JPH1129663A - 無電解メッキ可能な熱可塑性エラストマー組成物およびメッキ成形体 - Google Patents

無電解メッキ可能な熱可塑性エラストマー組成物およびメッキ成形体

Info

Publication number
JPH1129663A
JPH1129663A JP19917597A JP19917597A JPH1129663A JP H1129663 A JPH1129663 A JP H1129663A JP 19917597 A JP19917597 A JP 19917597A JP 19917597 A JP19917597 A JP 19917597A JP H1129663 A JPH1129663 A JP H1129663A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
copolymer rubber
acrylonitrile
thermoplastic elastomer
elastomer composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19917597A
Other languages
English (en)
Inventor
Izumi Matsui
泉 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHIELD TEC KK
Original Assignee
SHIELD TEC KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHIELD TEC KK filed Critical SHIELD TEC KK
Priority to JP19917597A priority Critical patent/JPH1129663A/ja
Publication of JPH1129663A publication Critical patent/JPH1129663A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】柔軟性を有し、無電解メッキが可能である熱可
塑性エラストマー組成物を提供し、また、優れた電磁波
シールド効果を発揮するその熱可塑性エラストマー組成
物からなるメッキ成形体を提供する。 【解決手段】ポリオレフィン樹脂30〜60重量%、ア
クリロニトリル−ブタジエン系共重合ゴム又はモノオレ
フィン系共重合ゴム10〜68重量%、酸に可溶な無機
物質1〜20重量%及び相溶化剤1〜20重量%を含有
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無電解メッキ可能
な熱可塑性エラストマー組成物およびメッキ成形体に関
し、詳しくは通常柔軟性のある無電解メッキ可能な熱可
塑性エラストマー組成物、およびその熱可塑性エラスト
マー組成物からなり、メッキ後に優れた電磁波シールド
効果を発揮するメッキ成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器から発生する電磁波によ
る健康への悪影響、あるいは電子機器の制御不能という
問題が発生しており、電子機器における電磁波シールド
が重要なテーマになっている。従来、電磁波シールド技
術としては、製品表面をメッキすることにより、シール
ド効果を出す方法が提案されているが、メッキできる樹
脂が限られており、ポリオレフィン樹脂などのメッキの
できない樹脂に対しては、この方法は適用できないとい
う欠点を有している。さらに、従来の樹脂メッキは、硬
い樹脂にのみメッキするものであり、柔軟性のあるエラ
ストマーにメッキするものはなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の状況に鑑みてなされたものであり、柔軟性のある、
無電解メッキ可能な熱可塑性エラストマー組成物、およ
びその熱可塑性エラストマー組成物からなり、メッキ後
に優れた電磁波シールド効果を発揮するメッキ成形体を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、ポリオレフィ
ン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合ゴム又
はモノオレフィン系共重合ゴム、酸に可溶な無機物質、
および相溶化剤を特定割合で含有させることにより上記
課題を解決できることを見い出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、ポリオレフィン樹脂
30〜60重量%、アクリロニトリル−ブタジエン系共
重合ゴム又はモノオレフィン系共重合ゴム10〜68重
量%、酸に可溶な無機物質1〜20重量%及び相溶化剤
1〜20重量%を含有することを特徴とする無電解メッ
キ可能な熱可塑性エラストマー組成物を提供するもので
ある。また、本発明は、上記熱可塑性エラストマー組成
物からなる成形体にメッキ層が設けられていることを特
徴とするメッキ成形体を提供するものである。以下、本
発明を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるポリオレフィ
ン樹脂としては、種々のポリオレフィン樹脂が使用で
き、たとえば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、3
−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メ
チルペンテン−1などのα−オレフィンの単独重合体や
これらの共重合体、もしくはこれらのα−オレフィンと
他の共重合可能な不飽和単量体との共重合体などが挙げ
られる。これらの中で、ポリプロピレン重合体樹脂、ポ
リプロピレン共重合体樹脂が好ましい。また、ポリオレ
フィン樹脂が共重合体である場合は、その構造は、特に
制限なく、ブロック型構造、ランダム型構造などの構造
であるが、ブロック型構造が好ましい。ポリオレフィン
樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。ポリオレフィン樹脂の含有割合
は、30〜60重量%である。
【0007】本発明において使用されるアクリロニトリ
ル−ブタジエン系共重合ゴムとしては、アクリロニトリ
ルとブタンジエンとを共重合して得られるゴム、あるい
はアクリロニトリルとブタンジエンと他の共重合可能な
不飽和単量体とを共重合して得られるゴムなどが挙げら
れる。アクリロニトリル−ブタジエン系共重合ゴムにお
けるアクリロニトリル単位の含有割合は、特に制限ない
が、10〜50重量%が好ましく、特に15〜40重量
%が好ましい。アクリロニトリル−ブタジエン系共重合
ゴムは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。アクリロニトリル−ブタジエン系
共重合ゴムを使用すると、通常メッキする際にメッキの
前処理で行う極性付与工程を必要としないので、メッキ
が簡単にできる利点がある。
【0008】本発明において使用されるモノオレフィン
系共重合ゴムとしては、例えば、エチレンとプロピレ
ン、ブテン−1などのα−オレフィンとの共重合により
得られる非晶性の共重合体、あるいは、エチレンとα−
オレフィンと非共役ジエン類との共重合により得られる
非晶性の共重合体であり、好ましくは、エチレンとプロ
ピレンと非共役ジエン類の三元共重合体である。
【0009】非共役ジエン類としては、例えば、ジシク
ロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、5−エチリ
デン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−
ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネ
ン、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、
1,7−オクタジエンなどが挙げられ、好ましくはジシ
クロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、5−エチ
リデン−2−ノルボルネンである。これらの共役ジエン
類は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組合せ
て用いてもよい。モノオレフィン系共重合ゴムは、ムー
ニー粘度が50〜85(ML1+4 (100℃))のも
のが好ましく、特に60〜75(ML1+4 (100
℃))のものが好ましい。なお、モノオレフィン系共重
合ゴムは、前記ポリオレフィン樹脂とは別個に共重合し
たものを使用してもよいし、前記ポリオレフィン樹脂の
存在下にモノオレフィン系共重合ゴム用単量体を共重合
させたものを使用してもよい。モノオレフィン系共重合
ゴムは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0010】本発明におけるアクリロニトリル−ブタジ
エン系共重合ゴム又はモノオレフィン系共重合ゴムの含
有割合は、10〜68重量%である。アクリロニトリル
−ブタジエン系共重合ゴムの含有割合は、好ましくは2
0〜50重量%であり、特に好ましくは20〜40重量
%である。モノオレフィン系共重合ゴムの含有割合は、
好ましくは20〜50重量%であり、特に好ましくは2
0〜40重量%である。本発明においては、アクリロニ
トリル−ブタジエン系共重合ゴムとモノオレフィン系共
重合ゴムを共存させることが好ましい。アクリロニトリ
ル−ブタジエン系共重合ゴムと共に、モノオレフィン系
共重合ゴムを含有させる場合、アクリロニトリル−ブタ
ジエン系共重合ゴムの含有割合は、15〜30重量%が
特に好ましく、モノオレフィン系共重合ゴムの含有割合
は、20〜35重量%が特に好ましい。
【0011】本発明に使用される酸に可溶な無機物質と
しては、例えば、炭酸カルシウム、塩基性マグネシウム
オキシサルフェート、炭酸マグネシウム、ドロマイト、
ドーソナイト、水酸化マグネシウムなどが挙げられる
が、炭酸カルシウム、塩基性マグネシウムサルフェート
が好ましく、特に炭酸カルシウムが好ましい。酸に可溶
な無機物質は、粒子、粉体が好ましく、その平均粒径
は、0.01〜10μmが好ましく、特に0.5〜2μ
mが好ましい。酸に可溶な無機物質は、1種単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。酸
に可溶な無機物質の含有割合は、1〜20重量%であ
り、好ましくは5〜15重量%である。
【0012】本発明で使用される相溶化剤としては、前
記各成分を相溶化させる機能を有するものであり、例え
ばポリオレフィン樹脂を他の成分に相溶化させる機能を
有する相溶化剤、アクリロニトリル−ブタジエン系共重
合ゴムを他の成分に相溶化させる機能を有する相溶化剤
などが挙げられる。これらの相溶化剤は、1種単独で使
用してもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。本
発明において、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合
ゴムを使用する場合は、ポリオレフィン樹脂を他の成分
に相溶化させる機能を有する相溶化剤とアクリロニトリ
ル−ブタジエン系共重合ゴムを他の成分に相溶化させる
機能を有する相溶化剤を併用することが好ましい。
【0013】ポリオレフィン樹脂を他の成分に相溶化さ
せる機能を有する相溶化剤としては、酸変性ポリプロピ
レンなどが挙げられる。酸変性ポリプロピレンの酸変性
に使用する酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、
フマール酸などの有機酸などが挙げられる。酸変性ポリ
プロピレンは、重量平均分子量が5000〜60000
のものが好ましく、特に20000〜50000のもの
が好ましい。又、酸変性ポリプロピレンの酸価は、特に
制限ないが、1〜100が好ましく、5〜60がより好
ましく、10〜40が特に好ましい。アクリロニトリル
−ブタジエン系共重合ゴムを他の成分に相溶化させる機
能を有する相溶化剤としては、アミン変性ポリブタジエ
ン、カルボキシル変性ポリブタジエン、ビニル変性ポリ
ブタジエン、あるいはこれらの混合物などの反応性基変
性ポリブタジエンなどが挙げられ、アミン変性ポリブタ
ジエンが特に好ましい。アミン変性ポリブタジエンのア
ミン当量は、300〜2000が好ましく、500〜1
500がより好ましく、700〜1100が特に好まし
い。反応性基変性ポリブタジエンの主鎖は、ポリブタジ
エン低分子ポリマー単独ものでもよいが、主鎖にアクリ
ロニトリルを導入したブタジエンの低分子量ポリマーが
好ましい。アミン変性ポリブタジエンの具体例として
は、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合低分子ポリ
マーからなる主鎖の末端にカルボキシル基、アミノ基、
又はビニル基などの反応性基が結合したものが好まし
い。主鎖のブタジエンとアクリロニトリルの共重合低分
子ポリマー中のアクリロニトリル単位量は、特に制限な
いが、1〜40重量%が好ましく、2〜30重量%がよ
り好ましく、5〜20重量%が特に好ましい。反応性基
は、同種のものであってもよいし、異種のものであって
もよい。反応性基変性ポリブタジエンは、分子量が10
000以下のものが好ましく、1000〜9000のも
のがより好ましく、2000〜7000のものがさらに
好ましく、3000〜6000のものが特に好ましい。
【0014】相溶化剤の含有割合は、1〜20重量%で
あり、1〜10重量%が好ましく、5〜7重量%が特に
好ましい。ポリオレフィン樹脂を他の成分に相溶化させ
る機能を有する相溶化剤とアクリロニトリル−ブタジエ
ン系共重合ゴムを他の成分に相溶化させる機能を有する
相溶化剤を併用させる場合、ポリオレフィン樹脂を他の
成分に相溶化させる機能を有する相溶化剤の含有割合
は、1〜5重量%が好ましく、1〜3重量%が特に好ま
しく、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合ゴムを他
の成分に相溶化させる機能を有する相溶化剤の含有割合
は、1〜7重量%が好ましく、2〜5重量%が特に好ま
しい。
【0015】本発明の熱可塑性エラストマー組成物に
は、銅害防止剤を含有させることが好ましい。銅害防止
剤は、銅によって発生される種々の害を防止する機能を
有するものであり、例えば、ヒドラジン系金属不活性剤
とヒンダードアミン系酸化防止剤、有機イオウ系酸化防
止剤を組合せたものなどが挙げられる。ヒドラジン系金
属不活性剤とヒンダードアミン系酸化防止剤、有機イオ
ウ系酸化防止剤の含有割合は、特に制限ないが、各三成
分とも0.05〜0.3重量%が好ましく、特に0.1
〜0.15重量%が好ましい。銅害防止剤の含有量は、
特に制限ないが、通常0.1〜8重量%が好ましく、特
に0.2〜6重量%が好ましい。
【0016】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
架橋剤により架橋させてもよいし、未架橋のままでもよ
い。架橋剤は、ゴムを架橋させるものであり、具体例と
しては、例えば、硫黄、塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホ
リンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、
高分子多硫化物などの硫黄化合物、アルキルフェノール
−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド
縮合物、ヘキサメトキシメチル−メラミン樹脂などの樹
脂架橋剤などが挙げられ、アルキルフェノール−ホルム
アルデヒド樹脂が好ましく、特に臭素化アルキルフェノ
ール−ホルムアルデヒド樹脂が好ましい。架橋剤は、1
種単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて用いて
もよい。架橋剤の含有量は、特に制限ないが、通常0.
1〜15重量%が好ましく、特に1〜10重量%が好ま
しい。
【0017】本発明においては、架橋剤と共に架橋助剤
を使用することができる。架橋助剤としては、塩化第一
スズ、塩化第二鉄、、塩化マグネシウムなどの金属ハロ
ゲン化物、クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ハ
ロゲン化ブチルゴムなどのハロゲン化ポリマー、酸化マ
グネシウム、亜鉛華などが挙げられる。
【0018】本発明の熱可塑性エラストマー組成物に
は、可塑剤、軟化剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、着色剤、滑剤などの種々の添加剤を含有させても
よい。可塑剤としては、流動パラフィンなどが挙げられ
る。可塑剤の含有割合は、特に制限ないが、通常20重
量%以下が好ましい。本発明の熱可塑性エラストマー組
成物は、前記各成分を所定量適宜配合して混合すること
により調製することができる。各成分の混合方法及び各
種添加剤の添加方法は、特に制限されるものではなく、
種々の方法により行うことができ、混合順序及び添加順
序も種々の混合順序及び添加順序で行うことができる。
【0019】本発明のメッキ成形体は、前記熱可塑性エ
ラストマー組成物からなる成形体にメッキを施しメッキ
層を形成させることにより得られる。熱可塑性エラスト
マー組成物からなる成形体は、熱可塑性エラストマー組
成物を成形することにより得られる。その成形方法とし
ては、特に制限ないが、例えば、射出成形方法、中空成
形方法、押出し成形方法、回転成形方法、圧縮成形方法
など種々の成形方法が挙げられる。
【0020】前記熱可塑性エラストマー組成物からなる
成形体へのメッキ方法には、特に制限ないが、無電解メ
ッキが好ましい。なお、無電解メッキの後に電気メッキ
を施してもよい。無電解メッキは、通常洗浄工程、表面
粗化工程、触媒付与工程、無電解メッキ工程などの工程
により行われ、ポリオレフィン樹脂などの無電解メッキ
においては、表面粗化工程と触媒付与工程の間に極性基
付与工程を必要とするが、本発明においてアクリロニト
リル−ブタジエン系共重合ゴムを使用する場合、極性基
付与工程を省くことができる。本発明の熱可塑性エラス
トマー組成物からなる成形体へのメッキ方法は、通常の
ABS樹脂のメッキ方法が適用できる。本発明における
これらのメッキ条件は、通常のメッキ条件でよい。
【0021】メッキにより形成される金属メッキ層は、
種々の金属により形成されてもよいが、銅のメッキ層が
好ましく、銅のメッキ層の上にニッケルのメッキ層を積
層メッキしたものが特に好ましい。銅のメッキ層及びニ
ッケルのメッキ層の厚みは、特に制限ないが、銅のメッ
キ層は、通常0.5〜8μmが好ましく、1〜4μmが
より好ましく、特に2〜3μmが好ましい。また、ニッ
ケルのメッキ層は、通常0.05〜1μmが好ましく、
0.1〜0.5μmがより好ましく、特に0.2〜0.
3μmが好ましい。本発明のメッキ成形体は、柔軟性が
あり、軽量であり、優れた電磁波シールド効果を有し、
各種電子機器に使用することができる。本発明のメッキ
成形体は、電磁波障害防止用ガスケット、電磁波障害防
止用シート、電磁波障害防止用スリーブ、電磁波障害防
止用チューブなどの種々の形態に適用できる。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によ
って何ら制限されるものではない。
【0023】実施例1〜4 ブロック型ポリプロピレン樹脂(商品名:出光ポリプ
ロ、出光石油化学社製)、アクリロニトリル系共重合ゴ
ム(アクリロニトリル単位量:20重量%、商品名:N
ipol DN003、日本ゼオン社製)、モノオレフ
ィン系共重合ゴム(EPDMゴム、ムーニー粘度:65
(ML1+4 (100℃))、商品名:EP07P、日
本合成ゴム社製)、炭酸カルシウム(酸に可溶な無機物
質、平均粒径:1μm、白石カルシムBS−32、白石
カルシウム社製)、酸変性ポリプロピレン(相溶化剤、
酸価:約26、重量平均分子量:40000、商品名:
ユーメックス1001、三洋化成社製)、アミン変性ポ
リブタジエン(相溶化剤、末端アミン変性アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル単位量:
17重量%、アミン当量:900、分子量:350
0)、臭化アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂
(架橋剤、商品名:タッキロール、田岡化学工業社
製)、ヒドラジン系金属不活性剤とヒンダードアミン系
酸化防止剤、有機イオウ系酸化防止剤を各三成分共に
0.1重量%含有させた混合物(銅害防止剤)及び流動
パラフィン(可塑剤)を表1に記載の割合で押出機内で
溶融混練して、熱可塑性エラストマー組成物を製造し
た。
【0024】
【表1】 注)表1の数値の単位は、重量%である。
【0025】実施例5〜8 実施例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物を
射出成形して射出成形品(平板、厚み3mm)を製造
し、その成形品を無電解メッキした。無電解メッキは、
表1に示された1〜9の工程を順次表1に示された条件
で行い、成形品の表面に銅メッキを施し、さらにその銅
メッキ層の上にニッケルメッキ層をメッキした。なお、
1〜9の各工程の間では、必要に応じ水洗した。なお、
上記メッキ工程は、極性基付与工程を含んでおらず、メ
ッキは簡略化することができた。銅メッキ層及びニッケ
ルメッキ層の厚みは、それぞれ2μm、0.2μmであ
った。メッキ層の強度を試験するために、碁盤目剥離法
により剥離試験を行ったが、いずれのメッキ層も密着強
度が優れていた。得られたメッキ成形品は、いずれも表
面固有抵抗が0.05Ωであり、優れた電磁波シールド
効果を有していた。
【0026】
【表2】
【0027】実施例9 ポリプロピレン樹脂とEPDMゴム(エチレン−プロピ
レン−ジエンモノマー共重合体)と流動パラフィンが約
40重量部:約50重量部:約10重量部の割合で含ま
れている組成物(商品名:ミラストマー、三井石油化学
社製)84.7重量%と炭化カルシウム15重量%、実
施例1と同様な銅害防止剤0.3重量%を含有する熱可
塑性エラストマー組成物を調製し、実施例5と同様に射
出成形品を成形し、実施例5のメッキ工程において中和
工程とプレディップ工程の間に極性基付与工程を追加し
た以外は実施例5のメッキ工程と同様にして無電解メッ
キを施し、実施例5と同様な銅メッキ層及びニッケルメ
ッキ層を形成した。得られたメッキ成形品は、表面固有
抵抗が0.05Ωであり、優れた電磁波シールド効果を
有していた。
【0028】比較例1 実施例1において、アクリロニトリル系共重合ゴムを使
用しなかった以外は、実施例1と同様にして組成物を調
製し、射出成形品を成形し、無電解メッキを施した。メ
ッキ層の剥離試験を行ったところ、メッキ層は一部剥れ
た。
【0029】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、柔軟性を有し、無電解メッキが可能である。また、
その熱可塑性エラストマー組成物からなるメッキ成形体
は、メッキ層の密着強度が優れており、さらに優れた電
磁波シールド効果を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23C 18/16 C23C 18/16 A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂30〜60重量%、
    アクリロニトリル−ブタジエン系共重合ゴム又はモノオ
    レフィン系共重合ゴム10〜68重量%、酸に可溶な無
    機物質1〜20重量%及び相溶化剤1〜20重量%を含
    有することを特徴とする無電解メッキ可能な熱可塑性エ
    ラストマー組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成
    物からなる成形体にメッキ層が設けられていることを特
    徴とするメッキ成形体。
  3. 【請求項3】メッキ層が銅メッキ層とニッケルメッキ層
    が積層されたものである請求項2記載のメッキ成形体。
JP19917597A 1997-07-10 1997-07-10 無電解メッキ可能な熱可塑性エラストマー組成物およびメッキ成形体 Pending JPH1129663A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19917597A JPH1129663A (ja) 1997-07-10 1997-07-10 無電解メッキ可能な熱可塑性エラストマー組成物およびメッキ成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19917597A JPH1129663A (ja) 1997-07-10 1997-07-10 無電解メッキ可能な熱可塑性エラストマー組成物およびメッキ成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1129663A true JPH1129663A (ja) 1999-02-02

Family

ID=16403405

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19917597A Pending JPH1129663A (ja) 1997-07-10 1997-07-10 無電解メッキ可能な熱可塑性エラストマー組成物およびメッキ成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1129663A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008266389A (ja) * 2007-04-17 2008-11-06 Nitto Denko Corp 難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物及び該組成物よりなる粘着テープ基材、並びに、粘着テープ
WO2020116389A1 (ja) * 2018-12-03 2020-06-11 Jsr株式会社 重合体組成物、架橋体及びタイヤ
WO2022050424A1 (ja) 2020-09-07 2022-03-10 デンカ株式会社 熱可塑性樹脂組成物のメッキ成形体
WO2024122590A1 (ja) * 2022-12-07 2024-06-13 三井化学株式会社 熱可塑性エラストマー組成物およびこれからなる成形体

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008266389A (ja) * 2007-04-17 2008-11-06 Nitto Denko Corp 難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物及び該組成物よりなる粘着テープ基材、並びに、粘着テープ
US8298660B2 (en) 2007-04-17 2012-10-30 Nitto Denko Corporation Flame-retardant polyolefin resin composition and adhesive tape substrate composed of the composition, and adhesive tape
WO2020116389A1 (ja) * 2018-12-03 2020-06-11 Jsr株式会社 重合体組成物、架橋体及びタイヤ
CN112867759A (zh) * 2018-12-03 2021-05-28 Jsr株式会社 聚合物组合物、交联体及轮胎
JPWO2020116389A1 (ja) * 2018-12-03 2021-10-14 Jsr株式会社 重合体組成物、架橋体及びタイヤ
WO2022050424A1 (ja) 2020-09-07 2022-03-10 デンカ株式会社 熱可塑性樹脂組成物のメッキ成形体
WO2024122590A1 (ja) * 2022-12-07 2024-06-13 三井化学株式会社 熱可塑性エラストマー組成物およびこれからなる成形体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0753027B1 (en) Thermoplastic elastomers having improved surface properties
US5569545A (en) Copper clad laminate, multilayer printed circuit board and their processing method
US6509107B2 (en) Platable engineered polyolefin alloys
EP1084206B1 (en) Metal reinforced thermoplastic elastomers
KR20010071879A (ko) 기판 피복용으로 적합한 접착성 프로필렌 중합체 조성물
WO2007102949A2 (en) Thermoplastic elastomer compositions having enhanced adhesion, articles made therefrom, and methods for making the same
EP2332997A1 (en) Co-agents for the preparation of thermoplastic elastomeric blends of rubber and polyolefins
KR960004121B1 (ko) 폴리프로필렌수지조성물, 그 성형물의 도장방법 및 도장된 성형물
JP2003528960A (ja) 熱可塑性エラストマーと極性重合体の混合物
JP2004210867A (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマーシートおよびその製造方法並びに積層体
JPH1129663A (ja) 無電解メッキ可能な熱可塑性エラストマー組成物およびメッキ成形体
US5693710A (en) Method of making painted automobile components
CA2155543C (en) Thermoplastic olefinic compositions
JP2001280555A (ja) 自動車冷却系用複層ホース
AU746525B2 (en) Polypropylene thermoplastic elastomer compositions having improved processing properties and physical property balance
JPH06306221A (ja) プロピレン系重合体組成物
JPH07118487A (ja) ポリプロピレン樹脂組成物および該組成物を用いた自動車部品
US5686529A (en) Painted polymeric articles having improved properties
US6413652B1 (en) Platable engineered polyolefin alloys
US4463054A (en) Plastic-metal laminate, process, and composition
JP3213371B2 (ja) めっき可能なポリオレフィン樹脂成形体
EP0986609A4 (en) PAINTED POLYMERIC ARTICLES WITH IMPROVED PROPERTIES
JPH06279602A (ja) 無電解めっき可能なポリオレフィン樹脂成形体
JPH06172596A (ja) ポリプロピレン樹脂組成物、その成形物の塗装方法及び塗装された成形物
US4528123A (en) Plastic-metal laminate, process, and composition