JPH11305065A - 光ファイバの融着接続方法 - Google Patents

光ファイバの融着接続方法

Info

Publication number
JPH11305065A
JPH11305065A JP13143798A JP13143798A JPH11305065A JP H11305065 A JPH11305065 A JP H11305065A JP 13143798 A JP13143798 A JP 13143798A JP 13143798 A JP13143798 A JP 13143798A JP H11305065 A JPH11305065 A JP H11305065A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
optical fibers
straight line
connection end
discharge electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13143798A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Tanabe
明夫 田邉
Takaaki Uchida
隆章 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP13143798A priority Critical patent/JPH11305065A/ja
Publication of JPH11305065A publication Critical patent/JPH11305065A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Coupling Of Light Guides (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電電極を用いてモードフィールド径が互い
に異なる光ファイバ同士を低接続損失に融着接続する。 【解決手段】 第1の光ファイバ2の接続端面側と第2
の光ファイバ2の接続端面側とを対向配置し、第1、第
2の光ファイバ2の接続端面側に対の放電電極3から発
生する高電圧を加えて、高電圧によって第1、第2の光
ファイバ2の接続端面側を加熱溶融して接続する。第
1、第2の光ファイバのモードフィールド径が互いに異
なる場合に、例えば図2の(a)に示すように、放電電
極3の電極先端1間を結ぶ直線Bと第1、第2の光ファ
イバ2の接続端面軸心間を結ぶ直線Aとの成す角度を直
交させて融着接続した後、図2の(b)に示すように、
前記直線Bと前記直線Aとの成す角度θを直角とは異な
る角度になるようにして、直線Aと直線Bとを斜めに交
差させ、光ファイバ2の加熱領域を拡げて加熱して光フ
ァイバのコアドーパント拡散を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバを加熱
溶融して接続する光ファイバの融着接続方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】2本の光ファイバ(第1の光ファイバと
第2の光ファイバ)の先端(接続端面)を永久接合する方
法として、第1の光ファイバの接続端面側と第2の光フ
ァイバの接続端面側とを対向配置し、これら第1、第2
の光ファイバの接続端面側に対の放電電極から発生する
高電圧を加え、この高電圧によって第1、第2の光ファ
イバの接続端面側を加熱溶融して接続する光ファイバの
融着接続方法が一般に用いられている。前記放電電極
は、例えば円錐形状を呈した棒状の電極であり、その先
端は尖っている。
【0003】この光ファイバ融着接続方法において、第
1、第2の光ファイバの接続端面側を約0.1から約
0.3mmの狭い加熱領域で加熱して溶融させる狭域加
熱と、第1、第2の光ファイバの接続端面側を約0.3
mmよりも広い加熱領域で加熱して溶融させる広域加熱
とが目的に応じて使い分けられている。
【0004】狭域加熱は、例えば光ファイバのコアがク
ラッドに対して偏心している量、すなわち、コア偏心量
が大きい光ファイバの融着接続に用いられている。それ
というのは、コア偏心量が大きい光ファイバを接続する
場合に、互いのコア軸心を軸合わせするとクラッド軸心
のずれが発生するため、光ファイバは溶融したガラスの
表面張力によってクラッド軸心のずれが減少する方向に
移動してしまい、結果としてコア軸心のずれが生じてし
まうことになるが、ガラスの溶融部分の体積が増えると
クラッド移動量が増加するため、光ファイバの接続端面
側を狭い加熱領域で溶融させることにより、光ファイバ
の表面張力による移動量を小さくする必要があるからで
ある。
【0005】また、コア軸心を調心して光ファイバを調
心する場合は、非常に低い接続損失が要求されることが
多く、このような場合にも狭域加熱が用いられる。それ
というのは、光ファイバを加熱しているときにコアのド
ーパントがクラッドに溶け出して、局所的に光ファイバ
の屈折率構造が変化すると光損失が発生するが、この損
失を押さえるためにも接続される光ファイバの接続端面
近傍の狭い領域のみを加熱溶融することが好ましい。こ
の点については、特開昭57-40216号広報に述べ
られている。
【0006】一方、広域加熱は、例えば多心光ファイバ
の融着接続などに用いられている。多心光ファイバの融
着接続においては、個々の対向する光ファイバ同士をそ
れぞれコア調心して接続する装置は複雑で高価であるた
め、一般的には、例えば複数の各光ファイバを、光ファ
イバ固定台の表面側に通し加工された複数のV溝にそれ
ぞれ挿入し、このV溝によって第1の光ファイバ群と第
2の光ファイバ群とを調心するようにしている。そこ
で、V溝が多少ずれている場合でも、光ファイバの表面
張力によって対向する光ファイバ同士が位置合わせされ
るように、光ファイバの表面張力を積極的に利用するた
め、上記コア調心の場合とは逆に、光ファイバの接続端
面の広い範囲を加熱溶融して接続を行うのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、融着接続す
る第1の光ファイバと第2の光ファイバのモードフィー
ルド径が異なる場合、これら第1、第2の光ファイバを
融着接続すると、接続部での急激なモードフィールド径
変化のために光損失が生じる。この光損失を低減させる
方法として、接続部を再加熱してコアドーパントを拡散
させ、モードフィールド径の変化率を下げる方法が知ら
れているが、この加熱領域が狭いとその効果が低く、加
熱によるコアドーバントの拡散効果を十分に発揮できな
かった。
【0008】そこで、特開平8―82721号広報に記
載されているように、ガスバーナーで広い領域を加熱し
て、光ファイバの長手方向に緩やかにモードフィールド
径が変化するように加工する方法がとられることもある
が、この方法では、光ファイバの加熱手段として、ガス
バーナーを用いているために、制御信号として電気信号
を用いる放電電極と異なり、例えば温度上昇と温度下降
スピードが遅かったり、加熱温度を一定にするために行
われるガスと空気の混合比の制御や流量の制御を行う制
御が煩雑であったりして、光ファイバのコアドーバント
拡散を行うための光加熱制御が容易ではなかった。
【0009】本発明は、上記従来の課題を解決するため
になされたものであり、その目的は、例えばモードフィ
ールド径が互いに異なる光ファイバ同士を、対の放電電
極から発生する高電圧を用いて容易に、かつ、低接続損
失に融着接続することができる光ファイバの融着接続方
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のような構成をもって課題を解決するた
めの手段としている。すなわち、本第1の発明は、第1
の光ファイバの接続端面側と第2の光ファイバの接続端
面側とを対向配置し、該第1、第2の光ファイバの接続
端面側に対の放電電極から発生する高電圧を加え該高電
圧によって第1、第2の光ファイバの接続端面側を加熱
溶融して接続する光ファイバの融着接続方法であって、
前記放電電極先端間を結ぶ直線と前記第1、第2の光フ
ァイバの接続端面軸心間を結ぶ直線との成す角度が直角
とは異なる角度になるように放電電極と第1、第2の光
ファイバを配設して該放電電極から高電圧を発生させる
構成を持って課題を解決する手段としている。
【0011】また、本第2の発明は、上記本第1の発明
の構成に加え、前記第1の光ファイバと第2の光ファイ
バは互いにモードフィールド径が異なる光ファイバとす
る構成を持って課題を解決する手段としている。
【0012】さらに、本第3の発明は、上記本第1また
は第2の発明の構成に加え、前記放電電極先端間を結ぶ
直線と前記第1、第2の光ファイバの接続端面軸心間を
結ぶ直線との成す角度を可変することにより第1、第2
の光ファイバの接続端面側の加熱領域と加熱温度分布を
可変する構成を持って課題を解決する手段としている。
【0013】さらに、本第4の発明は、第1の光ファイ
バの接続端面側に該第1の光ファイバとは異なるモード
フィールド径の第2の光ファイバの接続端面側を対向配
置し、該第1、第2の光ファイバの接続端面側に対の放
電電極から発生する高電圧を加え該高電圧によって第
1、第2の光ファイバの接続端面側を加熱溶融して接続
する光ファイバの融着接続方法であって、前記放電電極
先端間を結ぶ直線と前記第1、第2の光ファイバの接続
端面軸心間を結ぶ直線とを略直交させて該放電電極から
の高電圧によって第1、第2の光ファイバの接続端面側
を約0.1から約0.3mmの狭い加熱領域で加熱して
融着接続した後、該放電電極先端間を結ぶ直線と前記第
1、第2の光ファイバの接続端面軸心間を結ぶ直線との
成す角度を直角とは異なる角度に変更することによって
第1、第2の光ファイバの接続端面側の加熱領域を広く
変更して放電電極からの高電圧による追加加熱を行う構
成を持って課題を解決する手段としている。
【0014】さらに、本第5の発明は、上記本第3の発
明の構成に加え、前記放電電極先端間を結ぶ直線と前記
第1、第2の光ファイバの接続端面軸心間を結ぶ直線と
の成す角度を直角とは異なる角度に設定することによっ
て第1、第2の光ファイバの接続端面側の加熱領域を約
0.3mmよりも広く設定して放電電極からの高電圧に
よる加熱を行う構成を持って課題を解決する手段として
いる。
【0015】さらに、本第6の発明は、第1、第2の光
ファイバの各コア径をそれぞれ測定し、該測定結果に基
づいて第1、第2の光ファイバの各モードフィールド径
をそれぞれ推定し、該推定結果に基づき第1の光ファイ
バのモードフィールド径と第2の光ファイバのモードフ
ィールド径との差が予め定められたモードフィールド径
差基準値よりも大きい時に上記本第4または第5の発明
の光ファイバの融着接続方法により第1の光ファイバと
第2の光ファイバの融着接続を行う構成を持って課題を
解決する手段としている。
【0016】さらに、本第7の発明は、第1、第2の光
ファイバの各コア径をそれぞれ測定し、該測定結果に基
づいて第1、第2の光ファイバの各モードフィールド径
をそれぞれ推定し、該推定結果に基づき第1の光ファイ
バのモードフィールド径と第2の光ファイバのモードフ
ィールド径との差が予め定められたモードフィールド径
差基準値よりも大きい時には第1、第2の光ファイバの
各コア位置とクラッド位置をそれぞれ測定し、該測定結
果に基づいて第1、第2の光ファイバのコア軸心が一致
するように第1の光ファイバと第2の光ファイバを調心
したときに生じる第1の光ファイバのクラッド軸心と第
2の光ファイバのクラッド軸心とのずれ量を推定し該推
定ずれ量が予め定められたずれ基準値よりも大きいとき
には上記本第4の発明の光ファイバの融着接続方法によ
り第1の光ファイバと第2の光ファイバの融着接続を行
い、前記推定ずれ量が前記ずれ基準値以下のときには上
記本第5の発明の光ファイバの融着接続方法により第1
の光ファイバと第2の光ファイバの融着接続を行う構成
を持って課題を解決する手段としている。
【0017】さらに、本第8の発明は、上記本第1乃至
第7の発明のいずれか1つの構成に加え、前記放電電極
は先端が尖った棒状の電極とし、対の放電電極の軸心は
互いに略一致させ、かつ、該放電電極の先端を放電電極
軸心から偏心させることにより該放電電極先端を結ぶ直
線と第1、第2の光ファイバの接続端面を結ぶ直線との
成す角度が直角とは異なる角度になるようにする構成を
持って課題を解決する手段としている。
【0018】上記構成の本発明において、例えば図2の
(b)に示されるように、放電電先端間を結ぶ直線Bと第
1、第2の光ファイバの接続端面軸心間を結ぶ直線Aと
の成す角度が直角とは異なる角度θとなるように、放電
電極と第1、第2の光ファイバを配設して放電電極から
高電圧を発生させるために、例えば同図の(a)に示すよ
うに、放電電先端間を結ぶ直線Bと第1、第2の光ファ
イバの接続端面軸心間を結ぶ直線Aとの成す角度が直角
となるように、放電電極と第1、第2の光ファイバを配
設して放電電極から高電圧を発生させるよりも光ファイ
バの広い領域を加熱することが可能となる。そのため、
例えばモードフィールド径が互いに異なる第1、第2の
光ファイバを融着接続する際に、光ファイバの加熱領域
を広くすることにより、光ファイバのコアドーバントを
光ファイバの長手方向に拡散させることが可能となり、
それにより、接続損失の低減化が図られ、上記課題が解
決される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1には、本発明に係る光ファイ
バの融着接続方法を用いる光ファイバ融着接続機の一例
が光ファイバ取り付け状態で示されている。なお、同図
の(a)には、その平面図が、同図の(b)には、その正面
図が、同図の(c)には、同図の(b)の中心線(A−A
線)において切断した断面図がそれぞれ示されている。
【0020】これらの図に示されるように、この光ファ
イバ融着接続機は、基台6に直動ガイド5を介して設け
られた2つの電極支持台4を有しており、電極支持台4
にはそれぞれ、第1、第2の光ファイバ2に高電圧を加
えて加熱する放電電極3が支持されて放電電極3は対を
成している。放電電極3は棒状の電極であり、電極先端
1側は先端が尖った円錐形状と成し、放電電極3の基端
側は円筒形状と成している。また、前記直動ガイド5
は、同図の(a),(c)に示されるように、第1、第2の
光ファイバ2に対して平行ではないように取り付けられ
ている。
【0021】前記電極支持台4には、ラックギア8が取
り付けられており、ラックギア8は、ピニオンギア7に
接続され、ピニオンギア7には、図示されていないモー
ター等の駆動手段が接続されている。ピニオンギア7は
前記モーターなどの駆動手段により、同図の(a)の矢印
sに示されるように回転するようになっており、この回
転により、前記ラックギア8がピニオンギア7と連動し
て作動し、電極支持台4および放電電極3は直動ガイド
5に沿って矢印tの方向に移動するようになっている。
【0022】次に、この光ファイバ融着接続機を用いた
光ファイバの融着接続方法の一実施形態例を説明する。
まず、周知の方法により、光ファイバの前処理を行い、
モードフィールド径が互いに異なる第1、第2の光ファ
イバ2をその接続端面同士を対向させて、予め定められ
た接続端面間隔で光ファイバ融着接続機にセットする。
次に、画像処理装置(図示せず)により、第1、第2の光
ファイバ2のコア径を測定し、この測定結果に基づいて
第1、第2の光ファイバ2のモードフィールド径をそれ
ぞれ推定する。
【0023】そして、この推定結果に基づき、第1の光
ファイバ2のモードフィールド径と第2の光ファイバ2
のモードフィールド径との差が、予め定められたモード
フィールド径差基準値(この値は、要求される接続損失
値などに対応させて適宜定められるものである)以下の
ときには、第1、第2の光ファイバ2のコア調心を行っ
た後、放電電極3の電極先端1間隔を狭く設定し、図2
の(a)、(a)´に示されるように、放電電極3の電極先
端1間を結ぶ直線Bと第1、第2の光ファイバ2の接続
端面軸心間を結ぶ直線Aとの成す角度θを直角に設定す
ることによって、前記狭域加熱の状態で放電を行って光
ファイバ2同士を融着接続する。
【0024】一方、前記モードフィールド径差が前記モ
ードフィールド径差基準値よりも大きいときには、第
1、第2の光ファイバ2のコア偏心量をそれぞれ測定
し、この測定結果に基づいて第1、第2の光ファイバ2
のコア軸心が一致するように第1の光ファイバ2と第2
の光ファイバ2を調心したときに生じる第1の光ファイ
バ2のクラッド軸心と第2の光ファイバ2のクラッド軸
心とのずれ量を推定する。
【0025】そして、この推定ずれ量が予め定められた
ずれ基準値(この値は、要求される接続損失値や前記モ
ードフィールド径差などに対応させて適宜定められるも
のである)以下のときには、ピニオンギア7を回転させ
て、図2の(b)に示されるように、放電電極3の電極先
端1間を結ぶ直線Bと第1、第2の光ファイバ2の接続
端面軸心間を結ぶ直線Aとの成す角度θを直角とは異な
る角度に設定することによって、放電領域9を広くし、
第1、第2の光ファイバ2の接続端面側の加熱領域を約
0.3mmよりも広く設定して、放電電極3からの高電
圧による加熱を行う。なお、同図の(b)´には同図の
(b)の状態のときの、光ファイバ2と放電領域との関係
がXY平面上に示されており、光ファイバ2は放電領域
の中心部よりも外周寄りで加熱される。
【0026】放電によって発生するエネルギの密度は、
例えば特開昭61―179404号広報に記載されてい
るように、放電電極3の電極先端1間を結ぶ直線Bに近
づくにつれて強くなり、なおかつ電極先端1に近づくに
つれて強くなる。すなわち、図3の(a)に示すように、
電極先端1を中心とした同心円状の等エネルギ線を描く
ことができ、線C−C、線D−D上のエネルギ密度分布
は、同図の(b)に示すようになる。
【0027】また、図4の(a)には、放電電極3の電極
先端1を結ぶ直線Bを光ファイバ2の接続端面軸心を結
ぶ直線Aに対して直交させた場合の、XZ平面上の等エ
ネルギ線分布が示されており、同図の(b)には、放電電
極3の電極先端1を結ぶ直線Bを光ファイバ2の接続端
面軸心を結ぶ直線Aと平行にした場合の、YZ平面上の
等エネルギ線分布が示されている。
【0028】光ファイバ2の加熱領域における光ファイ
バ長手方向、すなわち、光ファイバ2の光軸Z方向の温
度分布は、直線AをZ方向に横切る等エネルギ線の分布
密度に対応するが、同図の(a)に示されるように、放電
電極3の電極先端1を結ぶ直線Bと光ファイバ2の接続
端面軸心を結ぶ直線Aが直交する場合は、直線Aを横切
る等エネルギ線の密度が非常に大きいことに比べ、同図
の(b)に示されるように、放電電極3の電極先端1を結
ぶ直線Bを光ファイバ2の接続端面軸心を結ぶ直線Aが
平行になる場合は、直線Aを等エネルギ線がほとんど横
切ることはない。すなわち、これらの図から明らかなよ
うに、放電電極3の電極先端1を結ぶ直線Bを光ファイ
バ2の接続端面軸心を結ぶ直線Aを平行に近づけるほ
ど、光ファイバの放電電極3による加熱領域の温度変化
分布を緩やかにすることができる。
【0029】また、前記の如く、第1、第2の光ファイ
バ2のコア軸心が一致するように第1の光ファイバ2と
第2の光ファイバ2を調心したときに生じる第1の光フ
ァイバ2のクラッド軸心と第2の光ファイバ2のクラッ
ド軸心とのずれ量を推定した結果、この推定ずれ量が前
記ずれ量基準値よりも大きいときには、光ファイバの溶
融中に発生する表面張力を考慮して、以下の方法により
第1、第2の光ファイバ2の融着接続を行う。
【0030】すなわち、まず、図2の(a)に示したよう
に、前記放電電極3の電極先端1間を結ぶ直線Bと前記
第1、第2の光ファイバ2の接続端面軸心間を結ぶ直線
Aとを略直交させて、放電電極3からの高電圧によって
第1、第2の光ファイバ2の接続端面側を約0.1から
約0.3mmの狭い加熱領域で加熱して(前記狭域加熱
として)融着接続した後、同図の(b)に示したように、
放電電極3の電極先端1間を結ぶ直線Bと第1、第2の
光ファイバ2の接続端面軸心間を結ぶ直線Aとの成す角
度θを、直角とは異なる角度に変更することによって、
第1、第2の光ファイバ2の接続端面側の加熱領域を広
く変更して(前記広域加熱として)放電電極からの高電圧
による追加加熱を行う。
【0031】なお、本実施形態例の具体例として、前記
モードフィールド径基準値を1ミクロンとし、コア偏心
量がほとんどなくモードフィールド径が6ミクロンの第
1の光ファイバ2とモードフィールド径が8ミクロンの
第2の光ファイバ2を、放電電極3の電極先端1間間隔
3mm、放電電極3の電極先端1を結ぶ直線Bと第1、
第2の光ファイバ2の接続端面軸心間を結ぶ直線Aとの
成す角度θを45度、直線Bと直線Aとの間隔1.4m
mとして、放電電極3から10秒間高電圧を放電して第
1、第2の光ファイバ2を融着接続したところ、第1、
第2の光ファイバの平均接続損失は0.10dBであっ
た。
【0032】また、比較のために、上記と同様の第1、
第2の光ファイバ2を、放電電極3の電極先端1間間隔
1.5mm、前記直線Bと直線Aとの成す角度90度、
直線Bと直線Aとの間隔0として、放電電極3からの放
電により第1、第2の光ファイバ2を融着接続したとこ
ろ、このときの第1、第2の光ファイバ2の平均接続損
失は、放電時間1秒間のときが0.51dB、放電時間
10秒間のときが0.25dBであった。したがって、
本実施形態例のように、第1、第2の光ファイバ2のモ
ードフィールド径差が1ミクロンより大きいときに前記
直線Aと直線Bとの成す角度θを直角とは異なる角度に
して前記広域加熱とすることにより、第1、第2の光フ
ァイバ2の接続損失の低減化が図れることが確認され
た。
【0033】さらに、上記本実施形態例の具体例におい
て、前記直線Aと直線Bとの成す角度θを60度にした
場合の第1、第2の光ファイバ2の平均接続損失は0.
20dB、前記角度θを10度にした場合の第1、第2
の光ファイバ2の平均接続損失は0.08dBとなり、
前記角度θを可変することによって第1、第2の光ファ
イバ2の接続端面側の加熱領域と加熱温度分布を可変
し、それにより、第1、第2の光ファイバ2の接続端面
の低減化を自在に図れることが確認された。
【0034】本実施形態例によれば、第1の光ファイバ
2のモードフィールド径と第2の光ファイバ2のモード
フィールド径との差が予め定められたモードフィールド
径差基準値以下の時には、放電電極3の電極先端1間を
結ぶ直線Bと第1、第2の光ファイバ2の接続端面軸心
間を結ぶ直線Aとの成す角度を直角として狭域加熱と
し、前記第1、第2の光ファイバ2のモードフィールド
径差が前記モードフィールド径差基準値よりも大きい時
には、第1、第2の光ファイバ2の融着接続時の加熱又
は融着接続後の追加加熱を行う時に、前記直線Bと前記
直線Aとの成す角度θを直角とは異なる角度に設定して
広域加熱とすることにより、第1、第2の光ファイバ2
のモードフィールド径差が小さい時には、光ファイバの
接続端面近傍の狭い領域のみを加熱溶融して溶融による
光ファイバの屈折率構造変化を最小限とし、低い接続損
失を得ることができるし、第1、第2の光ファイバ2の
モードフィールド径差が大きい時には、光ファイバの接
続部の広い領域を緩やかな温度分布で加熱してコアドー
パントの拡散効果を十分に発揮させ、低い接続損失を得
ることができる。
【0035】そのため、本実施形態例によれば、対の放
電電極3から発生する高電圧を用いて、モードフィール
ド径が互いに異なる第1、第2の光ファイバ2同士を非
常に低接続損失に融着接続することができる。
【0036】また、本実施形態例によれば、前記第1、
第2の光ファイバ2のモードフィールド径差が予め定め
られたモードフィールド径差基準値よりも大きい時に
は、第1、第2の光ファイバ2のコア軸心が一致するよ
うに第1の光ファイバ2と第2の光ファイバ2を調心し
た時に生じる第1の光ファイバ2のクラッド軸心と第2
の光ファイバ2のクラッド軸心とのずれ量を推定し、こ
の推定ずれ量が予め定められたずれ量基準値よりも大き
い時には、前記直線Aと直線Bとを直交させて狭域加熱
の条件で融着接続することにより、光ファイバの表面張
力によるクラッド軸心のずれが減少する方向への移動を
抑制してコア軸心が位置合わせされた状態で融着接続さ
れるようにし、その後、広域加熱による追加加熱によっ
て光ファイバ2のコアドーパント拡散を十分に発揮させ
ることができるために、より一層低接続損失に第1、第
2の光ファイバ2を融着接続することができる。
【0037】一方、前記推定ずれ量が前記ずれ量基準値
以下の時にも、推定ずれ量がずれ量基準値よりも大きい
時と同様の方法を用いても良いが、光ファイバ2の表面
張力が発生する温度以下でコアドーパントを拡散させる
ための加熱を行うには、加熱時間を長くする必要がある
ために、前記推定ずれ量が前記ずれ量基準値以下であっ
て、推定ずれ量がずれ量基準値よりも大きい時に比べて
光ファイバ表面張力に伴うコア軸心ずれの影響が少ない
時には、光ファイバの融着接続時に始めから広域加熱で
融着接続することにより、加熱時間短縮を行うことがで
きる。
【0038】図5には、本発明に係る光ファイバの融着
接続方法を適用する光ファイバ融着接続機の別の例が示
されている。この光ファイバ融着接続機は、電極支持台
4をかさ歯車の形状に形成し、各放電電極3を電極支持
台4に対して斜めに取り付けている。また、2つの電極
支持台4の間にかさ歯車11を設けて、電極支持台4を
かさ歯車11で連結させている。さらに、前記電極支持
台4のそれぞれのかさ歯車は回転軸14,15に回転自
在に支持されており、各回転軸14,15には図示され
ていないモータ等の駆動手段が設けられている。
【0039】この光ファイバ融着接続機においては、前
記モータ等の駆動手段によって、いずれかの回転軸1
4,15を回転させると、放電電極3の電極先端1は円
弧運動しながら図の下方側に移動する。また、図の左側
の電極支持台4と図の右側の電極支持台4とは、かさ歯
車11の回転により相反する方向に回転するので、結果
として、放電電極3の電極先端1は、この回転によっ
て、図2の(a)に示した状態から(b)に示したよう
な互い違いに配設された状態となる。したがって、図5
に示すような光ファイバ融着接続機を用いても上記実施
形態例のような光ファイバの融着接続方法を適用するこ
とができる。
【0040】図6には、本発明に係る光ファイバの融着
接続方法を適用する光ファイバ融着接続機のさらに別の
例が光ファイバ取り付け状態で示されている。なお、同
図の(a)にはその平面図が、同図の(b)にはその正
面図がそれぞれ示されている。この光ファイバ融着接続
機は、コ字形状の電極支持台4を有しており、この電極
支持台4の両側にV溝10がそれぞれ通し加工され、各
V溝10に、図7に示すような位置決め部13を備えた
放電電極3を抜き差し自在に挿入固定して形成されてい
る。
【0041】放電電極3をV溝10に挿入すると、左右
両側の対の放電電極3の軸心は互いに一致するようにな
っており、各放電電極3の電極先端1は放電電極軸心か
ら同図に示すeだけ偏心して形成され、図6の(a)に
示すように、電極先端1を互い違いに配設することによ
り、図2の(b)に示したように、放電電極3の電極先
端1を結ぶ直線Bと第1、第2の光ファイバ2の接続端
面軸心間を結ぶ直線Aとの成す角度θが直角とは異なる
角度となるようになっている。
【0042】なお、これらの図には図示されていない
が、この光ファイバ融着接続機は、電極先端1が放電電
極軸心から偏心させていない、例えば図1,2に示した
ような放電電極3も備えており、図7に示した放電電極
3の代わりに、電極先端1が偏心していない放電電極3
を電極支持台4のV溝10に抜き差し自在に挿入固定す
ることもできるようになっている。
【0043】このような光ファイバ融着接続機を用いて
も、手動により、電極支持台4のV溝10に挿入固定す
る放電電極3を、図7に示したような、電極先端1が放
電電極軸心から偏心した放電電極3としたり、電極先端
1が放電電極軸心から偏心していない放電電極3とした
りすることにより、放電電極3の電極先端1間を結ぶ直
線Bと第1、第2の光ファイバ2の接続端面軸心間を結
ぶ直線Aとの成す角度θを直角としたり、直角とは異な
る角度にしたりすることができるために、上記実施形態
例の光ファイバの融着接続方法を適用することができ
る。
【0044】また、図6に示す光ファイバ融着接続機に
おいては、放電電極3を交換するだけで上記実施形態例
の光ファイバの融着接続方法を適用することができるた
めに、光ファイバ融着接続機の機械機構を非常に単純に
することが可能となり、非常に安価の光ファイバ融着接
続機とすることができる。なお、図6の装置において、
図7に示したような電極先端1が放電電極軸心から偏心
した放電電極3を用いるにあたり、電極先端1の位置を
適切な位置とするために、位置決め部材13と電極支持
台4とにメモリ等の印を付けておくと便利である。
【0045】なお、本発明は上記実施形態例に限定され
ることはなく様々な実施の態様を採り得る。例えば、上
記実施形態例では、第1、第2の光ファイバ2のモード
フィールド径差が予め定められたモードフィールド径差
基準値以下の時には、第1、第2の光ファイバ2のコア
調心を行った後、放電電極3の電極先端1間を結ぶ直線
Bと第1、第2の光ファイバ2の接続端面軸心間を結ぶ
直線Aとの成す角度を直角として狭域加熱の状態で放電
を行って光ファイバ2同士を融着接続したが、前記第
1、第2の光ファイバ2のモードフィールド径差が前記
モードフィールド径差基準値以下の時にも、前記直線1
Bと直線Aとの成す角度θを直角とは異なる角度に設定
し、前記広域加熱の状態で放電を行って光ファイバ2同
士を融着接続してもよいし、狭域加熱の状態で放電を行
った後、前記直線Bと直線Aとの成す角度θを垂直とは
異なる角度に変更して追加加熱を行って、光ファイバ2
のコアドーパント拡散を行うようにしてもよい。
【0046】また、上記実施形態例では、第1、第2の
光ファイバ2のモードフィールド径差が前記モードフィ
ールド径差基準値よりも大きい時には、第1、第2の光
ファイバ2のコア偏心量をそれぞれ測定し、この測定結
果に基づいて、第1、第2の光ファイバ2のコア軸心が
一致するように第1の光ファイバ2と第2の光ファイバ
2を調心した時に生じる第1の光ファイバ2のクラッド
軸心と第2の光ファイバ2のクラッド軸心とのずれ量を
推定し、この推定結果に基づいて、第1、第2の光ファ
イバ2の融着接続方法を決定したが、前記コア偏心量の
測定およびクラッド軸心のずれ量の推定動作を省略し、
前記モードフィールド径差が前記モードフィールド径差
基準値よりも大きい時には、放電電極3の電極先端1間
を結ぶ直線Bと第1、第2の光ファイバ2の接続端面軸
心間を結ぶ直線Aとの成す角度θを直角とは異なる角度
に設定して、前記広域加熱の状態で放電を行って光ファ
イバ2同士を融着接続してもよい。
【0047】また、上記と同様に、前記モードフィール
ド径差が前記モードフィールド径差基準値よりも大きい
時に、前記コア偏心量の測定およびクラッド軸心のずれ
量推定動作を省略し、放電電極3の電極先端1間を結ぶ
直線Bと第1、第2の光ファイバ2の接続端面軸心間を
結ぶ直線Aとの成す角度θを直角に設定し、狭域加熱加
熱の状態で放電行って光ファイバ2同士を融着接続した
後、前記直線Bと前記直線Aとの成す角度θを直角とは
異なる角度に変更し、前記広域加熱の状態で放電電極3
を行って光ファイバ2同士の追加加熱を行い、光ファイ
バ2コアドーパント拡散を行うようにしてもよい。
【0048】さらに、第1、第2の光ファイバ2のモー
ドフィールド径が互いに異なる場合には、第1、第2の
光ファイバ2のモードフィールド径差を推定することな
く、その値が如何なる値であっても、放電電極3の電極
先端1間を結ぶ直線Bと第1、第2の光ファイバ2の接
続端面軸心間を結ぶ直線Aとの成す角度θを直角とは異
なる角度に設定し、前記広域加熱の状態で放電を行って
光ファイバ2同士を融着接続してもよい。
【0049】さらに、第1、第2の光ファイバ2のモー
ドフィールド径が互いに異なる場合には、第1、第2の
光ファイバ2のコア径の測定およびモードフィールド径
の推定などを行うことなく、放電電極3の電極先端1間
を結ぶ直線と第1、第2の光ファイバ2の接続端面軸心
間を結ぶ直線とを略直交させて、放電電極3からの高電
圧によって第1、第2の光ファイバ2の接続端面側を約
0.1から約0.3mmの狭い加熱領域で加熱して融着
接続した後、放電電極3の電極先端1間を結ぶ直線Bと
第1、第2の光ファイバ2の接続端面軸心間を結ぶ直線
Aとの成す角度θを直角とは異なる角度に変更すること
によって、第1、第2の光ファイバ2の接続端面側の加
熱領域を広く変更して放電電極3からの高電圧による追
加加熱を行うようにしてもよい。
【0050】さらに、例えば図6に示したような光ファ
イバ融着接続機を用いて本発明の光ファイバの融着接続
方法を適用する場合に、光ファイバ融着接続機にセット
する放電電極3の形状を、例えば図8の(a)に示すよ
うに、円筒形状の電極棒先端を斜めに切り落とした形状
の放電電極3としてもよいし、同図の(b)に示すよう
に、電極棒の途中を曲げることによって、同図のeに示
すように、電極先端1を放電電極軸心から偏心させたも
のとしてもよい。
【0051】さらに、本発明の光ファイバの融着接続方
法は、放電電極3の電極先端1間を結ぶ直線Bと第1、
第2の光ファイバ2の接続端面軸心間を結ぶ直線Aとの
成す角度θを直角とは異なる様々な角度に可変設定する
ことにより、第1、第2の光ファイバ2の接続端面側の
加熱領域と加熱温度分布を可変設定することができる
し、前記角度θを放電電極3からの放電中に時系列的に
可変することにより、第1、第2の光ファイバ2の接続
端面側の加熱領域と加熱温度分布を時系列的に可変する
こともできるものであり、前記角度θの値は特に限定さ
れるものではなく、適宜設定されるものである。
【0052】さらに、上記実施形態例では、第1、第2
の光ファイバ2は、互いにモードフィールド径が異なる
光ファイバとしたが、本発明の光ファイバの融着接続方
法は、第1の光ファイバのモードフィールド径と第2の
光ファイバのモードフィールド径が等しい光ファイバを
融着接続する場合にも適用されるものである。
【0053】
【発明の効果】本第1の発明によれば、第1、第2の光
ファイバの接続端面側に高電圧を加える対の放電電極先
端間を結ぶ直線と前記第1、第2の光ファイバの接続端
面軸心間を結ぶ直線との成す角度が直角とは異なる角度
になるように、放電電極と第1、第2の光ファイバを配
設して放電電極から高電圧を発生させるものであるか
ら、放電電極先端間を結ぶ直線と第1、第2の光ファイ
バの接続端面軸心間を結ぶ直線とを直交させて放電電極
から高電圧を発生させる場合に比べ、光ファイバの接続
端面側の加熱領域を広くし、加熱温度分布を緩やかにす
ることができる。
【0054】そのため、例えば本第2の発明のように、
第1の光ファイバと第2の光ファイバを互いにモードフ
ィールド径が異なる光ファイバとした時に、光ファイバ
の接続端面側の加熱領域を広く、加熱温度分布を緩やか
にして、光ファイバのコアドーパント拡散の効果を十分
に発揮させ、光ファイバ同士を低接続損失に融着接続す
ることができる。
【0055】また、放電電極先端間を結ぶ直線と第1、
第2の光ファイバの接続端面軸心間を結ぶ直線との成す
角度を可変することにより第1、第2の光ファイバの接
続端面側の加熱領域と加熱温度分布を可変する本第3の
発明によれば、放電電極先端間を結ぶ直線と第1、第2
の光ファイバの接続端面軸心間を結ぶ直線との成す角度
を、第1、第2の光ファイバの種類やモードフィールド
径差等に対応させて適切な値に可変設定したり、放電の
途中に可変したりすることにより、第1、第2の光ファ
イバの接続端面側の加熱領域と加熱温度分布を適切に可
変して、光ファイバ同士を低接続損失に融着接続するこ
とができる。
【0056】さらに、前記放電電極先端間を結ぶ直線と
前記第1、第2の光ファイバの接続端面軸心間を結ぶ直
線とを略直交させて該放電電極からの高電圧によって第
1、第2の光ファイバの接続端面側を約0.1から約
0.3mmの狭い加熱領域で加熱して融着接続した後、
該放電電極先端間を結ぶ直線と前記第1、第2の光ファ
イバの接続端面軸心間を結ぶ直線との成す角度を直角と
は異なる角度に変更することによって第1、第2の光フ
ァイバの接続端面側の加熱領域を広く変更して放電電極
からの高電圧による追加加熱を行う本第4の発明によれ
ば、第1、第2の光ファイバの接続端面側を狭い加熱領
域で加熱して融着接続することにより、加熱溶融に伴う
光ファイバ屈折率構造変化により生じる光損失を抑制
し、且つ、第1、第2の光ファイバの接続端面側の加熱
領域を広く偏向して追加加熱を行うことにより、光ファ
イバのコアドーパント拡散効果等を十分に発揮し、例え
ば互いにモードフィールドが異なる光ファイバ同士の接
続を非常に低接続損失にすることができる。
【0057】さらに、放電電極先端間を結ぶ直線と前記
第1、第2の光ファイバの接続端面軸心間を結ぶ直線と
の成す角度を直角とは異なる角度に設定することによっ
て第1、第2の光ファイバの接続端面側の加熱領域を約
0.3mmよりも広く設定して放電電極からの高電圧に
よる加熱を行う本第5の発明によれば、モードフィール
ド径が互いに異なる第1と第2の光ファイバの接続を、
その接続端面側の加熱領域を約0.3mmよりも広く設
定して加熱して行うことにより、非常に効率的に光ファ
イバのコアドーパント拡散を行い、光ファイバ同士を低
接続損失に融着接続することができる。
【0058】さらに、第1、第2の光ファイバの各コア
径をそれぞれ測定し、該測定結果に基づいて第1、第2
の光ファイバの各モードフィールド径をそれぞれ推定
し、該推定結果に基づき第1の光ファイバのモードフィ
ールド径と第2の光ファイバのモードフィールド径との
差が予め定められたモードフィールド径差基準値よりも
大きい時、本第4又は第5の発明の光ファイバの融着接
続方法を行う本第6の発明によれば、第1、第2の光フ
ァイバのモードフィールド径差が大きく、コアドーパン
ト拡散による光ファイバの接続損失低減化を最も必要と
する光ファイバ同士の融着接続に際し、コアドーパント
拡散による光ファイバの接続損失低減化を図ることがで
きるために、非常に確実に、光ファイバ同士を低接続損
失に接続することができる。
【0059】さらに、第1、第2の光ファイバのモード
フィールド径差が予め定められたモードフィールド径差
基準値よりも大きい時に、第1、第2の光ファイバのコ
ア偏心量に応じて本第4の発明又は第5の発明の光ファ
イバの融着接続方法を用いる本第7の発明によれば、光
ファイバのコア偏心量が大きく、光ファイバ融着接続に
際して、光ファイバの表面張力による移動量が大きくな
る場合には光ファイバの加熱領域を狭くしてその移動を
最小限に抑制した後、光ファイバのコアドーパント拡散
を行い、確実に光ファイバ同士を低接続損失に融着接続
することができるし、前記コア偏心量が小さく、前記光
ファイバの表面張力による移動があまりなく、この移動
によるコアずれがあまりない時には、始めから光ファイ
バを広域加熱してより効率的にコアドーパント拡散を行
い、光ファイバ同士を低接続損失に融着接続することが
できる。
【0060】さらに、放電電極は先端が尖った棒状の電
極とし、対の放電電極の軸心を互いに一致させ、かつ、
該放電電極の先端を放電電極軸心から偏心させることに
より該放電電極先端を結ぶ直線と第1、第2の光ファイ
バの接続端面を結ぶ直線との成す角度が直角とは異なる
角度になるようにする本第8の発明によれば、例えば放
電電極の先端が放電電極軸心から偏心していない放電電
極を備えた光ファイバ融着接続機の構成を利用し、放電
電極を放電電極先端が放電電極軸心から偏心した放電電
極に変えるだけで放電電極先端を結ぶ直線と第1、第2
の光ファイバの接続端面を結ぶ直線との成す角度が直角
とは異なる角度になるようにすることができるために、
非常に簡単に、従来の光ファイバ融着接続機を用いて本
発明の光ファイバ融着接続方法を適用する光ファイバ融
着接続機を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバの融着接続方法を適用
する光ファイバ融着接続機の一例を示す要部構成図であ
る。
【図2】本発明に係る光ファイバの融着接続方法の一実
施形態例の説明図である。
【図3】放電電極の電極先端を中心としたエネルギ密度
分布状態の説明図である。
【図4】放電電極先端間を結ぶ直線Bと第1、第2の光
ファイバを結ぶ直線Aとの位置関係により異なる光ファ
イバの加熱領域のエネルギ密度分布の違いを示す説明図
である。
【図5】本発明に係る光ファイバの融着接続方法を適用
する光ファイバ融着接続機の別の例を示す要部構成図で
ある。
【図6】本発明に係る光ファイバの融着接続方法を適用
する光ファイバ融着接続機のさらに別の例を示す要部構
成図である。
【図7】図6に設けられる放電電極の一例を示す説明図
である。
【図8】図6の光ファイバ融着接続機に用いられる放電
電極の別の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電極先端 2 光ファイバ 3 放電電極 4 電極支持台 5 直動ガイド 9 放電領域

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の光ファイバの接続端面側と第2の
    光ファイバの接続端面側とを対向配置し、該第1、第2
    の光ファイバの接続端面側に対の放電電極から発生する
    高電圧を加え該高電圧によって第1、第2の光ファイバ
    の接続端面側を加熱溶融して接続する光ファイバの融着
    接続方法であって、前記放電電極先端間を結ぶ直線と前
    記第1、第2の光ファイバの接続端面軸心間を結ぶ直線
    との成す角度が直角とは異なる角度になるように放電電
    極と第1、第2の光ファイバを配設して該放電電極から
    高電圧を発生させることを特徴とする光ファイバの融着
    接続方法。
  2. 【請求項2】 第1の光ファイバと第2の光ファイバは
    互いにモードフィールド径が異なる光ファイバとするこ
    とを特徴とする請求項1記載の光ファイバの融着接続方
    法。
  3. 【請求項3】 放電電極先端間を結ぶ直線と第1、第2
    の光ファイバの接続端面軸心間を結ぶ直線との成す角度
    を可変することにより第1、第2の光ファイバの接続端
    面側の加熱領域と加熱温度分布を可変することを特徴と
    する請求項1又は請求項2記載の光ファイバの融着接続
    方法。
  4. 【請求項4】 第1の光ファイバの接続端面側に該第1
    の光ファイバとは異なるモードフィールド径の第2の光
    ファイバの接続端面側を対向配置し、該第1、第2の光
    ファイバの接続端面側に対の放電電極から発生する高電
    圧を加え該高電圧によって第1、第2の光ファイバの接
    続端面側を加熱溶融して接続する光ファイバの融着接続
    方法であって、前記放電電極先端間を結ぶ直線と前記第
    1、第2の光ファイバの接続端面軸心間を結ぶ直線とを
    略直交させて該放電電極からの高電圧によって第1、第
    2の光ファイバの接続端面側を約0.1から約0.3m
    mの狭い加熱領域で加熱して融着接続した後、該放電電
    極先端間を結ぶ直線と前記第1、第2の光ファイバの接
    続端面軸心間を結ぶ直線との成す角度を直角とは異なる
    角度に変更することによって第1、第2の光ファイバの
    接続端面側の加熱領域を広く変更して放電電極からの高
    電圧による追加加熱を行うことを特徴とする光ファイバ
    の融着接続方法。
  5. 【請求項5】 放電電極先端間を結ぶ直線と前記第1、
    第2の光ファイバの接続端面軸心間を結ぶ直線との成す
    角度を直角とは異なる角度に設定することによって第
    1、第2の光ファイバの接続端面側の加熱領域を約0.
    3mmよりも広く設定して放電電極からの高電圧による
    加熱を行うことを特徴とする請求項3記載の光ファイバ
    の融着接続方法。
  6. 【請求項6】 第1、第2の光ファイバの各コア径をそ
    れぞれ測定し、該測定結果に基づいて第1、第2の光フ
    ァイバの各モードフィールド径をそれぞれ推定し、該推
    定結果に基づき第1の光ファイバのモードフィールド径
    と第2の光ファイバのモードフィールド径との差が予め
    定められたモードフィールド径差基準値よりも大きい時
    に請求項4又は請求項5記載の光ファイバの融着接続方
    法により第1の光ファイバと第2の光ファイバの融着接
    続を行うことを特徴とする光ファイバの融着接続方法。
  7. 【請求項7】 第1、第2の光ファイバの各コア径をそ
    れぞれ測定し、該測定結果に基づいて第1、第2の光フ
    ァイバの各モードフィールド径をそれぞれ推定し、該推
    定結果に基づき第1の光ファイバのモードフィールド径
    と第2の光ファイバのモードフィールド径との差が予め
    定められたモードフィールド径差基準値よりも大きい時
    には第1、第2の光ファイバの各コア位置とクラッド位
    置をそれぞれ測定し、該測定結果に基づいて第1、第2
    の光ファイバのコア軸心が一致するように第1の光ファ
    イバと第2の光ファイバを調心したときに生じる第1の
    光ファイバのクラッド軸心と第2の光ファイバのクラッ
    ド軸心とのずれ量を推定し該推定ずれ量が予め定められ
    たずれ基準値よりも大きいときには請求項4記載の光フ
    ァイバの融着接続方法により第1の光ファイバと第2の
    光ファイバの融着接続を行い、前記推定ずれ量が前記ず
    れ基準値以下のときには請求項5記載の光ファイバの融
    着接続方法により第1の光ファイバと第2の光ファイバ
    の融着接続を行うことを特徴とする光ファイバの融着接
    続方法。
  8. 【請求項8】 放電電極は先端が尖った棒状の電極と
    し、対の放電電極の軸心を互いに一致させ、かつ、該放
    電電極の先端を放電電極軸心から偏心させることにより
    該放電電極先端を結ぶ直線と第1、第2の光ファイバの
    接続端面を結ぶ直線との成す角度が直角とは異なる角度
    になるようにすることを特徴とする請求項1乃至請求項
    7のいずれか一つに記載の光ファイバの融着接続方法。
JP13143798A 1998-04-24 1998-04-24 光ファイバの融着接続方法 Pending JPH11305065A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13143798A JPH11305065A (ja) 1998-04-24 1998-04-24 光ファイバの融着接続方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13143798A JPH11305065A (ja) 1998-04-24 1998-04-24 光ファイバの融着接続方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11305065A true JPH11305065A (ja) 1999-11-05

Family

ID=15057952

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13143798A Pending JPH11305065A (ja) 1998-04-24 1998-04-24 光ファイバの融着接続方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11305065A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1235085A2 (en) * 2001-02-23 2002-08-28 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method for fusion splicing of optical fibers and optical fiber transmission line
JP2002350669A (ja) * 2001-05-25 2002-12-04 Sumitomo Electric Ind Ltd 光ファイバの接続方法、及び光ファイバ素子
EP1378775A2 (en) * 2002-07-03 2004-01-07 FITEL USA CORPORATION (a Delaware Corporation) Systems and methods for reducing splice loss in optical fibers
JP2015535614A (ja) * 2012-11-09 2015-12-14 タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド 光ファイバの端面を処理するためのシステムおよび方法
CN106455279A (zh) * 2016-08-30 2017-02-22 核工业西南物理研究院 一种在实验室中产生球形闪电的装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1235085A2 (en) * 2001-02-23 2002-08-28 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method for fusion splicing of optical fibers and optical fiber transmission line
EP1235085A3 (en) * 2001-02-23 2004-03-10 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method for fusion splicing of optical fibers and optical fiber transmission line
JP2002350669A (ja) * 2001-05-25 2002-12-04 Sumitomo Electric Ind Ltd 光ファイバの接続方法、及び光ファイバ素子
EP1378775A2 (en) * 2002-07-03 2004-01-07 FITEL USA CORPORATION (a Delaware Corporation) Systems and methods for reducing splice loss in optical fibers
EP1378775A3 (en) * 2002-07-03 2004-07-14 FITEL USA CORPORATION (a Delaware Corporation) Systems and methods for reducing splice loss in optical fibers
CN1329758C (zh) * 2002-07-03 2007-08-01 菲特尔美国公司 减小光纤中拼接损耗的系统和方法
JP2015535614A (ja) * 2012-11-09 2015-12-14 タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド 光ファイバの端面を処理するためのシステムおよび方法
CN106455279A (zh) * 2016-08-30 2017-02-22 核工业西南物理研究院 一种在实验室中产生球形闪电的装置
CN106455279B (zh) * 2016-08-30 2023-04-14 核工业西南物理研究院 一种在实验室中产生球形闪电的装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5452393A (en) Miniature fiberoptic bend device and method
EP1481274B1 (en) Beam bending apparatus and method of manufacture
AU705171B2 (en) Optical fiber coupling member, method of producing the same and method of connecting optical fibers
US8490435B2 (en) Optical fiber end processing method and optical fiber end processing apparatus
US4765816A (en) Method and apparatus for making optical fiber couplers
EP0022374A1 (en) Method of precisely locating the end of a dielectric optical waveguide in a waveguide coupling device
JP2003084166A (ja) 多芯光ファイバ放電加熱方法および放電加熱装置
WO2014009512A2 (en) Optical fiber cleaving mechanism and method of use
JPH11305065A (ja) 光ファイバの融着接続方法
US4820321A (en) Method and apparatus for fabricating an expanded beam cylindrically terminated optical fiber taper
JP2000249864A (ja) 光ファイバ融着接続装置
WO1993019391A1 (en) Fiber optic attenuator
CA1240015A (en) Fiber-optic rotation sensor
US6854293B2 (en) Method for fusion splicing of optical fibers
US6552298B1 (en) Apparatus and method for making a lens on the end of an optical waveguide fiber
JP2013142791A (ja) 光ファイバの加工方法、光ファイバの加工装置、光ファイバ、及び光ファイバ入出力構造
JP3786794B2 (ja) 光ファイバ融着接続機
JP2000338340A (ja) 光ファイバのコア径拡大方法
JP2003315598A (ja) 放電による一括融着接続方法および一括融着接続装置
JPS59228219A (ja) 光フアイバの融着接続方法
AU644680C (en) Miniature fiberoptic bend device and method
JP2003337253A (ja) 偏波保持光ファイバの調軸装置及び調軸方法
JP2003021745A (ja) 光ファイバの融着接続方法および融着接続機
JPH0954221A (ja) 光ファイバのコア軸合せ方法および軸合せ装置
JPH0218505A (ja) 光ファイバ及び光ファイバの接続方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040608

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041102