JPH11299302A - 複合農機具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 深耕爪による心土破砕と、これによって掘り
起こされ、圃場に畝状に盛り上がった土の砕土を同時に
行う。 【解決手段】 深耕爪１を配設したサブソイラーフレー
ム２の進行方向後方に、砕土用円盤６を配設したフレー
ム４を前記サブソイラーフレームに連結した。 【効果】圃場を深耕爪によって掘り起こして畝状に盛り
上がった土を砕土用円盤によって砕土、整地及び鎮圧
し、これを深耕爪１台の装置によって同時に行うことが
でき、整地、鎮圧した圃場の土の上を、トラクターが走
行することも回避することができる。深耕爪によって掘
り起こした土を砕土用円盤で砕土するに際し、砕土され
た土の分散化を図り、もって整地の促進を図る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、深耕爪による心土破
砕と、これによって掘り起こされ、圃場に畝状に盛り上
がった土の砕土を同時に行うことができるようにした複
合農機具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、圃場の心土破砕を行うためには深
耕爪単独又はこれとコールタが一体型に配設されたサブ
ソイラーによって行われることが一般的であり、これに
より圃場に残滓的に存在する蔓や根を切断するととも
に、心土破砕を行っていたのであった。

【０００３】また前記サブソイラー、特に深耕爪の通過
後には、この深耕爪によって掘り起こされた土が圃場面
に畝状に盛り上がるため、これを砕土し、整地、鎮圧す
る必要があるが、このためには、複数の円盤を回転自在
に配設したディスクハローを用いる必要があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし前記サブソイラ
ーにしろディスクハローにしても、すべてトラクターで
牽引するものであり、かつ前記従来例によると、これら
サブソイラーとディスクハローによる作業は、同時期に
行うとしても、サブソイラーによる心土破砕を行った後
にディスクハローによる砕土を行うため、ザブソイラー
による土起こしを行った後の圃場をトラクターが走行す
ることになる。

【０００５】したがって心土破砕から圃場整地までは、
結局のところ、２回の作業を強いられるという課題を有
していたのみならず、心土破砕した圃場をトラクターに
よって踏み固める結果になり、ディスクハローによる砕
土、整地等の作業を良好に行うことができなかったので
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そこでこの発明に係る複
合農機具（請求項１）は前記の課題を解決するために、
深耕爪を配設したサブソイラーフレームの進行方向後方
に、砕土用円盤を配設したフレームを前記サブソイラー
フレームに連結したものである。

【０００７】またこの発明に係る複合農機具（請求項
２）は前記の課題を解決するために、前記砕土用円盤を
皿状に形成したものである。

【０００８】さらにこの発明に係る複合農機具（請求項
３）は前記の課題を解決するために、前記砕土用円盤を
配設したフレームは、サブソイラーフレームに天秤状に
回動自在に連結したものである。

【０００９】またこの発明に係る複合農機具（請求項
４）は前記の課題を解決するために、前記砕土用円盤を
配設したフレームを、サブソイラーフレームに水平方向
に角度調整可能に連結したものである。

【００１０】

【作用】すなわち請求項１に記載したこの発明に係る複
合農機具にあっては、圃場を深耕爪によって掘り起こし
て畝状に盛り上がった土を砕土用円盤によって砕土、整
地及び鎮圧し、これを１台の装置によって同時に行うこ
とができ、したがって整地、鎮圧した圃場の土の上を、
トラクターが走行することも回避することができるので
ある。

【００１１】また請求項２に記載したこの発明に係る複
合農機具にあっては、前記の作用に加え、前記深耕爪に
よって掘り起こした土を砕土用円盤で砕土するに際し、
砕土された土の分散化を図り、もって整地の促進を図る
ことができるのである。

【００１２】さらに請求項３に記載したこの発明に係る
複合農機具にあっては、前記までの作用に加え、圃場面
に左右の傾斜が存在しても、この傾斜に順応しつつ砕土
用円盤のフレームの姿勢が変化し、もって砕土用円盤と
土との間に空隙が発生せず、砕土用円盤と土とが常時接
し、砕土、整地及び鎮圧を圃場全面においてむらなく行
うことができるのである。

【００１３】また請求項４に記載したこの発明に係る複
合農機具にあっては、前記までの作用に加え、砕土用円
盤のフレームを、進行方向に直行するように向けたり斜
めに向けることができ、その結果、これを牽引するトラ
クターの馬力に対応した使用を行うことができるのであ
る。

【００１４】

【発明の実施の形態】次にこの発明に係る複合農機具の
実施の形態を図面に基づいて述べると、１はサブソイラ
ーフレーム２に配設した深耕爪であり、本実施例を示す
図面においては３本の深耕爪１を示してあるが、その数
を特に問うものではない。

【００１５】また前記サブソイラーフレーム２には、そ
の前部にトラクター（図示せず）牽引用のフック部３を
形成してあるとともに、後部には後述する砕土用円盤フ
レーム４に対する連結部５を形成してある。

【００１６】６は前記フレーム４に配設した複数の砕土
用円盤であり、この砕土用円盤６は平坦に形成してもよ
いが、凹状、すなわち皿状に形成することもある。また
この砕土用円盤６は同一の支軸７に対して一定間隔を保
持して空転自在に配設されており、かつこの砕土用円盤
６を配設した前記支軸７は、フレーム４に対して回転自
在に配設されている。

【００１７】前記フレーム４は略門型に形成されている
とともに、両側に存在する脚部８によって前記支軸７を
支持してあるが、必要に応じて前記両脚部８に他の脚部
８’を加えて支持することもある。

【００１８】９は前記門型に形成したフレーム４の中央
上面に配設した第一角度調整板であり、この第一角度調
整板９には少なくとも１個の孔１０を穿設してある。し
たがってこの孔１０は複数であることもある。

【００１９】１１はサブソイラーフレーム２の後端に配
設した第二角度調整板であり、この第二角度調整板１１
には、前記第一角度調整板９に穿設した孔１０に対応す
る位置に複数の孔１０’を穿設してある。すなわち本実
施例においては、前記第一角度調整板９及び第二角度調
整板１１を円形に形成し、そのうち第二角度調整板１１
には中心から円周方向に等距離をおいて複数の孔１０’
を等間隔を保持して複数穿設してある。したがって第一
角度調整板９の孔１０も、前記第二角度調整板１１に穿
設した孔１０’の円形状の軌跡に符合せしめて単数又は
複数形成するのである。

【００２０】１２は、サブソイラーフレーム２の端部
に、このサブソイラーフレーム２の進行方向に長手方向
を向けて配設した軸であり、この軸１２を介してサブソ
イラーフレーム２と第二角度調整板１１とを回動自在に
連結してある。したがってこの軸１２の存在によって、
砕土用円盤６を含むフレーム４全体が、サブソイラーフ
レーム２にあたかも天秤状に吊下されるとともに、連結
されるのである。

【００２１】しかしてこれら全体を図示しないトラクタ
ーにより牽引すると、前記深耕爪１によって圃場の心土
を掘り起こし、これによって圃場面に畝状に盛り上がっ
た土を砕土用円盤６によって砕土し整地、鎮圧するので
ある。

【００２２】この場合、仮に圃場面が傾斜している場合
においても、前記軸１２が作用して、牽引される砕土用
円盤６を含むフレーム４全体が前記圃場面の形状に馴染
むが如く回動することになる。

【００２３】また前記砕土用円盤６を含むフレーム４全
体を、進行方向に角度調整をする場合には、第一角度調
整板９に対して第二角度調整板１１の角度を変更し、こ
れらに穿設されている孔１０，１０’に対してボルト１
３によって固定すればよいのである。したがってこの観
点からすれば、第一角度調整板９に穿設した孔１０も複
数であることが好ましいが、単一であることを否定する
ものではない。

【００２４】そして砕土用円盤６を前記のように皿状に
形成すると、砕土時に砕土された土が砕土用円盤６の形
状が作用して側方に飛散するように分散化されるのであ
る。

【００２５】

【発明の効果】前記のようにこの発明に係る複合農機具
（請求項１）によれば、深耕爪を配設したサブソイラー
フレームの進行方向後方に、砕土用円盤を配設したフレ
ームを前記サブソイラーフレームに連結してあるので、
圃場を深耕爪によって掘り起こして畝状に盛り上がった
土を砕土用円盤によって砕土、整地及び鎮圧し、これを
深耕爪１台の装置によって同時に行うことができ、した
がって整地、鎮圧した圃場の土の上を、トラクターが走
行することも回避することができるという効果を有する
のである。

【００２６】またこの発明に係る複合農機具（請求項
２）によれば、前記砕土用円盤を皿状に形成してあるの
で、前記の効果に加え、前記深耕爪によって掘り起こし
た土を砕土用円盤で砕土するに際し、砕土された土の分
散化を図り、もって整地の促進を図るという効果を有す
るのである。

【００２７】さらにこの発明に係る複合農機具（請求項
３）によれば、前記砕土用円盤を配設したフレームは、
サブソイラーフレームに天秤状に回動自在に連結してあ
るので、前記までの効果に加え、圃場面に左右の傾斜が
存在しても、この傾斜に順応しつつ砕土用円盤のフレー
ムの姿勢が変化し、もって砕土用円盤と土との間に空隙
が発生せず、砕土用円盤と土とが常時接し、砕土、整地
及び鎮圧を圃場全面においてむらなく行うことができる
という効果を有するのである。

【００２８】またこの発明に係る複合農機具（請求項
４）によれば、前記砕土用円盤を配設したフレームを、
サブソイラーフレームに水平方向に角度調整可能に連結
してあるので、前記までの効果に加え、砕土用円盤のフ
レームを、進行方向に直行するように向けたり斜めに向
けることができ、その結果、これを牽引するトラクター
の馬力に対応した使用を行うことができるという効果を
有するのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る複合農機具の一実施例として前
方から見た状態の斜視図である。

【図２】この発明に係る複合農機具の一実施例として後
方から見た状態の斜視図である。

【図３】第一角度調整板と第二角度調整板の関係を示す
分解斜視図である。

【図４】軸１２に対する砕土用円盤用フレームの回動状
態を示す原理図である。

【符号の説明】

１ 深耕爪 ２ サブソイラーフレーム ３ フック部 ４ 砕土用円盤用フレーム ５ 連結部 ６ 砕土用円盤 ７ 支軸 ８，８’ 脚部 ９ 第一角度調整板 １０，１０’ 孔 １１ 第二角度調整板 １２ 軸 １３ ボルト

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 深耕爪を配設したサブソイラーフレーム
   の進行方向後方に、砕土用円盤を配設したフレームを前
   記サブソイラーフレームに連結したことを特徴とする複
   合農機具。
2. 【請求項２】 砕土用円盤は、皿状に形成した請求項１
   記載の複合農機具。
3. 【請求項３】 砕土用円盤を配設したフレームは、サブ
   ソイラーフレームに天秤状に回動自在に連結した請求項
   １又は請求項２記載の複合農機具。
4. 【請求項４】 砕土用円盤を配設したフレームは、サブ
   ソイラーフレームに水平方向に角度調整可能に連結した
   請求項１、請求項２又は請求項３記載の複合農機具。