JPH11302833A - プラズマ処理装置およびこれを備えた薄膜の製造装置ならびに製造方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびこれを備えた薄膜の製造装置ならびに製造方法

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JPH11302833A
JPH11302833A JP10113008A JP11300898A JPH11302833A JP H11302833 A JPH11302833 A JP H11302833A JP 10113008 A JP10113008 A JP 10113008A JP 11300898 A JP11300898 A JP 11300898A JP H11302833 A JPH11302833 A JP H11302833A
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thin film
plasma
producing
plasma processing
processing apparatus
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JP10113008A
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Kazuhiro Fukushima
和宏 福島
Kazuyoshi Koide
和佳 小出
Shigemi Senda
淑美 千田
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Toyo Metallizing Co Ltd
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toyo Metallizing Co Ltd
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、高密度なプラズマによる処理を容易
に実現できるプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
ならびにこれを用いた薄膜製造装置および薄膜製造方法
を提供する。 【解決手段】プラズマを生成するために電圧が印加され
る電極と、前記電極により生成されるプラズマと電位差
を持つ導体面と、前記導体面を挟んで前記電極とは反対
側に、前記導体面と平行な磁界成分が閉ループを形成す
るように配置された磁石と、前記導体面と前記平行な磁
界成分との間に被処理物体を保持する機構を備えること
を特徴とするプラズマ処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理装置
およびこれを用いた薄膜の製造装置ならびに製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマは電気化学的に活性な雰囲気を
容易に実現できるため、表面改質や蒸着の反応支援の手
段として工業的に広く使われている。そして、各種プロ
セスの高速化、大面積化、高品質化等の要求に対応する
ために、高密度化、大面積化、均一化等が技術的課題と
なっている。
【0003】特に、真空蒸着等の薄膜形成プロセスで
は、蒸着装置内のどの部分にプラズマを生成するかがプ
ロセスおよび薄膜の特性を大きく左右する。最近ではイ
オンプレーティング法がプラズマを利用して高品質の薄
膜を高速に成膜する技術として使われている。これは、
蒸発物質をプラズマ(イオン)にし、電界で基板表面に
引きつける原理を利用したものである。
【0004】イオンプレーティングをはじめ、プラズマ
支援蒸着やプラズマによる表面改質等では、基材表面の
プラズマをいかに高密度かつ均一にできるかが重要とな
る。しかし、従来の技術ではプラズマを生成する電極付
近のプラズマ密度が十分でも、基材表面では不十分また
は不均一である。
【0005】高密度のプラズマを容易に実現できる手段
としてはマグネトロンプラズマが古くから知られ、スパ
ッタリングなど工業的に広く使われている(例えば、早
川、和佐著:「薄膜化技術」、共立出版、昭和57年初
版)。従来の電界と磁界の相互作用によるマグネトロン
プラズマの生成電極は、電界と磁界の発生源が一体また
はごく接近しており、電極構造が複雑であったり、マグ
ネトロンプラズマの発生領域が電極近傍に限定されてい
る。そのため、イオンプレーティングやプラズマ支援蒸
着に適用しようとしても、蒸着膜が形成されつつある基
材表面に高密度のプラズマを実現することは困難であ
る。
【0006】一方、特開平6−264238号公報で
は、プラズマを集束コイルにより揺動させながら蒸着を
行うことにより膜厚分布を制御することや該集束コイル
を被処理物の背後に設けることを特徴としたイオンプレ
ーティング装置および蒸着膜の膜厚と組成分布を制御す
る方法が開示されている。しかし、上記特開平6−26
4238号公報は被処理物表面にプラズマを集めること
は可能であるが、被処理物表面でプラズマを生成するこ
とが困難なため、プラズマの密度の点で不十分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のマグネトロンプ
ラズマ電極では電極近傍にマグネトロンプラズマが生成
される。そのため、電極を基材の処理面側に配置する場
合は電極を基材近傍に配置する必要があり、プラズマに
さらされている基材に蒸着等の加工を施す際の妨げにな
る。一方、基材の背面に従来のマグネトロンプラズマ電
極を配置した場合は、基材または基材表面に付与する材
料が導体の場合には電界が遮蔽されてしまい、基材表面
にマグネトロンプラズマを生成することが極めて困難と
なる。
【0008】本発明の課題は、基材表面で高密度なプラ
ズマを生成し、しかもプラズマにさらされている基材表
面に真空蒸着等の加工が容易に行えるプラズマ処理装置
および薄膜の製造装置を提供することである。具体的に
は、基材表面でのマグネトロンプラズマの実現とプラズ
マ生成電極が基材表面への加工手段を妨げないことを両
立させることである。さらには、作成する薄膜が透明導
電膜等の導体であっても、基材表面にプラズマを生成す
るために必要な電界と磁界を実現することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は以下の構成からなる。すなわち、 (1)プラズマを生成するための電圧が印加される電極
と、該電極により生成されるプラズマと電位差を持つ導
体面と、該導体面を挟んで前記電極とは反対側に、かつ
前記導体面と平行な磁界成分が閉ループを形成するよう
に配置された磁石と、前記導体面と前記平行な磁界成分
との間に被処理物体を保持する機構を備えることを特徴
とするプラズマ処理装置。
【0010】(2)被処理物体を保持する機構が帯状シ
ート体を前記導体面と並行に搬送する機構を備えたもの
であることを特徴とする前記(1)に記載のプラズマ処
理装置。
【0011】(3)被処理物体を保持する機構が板状シ
ート体を前記導体面と並行に搬送する機構を備えたもの
であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載
のプラズマ処理装置。
【0012】(4)移動するシート体に対して、前記
(1)〜(3)のいずれかに記載のプラズマ処理装置を
用いてプラズマを照射することを特徴とするプラズマ処
理方法。
【0013】(5)移動する非磁性シート体に対して、
前記(1)〜(3)のいずれかに記載のプラズマ処理装
置を用いてプラズマを照射することを特徴とするプラズ
マ処理方法。
【0014】(6)前記(1)〜(3)のいずれかに記
載のプラズマ処理装置を少なくとも一つ備えることを特
徴とする薄膜の製造装置。
【0015】(7)被処理物体表面に薄膜が形成される
領域とプラズマにさらされる領域とが、少なくとも一部
分重複するようにプラズマ処理装置が配置されているこ
とを特徴とする前記(6)に記載の薄膜の製造装置。
【0016】(8)被処理物体表面がプラズマにさらさ
れる領域内で、被処理物体表面に薄膜が形成されるよう
にプラズマ処理装置が配置されていることを特徴とする
前記(6)に記載の薄膜の製造装置。
【0017】(9)移動するシート体に、前記(6)〜
(8)のいずれかに記載の薄膜の製造装置を用いて非磁
性体薄膜を形成することを特徴とする薄膜の製造方法。
【0018】(10)移動するシート体に、前記(6)
〜(8)のいずれかに記載の薄膜の製造装置を用いて化
合物薄膜を形成することを特徴とする薄膜の製造方法。
【0019】(11)移動するシート体に、前記(6)
〜(8)のいずれかに記載の薄膜の製造装置を用いて酸
化物薄膜を形成することを特徴とする薄膜の製造方法。
【0020】(12)移動するシート体に、前記(6)
〜(8)のいずれかに記載の薄膜の製造装置を用いて、
導電性でかつ非磁性の薄膜を形成することを特徴とする
薄膜の製造方法。
【0021】(13)10(kΩ/□)以下の導電性の
面を有しかつ移動するシート体に、前記(6)〜(8)
のいずれかに記載の薄膜の製造装置を用いて薄膜を形成
することを特徴とする薄膜の製造方法。
【0022】(14)前記(6)〜(8)のいずれかに
記載の薄膜の製造装置を用い、基材として熱可塑性樹脂
を用いることを特徴とする薄膜の製造方法。
【0023】
【発明の実施の形態】[1]本発明のプラズマ処理装置
は、プラズマを生成するために電圧が印加される電極
と、前記電極により生成されるプラズマと電位差を持つ
導体面と、前記導体面を挟んで前記電極とは反対側に、
前記導体面と平行な磁界成分が閉ループを形成するよう
に配置された磁石と、前記導体面と前記平行な磁界成分
との間に被処理物体を保持する機構を備えることを特徴
とするものである。
【0024】上記のプラズマ処理装置において、プラズ
マと電位差を持つ導体面は、接地電位または故意に電圧
を印加された面のいずれでもよいが、プラズマと100
(V)以上の電位差があると磁界との相互作用が生じ易
いので好ましい。また、導体面は磁石表面と同一面でも
よいが、磁石とは別に非磁性体の金属板で導体面を構成
すると、磁石の形を自由に選べるので好ましい。磁石は
永久磁石または電磁石のいずれでもよいが、閉ループを
形成する導体面と平行な磁界成分が0.03(T)以上
あるとマグネトロンプラズマを生成し易いので好まし
い。さらに、導体面およびこれと平行な磁界成分との間
に被処理物体を保持すると、被処理物体の電極側の面を
高密度なプラズマで処理できるので好ましい。前記導体
面と前記平行な磁界成分との間とは、0.03(T)以
上の平行な磁界成分が被処理物体の電極側に閉ループを
形成する位置のことである。なお、プラズマを生成する
ために電極に印加される電圧は交流または直流のいずれ
でもよいが、100(kHz)以上の交流の方がマグネ
トロンプラズマを生成させ易いので好ましい。
【0025】[2]上記の被処理物体を保持する機構
は、帯状シート体を搬送する機構を備えたものであるこ
とが好ましい。
【0026】また、上記の処理物体を搬送する機構は、
張力および速度の制御機構を有する巻取機構を備えたも
のであると、長尺の帯状シートを容易に扱えるので好ま
しい。
【0027】[3]さらに、上記の被処理物体を保持す
る機構は、板状シート体を前記導体面と並行に搬送する
機構を備えたものであることが好ましい。
【0028】また、板状シート体を保持する機構を搬送
方向に平行な両端に配置すると、被処理物体近傍の電界
および磁界を乱さないようにすることができるので好ま
しい。
【0029】[4]次に、本発明のプラズマ処理方法
は、移動するシート体に対して、前記[1]〜[3]の
いずれかに記載のプラズマ処理装置を用いてプラズマを
照射することを特徴とするものである。ここで、シート
体とは板、フィルム、布帛、および繊維を並べたものを
含むものである。
【0030】[5]また、本発明のプラズマ処理方法
は、移動する非磁性シート体に対して、前記[1]〜
[3]のいずれかに記載のプラズマ処理装置を用いてプ
ラズマを照射することを特徴とするものである。被処理
物体が非磁性シート体の場合は磁界を乱さず、プラズマ
処理が有効に行えるので好ましい。
【0031】[6]また、本発明の薄膜の製造装置は、
前記[1]〜[3]のいずれかに記載のプラズマ処理装
置を少なくとも一つ備えることを特徴とするものであ
る。
【0032】ここで、薄膜の製造装置とは、蒸着装置、
イオンプレーティング装置、スパッタ装置およびCVD
装置を含むものである。
【0033】[7]また、前記[6]に記載の薄膜の製
造装置において、被処理物体表面に薄膜が形成される領
域とプラズマにさらされる領域とが少なくとも一部分重
複するようにプラズマ処理装置が配置されていることが
好ましい。
【0034】被処理物体表面に薄膜が形成される領域と
プラズマにさらされる領域とを重複させると、プラズマ
処理されながら薄膜が形成されるため、高品質の薄膜を
安定に製造し易くなる。
【0035】また、基材を搬送させながら薄膜を形成す
る場合、薄膜が形成される領域の上流を前記マグネトロ
ンプラズマにさらすと、基材の表面処理効果により薄膜
の密着性などを改善することが可能となるので好まし
い。また、薄膜が形成される領域の下流を前記マグネト
ロンプラズマにさらすと、形成した薄膜の後処理により
薄膜の品質を改善することが可能となるので好ましい。
【0036】[8]また、前記[6]に記載の薄膜の製
造装置において、被処理物体表面がプラズマにさらされ
る領域内で、被処理物体表面に薄膜が形成されるように
プラズマ処理装置が配置されていることが好ましい被処
理物体表面がプラズマにさらされる領域内で被処理物体
表面に薄膜が形成されるようにすると、面内および厚さ
方向に均質で良好な薄膜を高速で形成し易くなる。
【0037】[9]本発明の薄膜の製造方法は、移動す
るシート体に、前記[6]〜[8]のいずれかに記載の
薄膜の製造装置を用いて非磁性体薄膜を形成することを
特徴とするものである。
【0038】被処理物体に非磁性体が形成されても前記
マグネトロンプラズマを生成する磁場を乱さないため、
前記[6]〜[8]のいずれかに記載の薄膜の製造装置
は非磁性体薄膜の製造に有効である。
【0039】[10]上記の薄膜の製造方法において、
移動するシート体に、前記[6]〜[8]のいずれかに
記載の薄膜の製造装置を用いて化合物薄膜を形成するこ
とが好ましい。
【0040】化合物薄膜を製造する場合、被処理物体表
面のプラズマは化合物の生成反応を促進するため、前記
[6]〜[8]のいずれかに記載の薄膜の製造装置は化
合物薄膜の製造に有効である。
【0041】[11]また、上記の薄膜の製造方法にお
いて、移動するシート体に、前記[6]〜[8]のいず
れかに記載の薄膜の製造装置を用いて酸化物薄膜を形成
することが好ましい。
【0042】[12]また、前記薄膜の製造方法におい
て、移動するシート体に、前記[6]〜[8]のいずれ
かに記載の薄膜の製造装置を用いて、導電性でかつ非磁
性の薄膜を形成するが好ましい。
【0043】被処理物体表面に導電性でかつ非磁性薄膜
が形成されても、前記マグネトロンプラズマを生成する
磁界を乱さないので、[7]〜[9]のいずれかに記載
の薄膜の製造装置は導電性薄膜の製造に適している。な
お、ここで導電性とは、表面抵抗が10(kΩ/□)以
下のものをいう。
【0044】[13]また、前記薄膜の製造方法におい
て、10(kΩ/□)以下の導電性の面を有しかつ移動
するシート体に、前記[6]〜[8]のいずれかに記載
の薄膜の製造装置を用いて薄膜を形成することが好まし
い。
【0045】基材が導電性を有していても磁界を乱さな
いので、基材表面近傍に高密度なプラズマを生成でき
る。従って、[6]〜[8]のいずれかに記載の薄膜の
製造装置は導電性薄膜の製造に適している。なお、ここ
で導電性を有する基材とは、面抵抗が10(kΩ/□)
以下の層を表面および/または内部のいずれかに有する
ものをいう。
【0046】[14]また、前記薄膜の製造方法におい
て、前記[6]〜[8]のいずれかに記載の薄膜の製造
装置を用い、基材として熱可塑性樹脂を用いることが好
ましい。
【0047】前記[6]〜[8]のいずれかに記載の薄
膜の製造装置は、基材表面近傍に生成されるプラズマの
電気化学的作用を利用できるので比較的低温で薄膜を形
成でき、熱可塑性樹脂表面にも高品質な薄膜を容易に製
造できるので好ましい。
【0048】以下に、さらに本発明の好ましい実施の形
態の一例を図を用いて説明する。なお、本発明はこの実
施の形態に限定されるものではない。
【0049】図1は、本発明に係るプラズマ処理装置の
一例を示す側面図であり、図2は、図1のA−A′断面
図であり、図3は、図1のB−B′断面図である。
【0050】図1〜図3に示すように、非磁性導体板1
を挟んで電極3と磁石2が配置されており、電極3は電
源4に接続され、磁石2は磁性導体板5に密着され、金
属製の処理容器筺体6に固定されて接地されている。磁
石2は非磁性導体板1と平行な磁界成分がつくられるよ
うに配置されている。しかも、この非磁性導体板1と平
行な磁界成分は被処理物体7の保持位置よりも電極3側
で0.03(T)以上あり、閉ループになっている。電
極3はパイプをループ状にしたもので、非磁性導体板1
と平行に配置されている。
【0051】図4及び図5は本発明に適用する磁石の配
置の一例を示す平面図である。
【0052】磁石2の配置は図4または図5のようにし
てもよい。いずれも非磁性導体板1と平行な磁界成分が
つくられ、平行な磁界成分は閉ループになっている。
【0053】
【実施例】実施例 図6は、本発明に係るプラズマ処理装置を用いた薄膜の
製造装置の一例を示す側面図である。
【0054】図6に示すように、ステンレス鋼(SUS
303)製の処理容器筺体6の中に蒸発源8とフィルム
巻取機構9が設置されており、蒸発源8と被処理物体7
(フィルム基材)の間にはプラズマ用電極3が非磁性体
導体板1と平行に設置されている。非磁性体導体板1の
電極3と反対側の面には磁石2が配置され、磁性導体板
5で磁気的に結合され、被処理物体7の電極3側に平行
磁場が閉ループを形成している。また、非磁性導体板1
は磁石2と磁性導体板5を介して処理容器筺体6に電気
的に接続されて接地電位になっている。この場合、交差
しない二重の閉ループを形成している。磁石2にはサマ
リウムコバルト製のもの、非磁性体導体板1には厚さ2
(mm)のステンレス鋼(SUS303)、磁性導体板
5には厚さ10(mm)のSS400を用いた。非磁性
体導体板1と平行な磁界強度を非磁性体導体板1の電極
3側の面で測定したところ、0.10(T)以上あっ
た。
【0055】次に、処理容器筺体6内をいったん5×1
-4(Pa)まで排気した後、酸素を導入して3×10
-2(Pa)の圧力に保ち、電極3に13.56(MH
z)、3(kW)の電力を投入した。その結果、電極3
付近にプラズマ10が形成され、被処理物体7の表面近
傍の平行閉ループ磁場の部分に周りよりもプラズマ発光
の強い部分11が観測された。
【0056】この状態でITO(In2 3 :SnO2
10wt%含有)顆粒81に電子ビーム82を照射して
蒸着を行った。蒸発量は電子ビーム82の強度を調整
し、蒸発源8から1000(mm)離れた位置を0.5
(m/min)で移動する被処理物体7表面に70(n
m)の厚さで成膜できるようにした。作成したITO膜
を評価した結果、波長550(nm)の光の吸収が3%
以下であり、表面抵抗は100(Ω/□)以下の良好な
膜であった。
【0057】比較例 図7に示す様に、図6に示した実施例の磁石2をアルミ
ブロック12に置き換え、その他の条件を実施例と同一
にして成膜した。被処理物体表面には特にプラズマ発光
の強い部分は見られなかった。作成したITO膜を評価
した結果、波長550(nm)の光の吸収が5%以上あ
り、表面抵抗は500(Ω/□)以上で酸化反応が不十
分な膜であった。
【0058】
【発明の効果】本発明では基材の被処理面近傍に電極等
を配置せずに、基材被処理面近傍で高密度なプラズマを
容易に生成することが可能である。従って、基材表面に
蒸着等の加工を施す工程にも適用可能であり、特に化合
物薄膜の製造工程ではプラズマの活性化作用により高品
質な膜を高速に製造することが容易になる。また、磁石
2には必ずしも電源を接続する必要がなく、既存の設備
に容易に付設してプラズマ密度を高めることができる。
さらに、磁石2の配置や強さを調整することにより、被
処理基材に照射するプラズマを容易に所望の分布にする
こともできる。また、磁石2は基材表面近傍の電界との
相互作用によりマグネトロンプラズマを生成するもので
あり、プラズマの密度を高くできずプラズマの電位が高
い場合ほど本発明の効果は顕著になる。つまり、従来の
プラズマ処理装置や方法を用いた場合の被処理基材表面
近傍のプラズマ密度の限界を容易に高めることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ処理装置の一例を示す図
である。
【図2】図1のA−A′断面図である。
【図3】図1のB−B′断面図である。
【図4】本発明に適用する磁石の配置の一例を示す平面
図である。
【図5】本発明に適用する磁石の配置の一例を示す平面
図である。
【図6】本発明に係るプラズマ処理装置を用いた薄膜の
製造装置の一例を示す側面図である。
【図7】比較例に係るプラズマ処理装置を用いた薄膜の
製造装置の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
1:非磁性導体板 2:磁石 3:電極 4:電源 5:磁性導体板 6:処理容器筺体 7:被処理物体 8:蒸発源 81:ITO顆粒 82:電子ビーム 9:フィルム巻取機構 10:プラズマ 11:プラズマ発光の強い部分 12:アルミブロック
フロントページの続き (72)発明者 千田 淑美 静岡県三島市長伏33の1 東洋メタライジ ング株式会社三島工場内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマを生成するための電圧が印加され
    る電極と、該電極により生成されるプラズマと電位差を
    持つ導体面と、該導体面を挟んで前記電極とは反対側
    に、かつ前記導体面と平行な磁界成分が閉ループを形成
    するように配置された磁石と、前記導体面と前記平行な
    磁界成分との間に被処理物体を保持する機構を備えるこ
    とを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】被処理物体を保持する機構が帯状シート体
    を前記導体面と並行に搬送する機構を備えたものである
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】被処理物体を保持する機構が板状シート体
    を前記導体面と並行に搬送する機構を備えたものである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ処
    理装置。
  4. 【請求項4】移動するシート体に対して、請求項1〜3
    のいずれかに記載のプラズマ処理装置を用いてプラズマ
    を照射することを特徴とするプラズマ処理方法。
  5. 【請求項5】移動する非磁性シート体に対して、請求項
    1〜3のいずれかに記載のプラズマ処理装置を用いてプ
    ラズマを照射することを特徴とするプラズマ処理方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ
    処理装置を少なくとも一つ備えることを特徴とする薄膜
    の製造装置。
  7. 【請求項7】被処理物体表面に薄膜が形成される領域と
    プラズマにさらされる領域とが、少なくとも一部分重複
    するようにプラズマ処理装置が配置されていることを特
    徴とする請求項6に記載の薄膜の製造装置。
  8. 【請求項8】被処理物体表面がプラズマにさらされる領
    域内で、被処理物体表面に薄膜が形成されるようにプラ
    ズマ処理装置が配置されていることを特徴とする請求項
    6に記載の薄膜の製造装置。
  9. 【請求項9】移動するシート体に、請求項6〜8のいず
    れかに記載の薄膜の製造装置を用いて非磁性体薄膜を形
    成することを特徴とする薄膜の製造方法。
  10. 【請求項10】移動するシート体に、請求項6〜8のい
    ずれかに記載の薄膜の製造装置を用いて化合物薄膜を形
    成することを特徴とする薄膜の製造方法。
  11. 【請求項11】移動するシート体に、請求項6〜8のい
    ずれかに記載の薄膜の製造装置を用いて酸化物薄膜を形
    成することを特徴とする薄膜の製造方法。
  12. 【請求項12】移動するシート体に、請求項6〜8のい
    ずれかに記載の薄膜の製造装置を用いて、導電性でかつ
    非磁性の薄膜を形成することを特徴とする薄膜の製造方
    法。
  13. 【請求項13】10(kΩ/□)以下の導電性の面を有
    しかつ移動するシート体に、請求項6〜8のいずれかに
    記載の薄膜の製造装置を用いて薄膜を形成することを特
    徴とする薄膜の製造方法。
  14. 【請求項14】請求項6〜8のいずれかに記載の薄膜の
    製造装置を用い、基材として熱可塑性樹脂を用いること
    を特徴とする薄膜の製造方法。
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