JPH11296884A - 対物レンズ駆動装置及びこれを用いたディスク装置 - Google Patents

対物レンズ駆動装置及びこれを用いたディスク装置

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JPH11296884A
JPH11296884A JP9568598A JP9568598A JPH11296884A JP H11296884 A JPH11296884 A JP H11296884A JP 9568598 A JP9568598 A JP 9568598A JP 9568598 A JP9568598 A JP 9568598A JP H11296884 A JPH11296884 A JP H11296884A
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JP
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objective lens
coil
tracking
tilt
coils
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JP9568598A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Maeda
伸幸 前田
Shinya Fujimori
晋也 藤森
Morikazu Kato
盛一 加藤
Michio Miura
美智雄 三浦
Akio Yabe
昭雄 矢部
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Hitachi Ltd
Hitachi Advanced Digital Inc
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Video and Information System Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】傾き検出手段の出力に基づき形状の異なる複数
のトラッキングコイルに供給する電流を調整することに
より、対物レンズの傾きを補正することが可能な、低コ
ストかつ小型の対物レンズ駆動装置を実現する。また、
対物レンズ駆動装置を搭載することにより、レーザービ
ームのコマ収差、非点収差を低減することができるた
め、高品位な信号の記録及び/又は再生を行うことがで
きる優れたディスク装置を実現する。 【解決手段】対物レンズから放出される光の光軸と情報
記録媒体記録面の垂線との傾き、またはレンズホルダー
の傾きを検出する手段を備え、前記傾き検出手段の出力
に基づき形状の異なる複数のトラッキングコイルに供給
する電流を調整することにより対物レンズの傾きを補正
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク、光磁
気ディスク、等の記録及び/又は再生装置に用いられる
対物レンズ駆動装置、及びそれを用いたディスク装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、DVD等の光ディスク装置あるい
は光磁気ディスク装置においては、高密度記録化が進め
られており、対物レンズには、より大きな開口数(N.
A.)を有するものが使用されるようになっている。一
方、ディスクの記録/再生面に対して対物レンズの光軸
が傾いた場合、収束光束がディスク基板を通過すると、
コマ収差および非点収差が発生する。コマ収差は、対物
レンズの開口数の3乗に、非点収差は対物レンズの開口
数の2乗に比例するため、開口数が大きい場合ほど、デ
ィスクの記録/再生面に対する対物レンズの光軸の傾き
の許容値が小さくなる。したがって、ディスクの記録/
再生面に対する対物レンズの光軸の傾きを抑えることが
非常に重要となっている。
【0003】従来より、対物レンズを保持する可動部
を、弾性支持部材により支持する、2軸直交並進タイプ
の対物レンズ駆動装置が多く用いられている。本構成
は、装置を小型かつ安価に製造できるという長所がある
反面、弾性支持部材の延在方向回りの剛性が低いため、
この回りのモーメントが発生した場合、容易に対物レン
ズが傾くという問題があった。上記問題を解決する手段
として、特開平6-162540号公報が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平6-162540号公報
では、対物レンズホルダーの側面に、チルト補正用のコ
イル及びこれらのコイルを電磁駆動するための磁石、U
字型ヨークを追加している。そして、ビーム光軸と光デ
ィスク記録面との傾きを検出した信号に基づき前記チル
ト補正用のコイルを駆動することにより、対物レンズの
傾きを補正する構成としている。しかし、この構成で
は、レンズチルトを補正するために複数の磁石を追加し
なければならないため、コストが高くなるという問題点
がある。また、これらを追加することにより、対物レン
ズ駆動装置が大型になってしまうという問題点がある。
【0005】本発明の目的は、上記問題点に鑑みてなさ
れたものであり、対物レンズの傾き補正を行うことが可
能な低コストかつ小型の対物レンズ駆動装置を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の対物レンズ駆動装置では、円盤状情報記録
媒体への光学情報の記録あるいは再生のための対物レン
ズと、該対物レンズを保持するレンズホルダーと、該対
物レンズをフォーカシング方向に駆動するために該レン
ズホルダーに設けられたフォーカシングコイルと、トラ
ッキング方向に駆動するために設けられたトラッキング
コイルと、これらコイルに対向するように配置され磁気
回路を形成する磁石と磁性ヨークと、該レンズホルダー
を一端で弾性的に片持ち支持する弾性支持部材と、該弾
性支持部材の他端部を支持する固定部基板と、該固定部
基板を固定する固定部ホルダを備えると共に、前記対物
レンズから放出される光の光軸と前記円盤状情報記録媒
体記録面の法線との傾き、または前記レンズホルダーの
傾き、または該円盤状情報記録媒体記録面の傾きを検出
する手段を備え、前記磁気ギャップ内に各々の形状が異
なる2組以上のトラッキングコイルの少なくとも一部を
配置し、前記傾き検出手段の出力に基づき、それぞれの
トラッキングコイルに供給する電流を調整することによ
り対物レンズの傾きを補正する構成とする。
【0007】また、上記トラッキングコイルを、フォー
カシング方向の外径寸法の異なる2組の矩形トラッキン
グコイルとし、それぞれのコイルのフォーカシング方向
の中心がフォーカシング方向について略一致するように
配置する構成とする。
【0008】また、上記トラッキングコイルを、2組の
矩形トラッキングコイルとし、矩形トラッキングコイル
の空芯部分に別の矩形トラッキングコイルを配置する構
成とする。
【0009】また、図4に示すように、上記2組の矩形
トラッキングコイル5、6のフォーカシング方向の外径寸
法をLtr1、Ltr2、該磁石9のフォーカシング方向の寸
法をLmagとした時、
【0010】
【数2】Ltr1 > Lmag - 1.5mm 且つ Lmag + 0.5mm
> Ltr2 且つ Ltr1 > Ltr2 の関係を満足するように、トラッキングコイルおよび磁
石を構成する。
【0011】あるいは、上記トラッキングコイルを、矩
形トラッキングコイルと、無効導体部分の長さが矩形コ
イルに比べて短い形状を有するトラッキングコイルとし
てもよい。
【0012】また、以上に記載した対物レンズ駆動装置
を搭載するディスク装置としてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施形態につ
いて、詳細に説明する。
【0014】図3は、本発明による対物レンズ駆動装置
を用いた光ディスク(CD-ROM)装置の一例を示す外観斜視
図である。光ディスク装置30は、ディスクトレイ33上に
置かれた光ディスク31(以下ディスクと表記)を、図示
せぬディスクローディング機構により、装置内に送る
(あるいは装置外に出す)という動作を行う。また、装
置内に送られたディスク31は、スピンドルモーターの回
転軸に一体に構成されたターンテーブル32に搭置され、
クランパーホルダー35に取り付けられているクランパー
34によって吸引固定される。
【0015】スピンドルモーターにより、光ディスク31
は所定の回転数で回転し、光ディスク31上に記録された
情報の読み出しを、ユニットメカシャーシ36に搭載され
た光ヘッド39によって行う。光ディスク31の半径方向に
粗移動できる図示せぬ送り基台上に取り付けられた光ヘ
ッド39は、本発明対物レンズ駆動装置1を搭載してい
る。
【0016】ユニットメカシャーシ36は、弾性部材で構
成した防振脚38を介して、メカベース37に取り付けられ
ている。また、装置全体にはボトムカバー41とトップカ
バー42が取り付けられている。
【0017】図1は本発明による対物レンズ駆動装置の
一例を示す外観斜視図、図2は分解斜視図である。
【0018】対物レンズ駆動装置1は、光ディスク1等
の光学的情報記録媒体の情報面に平行で、その半径方向
(トラッキング方向14)に移動可能な図示せぬ送り基台
上に取り付けられている。また光ヘッドには、図示せぬ
光学装置が配置されている。
【0019】レンズホルダ3には、対物レンズ2、フォー
カシングコイル4(以下AFコイルと記述)、およびフ
ィーカシング方向15の外径寸法が異なる2組の矩形トラ
ッキングコイル5,6(以下TRコイルと記述)、小基板
7が組み付けられており、可動部を形成している。一
方、基台ヨーク8には、2個の磁石9および図1に図示せ
ぬ上側ヨーク(図2−17)が組み付けられており、本駆
動装置の磁気回路を構成している。
【0020】レンズホルダ3は、小基板7に接合された4
本の弾性支持部材12により支持されており、これにより
レンズホルダ3は、その姿勢を維持してフィーカシング
方向15(以下AF方向と記述)およびトラッキング方向
14(以下TR方向と記述)への移動が可能となってい
る。また、基台ヨーク8には、ピン13により、固定部基
板11を組み付けた固定部ホルダ10が組み付けられてお
り、固定部基板11に上記弾性支持部材12の他端が接合さ
れている。
【0021】固定部ホルダ10に設けられた粘弾性材受け
口には、振動を減衰させる作用を有する粘弾性材16が充
填されており、弾性支持部材12の不要振動を減少させる
役割を果たしている。
【0022】また、本駆動装置には、2分割フォトディ
テクター18が配置されており、傾き検出回路と協動し
て、ディスク31の半径方向の傾きを検出する。
【0023】本駆動装置では、検出したフォーカシング
エラー信号、トラッキングエラー信号、並びに、前記デ
ィスクの傾き検出信号に基づき、AFコイル4およびT
Rコイル5,6の各々に電流を供給することにより、上記
磁気回路により発生する磁束との間に電磁力を発生さ
せ、対物レンズ2をAF方向15およびTR方向14に駆動
すると同時に、対物レンズ2の弾性支持部材12の延在方
向回りの傾きを補正するように構成している。
【0024】次に、本発明におけるレンズ傾きの制御手
段を説明するのに先立ち、図5に示す磁気回路におい
て、AFコイルおよびTRコイルにモーメントの発生す
る原理を説明する。なお、図5に示す磁気回路は、ヨー
ク51、上側ヨーク52、AFコイル53、1組のTRコイル
54、磁石55により構成されている。
【0025】図6は、図5に示す磁気回路構成におい
て、AFコイル53にモーメントが発生する原理を説明し
た概略図である。ただし、TR方向14およびAF方向15
に垂直な軸をZ軸とし、ここでは、重心回りのモーメン
トの内、Z軸成分について説明を行う(図中Mと表
示)。なお、可動部の重心と可動部の支持中心(各弾性
支持部材と可動部との4接点の対角線の交点)は、一致
しているものとする(図中Gと表示)。また、コイルに
電流を流さない状態においては、可動部の支持中心Gと
磁石8の重心は、 TR方向14およびAF方向15に関して
一致しているとする。
【0026】(1),(2)に示すように、AFコイル53がT
R方向14に変位していない場合、AFコイル53の推力中
心(全推力の合成ベクトルの位置: FAF )とGとがT
R方向14について一致しているため、AFコイル53の推
力による重心回りのモーメントは発生しない。
【0027】それに対して、(3),(4)に示すように、A
Fコイル53がTR方向:+に変位した場合、AFコイル
53の推力中心とGはTR方向14にずれているため、 A
Fコイル53の推力により重心回りにモーメントが発生す
る。AFコイル53が、AF方向:+に変位した場合、重
心回りに+のモーメントが、−に変位した場合、−のモ
ーメントが発生する。同様に、(5),(6)に示すようにA
Fコイル53がTR方向:−に変位した状態では、AF方
向:+に変位した場合、−のモーメントが、−に変位し
た場合、+のモーメントが発生する。
【0028】次に、図7、図8を用いてTRコイル54に
モーメントが発生する原理を説明する。
【0029】図7は、磁気ギャップ内の磁束密度分布を
示したものである。ただし、磁石のAF方向、TR方向
の中心をCと表示している。同一形状を有する2枚の磁
石を対向させて磁気ギャップを形成した場合、AF,T
R平面内では、56,57に示すように、磁石の中心Cにお
いて磁束密度が最も高くなる。そして、TR方向14、A
F方向15共、磁石中心Cより遠ざかるに従い、磁束密度
は小さくなる。
【0030】図8は、図5に示す磁気回路構成におい
て、TRコイル54にモーメントが発生する原理を説明し
た概略図である。ただし、磁束の向きB、TRコイル54
に流れる電流の向きI、TRコイルに発生する推力は矢
印で表記している。なお、座標系は、図6と同一であ
る。
【0031】(1'),(2')に示す、TR変位:無の状態
は、TRコイル54に電流が流れていない場合であり、当
然、TRコイルからは重心回りのモーメントは発生しな
い。
【0032】一方、例えば(3')に示すように、TRコイ
ル54が、AF方向:+、TR方向:+に変位した場合、
ギャップ内の磁束密度分布に従い、TRコイル各部分に
発生する推力には分布が生じる。即ち、磁石中心に近い
部分ほど、磁束密度が高いため、図中矢印で示すよう
に、磁石中心に近い部分ほど、推力が大きくなる。この
結果、TRコイルには、重心回りに−のモーメントが発
生する。同様の理由により、(4')AF方向:+、TR
方向:−に変位した場合、+のモーメント、(5')AF
方向:−、TR方向:+に変位した場合、+のモーメン
ト、(6')AF方向:−、TR方向:−に変位した場
合、−のモーメント、が発生する。
【0033】図6に示した結果と比較すると、TRコイ
ル54に発生するモーメントは、いずれの場合もAFコイ
ル53に発生するモーメントの逆向きである。即ち、AF
コイル53に発生するモーメントとTRコイル54に発生す
るモーメントとは、互いに打ち消し合う。
【0034】次に、レンズ傾きを変化させる手段につい
て詳細に説明する。
【0035】図9は、図5に示す磁気回路において、A
Fコイル53およびTRコイル54をAF方向15に+0.7m
m、TR方向14に+0.3mm変位させた場合における、TR
コイル54の外径寸法(AF方向15)とAFコイル53およ
びTRコイル54に発生するモーメントとの関係を示した
ものである。ただし、AFコイル53をAF方向15に+0.
7mm変位させるのに必要な推力:Faf、TRコイル54を
TR方向14に+0.3mm変位させるのに必要な推力:Ftr
は次式で表される。
【0036】
【数3】Faf=k・ΔAF Ftr=k'・ΔTR k:レンズホルダーを支持する弾性支持部材のAF方向
のばね定数 k':レンズホルダーを支持する弾性支持部材のTR方向
のばね定数 ΔAF:0.7(mm)、ΔTR:0.3(mm) 図9では、両コイルに上式で表される推力を発生させた
場合に生じるモーメントを示している。なお、磁石55の
AF方向15の寸法は5.0mmである。
【0037】AFコイル53に発生するモーメントは、
AF方向のTRコイル外径寸法に依存せず一定である。
一方、TRコイル54に発生するモーメントは、 AF方
向のTRコイル外径寸法に大きく依存する。即ち、TR
コイル54の外径寸法(AF方向)を小さくした場合に
は、TRコイル54に発生するモーメント量は少なくな
り、 TRコイル54の外径寸法(AF方向)を大きくし
た場合には、TRコイル54に発生するモーメント量は多
くなる。したがって、TRコイルとして、外径寸法の大
きいTRコイルと小さいTRコイルの2組を備え、各々
に供給する電流値を変化させることにより、TRコイル
より発生するモーメントの総量を変化させることが可能
となる。
【0038】次に、TRコイルとして、図10に示すよ
うに、外径寸法:6.5mmのTRコイル5と外径寸法:4.5m
mのTRコイル6とを配置した場合を例にとり、本発明に
おいてレンズ傾きを変化させる手段を説明する。例え
ば、対物レンズをTR方向14に0.3mm変位させるのに、
外径寸法の大きいTRコイル5にのみに電流を流して変
位させた場合、TRコイル5には大きなモーメントが発
生する。それに対して、外径寸法の小さいTRコイル6
にのみ電流を流して対物レンズをTR方向14に0.3mm変
位させた場合には、前記場合に比べて、発生するモーメ
ントは小さくなる。
【0039】一方、TRコイル5とTRコイル6の両方に
電流を流して、対物レンズをTR方向14に0.3mm変位さ
せる場合、各々のコイルに発生する推力の割合に依存し
て発生する総モーメント量が変化する。
【0040】図11は、TRコイル5の推力の割合
(%)とTRコイル5、TRコイル6に発生するモーメン
トおよび両TRコイルから発生するモーメントの和との
関係を示したものである。ただし、 TRコイル5の推力
の割合は、 TRコイル5の推力/(TRコイル5の推力+TRコイル
6の推力) で表される。また、(TRコイル5の推力+TRコイル6
の推力)は、対物レンズをTR方向に0.3mm変位させる
のに必要な推力である。
【0041】TRコイルより発生するモーメントの和
(絶対値)は、TRコイル6にのみ電流を流した場合が
最小、TRコイル5に流す電流を増やしていくに従い大
きくなり、TRコイル5にのみ電流を流す場合が最大と
なる。
【0042】図12は、図11と同様に、TRコイル5
とTRコイル6の推力の割合を変えた場合のレンズ傾き
の変化を示したものである。ただし、図10におけるZ
軸に対して、正のモーメントによるレンズ傾きを正、そ
の逆もモーメントによるレンズ傾きを負としている。T
Rコイル5の推力の割合が大きくなるに従い、TRコイ
ルに発生するモーメントの絶対値が大きくなるため、レ
ンズ傾きは、正から負へと変化する。
【0043】即ち、TRコイル5の割合が小さい場合に
は、|TRコイルに発生するモーメント|<|AFコイ
ルに発生するモーメント|となり、レンズ傾きが正とな
るのに対し、大きい場合には|TRコイルに発生するモ
ーメント|>|AFコイルに発生するモーメント|とな
り、レンズ傾きが負になるのである。このように、レン
ズ傾きは、TRコイル5とTRコイル6の推力の割合に依
存して変化する。
【0044】以上に説明したように、外径寸法の大きい
TRコイル5と小さいTRコイル6を配置し、各々に流す
電流の割合を変化させることにより、レンズ傾きを零に
すること、およびディスクの傾きに対応して、対物レン
ズを傾かせることが可能となる。
【0045】図13は、トラッキングエラー信号および
ディスクの傾き信号に基づき、トラッキングエラーおよ
び傾きを補正するように、各々のTRコイルをドライブ
するための制御装置の一例を示す概略図である。
【0046】対物レンズ2で光ディスク上に絞り込まれ
たレーザー光は、反射の際に等間隔に並んだトラックに
より回折される。この回折光を2分割フォトディテクタ
ー61で検出し、この検出信号の差動をトラッキングエラ
ー検出回路62において演算し、トラッキングエラー信号
63とする。
【0047】光ディスク傾きについても同様に、2分割
フォトディテクター64およびディスク傾き検出回路65か
らディスク傾き信号66を生成する。上記信号63,66は電
気補償部67に送られ、サーボを行うのに必要な位相補償
が行われた後、TR方向への対物レンズの変位、並びに
対物レンズの傾きの補正が適正に行われるように演算が
行われる。ドライバー68,69は、電気補償部67からの出
力に基づき、TRコイル5,6を駆動する。
【0048】以上のような制御装置を用いることによ
り、外径寸法の異なる2組のTRコイルを用いて、TR
方向の変位とレンズ傾きとを同時に制御することができ
る。なお、トラッキングエラー信号を検出する手段、お
よびディスク傾きを検出する手段に関しては、他の手段
を用いてもよい。
【0049】次に、本発明におけるトラッキングコイル
の配置例を示す。
【0050】図14は、図1に示した本発明対物レンズ
駆動装置のTRコイルを示したものである。フォーカシ
ング方向の外径寸法の異なる2組の矩形TRコイル5,6
を、それぞれのコイルのAF方向の中心がAF方向につ
いて略一致するように配置している。
【0051】一方、図15は、矩形TRコイル21の空芯
部に、別の矩形TRコイル22を配置している。
【0052】図16は、図5における磁気回路構成にお
いて、AFコイル53に発生するモーメントとTRコイル
54に発生するモーメントとをほぼ一致させた場合におけ
る、磁石の寸法(AF方向)とTRコイルの外径寸法
(AF方向)との関係を示したものである。ただし、弾
性支持部材の断面形状を略円形としている。両コイルに
発生するモーメントが一致する条件は、磁石の寸法(A
F方向)をX、TRコイルの外径寸法(AF方向)をY
とした場合、概ね、Y=X-1.5、Y=X+0.5の間に入っ
ている。
【0053】1つまたは1組のAFコイルおよび2組の
TRコイル5,6を使用してレンズ傾きを制御する場
合、
【0054】
【数4】 |TRコイル5に発生するモーメント|>|AFコイルに発生するモーメント| >|TRコイル6に発生するモーメント| ‥‥(1) となるように磁気回路を構成するのが望ましい。したが
って、2組の矩形TRコイルの外径寸法(AF方向)を
それぞれ、Ltr1,Ltr2(ただしLtr1>Ltr2)、磁石
の寸法(AF方向)をLmagとした場合、(1)を満た
すためには、図16に示す結果より、 Ltr1 > Lma
g - 1.5mm 、 Ltr2 < Lmag + 0.5mmとする必要が
ある。したがって、上記関係を満足するように、TRコ
イルおよび磁石を構成するとよい。
【0055】一方、TRコイルとして、矩形コイルの代
わりに、コイルの無効導体部分の長さが矩形の場合より
短くなるような形状を有するコイルを用いてもよい。図
12は、矩形コイル23上に、三角形状のTRコイル24を配
置した例であり、図13は、矩形コイル25上に、半円形状
のTRコイル26を配置した例である。このように、一方
のTRコイルの形状を矩形以外にすることによって、2
組のTRコイルに発生するモーメント量を変えても、上
記外径寸法の異なる矩形コイルを用いた場合と同様な効
果が得られる。
【0056】なお、図15において、矩形TRコイル21
の空芯部に矩形以外の形状を有するTRコイルを配置し
てもよいことは言うまでもない。
【0057】以上に示したように、ディスクの傾きを検
出する手段を備えると共に、形状の異なる複数のTRコ
イルを配置し、前記傾き検出手段の出力に基づき各々の
TRコイルに供給する電流を調整することにより、対物
レンズの傾きを補正することができる。これにより、デ
ィスクが傾くことにより発生するビームの収差が低減さ
れ、高品位な信号の記録及び/又は再生が可能となる。
本発明では、従来の対物レンズ駆動装置とほぼ同じ構成
をとることができるため、小型かつ安価な対物レンズ駆
動装置を得ることができる。
【0058】なお、ディスクの傾きを検出する代わり
に、対物レンズから放出される光の光軸と情報記録媒体
記録面の垂線との傾き、あるいはレンズホルダーの傾き
を検出し、その出力に基づき各々のトラッキングコイル
に供給する電流を調整してもよい。以上に示した構成の
多くは、AFコイルの片面に2組のTRコイルを貼り付け
ているが、 AFコイルの内側と外側の両面に2組のTRコ
イルを貼り付ける構成としてもよい。
【0059】本発明対物レンズ駆動装置を用いたディス
ク装置はCD-ROM、DVD-ROM、DVD-RAM等の光ディスク装置
に限らず、光磁気ディスク装置等にも適用される。
【0060】
【発明の効果】本発明では、傾き検出手段の出力に基づ
き形状の異なる複数のトラッキングコイルに供給する電
流を調整することにより、対物レンズの傾きを補正する
ことが可能な、低コストかつ小型の対物レンズ駆動装置
を実現することができる。
【0061】また、上記記載の対物レンズ駆動装置を搭
載することにより、レーザービームのコマ収差、非点収
差を低減することができるため、高品位な信号の記録及
び/又は再生を行うことのできる優れたディスク装置を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による対物レンズ駆動装置の実施の形態
を示す概略斜視図である。
【図2】本発明による対物レンズ駆動装置の実施の形態
を示す分解斜視図である。
【図3】本発明によるディスク装置の実施の形態を示す
概略斜視図である。
【図4】本発明による矩形トラッキングコイルを説明し
た断面図である。
【図5】本発明による磁気回路の構成を示す概略斜視図
である。
【図6】図5のフォーカシングコイルにモーメントが発
生する原理を説明した概略説明図である。
【図7】TRコイルにおける磁気ギャップ内の磁束密度
分布を示した特性図である。
【図8】図5のトラッキングコイルにモーメントが発生
する原理を説明した概略説明図である。
【図9】図5のトラッキングコイルの外径寸法と発生す
るモーメントとの関係を示したグラフである。
【図10】磁石およびトラッキングコイルの寸法関係を
示した概略図である。
【図11】トラッキングコイル5の推力の割合とモーメ
ントとの関係を示したグラフである。
【図12】トラッキングコイル5の推力の割合とレンズ
傾きとの関係を示したグラフである。
【図13】トラッキングコイルの制御装置の一例を示し
たブロック図である。
【図14】本発明おけるトラッキングコイル構成の一例
を示した斜視図である。
【図15】本発明おけるトラッキングコイル構成の一例
を示した斜視図である。
【図16】磁石の寸法とトラッキングコイルの外径寸法
との関係を示したグラフである。
【図17】本発明おけるトラッキングコイル構成の一例
を示した斜視図である。
【図18】本発明おけるトラッキングコイル構成の一例
を示した斜視図である。
【符号の説明】
1…対物レンズ駆動装置、 2…対物レンズ、 3…
レンズホルダ、4…フォーカシングコイル、5…トラッ
キングコイル、6…トラッキングコイル、 7…小基
板、 8…基台ヨーク、9…磁石、 10
…固定部ホルダ、 11…固定部基板、12…弾性
支持部材、13…ピン、 14…トラッキ
ング方向、15…フォーカシング方向、16…粘弾性
材、 17…上側ヨーク、18…2分割フォトディテ
クター、 30…光ディスク装置、31…
光ディスク、 32…ターンテーブル、 33…ディ
スクトレイ、34…クランパー、 35…クランパーホ
ルダー、36…ユニットメカシャーシ、
37…メカベース、38…防振脚、 39…光
ヘッド、 41…ボトムカバー、42…トップ
カバー、61…2分割フォトディテクター、62…トラ
ッキングエラー検出回路、63…トラッキングエラー信
号、 64…2分割フォトディテクター、65…ディ
スク傾き検出回路、 66…ディスク傾き信号、6
7…電気補償部、 68…ドライバー、 69…
ドライバー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤森 晋也 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所マルチメディアシステム開 発本部内 (72)発明者 加藤 盛一 茨城県土浦市神立町502番地株式会社日立 製作所機械研究所内 (72)発明者 三浦 美智雄 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所映像情報メディア事業部内 (72)発明者 矢部 昭雄 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立画像情報システム内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円盤状情報記録媒体への光学情報の記録あ
    るいは再生のための対物レンズと、該対物レンズを保持
    するレンズホルダーと、該対物レンズをフォーカシング
    方向に駆動する該レンズホルダーに設けられたフォーカ
    シングコイルと、トラッキング方向に駆動するために設
    けられたトラッキングコイルと、これらコイルに対向す
    るように配置され磁気ギャップを形成する磁石と磁性ヨ
    ークと、該レンズホルダーを一端で弾性的に片持ち支持
    する弾性支持部材と、該弾性支持部材の他端部を支持す
    る固定部基板と、該固定部基板を固定する固定部ホルダ
    を備えると共に、前記対物レンズから放出される光の光
    軸と前記円盤状情報記録媒体記録面の法線との傾き、ま
    たは前記レンズホルダーの傾き、または該円盤状情報記
    録媒体記録面の傾きを検出する手段を備え、前記磁気ギ
    ャップ内に各々の形状が異なる2組以上のトラッキング
    コイルの少なくとも一部を配置し、前記傾き検出手段の
    出力に基づき、それぞれのトラッキングコイルに供給す
    る電流を調整することにより対物レンズの傾きを補正す
    ることを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  2. 【請求項2】フォーカシング方向の外径寸法の異なる2
    組の矩形トラッキングコイルを、それぞれのコイルのフ
    ォーカシング方向の中心がフォーカシング方向について
    略一致するように配置したことを特徴とする請求項1記
    載の対物レンズ駆動装置。
  3. 【請求項3】矩形トラッキングコイルの空芯部分に別の
    トラッキングコイルを配置したことを特徴とする請求項
    1記載の対物レンズ駆動装置。
  4. 【請求項4】前記レンズホルダーを4本の弾性支持部材
    により支持すると共に、2組の矩形トラッキングコイル
    のフォーカシング方向の外径寸法をLtr1、Ltr2、該磁
    石のフォーカシング方向の寸法をLmagとした時、 【数1】Ltr1 > Lmag - 1.5mm 且つ Lmag + 0.5mm
    > Ltr2 且つ Ltr1 > Ltr2 の関係を満足するように、トラッキングコイルおよび磁
    石を構成したことを特徴とする請求項2又は3記載の対
    物レンズ駆動装置。
  5. 【請求項5】矩形トラッキングコイルと、無効導体部分
    の長さが矩形コイルに比べて短い形状を有するトラッキ
    ングコイルとを配置したことを特徴とする請求項1記載
    の対物レンズ駆動装置。
  6. 【請求項6】情報記録ディスクに情報を記録及び/又は
    再生するディスク装置において、該ディスクを所定の回
    転数で回転させるモータと、情報の記録及び/又は再生
    を行う光ヘッドを有し、該光ヘッドは前記ディスクの半
    径方向に粗移動できる構成の部材に固定されており、か
    つ、該光ヘッドは、前記ディスクへの光学情報の記録あ
    るいは再生のための対物レンズと、該対物レンズを保持
    するレンズホルダーと、該対物レンズをフォーカシング
    方向に駆動する該レンズホルダーに設けられたフォーカ
    シングコイルと、トラッキング方向に駆動するために設
    けられたトラッキングコイルと、これらコイルに対向す
    るように配置され磁気回路を形成する磁石と磁性ヨーク
    と、該レンズホルダーを一端で弾性的に片持ち支持する
    弾性支持部材と、該弾性支持部材の他端部を支持する固
    定部基板と、該固定部基板を固定する固定部ホルダを備
    えると共に、前記対物レンズから放出される光の光軸と
    前記円盤状情報記録媒体記録面の法線との傾き、または
    前記レンズホルダーの傾き、または該円盤状情報記録媒
    体記録面の傾きを検出する手段を備え、前記磁気ギャッ
    プ内に各々の形状が異なる2組以上のトラッキングコイ
    ルの少なくとも一部を配置し、前記傾き検出手段の出力
    に基づき、それぞれのトラッキングコイルに供給する電
    流を調整することにより対物レンズの傾きを補正する対
    物レンズ駆動装置を搭載したことを特徴とする対物レン
    ズ駆動装置を用いたディスク装置。
  7. 【請求項7】請求項2ないし5のいずれか1項記載の対
    物レンズ駆動装置を搭載したことを特徴とする対物レン
    ズ駆動装置を用いたディスク装置。
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Cited By (4)

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