JPH11301474A - 車両用換気装置 - Google Patents

車両用換気装置

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JPH11301474A
JPH11301474A JP11486098A JP11486098A JPH11301474A JP H11301474 A JPH11301474 A JP H11301474A JP 11486098 A JP11486098 A JP 11486098A JP 11486098 A JP11486098 A JP 11486098A JP H11301474 A JPH11301474 A JP H11301474A
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JP
Japan
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air
flow path
silencer
impeller
air supply
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JP11486098A
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English (en)
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Susumu Yamazaki
山崎  進
Shigesaburo Komatsu
茂三郎 小松
Yasushi Takatsu
恭 高津
Tomotari Shibuya
知足 澁谷
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用換気装置の静音化を図る。 【解決手段】 車両用換気装置は、ブロワ部30を中心
にして給気系サイレンサ部29、排気系サイレンサ部か
らなり、ブロワ部30は、筐体中心部で両軸形駆動モー
タ18に取付けられた各ターボ羽根車4、14を有し、
給気系サイレンサ部29は筐体外壁に設けた外気の吸込
口2から延びUターンするU字形流路3を有し、折り返
し流路からターボ羽根車4により空気が給気系吐出流路
へ送られるよう構成し、排気系サイレンサ部31は筐体
外壁に設けられた、車室からの排気の吸込口12から延
びるU字形流路を有しターボ羽根車14により空気が排
出系吐出流路へ送られるよう構成し、各U字形流路は流
路折り返し点での流路幅a1と、折り返し点からターボ
羽根車軸心までの距離c1の比a1/c1を0.30〜
0.65とする。この比で風量の確保と低騒音化を図
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新幹線等気密構造
列車の車室内を連続的に換気する際に使用する車両用換
気装置に係り、特に静音化と小形化に配慮した換気装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】列車用換気装置は、例えば図9に符号2
4で示すように、車体21前後の車輪22の間に床下梁
に吊り下げられた状態で空調装置23とは別個に装着さ
れる。喚起装置24は、外気を導入し空調装置23を介
して車室へ空気を送り込むこむ給気系と、車室からの排
気を導入し外気中に放出する排気系とを備えている。
【0003】密閉構造の高速車両に使用される換気装置
は、特願平9−91851号、特願平8−180276
号に記載されているように、給気系、排気系の両サイレ
ンサとも、サイレンサの入口である吸込口とサイレンサ
出口で音源である羽根車入口との距離が短いため、羽根
車からの大きなブロワ音がサイレンサ吸込口から放射し
ていた。
【0004】また、従来の新幹線等密閉構造の車内の換
気風量の調整は、換気装置とは別の装置を付設して風量
調整を行っていた。すなわち従来は換気装置の給気系吐
出口の後、及び排気系吐出口の後に各々風量調整装置
(ダンパ)を設置し、風量調整装置の吐出口の開口面積
を絞って風量調整をしていた。風量調整装置を絞ると装
置出口の風速が大きくなることから、ここの部分から新
たに大きな騒音を発っしていた。
【0005】さらに従来の換気装置では、給気系サイレ
ンサ、ブロワ及び排気系サイレンサを内部に設置する筐
体の壁は平板のアルミ板で構成されていたため、筐体壁
の剛性が弱く、筐体壁から振動音が放射されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の換気装置のサイ
レンサは、サイレンサ入口である吸込口とサイレンサ出
口で音源である羽根車入口との距離が短いため、サイレ
ンサ内の流路のUターンする部分の流路幅(後述の図1
に示すa1)をできるだけ小さくして、Uターン折り返
し点と羽根車中心間の距離(図1でc1)をできるだけ
大きく採る流路形状にしていた。Uターン部の流路幅が
小さいとこの部分の通風抵抗が大きくなって換気装置の
風量が少なくなり、車内に供給される換気風量が所要量
確保されない酸欠状態となり、乗客には危険な空気成分
となる(……確保されない状態となり、乗客に不快感を
与える)恐れがある。同時に、Uターン部の流路幅が小
さいこの部分での風速が大ききくなり新たな流体音がを
発生していた。このためUターン部の最適流路形状の究
明が期待されていた。
【0007】また、従来の換気装置では給気系吐出口の
後、及び排気系吐出口の後に風量調整装置を別に置いて
いるが、風量調整装置から大きな騒音が発していた。換
気装置を低騒音化しても風量調整装置から大きな騒音を
発生すれば、結果的に換気装置周囲の騒音が大きいとい
う欠点があった。このため換気装置の付属品である風量
調整装置からの騒音低減が求められていた。
【0008】さらに従来の換気装置では、筐体壁が平板
アルミ板で構成されていたため筐体壁の剛性が弱く、筐
体壁から振動音が放射されていた。この結果、従来の換
気装置の騒音は開口部からの流体音の他に振動音も加わ
り、騒音がさらに高くなっていた。このため筐体壁が重
量化せずに制振構造の筐体構造が求められていた。
【0009】本発明の課題は車両用換気装置の小形・高
効率化及び装置全体の静音化を図ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の車両用換気装置は、(a)ブロワ部を中心に
一方に給気系サイレンサ部が、他方に排気系サイレンサ
部が隣接して設置されており、(b)ブロワ部は、筐体の
中心部に設置された両軸形駆動モータの一方の軸に取付
けられた第1ターボ羽根車及び他方の軸に取り付けられ
た第2ターボ羽根車を有し、(c)給気系サイレンサ部は
第1ターボ羽根車側に隣接し、筐体外壁に設けられ外気
を吸い込む吸込口から該羽根車の軸と直交する方向に延
び、Uターンして折り返す略U字形流路を有し、該折り
返した流路から第1ターボ羽根車により空気が吸引され
るように構成され、(d)排気系サイレンサ部は第2ター
ボ羽根車外側に隣接し、筐体外壁に設けられ車室からの
排気を吸い込む吸込口から該羽根車の軸と直交する方向
に延び、Uターンして折り返す略U字形の空気流路を有
し、該折り返した流路から第2ターボ羽根車により空気
が吸引されるように構成され、(e)さらに第1ターボ羽
根車が吐出する空気を車室に送るべく筐体外へ導く給気
系吐出流路と、第2ターボ羽根車が吐出する空気を外気
へ放出すべく筐体外へ導く排出系吐出流路とを備え、
(f)かつ給気系及び排気系の各サイレンサ部の略U字形
流路は、この流路の折り返し点での流路幅と、折り返し
点の外周からターボ羽根車の軸心までの距離との比を、
0.30〜0.65として構成したことを特徴とする。
【0011】また、本発明の車両用換気装置において、
給気系吐出流路や排気系吐出流路に風量調整装置を付設
することが好ましい。さらに筐体の外板を鋼製とし、こ
の外板内面側に縦横に鋼板製リブを溶接し、リブとリブ
間に吸音材を付設し、吸音材を難燃性繊維で覆い、さら
に多数の穴のあいた穴明き板で覆って構成することが好
ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面によって説明する。図1、図2は本発明の一実施
の形態である車両用換気装置の構造と装置内の気流を示
す図で、図1は図2のI〜I平面断面図、図2は図1の
II-II縦断面図、図3は図2のIII−III断面図(縦)であ
る。
【0013】本発明の車両用換気装置は、車室に空気を
送りこむ給気系と、車室からの排気を放出する排気系と
からなる2つの系を有している。図1、図2に示すよう
に、車両用換気装置は、構成上、断面が四角形で長い箱
状の筐体内に長手方向に順に設置された給気系サイレン
サ部29、ブロワ部30及び排気系サイレンサ部31か
らなる。給気系サイレンサ部29は外気を導入して車室
(図示せず)へ空気を送り込み、排気系サイレンサ部3
1は車室からの排気を導入して外気へ放出し、そしてブ
ロワ部30は給気系サイレンサ部29内で送風する第1
のターボ羽根車4および排気系サイレンサ部31で送風
する第2のターボ羽根車14を有している。換気装置の
筐体は、底板32、側壁34、35、給気側端板41、
排気側端板42および上蓋20からなり箱状に形成され
ている。
【0014】この箱状の筐体内のブロワ部30には、モ
ータ台座33を底板32の上面に固定し、モータ台座3
3の上に、モータ軸25を水平にして両軸形モータ18
が設置されている。モータ軸25の一端(図中左側)に
給気ターボ羽根車4が装着され、それと対称的にモータ
軸25の他端(図中右側)に排気ターボ羽根車14(以
後ターボ羽根車を羽根車と略す)が装着されている。給
気羽根車4の吸込部には、給気サクションコーン27が
その先端部をわずかに嵌入して同心に配置され、そして
給気サクションコーン27の左右延長部が筐体の側壁3
4、35に固定され、また給気サクションコーン27の
上下が支持壁36を介して筐体の上蓋20、底板32に
固定されている。一方、排気羽根車14の吸込部には、
排気サクションコーン28がその先端部をわずかに嵌入
して同心に配置され、上記給気サクションコーン27と
略同じように筐体の外壁ないし筐体内の隔壁に固定され
ている。なお排気サクションコーン28の上下は支持壁
37を介して固定されている。
【0015】給気系サイレンサ部29には、給気吸込U
字流路3(図1)が横方向に形成されている。U字流路3
を構成する要素は、筐体の給気側端板41と、筐体中心
部にあるブロワ部30の給気サクションコーン27を支
持する壁と、それら端板と支持壁との間に位置し、筐体
の側壁34から他方の側壁35方向に延び、側壁35と
の間に流路となる隙間(a1)を有する給気流路仕切板3
9と、筐体の側壁34で端板41と仕切板39に挟まれ
た部位に形成された縦長の給気系吸込口2である。なお
給気流路仕切板39の上下(図2)は上蓋20、底板32
に固定されている。そして給気吸込U字流路3は、給気
側端板41と給気流路仕切板39間に形成された往流路
と、隙間(a1)と、給気流路仕切板39と給気サクショ
ンコーン27を支持する壁との間に形成された折り返し
流路とからなる。給気流路仕切板39の両面は吸音材1
9で覆われている。この給気系サイレンサ部29におい
ては、給気系吸込口2から流入した外気は、往流路を経
て、隙間(a1)を通ってUターンし、折り返し流路を経
て、給気サクションコーン27からブロワ部30の給気
羽根車4により吐出流路に吐出される。該吐出された空
気は、図3に示すように、給気羽根車4のスクロール9
の出口から、筐体内でブロワ部30上側に形成された給
気吐出消音流路5を経て、車室に給気として送りこまれ
る。給気吐出消音流路5については、後に図5、6を用
いて説明する。
【0016】排気系サイレンサ部31には、排気吸込U
字流路13が(図2)が上下方向に形成されている。この
U字流路13は、筐体の排気側端板42と、筐体中心部
にあるブロワ部30の排気サクションコーン28を支持
する壁37と、それら支持壁37と端板42との間に位
置し、筐体の上蓋20から下方に延び、底板32との間
に流路となる隙間(a2)を有する排気流路仕切板40
と、排気側端板42の上部に形成された横長の排気系吸
込口12と、から構成される。排気流路仕切板40の両
側端(図1)は、一方が筐体の側壁35に固定され、他方
が筐体の側壁34に平行に内部に設けられた隔壁70に
固定されている。排気吸込U字流路13(図2)は、排
気側端板42と排気流路仕切板40との間に形成された
往流路と、隙間(a2)と、排気流路仕切板40と支持壁
37との間に形成された折り返し流路とからなる。排気
流路仕切板40の両面は吸音材19で覆われている。こ
の排気系サイレンサ部31においては、車室(図示な
し)から排気系吸込口12を通って流入した排気流10
は、往流路を経て、隙間(a2)を通ってUターンし、折
り返し流路を経て、給気サクションコーン28からブロ
ワ部30の給気羽根車14によって吐出される。排気羽
根車14に加圧された排気流は、図1に示すように、モ
ータ18周囲の流路17を流れ、ここでモータ18を冷
却した後に、筐体の側壁35と隔壁70間に形成された
排気吐出消音流路15へ導かれ、側壁35に形成された
排気吐出口16から排気吐出流れ11として外気中に排
出される。給気流路と排気流路は、筐体内部を長手方向
中央部で2分する隔壁38によって仕切られており、モ
ータ18は排気の気流10によって冷却される構造とな
っている。
【0017】このような換気装置において、給気羽根車
4及び排気羽根車14は、インバータで高速回転するタ
ーボ形式としている。また給気吐出消音流路5は、筐体
の天井板20とブロワ部30上側に設けられた仕切板2
6との間に形成されており、流路内壁全体が吸音材19
によって覆われた構造である。
【0018】本発明の特徴の1つはサイレンサ部内のU
字形流路部の流路形状である。図1のように給気系サイ
レンサ部29の流路幅a1の大きさはUターン部の通風
抵抗や騒音に大きく関係する。ここに通風抵抗とは高速
の空気が急激にU字形流路部でUターンするために発生
する抵抗で通風抵抗が大きければサイレンサ内流路を通
過する風量が低減し、車内へ送風する換気風量Qが不足
する。また騒音SLはa1寸法が小さい場合にUターン
部の風速が高速になり新たに発生する騒音と、羽根車入
口からの騒音が空気の流れ方向と逆にサイレンサ吸込口
方向へ伝搬する騒音との和である。
【0019】本発明では、流路幅a1の寸法と換気風量
Q及びサイレンサ吸込口騒音SLとの関係を実験し、最
適なa1寸法を究明している。図4において、横軸は流
路幅a1と、Uターン折り返し点の外周から羽根車中心
までの距離c1との比(a1/c1)を示し、縦軸は換気
風量Qと騒音SLを示す。本実験によれば、a1/c1
0.45の場合に換気風量Qと騒音SLの両面から最も
良好であった。換気風量については、密閉構造で乗客数
が定員の場合(乗車率100%)の換気風量は法令で決
められており、ここではこの所要換気風量をQ0と称す
る。図4よりa1/c1が0.45の場合の換気風量QはQ0
の1.10倍で10%の余裕をもっている。また騒音は
図4のようにa1/c1が0.45の場合に最も低く、こ
の最小騒音値をSL0と称する。
【0020】本実験によれば、図4のようにa1/c1
0.45より大きくすると、Uターン部の風速が小さく
なり通風抵抗も小さくなるので、換気風量Qが増大する
が、一方、a1を大きくすると、図1のように羽根車入
口の遮音効果のある消音板の長さb1(隔壁39の先端
から給気羽根車4の軸心までの距離b1)が小さくなり
音源である羽根車入口からの騒音がサイレンサ吸込口側
へ空気流とは逆方向に放射され、この結果、サイレンサ
吸込口から大きな騒音が放射される。a1/c1を0.6
5まで大きくすると、換気風量Qは、a1/c1が0.4
5の場合よりも増加して、Q0の1.13倍に大きくなる
が、図1のように消音板長b1が小さく羽根車音がUタ
ーンせずにサイレンサ吸込口へ直接放射されるので、サ
イレンサ吸込口からの騒音SLが大きくなって、a1
1が0.45の場合に比べ騒音差△SLが5.0dBも
大きくなる。5dBも大きくなると、この騒音が車内へ
伝搬されるので、車内音もa1/c1が0.45の場合に
比べ5dBも高く居住性が大幅に損なわれる。
【0021】一方、a1/c1が0.45より小さいと、
消音板長b1が増えて羽根車音のサイレンサ吸込口方向
への放射量は低減するものの、流路幅a1が小さくな
り、流路a1部の風速が増大し、通風抵抗も大きくなっ
て換気風量が少なくなると同時に、a1部の風速増大に
伴い新たな流体音が発生する。図4において、a1/c1
が0.30まで小さくなると、換気風量Qが少なくなっ
てQ/Q0は1.07に低下する。なおQ/Q0が1.07
に低下しても所要換気風量よりまだ大きい。またa1
1が0.30まで小さくなると、風速増大に伴う流体音
の発生のためサイレンサ吸込口からの騒音SLが増加し
SL0に比べ5.0dB高く、この騒音が車内へ伝搬され
る。
【0022】従来の流路幅の寸法のようにa1/c1
0.20の場合では、換気風量Qがさらに小さくなって
Q/Q0が1.0に低下し、所要換気風量と同じで換気風
量として余裕がなくなる。またa1/c1が0.20にお
いては、騒音SLがさらに増加しSL0に比べ8.0dB
も高く、車内騒音も大きくなって、車内の居住性が大幅
に損なわれる。
【0023】上述の実験結果を用いて、U字形流路部の
最適寸法を求めると、その選定基準として換気風量Q
は法令の換気風量Q0より大きいこと、騒音は従来の
値より3dB以上低く(静かになったと感じられるのは
−3dBであることから)しかも最も騒音が低かったS
0より5dBの増加の範囲内、の基準でa1の最適寸法
を求めると、a1/c1は0.30から0.65の範囲がU
字形流路部の流路幅として適当である。
【0024】U字形流路部は排気系サイレンサにも在
り、図2のように排気系サイレンサ31においても、給
気系サイレンサ部の流路幅に関する課題と同様に、排気
系U字形流路部の流路幅a2の大きさはUターン部の通
風抵抗や騒音に大きく関係し、最適な流路幅a2が存在
する。本発明の実験から、排気系サイレンサ内のU字形
流路部の最適な流路幅a2はa2/c2が0.30から0.
65においてU字形流路部の消音量が確保できると同時
に、Uターン部の通風抵抗が小さく、換気装置として全
閉構造の車内所要換気風量が確保できることが分かり、
この最適流路幅比a2/c2の値は最適なa1/c1の値と
同値であることを確認した。
【0025】また本発明では図5に示すように、給気系
吐出流路5に関して、スクロール出口44と給気系吐出
口6との間を迂回路形状にしている。これにより、騒音
源のスクロール44出口と給気系吐出口6とが直線状で
なく屈曲状になり、かつこの間の流路の周囲に内張りさ
れた吸音材19により、スクロール出口44の騒音が給
気系吐出口6では大幅に消音される。
【0026】さらに本発明では図6に示すように、給気
系吐出流路5に風量調整装置を内蔵している。風量調整
装置は、空気流れに対して先細りするコーン状の弁45
と、弁45を挿入する穴を有し流路43を横切って設け
られた弁座板47と、弁45に一端を接続し他端を筐体
の端板42外に出した弁位置調整棒46と、弁45のス
トッパ48と、弁位置調整棒46の他端に取り付けられ
たハンドル49等から構成される。ハンドル49を回転
させると、弁45が前後移動して、弁45と支持板47
に形成された穴との隙間が調整されて、この隙間を流れ
る風量が調整される。この隙間を流れる風速は大きく、
ここから新たな流体音が発生するが、風量調整装置は給
気系吐出流路5に内蔵されているので、新たな流体音も
下流の給気系吐出流路の吸音材19により消音され、給
気系吐出口6では低騒音になっている。これにより、従
来の換気装置では給気系吐出口の後に風量調整装置が在
ったことを換気装置内に内蔵することにより小形化する
と同時に、風量調整装置から大きな騒音が発して換気装
置周囲音が大きいという欠点を解消した。
【0027】密閉構造の車両では車内の空気圧を常に一
定に保持する必要があるので、車内へ供給される換気風
量と車外へ排気される排気風量は同一でなければならな
い。本発明では排気系吐出流路にも風量調整装置を内蔵
し、排気風量を調整している。風量調整装置から新たな
流体音が発生するが、風量調整装置は排気系吐出流路に
内蔵されているので新たな流体音も下流の排気系吐出流
路の吸音材により消音され、排気系吐出口16では低騒
音になっている。これにより、従来の換気装置では排気
系吐出口の後に風量調整装置が在ったことを換気装置内
に内蔵することにより小形化すると同時に、風量調整装
置からの大きな騒音の課題を解消している。 図7は、
本発明におけるリブ7の構造を示す図で、筐体の内壁
(例えば給気側端板41)にリブ7を付けて筐体壁を剛
性化している。本発明では筐体壁へのリブ付設と同時
に、リブ7、7間に吸音材19を付設し、さらに吸音材
19の表面には難燃性繊維(例えばガラスクロス55)
を被せ、さらに難燃性繊維を多数の小さな孔を開けた孔
明き板56で覆っており、この孔明き板56で流路面を
形成している。孔明き板56はアングル形鋼57やねじ
58を用いて固定する。この結果、本発明の筐体壁では
重量化せずに制振構造と消音構造が同時に構成化でき
た。
【0028】図8は図1のVIII−VIII矢視図でリブの構
造を示す図である。リブ7は、換気装置を形成する上蓋
20、底板32、給気側端板41、排気側端板42及び
側壁34、35の箱状筐体の内壁に格子形状に溶接によ
って付設されている。従来、内部のブロワ部の騒音が内
部の鋼体を振動させ、筐体の壁(従来の換気装置では平
板のアルミ板)を振動させ、せっかくサイレンサの付設
や筐体壁内面に吸音材を付設して消音しても、筐体壁か
ら振動音が放射されており(固体伝搬音)、換気装置の
騒音は大きかったが、本発明のように筐体内壁へのリブ
付設により、筐体壁の振動が大幅に低減し、固体伝搬音
が低減して換気装置全体の騒音も低減した。本発明での
リブの付設の低騒音化の効果は約5dBであった。
【0029】上述のように、本発明の換気装置はブロワ
の形式をターボブロワ形式とし、ブロワをインバータで
高速回転させることにより、小形、高性能、高効率化を
図っている。また、吸込流路、吐出流路の壁面全体に吸
音材を貼り、消音流路とすることにより、消音効果が増
し、騒音の低減が図られる。さらに換気装置筐体内壁に
リブを付設することにより、振動による内部音の外部伝
搬を低減できる。
【0030】また本換気装置の長手方向両端にサイレン
サ部を付設し、各々吸込口を設けた構造とすることによ
り、給気系サイレンサ部29、排気系サイレンサ部31
とも内部の流路面積を広く採ることができ、流速が低減
して、給気系吸込口2、排気系吸込口12からの騒音放
射量が大幅に低減できる。また各サイレンサ内のUター
ン部の流路幅寸法を最適値にすることにより、さらにサ
イレンサ吸込口からの騒音放射量が低減できる。
【0031】さらに給気吐出消音流路5を迂回路形態に
したことにより、給気系スクロール出口8と給気系吐出
口6の間の給気吐出消音流路5の長さが長くなり、かつ
消音流路が緩やかに曲げられているため、消音流路の消
音性能が向上し、流路内の流速の一様化が図られ、また
曲り部での渦の発生量が小さくなり、給気吐出消音流路
5内での流体音の発生が小さくなるので、給気系吐出口
6からの騒音放射量が大幅に低減する。
【0032】また、給気系吐出流路および排気系吐出流
路に、コーン状弁、弁位置調整棒等から構成される風量
調整装置を付設し、風量調整装置による新たな発生騒音
を下流の消音流路で消音し、給気系吐出口6および排気
系吐出口16からの騒音を抑えている。この消音効果と
同時に、給気系吐出流路及び排気系吐出流路にそれぞれ
風量調整装置を内蔵したので、従来のように風量調整装
置を別置していた換気装置に比べて容積を小さくでき
る。
【0033】車両用換気装置を以上のような構造とする
ことにより、従来の換気装置に比べ騒音が10dB低減
し、ファン効率が約14%向上し、換気装置全体の容積
が約40%小型化できた。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、車両用換気装置は、ブ
ロワ部を中心にして給気系サイレンサ部、排気系サイレ
ンサ部から構成し、給気系サイレンサ部および排気系サ
イレンサ部それぞれのU字形流路とブロワ部のターボ羽
根車との位置関係を、流路折り返し点での流路幅a
1と、折り返し点からブロワ部のターボ羽根車軸心(軸
心はU字形流路往復路に直交する)までの距離c1の比
1/c1を0.30〜0.65となるようしたので、風量
の確保と共にサイレンサ吸込口からの騒音放射量を低減
できる。また給気系サイレンサ部の吐出流路及び排気系
サイレンサ部の吐出流路に風量調整装置を各々内蔵する
ことにより、従来の風量調整装置を車両用換気装置外に
別置していた容積分が小型になり、また風量調整装置で
発生していた騒音が消音できる。さらに換気装置の筐体
内壁にリブ、吸音材を付設することにより、装置内部に
発生する騒音の振動を媒介しての外部への放射を低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である車両用換気装置の
構成を示す平面図で、図2におけるI−I断面図であ
る。
【図2】本発明の一実施の形態である車両用換気装置の
構成を示す側面図で、図1におけるII−II 断面図であ
る。
【図3】図2におけるIII−III 断面図(縦)である。
【図4】一実施の形態の車両用換気装置におけるサイレ
ンサの吸込U流路の形状と風量、騒音との各関係を示す
図である。
【図5】図2におけるV−V 断面図(平面)である。
【図6】一実施の形態の車両用換気装置において給気系
吐出流路に風量調節装置を設置した構成を示す図で、図
2におけるV−V 断面(平面)にあたる図である。
【図7】一実施の形態の車両用換気装置における筐体外
壁の構成を示す図である。
【図8】図1におけるVIII−VIII矢視図(縦)である。
【図9】換気装置の車両への取り付け状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…給気吸込流 2…給気系吸込口 3…給気吸込U字流路 4…給気ターボ羽
根車 5…給気吐出消音流路 6…給気系吐出口 7…リブ 8…給気吐出流 9…スクロール 10…排気吸込流 12…排気系吸込口 13…排気吸込U
字流路 14…排気ターボ羽根車 15…排気吐出消
音流路 16…排気系吐出口 18…モータ 19…吸音材 20…上蓋 25…モータ軸 26…仕切壁 27…給気サクションコーン 28…排気サクシ
ョンコーン 29…給気系サイレンサ部 30…ブロワ部 31…排気系サイレンサ部 32…底板 34、35…側壁 36…給気サクシ
ョンコーン支持壁 37…排気サクションコーン支持壁 38…隔壁 39…給気流路仕切壁 40…排気流路仕
切壁 41…給気側端板 42…排気側端板 43…給気系吐出流路 44…給気系スク
ロール出口 45…弁 46…弁位置調整
棒 47…弁座板 49…ハンドル 55 ガラスクロス 56 穴明き板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F04D 25/08 F04D 25/08 Z 25/16 25/16 29/44 29/44 W P 29/66 29/66 N F24F 7/00 F24F 7/00 E (72)発明者 澁谷 知足 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブロワ部を中心に一方に給気系サイレン
    サ部が、他方に排気系サイレンサ部が隣接して設置さ
    れ、ブロワ部は、筐体の中心部に設置された両軸形駆動
    モータの一方の軸に取付けられた第1ターボ羽根車及び
    他方の軸に取り付けられた第2ターボ羽根車を有し、給
    気系サイレンサ部は第1ターボ羽根車側に隣接し、筐体
    外壁に設けられ外気を吸い込む吸込口から該羽根車の軸
    と直交する方向に延び、Uターンして折り返す略U字形
    流路を有し、該折り返した流路から第1ターボ羽根車に
    より空気が吸引されるように構成され、排気系サイレン
    サ部は第2ターボ羽根車外側に隣接し、筐体外壁に設け
    られ車室からの排気を吸い込む吸込口から該羽根車の軸
    と直交する方向に延び、Uターンして折り返す略U字形
    の空気流路を有し、該折り返した流路から第2ターボ羽
    根車により空気が吸引されるように構成され、さらに第
    1ターボ羽根車が吐出する空気を車室に送るべく筐体外
    へ導く給気系吐出流路と、第2ターボ羽根車が吐出する
    空気を外気へ放出すべく筐体外へ導く排出系吐出流路と
    を備え、かつ各サイレンサの略U字形流路は、該流路の
    折り返し点での流路幅と、該折り返し点の外周からター
    ボ羽根車の軸心までの距離との比を0.30〜0.65
    として構成したことを特徴とする車両用換気装置。
  2. 【請求項2】 給気系吐出流路に風量調整装置を付設し
    たことを特徴とする請求項1記載の車両用換気装置。
  3. 【請求項3】 排気系吐出流路に風量調整装置を付設し
    たことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用換
    気装置。
  4. 【請求項4】 筐体の外板を鋼製とし、該外板内面側に
    縦横に鋼板製リブを溶接し、該リブとリブの間に吸音材
    を付設し、該吸音材を難燃性繊維で覆い、さらに多数の
    穴のあいた穴明き板で覆ったことを特徴とする請求項1
    記載の車両用換気装置。
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