JPH11302820A - 硫酸塩で封孔処理をした溶射被覆部材の製造方法 - Google Patents

硫酸塩で封孔処理をした溶射被覆部材の製造方法

Info

Publication number
JPH11302820A
JPH11302820A JP11657298A JP11657298A JPH11302820A JP H11302820 A JPH11302820 A JP H11302820A JP 11657298 A JP11657298 A JP 11657298A JP 11657298 A JP11657298 A JP 11657298A JP H11302820 A JPH11302820 A JP H11302820A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sulfate
thermal spray
sealing treatment
corrosion
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11657298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3966611B2 (ja
Inventor
Yukio Imaizumi
幸男 今泉
Toshihiko Furue
敏彦 古江
Kenichi Yamada
謙一 山田
Masanobu Irie
政信 入江
Yoshiichi Mito
芳一 水戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YAMADA KINZOKU BOSHOKU KK
Kyushu Electric Power Co Inc
Original Assignee
YAMADA KINZOKU BOSHOKU KK
Kyushu Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YAMADA KINZOKU BOSHOKU KK, Kyushu Electric Power Co Inc filed Critical YAMADA KINZOKU BOSHOKU KK
Priority to JP11657298A priority Critical patent/JP3966611B2/ja
Publication of JPH11302820A publication Critical patent/JPH11302820A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3966611B2 publication Critical patent/JP3966611B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ごみ発電用ボイラチューブ及び部材の高温耐
食性や耐摩耗性を改善すること。 【解決手段】 金属製基材の表面に形成した溶射皮膜
に、硫酸塩を主成分とする溶液またはスラリーを用いて
封孔処理を行う、またはその封孔処理の後に加熱処理を
行う方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐高温腐食性及び
耐摩耗性に優れた溶射被覆部材の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ごみ発電プラントでは、発電効率の向上
を目的として高温高圧化が進められているが、これに伴
いボイラ部材の高温腐食環境が過酷化するため、ボイラ
チューブや部材などの腐食劣化が問題となっている。こ
のごみの中には、木材,紙,プラスチック等の可燃物の
他、さまざまな物質が不均一に混在しており、そのため
ごみ燃焼炉燃焼ガスは一般の化石燃料(重油,石炭等)
に比べてHCl等の腐食性ガス成分及び燃焼飛灰(ダス
ト)を多く含んでいる。この堆積するダストの中には金
属酸化物、高濃度のアルカリ(Na,K等),アルカリ
土類(Ca等),重金属(Pb,Zn等)の塩化物,硫
酸塩が含まれている。これら混合塩の共晶反応により、
灰の融点が下がるため、融点以上で使用される高温部材
の腐食速度は大きく増加する。その中でも金属塩化物の
融点は硫酸塩の融点より低いものが多く存在する。表1
に金属塩化物の融点と硫酸塩の融点を示す。
【0003】
【表1】
【0004】金属塩化物は、ごみの燃焼環境中では融点
が低いため、常に溶融状態で存在し腐食反応性が強く、
焼却プラントを構成する金属材料を激しく腐食させる。
また、金属塩化物は蒸気圧が高く、容易に昇華するため
保護皮膜が生成されないことも要因である。これに対し
て、硫酸塩は同種の金属でも金属塩化物から硫酸塩に変
化すれば融点が高くなり、焼却プラントを構成する金属
材料に付着したとしても固相状態であるため、腐食反応
は極めて遅く腐食速度は無視できる程度になる。このこ
とから、ごみ燃焼雰囲気中のボイラチューブ及び部材の
腐食は、雰囲気中に含まれるHCl,Cl等による高
温腐食及び付着灰中に含まれる低融点塩化物の溶融塩腐
食の要因が大きく、特にハロゲンガスの金属塩化物の高
温腐食が最も激しいことが分かる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来のご
み発電プラントでは、主として高温腐食のため蒸気温度
の高温高圧化を望めないのが現状である。本発明は、従
来のごみ発電プラントにおける上記の問題点を解決し、
予め基材に溶射した溶射皮膜に腐食反応を抑制する硫酸
塩を含浸させておいてハロゲンガスや金属塩化物による
溶融塩腐食に対して耐食性と耐摩耗性を向上させる方法
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、金属製基材の表面に形成した溶射皮膜
に硫酸塩を主成分とする溶液又はスラリーを用いて封孔
処理をする方法、及びその封孔処理をした後に加熱処理
をする方法を採用し、耐高温腐食性及び耐摩耗性に優れ
た溶射被覆部材を製造するものである。
【0007】本発明の封孔処理に用いる硫酸塩の溶液及
びスラリーは、NaSO,KSO,ZnS
,Al(SO,MgSO,CaSO,B
aSO,NiSO,Cr(SO,CoSO
,PbSO,SnSOなどを主成分とする少なく
とも1種類以上を組み合わせたものである。本発明によ
る封孔方法は、ハケやローラによる塗布でもよく、また
は浸漬や真空浸漬でもよい。
【0008】本発明で使用する溶射は、プラズマ溶射,
高速フレーム溶射,アーク溶射,ガス溶射等の方法が適
用される。また、溶射材料は、セラミック,金属及びそ
の合金,サーメット等を用いる。その溶射材料の形態
は、粉末,ワイヤー等である。上記溶射方法により種々
のポーラスな皮膜を作成することが出来る。例えば、ア
ーク溶射方法では、溶融したワイヤーを材料表面上に吹
き付けるための空気量を変化させたり、プラズマ溶射方
法では、材料表面と溶射ガンとの距離を変化させること
で各々気孔率の異なるポーラスな溶射皮膜を形成するこ
とが出来る。
【0009】本発明は、このポーラスな溶射皮膜を利用
してその皮膜上及び皮膜内に硫酸塩の溶液及び又はスラ
リーを含浸する封孔処理を施す、またその封孔処理後に
加熱処理を施すことで耐高温腐食性や耐高温耐摩耗性等
の耐久性を向上させることが出来る。この溶射皮膜の積
層仕様は1層でも2層以上でもよい。加熱処理は、大気
中,不活性ガス中または真空中で処理するものとする。
この加熱処理を行うことで、溶射皮膜と硫酸塩による封
孔処理の密着力と緻密性を高めることが出来る。また、
この加熱処理は溶射皮膜自体を緻密にすることが出来、
耐摩耗性の向上も付加出来る。
【0010】
【発明の実施の形態】図1に硫酸塩で封孔処理をした溶
射皮膜の断面を示す。図中1は溶射皮膜、2は硫酸塩、
3は基材を示す。硫酸塩の封孔処理効果を確認するため
に溶射皮膜の高温腐食を行った。表2に試験条件、表3
に高温腐食試験条件を示す。試験ピースは下層にハステ
ロイC、上層にアルミナ/50Ni50Cr(ブレンド
品)でプラズマ溶射したものを作成した。溶射は試験ピ
ース全面に行った。封孔方法は浸漬法(1時間)で行っ
た。加熱処理については、封孔剤(MgSO,CuS
)で封孔処理した後、600℃,1時間で行った。
腐食試験はるつぼ試験法により、試験ピースを腐食灰の
中に埋め込み、表3に示す腐食条件で電気炉内で処理を
行った。評価方法は腐食試験前後の重量差、腐食試験後
の試験ピースの外観観察及び断面分析(SEM,EPM
A)で行った。この試験ではSUS304の基材を比較
材とした。
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】表4に高温腐食試験結果を示す。その結
果、アルミナ/50Ni50Cr溶射皮膜をMgSO
で封孔処理したものは、何も封孔処理をしていないアル
ミナ/50Ni50Cr溶射皮膜よりも腐食が抑制され
ているのが認められた。これにより、溶射皮膜の硫酸塩
による封孔処理は、腐食抑制の効果があることが確認出
来た。
【0014】
【表4】
【0015】
【発明の効果】以上述べてきたように本発明方法によれ
ば、高温腐食環境の激しいごみ発電プラントなどの発電
効率の向上(高温高圧化)や機器寿命の延伸に対して優
れた耐高温腐食性と耐摩耗性の耐久力を発揮することが
出来るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】硫酸塩で封孔処理した溶射皮膜の断面説明図で
ある。
【符号の説明】
1 溶射皮膜 2 硫酸塩 3 基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 謙一 福岡県粕屋郡粕屋町大字仲原2804−1山田 金属防蝕株式会社内 (72)発明者 入江 政信 福岡県粕屋郡粕屋町大字仲原2804−1山田 金属防蝕株式会社内 (72)発明者 水戸 芳一 福岡県粕屋郡粕屋町大字仲原2804−1山田 金属防蝕株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製基材の表面に形成した溶射皮膜上
    に、硫酸塩を主成分とする融液及び又はスラリーを塗布
    若しくはスプレーして、溶射皮膜上及び溶射皮膜内部に
    硫酸塩を含浸させる封孔処理を行うことを特徴とする耐
    高温腐食性と耐摩耗性に優れる複合溶射被覆部材の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 金属製基材の表面に形成した溶射皮膜
    を、硫酸塩を主成分とする溶液及び又はスラリーに浸漬
    若しくは真空浸漬をして、溶射皮膜上及び溶射皮膜内部
    に硫酸塩を含浸させる封孔処理を行うことを特徴とする
    耐高温腐食性と耐摩耗性に優れる複合溶射被覆部材の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 封孔処理をした後、その溶射被覆部材に
    加熱処理を施すことを特徴とする請求項1又は2に記載
    の耐高温腐食性と耐摩耗性に優れる複合溶射被覆部材の
    製造方法。
JP11657298A 1998-04-27 1998-04-27 硫酸塩で封孔処理をした溶射被覆部材の製造方法 Expired - Fee Related JP3966611B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11657298A JP3966611B2 (ja) 1998-04-27 1998-04-27 硫酸塩で封孔処理をした溶射被覆部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11657298A JP3966611B2 (ja) 1998-04-27 1998-04-27 硫酸塩で封孔処理をした溶射被覆部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11302820A true JPH11302820A (ja) 1999-11-02
JP3966611B2 JP3966611B2 (ja) 2007-08-29

Family

ID=14690441

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11657298A Expired - Fee Related JP3966611B2 (ja) 1998-04-27 1998-04-27 硫酸塩で封孔処理をした溶射被覆部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3966611B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9238860B2 (en) 2012-12-17 2016-01-19 Fujigiken Co., Ltd. Method of carrying out post-treatment to sprayed coating and agent used for the same
WO2018066330A1 (ja) * 2016-10-06 2018-04-12 三菱重工業株式会社 遮熱コーティング膜、タービン部材及び遮熱コーティング方法
WO2021090384A1 (ja) * 2019-11-06 2021-05-14 日本電信電話株式会社 亜鉛溶射材料およびその製造方法ならびに溶射装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9238860B2 (en) 2012-12-17 2016-01-19 Fujigiken Co., Ltd. Method of carrying out post-treatment to sprayed coating and agent used for the same
WO2018066330A1 (ja) * 2016-10-06 2018-04-12 三菱重工業株式会社 遮熱コーティング膜、タービン部材及び遮熱コーティング方法
JP2018059465A (ja) * 2016-10-06 2018-04-12 三菱重工業株式会社 遮熱コーティング膜、タービン部材及び遮熱コーティング方法
WO2021090384A1 (ja) * 2019-11-06 2021-05-14 日本電信電話株式会社 亜鉛溶射材料およびその製造方法ならびに溶射装置
JPWO2021090384A1 (ja) * 2019-11-06 2021-05-14

Also Published As

Publication number Publication date
JP3966611B2 (ja) 2007-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1642993B1 (en) Segmented gadolinia zirconia coatings
US6242050B1 (en) Method for producing a roughened bond coat using a slurry
JP2981184B2 (ja) ボイラ伝熱管および管内面デポジット付着抑制効果に優れるボイラ伝熱管の製造方法
US6355356B1 (en) Coating system for providing environmental protection to a metal substrate, and related processes
US6562483B2 (en) Method for improving the oxidation-resistance of metal substrates coated with thermal barrier coatings
CN106086759A (zh) 一种垃圾焚烧发电锅炉烟气测的耐高温氯腐蚀NiCrTiAlSi/La2O3涂层及制备方法
EP1598439A2 (en) HVOF bi-layer coating with controlled porosity for use in thermal barrier coatings
Hocking Coatings resistant to erosive/corrosive and severe environments
ITMI20001872A1 (it) Metodo per rivestire e proteggere un substrato
Prashar et al. Application of thermal spraying techniques used for the surface protection of boiler tubes in power plants: Thermal spraying to combat hot corrosion
EP0157231B1 (en) Aluminum and yttrium oxide coated thermal spray powder
EP0622471A1 (en) Composite material comprising chromium carbide and a solid lubricant for use as a high velocity oxy-fuel spray coating
JP3088652B2 (ja) 自己補修作用を有するガラス質溶射材料被覆部材とその製造方法
JPH11302820A (ja) 硫酸塩で封孔処理をした溶射被覆部材の製造方法
JPH05345966A (ja) 溶射による複合コーティング
GB2150158A (en) Treatment of boiler tubes
Barnwal et al. Thermal barrier coating system and different processes to apply them-a review
JP2004332024A (ja) 自己封孔作用を有する溶射皮膜被覆部材およびその製造方法ならびに封孔方法
Umashanker et al. A review on ceramic coatings for low carbon steel methods materials and applications
JP2006241514A (ja) 耐溶融塩腐食コーティング部材の製造方法及び耐溶融塩腐食コーティング部材
JP2005272927A (ja) 耐高温腐食性材料
JP2002020851A (ja) 溶融ガラス塊の搬送用部材およびその製造方法
JP3167653B2 (ja) 可溶性ガラス質材料溶射被覆部材およびその製造方法
Fantozzi Chlorine-induced High Temperature Corrosion of Thermally Sprayed Coatings
Lindblad et al. Gas turbine bucket corrosion protection developments

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050425

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050719

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20060501

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060501

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060619

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20060626

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20060710

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060816

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070116

A521 Written amendment

Effective date: 20070314

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070508

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20070529

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110608

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120608

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120608

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130608

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees