JPH08327961A - 立体映像表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 右目用画像及び左目用画像を時分割で交互に
ディスプレイに表示し、これをシャッターメガネにより
観察する立体映像表示装置において、大型のディスプレ
イにも適用可能で、かつシャッターメガネを１枚の液晶
セルから作製することができる立体映像表示装置を得
る。 【構成】 ディスプレイ１の前方に偏光板２を設け、シ
ャッターメガネ３を、右目用領域４ｂ及び左目用領域４
ａを有する１枚の液晶セル４と、液晶セル４の光出射側
に設けられる右目用偏光板５ｂ及び左目用偏光板５ａか
ら構成することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、右目用画像及び左目用
画像を時分割により交互に表示し、画像に同期して左右
のシャッターメガネを交互に開閉することにより立体映
像を表示する表示装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】立体映像を表示できるディスプレイ装置
としては、ＣＲＴなどのディスプレイに、右目用画像と
左目用画像とを交互に切り換えて表示し、これに同期し
て開閉するシャッターメガネを用い、右目用画像が表示
されたときには、右目用のシャッターのみを開いて右目
用画像を観察し、左目用画像が表示されたときには左目
用シャッターのみを開いて左目用画像を左目で観察する
ことにより、立体的な映像を表示するディスプレイ装置
が知られている。このような立体ディスプレイ装置にお
いて用いられるシャッターメガネは、通常右目用及び左
目用としてそれぞれ独立の液晶シャッターが設けられて
いる。従って、それぞれの液晶シャッターを駆動する駆
動回路等が、それぞれの液晶シャッターについて必要で
あった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような右目用及び
左目用にそれぞれ別個に設けられる液晶シャッターを、
１つの液晶セルから構成することができれば、シャッタ
ーメガネの構造がより簡単な構造となり、液晶セルを駆
動する系統も１系統でよく、コストダウン等が図れる。

【０００４】図５は、このような１枚の液晶パネルから
シャッターメガネを構成した立体映像表示装置を示す模
式図である。図５を参照して、ディスプレイ１１は、右
目用画像と左目用画像とを時分割により交互に表示する
ディスプレイである。このディスプレイ１１を観察する
ためのメガネとして、シャッターメガネ１３が示されて
いる。このシャッターメガネ１３は、１枚の液晶セル１
４の光入射側に１枚の偏光板１２を設け、光出射側に左
目用偏光板１５ａ及び右目用偏光板１５ｂが設けられて
いる。液晶セル１４は、例えばツイステッドネマティッ
ク（ＴＮ）構造となるようにねじれ配向されている。

【０００５】このようなシャッターメガネ１３では、液
晶セル１４に電圧を印加しない状態において、右目用及
び左目用の一方を光が透過する開状態とし、他方を光を
遮断する閉状態とする。また、液晶セル１４に電圧が印
加された状態において、それぞれ開状態にあるものを閉
状態にし、閉状態にあるものを開状態にするよう動作す
る。このような開閉動作を実現するため、例えば、左目
用偏光板１５ａの偏光軸を光入射側の偏光板１２の偏光
軸と平行にしノーマリブラックの状態にする。また右目
用偏光板１５ｂを光入射側の偏光板１２の偏光軸と直交
する方向に配置することにより、ノーマリホワイトの状
態に設定する。従って、液晶セルに電圧を印加していな
い状態においては、右目用が開状態であり、左目用が閉
状態である。ディスプレイ１１の画像の切り換え周期に
同期して、液晶セル１４に電圧を印加すると、右目が開
状態から閉状態に変化し、左目が閉状態から開状態に変
化する。

【０００６】従って、ディスプレイ１１の画像の切り換
えに同期させて、液晶セル１４に電圧を印加することに
より、右目用及び左目用の開閉を交互に行うことがで
き、立体的な画像として観察することができる。

【０００７】しかしながら、このようなシャッターメガ
ネにおいては、シャッターメガネとして周期的に電圧を
印加しない状態においては、右目用及び左目用の一方が
閉状態であり、片方だけが真暗な状態となる。このよう
なメガネを掛けてものを見ると、片方の目でしかものを
見ることができず、装着に違和感を生じる。またメガネ
の外観も、片方だけがサングラスのようで好ましくな
い。

【０００８】このような問題を解消することができる方
法として、例えば図６に示すような立体映像表示システ
ムが考えられる。このような立体映像表示システムは、
例えば特開昭６３−３０５３２２号公報などに開示され
ている。図６を参照して、この表示装置においては、デ
ィスプレイ２１の前に偏光板２２と液晶セル２４がそれ
ぞれ設けられている。従って、シャッターメガネは、左
目用偏光板５ａと右目用偏光板５ｂとのみから構成され
る。シャッターメガネは偏光板のみから構成されるの
で、このようなシャッターメガネを掛けていても、通常
ものを見る際には何ら問題とならず、違和感なく装着す
ることができる。

【０００９】しかしながら、図６に示すような構成にお
いては、ディスプレイ２１の表示画面全体を液晶セル２
４で覆う必要がある。従って、ディスプレイ２１として
大型のディスプレイを用いようとする場合には、それに
応じた大きさの大きな液晶セルが必要となる。しかしな
がら、現在のところ、作製できる液晶セルの大きさには
限界があり、大型ディスプレイの表示画面全体を覆うよ
うな、大きなサイズの液晶セルを作製することは困難で
ある。

【００１０】本発明の目的は、大型のディスプレイにも
適用可能で、かつシャッターメガネを１枚の液晶セルか
ら作製することができる立体映像表示装置を提供するこ
とにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明の立体映像表示装
置は、右目用画像と左目用画像を所定の周期で交互に表
示するディスプレイと、ディスプレイの前方に設けられ
る偏光板と、シャッターメガネの一部を構成し右目用領
域及び左目用領域を有する１枚の液晶セルと、シャッタ
ーメガネの一部を構成し液晶セルの光出射側に設けられ
る右目用偏光板及び左目用偏光板とを備え、ディスプレ
イの画像切り換え周期に同期させて液晶セルに電圧を印
加することにより、シャッターメガネの右目用領域及び
左目用領域をディスプレイに表示された画像に応じて交
互に開閉することを特徴としている。

【００１２】本発明に従う好ましい実施態様において
は、液晶セルは、一対の透光性基板と該透光性基板の内
側にそれぞれ設けられる電極と、該電極間に設けられる
ネマティック液晶層とを備えている。

【００１３】このような実施態様においては、一般に、
右目用偏光板及び左目用偏光板の一方の偏光軸がディス
プレイ前方の偏光板の偏光軸と略直交し、他方の偏光軸
は略平行であるように、右目用及び左目用偏光板をそれ
ぞれ配置する。

【００１４】

【発明の作用効果】本発明に従えば、液晶セルの光入射
側の偏光板が、シャッターメガネに設けられるのではな
く、ディスプレイの前方に設けられる。従って、シャッ
ターメガネは液晶セルと右目用偏光板及び左目用偏光板
とから構成される。シャッターメガネの偏光板は、この
ように右目用偏光板及び左目用偏光板のみであるので、
ディスプレイ前方の偏光板を通して見るとき以外は常
に、右目用及び左目用の両方が光を透過する状態となっ
ている。従って、ディスプレイ以外のものを見る際、両
眼で見ることができ、何ら違和感なく装着することがで
きる。

【００１５】また液晶セルはシャッターメガネ側に設け
られるので、ディスプレイが大型化しても、ディスプレ
イ前方の偏光板として対応するサイズの大きな偏光板を
用いるだけでよく、ディスプレイの大型化にも適用する
ことができる。

【００１６】

【実施例】図１は、本発明に従う立体映像表示装置の一
例を示す模式図である。図１を参照して、ＣＲＴなどの
ブラウン管または液晶ディスプレイから構成されるディ
スプレイ１の前方に、ディスプレイの表示画面を覆う大
きさの偏光板２が設けられている。ディスプレイ１は、
右目用画像と左目用画像を時分割により所定の周期で交
互に表示する。

【００１７】ディスプレイ１を見るためのシャッターメ
ガネ３は、液晶セル４と左目用偏光板５ａ及び右目用偏
光板５ｂとから構成されている。液晶セル４は１枚の液
晶セルから構成され、左目用領域４ａ及び右目用領域４
ｂを有している。

【００１８】図２は、図１に示すシャッターメガネ３を
さらに詳細に説明するための断面図である。図２に示す
ように、液晶セル４は、一対の透光性基板６ａ及び６ｂ
と、該透光性基板６ａ及び６ｂの内側にそれぞれ設けら
れる透明電極膜７ａ及び７ｂと、該透明電極膜７ａ及び
７ｂの間に設けられる液晶層８から構成されている。本
実施例では、液晶層８として、ツイステッドネマティッ
ク（ＴＮ）型液晶が用いられている。この他、液晶層と
しては、スーパーツイステッドネマティック（ＳＴＮ）
型の液晶や、強誘電性液晶なども用いることが可能であ
る。

【００１９】図１に戻り、本実施例では、左目用偏光板
５ａの偏光軸をディスプレイ前方の偏光板２の偏光軸と
略平行になるように配置し、右目用偏光板５ｂの偏光軸
をディスプレイ前方の偏光板２の偏光軸と略直交するよ
うに配置している。従って、シャッターメガネ３を装着
して、ディスプレイ１を見ると、液晶セル４に電圧を印
加しない状態においては、図３に示すように、左目用偏
光板５ａに相当する領域は光が透過しない閉状態であ
り、右目用偏光板５ｂに相当する領域は光が透過する開
状態となる。

【００２０】しかしながら、このような状態は、あくま
でも偏光板２を通してディスプレイ１を見たときの状態
であり、ディスプレイ１以外のその他の景色を見た場合
には、右目及び左目ともに１枚の偏光板を介して見るだ
けであるので、両眼ともに光を透過する状態でものを見
ることができる。従って、本発明のシャッターメガネは
何ら違和感なく装着することができる。

【００２１】次に、ディスプレイ１に右目用画像及び左
目用画像を時分割で交互に表示し、これをシャッターメ
ガネを介して見る場合の状態について説明する。ディス
プレイ１に右目用画像が表示されている場合には、液晶
セル４に電圧を印加しない。すなわち、この状態におい
ては図３に示すように左目用偏光板５ａに相当する領域
が閉状態となり光を遮断した状態となる。また右目用偏
光板５ｂに相当する領域においては開状態となり、光を
透過する状態となる。従って、右目のみでディスプレイ
に表示された右目用画像を見ることができる。

【００２２】ディスプレイ１の表示が右目用画像から左
目用画像に切り換わると、この切り換え周期に同期して
液晶セル４に電圧が印加される。液晶セル４に電圧が印
加されると、図４に示すように、左目用偏光板５ａに相
当する領域が開状態となり、光を透過する状態となる。
また右目用偏光板５ｂに相当する領域は閉状態となり、
光を遮断する状態となる。従って、左目のみでディスプ
レイ１に表示された左目用画像を見ることができる。

【００２３】ディスプレイ１の表示が左目用画像から右
目用画像に切り換えられると、これに同期して、液晶セ
ル４に対し電圧を印加しない状態にする。これにより、
再び図３に示すような状態となり、ディスプレイ１に表
示された右目用画像を右目のみで観察することができる
状態となる。

【００２４】以上のようにして、ディスプレイ１で表示
される右目用画像及び左目用画像の切り換えに同期し
て、液晶セル４への電圧の印加を変化させ、右目用画像
を右目で左目用画像を左目で見ることにより、立体的画
像としてディスプレイ１の表示を観察することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に従う立体映像表示装置の一例を示す模
式図。

【図２】図１に示す実施例のシャッターメガネを示す断
面図。

【図３】シャッターメガネにおける右目用領域を開状態
とし左目用領域を閉状態としたときの状態を示す平面
図。

【図４】シャッターメガネにおける右目用領域を閉状態
とし左目用領域を開状態としたときの状態を示す平面
図。

【図５】従来の立体映像表示装置の一例を示す模式図。

【図６】従来の立体映像表示装置の他の例を示す模式
図。

【符号の説明】

１…ディスプレイ ２…ディスプレイ前方の偏光板 ３…シャッターメガネ ４…液晶セル ４ａ…液晶セルの左目用領域 ４ｂ…液晶セルの右目用領域 ５ａ…左目用偏光板 ５ｂ…右目用偏光板 ６ａ，６ｂ…透光性基板 ７ａ，７ｂ…透明電極膜 ８…液晶層

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 右目用画像と左目用画像を所定の周期で
   交互に表示するディスプレイと、 前記ディスプレイの前方に設けられる偏光板と、 シャッターメガネの一部を構成し、右目用領域及び左目
   用領域を有する１枚の液晶セルと、 シャッターメガネの一部を構成し、前記液晶セルの光出
   射側に設けられる右目用偏光板及び左目用偏光板とを備
   え、 前記ディスプレイの画像切り換え周期に同期させて前記
   液晶セルに電圧を印加することにより、前記シャッター
   メガネの右目用領域及び左目用領域を前記ディスプレイ
   に表示された画像に応じて交互に開閉することを特徴と
   する立体映像表示装置。
2. 【請求項２】 前記液晶セルが、一対の透光性基板と、
   該透光性基板の内側にそれぞれ設けられる電極と、該電
   極間に設けられるネマティック液晶層とを備える請求項
   １に記載の立体映像表示装置。
3. 【請求項３】 前記右目用偏光板及び左目用偏光板の一
   方の偏光軸が、前記ディスプレイ前方の偏光板の偏光軸
   と略直交しており、他方の偏光軸が略平行である請求項
   １または２に記載の立体映像表示装置。