷
輸送材料100重量部に対し、通常20〜3000重量
部、好ましくは50〜1000重量部の範囲である。電
荷輸送層は、前記と同様の有機溶剤によって調製した塗
布液を塗布・乾燥することによって形成され、その膜厚
は通常5〜50mmの範囲が適当である。
【0034】単層型感光層の感光層は、電荷発生材料と
電荷輸送材料とバインダーとを含有する。ジヒドロキシ
シリコンフタロシアニン化合物以外の電荷発生物質を併
用してもよい。バインダーとしては、前記と同様の絶縁
性樹脂が使用できる。また、必要に応じ、酸化防止剤や
増感剤などの各種添加物を含有してしてもよい。
【0035】バインダーの使用割合は、電荷発生材料お
よび電荷輸送材料10重量部に対し、通常2〜300重
量部、電荷輸送材料の使用割合は、電荷発生材料1重量
部に対し、通常0.01〜100重量部の範囲が適当で
ある。単層型感光層は、前記と同様の有機溶剤によって
調製した塗布液を塗布・乾燥することによって形成され
る。
【0036】
【化2】
【0037】
【化3】
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】
【化6】
【0041】
【化7】
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0043】合成例1(ジクロロシリコンフタロシアニ
ンの合成) 1,3−ジイミノイソインドリン43.5g及び四塩化
ケイ素73.5gをキノリン500ml中に添加し、窒素
雰囲気下、210〜220℃で1時間反応させた。生成
物を180℃で熱ろ過し、キノリン、アセトンの順で洗
浄した。次いで、アセトン300ml中で加熱環流した
後、結晶をろ別し、乾燥してジクロロシリコンフタロシ
アニン38.7gを得た。
【0044】構造解析は、マススペクトル(ネガティブ
測定)、IR(KBr法)、元素分析で行った。図2にジ
クロロシリコンフタロシアニンのマススペクトルを、図
3にIRスペクトルを示す。マススペクトルではm/z:
610にジクロロシリコンフタロシアニンのピークが確認
された。m/z:575は塩素原子が一つ外れたフラグメン
トピークである。
【0045】IRスペクトルでは、1533、1079、1060cm
-1にジクロロシリコンフタロシアニン特有の吸収が見ら
れた(E.Cilibertoetal.,J.Am.Chem.Soc.,106,7748(19
84)参照)。以下に元素分析の結果を示すが、計算値と
略一致している。構造解析の結果、合成物はジクロロシ
リコンフタロシアニンと確認された。
【0046】
【表3】 C(%) H(%) N(%) Si(%) Cl(%) 実測値 62.65 2.58 18.12 4.48 12.21 計算値 62.85 2.62 18.33 4.58 11.62
【0047】図4に上記のジクロロシリコンフタロシア
ニンのX線回折スペクトルを示す。2θ=10.7、12.3、1
5.5、17.6、19.9、24.6、26.8、27.6゜にそれぞれピー
クを有する。
【0048】合成例2(ジメトキシシリコンフタロシア
ニンの合成) 合成例1で合成したジクロロシリコンフタロシアニン1
0gをナトリウムメトキシド1.86g、メタノール1
00ml、ピリジン100mlの混合液に添加し、環流下で
3時間反応させた。生成物を熱ろ過し、メタノール、
水、アセトンの順で洗浄した。次いで、水100ml中で
洗浄を数回繰り返した後、中性を確認し、結晶をろ別、
乾燥してジメトキシシリコンフタロシアニン9.7gを
得た。
【0049】構造解析は、合成例1と同様に行った。図
5にジメトキシシリコンフタロシアニンのマススペクト
ルを示す。マススペクトルではm/z:602にジメトキシ
シリコンフタロシアニンのピークが確認された。m/z:
571はメトキシ基が一つ外れたフラグメントピークであ
る。以下に元素分析の結果を示すが、計算値と略一致し
ている。構造解析の結果、合成物はジメトキシシリコン
フタロシアニンと確認された。
【0050】
【表4】 C(%) H(%) N(%) Si(%) 実測値 68.02 3.72 18.71 4.70 計算値 67.78 3.65 18.60 4.65
【0051】図6に上記のジメトキシシリコンフタロシ
アニンのX線回折スペクトルを示す。2θ=8.1、12.2、
13.0、17.0、18.7、23.3、26.0、27.8、30.4゜にそれぞ
れピークを有する。
【0052】合成例3(ジヒドロキシシリコンフタロシ
アニンの合成) 合成例1で合成したジクロロシリコンフタロシアニン1
0gを水5gとN−メチルピロリドン95g(95%NMP
水溶液)に添加し、130℃で8時間反応させた。生成
物を熱ろ過し、NMP、アセトンの順で洗浄した。次い
で、アセトン50ml中で室温撹拌した後、結晶をろ別
し、乾燥してジヒドロキシシリコンフタロシアニン8.
4gを得た。
【0053】構造解析は合成例1と同様に行った。図7
にジヒドロキシシリコンフタロシアニンのマススペクト
ルを示し、図8にIRスペクトルを示す。マススペクト
ルではm/z:574にジヒドロキシシリコンフタロシアニ
ンのピークが確認された。m/z:557は水酸基が一つ外
れたフラグメントピークである。IRスペクトルでは15
19、1066、839cm-1にジヒドロキシシリコンフタロシア
ニン特有の吸収が見られた(上記論文参照)。以下に元
素分析の結果を示すが、計算値と略一致している。構造
解析の結果、合成物はジヒドロキシシリコンフタロシア
ニンと確認された。
【0054】
【表5】 C(%) H(%) N(%) Si(%) Cl(%) 実測値 62.70 3.10 19.10 4.94 0.03 計算値 66.89 3.16 19.50 4.89 0
【0055】上記のジヒドロキシシリコンフタロシアニ
ンの構造解析を伊藤の方法に準じて行った結果、単斜晶
形で且つ格子定数a=12.78Å、b=14.61Å、c=6.79
Å、β=94.4゜であり、また、X線回折スペクトル(図
1)では、2θに主たるピーク9.2゜を有し、その他、1
2.2、14.0、15.3、19.7、23.4、27.1゜にそれぞれピー
クを有するジヒドロキシシリコンフタロシアニンであっ
た。
【0056】合成例4(ジヒドロキシシリコンフタロシ
アニンの合成) 合成例2で合成したジメトキシシリコンフタロシアニン
10gをN−メチルピロリドン200gに添加し、15
0℃で2時間反応させた。生成物を熱ろ過し、更に、同
様な処理を2回繰り返し、生成物を熱ろ過し、NMP、アセ
トンの順で洗浄した。次いで、アセトン100ml中で室
温撹拌した後、結晶をろ別し、乾燥してジヒドロキシシ
リコンフタロシアニン8.0gを得た。マススペクトル
(ネガティブ測定)とIR(KBr法)で構造解析を行っ
た結果、合成例3と同様のスペクトルが得られ、ジヒド
ロキシシリコンフタロシアニンと確認された。以下に元
素分析の結果を示すが、計算値と略一致している。
【0057】
【表6】 C(%) H(%) N(%) Si(%) 実測値 62.70 3.10 19.10 4.94 計算値 66.89 3.16 19.50 4.89
【0058】上記のジヒドロキシシリコンフタロシアニ
ンの構造解析を伊藤の方法に準じて行った結果、単斜晶
形で、格子定数a=12.82Å、b=14.63Å、c=6.79
Å、β=94.4゜であり、また、X線回折スペクトル(図
9)では、2θに主たるピーク9.2゜を有し、その他、1
2.2、14.0、15.3、19.7、23.4、27.1゜にそれぞれピー
クを有するジヒドロキシシリコンフタロシアニンであっ
た。
【0059】合成例5(ジヒドロキシシリコンフタロシ
アニンの合成) 合成例2で合成したジメトキシシリコンフタロシアニン
10gを水5gとN−メチルピロリドン95g(95%NMP
水溶液)に添加し、148℃で3時間反応させた。生成
物を熱ろ過し、NMP、アセトンの順で洗浄した。次い
で、アセトン100ml中で室温撹拌した後、結晶をろ別
し、乾燥してジヒドロキシシリコンフタロシアニン8.
0gを得た。
【0060】マススペクトル(ネガティブ測定)、IR
(KBr法)で構造解析を行った結果、合成例3と同様の
スペクトルが得られ、ジヒドロキシシリコンフタロシア
ニンと確認された。得られたジヒドロキシシリコンフタ
ロシアニンの構造解析を伊藤の方法に準じて行った結
果、単斜晶形で且つ格子定数a=12.79Å、b=14.61
Å、c=6.79Å、β=94.4゜であり、また、X線回折ス
ペクトル(図10)では、2θに主たるピーク9.2゜を有
し、その他、12.2、14.0、15.3、19.7、23.4、27.1゜に
それぞれピークを有するジヒドロキシシリコンフタロシ
アニンであった。
【0061】合成例6(ジヒドロキシシリコンフタロシ
アニンの合成) 合成例1で合成したジクロロシリコンフタロシアニン
4.4gをNaOH1.1g、水100ml、ピリジン26m
lの混合液に添加し、環流加熱で1時間反応させた。生
成物を熱ろ過し、ピリジン、アセトン、水の順で洗浄し
た。次いで、水50ml中で室温撹拌を数回繰り返した
後、中性を確認し、結晶をろ別、乾燥してジヒドロキシ
シリコンフタロシアニン3.2gを得た。
【0062】マススペクトル(ネガティブ測定)とIR
(KBr法)で構造解析を行った結果、マススペクトルで
はm/z:574にジヒドロキシシリコンフタロシアニンの
ピークが確認され、IRスペクトルでは、図11に示す
様に、1519、1070、829cm-1にジヒドロキシシリコンフ
タロシアニン特有の吸収が見られ、ジヒドロキシシリコ
ンフタロシアニンと確認された。しかし、本合成例で得
られたジヒドロキシシリコンフタロシアニンは、合成例
3〜5で得られたジヒドロキシシリコンフタロシアニン
(1066、838cm-1に吸収がある)と比較し、吸収がシフ
トしていることから結晶形に違いがある。図12に本合
成例で得られたジヒドロキシシリコンフタロシアニンの
X線回折スペクトルを示す。2θ=7.1、9.3、12.8、15.
8、17.2、25.6、26.9゜にそれぞれピークを有するジヒ
ドロキシシリコンフタロシアニンであった。
【0063】実施例1 合成例3で製造した0.4gのジヒドロキシシリコンフ
タロシアニンを30gの4−メトキシ−4−メチルペンタ
ノン−2と共にサンドグラインドミルで6時間粉砕、微
粒子化分散処理を行った。次に、ポリビニルブチラール
(電気化学工業(株)製、デンカブチラール#6000C)
0.1gとフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド(株)
製、UCAR)0.1gの4−メトキシ−4−メチルペンタノ
ン−2溶液(10%)と混合して分散液を調製した。こ
の分散液をアルミニウム蒸着されたポリエステルフィル
ム上にバーコータにより塗布して乾燥し電荷発生層(乾
燥後の膜厚0.4mm)を設けた。次に、この電荷発生層
の上に、下記に示すブタジエン化合物(a)7.0g及
びポリカーボネート樹脂10gをTHF62gに溶解させ
た溶液をアプリケーターにより塗布して乾燥し電荷輸送
層(乾燥後の膜厚20mm)を設けた。
【0064】実施例2〜5及び比較例1〜2 下記の表7に記載の電荷発生材料および次のブタジエン
化合物(a)、(b)又はβ−TiOPcを使用した以
外は、実施例1と同様に感光体を作成した。
【0065】
【化8】
【0066】
【表7】
【0067】次いで、静電複写紙試験装置(川口電気製
作所製「モデルEPA-8100」)を使用し、上記の各感光体
の初期電気特性(帯電電位、暗減衰、半減露光量感度、
残留電位)を評価した。評価法としては、暗所でコロナ
電流が22mAになる様に設定した印加電圧のコロナ放電
により感光体を負帯電させ(この際の表面電位を帯電電
位とする)、2.4秒後に780nmの単色光(1.0mW
/cm2)を10秒間連続的に露光して表面電位の減衰を
測定した(露光10秒後の表面電位を残留電位とす
る)。暗減衰は帯電1秒後に低下した電位とし、半減露
光量感度は表面電位が−450Vから−225Vに減少す
るのに要した露光量(E1/2)で求めた。結果を表8に示
す。
【0068】
【表8】
【0069】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、特に感度
特性および電荷保持性に優れた電子写真感光体が提供さ
れ、本発明の電子写真感光体は、プリンター、ファクシ
ミリ、複写機に有効に好適に使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例3で得られたジヒドロキシシリコンフタ
ロシアニン化合物のX線回折図
【図2】合成例1で得られたジクロロシリコンフタロシ
アニン化合物のマススペクトル図
【図3】合成例1で得られたジクロロシリコンフタロシ
アニン化合物のIRスペクトル図
【図4】合成例1で得られたジクロロシリコンフタロシ
アニン化合物のX線回折図
【図5】合成例2で得られたジメトキシシリコンフタロ
シアニン化合物のマススペクトル図
【図6】合成例2で得られたジメトキシシリコンフタロ
シアニン化合物のX線回折図
【図7】合成例3で得られたジヒドロキシシリコンフタ
ロシアニン化合物のマススペクトル図
【図8】合成例3で得られたジヒドロキシシリコンフタ
ロシアニン化合物のIRスペクトル図
【図9】合成例4で得られたジヒドロキシシリコンフタ
ロシアニン化合物のX線回折図
【図10】合成例5で得られたジヒドロキシシリコンフ
タロシアニン化合物のX線回折図
【図11】合成例6で得られたジヒドロキシシリコンフ
タロシアニン化合物のIRスペクトル図
【図12】合成例6で得られたジヒドロキシシリコンフ
タロシアニン化合物のX線回折図

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を形成して成る
    電子写真感光体において、電荷発生材料としてジヒドロ
    キシシリコンフタロシアニン化合物を使用し、電荷輸送
    材料としてブタジエン骨格を有する化合物を使用して成
    ることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 電荷発生材料として、単斜晶形で且つ格
    子定数a=12.8±1Å、b=14.5±1Å、c=6.8±1Å、
    β=94.4±1゜を有するジヒドロキシシリコンフタロシ
    アニン化合物を使用する請求項1に記載の電子写真感光
    体。
  3. 【請求項3】 電荷発生材料として、X線回折スペクト
    ルにおいて、ブラッグ角2θ(±0.3゜)9.2、14.1、15.
    3、19.7、27.1゜にピークを有するジヒドロキシシリコ
    ンフタロシアニン化合物を使用する請求項1に記載の電
    子写真感光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002023395A (ja) * 2000-07-11 2002-01-23 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体

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JP2002023395A (ja) * 2000-07-11 2002-01-23 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体

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