JPH11295682A - 立体表示装置 - Google Patents

立体表示装置

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JPH11295682A
JPH11295682A JP10097501A JP9750198A JPH11295682A JP H11295682 A JPH11295682 A JP H11295682A JP 10097501 A JP10097501 A JP 10097501A JP 9750198 A JP9750198 A JP 9750198A JP H11295682 A JPH11295682 A JP H11295682A
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JP
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liquid crystal
image
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shutter
cell
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Withdrawn
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JP10097501A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kondo
浩史 近藤
Kiyohito Ogoshi
研人 大越
Koyo Yuasa
公洋 湯浅
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶シャッターを構成する液晶パネルにかか
る電界信号の電気的遅延を補償することができる立体表
示装置を提供する。 【解決手段】 右眼用と左眼用の画像を時分割で交互に
表示する表示素子11と、この表示素子の前方に配置され
た液晶シャッター17とを備え、この液晶シャッター17を
表示素子の画像切り替えと同期して動作させ、この液晶
シャッター17を通過した画像を左右で偏光方向が異なる
偏光眼鏡14を通して立体画像として観察する立体表示装
置において、液晶シャッター17は、偏光板と、液晶パネ
ル13とを有し、液晶パネル13の単位当たりの電気容量を
C(F/cm2)、液晶パネル13の電極の面抵抗をS(Ω
/□)としたとき、C・S≦2.5×10-6に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右両眼の視差を
利用して立体画像を観察できるようにした立体表示装置
に関する。この立体表示装置の応用は、例えばコンピュ
ータの端末表示として、CAD、CAM等の立体視化、
インターネット情報の立体視化の他、コンピュータゲー
ムの立体視化、医療、芸術分野での立体表示、等が挙げ
られる。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】パソコン
を中心とした情報端末の発達、インターネットに代表さ
れる情報ネットワークの発達により、個人が扱う情報量
は飛躍的に増加している。特に画像情報はその圧縮や転
送技術の向上により個人が扱える情報量が増えるに伴
い、より正確でリアルなものを表現できる表示装置を望
む声が高まっている。高精細化への要求には、LCD、
ELパネル、CRT等の各種表示素子において改良が進
んでいる。一方、工業用、ゲームなどのアミューズメン
ト用として、立体視への潜在的要求は強いが、例えば液
晶光シャッター方式でそれを実現しようとすると、その
光シャッターのサイズの限界からどうしても眼鏡にシャ
ッター機能を持たせたものにならざるを得ず、その違和
感から十分に普及しているとは言い難い。
【0003】左右の目で別々の画像を同時的に見ること
により擬似的な立体感が得られることは古くから知られ
ている。2枚の写真などの画像を直接裸眼で立体的に見
る方法として、平行法、交差法が知られている。しか
し、これらの方法による場合、一般的に観察者の訓練が
必要となり、また2枚の画像の大きさ、配置する間隔を
自由に変えることができない。一方、1枚の領域に、右
眼用画像と左眼用画像とをそれぞれ異なる色で重ね書き
しておき、観察者が左右で異なる色(例えば赤と青)を
通す色眼鏡をかけて、それを右眼と左眼にそれぞれ分解
してみることにより立体感を得るようにしたアナグリフ
法がある。この方式の場合、画像の大きさに制限はない
が、2色のカラーフィルターを使用するために画像の色
彩が損なわれるという欠点がある。
【0004】また、近年、液晶パネルを光シャッターと
して応用した立体視の方法が多数提案されている。これ
はCRT等による表示画像を光シャッターで時分割し、
右眼、左眼それぞれに、右眼用画像、左眼用画像を切り
換えて送るものである。この光シャッターを配置する位
置によって、大別して次の2方式がある。
【0005】(1)眼鏡に液晶光シャッターを用いる方
法 例えば、立体視用の眼鏡の左眼及び右眼に設けた光シャ
ッターを、テレビ画面上に表示される被写体の左像およ
び右像のフィールド毎もしくはフィールド毎の切り換え
周期に同期させて交互に開閉させることにより、被写体
の画像を立体的に認識可能とした立体テレビジョンにお
いて、両眼の光シャッターとしてのねじれネマチック型
液晶セルを左眼用及び右眼用に使用し、前記画像の切り
換えに同期させて所定の交流電圧を両液晶セルに交互に
供給する駆動手段を備えた立体テレビジョンが提案され
ている(特開昭61-227498号公報)。
【0006】この方法による場合、眼鏡に光シャッター
を使用するため、眼鏡の重量が増して長時間の使用によ
り疲労感を覚えさせ、またその駆動のための電極配線が
眼鏡装着の際、観察者に違和感を感じさせる。また、複
数の観察者で見る場合には同様の光シャッター付き眼鏡
が必要となって費用の増加が大きくなる。更に、光シャ
ッターとしてねじれネマチック(TN)型液晶セルを使
用しているので、応答が遅く、本質的にちらつきのない
動画表示ができない。
【0007】(2)表示素子の前方に液晶光シャッター
を配置し、観察者は偏光眼鏡を使用する方法 例えば、表示画面の前方に偏光板及び液晶セルを間隔を
あけて配置し、前記表示画面のフレーム信号に同期した
交流電圧を前記液晶セルに印加して表示画面から液晶セ
ルを透過する光の偏光方向を時分割で切り換える駆動回
路を液晶セルに接続し、この表示光を認識する左眼用と
右眼用の偏光方向が互いに異なる偏光眼鏡を具備する疑
似立体表示システムにおいて、液晶セルのリターデーシ
ョンを0.1〜0.15μmとし、かつ印加電圧の極性反転に
よる光軸の回転角度が70度から110度であり、光軸とし
て採り得る2方向軸の中線と偏光板の偏光軸が概ね一致
しており、偏光眼鏡の偏光板が円偏光又は円偏光に近い
偏光能を有する楕円偏光板であることを特徴とする疑似
立体表示システムが提案されている(特公平05-78017号
公報)。
【0008】このシステムの場合、液晶として強誘電性
液晶を使用するので動画表示に対応できるが、従来のガ
ラス基板を用いたセルなので大型化が難しく、大型のC
RT等への適用が難しい。また、液晶セルをλ/4板と
して動作させるためにセルのリターデーションを0.1〜
0.15μmと小さくする必要がある。これに伴って、実際
のセル厚もかなり小さくする必要があるため、セル作製
の歩留りが低下する。また、液晶材料としては傾き角θ
が45度程度の大きなものが必要になり、一般にその分、
電界応答性や配向性が損なわれるため、新たな材料開発
が必要になる場合がある。更に、観察者側の偏光板とし
て円偏光板が必要なので、通常の直線偏光板よりも高価
なものになる。
【0009】また、表示画面の前方に、2色性色素を混
合した強誘電性液晶セルを配置し、この液晶セルに画像
フレーム信号に同期した交流電圧を印加する駆動手段を
接続することにより液晶セルを通過する表示光を時分割
で二つの偏光方向に切り換え、更にこの液晶セルの前方
にλ/4板を配置して表示光を異なる方向の円偏光に変
え、かつこの円偏光を観察するために、偏光眼鏡の左右
の偏光板はそれぞれ偏光方向が逆の円偏光を持たせた疑
似立体表示システムも提案されている(特公平6-29914
号公報)。
【0010】このシステムによる場合、ガラス基板を用
いたセルであるため、大型化が難しく、大型のCRT等
への適用が難しい。また、λ/4板や円偏光板を使用す
る分システムとして高価になる。更に、映像信号を画面
表示する動画表示装置と、この前方に設けられた偏光板
と、その前方に設けられて前記映像信号の同期信号に基
づいて偏光方向を切り換える液晶パネルと、左右偏光板
の偏光方向が互いに90度異なり、映像を透光、遮光する
立体視用眼鏡とを備えた立体映像表示装置において、液
晶パネルの液晶材に重量比1%以下の多色性色素を混合
することにより楕円偏光の影響を小さくし、視認性を改
良した立体映像表示装置が提案されている(特公平8-23
663号公報)。
【0011】この表示装置によれば、従来のTNセルを
使用しているため、その特性上高速の動画表示ができ
ず、また視認性改善のために混合する多色性色素も応答
性を更に阻害するため混合量を1%以上にできない。ま
た、従来型液晶セルを用いているので、大画面の動画表
示装置に対応できない、という欠点がある。一方、近
年、眼鏡を使用しない直視型の立体表示システムも提案
されている。例えば、レンチキュラーレンズによる視差
を利用し、観察者の右眼と左眼に別々の画像を認識させ
るものである。この方式は、偏光眼鏡を必要としないと
いう大きな利点を有するが、観察位置が狭く限定される
という使いにくさから、普及には至っていない。そし
て、画像のフレーム周波数を向上させて、よりちらつき
の少ない高精細画像を大画面で得ようとすると、液晶の
応答時間の高速化が必要になると同時に、液晶にかかる
電気的信号の遅れが問題になってくる。
【0012】そこで、本発明は、液晶シャッターを構成
する液晶パネルにかかる電界信号の電気的遅延を補償す
ることができる立体表示装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、右
眼用画像と左眼用画像を時分割で交互に表示する表示素
子と、この表示素子の前方に配置された液晶シャッター
とを備え、この液晶シャッターを前記表示素子の画像切
り替えと同期して動作させ、この液晶シャッターを通過
した画像を左右で偏光方向が異なる偏光眼鏡を通して立
体画像として観察する立体表示装置において、前記液晶
シャッターは、前記表示素子側に配置された偏光板と、
観察者側に配置された液晶パネルとを有し、前記液晶パ
ネルの単位当たりの電気容量をC(F/cm2)、液晶パ
ネルの電極の面抵抗をS(Ω/□)としたとき、C・S
≦2.5×10-6に設定したことを特徴とする。
【0014】前記表示素子の交互表示速度としては、観
察者がちらつきを感じない程度に高速であることが好ま
しい。具体的には30Hz程度以上であれば、ほとんどちら
つきを感じなくなる。従って、表示素子としては30Hz程
度以上の高速で画像を切り換えることができるものが好
ましい。表示素子の具体例としては、CRT(陰極線
管)、プラズマディスプレー、EL(エレクトロルミネ
ッセンス)パネル、LED(発光ダイオード)、等が挙
げられる。
【0015】大型化が容易なフィルム液晶セルを用いて
液晶パネルを構成することにより、大型の表示素子に対
応できる。特に、従来のガラス基板を用いた液晶パネル
では実現が難しい14インチ以上の大型化が可能である。
また、樹脂フィルム基板を使用しているので、液晶シャ
ッターを曲面状にして曲面のパネルに密着させて使用す
ることができる。これは、例えば表示面が曲面となって
いる安価なCRTの利用を容易にするものである。前記
液晶パネルは、印加電圧の符号を切り換えることによ
り、偏光状態を2状態に切り替える役目を果たす。
【0016】この液晶パネルにおいて、前記液晶パネル
の単位当たりの電気容量C(F/cm 2)と、液晶パネル
の電極の面抵抗S(Ω/□)との関係を、C・S≦2.5
×10-6に設定するのは、C・Sが2.5×10-6より大きい
と、液晶パネル全体に液晶の電界応答に充分な電界を必
要な短時間に供給できなくなるからである。従って、前
記範囲に設定することにより、液晶パネル全体での均一
な応答時間を得ることができ、表示面全体においてきれ
いな立体映像を確認できる。
【0017】この液晶パネルを構成する液晶セルのリタ
ーデイションとしては、0.2μm以上とするのが好まし
い。これによって、実際のセル厚を比較的厚めにするこ
とができ、セル製造の歩留まりを向上させることができ
る。しかし、一般にリターデイションが大きくなるに従
って偏光板を通して見たときの表示色が着色されてゆ
く。本発明の構成では、左右で偏光方向が異なる偏光眼
鏡を使用するので、左右で見える画像の色合いの差が大
きくなる。これを防止するには、液晶セルの少なくとも
一方に位相差板を積層して色補償することができる。位
相差板としては、数多く市販されているもののなかか
ら、液晶セルの光学特性に合わせて選定する。この液晶
セルは、強誘電性液晶、電界誘起チルトを示すカイラル
スメクチックA液晶又はネマチック液晶が2枚の電極付
き樹脂フィルム基板で狭持されたものである。
【0018】前記樹脂フィルム基板の材質としては、例
えば、一軸又は二軸延伸ポリエチレンテレフタレート等
の結晶性ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリアリレート等の非結晶性ポリマー、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリカーボネ
ート、ナイロン等のポリアミドを挙げることができる。
これらの中でも、特に一軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ート、非晶性のポリエーテルスルホン、ポリカーボネー
ト等が好ましい。前記2枚の樹脂フィルム基板は、互い
に同じ材質のものであってもよく、又は異なる材質であ
ってもよいが、上記2枚の基板のうち少なくとも一方の
基板を光学的に透明なものとし、この基板上に透明な電
極を設けて、使用することが好ましい。
【0019】液晶セルの基板として樹脂フィルムを使用
することにより、ガラスと比べてシャッター部の軽量化
が図れ、しかも可撓性があるため、衝撃に対してガラス
のような割れが生じないないという安全性を確保でき
る。また、樹脂フィルム基板の場合、セルの製造法とし
て、長尺の一方の基板フィルムに連続的に液晶を塗工
し、他方の対向する基板とラミネートして製造すること
ができる。従って、従来のガラスセルで行われている真
空注入法を使用した製造方法と比べて、セルの大型化が
容易で、生産性に優れた製造法を採用できる。この結
果、従来の液晶パネルでは技術的、コスト的に実用化が
難しかった14インチ以上の大型セルも容易に実現でき
る。
【0020】前記偏光眼鏡としては、通常の直線偏光板
を用いる。この偏光眼鏡によって左眼用画像と右眼用画
像を分離するので、偏光軸としては左右で異なった方向
とする。最も分離性がよいのは、左右眼鏡の偏光軸が互
いに90度異なる場合である。液晶シャッターを複屈折型
として利用する場合、リターデイションによっては、左
右で見える色合いが微妙に異なることがある。その場
合、偏光板に左右の見え方を補償する分光特性を持たせ
て解決してもよい。具体的方法としては、偏光板に用い
る色素の配合比を変更したり、或いは薄い色補償フィル
ターを積層したりする。
【0021】前記偏光眼鏡を複数用意することにより、
一つの装置を複数の人で同時に鑑賞することができる。
また、前記偏光眼鏡は、表示装置以外を見たときには単
なるサングラス的なものであるため、長時間の使用に際
しても違和感の少ないものである。液晶シャッターの駆
動は、通常は、表示装置の制御信号から直接タイミング
をとって行えばよいが、表示装置自体には全く手を加え
ない方法として次の方法もある。前記液晶シャッター
は、適当な取付け手段を介して前記表示素子に取り付け
ることができる。
【0022】即ち、表示装置は、左眼用画像と右眼用画
像を高速で切り替えることは前述の通りであるが、その
際に例えば画像の一部分にマークを付けておく。例え
ば、左眼用画像の場合は小さな白丸、右目用画像の場合
は小さな黒丸を画像の一部に表示する。そして、例えば
フォトダイオード等の光センサーを画面上のそのマーク
位置に対して固定しておけば、実際の画像の切替えに応
じた切替え信号を作ることができる。センサーは吸盤等
で画面となるパネルに直接固定してもよく、又は液晶シ
ャッターの一部に固定しておいてもよい。これにより、
例えばCRT等の表示装置自体には何ら手を加えること
なく、液晶シャッターを駆動するための切替え信号を作
り出すことが可能となる。強誘電性液晶の応答は、従来
のネマチック液晶と比較してきわめて高速であるので、
実用上タイミングのずれなどが生じることはない。
【0023】本発明の第2発明に係る立体表示装置は、
第1発明において、前記偏光板は、その偏光度が98%以
上のものであり、前記液晶パネルを構成する液晶セル
は、その立ち上がり時間が5ms以下の強誘電性液晶セ
ル、電界チルトを示すカイラルスメクチックA液晶セ
ル、ネマチック液晶セルを用いたπセルのいずれかであ
ることを特徴とする。前記偏光板の偏光度は、像の二重
映りを防止するため、98%以上とするのが好ましい。こ
れらのセルを使用することにより、画像のフレーム周波
数を上げて、より高精細度の像を得ることができるよう
になる。
【0024】本発明の第3発明に係る立体表示装置は、
第1又は第2発明において、前記液晶パネルの観察者側
の面に反射防止膜が設けられていることを特徴とする。
反射防止膜の具体例としては、アンチリフレクション
(AR)膜、アンチグレア(AG)膜、等がある。前者
は、低屈折率物質(MgF3、CeF3、SiO2等)と
高屈折率物質(Al23、TiO2、ZrO2、CeO2
等)を交互に複数層形成することにより作製することが
できる。後者は、フィルム表面をエッチング材でエッチ
ングして無数の微細な凹凸を形成することにより作製す
ることができる。
【0025】反射防止膜のうち、偏光状態を変えないも
のとしては、ヘイズ値が15以下のものがよい。15を超え
ると、偏光状態の変化によって、左右画像の分離性が悪
くなって二重映りが生じたり、表示素子に表示された画
像がぼける見える、等の不都合が生じることがある。ヘ
イズ値を15以下にするには、原理的にヘイズが生じない
AR膜が好ましいが、AG膜でもその表面の凹凸のパタ
ーンを小さくすることにより容易に達成できる。好まし
くは、画像の精細度を低下させないようにするため、ヘ
イズ値を10以下とする。本発明によれば、液晶セルの前
面に反射防止膜を設けたことにより、セル表面での映り
込みがなくなり、観察者からの画面の視認性が良くな
る。
【0026】
【発明の実施の形態】図1を参照して本発明の一実施形
態に係る立体表示装置を説明する。この立体表示装置
は、表示素子であるCRT11と、このCRT11の前方に
配置された直線偏光板12と、この直線偏光板12の前方に
配置された液晶パネル13と、偏光眼鏡14とを備えて構成
されている。また、前記CRT11と液晶パネル13との間
には、前記表示素子の画像切り替えと同期して偏光方向
15を交互に切り替えるシャッター駆動回路(図示せず)
が設けられている。本実施形態では、直線偏光板12と液
晶パネル13により液晶シャッター17が構成され、この液
晶シャッター17をマジックテープ等の簡易な手段でCR
T11のパネルの前面に固定する。
【0027】前記CRT11は、画面サイズが14インチ以
上のものであり、右眼用画像と左眼用画像を時分割で交
互に表示する。前記直線偏光板12は、CRT11から出た
画像光を直線偏光にするものであり、その偏光度は、98
%以上である。。前記液晶パネル13は、液晶セルを含ん
で構成され、この液晶セルは、その立ち上がり時間が5
ms以下の強誘電性液晶セル、電界チルトを示すカイラル
スメクチックA液晶セル、ネマチック液晶セルを用いた
πセルのいずれかよりなる。液晶セルを構成する樹脂フ
ィルム基板の材質は、一軸又は二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等
である。
【0028】この樹脂フィルム基板には、液晶駆動用電
極が形成されている。これらの電極の材料としては、導
電性を有する材料であれば特に制限はないが、少なくと
も一方の電極には、導電性及び透明性の両性質を有する
材料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸
化インジウム又は酸化インジウムと酸化錫との混合物か
らなるITO(indium tin oxide)膜等の透明電極の使
用が好ましい。
【0029】樹脂フィルム基板上に液晶駆動用電極を形
成する方法については特に制限はなく、従来公知の蒸
着、スパッタリング等の方法によって形成することがで
きる。電極上には、配向制御膜は必ずしも必要ない。必
要に応じて導通防止のための絶縁膜などを設けることも
できる。前記液晶セルの観察者側の前面には、アンチリ
フレクション(AR)膜又はアンチグレア(AG)膜が
反射防止膜として形成されている。
【0030】前記偏光眼鏡14は、左右で偏光方向15がそ
れぞれ液晶パネル13のスイッチング方向と同じになるよ
うに偏光方向15が異なる偏光板18が取り付けられてい
る。本表示装置において、CRT11から出た画像光は、
直線偏光板12で直線偏光にされ、その後液晶シャッター
17により時分割で2つの偏光状態にされる。観察者は、
偏光眼鏡14をかけることにより、右眼と左眼それぞれで
別々の画像を観察するため、擬似的に立体画像を認識す
ることができる。
【0031】
【実施例】本発明を実施例により説明するが、本発明
は、必ずしもこれらに限定されるものではない。 [実施例1]上記実施形態において、具体的条件を下記
の通りとして本実施例に係る立体表示装置を作製した。
下記化学式1の構造と数式1の相転移温度を有する低分
子の強誘電性液晶95重量部、数平均分子量3000のポリメ
チルメタクリレート(PMMA)4.8重量部、及び粒径
2.2μmの球状シリカスペーサ0.2重量部を20質量%含有
するジクロルメタン溶液を調製し、この溶液をITO電
極付きポリエーテルスルホン(PES)フィルム基板
(電極抵抗300Ω/□、住友ベークライト株式会社製F
ST)のITO電極面側にグラビアコーターで塗工し
た。
【0032】
【化1】
【0033】
【数1】
【0034】溶媒を乾燥させた後、直ちにこの塗工され
た基板と、同種の基板とを一対のラミネートロールを用
いてラミネートし、210mm×280mmのサイズに切り出し
た。この液晶パネルの電極間の距離は、2.2μmであっ
た。次に、両基板の電極間に±40V、20Hzの矩形波電
圧を印加しながら、パネル全体に一様なたわみ変形によ
る微小なせん断を与えて一軸水平配向処理を行った。本
実施例に係る液晶セルの電気容量Cを測定したところ、
電気容量Cが5.4×10-9(F/cm2)であった。そして、
この液晶セルを含む液晶パネル13を作製して、この液晶
パネル13と直線偏光板12とで液晶シャッター17を構成し
た。
【0035】また、本立体表示装置において、液晶の傾
き角θは室温で約30度なので、直線偏光板12の偏光軸は
30度傾けた方向とした。偏光眼鏡14は、右眼側を直線偏
光板12と同方向、左眼用はそれと90度をなすような方向
に偏光軸15を合せた。これらの偏光板18はいずれもサン
リッツ製の黒色偏光板92-18を用いた。CRT11の画面
は、17インチである。
【0036】本実施例によれば、前記2つの測定値の積
C・Sは、1.62×10-6であり、印加電界信号の遅れは、
液晶の電界応答時間に比較して充分小さいものであっ
た。従って、液晶パネル13全体での均一な応答時間を得
ることができ、表示面全体においてきれいな立体映像を
確認できた。また、直線偏光板12の偏光度が98%以上の
ものであるため、像の二重映りを防止することができ
た。
【0037】また、立ち上がり時間が5ms以下の強誘電
性液晶セル使用したため、画像のフレーム周波数を上げ
て、より高精細度の像を得ることができた。また、液晶
セルの前面に反射防止膜を設けたことにより、セル表面
での映り込みがなくなり、観察者からの画面の視認性も
良かった。更に、CRT11のパネル面は断面円弧状の曲
面であったが、液晶シャッター17自体がフィルムで構成
されているため、CRT11のパネル面に密着して配置す
ることができ、界面反射による光のロスもなく、視認性
の優れたものであった。
【0038】[比較例1]実施例1において、前記フィ
ルム基板として電極抵抗を500Ω/□としたものを用
い、その他の材料、製造条件は実施例1と同様にして立
体表示装置を作製した。本比較例に係る液晶セルの電気
容量Cを測定したところ、5.4×10-9(F/cm2)であっ
た。そして、前記2つの測定値の積C・Sは、2.7×10
-6であり、印加電界信号の遅れは、液晶の電界応答時間
に比較して、大きくなっていた。このため、電界印加部
とその部位から離れたパネル端部での応答の遅延が見ら
れ、画面の全体においてきれいな立体表示を得ることが
できなかった。
【0039】[比較例2]実施例1において、前記球状
シリカスペーサとして粒径を1.2μmとしたものを用
い、パネルの電極間の距離を1.2μmに変更して電気容
量を変化させて立体表示装置を作製した。その他の材
料、製造条件は実施例1と同様である。本比較例に係る
液晶セルの電気容量Cを測定したところ、9.9×10
-9(F/cm2)であった。よって、C・Sは、2.97×10
-6となってしまい、印加電界信号の遅れは、液晶の電界
応答時間に比較して、大きくなった。このため、パネル
の電界印加部から離れた部位における応答の遅延が見ら
れ、画面全体においてきれいな立体表示を得ることがで
きなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る立体表示装置によれば、液
晶シャッターを構成する液晶パネルにかかる電界信号の
電気的遅延を補償することができ、表示面全体において
きれいな立体映像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る立体表示装置の斜視
図である。
【符号の説明】
11 表示素子であるCRT 13 液晶パネル 14 偏光眼鏡 15 偏光方向 17 液晶シャッター

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 右眼用画像と左眼用画像を時分割で交互
    に表示する表示素子と、この表示素子の前方に配置され
    た液晶シャッターとを備え、この液晶シャッターを前記
    表示素子の画像切り替えと同期して動作させ、この液晶
    シャッターを通過した画像を左右で偏光方向が異なる偏
    光眼鏡を通して立体画像として観察する立体表示装置に
    おいて、 前記液晶シャッターは、前記表示素子側に配置された偏
    光板と、観察者側に配置された液晶パネルとを有し、 前記液晶パネルの単位当たりの電気容量をC(F/c
    m2)、液晶パネルの電極の面抵抗をS(Ω/□)とした
    とき、C・S≦2.5×10-6に設定したことを特徴とする
    立体表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の立体表示装置におい
    て、 前記偏光板は、その偏光度が98%以上のものであり、前
    記液晶パネルを構成する液晶セルは、その立ち上がり時
    間が5ms以下の強誘電性液晶セル、電界チルトを示すカ
    イラルスメクチックA液晶セル、ネマチック液晶セルを
    用いたπセルのいずれかであることを特徴とする立体表
    示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の立体表示装置に
    おいて、 前記液晶パネルの観察者側の面に反射防止膜が設けられ
    ていることを特徴とする立体表示装置。
JP10097501A 1998-04-09 1998-04-09 立体表示装置 Withdrawn JPH11295682A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012013922A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Sony Corp 位相差素子および表示装置

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