JP2882393B2 - 立体表示装置 - Google Patents

立体表示装置

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JP2882393B2
JP2882393B2 JP9012721A JP1272197A JP2882393B2 JP 2882393 B2 JP2882393 B2 JP 2882393B2 JP 9012721 A JP9012721 A JP 9012721A JP 1272197 A JP1272197 A JP 1272197A JP 2882393 B2 JP2882393 B2 JP 2882393B2
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雅雄 今井
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  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立体表示装置に関
し、特に、観察者が特別な眼鏡を装着することなく、立
体画像を観察することのできる立体表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、立体画像を表示する装置として
は、物体の断面像を移動スクリーンの移動に同期して順
次表示する装置や、ホログラムを用いる装置や、両眼視
差のある画像情報を右眼と左眼にそれぞれ独立に呈示す
る装置等が知られている。しかし、スクリーンの移動を
伴うものやホログラムを用いるものでは、その情報量の
多さから動画の表示が困難であるため、現時点では両眼
視差画像を用いて立体画像を表示する立体表示装置を主
体に開発が進められている。この立体表示装置は、従来
のCRTや液晶ディスプレイ等の表示装置を用いて構成
することができるため、比較的容易に立体画像を得るこ
とができる。そして、このような両眼視差の原理を利用
する立体表示装置には、観察者が偏光眼鏡や液晶シャッ
タ眼鏡等の特別な眼鏡を装着して立体画像を観察する装
置と、レンチキュラレンズやパララックスバリアのよう
な特別な光学素子を表示面に配置して立体画像を観察す
る装置とがある。後者は観察者が特別な眼鏡を装着する
ことなく立体画像を観察できるという利点がある。
【0003】図22はパララックスバリアを用いた従来
の立体表示装置の一例を示す平面図である。従来のパラ
ラックスバリア方式の立体表示装置は、表示装置71と
パララックスバリア74とから構成される。パララック
スバリア74は、光を透過する領域と遮蔽する領域とが
ストライプ状に形成された構造になっている。表示装置
71には、立体画像が表示される。この立体画像は、両
眼視差情報を有する右眼用画像75と左眼用画像76
を、パララックスバリア74のストライプの数に応じ
て、画面の上下方向に長いストライプ状の画像に分割し
た後抽出し、それらを交互に再配列させることにより作
成される。パララックスバリア74は、右眼72の位置
からは右眼用画像75のみが、左眼73の位置からは左
眼用画像76のみが見えるように、パララックスバリア
74の位置とストライプのピッチが幾何学的に決定され
ている。観察者がこのようなパララックスバリア方式の
立体表示装置を観察すると、右眼72では右眼用画像7
5のみを、左眼73では左眼用画像76のみを見ること
になり、これらの画像が融合することによって立体感の
ある画像を観察することができる。
【0004】このようなパララックスバリア方式の立体
表示装置は、前述したように観察者が特別な眼鏡を装着
することなく立体視が可能である。しかしながら、この
方式では、右眼用画像75と左眼用画像76を1ライン
おきに表示するため、各々の眼が観察する画像の水平解
像度が半減するという欠点がある。さらに、表示装置7
1とパララックスバリア74との正確な位置合わせが必
要になる。例えば、20型(水平方向の長さが約400
mm)のテレビで水平解像度600本の場合、パララッ
クスバリア74のストライプの数は300本であり、そ
の幅は約0.67mmとなる。したがって、位置合わせ
精度としては0.1mm以下が必要であり、しかもこの
目合わせ精度は画像の上下に渡って確保されなければな
らないため、特に回転方向の高い位置合わせ精度が要求
される。一方、この立体表示装置を用いて、立体画像で
はなく通常の2次元画像を観察しようとする場合には、
パララックスバリア74による解像度の低下を回避する
ために、このパララックスバリア74を除去することが
望ましいが、その後立体画像を観察するために改めてパ
ララックスバリア74を取り付ける場合には正確な位置
合わせが必要であるため、実用上着脱は極めて困難であ
った。
【0005】そこで、表示画像の解像度を半減させるこ
となく、しかも立体画像と2次元画像の表示を切り替え
る場合に、容易に装置を着脱できる立体表示装置が本出
願人による特願平7−210190号に記載されてい
る。
【0006】図23は、この従来の立体表示装置の一例
を示す平面図である。この立体表示装置は、表示装置8
1の前面に偏光板86と、偏光回転スイッチアレイ84
と、偏光回転複スリット85と、偏光板87とをそれぞ
れ順次対向配置して構成される。
【0007】この従来の立体表示装置の動作を図24を
参照して説明する。図24(a)、(b)はそれぞれ、
図23(a)、(b)を拡大して示した動作説明図であ
る。
【0008】表示装置81には、両眼視差情報を有する
右眼用画像と左眼用画像がフィールド毎に交互に表示さ
れる。なお、テレビでは毎秒30フレームの画像を表示
するが、この枚数ではフリッカ(画面のちらつき)が生
じるため、インターレース(飛び越し)走査により毎秒
の表示回数を増加させている。したがって、毎秒30フ
レームの2:1の飛び越し走査では、垂直走査は毎秒6
0回行われることになる。この一回の垂直走査(1走査
ラインおきの走査)をフィールドと呼び、2つのフィー
ルドで1フレームが完成する。また1フレームを構成す
る第1フィールドを奇数フィールド、第2フィールドを
偶数フィールドと呼んでいる。そして時分割立体表示で
は、例えば奇数フィールドに右眼用画像を、偶数フィー
ルドに左眼用画像を表示させることにより、2種類の画
像を多重して表示している。ただし、このように60H
zの垂直走査周波数では、1秒間に各々の眼が観察する
画像は、それぞれ30画面となりフリッカが生じる。そ
こで、特に良好な立体画像を得る場合には、垂直走査周
波数を120Hzに上げ、1秒間に右眼用画像と左眼用
画像がそれぞれ60画面交互に表示する方式が用いられ
ている。
【0009】図24(a)は、表示装置81が右眼用画
像を表示している状態を示す。偏光回転スイッチアレイ
84と偏光回転複スリット85はそれぞれ、入射した直
線偏光の偏光方向を90゜回転する領域96と、偏光方
向を変化させない領域97とがストライプ状に形成され
ている。偏光回転スイッチアレイ84と偏光回転複スリ
ット85の間隔、および偏光方向を90゜回転する領域
96と偏光方向を変化させない領域97の中心間距離
は、観察者のある設定された観察位置から幾何学的に決
定されている。
【0010】図24(a)に示すように、観察者の右眼
82からの視線は、右眼視線92aに示すように、偏光
回転複スリット85の偏光方向を変化させない領域97
を通り、かつ偏光回転スイッチアレイ84の偏光方向を
90゜回転する領域96を通るか、または右眼視線93
bに示すように偏光回転複スリット85の偏光方向を9
0゜回転する領域96を通り、かつ偏光回転スイッチア
レイ84の偏光方向を変化させない領域97を通るかの
いずれかである。観察者の左眼83からの視線は、左眼
視線94aに示すように偏光回転複スリット85の偏光
方向を変化させない領域97を通り、かつ偏光回転スイ
ッチアレイ84の偏光方向を変化させない領域97を通
るか、または左眼視線95bに示すように偏光回転複ス
リット85の偏光方向を90゜回転する領域96を通
り、かつ偏光回転スイッチアレイ84の偏光方向を90
゜回転する領域96を通るかのいずれかになるように設
定されている。
【0011】そして、偏光板86においては紙面に平行
な方向の偏光方向を有する直線偏光を透過させるように
偏光板86の偏光方向90が設定され、一方、偏光板8
7においては紙面に垂直な方向の偏光方向を有する直線
偏光を透過させるように偏光板87の偏光方向91が設
定されている。
【0012】表示装置81を発して右眼視線92aに沿
って進行する光は、偏光板86を透過することにより、
紙面に平行な直線偏光となる。次に、偏光回転スイッチ
アレイ84の偏光方向を90°回転する領域96を透過
するので、偏光方向は90°回転して紙面に垂直とな
る。その後、偏光回転複スリット85の偏光方向を変化
させない領域97に入射するので、偏光方向は変化を受
けることなくこれを透過する。したがって、偏光方向が
紙面に垂直な偏光板87を透過することができ、観察者
の右眼82の右眼視線92aは、表示装置81に表示さ
れた右眼用画像に到達することになる。
【0013】また、右眼視線93bに沿って進行する光
は、まず偏光板86を透過して偏光方向が紙面に平行な
直線偏光となる。次に、偏光回転スイッチアレイ84の
偏光方向を変化させない領域97に入射するので、偏光
方向は紙面に平行のまま透過する。その後、偏光回転複
スリット85の偏光方向を90°回転する領域96に入
射するので、偏光方向は90°回転して、紙面に垂直と
なる。したがって、偏光方向が紙面に垂直な偏光板87
を透過することができ、観察者の右眼82の右眼視線b
93は、表示装置81に表示された右眼用画像に到達す
ることになる。
【0014】表示装置81と観察者の右眼82とを結ぶ
全ての視線は、以上説明した右眼視線92aか右眼視線
93bのいずれかであり、表示装置81を発して右眼8
2に向かって進行する光は全てこのような偏光変化を受
けるので、結局、観察者の右眼82は表示装置81に表
示された右眼用画像を見ることができる。
【0015】一方、表示装置81を発して左眼視線94
aに沿って進行する光は、まず偏光板86を透過して偏
光方向が紙面に平行な直線偏光となる。次に、偏光回転
スイッチアレイ84の偏光方向を変化させない領域97
に入射するので、偏光方向は変化せずに紙面に平行のま
ま透過する。さらに、偏光回転複スリット85の偏光方
向を変化させない領域97をそのまま透過した後に、偏
光板87に入射するが、偏光板87の偏光方向91は紙
面に垂直であるため、これを透過することはできない。
したがって、観察者の左眼83の左眼視線94aは、表
示装置81に表示された右眼用画像に到達することがで
きない。
【0016】また、左眼視線95bに沿って進行する光
は、まず偏光板86を透過して偏光方向が紙面に平行な
直線偏光となる。次に、偏光回転スイッチアレイ84の
偏光方向を90°回転する領域96に入射するので、偏
光方向は90°回転し、紙面に垂直な偏光となる。その
後、偏光回転複スリット85の偏光方向を90°回転す
る領域96に入射するので、再び偏光方向は90°回転
して紙面に平行な偏光になる。そして偏光板87に入射
するが、偏光板87の偏光方向91は紙面に垂直である
ため、これを透過することはできない。したがって、観
察者の左眼83の左眼視線95bは、表示装置81に表
示された右眼用画像に到達することができない。
【0017】表示装置81と観察者の左眼83とを結ぶ
全ての視線は、以上説明した左眼視線94aか左眼視線
95bのいずれかであり、表示装置81を発して左眼8
3に向かって進行する光は全てこのような偏光変化を受
けるので、結局、観察者の左眼83では表示装置81に
表示された右眼用画像を見ることができない。
【0018】したがって、表示装置81に右眼用画像が
表示されている時には、観察者は右眼82のみで画像を
見ることになる。
【0019】次に、表示装置81に左眼用画像が表示さ
れる場合について説明する。図24(b)は、表示装置
81に左眼用画像を表示している状態を示す。ここで、
偏光回転複スリット85は、図24(a)と同じ位置、
同じ状態である。一方、偏光回転スイッチアレイ84
は、偏光方向を90゜回転する領域96と偏光方向を変
化させない領域97とが図24(a)の状態と比べて逆
になるように、切り替えられている。
【0020】図24(b)において、表示装置81を発
して右眼視線92aに沿って進行する光は、まず偏光板
86を透過して偏光方向が紙面に平行な直線偏光とな
る。その後、偏光回転スイッチアレイ84、および偏光
回転複スリット85の偏光方向を変化させない領域97
をそのまま透過して、偏光板87に入射するが、偏光板
87の偏光方向91は紙面に垂直であるため、これを透
過することはできない。したがって、観察者の右眼82
の右眼視線92aは、表示装置81に表示された左眼用
画像に到達することができない。
【0021】また、右眼視線93bに沿って進行する光
は、まず偏光板86において、偏光方向が紙面に平行な
直線偏光に変換された後、偏光回転スイッチアレイ84
の偏光方向を90゜回転する領域96に入射して、偏光
方向は90゜回転し、紙面に垂直な偏光になる。その
後、偏光回転複スリット85の偏光方向を90゜回転す
る領域96を透過して、偏光方向は90゜回転し、再び
偏光方向が紙面に水平な偏光となる。そして、偏光板8
7に入射するが、偏光板87の偏光方向91は紙面に垂
直であるので、これを透過することはできない。したが
って、観察者の右眼視線93bは、表示装置81に表示
された左眼用画像に到達することができない。
【0022】表示装置81と観察者の右眼82とを結ぶ
全ての視線は、以上説明した右眼視線92aか右眼視線
93bのいずれかであり、表示装置81を発して右眼8
2に向かって進行する光は全てこのような偏光変化を受
けるので、結局、観察者の右眼82は表示装置81に表
示された左眼用画像を見ることができない。
【0023】一方、左眼視線94aに沿って進行する光
は、まず偏光板86において、偏光方向が紙面に平行な
直線偏光に変換された後、偏光回転スイッチアレイ84
の偏光方向を90°回転する領域96に入射して、偏光
方向は90°回転し、紙面に垂直な偏光となる。その
後、偏光回転複スリット85の偏光方向を変換させない
領域97に入射するので、偏光方向は変化せずに紙面に
垂直なままこれを透過する。そして、偏光板87に入射
するが、偏光板87の偏光方向91は紙面に垂直である
ので、これを透過することができる。したがって、観察
者の左眼83の左眼視線94aは、表示装置81に表示
された左眼用画像に到達することができる。
【0024】また、左眼視線95bに沿って進行する光
は、まず偏光板86を透過して偏光方向が紙面に平行な
直線偏光に変換される。次に、偏光回転スイッチアレイ
84の偏光方向を変化させない領域97に入射するの
で、偏光方向は変化せずに紙面に平行のままこれを透過
する。その後、偏光回転複スリット85の偏光方向を9
0°回転する領域96に入射するので、偏光方向は90
°回転し、紙面に垂直になる。そして偏光板87に入射
するが、偏光板87の偏光方向91は紙面に垂直である
ので、これを透過することができる。したがって、観察
者の左眼83の左眼視線95bは、表示装置81に表示
された左眼用画像に到達することができる。
【0025】表示装置81と観察者の左眼83とを結ぶ
全ての視線は、以上説明した左眼視線94aか左眼視線
95bのいずれかであり、表示装置81を発して左眼8
3に向かって進行する光は全てこのような偏光変化を受
けるので、結局、観察者の左眼83は表示装置81に表
示された左眼用画像を見ることができる。
【0026】したがって、表示装置81に左眼用画像が
表示されている時には、観察者は左眼83のみで画像を
見ることになる。
【0027】以上説明したように、両眼視差情報を有す
る右眼用画像と左眼用画像を、図23に示したように、
右眼82と左眼83とでそれぞれ独立に見ることになる
ので、立体視が可能になる。
【0028】この従来例では、パララックスバリアのよ
うなストライプ状の光遮蔽領域を介さずに画像を観察で
きるので解像度を半減させることがない。しかも、偏光
板86、87、偏光回転スイッチアレイ84、および偏
光回転複スリット85をそれぞれ正確に位置合わせを行
い、これらをひとつのユニットとしておけば、立体画像
と2次元画像の表示を切り換える場合に、表示装置81
とそのユニットとを着脱するだけでよく、特に表示装置
81とそのユニット間の正確な位置合わせは必要としな
いという利点がある。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来例には以下に説明するような、解決すべき課題があ
る。図25は、図23に示した従来の立体表示装置にお
いて解決すべき課題を説明するための図であり、偏光板
86を透過した光が、偏光方向を90°回転する領域と
偏光方向を変化させない領域を1回ずつ透過した場合
と、偏光方向を90°回転する領域を2回透過した場合
と、偏光方向を変化させない領域を2回透過した場合の
それぞれに対し、偏光板87を透過した光の分光透過率
を示している。
【0030】この従来例において偏光方向を90°回転
する領域には液晶などの複屈折性のある物質を用い、入
射光の直交する偏光成分に1/2波長の位相差を与える
ことで偏光方向を90°回転させるという1/2波長板
の作用を持たせている。 一般に、1/2波長板として
作用する、すなわち偏光方向を90°回転させる物質の
複屈折には波長依存性がある。そのため、可視光のうち
特定の波長の光に対しては1/2波長の位相差を与える
ことができ、完全に偏光方向を90°回転させることが
できるが、その前後の波長の光に対しては位相差が1/
2波長からずれるため、完全に偏光方向を90°回転さ
せることはできない。したがって、偏光板87を透過し
た光の分光透過率は一様にはならない。一方、偏光方向
を変化させない物質においては、透過光に複屈折の波長
依存性による影響は生じない。つまり、可視光における
全ての波長において偏光方向は変化しないので、偏光板
87を透過した光の分光透過率は一様になる。ここで、
図25において、偏光方向を90°回転する領域と偏光
方向を変化させない領域を1回ずつ透過した場合、すな
わち、右眼82、または左眼83がそれぞれの眼用の画
像を観察する場合(図24(a)に示した右眼視線92
a、93bと、図24(b)に示した左眼視線94a、
95bとに相当する。)、前述した複屈折の波長依存性
の影響を受けるため、可視光全域において透過率は一様
にはならない。ただし、隣接する右眼視線92aと右眼
視線93b、あるいは隣接する左眼視線94aと左眼視
線95bのそれぞれに沿って進行する光は、複屈折の波
長依存性による影響を等しく受けるため、明るさや色の
差異としては認識されない。
【0031】一方、右眼82、または左眼83が逆の眼
用の画像を観察しない場合には、偏光方向を90°回転
する領域を2回透過した場合(図24(a)に示した左
眼視線95bと図24(b)の右眼視線93bに相当す
る。)と、偏光方向を変化させない領域を2回透過した
場合(図24(a)に示した左眼視線94aと図24
(b)に示した右眼視線92aに相当する。)のいずれ
かになる。図25において、偏光方向を変化させない領
域を2回透過した場合には、複屈折の波長依存性の影響
を受けないため、可視光全域において透過率は一様に0
となる。しかし、偏光方向を90°回転する領域を2回
透過した場合には、偏光方向は180°回転することに
なる。つまり、複屈折の波長依存性の影響を2倍受ける
ため、特定の波長において、すなわち図25においては
550nmの光は遮蔽されるが、それ以外の、特に50
0nm以下の青い光や、600nm以上の赤い光が漏れ
てしまう。したがって、隣接する右眼視線92aと右眼
視線93b、あるいは隣接する左眼視線94aと左眼視
線95bのそれぞれに沿って進行する光は、複屈折の波
長依存性による影響を異なって受けることになる。結
局、観察者は、右眼82、または左眼83で本来観察し
ないはずの、逆の眼用の画像を、筋状に色のついた画像
として観察することになる。このように、本来観察しな
いはずの、逆の眼用の画像が見えてしまう場合、つまり
左右画像のクロストークが大きい場合は、観察者は立体
画像を認識しづらくなり、長時間立体画像を観察する場
合に著しく疲労してしまうという問題が生じる。
【0032】本発明の目的は、特別な眼鏡をかけずに高
精細な立体画像を観察でき、さらに立体画像と2次元画
像を容易に切り換えることができる立体表示装置におい
て、左右画像のクロストークを低減し、見易い立体表示
を可能にする立体表示装置を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明は、両眼視差情報を有する右眼用画像と
左眼用画像を時間的に交互に表示する表示装置と、前記
表示装置の前面に配置された2枚の偏光板と、前記2枚
の偏光板の間に前後して配置された第1の偏光回転複ス
リットと第2の偏光回転複スリットと、前記第1の偏光
回転複スリットと前記第2の偏光回転複スリットの少な
くとも一方に接続された移動機構と、から構成され、前
記第1の偏光回転複スリットと前記第2の偏光回転複ス
リットのどちらか一方には、偏光方向を右回りに90゜
回転する領域と偏光方向を変化させない領域とが前記表
示装置に表示された表示画像の上下方向と平行な方向に
長いストライプ状に交互に形成されており、もう一方に
は、偏光方向を左回りに90゜回転する領域と偏光方向
を変化させない領域とが前記ストライプ状に交互に形成
されており、観察者の右眼からは前記右眼用画像のみ
が、かつ左眼からは前記左眼用画像のみが観察されるよ
うに、前記右眼用画像と前記左眼用画像の表示切り換え
に同期して、前記移動機構により前記第1の偏光回転複
スリットと前記第2の偏光回転複スリットの少なくとも
一方を移動させる構成からなる立体表示装置である。
【0034】第2の発明は、両眼視差情報を有する右眼
用画像と左眼用画像を時間的に交互に表示する表示装置
と、前記表示装置の前面に配置された2枚の偏光板と、
前記2枚の偏光板の間に前後して配置された第1の偏光
変換複スリットと第2の偏光変換複スリットと、前記第
1の偏光変換複スリットと前記第2の偏光変換複スリッ
トの少なくとも一方に接続された移動機構と、から構成
され、前記第1の偏光変換複スリットと前記第2の偏光
変換複スリットにはそれぞれ、+1/4波長の位相差を
与える領域と−1/4波長の位相差を与える領域とが前
記表示装置に表示された表示画像の上下方向と平行な方
向に長いストライプ状に交互に形成されており、観察者
の右眼からは前記右眼用画像のみが、かつ左眼からは前
記左眼用画像のみが観察されるように、前記右眼用画像
と前記左眼用画像の表示切り換えに同期して、前記移動
機構により前記第1の偏光変換複スリットと前記第2の
偏光変換複スリットの少なくとも一方を移動させる構成
からなる立体表示装置である。
【0035】第3の発明は、両眼視差情報を有する右眼
用画像と左眼用画像を時間的に交互に表示する表示装置
と、前記表示装置の前面に配置された2枚の偏光板と、
前記2枚の偏光板の間に前後して配置された偏光回転ス
イッチアレイと偏光回転複スリットと、から構成され、
前記偏光回転スイッチアレイと前記偏光回転複スリット
のどちらか一方には、偏光方向を右回りに90゜回転す
る領域と偏光方向を変化させない領域とが前記表示装置
に表示された表示画像の上下方向と平行な方向に長いス
トライプ状に交互に形成されており、もう一方には、偏
光方向を左回りに90゜回転する領域と偏光方向を変化
させない領域とが前記ストライプ状に交互に形成されて
おり、かつ、前記偏光回転スイッチアレイは、前記スト
ライプ状に形成された、偏光方向を変化させない領域と
偏光方向を右回りに90゜回転する領域もしくは偏光方
向を左回りに90゜回転する領域とを互いに反転させる
ことが可能であり、観察者の右眼からは前記右眼用画像
のみが、かつ左眼からは前記左眼用画像のみが観察され
るように、前記右眼用画像と前記左眼用画像の表示切り
換えに同期して、前記偏光回転スイッチアレイの、偏光
方向を変化させない領域と偏光方向を右回りに90゜回
転する領域もしくは偏光方向を左回りに90゜回転する
領域とを切り換える構成からなる立体表示装置である。
【0036】第4の発明は、両眼視差情報を有する右眼
用画像と左眼用画像を時間的に交互に表示する表示装置
と、前記表示装置の前面に配置された2枚の偏光板と、
前記2枚の偏光板の間に前後して配置された第1の偏光
回転スイッチアレイと第2の偏光回転スイッチアレイ
と、から構成され、前記第1の偏光回転スイッチアレイ
と前記第2の偏光回転スイッチアレイのどちらか一方に
は、偏光方向を右回りに90゜回転する領域と偏光方向
を変化させない領域とが前記表示装置に表示された表示
画像の上下方向と平行な方向に長いストライプ状に交互
に形成されており、もう一方には、偏光方向を左回りに
90゜回転する領域と偏光方向を変化させない領域とが
前記ストライプ状に交互に形成されており、かつ、前記
第1および第2の偏光回転スイッチアレイはそれぞれ、
前記ストライプ状に形成された、偏光方向を変化させな
い領域と偏光方向を右回りに90゜回転する領域もしく
は偏光方向を左回りに90゜回転する領域とを互いに反
転させることが可能であり、観察者の右眼からは前記右
眼用画像のみが、かつ左眼からは前記左眼用画像のみが
観察されるように、前記右眼用画像と前記左眼用画像の
表示切り換えに同期して、第1の偏光回転スイッチアレ
イと第2の偏光回転スイッチアレイの少なくとも一方
の、偏光方向を変化させない領域と偏光方向を右回りに
90゜回転する領域もしくは偏光方向を左回りに90゜
回転する領域とを切り換える構成からなる立体表示装置
である。
【0037】第5の発明は、両眼視差情報を有する右眼
用画像と左眼用画像を時間的に交互に表示する表示装置
と、前記表示装置の前面に配置された2枚の偏光板と、
前記2枚の偏光板の間に前後して配置された偏光変換ス
イッチアレイと偏光変換複スリットと、から構成され、
前記偏光変換スイッチアレイと前記偏光変換複スリット
にはそれぞれ、+1/4波長の位相差を与える領域と−
1/4波長の位相差を与える領域とが前記表示装置に表
示された表示画像の上下方向と平行な方向に長いストラ
イプ状に交互に形成されており、かつ、前記偏光変換ス
イッチアレイは、前記ストライプ状に形成された、+1
/4波長の位相差を与える領域と−1/4波長の位相差
を与える領域とを互いに反転させることが可能であり、
観察者の右眼からは前記右眼用画像のみが、かつ左眼か
らは前記左眼用画像のみが観察されるように、前記右眼
用画像と前記左眼用画像の表示切り換えに同期して、前
記偏光変換スイッチアレイの、+1/4波長の位相差を
与える領域と−1/4波長の位相差を与える領域とを切
り換える構成からなる立体表示装置である。
【0038】第6の発明は、両眼視差情報を有する右眼
用画像と左眼用画像を時間的に交互に表示する表示装置
と、前記表示装置の前面に配置された2枚の偏光板と、
前記2枚の偏光板の間に前後して配置された第1の偏光
変換スイッチアレイと第2の偏光変換スイッチアレイ
と、から構成され、前記第1の偏光変換スイッチアレイ
と前記第2の偏光変換スイッチアレイにはそれぞれ、+
1/4波長の位相差を与える領域と−1/4波長の位相
差を与える領域とが前記表示装置に表示された表示画像
の上下方向と平行な方向に長いストライプ状に交互に形
成されており、かつ、前記第1および第2の偏光変換ス
イッチアレイはそれぞれ、前記ストライプ状に形成され
た、+1/4波長の位相差を与える領域と−1/4波長
の位相差を与える領域とを互いに反転させることが可能
であり、観察者の右眼からは前記右眼用画像のみが、か
つ左眼からは前記左眼用画像のみが観察されるように、
前記右眼用画像と前記左眼用画像の表示切り換えに同期
して、第1の偏光変換スイッチアレイと第2の偏光変換
スイッチアレイの少なくとも一方の、+1/4波長の位
相差を与える領域と−1/4波長の位相差を与える領域
とを切り換える構成からなる立体表示装置である。
【0039】(作用)上記のとおり構成された本発明の
立体表示装置では、右眼、または左眼がそれぞれ逆の眼
用の画像を観察しないようにする場合において、偏光を
変化させる領域を2回透過する際に、複屈折の波長依存
性の影響が打ち消されるので、本来観察しないはずの、
逆の眼用の画像が見えるという現象が無くなる。すなわ
ち、左右画像のクロストークを低減できるので、観察者
は良好な立体画像を観察できるようになる。
【0040】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0041】[第1の実施形態]図1は、本発明の立体
表示装置の第1の実施形態を示す平面図である。この立
体表示装置は、表示装置1と、表示装置1の前面に対向
して配置された2枚の偏光板6および7と、偏光板6、
7間に対向配置された第1および第2の偏光回転複スリ
ット4、5と、第1の偏光回転複スリット4に接続され
た移動機構8とから構成される。
【0042】次に、図1に示した立体表示装置の動作を
図2を参照して説明する。図2(a)、(b)はそれぞ
れ、図1(a)、(b)を拡大して示した動作説明図で
ある。
【0043】表示装置1には、両眼視差情報を有する右
眼用画像と左眼用画像がフィールド毎に交互に表示さ
れ、図2(a)は、表示装置1が右眼用画像を表示して
いる状態を示す。
【0044】第1の偏光回転複スリット4は、入射した
直線偏光の偏光方向を右回りに90゜回転する領域16
と、偏光方向を変化させない領域17とがストライプ状
に形成されたものである。また、第2の偏光回転複スリ
ット5は、入射した直線偏光の偏光方向を左回りに90
゜回転する領域18と、偏光方向を変化させない領域1
7とがストライプ状に形成されたものである。第1の偏
光回転複スリット4と第2の偏光回転複スリット5の間
隔、および前記スリット4におけるストライプ状の領域
16と領域17の中心間距離、前記スリット5における
ストライプ状の領域18と領域17の中心間距離は、観
察者のある設定された観察位置から幾何学的に決定され
ている。
【0045】図2(a)に示すように、観察者の右眼2
からの視線は、右眼視線a12に示すように第2の偏光
回転複スリット5の偏光方向を変化させない領域17を
通り、かつ第1の偏光回転複スリット4の偏光方向を右
回りに90゜回転する領域16を通るか、または右眼視
線13bに示すように第2の偏光回転複スリット5の偏
光方向を左回りに90゜回転する領域18を通り、かつ
第1の偏光回転複スリット4の偏光方向を変化させない
領域17を通るかのいずれかである。観察者の左眼3か
らの視線は、左眼視線14aに示すように第2の偏光回
転複スリット5の偏光方向を変化させない領域17を通
り、かつ第1の偏光回転複スリット4の偏光方向を変化
させない領域17を通るか、または左眼視線15bに示
すように第2の偏光回転複スリット5の偏光方向を左回
りに90゜回転する領域18を通り、かつ第1の偏光回
転複スリット4の偏光方向を右回りに90゜回転する領
域16を通るかのいずれかになるように設定されてい
る。
【0046】そして、偏光板6においては紙面に平行な
方向の偏光方向を有する直線偏光を透過させるように偏
光板6の偏光方向10が設定され、一方、偏光板7にお
いては紙面に垂直な方向の偏光方向を有する直線偏光を
透過させるように偏光板7の偏光方向11が設定されて
いる。
【0047】表示装置1を発して右眼視線12aに沿っ
て進行する光は、偏光板6を透過することにより、紙面
に平行な直線偏光となる。次に、第1の偏光回転複スリ
ット4の偏光方向を右回りに90°回転する領域16を
透過するので、偏光方向は90°回転して紙面に垂直と
なる。その後、第2の偏光回転複スリット5の偏光方向
を変化させない領域17に入射するので、偏光方向は変
化を受けることなくこれを透過する。したがって、偏光
方向が紙面に垂直な偏光板7を透過することができ、観
察者の右眼2の右眼視線12aは、表示装置1に表示さ
れた右眼用画像に到達することになる。
【0048】また、右眼視線13bに沿って進行する光
は、まず偏光板6を透過して偏光方向が紙面に平行な直
線偏光となる。次に、第1の偏光回転複スリット4の偏
光方向を変化させない領域17に入射するので、偏光方
向は紙面に平行のまま透過する。その後、第2の偏光回
転複スリット5の偏光方向を左回りに90°回転する領
域18に入射するので、偏光方向は90°回転して、紙
面に垂直となる。したがって、偏光方向が紙面に垂直な
偏光板7を透過することができ、観察者の右眼2の右眼
視線13bは、表示装置1に表示された右眼用画像に到
達することになる。
【0049】表示装置1と観察者の右眼2とを結ぶ全て
の視線は、以上説明した右眼視線12aか右眼視線13
bのいずれかであり、表示装置1を発して右眼2に向か
って進行する光は全てこのような偏光変化を受けるの
で、結局、観察者の右眼2は表示装置1に表示された右
眼用画像を見ることができる。
【0050】一方、表示装置1を発して左眼視線14a
に沿って進行する光は、まず偏光板6を透過して偏光方
向が紙面に平行な直線偏光となる。次に、第1の偏光回
転複スリット4の偏光方向を変化させない領域17に入
射するので、偏光方向は変化せずに紙面に平行のまま透
過する。さらに、第2の偏光回転複スリット5の偏光方
向を変化させない領域17をそのまま透過した後に、偏
光板7に入射するが、偏光板7の偏光方向11は紙面に
垂直であるため、これを透過することはできない。した
がって、観察者の左眼3の左眼視線14aは、表示装置
1に表示された右眼用画像に到達することができない。
【0051】また、左眼視線15bに沿って進行する光
は、まず偏光板6を透過して偏光方向が紙面に平行な直
線偏光となる。次に、第1の偏光回転複スリット4の偏
光方向を右回りに90°回転する領域16に入射するの
で、偏光方向は90°回転し、紙面に垂直な偏光とな
る。その後、第2の偏光回転複スリット5の偏光方向を
左回りに90°回転する領域18に入射するので、再び
偏光方向は90°回転して紙面に平行な偏光に戻され
る。そして偏光板7に入射するが、偏光板7の偏光方向
11は紙面に垂直であるため、これを透過することはで
きない。したがって、観察者の左眼3の左眼視線15b
は、表示装置1に表示された右眼用画像に到達すること
ができない。
【0052】表示装置1と観察者の左眼3とを結ぶ全て
の視線は、以上説明した左眼視線14aか左眼視線15
bのいずれかであり、表示装置1を発して左眼3に向か
って進行する光は全てこのような偏光変化を受けるの
で、結局、観察者の左眼3では表示装置1に表示された
右眼用画像を見ることができない。
【0053】したがって、表示装置1に右眼用画像が表
示されている時には、観察者は右眼2のみで画像を見る
ことになる。
【0054】次に、表示装置1に左眼用画像が表示され
る場合について説明する。
【0055】図2(b)は、表示装置1に左眼用画像を
表示している状態を示す。同図(b)において、第2の
偏光回転複スリット5は、図2(a)と同じ位置にあ
る。一方、第1の偏光回転複スリット4は、図1に示し
た移動機構8により、偏光方向を右回りに90゜回転す
る領域16と偏光方向を変化させない領域17との位置
が図2(a)の状態と比べて逆になるように、平行に移
動されている。
【0056】図2(b)において、表示装置1を発して
右眼視線12aに沿って進行する光は、まず偏光板6を
透過して偏光方向が紙面に平行な直線偏光となる。その
後、第1の偏光回転複スリット4、および第2の偏光回
転複スリット5の偏光方向を変化させない領域17をそ
のまま透過して、偏光板7に入射するが、偏光板7の偏
光方向11は紙面に垂直であるため、これを透過するこ
とはできない。したがって、観察者の右眼2の右眼視線
12aは、表示装置1に表示された左眼用画像に到達す
ることができない。
【0057】また、右眼視線13bに沿って進行する光
は、まず偏光板6において、偏光方向が紙面に平行な直
線偏光に変換された後、第1の偏光回転複スリット4の
偏光方向を右回りに90゜回転する領域16に入射し
て、偏光方向は90゜回転し、紙面に垂直な偏光にな
る。その後、第2の偏光回転複スリット5の偏光方向を
左回りに90゜回転する領域18を透過して、偏光方向
は90゜回転し、再び偏光方向が紙面に水平な偏光に戻
される。そして、偏光板7に入射するが、偏光板7の偏
光方向11は紙面に垂直であるので、これを透過するこ
とはできない。したがって、観察者の右眼視線13b
は、表示装置1に表示された左眼用画像に到達すること
ができない。
【0058】表示装置1と観察者の右眼2とを結ぶ全て
の視線は、以上説明した右眼視線12aか右眼視線13
bのいずれかであり、表示装置1を発して右眼2に向か
って進行する光は全てこのような偏光変化を受けるの
で、結局、観察者の右眼12は表示装置1に表示された
左眼用画像を見ることができない。
【0059】一方、左眼視線14aに沿って進行する光
は、まず偏光板6において、偏光方向が紙面に平行な直
線偏光に変換された後、第1の偏光回転複スリット4の
偏光方向を右回りに90°回転する領域16に入射し
て、偏光方向は90°回転し、紙面に垂直な偏光とな
る。その後、第2の偏光回転複スリット5の偏光方向を
変換させない領域17に入射するので、偏光方向は変化
せずに紙面に垂直なままこれを透過する。そして、偏光
板7に入射するが、偏光板7の偏光方向11は紙面に垂
直であるので、これを透過することができる。したがっ
て、観察者の左眼3の左眼視線14aは、表示装置1に
表示された左眼用画像に到達することができる。
【0060】また、左眼視線b15に沿って進行する光
は、まず偏光板6を透過して偏光方向が紙面に平行な直
線偏光に変換される。次に、第1の偏光回転複スリット
4の偏光方向を変化させない領域17に入射するので、
偏光方向は変化せずに紙面に平行のままこれを透過す
る。その後、第2の偏光回転複スリット5の偏光方向を
左回りに90°回転する領域18に入射するので、偏光
方向は90°回転し、紙面に垂直になる。そして偏光板
7に入射するが、偏光板7の偏光方向11は紙面に垂直
であるので、これを透過することができる。したがっ
て、観察者の左眼3の左眼視線15bは、表示装置1に
表示された左眼用画像に到達することができる。
【0061】表示装置1と観察者の左眼3とを結ぶ全て
の視線は、以上説明した左眼視線14aか左眼視線15
bのいずれかであり、表示装置1を発して左眼3に向か
って進行する光は全てこのような偏光変化を受けるの
で、結局、観察者の左眼3は表示装置1に表示された左
眼用画像を見ることができる。
【0062】したがって、表示装置1に左眼用画像が表
示されている時には、観察者は左眼3のみで画像を見る
ことになる。
【0063】以上詳しく説明したように、両眼視差情報
を有する右眼用画像と左眼用画像を、図1に示したよう
に、右眼2と左眼3とでそれぞれ独立に見ることになる
ので、立体視が可能になる。
【0064】図3は、本実施形態の立体表示装置による
効果を説明するための図である。図3は、偏光板6を透
過した光が、偏光方向を右回りに90°回転する領域と
偏光方向を変化させない領域を透過した場合と、偏光方
向を変化させない領域と偏光方向を左回りに90°回転
する領域を透過した場合と、偏光方向を右回りに90°
回転する領域と偏光方向を左回りに90°回転する領域
を透過した場合と、偏光方向を変化させない領域を2回
透過した場合のそれぞれに対し、偏光板7を透過した光
の分光透過率を示している。
【0065】偏光方向を右回り、または左回りに90°
回転する領域には液晶などの複屈折性のある物質を用い
ている。 前述したように、偏光方向を90°回転させ
る物質の複屈折には波長依存性がある。そのため、特定
の波長の光に対しては、完全に偏光方向を90°回転さ
せることができるが、その前後の波長の光に対しては、
完全に偏光方向を90°回転させることはできない。
【0066】ここで、図3において、偏光方向を右回り
に90°回転する領域と偏光方向を変化させない領域を
透過した場合と、偏光方向を変化させない領域と偏光方
向を左回りに90°回転する領域を透過した場合、すな
わち、右眼2、または左眼3がそれぞれの眼用の画像を
観察する場合(図2(a)に示した右眼視線12a、1
3bと、図2(b)に示した左眼視線14a、15bと
に相当する。)には、複屈折の波長依存性の影響を受け
るため、可視光全域において透過率は一様にはならな
い。ただし、隣接する右眼視線12aと右眼視線13
b、あるいは隣接する左眼視線14aと左眼視線15b
のそれぞれに沿って進行する光は、複屈折の波長依存性
による影響を等しく受けるため、明るさや色の差異とし
ては認識されない。
【0067】一方、右眼2、または左眼3が逆の眼用の
画像を観察しない場合には、偏光方向を変化させない領
域を2回透過した場合(図2(a)に示した左眼視線1
4aと図2(b)に示した右眼視線12aに相当す
る。)と、偏光方向を右回りに90°回転する領域と偏
光方向を左回りに90°回転する領域を透過した場合
(図2(a)に示した左眼視線15bと図2(b)に示
した右眼視線13bに相当する。)のいずれかになる。
図3において、偏光方向を変化させない領域を2回透過
した場合には、複屈折の波長依存性の影響を受けないた
め、可視光全域において透過率は一様に0となる。さら
に、偏光方向を右回りに90°回転する領域と、偏光方
向を左回りに90°回転する領域とを透過した場合、偏
光方向を90°回転する領域を2回透過することになる
が、右回りと左回りに偏光方向を回転させるため、偏光
方向の回転角度は0°となる。この場合には、複屈折の
波長依存性による影響は、光学的に補償され、可視光全
域において透過率は0になる。
【0068】したがって、観察者は、右眼2、または左
眼3でそれぞれ逆の眼用の画像を観察することはない。
このように、逆の眼用の画像が見えない場合、すなわち
左右画像のクロストークが十分小さい場合は、観察者は
良好な立体画像を観察することができる。
【0069】次に、図1に示した第1の実施形態の構成
についてさらに具体的に説明する。
【0070】表示装置1は、20型のCRTであり、蛍
光体は短残光性のものが使用されている。立体画像を表
示する場合、画面の更新は120Hzで行われ、1秒間
に右眼用画像と左眼用画像がそれぞれ60画面、交互に
表示される。
【0071】偏光板6、7は、ポリビニルアルコールフ
ィルムを引っ張ることにより分子の配列を一方向に揃え
たうえで、このようなフィルムにヨウ素などを吸着させ
ることにより偏光膜を作製し、両面に保護のためのトリ
アセテートフィルムを粘着した構造である。なお、前記
フィルムにヨウ素を吸着させる際、ヨウ素の分子は前記
フィルムの分子の配列方向に揃えられている。また、図
1において、偏光板6は第1の偏光回転複スリット4か
ら離して配置し、偏向板7は第2の偏光回転複スリット
5から離して配置してあるが、実際には、それぞれに貼
合わせて用いている。
【0072】第1、第2の偏光回転複スリット4、5
は、2枚のガラス基板に、それぞれストライプ状の透明
電極を設け、所望の液晶配向処理を施した後、ギャップ
を設けて貼合わせ、さらにギャップに液晶を注入し、封
止したものである。液晶は、ツイステッド・ネマティッ
ク液晶を用いており、第1の偏光回転複スリット4には
右カイラルのカイラル剤を、第2の偏光回転複スリット
5には左カイラルのカイラル剤を添加している。
【0073】第1の偏光回転複スリット4では、液晶に
電圧が印加されていない領域は、入射した直線偏光の偏
光方向を右回りに90゜回転する領域16になり、液晶
に十分な電圧を印加した領域は、偏光方向を変化させな
い領域17になる。第2の偏光回転複スリット5では、
液晶に電圧が印加されていない領域は、入射した直線偏
光の偏光方向を左回りに90゜回転する領域18にな
り、液晶に十分な電圧を印加した領域は、偏光方向を変
化させない領域17になる。観察者の観察位置を、第2
の偏光回転複スリット5から60cmに設定しており、
この場合、第1の偏光回転複スリット4の各偏光方向を
右回りに90゜回転する領域16と各偏光方向を変化さ
せない領域17の中心間距離は、約0.2006mmで
ある。また、第2の偏光回転複スリット5の各偏光方向
を左回りに90゜回転する領域18と各偏光方向を変化
させない領域17の中心間距離は、0.2mmである。
そして本形態の装置は、第1、第2の偏光回転複スリッ
ト4、5のそれぞれの各領域の境界部分に0.01mm
の遮光領域を設けることで、光の回折の影響を防止した
り、位置合わせ精度のマージンを確保している。このこ
とは、観察者が観察位置からわずかに左右に動いた時の
左右画像のクロストークを低減させるのに効果的であ
る。また、第1の偏光回転複スリット4と第2の偏光回
転複スリット5との光学的間隔は約1.8519mmで
あり、第1の偏光回転複スリット4のストライプ状の領
域16および領域17と、第2の偏光回転複スリット5
のストライプ状の領域18および領域17とが互いに平
行になるように配置されている。
【0074】移動機構8は圧電アクチュエータ等から構
成され、第1の偏光回転複スリット4を、偏光方向を右
回りに90゜回転する領域16と偏光方向を変化させな
い領域17の中心間距離分だけ平行に移動させる。図に
は明示していないが、移動機構8には、表示装置1に入
力する映像信号から垂直同期信号を検出し、そのタイミ
ングで圧電アクチュエータを駆動する回路を用いてお
り、例えば右眼用画像が表示される奇数フィールドの時
には図2(a)に示す位置に移動させ、左眼用画像が表
示される偶数フィールドの時には図2(b)に示す位置
に第1の偏光回転複スリット4を移動させる。
【0075】以上の構成部品からなる、本発明に係わる
立体表示装置は、眼鏡をかけずに、しかも現状の表示装
置1をそのまま使用して立体視を可能にする。そして、
第1の偏光回転複スリット4と第2の偏光回転複スリッ
ト5と偏光板6、7と移動機構8とをひとつのユニット
にしておけば、立体画像と2次元画像の切り換えを、表
示装置1とそのユニットとを着脱するだけで、容易に行
うことができる。この場合に、特に正確な位置合わせを
必要としない。さらに、偏光を変化させる領域を2回透
過する際に、複屈折の波長依存性の影響が打ち消される
ので、本来観察しないはずの逆の眼用の画像が見えると
いう現象が無くなる。すなわち、左右画像のクロストー
クを低減できるので、観察者は良好な立体画像を観察で
きる。
【0076】本実施の形態のように、第1、第2の偏光
回転複スリット4、5にそれぞれ液晶などを用い、電気
的に偏光を変化させる領域を制御できる場合には、立体
画像と2次元画像を切り替える際、前述したユニットの
着脱という手段の他に、以下の画像切換え手段も可能で
ある。
【0077】図4は、2次元画像を観察するときの動作
説明図である。他の画像切換え手段として、図4(a)
に示すように、第1の偏光回転複スリット4の全ての領
域が、偏光方向を右回りに90°回転する領域16に変
換され、一方、第2の偏光回転複スリット5の全ての領
域が、偏光方向を変化させない領域17に変換される。
または、図4(b)に示すように、第1の偏光回転複ス
リット4の全ての領域が、偏光方向を変化させない領域
17に変換され、一方、第2の偏光回転複スリット5の
全ての領域が偏光方向を左回りに90°回転する領域1
8に変換される。この様に制御されると、表示装置1を
発し右眼視線12a、13b、および左眼視線14a、
15bに沿って進む光は、偏光板6、7の各々で吸収さ
れる分を除き、全てそれぞれ右眼2、左眼3に到達す
る。したがって、観察者は右眼2、左眼3で同時に、表
示装置1に表示された2次元画像を観察することができ
る。
【0078】さらに、例えば表示装置1の画面の右半分
に立体画像を、左半分に2次元画像を表示させる場合に
は、第1、第2の偏光回転複スリット4、5を、画面の
右半分では図2に示す状態、画面の左半分では図4に示
す状態にすることによって、2次元画像と立体画像を混
在表示させることも可能である。
【0079】以上の第1の実施例において、移動機構8
を第2の偏光回転複スリット5に取り付けるように変更
しても同様の効果が得られる。また、移動機構8を、第
1の偏光回転複スリット4と第2の偏光回転複スリット
5の両方に取り付け、それぞれの移動機構による相対的
変位が、図2に示した1個の移動機構の移動量に相当す
る分になるように、互いに反対方向に移動させてもよ
い。
【0080】また、完全に平行に移動させる方式に代
え、表示装置1の左右画像を書き換える走査タイミング
に合わせて順次移動させることにより、左右画像のクロ
ストークをいっそう低減できる。すなわち、左右画像の
書き換えが始められるときに、第1の偏光回転複スリッ
ト4を傾けてスリット4の上側を先に移動させ、書き換
え終了時にスリット4の下側を完全に移動させて、第1
の偏光回転複スリット4のストライプを垂直に戻す方式
である。なお、スリット4の上側から先に移動させるの
は、左右画像の書き換えは画面上側から垂直走査される
のが一般的だからである。さらに、移動する側の偏光回
転複スリットを、左右画像を書き換える際の走査方向に
沿って複数に分割し、左右画像の書き換えに同期させて
各分割偏光回転複スリットを順次移動させるようにして
もよい。
【0081】第1、第2の偏光回転複スリット4、5に
用いた液晶は、ツイステッド・ネマティック液晶に限定
されるものではなく、入射光に所望の位相差を与える複
屈折制御型の液晶、例えば、偏光板6の偏光方向10に
対し45°のなす角度に液晶を平行配向処理したネマテ
ィック液晶などを用いてもよい。さらに、PLZT等の
電気光学素子を利用してもよい。またスリット4、5
は、所望の複屈折性を有するように一方向に引き延ばし
たポリビニルアルコールフィルム等をストライプ状にパ
ターン化して、偏光を回転する領域と偏光を変化させな
い領域を形成したものでもよい。これは、フィルム基板
を引っ張ることにより分子の配列が一方向に揃うと同時
に、分子の長軸方向と短軸方向の屈折率に差ができ、複
屈折性が生じることを利用したものである。この場合に
は、偏光を回転する領域と偏光を変化させない領域とを
電気的に切換えることはできないので、立体画像と2次
元画像の切り替えにはユニットを着脱する手段のみが可
能である。ただし、液晶を利用する場合に比べ、フィル
ムを支持する基板が各1枚となるため、重量が半分程度
に軽量化される。
【0082】また、第1の偏光回転複スリット4、およ
び第2の偏光回転複スリット5の偏光方向を右回りに回
転する領域16と偏光方向を左回りに回転する領域17
をそれぞれ入れ替えても同様の効果が得られる。
【0083】[第2の実施例]図5は、本発明の立体表
示装置の第2の実施形態を示す平面図である。この図を
含め本形態の説明に用いる図面では、第1の実施形態と
同一の構成部分に同一符号が付してある。この立体表示
装置は、表示装置1と、表示装置1の前面に対向して配
置された偏光板6および7と、偏光板6、7間に対向配
置された第1および第2の偏光変換複スリット24、2
5と、第1の偏光変換複スリット24に接続された移動
機構9とから構成される。
【0084】次に、図5に示した立体表示装置の動作を
図6を参照して説明する。図6(a)、(b)は、それ
ぞれ図5(a)、(b)を拡大して示した動作説明図で
ある。
【0085】表示装置1には、両眼視差情報を有する右
眼用画像と左眼用画像がフィールド毎に交互に表示さ
れ、図6(a)は、表示装置1が右眼用画像を表示して
いる状態を示す。
【0086】第1の偏光変換複スリット24は、入射し
た直線偏光の偏光方向を右回りの円偏光に変換するため
の位相差が+λ/4(1/4波長)である領域26と、
入射した直線偏光の偏光方向を左回りの円偏光に変換す
るための位相差が−λ/4である領域27とがストライ
プ状に形成されたものである。また、第2の偏光変換複
スリット25は、入射した右回りの円偏光を垂直方向の
直線偏光に変換するか、入射した左回りの円偏光を水平
方向の直線偏光に変換するための位相差が+λ/4であ
る領域26と、入射した右回りの円偏光を水平方向の直
線偏光に変換するか、入射した左回りの円偏光を垂直方
向の直線偏光に変換するための位相差が−λ/4である
領域27とがストライプ状に形成されたものである。第
1の偏光変換複スリット24と第2の偏光変換複スリッ
ト25の間隔、および前記スリット24、25の各々に
おけるストライプ状の領域26と領域27の中心間距離
は、観察者のある設定された観察位置から幾何学的に決
定されている。
【0087】図6(a)に示すように、観察者の右眼2
からの視線は、右眼視線12aに示すように第2の偏光
変換複スリット25の位相差が+λ/4である領域26
を通り、かつ第1の偏光変換複スリット24の位相差が
+λ/4である領域26を通るか、または右眼視線13
bに示すように第2の偏光変換複スリット25の位相差
が−λ/4である領域27を通り、かつ第1の偏光変換
複スリット24の位相差が−λ/4である領域27を通
るかのいずれかである。観察者の左眼3からの視線は、
左眼視線14aに示すように第2の偏光変換複スリット
25の位相差が+λ/4である領域26を通り、かつ第
1の偏光変換複スリット24の位相差が−λ/4である
領域27を通るか、または左眼視線15bに示すように
第2の偏光変換複スリット25の位相差が−λ/4であ
る領域27を通り、かつ第1の偏光変換複スリット24
の位相差が+λ/4である領域26を通るかのいずれか
になるように設定されている。
【0088】そして、偏光板6においては紙面に平行な
方向の偏光方向を有する直線偏光を透過させるように偏
光板6の偏光方向10が設定され、一方、偏光板7にお
いては紙面に垂直な方向の偏光方向を有する直線偏光を
透過させるように偏光板6の偏光方向11が設定されて
いる。
【0089】表示装置1を発して右眼視線12aに沿っ
て進行する光は、偏光板6を透過することにより、紙面
に平行な直線偏光となる。次に、第1の偏光変換複スリ
ット24の位相差が+λ/4である領域26を透過する
ので、右回りの円偏光となる。その後、第2の偏光変換
複スリット25の位相差が+λ/4である領域26に入
射するので、偏光方向が垂直な直線偏光になる。したが
って、偏光方向が紙面に垂直な偏光板7を透過すること
ができ、観察者の右眼2の右眼視線12aは、表示装置
1に表示された右眼用画像に到達することになる。
【0090】また、右眼視線13bに沿って進行する光
は、まず偏光板6を透過して偏光方向が紙面に平行な直
線偏光となる。次に、第1の偏光変換複スリット24の
位相差が−λ/4である領域27に入射するので、左回
りの円偏光となる。その後、第2の偏光変換複スリット
25の位相差が−λ/4である領域27に入射するの
で、偏光方向が垂直な直線偏光となる。したがって、偏
光方向が紙面に垂直な偏光板7を透過することができ、
観察者の右眼2の右眼視線13bは、表示装置1に表示
された右眼用画像に到達することになる。
【0091】表示装置1と観察者の右眼2とを結ぶ全て
の視線は、以上説明した右眼視線12aか右眼視線13
bのいずれかであり、表示装置1を発して右眼2に向か
って進行する光は全てこのような偏光変化を受けるの
で、結局、観察者の右眼2は表示装置1に表示された右
眼用画像を見ることができる。
【0092】一方、表示装置1を発して左眼視線14a
に沿って進行する光は、まず偏光板6を透過して偏光方
向が紙面に平行な直線偏光となる。次に、第1の偏光変
換複スリット24の位相差が−λ/4である領域27に
入射するので、左回りの円偏光になる。その後、第2の
偏光変換複スリット25の位相差が+λ/4である領域
26に入射するので偏光方向が水平の直線偏光に戻され
る。そして、偏光板7に入射するが、偏光板7の偏光方
向11は紙面に垂直であるため、これを透過することは
できない。したがって、観察者の左眼3の左眼視線14
aは、表示装置1に表示された右眼用画像に到達するこ
とができない。
【0093】また、左眼視線15bに沿って進行する光
は、まず偏光板6を透過して偏光方向が紙面に平行な直
線偏光となる。次に、第1の偏光変換複スリット24の
位相差が+λ/4である領域26に入射するので、右回
りの円偏光になる。その後、第2の偏光変換複スリット
25の位相差が−λ/4である領域27に入射するの
で、再び偏光方向が紙面に平行な直線偏光に戻される。
そして偏光板7に入射するが、偏光板7の偏光方向11
は紙面に垂直であるため、これを透過することはできな
い。したがって、観察者の左眼3の左眼視線15bは、
表示装置1に表示された右眼用画像に到達することがで
きない。
【0094】表示装置1と観察者の左眼3とを結ぶ全て
の視線は、以上説明した左眼視線14aか左眼視線15
bのいずれかであり、表示装置1を発して左眼3に向か
って進行する光は全てこのような偏光変化を受けるの
で、結局、観察者の左眼3では表示装置1に表示された
右眼用画像を見ることができない。
【0095】したがって、表示装置1に右眼用画像が表
示されている時には、観察者は右眼2のみで画像を見る
ことになる。
【0096】次に、表示装置1に左眼用画像が表示され
る場合について説明する。
【0097】図6(b)は、表示装置1に左眼用画像を
表示している状態を示す。ここで、第2の偏光変換複ス
リット25は、図6(a)と同じ位置にある。一方、第
1の偏光変換複スリット24は、移動機構9により、位
相差が+λ/4である領域26と位相差が−λ/4であ
る領域27との位置が、図6(a)の状態と比べて逆に
なるように平行に移動されている。
【0098】図6(b)において、表示装置1を発して
右眼視線12aに沿って進行する光は、まず偏光板6を
透過して偏光方向が紙面に平行な直線偏光となる。その
後、第1の偏光変換複スリット24の位相差が−λ/4
である領域27に入射するので、左回りの円偏光にな
る。その後、第2の偏光変換複スリット25の位相差が
+λ/4である領域26に入射するので偏光方向が水平
の直線偏光に戻される。そして、偏光板7に入射する
が、偏光板7の偏光方向11は紙面に垂直であるため、
これを透過することはできない。したがって、観察者の
右眼2の右眼視線12aは、表示装置1に表示された左
眼用画像に到達することができない。
【0099】また、右眼視線13bに沿って進行する光
は、まず偏光板6において、偏光方向が紙面に平行な直
線偏光に変換された後、第1の偏光変換複スリット24
の位相差が+λ/4である領域26に入射するので、右
回りの円偏光になる。その後、第2の偏光変換複スリッ
ト25の位相差が−λ/4である領域27に入射するの
で、再び偏光方向が紙面に平行な直線偏光に戻される。
そして偏光板7に入射するが、偏光板7の偏光方向11
は紙面に垂直であるため、これを透過することはできな
い。したがって、観察者の右眼2の右眼視線13bは、
表示装置1に表示された左眼用画像に到達することがで
きない。
【0100】表示装置1と観察者の右眼2とを結ぶ全て
の視線は、以上説明した右眼視線12aか右眼視線13
bのいずれかであり、表示装置1を発して右眼2に向か
って進行する光は全てこのような偏光変化を受けるの
で、結局、観察者の右眼12は表示装置1に表示された
左眼用画像を見ることができない。
【0101】一方、左眼視線14aに沿って進行する光
は、まず偏光板6において、偏光方向が紙面に平行な直
線偏光に変換された後、第1の偏光変換複スリット24
の位相差が+λ/4である領域26を透過するので、右
回りの円偏光となる。その後、第2の偏光変換複スリッ
ト25の位相差が+λ/4である領域26に入射するの
で、偏光方向が垂直な直線偏光になる。そして、偏光板
7に入射するが、偏光板7の偏光方向11は紙面に垂直
であるので、これを透過することができる。したがっ
て、観察者の左眼3の左眼視線14aは、表示装置1に
表示された左眼用画像に到達することができる。
【0102】また、左眼視線15bに沿って進行する光
は、まず偏光板6を透過して偏光方向が紙面に平行な直
線偏光に変換される。次に、第1の偏光変換複スリット
24の位相差が−λ/4である領域27に入射するの
で、左回りの円偏光となる。その後、第2の偏光変換複
スリット25の位相差が−λ/4である領域27に入射
するので、偏光方向が垂直な直線偏光となる。そして偏
光板7に入射するが、偏光板7の偏光方向11は紙面に
垂直であるので、これを透過することができる。したが
って、観察者の左眼3の左眼視線15bは、表示装置1
に表示された左眼用画像に到達することができる。
【0103】表示装置1と観察者の左眼3とを結ぶ全て
の視線は、以上説明した左眼視線14aか左眼視線15
bのいずれかであり、表示装置1を発して左眼3に向か
って進行する光は全てこのような偏光変化を受けるの
で、結局、観察者の左眼3は表示装置1に表示された左
眼用画像を見ることができる。
【0104】したがって、表示装置1に左眼用画像が表
示されている時には、観察者は左眼3のみで画像を見る
ことになる。
【0105】以上詳しく説明したように、両眼視差情報
を有する右眼用画像と左眼用画像を、図5に示したよう
に、右眼2と左眼3とでそれぞれ独立に見ることになる
ので、立体視が可能になる。
【0106】図7は、本実施形態の立体表示装置による
効果を説明するための図である。図7は、偏光板6を透
過した光が、位相差が+λ/4である領域を2回透過し
た場合と、位相差が−λ/4である領域を2回透過した
場合と、位相差が+λ/4である領域と位相差が−λ/
4である領域とを透過した場合と、位相差が−λ/4で
ある領域と位相差が+λ/4である領域とを透過した場
合のそれぞれに対し、偏光板7を透過した光の分光透過
率を示している。
【0107】偏光状態を変換する、位相差が+λ/4、
または−λ/4である領域には、液晶などの複屈折性の
ある物質を用いている。 複屈折には波長依存性がある
ため、特定の波長の光に対しては、所望の偏光状態に変
換することができるが、その前後の波長の光に対して
は、それとは異なる偏光状態になる。
【0108】ここで、図7において、位相差が+λ/4
である領域を2回透過した場合と、位相差が−λ/4で
ある領域を2回透過した場合、つまり、2回の透過で位
相差が+λ/2、または−λ/2になる場合、偏光方向
は90°回転する。この場合、すなわち、右眼2、また
は左眼3がそれぞれの眼用の画像を観察する場合(図6
(a)に示した右眼視線12a、13bと、図6(b)
に示した左眼視線14a、15bに相当する。)には、
複屈折の波長依存性の影響を受けるため、可視光全域に
おいて透過率は一様にはならない。ただし、隣接する右
眼視線12aと右眼視線13b、あるいは隣接する左眼
視線14aと左眼視線15bのそれぞれに沿って進行す
る光は、複屈折の波長依存性による影響を等しく受ける
ため、明るさや色の差異としては認識されない。
【0109】一方、右眼2、または左眼3が逆の眼用の
画像を観察しない場合には、位相差が−λ/4である領
域と位相差が+λ/4である領域を透過した場合(図6
(a)に示した左眼視線14aと図6(b)に示した右
眼視線12aとに相当する。)と、位相差が+λ/4の
領域と位相差が−λ/4の領域を透過した場合(図6
(a)に示した左眼視線15bと図6(b)に示した右
眼視線13bに相当する。)のいずれかになる。これら
の場合、結局、偏光方向の回転角度は0°となり、しか
も複屈折の波長依存性による影響は、光学的に補償され
るので、図7に示すように、可視光全域において透過率
は0になる。
【0110】したがって、観察者は、右眼2、または左
眼3でそれぞれ逆の眼用の画像を観察することはない。
このように、逆の眼用の画像が見えない場合、すなわち
左右画像のクロストークが十分小さい場合、観察者は良
好な立体画像を観察することができる。
【0111】次に、図5に示した第2の実施形態の構成
についてさらに具体的に説明する。
【0112】図5に示した第2の実施形態で使用した表
示装置1、および偏光板6、7は、第1の実施例で使用
した表示装置1、および偏光板6、7と同じものであ
る。
【0113】第1、第2の偏光変換複スリット24、2
5は、2枚のガラス基板に、それぞれストライプ状に異
なる液晶配向処理を施した後、ギャップを設けて貼合わ
せ、さらにギャップに液晶を注入し、封止したものであ
る。液晶は、ネマティック液晶を用いており、第1の偏
光変換複スリット24において、偏光板6の偏光方向1
0に対し+45°のなす角度に液晶分子を平行配向処理
した領域は、位相差が+λ/4である領域26になり、
入射した直線偏光を右回りの円偏光に変換する。そし
て、偏光板6の偏光方向10に対し−45°のなす角度
に液晶分子を平行配向処理した領域は、位相差が−λ/
4である領域27になり、入射した直線偏光を左回りの
円偏光に変換する。また、第2の偏光変換複スリット2
5において、偏光板6の偏光方向10に対し+45°の
なす角度に液晶分子を平行配向処理した領域は、位相差
が+λ/4である領域26になり、入射した右回りの円
偏光を紙面に垂直な直線偏光に変換したり、入射した左
回りの円偏光を紙面に平行な直線偏光に戻す。そして、
偏光板6の偏光方向10に対し−45°のなす角度に液
晶分子を平行配向処理した領域は、位相差が−λ/4で
ある領域27になり、入射した左回りの円偏光を紙面に
垂直な直線偏光に変換したり、入射した右回りの円偏光
を紙面に平行な直線偏光に戻す。観察者の観察位置を、
第2の偏光変換複スリット25から60cmに設定して
おり、この場合、第1の偏光変換複スリット24の各位
相差が+λ/4である領域26と各位相差が−λ/4で
ある領域27の中心間距離は、約0.2006mmであ
る。また、第2の偏光変換複スリット25の各位相差が
+λ/4である領域26と各位相差が−λ/4である領
域27の中心間距離は、0.2mmである。そして、第
1、第2の偏光変換複スリット24、25のそれぞれの
各領域の境界部分に0.01mmの遮光領域を設けるこ
とで、光の回折の影響を防止したり、位置合わせ精度の
マージンを確保している。このことは、観察者が観察位
置からわずかに左右に動いた時の左右画像のクロストー
クを低減させるのに効果的である。また、第1の偏光回
転複スリット4と第2の偏光回転複スリット5との光学
的間隔は約1.8519mmであり、前記スリット24
のストライプ状の領域26および領域27と、前記スリ
ット25のストライプ状の領域26および27とが互い
に平行になるように配置している。
【0114】移動機構9は、圧電アクチュエータ等から
構成され、第1の偏光変換複スリット24を、位相差が
+λ/4である領域26と位相差が−λ/4である領域
27の中心間距離分だけ平行に移動させる。図には明示
していないが、移動機構9には、表示装置1に入力する
映像信号から垂直同期信号を検出し、そのタイミングで
圧電アクチュエータを駆動する回路を用いており、例え
ば右眼用画像が表示される奇数フィールドの時には図6
(a)に示す位置に、また、左眼用画像が表示される偶
数フィールドの時には図6(b)に示す位置に第1の偏
光変換複スリット24を移動させる。
【0115】以上の構成部品からなる、本発明に係わる
立体表示装置は、眼鏡をかけずに、しかも現状の表示装
置1をそのまま使用して立体視を可能にする。そして、
第1の偏光変換複スリット24と第2の偏光変換複スリ
ット25と偏光板6、7と移動機構9とをひとつのユニ
ットにしておけば、立体画像と2次元画像の切り換え
を、表示装置1とそのユニットとを着脱するだけで、容
易に行うことができる。この場合に、特に正確な位置合
わせを必要としない。さらに、位相差が+λ/4である
領域と位相差が−λ/4である領域とを透過する際に、
複屈折の波長依存性の影響が打ち消されるので、本来観
察しないはずの、逆の眼用の画像が見えるという現象が
無くなる。すなわち、左右画像のクロストークを低減で
きるので、観察者は良好な立体画像を観察できる。
【0116】以上の第2の実施形態において、移動機構
9を第2の偏光変換複スリット25に取り付けるように
変更しても同様の効果が得られる。また、移動機構9
を、第1の偏光変換複スリット24と第2の偏光変換複
スリット25の両方に取り付け、それぞれの移動機構に
よる相対的変位が、図6に示した1個の移動機構の移動
量に相当する分になるように、互いに反対方向に移動さ
せてもよい。
【0117】また、完全に平行に移動させる方式に代
え、表示装置1の左右画像を書き換える走査タイミング
に合わせて順次移動させることにより、左右画像のクロ
ストークをいっそう低減できる。すなわち、左右画像の
書き換えが始められるときに、第1の偏光回転複スリッ
ト24を傾けてスリット24の上側を先に移動させ、書
き換え終了時にスリット24の下側を完全に移動させ
て、第1の偏光回転複スリット24のストライプを垂直
に戻す方式である。なお、スリット24の上側から先に
移動させるのは、左右画像の書き換えは画面上側から垂
直走査されるのが一般的だからである。さらに、移動す
る側の偏光回転複スリットを、左右画像を書き換える際
の走査方向に沿って複数に分割し、左右画像の書き換え
に同期させて各分割偏光回転複スリットを順次移動させ
るようにしてもよい。
【0118】第1、第2の偏光変換複スリット24、2
5に用いた液晶は、ネマティック液晶に限定されるもの
ではなく、入射光に所望の位相差を与える複屈折制御型
の液晶などを用いてもよい。さらに、PLZT等の電気
光学素子を利用してもよい。またスリット24、25
は、所望の複屈折性を有するように一方向に引き伸ばし
たポリビニルアルコールフィルム等をストライプ状にパ
ターン化して、位相差が+λ/4である領域と位相差が
−λ/4である領域とを形成したものでもよい。これ
は、フィルム基板を引っ張ることにより分子の配列を揃
えると共に、分子の長軸方向と短軸方向の屈折率に差が
でき、複屈折性が生じることを利用したものである。
【0119】[第3の実施形態]図8は、本発明の立体
表示装置の第3の実施形態を示す平面図である。この図
を含め本形態の説明に用いる図面では、第1の実施形態
と同一の構成部分に同一符号が付してある。この立体表
示装置は、表示装置1と、表示装置1の前面に対向して
配置された偏光板6および7と、偏光板6、7間に対向
配置された偏光回転スイッチアレイ34と、偏光回転複
スリット35とから構成される。
【0120】次に、図8に示した立体表示装置の動作を
図9を参照して説明する。図9(a)、(b)は、それ
ぞれ図8(a)、(b)を拡大して示した動作説明図で
ある。
【0121】表示装置1には、両眼視差情報を有する右
眼用画像と左眼用画像がフィールド毎に交互に表示さ
れ、図9(a)は、表示装置1が右眼用画像を表示して
いる状態を示す。
【0122】偏光回転スイッチアレイ34は、入射した
直線偏光の偏光方向を右回りに90゜回転する領域36
と、偏光方向を変化させない領域37とがストライプ状
に形成されたもので、しかも、これらの領域36、37
を電気的に反転させることが可能である。また、偏光回
転複スリット35は、入射した直線偏光の偏光方向を左
回りに90゜回転する領域38と、偏光方向を変化させ
ない領域37とがストライプ状に形成されたものであ
る。偏光回転スイッチアレイ34と偏光回転複スリット
35の間隔、および前記スイッチアレイ34におけるス
トライプ状の領域36と領域37の中心間距離、前記ス
リット35におけるストライプ状の領域38と領域37
の中心間距離は、観察者のある設定された観察位置から
幾何学的に決定されている。
【0123】図9(a)に示すように、観察者の右眼2
からの視線は、右眼視線a12に示すように偏光回転複
スリット35の偏光方向を変化させない領域37を通
り、かつ偏光回転複スイッチアレイ34の偏光方向を右
回りに90゜回転する領域36を通るか、または右眼視
線13bに示すように偏光回転複スリット35の偏光方
向を左回りに90゜回転する領域38を通り、かつ偏光
回転スイッチアレイ34の偏光方向を変化させない領域
37を通るかのいずれかであり、同時に観察者の左眼3
からの視線は、左眼視線14aに示すように偏光回転複
スリット35の偏光方向を変化させない領域37を通
り、かつ偏光回転スイッチアレイ34の偏光方向を変化
させない領域37を通るか、または左眼視線15bに示
すように偏光回転複スリット35の偏光方向を左回りに
90゜回転する領域38を通り、かつ偏光回転スイッチ
アレイ34の偏光方向を右回りに90゜回転する領域3
6を通るかのいずれかになるように設定されている。
【0124】そして、偏光板6においては、紙面に平行
な方向の偏光方向を有する直線偏光を透過させるように
偏光板6の偏光方向10が設定され、一方、偏光板7に
おいては、紙面に垂直な方向の偏光方向を有する直線偏
光を透過させるように偏光板7の偏光方向11が設定さ
れている。
【0125】表示装置1を発して右眼視線12aに沿っ
て進行する光は、偏光板6を透過することにより、紙面
に平行な直線偏光となる。次に、偏光回転スイッチアレ
イ34の偏光方向を右回りに90°回転する領域36を
透過するので、偏光方向は90°回転して紙面に垂直と
なる。その後、偏光回転複スリット35の偏光方向を変
化させない領域37に入射するので、偏光方向は変化を
受けることなくこれを透過する。したがって、偏光方向
が紙面に垂直な偏光板7を透過することができ、観察者
の右眼2の右眼視線12aは、表示装置1に表示された
右眼用画像に到達することになる。
【0126】また、右眼視線13bに沿って進行する光
は、まず偏光板6を透過して偏光方向が紙面に平行な直
線偏光となる。次に、偏光回転スイッチアレイ34の偏
光方向を変化させない領域37に入射するので、偏光方
向は紙面に平行のまま透過する。その後、偏光回転複ス
リット35の偏光方向を左回りに90°回転する領域3
8に入射するので、偏光方向は90°回転して、紙面に
垂直となる。したがって、偏光方向が紙面に垂直な偏光
板7を透過することができ、観察者の右眼2の右眼視線
13bは、表示装置1に表示された右眼用画像に到達す
ることになる。
【0127】表示装置1と観察者の右眼2とを結ぶ全て
の視線は、以上説明した右眼視線12aか右眼視線13
bのいずれかであり、表示装置1を発して右眼2に向か
って進行する光は全てこのような偏光変化を受けるの
で、結局、観察者の右眼2は表示装置1に表示された右
眼用画像を見ることができる。
【0128】一方、表示装置1を発して左眼視線14a
に沿って進行する光は、まず偏光板6を透過して偏光方
向が紙面に平行な直線偏光となる。次に、偏光回転スイ
ッチアレイ34の偏光方向を変化させない領域37に入
射するので、偏光方向は変化せずに紙面に平行のまま透
過する。さらに、偏光回転複スリット35の偏光方向を
変化させない領域37をそのまま透過した後に、偏光板
7に入射するが、偏光板7の偏光方向11は紙面に垂直
であるため、これを透過することはできない。したがっ
て、観察者の左眼3の左眼視線14aは、表示装置1に
表示された右眼用画像に到達することができない。
【0129】また、左眼視線15bに沿って進行する光
は、まず偏光板6を透過して偏光方向が紙面に平行な直
線偏光となる。次に、偏光回転スイッチアレイ34の偏
光方向を右回りに90°回転する領域36に入射するの
で、偏光方向は90°回転し、紙面に垂直な偏光とな
る。その後、偏光回転複スリット35の偏光方向を左回
りに90°回転する領域38に入射するので、再び偏光
方向は90°回転して紙面に平行な偏光に戻される。そ
して偏光板7に入射するが、偏光板7の偏光方向11は
紙面に垂直であるため、これを透過することはできな
い。したがって、観察者の左眼3の左眼視線15bは、
表示装置1に表示された右眼用画像に到達することがで
きない。
【0130】表示装置1と観察者の左眼3とを結ぶ全て
の視線は、以上説明した左眼視線14aか左眼視線15
bのいずれかであり、表示装置1を発して左眼3に向か
って進行する光は全てこのような偏光変化を受けるの
で、結局、観察者の左眼3では表示装置1に表示された
右眼用画像を見ることができない。
【0131】したがって、表示装置1に右眼用画像が表
示されている時には、観察者は右眼2のみで画像を見る
ことになる。
【0132】次に、表示装置1に左眼用画像が表示され
る場合について説明する。
【0133】図9(b)は、表示装置1に左眼用画像を
表示している状態を示す。ここで、偏光回転複スリット
35は、図9(a)と同じ位置、同じ状態である。一
方、偏光回転スイッチアレイ34は、偏光方向を右回り
に90゜回転する領域36と偏光方向を変化させない領
域37とを電気的に反転させてある。
【0134】図9(b)において、表示装置1を発して
右眼視線12aに沿って進行する光は、まず偏光板6を
透過して偏光方向が紙面に平行な直線偏光となる。その
後、偏光回転スイッチアレイ34、および偏光回転複ス
リット35の偏光方向を変化させない領域37をそのま
ま透過して、偏光板7に入射するが、偏光板7の偏光方
向11は紙面に垂直であるため、これを透過することは
できない。したがって、観察者の右眼2の右眼視線12
aは、表示装置1に表示された左眼用画像に到達するこ
とができない。
【0135】また、右眼視線13bに沿って進行する光
は、まず偏光板6において、偏光方向が紙面に平行な直
線偏光に変換された後、偏光回転スイッチアレイ34の
偏光方向を右回りに90゜回転する領域36に入射し
て、偏光方向は90゜回転し、紙面に垂直な偏光にな
る。その後、偏光回転複スリット35の偏光方向を左回
りに90゜回転する領域38を透過して、偏光方向は9
0゜回転し、再び偏光方向が紙面に水平な偏光に戻され
る。そして、偏光板7に入射するが、偏光板7の偏光方
向11は紙面に垂直であるので、これを透過することは
できない。したがって、観察者の右眼視線13bは、表
示装置1に表示された左眼用画像に到達することができ
ない。
【0136】表示装置1と観察者の右眼2とを結ぶ全て
の視線は、以上説明した右眼視線12aか右眼視線13
bのいずれかであり、表示装置1を発して右眼2に向か
って進行する光は全てこのような偏光変化を受けるの
で、結局、観察者の右眼12は表示装置1に表示された
左眼用画像を見ることができない。
【0137】一方、左眼視線14aに沿って進行する光
は、まず偏光板6において、偏光方向が紙面に平行な直
線偏光に変換された後、偏光回転スイッチアレイ34の
偏光方向を右回りに90°回転する領域36に入射し
て、偏光方向は90°回転し、紙面に垂直な偏光とな
る。その後、偏光回転複スリット35の偏光方向を変換
させない領域37に入射するので、偏光方向は変化せず
に紙面に垂直なままこれを透過する。そして、偏光板7
に入射するが、偏光板7の偏光方向11は紙面に垂直で
あるので、これを透過することができる。したがって、
観察者の左眼3の左眼視線14aは、表示装置1に表示
された左眼用画像に到達することができる。
【0138】また、左眼視線15bに沿って進行する光
は、まず偏光板6を透過して偏光方向が紙面に平行な直
線偏光に変換される。次に、偏光回転スイッチアレイ3
4の偏光方向を変化させない領域37に入射するので、
偏光方向は変化せずに紙面に平行のままこれを透過す
る。その後、偏光回転複スリット35の偏光方向を左回
りに90°回転する領域38に入射するので、偏光方向
は90°回転し、紙面に垂直になる。そして偏光板7に
入射するが、偏光板7の偏光方向11は紙面に垂直であ
るので、これを透過することができる。したがって、観
察者の左眼3の左眼視線15bは、表示装置1に表示さ
れた左眼用画像に到達することができる。
【0139】表示装置1と観察者の左眼3とを結ぶ全て
の視線は、以上説明した左眼視線14aか左眼視線15
bのいずれかであり、表示装置1を発して左眼3に向か
って進行する光は全てこのような偏光変化を受けるの
で、結局、観察者の左眼3は表示装置1に表示された左
眼用画像を見ることができる。
【0140】したがって、表示装置1に左眼用画像が表
示されている時には、観察者は左眼3のみで画像を見る
ことになる。
【0141】以上詳しく説明したように、両眼視差情報
を有する右眼用画像と左眼用画像を、図8に示したよう
に、右眼2と左眼3とでそれぞれ独立に見ることになる
ので、立体視が可能になる。
【0142】本実施の形態の効果は、第1の実施形態の
効果と同様である。図3に示したように、偏光方向を右
回りに90°回転する領域と偏光方向を変化させない領
域とを透過した場合と、偏光方向を変化させない領域と
偏光方向を左回りに90°回転する領域とを透過した場
合、すなわち、右眼2、または左眼3がそれぞれの眼用
の画像を観察する場合(図9(a)に示した右眼視線1
2a、13bと図9(b)に示した左眼視線14a、1
5bに相当する。)には、複屈折の波長依存性の影響を
受けるため、可視光全域において透過率は一様にはなら
ない。ただし、隣接する右眼視線12aと右眼視線13
b、あるいは隣接する左眼視線14aと左眼視線15b
のそれぞれに沿って進行する光は、複屈折の波長依存性
による影響を等しく受けるため、明るさや色の差異とし
ては認識されない。
【0143】一方、右眼2、または左眼3が逆の眼用の
画像を観察しない場合には、偏光方向を変化させない領
域を2回透過した場合(図9(a)に示した左眼視線1
4aと図9(b)に示した右眼視線12aに相当す
る。)と、偏光方向を右回りに90°回転する領域と偏
光方向を左回りに90°回転する領域とを透過した場合
(図9(a)に示した左眼視線15bと図9(b)に示
した右眼視線13bに相当する。)のいずれかになる。
図3において、偏光方向を変化させない領域を2回透過
した場合には、複屈折の波長依存性の影響を受けないた
め、可視光全域において透過率は一様に0となる。さら
に、偏光方向を右回りに90°回転する領域と偏光方向
を左回りに90°回転する領域を透過した場合、偏光方
向を90°回転する領域を2回透過することになるが、
右回りと左回りに偏光方向を回転させるため、偏光方向
の回転角度は0°となる。この場合には、複屈折の波長
依存性による影響は、光学的に補償され、可視光全域に
おいて透過率は0になる。
【0144】したがって、観察者は、右眼2、または左
眼3でそれぞれ逆の眼用の画像を観察することはない。
このように、逆の眼用の画像が見えない場合、すなわち
左右画像のクロストークを十分小さくできる場合は、観
察者は良好な立体画像を観察することができる。
【0145】次に、図8に示した第3の実施形態の構成
についてさらに具体的に説明する。図8に示す第3の実
施形態で使用した表示装置1、および偏光板6、7は、
第1の実施例で使用した表示装置1、および偏光板6、
7と同じものである。
【0146】偏光回転スイッチアレイ34、偏光回転複
スリット35は、2枚のガラス基板に、それぞれストラ
イプ状の透明電極を設け、所望の液晶配向処理を施した
後、ギャップを設けて貼合わせ、さらにギャップに液晶
を注入し、封止したものである。液晶は、強誘電性液晶
を用いており、偏光回転スイッチアレイ34では、偏光
板6の偏光方向10に対し+22.5°のなす角度に液
晶分子を配向処理しており、液晶にプラスの電圧を印加
した領域は、入射した直線偏光の偏光方向を右回りに9
0゜回転する領域36になり、液晶にマイナスの電圧を
印加した領域は、偏光方向を変化させない領域37にな
る。また、偏光回転複スリット35では、偏光板6の偏
光方向10に対し−22.5°のなす角度に液晶分子を
配向処理しており、液晶にマイナスの電圧を印加した領
域は、入射した直線偏光の偏光方向を左回りに90゜回
転する領域38になり、液晶にプラスの電圧を印加した
領域は、偏光方向を変化させない領域37になる。観察
者の観察位置を、偏光回転複スリット35から60cm
に設定しており、この場合、偏光回転スイッチアレイ3
4の各偏光方向を右回りに90゜回転する領域36と各
偏光方向を変化させない領域37の中心間距離は、約
0.2006mmである。また、偏光回転複スリット3
5の各偏光方向を左回りに90゜回転する領域38と各
偏光方向を変化させない領域37の中心間距離は、0.
2mmである。そして、偏光回転スイッチアレイ34と
偏光回転複スリット35のそれぞれの各領域の境界部分
に0.01mmの遮光領域を設けることで、光の回折の
影響を防止したり、位置合わせ精度のマージンを確保し
ている。このことは、観察者が観察位置からわずかに左
右に動いた時の左右画像のクロストークを低減させるの
に効果的である。また、偏光回転スイッチアレイ34と
偏光回転複スリット35との光学的間隔は約1.851
9mmであり、前記スイッチアレイ34のストライプ状
の領域36および領域37と、前記スリット35のスト
ライプ状の領域38および領域37とが互い平行になる
ように配置している。図には明示していないが、偏光回
転スイッチアレイ34には、表示装置1に入力する映像
信号から垂直同期信号を検出し、そのタイミングで液晶
に印加する電圧の極性を反転させる回路を接続してお
り、例えば右眼用画像が表示される奇数フィールドの時
には図9(a)に示す状態に、左眼用画像が表示される
偶数フィールドの時には図9(b)に示す状態になるよ
うに偏光回転スイッチアレイ34を駆動させる。
【0147】以上の構成部品からなる、本発明に係わる
立体表示装置は、眼鏡をかけずに、しかも現状の表示装
置1をそのまま使用して立体視を可能にする。そして、
偏光回転スイッチアレイ34と偏光回転複スリット35
と偏光板6、7とをひとつのユニットにしておけば、立
体画像と2次元画像の切り換えを、表示装置1とそのユ
ニットとを着脱するだけで、容易に行うことができる。
この場合に、特に正確な位置合わせを必要としない。さ
らに、偏光を変化させる領域を2回透過する際に、複屈
折の波長依存性の影響が打ち消されるので、本来観察し
ないはずの、逆の眼用の画像が見えるという現象が無く
なる。すなわち、左右画像のクロストークを低減できる
ので、観察者は良好な立体画像を観察できる。
【0148】以上の第3の実施形態において、偏光回転
複スリット35を表示装置1側に、偏光回転スイッチア
レイ34を観察者側に配置するように変更を加えても、
同様の効果が得られる。この場合、偏光回転複スリット
35と偏光回転スイッチアレイ34の各々における偏光
方向を制御する領域間の中心間距離を変更する必要があ
る。
【0149】また、偏光回転スイッチアレイ34の各ス
トライプ状の偏光回転領域の切り替えを、各ストライプ
状の偏光回転領域の全長に渡って同時に行う方式に代
え、各ストライプ状の偏光回転領域を2あるいはそれ以
上に、左右画像を切り換える際の走査方向に沿って分割
しておき、表示装置1の左右画像を書き換える走査タイ
ミングに合わせて順次切り替える方式を採用してもよ
い。これにより、左右画像のクロストークをいっそう低
減できる。
【0150】偏光回転スイッチアレイ34と偏光回転複
スリット35に用いた液晶は、強誘電性液晶に限定され
るものではなく、入射光に所望の位相差を与える複屈折
制御型の液晶、例えば、偏光板6の偏光方向10に対し
45°のなす角度に液晶分子を平行配向処理したネマテ
ィック液晶や、その外にも反強誘電性液晶などを用いて
もよい。さらに、PLZT等の電気光学素子を利用して
もよい。ただし、偏光回転スイッチアレイ34では、偏
光回転領の切り替え応答速度が1msec以下であるこ
とが望ましい。また、偏光回転複スリット35はその偏
光回転領域を切り替える必要がないので、所望の複屈折
性を有するように一方向に引き伸ばしたポリビニルアル
コールフィルム等をストライプ状にパターン化して、偏
光を回転する領域と偏光を変化させない領域を形成した
ものでもよい。これは、フィルム基板を引っ張ることに
より分子の配列が一方向に揃うと同時に、分子の長軸方
向と短軸方向の屈折率に差ができ、複屈折性が生じるこ
とを利用したものである。この場合には、偏光回転スイ
ッチアレイ34に用いる材料と偏光回転複スリット35
に用いる材料の複屈折の波長依存性が同等の特性である
ことが望ましい。
【0151】また、偏光回転スイッチアレイ34、およ
び偏光回転複スリット35の偏光方向を右回りに回転す
る領域36と偏光方向を左回りに回転する領域37をそ
れぞれ逆にしても同様の効果が得られる。
【0152】[第4の実施例]図10は、本発明の立体
表示装置の第4の実施形態を示す平面図である。この図
を含め本形態の説明に用いる図面では、第1の実施形態
と同一の構成部分に同一符号が付してある。この立体表
示装置は、表示装置1と、表示装置1の前面に対向して
配置された偏光板6および7と、偏光板6、7間に対向
配置された第1の偏光回転スイッチアレイ44と、第2
の偏光回転スイッチアレイ45とから構成される。
【0153】次に、図10に示した立体表示装置の動作
を図11から図13を参照して説明する。図11
(a)、(b)はそれぞれ、図10(a)、(b)を拡
大して示した動作説明図である。
【0154】表示装置1には、両眼視差情報を有する右
眼用画像と左眼用画像が120Hzのフィールド毎に交
互に表示され、図11(a)は、表示装置1が右眼用画
像を表示している状態を示し、図11(b)は、表示装
置1が左眼用画像を表示している状態を示す。
【0155】図10、図11に示す第4の実施形態の構
成において使用した表示装置1、および偏光板6、7
は、第1の実施形態で使用した表示装置1、および偏光
板6、7と同じものである。
【0156】第1の偏光回転スイッチアレイ44と第2
の偏光回転スイッチアレイ45は、2枚のガラス基板に
それぞれストライプ状の透明電極を設け、所望の液晶配
向処理を施した後、ギャップを設けて貼合わせ、さらに
ギャップに液晶を注入し、封止したものである。液晶
は、強誘電性液晶を用いており、第1の偏光回転スイッ
チアレイ44では、偏光板6の偏光方向10に対し+2
2.5°のなす角度に液晶分子を配向処理しており、液
晶にプラスの電圧を印加した領域は、入射した直線偏光
の偏光方向を右回りに90゜回転する領域46になり、
液晶にマイナスの電圧を印加した領域は、偏光方向を変
化させない領域47になる。また、第2の偏光回転スイ
ッチアレイ45では、偏光板6の偏光方向10に対し−
22.5°のなす角度に液晶分子を配向処理しており、
液晶にマイナスの電圧を印加した領域は、入射した直線
偏光の偏光方向を左回りに90゜回転する領域48にな
り、液晶にプラスの電圧を印加した領域は、偏光方向を
変化させない領域47になる。観察者の観察位置を、第
2の偏光回転スイッチアレイ45から60cmに設定し
ており、この場合、第1の偏光回転スイッチアレイ44
の各偏光方向を右回りに90゜回転する領域46と各偏
光方向を変化させない領域47の中心間距離は、約0.
2006mmである。また、第2の偏光回転スイッチア
レイ45の各偏光方向を左回りに90゜回転する領域4
8と各偏光方向を変化させない領域47の中心間距離
は、0.2mmである。そして、第1の偏光回転スイッ
チアレイ44と第2の偏光回転スイッチアレイ45との
それぞれの各領域の境界部分に0.01mmの遮光領域
を設けることで、光の回折の影響を防止したり、位置合
わせ精度のマージンを確保している。このことは、観察
者が観察位置からわずかに左右に動いた時の左右画像の
クロストークを低減させるのに効果的である。また、第
1の偏光回転スイッチアレイ44と第2の偏光回転スイ
ッチアレイ45との光学的間隔は約1.8519mmで
あり、前記スイッチアレイ44のストライプ状の領域4
6および領域47と、前記スイッチアレイ45のストラ
イプ状の領域48および領域47とが互いに平行になる
ように配置している。図には明示していないが、第1、
および第2の偏光回転スイッチアレイ44、45には、
表示装置1に入力する映像信号から垂直同期信号を検出
し、そのタイミングで液晶に印加する電圧の極性を反転
させる回路を接続している。
【0157】次に、図10に示した立体表示装置の駆動
方法を説明する。図12、図13は、図10に示した立
体表示装置の駆動方法を説明するための図である。
【0158】図12の(a)は右眼視線12aが第1の
偏光回転スイッチアレイ44を透過する領域の印加電圧
の状態、(b)は右眼視線12aが第2の偏光回転スイ
ッチアレイ45を透過する領域の印加電圧の状態、
(c)は右眼視線13bが第1の偏光回転スイッチアレ
イ44を透過する領域の印加電圧の状態、(d)は右眼
視線13bが第2の偏光回転スイッチアレイ45を透過
する領域の印加電圧の状態を示す。各印加電圧の波形
は、30Hzの矩形波である。第1の偏光回転スイッチ
アレイ44の右眼視線12aが透過する領域と第2の偏
光回転スイッチアレイ45の右眼視線12aが透過する
領域とは印加電圧の波形の位相が1/4周期ずれてお
り、かつ第1の偏光回転スイッチアレイ44の右眼視線
13bが透過する領域と第2の偏光回転スイッチアレイ
45の右眼視線13bが透過する領域とは印加電圧の波
形の位相が1/4周期ずれている。また、第1の偏光回
転スイッチアレイ44の右眼視線12aが透過する領域
と右眼視線13bが透過する領域とは極性が逆であり、
かつ第2の偏光回転スイッチアレイ45の右眼視線12
aが透過する領域と右眼視線13bが透過する領域とは
極性が逆である。このとき、左眼視線14a、左眼視線
15bが透過する領域の印加電圧はそれぞれ、図には明
示していないが、図12の(a)および(c)に示した
第1の偏光回転スイッチアレイ44における印加電圧の
波形の極性のみを反転した状態になっている。
【0159】以上のような波形の電圧をそれぞれ第1、
および第2の偏光回転スイッチアレイ44、45に印加
すると、右眼視線12aが第1、および第2の偏光回転
スイッチアレイ44、45を透過する領域の状態と、右
眼視線13bが第1、および第2の偏光回転スイッチア
レイ44、45を透過する領域の状態は、(イ)〜
(ニ)の時間において、それぞれ異なる4つの状態にな
る。これらの各時間における第4の実施形態の立体表示
装置の状態を図13(イ)〜(ニ)に示す。また、各々
の状態は120Hzの周期で変わり、このような異なる
4つの状態は30Hzの周期で繰り返される。
【0160】図13に示した第4の実施形態の立体表示
装置の動作は、図8および図9に示した第3の実施形態
の場合と同様である。すなわち、表示装置1を発し、右
眼2と左眼3に向かって進行する光が、第1、第2の偏
光回転スイッチアレイ44、45を透過する際に、その
偏光状態を制御することにより、表示装置1に右眼用画
像が表示されている時には、観察者に右眼2のみで画像
を見ることを可能にし、表示装置1に左眼用画像が表示
されている時には、観察者に左眼3のみで画像を見るこ
とを可能にする。したがって、両眼視差画像を有する右
眼用画像と左眼用画像を、図10に示したように右眼2
と左眼3とでそれぞれ独立に観察者は見ることになるの
で、立体視が可能になる。
【0161】本実施形態においては、第1、第2の偏光
回転スイッチアレイ44、45の液晶を交流駆動でき、
しかも30Hzの駆動信号を用いて、120Hzの右眼
用画像と左眼用画像の表示切り替えに対応した偏光状態
の制御ができるという特徴がある。
【0162】本実施形態の効果は、図3に示した第1お
よび第3の実施形態の効果と同様である。観察者は、右
眼2、または左眼3でそれぞれ逆の眼用の画像を観察す
ることはない。このように、逆の眼用の画像が見えない
場合、すなわち左右画像のクロストークを十分小さくで
きる場合は、観察者は良好な立体画像を観察することが
できる。
【0163】以上の構成部品、および駆動方法を用いた
本発明に係わる立体表示装置は、眼鏡をかけずに、しか
も現状の表示装置1をそのまま使用して立体視を可能に
する。そして、第1の偏光回転スイッチアレイ44と第
2の偏光回転スイッチアレイ45と偏光板6、7とをひ
とつのユニットにしておけば、立体画像と2次元画像の
切り換えを、表示装置1とそのユニットとを着脱するだ
けで、容易に行うことができる。この場合に、特に正確
な位置合わせを必要としない。さらに、偏光を変化させ
る領域を2回透過する際に、それぞれ複屈折の波長依存
性の影響が打ち消されるので、本来観察しないはずの、
逆の眼用の画像が見えるという現象が無くなる。すなわ
ち、左右画像のクロストークを低減できるので、観察者
は良好な立体画像を観察できる。
【0164】本実施形態の場合、立体画像と2次元画像
を切り替える際、前述したユニットの着脱という手段の
他に、以下の手段も可能である。
【0165】図14は、2次元画像を観察するときの動
作説明図である。図14(a)に示すように、第1の偏
光回転スイッチアレイ44の全ての領域を、偏光方向を
右回りに90°回転する領域46にし、一方、第2の偏
光回転スイッチアレイ45の全ての領域を、偏光方向を
変化させない領域47にする。または、図14(b)に
示すように、第1の偏光回転スイッチアレイ44の全て
の領域を、偏光方向を変化させない領域47にし、一
方、第2の偏光回転スイッチアレイ45の全ての領域を
偏光方向を左回りに90°回転する領域48にすると、
表示装置1を発し右眼視線a12、b13、および左眼
視線a14、b15に沿って進む光は、偏光板6、7で
吸収される分を除き、全てそれぞれ右眼2、左眼3に到
達する。したがって、観察者は右眼2、左眼3で同時
に、表示装置1に表示された2次元画像を観察すること
ができる。ここで、図14(a)、(b)のどちらかひ
とつの状態を保持してもよいし、ある周波数で切り替え
てもよい。
【0166】さらに、例えば表示装置1の画面の右半分
に立体画像を、左半分に2次元画像を表示させる場合に
は、第1、第2の偏光回転スイッチアレイ44、45
を、画面の右半分では図13に示す状態、画面の左半分
では図14に示す状態にすることによって、2次元画像
と立体画像を混在表示させることも可能である。
【0167】また、第1、第2の偏光回転スイッチアレ
イ44、45の各ストライプ状の偏光回転領域の切り替
えを、各ストライプ状の偏光回転領域の全長に渡って同
時に行う方式に代え、各ストライプ状の偏光回転領域を
2あるいはそれ以上に、左右画像を書き換える際の走査
方向に沿って分割しておき、表示装置1の左右画像を書
き換える走査タイミングに合わせて順次切り替える方式
を採用してもよい。これにより、左右画像のクロストー
クをいっそう低減できる。
【0168】第1、第2の偏光回転スイッチアレイ4
4、45に用いた液晶は、強誘電性液晶に限定されるも
のではなく、入射光に所望の位相差を与える複屈折制御
型の液晶、例えば、偏光板6の偏光方向10に対し45
°のなす角度に液晶分子を平行配向処理したネマティッ
ク液晶や、その外にも反強誘電性液晶などを用いてもよ
い。さらに、PLZT等の電気光学素子を利用してもよ
い。ただし、第1、第2の偏光回転スイッチアレイ4
4、45の偏光回転領域の切り替え応答速度が1mse
c以下であることが望ましい。
【0169】また、第1、第2の偏光回転スイッチアレ
イ44、45の偏光方向を右回りに回転する領域46と
偏光方向を左回りに回転する領域47をそれぞれ逆にし
ても同様の効果が得られる。
【0170】[第5の実施形態]図15は、本発明の立
体表示装置の第5の実施形態を示す平面図である。この
図を含め本形態の説明に用いる図面では、第1の実施形
態と同一の構成部分に同一符号が付してある。この立体
表示装置は、表示装置1と、表示装置1の前面に対向し
て配置された偏光板6および7と、偏光板6、7間に対
向配置された偏光変換スイッチアレイ54と、偏光変換
複スリット55とから構成される。
【0171】次に、図15に示した立体表示装置の動作
を図16を参照して説明する。図16(a)、(b)は
それぞれ、図15(a)、(b)を拡大して示した動作
説明図である。
【0172】表示装置1には、両眼視差情報を有する右
眼用画像と左眼用画像がフィールド毎に交互に表示さ
れ、図16(a)は、表示装置1が右眼用画像を表示し
ている状態を示す。
【0173】偏光変換スイッチアレイ54は、入射した
直線偏光の偏光方向を右回りの円偏光に変換するための
位相差が+λ/4である領域56と、入射した直線偏光
の偏光方向を左回りの円偏光に変換するための位相差が
−λ/4である領域57とがストライプ状に形成された
もので、しかも、これらの領域56、57を電気的に反
転させることが可能である。また、偏光変換複スリット
55は、入射した右回りの円偏光を垂直方向の直線偏光
に変換するか、入射した左回りの円偏光を水平方向の直
線偏光に変換するための位相差が+λ/4である領域5
6と、入射した右回りの円偏光を水平方向の直線偏光に
変換するか、入射した左回りの円偏光を垂直方向の直線
偏光に変換するための位相差が−λ/4である領域57
とがストライプ状に形成されたものである。偏光変換ス
イッチアレイ54と偏光変換複スリット55との間隔、
および前記スイッチアレイ54、55の各々におけるス
トライプ状の領域56と領域57の中心間距離は、観察
者のある設定された観察位置から幾何学的に決定されて
いる。
【0174】図16(a)に示すように、観察者の右眼
2からの視線は、右眼視線12aに示すように偏光変換
複スリット55の位相差が+λ/4である領域56を通
り、かつ偏光変換スイッチアレイ54の位相差が+λ/
4である領域56を通るか、または右眼視線13bに示
すように偏光変換複スリット55の位相差が−λ/4で
ある領域57を通り、かつ偏光変換スイッチアレイ54
の位相差が−λ/4である領域57を通るかのいずれか
であり、同時に観察者の左眼3からの視線は、左眼視線
14aに示すように偏光変換複スリット55の位相差が
+λ/4である領域56を通り、かつ偏光変換スイッチ
アレイ54の位相差が−λ/4である領域57を通る
か、または左眼視線15bに示すように偏光変換複スリ
ット55の位相差が−λ/4である領域57を通り、か
つ偏光変換スイッチアレイ54の位相差が+λ/4であ
る領域56を通るかのいずれかになるように設定されて
いる。
【0175】そして、偏光板6は紙面に平行な方向の偏
光方向を有する直線偏光を透過させるように偏光板の偏
光方向10が設定され、一方、偏光板7は紙面に垂直な
方向の偏光方向を有する直線偏光を透過させるように偏
光板の偏光方向11が設定されている。
【0176】表示装置1を発して右眼視線12aに沿っ
て進行する光は、偏光板6を透過することにより、紙面
に平行な直線偏光となる。次に、偏光変換スイッチアレ
イ54の位相差が+λ/4である領域56を透過するの
で、右回りの円偏光となる。その後、偏光変換複スリッ
ト55の位相差が+λ/4である領域56に入射するの
で、偏光方向が垂直な直線偏光になる。したがって、偏
光方向が紙面に垂直な偏光板7を透過することができ、
観察者の右眼2の右眼視線12aは、表示装置1に表示
された右眼用画像に到達することになる。
【0177】また、右眼視線13bに沿って進行する光
は、まず偏光板6を透過して偏光方向が紙面に平行な直
線偏光となる。次に、偏光変換スイッチアレイ54の位
相差が−λ/4である領域57に入射するので、左回り
の円偏光となる。その後、偏光変換複スリット55の位
相差が−λ/4である領域57に入射するので、偏光方
向が垂直な直線偏光となる。したがって、偏光方向が紙
面に垂直な偏光板7を透過することができ、観察者の右
眼2の右眼視線13bは、表示装置1に表示された右眼
用画像に到達することになる。
【0178】表示装置1と観察者の右眼2とを結ぶ全て
の視線は、以上説明した右眼視線12aか右眼視線13
bのいずれかであり、表示装置1を発して右眼2に向か
って進行する光は全てこのような偏光変化を受けるの
で、結局、観察者の右眼2は表示装置1に表示された右
眼用画像を見ることができる。一方、表示装置1を発し
て左眼視線14aに沿って進行する光は、まず偏光板6
を透過して偏光方向が紙面に平行な直線偏光となる。次
に、偏光変換スイッチアレイ54の位相差が−λ/4で
ある領域57に入射するので、左回りの円偏光になる。
その後、偏光変換複スリット55の位相差が+λ/4で
ある領域56に入射するので偏光方向が水平の直線偏光
に戻される。そして、偏光板7に入射するが、偏光板7
の偏光方向11は紙面に垂直であるため、これを透過す
ることはできない。したがって、観察者の左眼3の左眼
視線14aは、表示装置1に表示された右眼用画像に到
達することができない。
【0179】また、左眼視線15bに沿って進行する光
は、まず偏光板6を透過して偏光方向が紙面に平行な直
線偏光となる。次に、偏光変換スイッチアレイ54の位
相差が+λ/4である領域56に入射するので、右回り
の円偏光になる。その後、偏光変換複スリット55の位
相差が−λ/4である領域57に入射するので、再び偏
光方向が紙面に平行な直線偏光に戻される。そして偏光
板7に入射するが、偏光板7の偏光方向11は紙面に垂
直であるため、これを透過することはできない。したが
って、観察者の左眼3の左眼視線b15は、表示装置1
に表示された右眼用画像に到達することができない。
【0180】表示装置1と観察者の左眼3とを結ぶ全て
の視線は、以上説明した左眼視線14aか左眼視線15
bのいずれかであり、表示装置1を発して左眼3に向か
って進行する光は全てこのような偏光変化を受けるの
で、結局、観察者の左眼3では表示装置1に表示された
右眼用画像を見ることができない。
【0181】したがって、表示装置1に右眼用画像が表
示されている時には、観察者は右眼2のみで画像を見る
ことになる。
【0182】次に、表示装置1に左眼用画像が表示され
る場合について説明する。
【0183】図16(b)は、表示装置1に左眼用画像
を表示している状態を示す。ここで、偏光変換複スリッ
ト55は、図16(a)と同じ位置、同じ状態である。
一方、偏光変換スイッチアレイ54は、位相差が+λ/
4である領域56と位相差が−λ/4である領域57と
を電気的に反転させてある。
【0184】表示装置1を発して右眼視線12aに沿っ
て進行する光は、まず偏光板6を透過して偏光方向が紙
面に平行な直線偏光となる。その後、偏光変換スイッチ
アレイ54の位相差が−λ/4である領域57に入射す
るので、左回りの円偏光になる。その後、偏光変換複ス
リット55の位相差が+λ/4である領域56に入射す
るので偏光方向が水平の直線偏光に戻される。そして、
偏光板7に入射するが、偏光板7の偏光方向11は紙面
に垂直であるため、これを透過することはできない。し
たがって、観察者の右眼2の右眼視線a12は、表示装
置1に表示された左眼用画像に到達することができな
い。
【0185】また、右眼視線13bに沿って進行する光
は、まず偏光板6において、偏光方向が紙面に平行な直
線偏光に変換された後、偏光変換スイッチアレイ54の
位相差が+λ/4である領域56に入射するので、右回
りの円偏光になる。その後、偏光変換複スリット55の
位相差が−λ/4である領域57に入射するので、再び
偏光方向が紙面に平行な直線偏光に戻される。そして偏
光板7に入射するが、偏光板7の偏光方向11は紙面に
垂直であるため、これを透過することはできない。した
がって、観察者の右眼視線13bは、表示装置1に表示
された左眼用画像に到達することができない。
【0186】表示装置1と観察者の右眼2とを結ぶ全て
の視線は、以上説明した右眼視線12aか右眼視線13
bのいずれかであり、表示装置1を発して右眼2に向か
って進行する光は全てこのような偏光変化を受けるの
で、結局、観察者の右眼12は表示装置1に表示された
左眼用画像を見ることができない。
【0187】一方、左眼視線14aに沿って進行する光
は、まず偏光板6において、偏光方向が紙面に平行な直
線偏光に変換された後、偏光変換スイッチアレイ54の
位相差が+λ/4である領域56を透過するので、右回
りの円偏光となる。その後、偏光変換複スリット55の
位相差が+λ/4である領域56に入射するので、偏光
方向が垂直な直線偏光になる。そして、偏光板7に入射
するが、偏光板7の偏光方向11は紙面に垂直であるの
で、これを透過することができる。したがって、観察者
の左眼3の左眼視線14aは、表示装置1に表示された
左眼用画像に到達することができる。
【0188】また、左眼視線15bに沿って進行する光
は、まず偏光板6を透過して偏光方向が紙面に平行な直
線偏光に変換される。次に、偏光変換スイッチアレイ5
4の位相差が−λ/4である領域57に入射するので、
左回りの円偏光となる。その後、偏光変換複スリット5
5の位相差が−λ/4である領域57に入射するので、
偏光方向が垂直な直線偏光となる。そして偏光板7に入
射するが、偏光板7の偏光方向11は紙面に垂直である
ので、これを透過することができる。したがって、観察
者の左眼3の左眼視線15bは、表示装置1に表示され
た左眼用画像に到達することができる。
【0189】表示装置1と観察者の左眼3とを結ぶ全て
の視線は、以上説明した左眼視線14aか左眼視線15
bのいずれかであり、表示装置1を発して左眼3に向か
って進行する光は全てこのような偏光変化を受けるの
で、結局、観察者の左眼3は表示装置1に表示された左
眼用画像を見ることができる。
【0190】したがって、表示装置1に左眼用画像が表
示されている時には、観察者は左眼3のみで画像を見る
ことになる。
【0191】以上詳しく説明したように、両眼視差情報
を有する右眼用画像と左眼用画像を、図15に示したよ
うに、右眼2と左眼3とでそれぞれ独立に見ることにな
るので、立体視が可能になる。
【0192】本実施形態の効果は、第2の実施形態の効
果と同様である。図7に示したように、位相差が+λ/
4である領域を2回透過した場合と、位相差が−λ/4
である領域を2回透過した場合、つまり、2回の透過に
よって位相差が+λ/2、または−λ/2となる場合、
偏光方向は90°回転する。この場合、すなわち、右眼
2、または左眼3がそれぞれの眼用の画像を観察する場
合(図16(a)に示した右眼視線12a、13bと図
16(b)に示した左眼視線14a、15bに相当す
る。)には、複屈折の波長依存性の影響を受けるため、
可視光全域において透過率は一様にはならない。ただ
し、隣接する右眼視線12aと右眼視線13b、あるい
は隣接する左眼視線14aと左眼視線15bのそれぞれ
に沿って進行する光は、等しく影響を受けるため、明る
さや色の差異としては認識されない。
【0193】一方、右眼2、または左眼3が逆の眼用の
画像を観察しない場合には、位相差が−λ/4である領
域と位相差が+λ/4である領域とを透過した場合(図
16(a)に示した左眼視線14aと図16(b)に示
した右眼視線12aに相当する。)と、位相差が+λ/
4である領域と位相差が−λ/4である領域とを透過し
た場合(図16(a)に示した左眼視線15bと図16
(b)に示した右眼視線13bに相当する。)のいずれ
かになる。これらの場合、偏光方向の回転角度は0°と
なり、複屈折の波長依存性による影響は、光学的に補償
されるので、図7に示したように、可視光全域において
透過率は0になる。
【0194】したがって、観察者は、右眼2、または左
眼3でそれぞれ逆の眼用の画像を観察することはない。
このように、逆の眼用の画像が見えない場合、すなわち
左右画像のクロストークを十分小さくできる場合は、観
察者は良好な立体画像を観察することができる。
【0195】次に、図15に示した実施形態の構成につ
いてさらに具体的に説明する。図15に示す第5の実施
形態で使用した表示装置1、および偏光板6、7は、第
1の実施形態で使用した表示装置1、および偏光板6、
7と同じものである。
【0196】偏光変換スイッチアレイ54、偏光変換複
スリット55は、2枚のガラス基板に、それぞれストラ
イプ状の透明電極を設け、所望の液晶配向処理を施した
後、ギャップを設けて貼合わせ、さらにギャップに液晶
を注入し、封止したものである。液晶は、反強誘電性液
晶を用いており、偏光変換スイッチアレイ54では、液
晶にプラスの電圧を印加した領域は、位相差が+λ/4
である領域56になり、入射した直線偏光を右回りの円
偏光に変換する。そして、液晶にマイナスの電圧を印加
した領域は、位相差が−λ/4である領域57になり、
入射した直線偏光を左回りの円偏光に変換する。また、
偏光変換複スリット55において、液晶にプラスの電圧
を印加した領域は、位相差が+λ/4である領域56に
なり、入射した右回りの円偏光を紙面に垂直な直線偏光
に変換したり、入射した左回りの円偏光を紙面に平行な
直線偏光に戻す。そして、液晶にマイナスの電圧を印加
した領域は、位相差が−λ/4である領域57になり、
入射した左回りの円偏光を紙面に垂直な直線偏光に変換
したり、入射した右回りの円偏光を紙面に平行な直線偏
光に戻す。観察者の観察位置を、偏光変換複スリット5
5から60cmに設定しており、この場合、偏光変換ス
イッチアレイ54の各位相差が+λ/4である領域56
と各位相差が−λ/4である領域57の中心間距離は、
約0.2006mmである。また、偏光変換複スリット
55の各位相差が+λ/4である領域56と各位相差が
−λ/4である領域57の中心間距離は、0.2mmで
ある。そして、偏光変換スイッチアレイ54と偏光変換
複スリット55のそれぞれの各領域の境界部分に0.0
1mmの遮光領域を設けることで、光の回折の影響を防
止したり、位置合わせ精度のマージンを確保している。
このことは、観察者が観察位置からわずかに左右に動い
た時の左右画像のクロストークを低減させるのに効果的
である。また、偏光変換スイッチアレイ54と偏光変換
複スリット55との光学的間隔は約1.8519mmで
あり、前記スイッチアレイ54のストライプ状の領域5
6および領域57と、前記スリット55のストライプ状
の領域56および領域57とが互いに平行になるように
配置している。図には明示していないが、偏光変換スイ
ッチアレイ54には、表示装置1に入力する映像信号か
ら垂直同期信号を検出し、そのタイミングで液晶に印加
する電圧の極性を反転させる回路を接続しており、例え
ば右眼用画像が表示される奇数フィールドの時には図1
6(a)に示す状態に、左眼用画像が表示される偶数フ
ィールドの時には図16(b)に示す状態になるように
偏光変換スイッチアレイ54を駆動する。
【0197】以上の構成部品からなる、本発明に係わる
立体表示装置は、眼鏡をかけずに、しかも現状の表示装
置1をそのまま使用して立体視を可能にする。そして、
偏光変換スイッチアレイ54と偏光回転複スリット55
と偏光板6、7とをひとつのユニットにしておけば、立
体画像と2次元画像の切り換えを、表示装置1とそのユ
ニットとを着脱するだけで、容易に行うことができる。
この場合に、特に正確な位置合わせを必要としない。さ
らに、位相差が+λ/4である領域と位相差が−λ/4
である領域とを透過する際に、複屈折の波長依存性の影
響が打ち消されるので、本来観察しないはずの、逆の眼
用の画像が見えるという現象が無くなる。すなわち、左
右画像のクロストークを低減できるので、観察者は良好
な立体画像を観察できる。
【0198】以上の第5の実施形態において、偏光変換
複スリット55を表示装置1側に、偏光変換スイッチア
レイ54を観察者側に配置するように変更を加えても。
同様の効果が得られる。この場合、偏光変換複スリット
55と偏光変換スイッチアレイ54の各々における偏光
状態を制御する領域の中心間距離を変更する必要があ
る。
【0199】また、偏光変換スイッチアレイ54におけ
る各ストライプ状の偏光変換領域の切り替えを、各スト
ライプ状の偏光変換領域の全長に渡って同時に行う方式
に代え、各ストライプ状の偏光変換領域を2あるいはそ
れ以上に、左右画像を書き換える際の走査方向に沿って
分割しておき、表示装置1の左右画像を書き換える走査
タイミングに合わせて順次切り替える方式を採用しても
よい。これにより、左右画像のクロストークをいっそう
低減できる。
【0200】偏光変換スイッチアレイ54と偏光変換複
スリット55に用いた液晶は、反強誘電性液晶に限定さ
れるものではなく、強誘電性液晶などを用いてもよい。
ただし、偏光変換スイッチアレイ54では、偏光変換領
域の切り替え応答速度が1msec以下であることが望
ましい。また、偏光変換複スリット55はその偏光変換
領域を切り替える必要がないので、所望の複屈折性を有
するように一方向に引き伸ばしたポリビニルアルコール
フィルム等をストライプ状にパターン化して、位相差が
+λ/4である領域と位相差が−λ/4である領域とを
形成したものでもよい。これは、フィルム基板を引っ張
ることにより分子の配列が一方向に揃うと同時に、分子
の長軸方向と短軸方向の屈折率に差ができ、複屈折性が
生じることを利用したものである。この場合には、偏光
変換スイッチアレイ54に用いる材料と偏光変換複スリ
ット35に用いる材料との複屈折の波長依存性が同等の
特性であることが望ましい。
【0201】[第6の実施形態]図17は、本発明の立
体表示装置の第6の実施形態を示す平面図である。この
立体表示装置は、表示装置1と、表示装置1の前面に対
向して配置された偏光板6および7と、偏光板6、7間
に対向配置された第1の偏光変換スイッチアレイ64
と、第2の偏光変換スイッチアレイ65とから構成され
る。
【0202】次に、図17に示した立体表示装置の動作
を図18から図20を参照して説明する。図18
(a)、(b)はそれぞれ、図17(a)、(b)を拡
大して示した動作説明図である。
【0203】表示装置1には、両眼視差情報を有する右
眼用画像と左眼用画像が120Hzのフィールド毎に交
互に表示され、図18(a)は、表示装置1が右眼用画
像を表示している状態を示し、図18(b)は、表示装
置1が左眼用画像を表示している状態を示す。
【0204】図17、図18に示す第6の実施形態の構
成で使用した表示装置1、および偏光板6、7は、第1
の実施形態で使用した表示装置1、および偏光板6、7
と同じものである。
【0205】第1の偏光変換スイッチアレイ64と第2
の偏光変換スイッチアレイ65は、2枚のガラス基板に
それぞれストライプ状の透明電極を設け、所望の液晶配
向処理を施した後、ギャップを設けて貼合わせ、さらに
ギャップに液晶を注入し、封止したものである。液晶
は、反強誘電性液晶を用いており、第1の偏光変換スイ
ッチアレイ64では、液晶にプラスの電圧を印加した領
域は、位相差が+λ/4である領域66になり、入射し
た直線偏光を右回りの円偏光に変換する。そして、液晶
にマイナスの電圧を印加した領域は、位相差が−λ/4
である領域67になり、入射した直線偏光を左回りの円
偏光に変換する。また、第2の偏光変換スイッチアレイ
65において、液晶にプラスの電圧を印加した領域は、
位相差が+λ/4である領域66になり、入射した右回
りの円偏光を紙面に垂直な直線偏光に変換したり、入射
した左回りの円偏光を紙面に平行な直線偏光に戻す。そ
して、液晶にマイナスの電圧を印加した領域は、位相差
が−λ/4である領域67になり、入射した左回りの円
偏光を紙面に垂直な直線偏光に変換したり、入射した右
回りの円偏光を紙面に平行な直線偏光に戻す。観察者の
観察位置を、第2の偏光変換スイッチアレイ65から6
0cmに設定しており、この場合、第1の偏光変換スイ
ッチアレイ64の各位相差が+λ/4である領域66と
各位相差が−λ/4である領域67の中心間距離は、約
0.2006mmである。また、第2の偏光変換スイッ
チアレイ65の各位相差が+λ/4である領域66と各
位相差が−λ/4である領域67の中心間距離は、0.
2mmである。そして、第1の偏光変換スイッチアレイ
64と第2の偏光変換スイッチアレイ65のそれぞれの
各領域の境界部分に0.01mmの遮光領域を設けるこ
とで、光の回折の影響を防止したり、位置合わせ精度の
マージンを確保している。このことは、観察者が観察位
置からわずかに左右に動いた時の左右画像のクロストー
クを低減させるのに効果的である。また、第1の偏光変
換スイッチアレイ64と第2の偏光変換スイッチアレイ
65との光学的間隔は約1.8519mmであり、前記
スイッチアレイ64と65の各々のストライプ状の領域
66および領域67が互いに平行になるように配置して
いる。図には明示していないが、第1、第2の偏光変換
スイッチアレイ64、65には、表示装置1に入力する
映像信号から垂直同期信号を検出し、そのタイミングで
液晶に印加する電圧の極性を反転させる回路を接続して
おり、例えば右眼用画像が表示される奇数フィールドの
時には図18(a)に示す状態に、左眼用画像が表示さ
れる偶数フィールドの時には図18(b)に示す状態に
なるように第1、第2の偏光変換スイッチアレイ64、
65を駆動する。
【0206】次に、図17に示した立体表示装置の駆動
方法を説明する。図19、図20は、図17に示した立
体表示装置の駆動方法を説明するための図である。
【0207】図19の(a)は右眼視線12aが第1の
偏光回転スイッチアレイ64を透過する領域の印加電圧
の状態、(b)は右眼視線12aが第2の偏光回転スイ
ッチアレイ65を透過する領域の印加電圧の状態、
(c)は右眼視線13bが第1の偏光回転スイッチアレ
イ64を透過する領域の印加電圧の状態、(d)は右眼
視線13bが第2の偏光回転スイッチアレイ65を透過
する領域の印加電圧の状態を示す。各印加電圧の波形
は、30Hzの矩形波である。第1の偏光変換スイッチ
アレイ64の右眼視線12aが透過する領域と第2の偏
光変換スイッチアレイ65の右眼視線12aが透過する
領域とは印加電圧の波形の位相が1/4周期ずれてお
り、かつ第1の偏光変換スイッチアレイ64の右眼視線
13bが透過する領域と第2の偏光変換スイッチアレイ
65の右眼視線13bが透過する領域とは印加電圧の波
形の位相が1/4周期ずれている。また、第1の偏光変
換スイッチアレイ64の右眼視線12aが透過する領域
と右眼視線13bが透過する領域とは極性が逆であり、
かつ第2の偏光変換スイッチアレイ65の右眼視線12
aが透過する領域と右眼視線13bが透過する領域とは
極性が逆である。このとき、左眼視線14a、左眼視線
15bが透過する領域の印加電圧はそれぞれ図には明示
していないが、図19(a)および(c)に示した第1
の偏光変換スイッチアレイ64の印加電圧の波形の極性
のみを反転した状態になっている。
【0208】以上のような波形の電圧をそれぞれ第1、
および第2の偏光回転スイッチアレイ64、65に印加
すると、右眼視線12aが第1、および第2の偏光回転
スイッチアレイ64、65を透過する領域の状態と、右
眼視線13bが第1、および第2の偏光回転スイッチア
レイ64、65を透過する領域の状態は、(イ)〜
(ニ)の時間において、それぞれ異なる4つの状態にな
る。これらの各時間における第6の実施形態の立体表示
装置の状態を図20(イ)〜(ニ)に示す。また、各々
の状態は120Hzの周期で変わり、このような異なる
4つの状態は30Hzの周期で繰り返される。
【0209】図20に示した立体表示装置の動作は、図
15および図16に示した第5の実施例の場合と同様で
ある。すなわち、表示装置1を発し、右眼2と左眼3に
向かって進行する光が、第1、第2の偏光変換スイッチ
アレイ64、65を透過する際に、その偏光状態を制御
することにより、表示装置1に右眼用画像が表示されて
いる時には、観察者に右眼2のみで画像を見ることを可
能にし、表示装置1に左眼用画像が表示されている時に
は、観察者に左眼3のみで画像を見ることを可能にす
る。したがって、両眼視差画像を有する右眼用画像と左
眼用画像を、図17に示したように右眼2と左眼3とで
それぞれ独立に見ることになるので、立体視が可能にな
る。
【0210】本実施形態においては、第1、第2の偏光
変換スイッチアレイ64、65の液晶を交流駆動でき、
しかも30Hzの駆動信号を用いて、120Hzの右眼
用画像と左眼用画像の表示切り替えに対応した偏光状態
の制御ができるという特徴がある。
【0211】本実施形態の効果は、第2および第5の実
施形態の効果と同様であり、観察者は、右眼2、または
左眼3でそれぞれ逆の眼用の画像を観察することはな
い。このように、逆の眼用の画像が見えない場合、すな
わち左右画像のクロストークを十分小さくできる場合
は、観察者は良好な立体画像を観察することができる。
【0212】以上の構成部品、および駆動方法を用いた
本発明に係わる立体表示装置は、眼鏡をかけずに、しか
も現状の表示装置1をそのまま使用して立体視を可能に
する。そして、第1の偏光変換スイッチアレイ64と第
2の偏光変換スイッチアレイ65と偏光板6、7とをひ
とつのユニットにしておけば、立体画像と2次元画像の
切り換えを、表示装置1とそのユニットとを着脱するだ
けで、容易に行うことができる。この場合に、特に正確
な位置合わせを必要としない。さらに、偏光を変化させ
る領域を2回透過する際に、複屈折の波長依存性の影響
が打ち消されるので、本来観察しないはずの、逆の眼用
の画像が見えるという現象が無くなる。すなわち、左右
画像のクロストークを低減できるので、観察者は良好な
立体画像を観察できる。
【0213】本実施形の場合、立体画像と2次元画像を
切り替える際、前述したユニットの着脱という手段の他
に、以下の手段も可能である。
【0214】図21は、2次元画像を観察するときの動
作説明図である。図21(a)に示すように、第1の偏
光変換スイッチアレイ64と第2の偏光変換スイッチア
レイ65の全ての領域を、位相差が+4/λである領域
66にするか、または、図21(b)に示すように、第
1の偏光変換スイッチアレイ64と第2の偏光変換スイ
ッチアレイ65の全ての領域を、位相差が+4/λであ
る領域66にすると、表示装置1を発し右眼視線12
a、13b、および左眼視線14a、15bに沿って進
む光は、偏光板6、7で吸収される分を除き、全てそれ
ぞれ右眼2、左眼3に到達する。したがって、観察者は
右眼2、左眼3で同時に、表示装置1に表示された2次
元画像を観察することができる。ここで、図21
(a)、(b)のどちらかひとつの状態で保持してもよ
いし、ある周波数で切り替えてもよい。
【0215】さらに、例えば表示装置1の画面の右半分
に立体画像を、左半分に2次元画像を表示させる場合に
は、第1、第2の偏光変換スイッチアレイ64、65
を、画面の右半分では図20に示す状態、画面の左半分
では図21に示す状態にすることによって、2次元画像
と立体画像を混在表示させることも可能である。
【0216】また、第1、第2の偏光変換スイッチアレ
イ64、65における各ストライプ状の偏光変換領域の
切り替えを、各ストライプ状の偏光変換領域の全長に渡
って同時に行う方式に代え、各ストライプ状の偏光変換
領域を2あるいはそれ以上に、左右画像を書き換える際
の走査方向に沿って分割しておき、表示装置1の左右画
像を書き換える走査タイミングに合わせて順次切り替え
る方式を採用してもよい。これにより、左右画像のクロ
ストークをいっそう低減できる。
【0217】第1の偏光変換スイッチアレイ64と第2
の偏光変換スイッチアレイ65に用いた液晶は、反強誘
電性液晶に限定されるものではなく、強誘電性液晶など
を用いてもよい。ただし、各スイッチアレイ64、65
では偏光変換領域の切り替え応答速度が1msec以下
であることが望ましい。
【0218】[その他の実施形態]以上、本発明の好適
な実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実
施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱
しない範囲において種々の変形が可能である。例えば、
表示装置1は、CRTに限らず、応答速度の速い液晶デ
ィスプレイやプラズマディスプレイ、さらには発光ダイ
オードを用いたディスプレイやレーザ光走査によるディ
スプレイ等が使用できる。また、表示装置1は、直視型
のディスプレイに限らず、投射型のディスプレイでも良
い。
【0219】偏光板6、7の偏光方向10、11は、こ
れに限定されるものではなく、表示装置1に表示される
表示画像の上下方向と平行、または垂直な方向に限ら
ず、45゜やその他の方向に設定しても良い。その場合
には、偏光板6、7間に配された偏光状態を変化させる
部品の光学軸を、偏光板6、7の偏光方向10、11に
よって決定すれば良い。
【0220】移動機構8、9は圧電アクチュエータを利
用するもの以外に、モータとカム機構を利用するもの、
電磁作用を利用するもの等も使用できる。
【0221】上記の本発明の各実施形態において、表示
装置1の表示画像の画素の周期と、表示装置1の前面に
配置した、第1の偏光回転複スリット4や第2の偏光回
転複スリット5等における光の偏光状態を制御する領域
の周期とが干渉してモアレ縞が発生する場合には、表示
装置1と第1の偏光回転複スリット4や第2の偏光回転
複スリット5等との距離を離すと、モアレ縞が見えなく
なる。
【0222】また、本発明の各実施形態で使用した部品
において、表面に反射防止膜を施す等の手段により各部
品の光の反射率を極力小さくした方が画面の輝度が明る
くなり、しかも不要な光が反射しないので見やすさも向
上する。
【0223】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特別な眼鏡をかけずに高精細な立体画像を観察でき、さ
らに立体画像と2次元画像を容易に切り換えることがで
きる立体表示装置において、右眼、または左眼がそれぞ
れ逆の眼用の画像を観察しないように、偏光を変化させ
る領域を2回透過する際に、複屈折の波長依存性の影響
を打ち消すので、左右画像のクロストークが低減され、
見易い立体表示を可能にする立体表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立体表示装置の第1の実施形態を示す
平面図である。
【図2】本発明の立体表示装置の第1の実施形態の動作
を説明するための部分拡大平面図である。
【図3】本発明の立体表示装置の第1の実施例の効果を
説明するための図である。
【図4】本発明の立体表示装置の第1の実施形態におけ
る2次元画像を表示する場合の動作を説明するための部
分拡大平面図である。
【図5】本発明の立体表示装置の第2の実施形態を示す
平面図である。
【図6】本発明の立体表示装置の第2の実施形態の動作
を説明するための部分拡大平面図である。
【図7】本発明の立体表示装置の第2の実施形態の効果
を説明するための図である。
【図8】本発明の立体表示装置の第3の実施形態を示す
平面図である。
【図9】本発明の立体表示装置の第3の実施形態の動作
を説明するための部分拡大平面図である。
【図10】本発明の立体表示装置の第4の実施形態を示
す平面図である。
【図11】本発明の立体表示装置の第4の実施形態の動
作を説明するための部分拡大平面図である。
【図12】本発明の立体表示装置の第4の実施形態にお
ける駆動方法を説明するための駆動波形を示す図であ
る。
【図13】図12に示した電圧波形による駆動状態を示
す部分拡大平面図である。
【図14】本発明の立体表示装置の第4の実施形態にお
ける2次元画像を表示する場合の動作を説明するための
部分拡大平面図である。
【図15】本発明の立体表示装置の第5の実施形態を示
す平面図である。
【図16】本発明の立体表示装置の第5の実施形態の動
作を説明するための部分拡大平面図である。
【図17】本発明の立体表示装置の第6の実施形態を示
す平面図である。
【図18】本発明の立体表示装置の第6の実施形態の動
作を説明するための部分拡大平面図である。
【図19】本発明の立体表示装置の第6の実施形態にお
ける駆動方法を説明するための駆動波形を示す図であ
る。
【図20】図19に示した電圧波形による駆動状態を示
す部分拡大平面図である。
【図21】本発明の立体表示装置の第6の実施形態にお
ける2次元画像を表示する場合の動作を説明するための
部分拡大平面図である。
【図22】従来のパララックスバリア方式の立体表示装
置の一例を示す平面図である。
【図23】従来の立体表示装置の一例を示す平面図であ
る。
【図24】図23に示した従来の立体表示装置の動作を
説明するための部分拡大平面図である。
【図25】図23に示した従来の立体表示装置における
解決すべき課題を説明するための図である。
【符号の説明】
1、71、81 表示装置 2、72、82 右眼 3、73、83 左眼 4 第1の偏光回転複スリット 5 第2の偏光回転複スリット 6、7、86、87 偏光板 8、9 移動機構 10、11、90、91 偏光板の偏光方向 12a、92a、13b、93b 右眼視線 14a、94a、15b、95b 左眼視線 16、36、46 偏光方向を右回りに90゜回転する
領域 17、37、47、97 偏光方向を変化させない領域 18、38、48 偏光方向を左回りに90゜回転する
領域 24 第1の偏光変換複スリット 25 第2の偏光変換複スリット 26、56、67 位相差が+λ/4の領域 27、57、68 位相差が−λ/4の領域 34、84 偏光回転スイッチアレイ 35、85 偏光回転複スリット 44 第1の偏光回転スイッチアレイ 45 第2の偏光回転スイッチアレイ 54 偏光変換スイッチアレイ 55 偏光変換複スリット 64 第1の偏光変換スイッチアレイ 65 第2の偏光変換スイッチアレイ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両眼視差情報を有する右眼用画像と左眼
    用画像を時間的に交互に表示する表示装置と、 前記表示装置の前面に配置された2枚の偏光板と、前記
    2枚の偏光板の間に前後して配置された第1の偏光回転
    複スリットと第2の偏光回転複スリットと、 前記第1の偏光回転複スリットと前記第2の偏光回転複
    スリットの少なくとも一方に接続された移動機構と、か
    ら構成され、 前記第1の偏光回転複スリットと前記第2の偏光回転複
    スリットのどちらか一方には、偏光方向を右回りに90
    ゜回転する領域と偏光方向を変化させない領域とが前記
    表示装置に表示された表示画像の上下方向と平行な方向
    に長いストライプ状に交互に形成されており、もう一方
    には、偏光方向を左回りに90゜回転する領域と偏光方
    向を変化させない領域とが前記ストライプ状に交互に形
    成されており、 観察者の右眼からは前記右眼用画像のみが、かつ左眼か
    らは前記左眼用画像のみが観察されるように、前記右眼
    用画像と前記左眼用画像の表示切り換えに同期して、前
    記移動機構により前記第1の偏光回転複スリットと前記
    第2の偏光回転複スリットの少なくとも一方を移動させ
    る構成からなる立体表示装置。
  2. 【請求項2】 両眼視差情報を有する右眼用画像と左眼
    用画像を時間的に交互に表示する表示装置と、 前記表示装置の前面に配置された2枚の偏光板と、前記
    2枚の偏光板の間に前後して配置された第1の偏光変換
    複スリットと第2の偏光変換複スリットと、 前記第1の偏光変換複スリットと前記第2の偏光変換複
    スリットの少なくとも一方に接続された移動機構と、か
    ら構成され、 前記第1の偏光変換複スリットと前記第2の偏光変換複
    スリットにはそれぞれ、+1/4波長の位相差を与える
    領域と−1/4波長の位相差を与える領域とが前記表示
    装置に表示された表示画像の上下方向と平行な方向に長
    いストライプ状に交互に形成されており、 観察者の右眼からは前記右眼用画像のみが、かつ左眼か
    らは前記左眼用画像のみが観察されるように、前記右眼
    用画像と前記左眼用画像の表示切り換えに同期して、前
    記移動機構により前記第1の偏光変換複スリットと前記
    第2の偏光変換複スリットの少なくとも一方を移動させ
    る構成からなる立体表示装置。
  3. 【請求項3】 両眼視差情報を有する右眼用画像と左眼
    用画像を時間的に交互に表示する表示装置と、 前記表示装置の前面に配置された2枚の偏光板と、 前記2枚の偏光板の間に前後して配置された偏光回転ス
    イッチアレイと偏光回転複スリットと、から構成され、 前記偏光回転スイッチアレイと前記偏光回転複スリット
    のどちらか一方には、偏光方向を右回りに90゜回転す
    る領域と偏光方向を変化させない領域とが前記表示装置
    に表示された表示画像の上下方向と平行な方向に長いス
    トライプ状に交互に形成されており、もう一方には、偏
    光方向を左回りに90゜回転する領域と偏光方向を変化
    させない領域とが前記ストライプ状に交互に形成されて
    おり、かつ、前記偏光回転スイッチアレイは、前記スト
    ライプ状に形成された、偏光方向を変化させない領域と
    偏光方向を右回りに90゜回転する領域もしくは偏光方
    向を左回りに90゜回転する領域とを互いに反転させる
    ことが可能であり、 観察者の右眼からは前記右眼用画像のみが、かつ左眼か
    らは前記左眼用画像のみが観察されるように、前記右眼
    用画像と前記左眼用画像の表示切り換えに同期して、前
    記偏光回転スイッチアレイの、偏光方向を変化させない
    領域と偏光方向を右回りに90゜回転する領域もしくは
    偏光方向を左回りに90゜回転する領域とを切り換える
    構成からなる立体表示装置。
  4. 【請求項4】 両眼視差情報を有する右眼用画像と左眼
    用画像を時間的に交互に表示する表示装置と、 前記表示装置の前面に配置された2枚の偏光板と、 前記2枚の偏光板の間に前後して配置された第1の偏光
    回転スイッチアレイと第2の偏光回転スイッチアレイ
    と、から構成され、 前記第1の偏光回転スイッチアレイと前記第2の偏光回
    転スイッチアレイのどちらか一方には、偏光方向を右回
    りに90゜回転する領域と偏光方向を変化させない領域
    とが前記表示装置に表示された表示画像の上下方向と平
    行な方向に長いストライプ状に交互に形成されており、
    もう一方には、偏光方向を左回りに90゜回転する領域
    と偏光方向を変化させない領域とが前記ストライプ状に
    交互に形成されており、かつ、前記第1および第2の偏
    光回転スイッチアレイはそれぞれ、前記ストライプ状に
    形成された、偏光方向を変化させない領域と偏光方向を
    右回りに90゜回転する領域もしくは偏光方向を左回り
    に90゜回転する領域とを互いに反転させることが可能
    であり、 観察者の右眼からは前記右眼用画像のみが、かつ左眼か
    らは前記左眼用画像のみが観察されるように、前記右眼
    用画像と前記左眼用画像の表示切り換えに同期して、第
    1の偏光回転スイッチアレイと第2の偏光回転スイッチ
    アレイの少なくとも一方の、偏光方向を変化させない領
    域と偏光方向を右回りに90゜回転する領域もしくは偏
    光方向を左回りに90゜回転する領域とを切り換える構
    成からなる立体表示装置。
  5. 【請求項5】 両眼視差情報を有する右眼用画像と左眼
    用画像を時間的に交互に表示する表示装置と、 前記表示装置の前面に配置された2枚の偏光板と、 前記2枚の偏光板の間に前後して配置された偏光変換ス
    イッチアレイと偏光変換複スリットと、から構成され、 前記偏光変換スイッチアレイと前記偏光変換複スリット
    にはそれぞれ、+1/4波長の位相差を与える領域と−
    1/4波長の位相差を与える領域とが前記表示装置に表
    示された表示画像の上下方向と平行な方向に長いストラ
    イプ状に交互に形成されており、かつ、前記偏光変換ス
    イッチアレイは、前記ストライプ状に形成された、+1
    /4波長の位相差を与える領域と−1/4波長の位相差
    を与える領域とを互いに反転させることが可能であり、 観察者の右眼からは前記右眼用画像のみが、かつ左眼か
    らは前記左眼用画像のみが観察されるように、前記右眼
    用画像と前記左眼用画像の表示切り換えに同期して、前
    記偏光変換スイッチアレイの、+1/4波長の位相差を
    与える領域と−1/4波長の位相差を与える領域とを切
    り換える構成からなる立体表示装置。
  6. 【請求項6】 両眼視差情報を有する右眼用画像と左眼
    用画像を時間的に交互に表示する表示装置と、 前記表示装置の前面に配置された2枚の偏光板と、 前記2枚の偏光板の間に前後して配置された第1の偏光
    変換スイッチアレイと第2の偏光変換スイッチアレイ
    と、から構成され、 前記第1の偏光変換スイッチアレイと前記第2の偏光変
    換スイッチアレイにはそれぞれ、+1/4波長の位相差
    を与える領域と−1/4波長の位相差を与える領域とが
    前記表示装置に表示された表示画像の上下方向と平行な
    方向に長いストライプ状に交互に形成されており、か
    つ、前記第1および第2の偏光変換スイッチアレイはそ
    れぞれ、前記ストライプ状に形成された、+1/4波長
    の位相差を与える領域と−1/4波長の位相差を与える
    領域とを互いに反転させることが可能であり、 観察者の右眼からは前記右眼用画像のみが、かつ左眼か
    らは前記左眼用画像のみが観察されるように、前記右眼
    用画像と前記左眼用画像の表示切り換えに同期して、第
    1の偏光変換スイッチアレイと第2の偏光変換スイッチ
    アレイの少なくとも一方の、+1/4波長の位相差を与
    える領域と−1/4波長の位相差を与える領域とを切り
    換える構成からなる立体表示装置。
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