JPH11297521A - ナノ結晶高磁歪合金ならびにそれを用いたセンサー - Google Patents

ナノ結晶高磁歪合金ならびにそれを用いたセンサー

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JPH11297521A
JPH11297521A JP10097361A JP9736198A JPH11297521A JP H11297521 A JPH11297521 A JP H11297521A JP 10097361 A JP10097361 A JP 10097361A JP 9736198 A JP9736198 A JP 9736198A JP H11297521 A JPH11297521 A JP H11297521A
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JP10097361A
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Katsuto Yoshizawa
克仁 吉沢
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Hitachi Metals Ltd
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    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 盗難防止センサ、識別センサ、応力センサ、
圧力センサ、ショックセンサ等各種センサ−や超音波振
動子等に好適なナノ結晶高磁歪合金ならびにそれを用い
た高性能で信頼性に優れたセンサーを提供する。 【解決手段】 一般式:(Fe1-aa100-y-zM’
yX’z(原子%)で表され、式中MはNi,Coから選
ばれた少なくとも1種の元素、M’はTi、Zr、H
f、V、Nb、Ta、Mo、Wからなる群から選ばれた
少なくとも1種の元素、X’はSiおよびBからなる群
から選ばれた少なくとも1種の元素であり、a、yおよ
びzはそれぞれ0.05≦a≦0.5、1≦y≦10、
4≦z≦30を満足する数で表され、アモルファス母相
中に平均粒径100nm以下の結晶粒が分散しており、
かつ飽和磁歪定数λsが+10×10-6以上のナノ結晶
高磁歪合金。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、盗難防止センサ、
識別センサ、応力センサ、圧力センサ、ショックセンサ
等各種センサ−や超音波振動子等に好適なナノ結晶高磁
歪合金ならびにそれを用いた高性能で信頼性に優れたセ
ンサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の高磁歪材料としては、結晶質のN
i合金、Fe系のアモルファス合金やTbFeや(Tb
0.3Dy0.7)Fe2等の希土類化合物系の合金が知られ
ている。希土類合金は著しく大きな磁歪いわゆる超磁歪
を有するが、軟磁気特性が劣っているため、大きな磁界
を印加しないと磁歪が大きくならない問題があり、応用
する場合はバイアス磁界を印加するための磁石を使用し
たり大きな磁界を発生する励磁コイルと電源が必要とな
る。このため、磁歪を利用した小型センサーなどの用途
や小型アクチュエータや小型振動子等の用途には不適
で、特殊なポンプや潜水艦のソナー等特殊の用途にしか
使用されていないのが現状である。
【0003】ナノ結晶合金は優れた軟磁気特性を示すた
め、コモンモ−ドチョ−クコイル、高周波トランス、パ
ルストランス等の磁心に使用されている。代表的組成系
は特公平4−4393号公報や特開平1−242755
号公報に記載のFe−Cu−(Nb,Ti,Zr,H
f,Mo,W,Ta)−Si−B系合金やFe−Cu−
(Nb,Ti,Zr,Hf,Mo,W,Ta)−B系合
金等が知られている。これらのナノ結晶合金は、通常液
相や気相から急冷しアモルファス合金とした後、これを
熱処理により微結晶化することにより製造される。軟磁
気特性が良好なナノ結晶合金の結晶粒径は100nm以
下であり、非晶質合金にみられるような熱的不安定性が
ほとんどなく、Fe系アモルファス合金と同程度の高い
飽和磁束密度と低磁歪で優れた軟磁気特性を示すことが
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら一般的な
ナノ結晶軟磁性合金は、前述のように磁歪が小さく、磁
歪を利用する方式の盗難防止センサ、識別センサ、応力
センサ等各種センサ−素子に使用する場合は磁歪が小さ
いことが欠点となり、これらの用途には使用されていな
かった。また、Fe系アモルファス合金は磁歪が大きく
前述の用途に適するが熱的安定性や経時変化の点で問題
がある。また、前述の希土類化合物は、磁歪が大きいが
軟磁気特性が劣っており、使用する際に大きな磁界を印
加しなければならず、用途がかなり限定されてしまう問
題点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明者らは鋭意検討の結果、 一般式:(Fe1-aa100-y-zM’yX’z(原子%)
で表され、式中MはNi,Coから選ばれた少なくとも
1種の元素、M’はTi、Zr、Hf、V、Nb、T
a、Mo、Wからなる群から選ばれた少なくとも1種の
元素、X’はSiおよびBからなる群から選ばれた少な
くとも1種の元素であり、a、yおよびzはそれぞれ
0.05≦a≦0.5、1≦y≦10、4≦z≦30を
満足する数で表され、アモルファス母相中に平均粒径1
00nm以下の結晶粒が分散しており、かつ飽和磁歪定
数λsが+10×10-6以上である合金、あるいは、
【0006】一般式:(Fe1-aa100-x-y-zxM’
yX’z(原子%)で表され、式中MはNi、Coから選
ばれた少なくとも1種の元素、AはCuおよびAuから
なる群から選ばれた少なくとも1種の元素、M’はT
i,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群
から選ばれた少なくとも1種の元素、X’はSiおよび
Bからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であ
り、a,x,yおよびzはそれぞれ0.05≦a≦0.
5,0<x≦3,1≦y≦10,4≦z≦30を満足す
る数で表される範囲の組成であり、アモルファス母相中
に平均粒径100nm以下の結晶粒が分散しており、か
つ飽和磁歪定数λsが+10×10-6以上である合金が
熱的安定性に優れ、電気機械結合係数が大きくセンサー
に好適な高磁歪のナノ結晶合金を実現できることを見い
だし本発明に想到した。
【0007】MはCo,Niから選ばれた少なくとも一
種の元素であり、磁歪を増加させる効果と電気機械結合
係数を向上し、センサとしての性能を向上する効果を有
する。更に磁界中熱処理した場合、誘導磁気異方性を大
きくする効果があり、センサとしての性能をより向上す
る効果がある。M量比aが0.05未満では磁歪が小さ
くまた電気機械結合係数も小さくなるため好ましくな
く、0.5を超えると軟磁気特性が著しく劣化し、弱い
磁界で大きな電気機械結合係数を得ることができなくな
り好ましくない。このため、M量比aは0.05≦a≦
0.5である必要がある。より好ましくは0.1≦a≦
0.4である。この範囲で特に大きな磁歪と高い電気機
械結合係数が得られる。AはCu,Auから選ばれた少
なくとも1種の元素であり、熱処理後形成する結晶粒を
より微細化する効果およびより軟磁気特性を改善し、よ
り弱い磁界で最大の電気機械結合係数を得ることができ
る。A量xが3原子%を超えると脆化が激しくなり、セ
ンサーとして使用する場合に用途が制限される。特に好
ましいxの範囲は0.4≦x≦1.5であり、この範囲
で特に弱い磁界で大きな電気機械結合係数および良好な
機械的特性が得られる。
【0008】M’はTi,Zr,Hf,V,Nb,T
a,Mo,Wからなる群から選ばれた少なくとも1種の
元素でありアモルファス形成を促進し、熱処理により結
晶化させた際に形成する結晶粒を微細化する効果を有す
る。M’量yは1≦y≦10の範囲にある場合に弱い磁
界で高い電気機械結合係数を得ることができる。Yが1
原子%未満および10原子%を超えると軟磁気特性が劣下
し、弱い磁界で高い電気機械結合係数が得られないため
である。特に望ましい範囲は2≦z≦7であり、この範
囲で特に高い電気機械結合係数が得られる。X’はSi
およびBからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素
であり、X’量zは4≦z≦30の範囲である必要があ
る。X’量zが4原子%未満では熱処理後の合金の結晶
粒が微細化されにくく、弱い磁界で大きな電気機械結合
係数が得られず好ましくない。X’量zが30原子%を
超えると、軟磁気特性が劣化し好ましくない。また、原
料から溶解中に混入する不可避不純物N,O,S等を含
む合金も本発明に含まれる。アモルファス母相中に分散
している結晶粒の平均粒径は弱い磁界で高い電気機械結
合係数を得るために100nm以下である必要がある。
より好ましい平均粒径は50nm以下、特に好ましくは
30nm以下である。結晶粒の割合は特に好ましくは5
0%から100%の体積分率であり、この範囲で特に経
時安定性や熱的安定性が優れている。
【0009】更に、M’の一部をCr,Mn,Sn,Z
n,Ag,In,白金属元素,Y,希土類元素,Mg,
Ca,Srから選ばれた少なくとも1種の元素で置換し
ても良く、耐食性を改善したり磁歪や電気機械結合係数
等を調整する効果がある。X’の一部をP,C,Geお
よびGaから選ばれた少なくとも1種の元素で置換して
も良く、磁歪を調整したりすることができる。
【0010】また望ましくは、最大の電気機械結合係数
が得られる磁界を500A/m以下とすることで、励磁
するための電流を小さく出来、ひいては励磁回路を小型
化できる。また、最大の電気機械結合係数kmaxは、
0.3以上が望ましい。kmaxが0.3未満ではセンサ
ーに使用した場合、感度が低くなり好ましくない。
【0011】本発明材料は、通常は前記組成の溶湯を単
ロ−ル法、双ロール法、回転液中紡糸法、水アトマイズ
法、ガスアトマイズ法等の超急冷法により急冷あるいは
蒸着法、スパッタ法等の気相急冷法、メッキ法等によ
り、一旦アモルファス合金を作製後、これを結晶化温度
以上に昇温して熱処理を行い平均粒径100nm以下の
微結晶を形成することにより作製する。アモルファス合
金を作製する際、一部に結晶を含んでいても良い。ま
た、冷却速度を調整して直接平均粒径100nm以下の
結晶粒を形成し製造することも可能である。熱処理は通
常はアルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス中で行なう
が大気中等酸素を含む雰囲気で行っても良い。また、必
要に応じて熱処理期間の少なくとも一部の期間磁界を印
加して磁界中熱処理を行い誘導磁気異方性を付与しても
良い。磁界は合金がほぼ飽和する以上の強さ印加するの
が望ましい。薄帯の場合、磁界は薄帯の幅方向に印加す
る場合が多い。熱処理の際の最高到達温度は結晶化温度
以上であり、通常450℃から700℃の範囲である。
一定温度に保持する熱処理工程を含む場合は、一定温度
での保持時間は通常は量産性の観点から24時間以下で
あり、好ましくは4時間以下である。熱処理の際の平均
昇温速度は好ましくは0.1℃/minから200℃/
min、より好ましくは1℃/minから40℃/mi
n、平均冷却速度は好ましくは0.1℃/minから3
000℃/min、より好ましくは10℃/minから
1000℃/minであり、この範囲でセンサーに好適
な高い電気機械結合係数が得られる。
【0012】また、熱処理は1段ではなく多段の熱処理
や複数回の熱処理を行なうこともできる。更には合金に
直流、交流あるいはパルス電流を流して合金を発熱させ
熱処理することもできる。また、合金に張力や圧力を印
加しながら熱処理し異方性を付与することにより電気機
械結合係数を改善することも可能である。本発明合金は
必要に応じて樹脂,Cr,Al,Cuなどの金属,Al
N,SiO2,MgO,Al23等のセラミックス粉末
あるいは膜で合金薄帯表面を覆い耐環境性を改善しても
良い。また、バイアス磁界を印加するためのハード磁性
層を表面に形成することもできる。
【0013】単ロール法で作製した薄帯形状の場合、厚
さは通常3μmから50μm程度である。粉末あるいは
フレ−クは通常ガスアトマイズ法、水アトマイズ法やキ
ャビテーション法等、ワイヤ−形状の材料は回転液中紡
糸法等により製造可能であり、センサーに使用する場合
はバルク化して使用する場合が多い。磁性合金中に形成
している結晶相は主にbccFe(−Co,Ni)相で
あり、Si、B、Ge等を固溶している場合もある。ま
た、bccFe相は規則格子を含むあるいは完全に規則
化している場合もある。前記結晶相以外の残部は主にア
モルファス相であるが、実質的に結晶相だけからなる合
金も本発明に含まれる。また、bcc相以外にfcc構
造のCuやAuを主成分とする結晶粒が存在する場合も
ある。また、強磁性化合物相を含んでも良い。もう一つ
の本発明は、前記高磁歪合金を少なくとも一部に用い構
成されていることを特徴とするセンサーである。センサ
ーに使用する場合は用途にもよるが、ケースに入れた
り、紙や樹脂のシートで覆ったりして使用しても良い。
磁歪振動を利用する場合は中空の樹脂や紙のケースに入
れて使用する場合もある。また、必要に応じて合金薄帯
の場合は湾曲させて振動を妨げないように周囲との接触
面積を小さくして使用する場合もある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施例にしたがって
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 (実施例1)(Fe0.8Co0.2bal.Cu0.7Nb2.8
109(原子%)からなる合金溶湯を大気中の単ロ−
ル法により急冷し、幅25mm厚さ約18μmのアモル
ファス合金薄帯を作製した。比較のために、Febal.
1Nb3Si13.59(原子%)からなる合金溶湯を大
気中の単ロ−ル法により急冷し、ほぼ同寸法のアモルフ
ァス合金薄帯を作製した。
【0015】次に、これらのアモルファス合金薄帯を幅
3mmにスリットし、長さ50mmに切断した。作製し
た試料を窒素ガス雰囲気の熱処理炉に挿入し、図1に示
す熱処理パタ−ンで熱処理を行った。熱処理後の合金は
結晶化しており、電子顕微鏡観察の結果組織の70%が
粒径20nm程度の微細な結晶粒が分散した組織からな
っていることが確認された。結晶粒は主にbcc(Fe
−Co−Si)相であった。また一部に5nm前後のC
uを多量に含むfcc相が存在していた。残部である母
相はアモルファス相であった。比較のために熱処理を行
っていない(Fe0.8Co0.2bal.Cu0.7Nb2.8Si
109(原子%)アモルファス合金についても検討し
た。
【0016】熱処理後の試料の飽和磁歪λsと最大の電
気機械結合係数kmaxおよび最大の電気機械結合係数が
得られる磁界Hkmaxを測定した。更に200℃に1時間
保持した後の電気機械結合係数kmaxtを測定した。測定
した結果を表1に示す。本発明合金は大きな磁歪λsと
大きな電気機械結合係数kmaxを示し、かつFe基アモ
ルファス合金等に比べて最大の電気機械結合係数kmax
が得られる磁界が小さく、安定性に優れるためセンサな
どの材料として好適な特性を有している。
【0017】
【表1】
【0018】(実施例2)表2に示す組成の合金溶湯を
単ロ−ル法により急冷し、幅3mm厚さ16μmのアモ
ルファス合金薄帯を得た。次にこの合金薄帯を長さ50
mmに切断し、510℃で1時間熱処理を行った。同様
の熱処理を行った後の合金のミクロ組織を透過電子顕微
鏡で観察した。アモルファス母相中に粒径100nm以
下の結晶粒が分散した組織からなることが確認された。
次に、熱処理後の試料の飽和磁歪λsと最大の電気機械
結合係数kmaxおよび最大の電気機械結合係数が得られ
る磁界Hkmaxを測定した。更に200℃に1時間保持し
た後の電気機械結合係数kmaxtを測定した。測定した結
果を表2に示す。比較例としてFe基アモルファス合金
の場合を示す。本発明合金は大きな磁歪λsと大きな電
気機械結合係数kmaxを示し、かつFe基アモルファス
合金等に比べて最大の電気機械結合係数kmaxが得られ
る磁界が小さく、安定性に優れるためセンサなどの材料
として好適な特性を有している。
【0019】
【表2】
【0020】(実施例3)(Fe1-aCoabal.Cu
0.6Nb2.6Si8.59.5(原子%)の組成の合金溶湯を
単ロール法により急冷し、幅20mm厚さ12μmのア
モルファス合金薄帯を作製し、2mm幅にスリット後こ
の合金薄帯を長さ5mmに切断し、500℃で1時間の
熱処理を行った。。同様の熱処理を行った後の合金のミ
クロ組織を透過電子顕微鏡で観察した。アモルファス母
相中に粒径100nm以下の結晶粒が分散したナ結晶組
織からなることが確認された。次に図2に(Fe1-a
abal.Cu0.6Nb2.6Si8.59.5(原子%)合金
のλsおよびkmaxを示す。Coの組成比aが0.05
≦a≦0.5の範囲において、+10×10-6を超える
高いλsが得られkmaxも大きい。
【0021】(実施例4)(Fe0.9Co0.1bal.Cu
0.7Nb2.6Si810(原子%)の合金溶湯を単ロール
法により急冷し、幅50mm厚さ18μmのアモルファ
ス合金薄帯を作製した。次にこの合金薄帯を幅3.5m
mにスリットし、長さ20mmに切断し、この合金を5
00℃で2時間の熱処理を行った。この際、薄帯幅方向
に240kA/mの磁界を印加した。次に作製した本発
明合金に半硬質磁石シートを張り付け着磁を行い盗難防
止センサーを構成した。図3に盗難防止センサーからな
る検出回路構成の一例を示す。また、長さの異なる試料
を作製し組み合わせたものを並べ素子を作製した。コイ
ルにより高周波磁界を周波数を変化させながら印加し、
検出コイルにより出力電圧を計測した。各試料の共振周
波数が異なるため、複数の周波数帯で出力電圧が変化
し、この周波数の組み合わせを検知することにより物品
の識別センサーを構成することができることを確認し
た。
【0022】(実施例5)(Fe0.75Ni0.05
0.2bal.Cu0.6Nb2.5Si99(原子%)の合金
溶湯単ロール法により急冷し、幅2mm厚さ20μmの
アモルファス合金薄帯を作製した。次にこの合金薄帯を
トロイダル状に巻回し、外径10mm内径8mmのトロ
イダル磁心を作製した。次にこの磁心を530℃で2時
間、240kA/mの磁界中で熱処理した。磁界は薄帯
幅方向に印加した。熱処理後の合金は粒径20nmの結
晶粒が65%アモルファスマトリックス中に形成してい
た。この合金からなる磁心に図4に示すように巻線を施
し回路を構成し、径方向に応力を印加し出力電圧を測定
した。その結果、±50gの外力に対して出力電圧31
0mVが得られた。また、200℃に1時間磁心を保持
し、再度図4に示すような回路を構成したところ、0.
02%程度の出力電圧の変化しかなくきわめて安定であ
った。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、熱的安定性に優れ、電
気機械結合係数が大きくセンサーに好適な高磁歪のナノ
結晶合金ならびにそれを用いた高性能で安定性に優れた
センサを実現できるためその効果は著しいものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる熱処理パタ−ンを示した図であ
る。
【図2】本発明に係わる(Fe1-aCoabal.Cu0.6
Nb2.6Si8.59.5(原子%)合金のλsと最大の電
気機械結合係数kmaxを示した図である。
【図3】本発明に係わる盗難防止センサーからなる検出
回路構成の一例を示した図である。
【図4】本発明に係わる応力センサからなる検出回路構
成の一例を示した図である。
【符号の説明】
1 ナノ結晶高磁歪合金、2 応力センサ、3、4、
5、6 コンデンサ 7、8、9、10 抵抗、11、12 トランジスタ、
13 可変抵抗 14 発振器、15 ノッチフィルタ、16 アンプ、
17 発振コイル 18 検出コイル、19 盗難防止センサ、20 ロッ
クインアンプ 21 信号処理回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:(Fe1-aa100-y-zM’
    yX’z(原子%)で表され、式中MはNi,Coから選
    ばれた少なくとも1種の元素、M’はTi、Zr、H
    f、V、Nb、Ta、Mo、Wからなる群から選ばれた
    少なくとも1種の元素、X’はSiおよびBからなる群
    から選ばれた少なくとも1種の元素であり、a、yおよ
    びzはそれぞれ0.05≦a≦0.5、1≦y≦10、
    4≦z≦30を満足する数で表され、アモルファス母相
    中に平均粒径100nm以下の結晶粒が分散しており、
    かつ飽和磁歪定数λsが+10×10-6以上であること
    を特徴とするナノ結晶高磁歪合金。
  2. 【請求項2】 一般式:(Fe1-aa100-x-y-z
    xM’yX’z(原子%)で表され、式中MはNi、Co
    から選ばれた少なくとも1種の元素、AはCuおよびA
    uからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素、M’
    はTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからな
    る群から選ばれた少なくとも1種の元素、X’はSiお
    よびBからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素で
    あり、a,x,yおよびzはそれぞれ0.05≦a≦
    0.5,0<x≦3,1≦y≦10,4≦z≦30を満
    足する数で表される範囲の組成であり、アモルファス母
    相中に平均粒径100nm以下の結晶粒が分散してお
    り、かつ飽和磁歪定数λsが+10×10-6以上である
    ことを特徴とするナノ結晶高磁歪合金。
  3. 【請求項3】 前記M’の一部をCr,Mn,Sn,Z
    n,Ag,Al,In,白金属元素,Y,希土類元素,
    Mg,Ca,Srから選ばれた少なくとも1種の元素で
    置換したことを特徴とする請求項1又は2に記載のナノ
    結晶高磁歪合金。
  4. 【請求項4】 前記X’の一部をP,C,Ge,Gaか
    ら選ばれた少なくとも1種の元素で置換したことを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載のナノ結晶高
    磁歪合金。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のナ
    ノ結晶高磁歪合金を用い構成されていることを特徴とす
    るセンサー。
  6. 【請求項6】 前記センサーが盗難防止センサーあるい
    は識別センサーであることを特徴とする請求項5に記載
    のセンサー。
  7. 【請求項7】 前記センサーが応力センサーあるいは圧
    力センサーであることを特徴とする請求項5に記載のセ
    ンサ−。
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