JPH11303934A - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JPH11303934A
JPH11303934A JP10112118A JP11211898A JPH11303934A JP H11303934 A JPH11303934 A JP H11303934A JP 10112118 A JP10112118 A JP 10112118A JP 11211898 A JP11211898 A JP 11211898A JP H11303934 A JPH11303934 A JP H11303934A
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JP
Japan
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seismic isolation
hardness
isolation device
concave curved
curved surface
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Application number
JP10112118A
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English (en)
Inventor
Jiro Ishida
田 二 郎 石
Kozo Sakaba
場 晃 三 坂
Masaharu Idegami
政 晴 井手上
Masanobu Morita
田 政 信 森
Harumoto Nitta
田 晴 基 新
Yoshitaka Tsuchiya
屋 佳 香 土
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Tokkyokiki Corp
Original Assignee
Tokkyokiki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高さを増すことなく支持負担荷重を大きくで
き、かつ復元性に優れた免震装置を提供する。 【解決手段】 固定部2Aに配設される上向きの凹曲面
状を有する下部高硬度部材3Aと、下向きの凹曲面状を
有する上部高硬度部材4Aと、これら下部高硬度部材と
上部高硬度部材との間に介在され上記両高硬度部材の対
向間隔に略一致する外径を有する複数個の転子61 ,6
2 …と、これら転子を前記上下の高硬度部材の中央から
半径方向に離間するにつれて小径となるようにそれぞれ
を回転自在に保持する板状のリテーナ5Aとを具有する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は免震装置に係り、特
に振動に弱いコンピュータ、銅像、彫刻等の美術品、危
険な化学薬品、危険な微生物保管ケース等の振動を嫌う
対象物を地震から保護する台状、床状の免震構造として
使用することができる免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から地震に対する免震機能を有する
装置は種々提案されているが、なかでもボールを介在さ
せて免震を図る装置として特開平8−209974号公
報に記載のものがある。
【0003】この公報に記載のものは建屋の免震を意図
するもので、図10に断面図を示すように基礎土台aに
皿状鉄板bを密着させ、この皿状鉄板bと鉄板基台cと
の間に単一の鉄球dを介在させた構成とされており、水
平2次元3自由度の免震装置とされたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに上記公報に記
載の装置では、単一のボールdにより基礎台cを支持す
る構造であるため、支持負担荷重が小さく、また支持負
担荷重を大きくしようとするとボールdの外径を大きく
しなければならず、このボールdを大径にすると高さが
大きくなってしまうという不都合を生じる。また物品を
載置すべき基礎台cは振動停止後に元の位置に正しく復
帰する自己復帰機能を有しないので、その都度位置の修
正が必要になるなどの問題点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、高さを増すこ
となく支持負担荷重を大きくすることができ、振動減衰
後の復元性のよい免震装置を提供することを課題として
なされたものである。
【0006】上記課題を解決する手段として本発明は、
固定部に配設される上向きの凹曲面状を有する下部高硬
度部材と、下向きの凹曲面状を有する上部高硬度部材
と、これら下部高硬度部材と上部高硬度部材との間に介
在され上記両高硬度部材の対向間隔に略一致する外径を
有する複数個の転子と、これら転子を前記上下の高硬度
部材の中央部から離間するにつれて小径となるようにそ
れぞれを回転自在に保持する板状のリテーナとを具有せ
しめたものである。
【0007】前記上下の高硬度部材の凹曲面は凹球面状
または側面視円弧状の凹曲面とする場合があり、凹球面
状とした場合は転子を鋼球等のボールとされ、円弧状凹
曲面の水平1自由度とする場合は転子はボールまたはロ
ーラとすることができる。
【0008】上記1自由度を有する免震装置を上部高硬
度部材の移動方向が直交するように重装すれば水平2自
由度の免震装置とすることができる。
【0009】また前記固定部と支持部材との間に粘性ダ
ンパ、オイルダンパ、粘弾性ゴム、鋼棒ダンパ、鉛の塑
性によるダンパなどからなる振動減衰部材を介装して振
動の早期減衰を図るようにすることができる。このほか
リテーナの上下面を上下の高硬度部材の凹曲面に接触し
得る凸曲面状に形成して、リテーナに荷重負担および摩
擦力を生じさせるようにすることができる。
【0010】さらに前記免震装置を複数組配設し、その
高硬度部材を鉄骨等により一体的に結合して免震部を大
面積の床構造とすることができる。そして前記転子を滑
り子に置換することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態を参照して説明する。
【0012】図1、図2は本発明による免震装置を水平
2軸3自由度とした場合の一実施形態を示すもので、図
1は振動により移動した状態を模式的に示し、図2は図
1のA−A断面を示している。
【0013】上記免震装置1Aは、床等の固定部2の上
面に上向きの凹球面状を有するスチールなどからなる高
硬度部材3Aが配設され、この上に下向きの凹球面状を
有するスチールなどからなる高硬度部材4Aが設けら
れ、これら下部の高硬度部材3Aと上部の高硬度部材4
Aとの凹球面間に転子としての鋼球からなるボールが介
在されている。
【0014】上記ボールはリテーナ5Aにより回転自在
に保持されるもので、この実施形態におけるリテーナ5
Aは、板材により円形状に形成されており、その中央部
の保持孔に前記上部高硬度部材4Aを下部高硬度部材3
Aから若干浮上した位置に保持し得る外径を有する最大
径のボール61 が回転自在に嵌合保持され、上記中央部
から所要の半径を有する仮想円上に複数の保持孔が形成
されていて、前記中央部から離間するにつれて小径とす
るボール62 ,63 が回転自在に保持されている。
【0015】すなわち上記ボールが61 ,62 ,63
は上下の高硬度部材3A,4Aの対向面間にすべてのボ
ールの上下端が当接する外径とされている。したがって
下部の高硬度部材3Aに対し上部の高硬度部材5Aが水
平方向に移動する位置の如何に拘らずすべてのボール6
1 ,62 ,63 は常に上下の高硬度部材3A,4Aの凹
球面に接しておかれる。またボールの移動量は固定部2
と上部高硬度部材4Aとの相対変位量の1/2である。
この変位量は上下・水平に関し同じ比率である。
【0016】そして前記上下の高硬度部材3A,4Aの
凹球面の半径をRとするとき、その固有周期Tは積載重
量の如何によらずT=2π(2R/G)0.5 (G;重力
加速度)であり、長さ2Rの振子の固有周期と一致し、
したがって現実的に固有周期を長くすること、すなわち
免震効果を高めることが容易にできることになる。
【0017】振動が減衰したのちは、最大径のボール6
1 が上下の高硬度部材3A,4Aの中心に位置するよう
に上部の高硬度部材4Aが自動的に復元し、地震発生前
の状態に復する。
【0018】図1、図2において鎖線で示す位置は、上
部高硬度部材4Aが最大限移動した状態を示しており、
また図1においてリテーナ5Aおよびボール61
2 ,63 の実線図示は、便宜上静止状態時における位
置を上部高硬度部材4Aを除去して示すものである。
【0019】図3〜図5は、上部および下部高硬度部材
3B,4Bが細長い形状の場合の免震装置1Bで、その
長手方向に自由度を持つ実施形態を示し、図3は正面図
を、図4(A)は図3のB−B断面を、図4(B)は同
C−C断面を、そして図5は図4を拡大して示してい
る。
【0020】この実施形態における上下の高硬度部材3
B,4Bは、側面視において円弧状の凹曲面を有するも
ので、その長手方向中央位置にはボールを安定して転動
させるための断面U字形または円弧状の溝7,8が形成
されており、この溝7,8内にボール61 ,62 が位置
するようにして介在されている。
【0021】上記ボール61 ,62 はリテーナ5Bによ
り回転自在に保持されるもので、中央部の保持孔に上部
高硬度部材4Bを下部高硬度部材3Bから若干浮上した
位置に保持し得る外径を有する最大径のボール61 が回
転自在に保持され、この中央部から離間するにつれて順
次小径のボール62 ,62 が回転自在に保持されてい
る。
【0022】この実施形態における免震装置1Bにおい
ても、上記ボール61 ,62 ,62の上下端が上下の高
硬度部材3B,4Bの凹曲面に常に接する外径とされ
る。また前記溝7,8は、最大径のボール61 の下端が
溝7,8の底部に接し、底部以外の箇所はボール61
接触しないよう遊びを持たせてある。なお下部高硬度部
材3B、上部高硬度部材4Bの対向面側方部にリテーナ
5Bの逸脱を防ぐ段部9,10を設けるなどによる手段
を講じれば、上記溝7,8は必ずしも設けなくともよい
が、ボール61 ,62 の復元位置を正確に保ちたいとき
は溝7,8を設けることが好ましい。
【0023】そしてこの実施形態の免震装置1Bは水平
方向1自由度であるが、変位時の作用は前記実施形態と
同様である。
【0024】図6(A)、(B)、(C)は前記図3〜
図5におけるボールをローラに置換した形態を示すもの
で、図6(A)、(B)は前記図4(A)、(B)に相
当するものである。この場合もローラはリテーナ5Cに
回転自在に保持され、中央部に最大径のローラ11
1 が、この中央部から離間するにつれて順次小径のロー
ラ112 が設けられる関係はボールの場合と同様であ
る。またローラ111 ,112 による場合は、リテーナ
5Cの逸脱を防ぐため上下の高硬度部材3C,4Cの対
向面の長手方向両側部に段部12,13を設けるだけで
足り、前述のボールの場合の溝7,8に相当する構成は
なくともよい。
【0025】図6(C)はリテーナ5Cを上下の高硬度
部材3C,4Cの外側部に位置させた場合の形態を示す
もので、ローラ11の両端にフランジ14,14が設け
られ、これらフランジ14,14間に上下の高硬度部材
3C,4Cが嵌合されてローラ11に接触され、このフ
ランジ14,14の外側部でリテーナ5Cにより拘束す
るようになされている。
【0026】これによれば、フランジ14,14により
ローラ11の軸方向の移動が拘束されるので、前述の実
施形態のような段部を設ける必要はない。
【0027】図7、図8は前記図3〜図6に示した1自
由度の免震装置1Bをその上部高硬度部材4Bの移動方
向が直交するように重装して水平2次元2自由度とした
場合の平面図および正面図を示すもので、ベース15上
に下側となる免震装置1B,1Bを4箇所に配設し、こ
れら免震装置1B,1Bの上部高硬度部材4B,4B上
に必要に応じて曲げ強度補強部材16,16を懸け渡
し、さらにその上に上側の免震装置1B,1Bを直交す
る方向に配設し、この上側の免震装置1B,1Bの上部
高硬度部材4B,4B上に免震架台17を載装したもの
である。
【0028】これにより免震架台17の面積を大きくと
ることができ、X方向、Y方向の振動を上下の免震装置
1B,1Bが複合して吸収し、2次元の免震機能を発揮
させることができる。
【0029】図9は大面積を必要とする免震装置1Dの
場合の一実施形態を示し、(A)は平常時、(B)は変
位時の状態を示している。この実施形態では、免震架台
18が大きい面積を有するので、図1、図2に示した免
震装置1A(1自由度とする場合は免震装置1B)が複
数基配列され、加えて振動減衰部材を付加したものであ
る。
【0030】図9では便宜上同じ図に2種の振動減衰部
材として同図左側に示すオイルダンパ19を、右側に示
す摩擦ダンパ20を適用した場合を示している。上記オ
イルダンパ19を用いる場合は、ベース15側にオイル
ダンパ19のシリンダ19aを支持させ、免震架台18
側にピストンロッド19bを支持させるようにして振動
の吸収を図る。また摩擦ダンパ20の場合は、ベース1
5側に摩擦台20aを設置し、免震架台18の下面に摩
擦部材20bを弾性的に支持させ、この摩擦部材20b
を前記摩擦台20aに圧接させておくことにより免震架
台18の振動エネルギーを摩擦エネルギー(熱エネルギ
ー)に変換して吸収するようになされている。
【0031】上記振動減衰部材としては、このほかゴム
等の弾性体を介在させたり、鉛等の材料の塑性変形によ
るダンパを用いることができる。
【0032】図10は、リテーナに荷重を分担させると
ともに振動時に摩擦力が得られるようにした場合の形態
を示すもので、リテーナ5Dの上下面が上下の高硬度部
材3D,4Dの凹曲面にボール61 ,62 と共に接触す
るようになされており、ボール61 ,62 と協働して荷
重を受け、移動時には各凹曲面と摩擦して摩擦ダンパの
機能をもたせることができる。
【0033】なお、上下の高硬度部材はその全体を高硬
度な材料とせず、図11に下部高硬度部材の一部の断面
を示すように凹曲面のみを高硬度な材料3aで構成する
ようにしてもよい。
【0034】図12は転子とリテーナとを一体化した滑
り子21を上下の高硬度部材3E,4Eの凹曲面間に介
在させるようにした場合を示すもので、この滑り子21
はスチール等の金属製とされ、その上下面は上下の高硬
度部材3E,4Eの凹曲面と同一曲率の凸曲面状とさ
れ、滑りやすくするため必要により上下面にテフロン樹
脂等の低摩擦材をコーティングするなどにより積層する
ようにしたものである。これによっても前記転子による
場合と同様な作用を期すことができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、固
定側の下部高硬度部材と上部高硬度部材とを相対向する
凹曲面に形成し、これらの間に複数種の外径を有する複
数個の転子をリテーナに回転自在に保持して介在させる
か、あるいは滑り子を介在させるようにしたので、支持
負担荷重を大きくすることができ、大重量の機器類に対
しても十分に耐用可能であり、しかも上部高硬度部材が
下向きの凹曲面を有するので、地震後自動的に元位置に
復元し、後の修正を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を模式的に示す平面図。
【図2】図1のA−A相当の断面図。
【図3】本発明の他の実施形態を示す正面図。
【図4】(A)は図3のB−B断面図、(B)は同C−
C断面図。
【図5】図4(A)の拡大図。
【図6】(A)〜(C)は転子をローラとした場合の図
4(A)、(B)相当図。
【図7】図3〜図6の免震装置を用いて水平2次元3自
由度の免震装置とした平面図。
【図8】同、正面図。
【図9】(A)、(B)は大面積の免震台とした場合の
形態を示し、(A)は平常時の正面図、(B)は地震時
の正面図。
【図10】リテーナの別形態を示す断面図。
【図11】高硬度部材の別形態を示す一部の断面図。
【図12】転子の別形態を示す断面図。
【図13】従来の技術を示す断面図。
【符号の説明】
1A,1B,1C 免震装置 2 固定部 3A,3B,3C 下部高硬度部材 4A,4B,4C 上部高硬度部材 5A,5B,5C,5D リテーナ 61 ,62 ,63 転子としてのボール 7,8 溝 111 ,112 転子としのローラ 15 ベース 16 強度補強部材 17,18 免震架台 19 振動減衰部材としてのオイルダンパ 20 同、摩擦ダンパ 21 滑り子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 免震装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は免震装置に係り、特
に振動に弱いコンピュータ、銅像、彫刻等の美術品、危
険な化学薬品、危険な微生物保管ケース等の振動を嫌う
対象物を地震から保護する台状、床状の免震構造として
使用することができる免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から地震に対する免震機能を有する
装置は種々提案されているが、なかでもボールを介在さ
せて免震を図る装置として特開平8−209974号公
報に記載のものがある。
【0003】この公報に記載のものは建屋の免震を意図
するもので、図7に断面図を示すように基礎土台aに皿
状鉄板bを密着させ、この皿状鉄板bと鉄板基台cとの
間に単一の鉄球dを介在させた構成とされており、水平
2次元3自由度の免震装置とされたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに上記公報に記
載の装置では、単一のボールdにより基礎台cを支持す
る構造であるため、支持負担荷重が小さく、また支持負
担荷重を大きくしようとするとボールdの外径を大きく
しなければならず、このボールdを大径にすると高さが
大きくなってしまうという不都合を生じる。また物品を
載置すべき基礎台cは振動停止後に元の位置に正しく復
帰する自己復帰機能を有しないので、その都度位置の修
正が必要になるなどの問題点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、高さを増すこ
となく支持負担荷重を大きくすることができ、振動減衰
後の復元性のよい免震装置を提供することを課題として
なされたものである。
【0006】上記課題を解決する手段として本発明は、
固定部に配設される側面視上向きの凹曲面状を有する下
部高硬度部材と、側面視下向きの凹曲面状を有する上部
高硬度部材と、これら下部高硬度部材と上部高硬度部材
との間に介在され上記両高硬度部材の対向間隔に略一致
する外径を有する少なくとも2本のローラと、これらロ
ーラを回転自在に保持するリテーナとで構成したもので
ある。
【0007】上記1自由度を有する免震装置を上部高硬
度部材の移動方向が直交するように重装すれば水平2自
由度の免震装置とすることができる。
【0008】また前記固定部と上部高硬度部材との間に
粘性ダンパ、オイルダンパ、粘弾性ゴム、鋼棒ダンパ、
鉛の塑性によるダンパなどからなる振動減衰部材を介装
して振動の早期減衰を図るようにすることができる。
【0009】さらに前記免震装置を複数組配設し、その
上部高硬度部材側を鉄骨等により一体的に結合して免震
部を大面積の床構造とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態を参照して説明する。
【0011】図1は本発明による免震装置1の一実施形
態の側面図を示すもので、同図では振動により移動した
状態を模式的に示しており、図2は図1のA−A相当の
各断面図としてリテーナの関係を示している。
【0012】上記免震装置1は、床等の固定部2の上面
に上向きの側面視凹曲面状を有するスチールなどからな
る高硬度部材3が配設され、この上に側面視下向きの凹
曲面状を有するスチールなどからなる高硬度部材4が設
けられ、これら下部の高硬度部材3と上部の高硬度部材
4との凹曲面間に鋼材等からなる3本のローラ61 ,6
2 ,62 が介在されている。
【0013】上記ローラはリテーナ5により回転自在に
保持されるもので、この実施形態におけるリテーナ5は
板材により形成されており、その中央部の保持孔に前記
上部高硬度部材4を下部高硬度部材3から若干浮上した
位置に保持し得る外径を有する最大径のローラ61 が回
転自在に嵌合保持され、上記中央部から所要距離離間し
た位置にそれぞれ保持孔が形成されていて、前記中央部
から離間するにつれて小径のローラ62 ,62 が回転自
在に保持されている。
【0014】すなわち上記ローラ61 ,62 ,62 は上
下の高硬度部材3,4の対向する凹曲面間にすべてのロ
ーラの上下端が当接する外径とされている。したがって
下部の高硬度部材3に対し上部の高硬度部材4が水平方
向に移動する位置の如何に拘らずすべてのローラ61
2 ,62 は常に上下の高硬度部材3,4の凹曲面に接
しておかれる。またローラの移動量は固定部2と上部高
硬度部材4との相対変位量の1/2である。この変位量
は上下・水平に関し同じ比率である。
【0015】そして前記上下の高硬度部材3,4の凹曲
面の半径をRとするとき、その固有周期Tは積載重量の
如何によらずT=2π(2R/G)0.5 (G;重力加速
度)であり、長さ2Rの振子の固有周期と一致し、した
がって現実的に固有周期を長くすること、すなわち免震
効果を高めることが容易にできることになる。
【0016】振動が減衰したのちは、最大径のローラ6
1 が上下の高硬度部材3,4の中心に位置するように上
部の高硬度部材4が自動的に復元し、地震発生前の状態
に復する。
【0017】図1において鎖線で示す位置は、上部高硬
度部材4が最大限移動した状態を示している。
【0018】図2(A)、(B)は前記図1のローラの
保持手段を例示するもので、図2(A)はリテーナ5に
ローラ(符号は6で示す)が回転自在に保持されてお
り、図2(B)はリテーナ5を上下の高硬度部材3,4
の外側部に位置させた場合の形態を示すもので、ローラ
6の両端にフランジ14,14が設けられ、これらフラ
ンジ14,14間に上下の高硬度部材3,4が嵌合され
てローラ6に接触され、このフランジ14,14の外側
部でリテーナ5により拘束するようになされている。
【0019】これによれば、フランジ14,14により
ローラ6の軸方向の移動が拘束される。またローラの逸
脱を防ぐため、上下の高硬度部材の長手方向両側部に段
部12,13を設け、これをリテーナ代りとしてもよ
い。ローラを2本で構成する場合には同経のローラでよ
い。
【0020】図3、図4は前記図1に示した1自由度の
免震装置1をその上部高硬度部材4の移動方向が直交す
るように重装して水平2次元2自由度とした場合の平面
図および正面図を示すもので、ベース15上に下側とな
る免震装置1,1を4箇所に配設し、これら免震装置
1,1の上部高硬度部材4,4上に必要に応じて曲げ強
度補強部材16,16を懸け渡し、さらにその上に上側
の免震装置1,1を直交する方向に配設し、この上側の
免震装置1,1の上部高硬度部材4,4上に免震架台1
7を載装したものである。
【0021】これにより免震架台17の面積を大きくと
ることができ、X方向、Y方向の振動を上下の免震装置
1,1が複合して吸収し、2次元の免震機能を発揮させ
ることができる。
【0022】図5は大面積を必要とする免震装置1′の
場合の一実施形態を示し、(A)は平常時、(B)は変
位時の状態を示している。この実施形態では、免震架台
18が大きい面積を有するので、図1に示した1自由度
の免震装置1が複数基配列され、加えて振動減衰部材を
付加したものである。この形態は一方向免震であるが、
この免震装置1をX、Y方向として重装すればX−Yの
2方向の免震装置とすることができる。
【0023】図5では便宜上同じ図に2種の振動減衰部
材として同図左側に示すオイルダンパ19を、右側に示
す摩擦ダンパ20を適用した場合を示している。上記オ
イルダンパ19を用いる場合は、ベース15側にオイル
ダンパ19のシリンダ19aを支持させ、免震架台18
側にピストンロッド19bを支持させるようにして振動
の吸収を図る。また摩擦ダンパ20の場合は、ベース1
5側に摩擦台20aを設置し、免震架台18の下面に摩
擦部材20bを弾性的に支持させ、この摩擦部材20b
を前記摩擦台20aに圧接させておくことにより免震架
台18の振動エネルギーを摩擦エネルギー(熱エネルギ
ー)に変換して吸収するようになされている。
【0024】上記振動減衰部材としては、このほかゴム
等の弾性体を介在させたり、鉛等の材料の塑性変形によ
るダンパを用いることができる。
【0025】なお、上下の高硬度部材はその全体を高硬
度な材料とせず、図6に下部高硬度部材の一部の断面を
示すように凹曲面のみを高硬度な材料3aで構成するよ
うにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、固
定側の下部高硬度部材と上部高硬度部材とを相対向する
凹曲面に形成し、これらの間に複数本のローラをリテー
ナに回転自在に保持したので、支持負担荷重を大きくす
ることができ、大重量の機器類に対しても十分に耐用可
能であり、しかも上部高硬度部材が下向きの凹曲面を有
するので、地震後自動的に元位置に復元し、後の修正を
不要とすることができるとともに上部高硬度部材の向き
が変化することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を模式的に示す側面図。
【図2】(A)、(B)は、ローラの支持手段(リテー
ナ)の実施形態を示す断面図。
【図3】図1の免震装置を用いて水平2次元3自由度の
免震装置とした平面図。
【図4】同、正面図。
【図5】(A)、(B)は大面積の免震台とした場合の
形態を示し、(A)は平常時の正面図、(B)は地震時
の正面図。
【図6】高硬度部材の別形態を示す一部の断面図。
【図7】従来の技術を示す断面図。
【符号の説明】 1 免震装置 2 固定部 3 下部高硬度部材 4 上部高硬度部材 5 リテーナ 61 ,62 ,62 ローラ 7,8 溝 15 ベース 16 強度補強部材 17,18 免震架台 19 振動減衰部材としてのオイルダンパ 20 同、摩擦ダンパ
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新 田 晴 基 兵庫県川西市久代6−2−1−611 (72)発明者 土 屋 佳 香 大阪府吹田市青山台4−1−C74−206

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定部に配設される上向きの凹曲面状を有
    する下部高硬度部材と、下向きの凹曲面状を有する上部
    高硬度部材と、これら下部高硬度部材と上部高硬度部材
    との間に介在され上記両高硬度部材の対向間隔に略一致
    する外径を有する複数個の転子と、これら転子を前記上
    下の高硬度部材の中央部から離間するにつれて小径とな
    るようにそれぞれを回転自在に保持する板状のリテーナ
    とを具有することを特徴とする免震装置。
  2. 【請求項2】前記上部および下部高硬度部材の凹曲面は
    凹球面状を有し、前記転子はボールで構成され、前記リ
    テーナは中央部に最大径のボールを、この中央部から離
    間するにつれて順次小径のボールを回転自在に保持する
    ように構成され、水平2次元3自由度を有するようにさ
    れている請求項1記載の免震装置。
  3. 【請求項3】前記上部および下部高硬度部材の凹曲面が
    側面視円弧状の凹曲面とされ、これら凹曲面間に中央部
    に最大径のボールを、この中央部から離間するにつれて
    順次小径のボールをリテーナに回転自在に保持して上下
    の高硬度部材間に介在させ、水平1自由度を有するよう
    にされている請求項1記載の免震装置。
  4. 【請求項4】前記上部および下部高硬度部材の凹曲面は
    側面視円弧状の凹曲面とされ、前記転子はローラで構成
    され、前記リテーナは中央部に最大径のローラを、この
    中央部から離間するにつれて順次小径のローラを回転自
    在に保持するよう構成され、水平1自由度を有するよう
    にされている請求項1記載の免震装置。
  5. 【請求項5】前記リテーナの上下面が前記上部高硬度部
    材と下部高硬度部材との凹曲面に接触し得る凸曲面状に
    形成され、該リテーナに荷重および摩擦負担を与えるよ
    うにされている請求項1〜4のいずれか1項記載の免震
    装置。
  6. 【請求項6】前記円弧状の凹曲面を有する上部および下
    部高硬度部材間にその中央部に最大径のボールまたはロ
    ーラからなる転子を、中央部から離間するにつれて順次
    小径のボールまたはローラからなる転子をリテーナに回
    転自在に保持して介在させた水平1自由度の免震装置を
    その上部高硬度部材の移動方向が直交するように重装
    し、水平2自由度を有するようにされている請求項3ま
    たは4記載の免震装置。
  7. 【請求項7】前記固定部と支持部材との間に振動減衰部
    材が介装されている請求項1〜6のいずれか1項記載の
    免震装置。
  8. 【請求項8】前記免震装置を複数組配設し、その支持部
    材を鉄骨等により一体的に結合して免震部を大面積とし
    た請求項1〜7のいずれか1項記載の免震装置。
  9. 【請求項9】固定部に配設される上向きの凹曲面状を有
    する下部高硬度部材と、下向きの凹曲面状を有する上部
    高硬度部材と、これら下部高硬度部材と上部高硬度部材
    との間に介在され上記両高硬度部材の凹曲面にそう凸曲
    面形状を有する滑り子とを具有することを特徴とする免
    震装置。
  10. 【請求項10】前記上下の高硬度部材の凹曲面が凹球面
    状とされ、前記滑り子の上下面が前記凹球面と同一曲率
    の凸球面を有する円盤状とされ水平2次元3自由度を有
    するようにされている請求項9記載の免震装置。
  11. 【請求項11】前記上下の高硬度部材の凹曲面が側面視
    円弧状の凹曲面とされ、前記滑り子の上下面が前記凹曲
    面と同一曲率の凸曲面とされて水平1自由度を有してい
    る請求項9記載の免震装置。
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