JPH11295510A - 回折格子およびその製造方法 - Google Patents

回折格子およびその製造方法

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JPH11295510A
JPH11295510A JP10162998A JP10162998A JPH11295510A JP H11295510 A JPH11295510 A JP H11295510A JP 10162998 A JP10162998 A JP 10162998A JP 10162998 A JP10162998 A JP 10162998A JP H11295510 A JPH11295510 A JP H11295510A
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JP
Japan
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diffraction grating
thin film
periodic
grating
polymerized
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JP10162998A
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English (en)
Inventor
Kenichi Hayashi
賢一 林
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価な露光機を用いることなく、短時間で作
製できる構成の回折格子を提供すること。 【解決手段】 回折格子1は、光学的等方性基板として
のガラス基板10を有している。ガラス基板10の第1
の光通過面にはジアセチレンモノマー膜11からなる薄
膜11が形成されている。この薄膜11には、当該薄膜
11に選択的な紫外線照射によって周期格子20が形成
されている。周期格子20は、紫外線照射を受けて重合
した重合部21と、紫外線照射を受けなかった非重合部
22とを備えている。このような回折格子1は、ポリジ
アセチレン誘電体の薄膜を形成し、それにパターン露光
を施す工程を必要とすることなく作製できる。よって、
回折格子を極めて短時間で作製でき、高性能で高価な露
光機も不要となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の光学装置に
用いられる回折格子およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】各種の光学装置、例えば、CD、DV
D、MOなどの光ディスクの記録・再生に用いられる光
ピックアップ装置には、光ディスクからの戻り光を発光
素子からの出射光と分離してフォトセンサに導くなどの
目的から、回折格子が使用される。回折格子としては、
図6に示すような回折格子100が知られている。この
回折格子100では、光学的等方性基板10の表面10
1にポリジアセチレン誘電体膜110からなる周期格子
200が形成されている。
【0003】ポリジアセチレン誘電体膜110は、紫外
線が照射されると分子鎖が結合し、その後切断されて色
相変化を起こす。例えば、青色、赤色、透明の順に色相
変化する。ポリジアセチレン誘電体膜110はこの色相
変化に伴って屈折率が変化する。従来においては、この
性質を利用して、光学的等方性基板10に形成したポリ
ジアセチレン誘電体膜110に紫外線を選択的に照射す
ることによって、紫外線が照射された照射部210と、
紫外線照射を受けなかった部分(重合部)220とが周
期的に形成された周期格子200を形成している。
【0004】このような周期格子200は、照射部21
0と重合部220の屈折率の相違によって、それぞれの
部分210、220を通る光の間には位相差が生じるの
で、入射した光を回折する作用を有する。
【0005】回折格子100は、図7に示すように製造
される。まず、図7(A)に示すように、光学的等方性
基板10の表面101にポリエチレンテレフタレート
(PET)膜からなる配向膜13を成膜する。次に、配
向膜13をラビング処理した後、図7(B)に示すよう
に、配向膜13の表面にジアセチレンモノマー膜11を
形成する。次に、図7(C)に示すように、ジアセチレ
ンモノマー膜11を紫外線照射によって重合し、ポリジ
アセチレン誘電体膜110とする。最後に、図7(D)
に示すように、紫外線透過部分30aが周期格子状に形
成されたフォトマスク30を介して、ポリジアセチレン
誘電体膜110に紫外線をパターン露光する。この結
果、周期格子200を有する回折格子100が形成され
る。なお、図6においては、配向膜13を省略した状態
の回折格子100を示してある。
【0006】ここで、DVD用の光ピックアップ装置の
光学系では、波長が650nmのレーザ光が用いられて
いる。このため、この光学系に組み込まれる回折格子と
しては、そのレーザ光の波長(650nm)に対して高
い透過率を有するものが求められる。赤色相に変化した
ポリジアセチレン誘電体は、その波長に対する透過率が
高い。このため、従来では、ジアセチレンモノマー膜1
1を重合して得られたポリジアセチレン誘電体膜110
が赤色相でない場合は、このポリジアセチレン誘電体膜
110を熱処理して赤色相に変化させ、しかる後に、パ
ターン露光を行なう。このようにして得られる回折格子
100は、赤色相の重合部220と、透明相の照射部2
10とが周期的に形成された周期格子200を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のパターン露光
は、露光機から波長が250nmの照度が1.5mW/
cm2 、波長が350nmの照度が11mW/cm2
および波長が420nmの照度が20mW/cm2 の紫
外線をポリジアセチレン誘電体膜110に照射する場
合、所定の膜厚のポリジアセチレン誘電体膜110を目
標とする色相に変化させるためには約6〜10時間程度
の露光時間が必要となる。また、このような露光処理は
ウェーハ毎に行なうのが一般的である。このように、パ
ターン露光は非常に時間がかかり、また、一度に多くの
量を処理できないので、この工程が回折格子の大量生産
を妨げる大きな原因となっている。
【0008】露光時間を短縮するために、照度の大きな
短波長域の紫外線を照射できる露光機を用いることが考
えられる。しかし、このような露光機は高価であるの
で、非常に多額の設備投資が必要となる。
【0009】ここで、透明相のポリジアセチレン誘電体
膜は、分子が低分子化されているために、水に溶けやす
く、また、空気中で徐々に揮発する傾向がある。このた
め、このようなポリジアセチレン誘電体を備えた回折格
子では、周期格子を形成した後に、保護膜を形成した
り、熱を加えて当該ポリアセチレン誘電体を安定化させ
るなどの工程を加える必要がある。このように、ポリジ
アセチレン誘電体膜をパターン露光して周期格子を形成
する場合、特別な工程を経てその得られた周期格子を安
定化させることが必要になることもある。
【0010】本発明の課題は、このような点に鑑みて、
高性能で高価な露光機を用いることなく、従来工程と比
較して工程が少なく、極めて短時間に大量生産すること
が可能な構成の回折格子およびその製造方法を提供する
ことにある。
【0011】また、本発明の課題は、周期格子を安定化
させるための特別な工程が不要な構成の回折格子および
その製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の回折格子は、光学的等方性基板と、この光
学的等方性基板の光入射面および光出射面のうち少なく
とも一方の光通過面に形成した周期格子とを有する回折
格子において、前記周期格子として、前記光通過面に形
成したジアセチレンモノマーからなる薄膜に紫外線を選
択的に照射することによって、当該ジアセチレンモノマ
ーが重合された重合部(ポリジアセチレン誘電体に変化
した部分)が周期的に形成されたものを採用するように
している。
【0013】本発明の回折格子の周期格子は、ジアセチ
レンモノマーからなる薄膜を選択的に重合して重合部を
周期的に形成したものである。このため、ジアセチレン
モノマーを重合する工程において、そのジアセチレンモ
ノマーに対して紫外線を選択的に照射するだけで周期格
子を形成できる。従って、ポリジアセチレン誘電体膜を
パターン露光する工程が不要となるので、回折格子を短
時間で作製できる。これにより、回折格子の大量生産が
可能となる。また、回折格子の作製にあたって、照度の
大きな短波長域の紫外線を照射できる高性能な露光機も
不要である。さらに、ポリジアセチレン誘電体にパター
ン露光することがないので、透明相のポリジアセチレン
誘電体が形成されることもない。従って、透明相を安定
化させるための特別な工程を行なわなくても良い。
【0014】このような本発明の回折格子は本発明の回
折格子の製造方法によって次のように製造できる。すな
わち、本発明の回折格子の製造方法では、前記ジアセチ
レンモノマーからなる前記薄膜を形成した後、当該薄膜
の表面を、紫外線透過部分が周期格子状に形成されたフ
ォトマスクで覆い、当該フォトマスクを介して前記薄膜
の表面に紫外線を照射することにより前記周期格子を形
成する。
【0015】本発明の回折格子の周期格子としては、前
記光通過面に形成した凹凸からなる周期構造によって構
成されたものを採用できる。この場合、前記周期格子の
凸部を、前記光通過面に形成したジアセチレンモノマー
からなる薄膜に紫外線を照射することによって、当該ジ
アセチレンモノマーが重合された重合部とする。また、
前記周期格子の凹部を、隣接する前記凸部の間の前記薄
膜を除去することによって形成したものとする。
【0016】このような重合部と凹部によって構成され
た周期格子では、重合部と凹部の間の屈折率差は重合部
と非重合部の間のものに比べて大きくなる。このため、
所望の回折特性を得るのに必要な重合部の厚さを少なく
できる。このように重合部を薄くできるので、材料、す
なわち、ジアセチレンモノマーの量を少なくして、材料
コストの低減を図ることができる。また、ジアセチレン
モノマーの蒸着時間を短縮できる効果も得られる。これ
により、回折格子のコストを低減できる。
【0017】このような本発明の回折格子は、前記重合
部と前記モノマーを形成した後に、モノマーの融点以上
の温度で熱処理を加えて当該非重合部を揮発させること
によって作製できる。このようにして形成された凹部
は、そのままにしておいても良く、また、そこに透明部
材を充填しても良い。さらに、非重合部を除去する量を
コントロールして、凹部内にジアセチレンモノマーから
なる薄膜が残るようにしても良い。この熱処理により、
熱に対して比較的不安定なモノマーが除去されるため、
周期格子がさらに安定化される。
【0018】ここで、回折格子をDVD用の光ピックア
ップ装置に組み込むことを想定している場合は、前記重
合部を赤色相に色相変化させておくことにより、その装
置に好適な回折格子とすることができる。
【0019】重合部を赤色相にする場合、非重合部を揮
発させる前段階の重合部が青色相となっていれば、回折
格子に熱を加えて、前記非重合部の揮発と重合部を赤色
相に変化させる処理を同時に行なうことができる。
【0020】本発明の回折格子において、周期格子の表
面には透明材料からなる保護膜ならびに反射防止膜を形
成しておくことが望ましい。このような保護膜を形成し
ておけば、周期格子を機械的な傷から保護することがで
きる。保護膜に反射防止機能を付加しても良い。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の
実施の形態を説明する。
【0022】(回折格子の構成)図1(A)は本発明を
適用した回折格子の斜視図、(B)はその概略断面構成
図である。回折格子1は、光入射面および光出射面とな
る第1および第2の光通過面101、102を備えた光
学的等方性基板としてのガラス基板10を有している。
このガラス基板10の第1の光通過面101には所定の
膜厚の薄膜11が形成されている。この薄膜11の表面
には、この薄膜11自身に対する選択的な紫外線照射に
よって、周期格子20が構成されている。ガラス基板1
0の第1の光通過面101、すなわち、薄膜11の下地
にはポリエチレンテレフタレート(PET)膜からなる
配向膜13が形成されている。周期格子20の表面に
は、一点鎖線で示すように、透明材料からなる保護膜1
4が形成されている。
【0023】薄膜11はジアセチレンモノマーを蒸着す
ることにより形成されている。ジアセチレンモノマーと
しては、以下の化学式(1)に示されるジアセチレンモ
ノマーが用いられている。このジアセチレンモノマーか
らなる薄膜(以下では、ジアセチレンモノマー膜)11
は、図1(A)から分かるように、X−Y平面内で配向
されており、主鎖方向(配向方向)が矢印Hで示すよう
にY軸方向となっている。このように配向方向を所定の
方向に合わせるためには、ジアセチレンモノマー膜11
の下地膜(配向膜)13を所望の方向にラビング処理し
ておけば良い。
【0024】
【化1】
【0025】このようなジアセチレンモノマー膜11
は、紫外線照射によって重合されポリジアセチレン誘電
体になる。このポリジアセチレン誘電体はジアセチレン
モノマーに比べて屈折率が大きい。本例では、この性質
を利用して、X方向における屈折率が周期的に変化する
周期格子20を形成している。
【0026】本例の周期格子20は、同一の厚さおよび
幅の複数の重合部21および非重合部22がX方向にお
いて交互に配列されたものである。重合部21は紫外線
照射を受けてジアセチレンモノマーが重合した部分であ
り、この部分はポリジアセチレン誘電体になっている。
この重合部21は、例えば、ジアセチレンモノマーとし
て、化学式(1)においてm=2、n=3のもの(2U
3)を使用した場合は、赤色相のポリジアセチレン誘電
体になり、ジアセチレンモノマーとして、化学式(1)
においてm=4、n=2のもの(4U2)を使用した場
合は、青色相のポリジアセチレン誘電体になる。非重合
部22は、紫外線照射を受けずにジアセチレンモノマー
膜11がそのまま残っている部分である。このようなポ
リジアセチレン誘電体からなる重合部21と、ジアセチ
レンモノマーからなる非重合部22との間には屈折率差
が生じるので、周期格子20は回折作用を有する。
【0027】(回折格子の製造方法)次に、回折格子1
の製造方法を説明する。まず、図2(A)に示すよう
に、ガラス基板10の第1の光通過面101にPET膜
からなる配向膜13を形成する。この配向膜13を形成
するには、まず、PETを少量のフッ素系アルコール溶
剤に飽和するまで溶解させた後、塩素系希釈液で十倍に
希釈し、この希釈した溶液から沈殿物などを取り除いた
ものをガラス基板10の第1の光通過面101に塗布す
る。このPET膜13の膜厚は、例えば、100nm〜
200nmである。次に、PET膜13の表面をシリコ
ン、レーヨン、ポリエステル等のクロスで一方向にラビ
ング処理することにより、配向膜とすることができる。
【0028】次に、図2(B)に示すように、配向膜1
3の表面に、化学式(1)に示すジアセチレンモノマー
を真空蒸着法により成膜する。この真空蒸着時には、ジ
アセチレンモノマーはラビング処理された方向に従って
自発的に配向する。本例では、上記の真空蒸着を行うに
あたって、抵抗加熱による加熱温度を124℃、蒸着速
度0.05nm/s〜0.5nm/s、圧力を1〜4m
Paとしてジアセチレンモノマーを成膜する。この結
果、上述したジアセチレンモノマー膜11が形成され
る。
【0029】次に、ジアセチレンモノマー膜11に紫外
光を選択的に照射して周期格子20を形成する。紫外光
を照射するにあたっては、まず、図2(C)に示すよう
に、ジアセチレンモノマー膜11の上に周期格子20の
パターンが形成されたフォトマスク(クロムマスク)3
0を配置し、従来の露光機で得られる紫外線を、ジアセ
チレンモノマー膜11の膜厚に応じて所定の時間照射す
る。これにより、フォトマスク30の紫外線透過部分3
0aに相当するジアセチレンモノマー膜11は、紫外線
照射により重合され前記の重合部21になる。一方、フ
ォトマスク30の遮光部分30bに相当するジアセチレ
ンモノマー膜11は、紫外線照射されないので、前記の
非重合部22になる。以上の工程を経て、図1(A)お
よび(B)に示したような回折格子1が製造される。
【0030】ここで、回折格子1をDVD用の光ピック
アップ装置に組み込む場合、回折格子1は、その光ピッ
クアップ装置で使用されるレーザ光の波長(650n
m)に対して吸収がないものであることが望ましい。赤
色相のポリジアセチレン誘電体は上記の波長に対して高
い透過率を示す。上述したように、2U3で表されるジ
アセチレンモノマーは、重合すると赤色相のポリジアセ
チレン誘電体に変化する。このため、回折格子1をDV
D用の光ピックアップ装置に用いる場合は、2U3で表
されるジアセチレンモノマーを用いることが望ましい。
【0031】このように回折格子1は、ジアセチレンモ
ノマー膜11を選択的に重合させて、重合部21と非重
合部22とが周期的に形成された周期格子20を有して
いる。このため、従来の回折格子のように、ジアセチレ
ンモノマー膜11を一旦重合してポリジアセチレン誘電
体膜とし、しかる後に、そのポリジアセチレン誘電体膜
をパターン露光する必要がない。すなわち、ジアセチレ
ンモノマー膜11を重合する際に、その膜11に選択的
に紫外線を照射するだけで周期格子を形成できる。従っ
て、回折格子を短時間で作製できる。また、回折格子を
作製するにあたっては、高性能な露光機も必要ないの
で、過剰な設備投資をする必要もない。さらに、ポリジ
アセチレン誘電体が透明相に変化することもないので、
特別な工程を経て透明相を安定化させなくても常に最適
な回折特性を有する周期格子を得ることができる。
【0032】また、回折格子1では、周期格子20の表
面に保護膜14を形成してあるので、機械的な傷から周
期格子20を保護することができる。
【0033】なお、図1(A)および(B)に示した回
折格子1では、重合部21と非重合部22とが周期的に
形成された周期格子20を採用しているが、図3に示す
回折格子1Aのように、非重合部22を取り除いて、そ
こに凹部23を形成し、重合部(凸部)21と凹部23
とが周期的に形成された周期格子20Aを採用しても良
い。なお、モノマーの融点以上に加熱することによって
非重合部22を揮発させることができる。
【0034】このような周期格子20Aを有する回折格
子1Aでも、上述した回折格子1と同様の効果を得るこ
とができる。これに加えて、回折格子1における重合部
21と非重合部22との屈折率差に比べて、回折格子1
Aにおける重合部21と凹部23との屈折率差は大きく
なるので、所望の回折特性を得るのに必要な重合部21
を薄くできる。このため、ジアセチレンモノマーの量を
少なくできるので、材料コストを低減できる。また、ジ
アセチレンモノマーの蒸着時間を短縮できる効果も得ら
れる。これにより、いっそう低コストの回折格子を実現
できる。また、回折格子1Aは、図1に示した回折格子
1に比べて偏光無依存型の回折格子に適した構造であ
る。
【0035】また、回折格子1Aでは、ジアセチレンモ
ノマーがそのまま残っている部分がないので、よりいっ
そう熱的に安定な回折格子を提供できる。
【0036】凹部23を形成した場合、凹部23をその
ままにしておく代わりに、図4に示す回折格子1Bのよ
うに、そこに透明部材24を充填し、透明部材24と重
合部21からなる周期格子20Bとしても良い。この周
期格子20Bを有する回折格子1Bにおいても、回折格
子1と同様の効果を得ることができ、また、ジアセチレ
ンモノマーが残っていないので、回折格子1Aと同様
に、熱的に非常に安定な回折格子となる。なお、このよ
うな回折格子1Bは、常光および異常光のいずれか一方
を回折して、他方を透過する特性を有する完全偏光性の
回折格子に有利な構成である。
【0037】凹部23を形成する場合、非重合部22を
完全に揮発させる代わりに、図5に示す回折格子1Cの
ように、非重合部22の揮発する量をコントロールする
ことによって、凹部23に非重合部(ジアセチレンモノ
マー膜11)22が残っている周期格子20Cであって
も良い。このような回折格子1Cでも、図1に示した回
折格子1と同様の効果を得ることができる。
【0038】上記の回折格子1A、1B、1Cの製造過
程では、非重合部22を揮発させるために熱処理が行な
われる。このため、この熱処理を重合部21を色相変化
させる処理として利用できる。従って、上記の回折格子
1A、1B、1Cの構成を採用すれば、重合後のポリジ
アセチレン誘電体が青色相になるジアセチレンモノマー
(例えば、4U2で表されるもの)を用いてDVD用の
光ピックアップ装置に適した回折格子を形成できる。す
なわち、パターン重合して青色相のポリジアセチレン誘
電体からなる重合部21を形成し、しかる後に、そのポ
リジアセチレン誘電体の色相を、非重合部22の揮発工
程と同一の工程で赤色相にすることができる。これによ
り、上記の装置で使用されている光の波長(650n
m)に対して高い透過率有する回折格子を形成できる。
【0039】なお、図1に示した回折格子1と同様に、
それぞれの回折格子1A、1B、1Cの周期格子20
A、20B、20Cの表面に、透明材料からなる保護膜
を形成しても良いのは勿論である。さらに、反射防止膜
を形成するとなお良い。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の回折格子
は、ジアセチレンモノマーからなる薄膜に選択的な紫外
線照射を施すことによって形成した周期格子を有してい
る。このような周期格子は、ジアセチレンモノマーから
なる薄膜に対してパターン重合することにより形成でき
る。このため、ポリジアセチレン誘電体膜にパターン露
光する工程をなくすことができるので、回折格子を極め
て短時間で作製できる。また、回折格子の作製にあたっ
て、高価な露光機も必要ない。さらに、透明相のポリジ
アセチレン誘電体が形成されることもないので、透明相
を安定化させるための特別な工程が不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明を適用した回折格子の概略構成
を示す斜視図、(B)は(A)の概略断面構成図であ
る。
【図2】図1に示す回折格子の製造方法を示す図であ
る。
【図3】図1に示す回折格子における非重合部を除去し
た回折格子の例を示す概略断面構成図である。
【図4】図3に示す回折格子における凹部に透明部材を
充填した回折格子の例を示す概略断面構成図である。
【図5】図3に示す回折格子における凹部に非重合部が
残っている回折格子の例を示す概略断面構成図である。
【図6】従来の回折格子の概略断面構成図である。
【図7】図6に示す従来の回折格子の製造方法を示す図
である。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C 回折格子 10 ガラス基板 101 第1の光通過面 102 第2の光通過面 11 ジアセチレンモノマー膜(薄膜) 13 配向膜 14 保護膜 20、20A、20B、20C 周期格子 21 重合部 22 非重合部 23 凹部 24 透明部材 30 フォトマスク 30a 紫外線透過部分

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的等方性基板と、この光学的等方性
    基板の光出射面および光入射面のうち少なくとも一方の
    光通過面に形成した周期格子とを有する回折格子におい
    て、 前記周期格子は、前記光通過面に形成したジアセチレン
    モノマーからなる薄膜に紫外線を選択的に照射すること
    によって、当該ジアセチレンモノマーが重合された重合
    部が周期的に形成されたものであることを特徴とする回
    折格子。
  2. 【請求項2】 光学的等方性基板と、この光学的等方性
    基板の光出射面および光入射面のうち少なくとも一方の
    光通過面に形成した周期格子とを有する回折格子におい
    て、 前記周期格子は、前記光通過面に形成された凹凸からな
    る周期構造によって構成されており、 前記周期格子の凸部は、前記光通過面に形成したジアセ
    チレンモノマーからなる薄膜に紫外線を照射することに
    よって、当該ジアセチレンモノマーが重合された重合部
    であり、前記周期格子の凹部は、隣接する前記凸部の間
    の前記薄膜を除去することによって形成されたものであ
    ることを特徴とする回折格子。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記凹部には前記薄
    膜の一部が残っていることを特徴とする回折格子。
  4. 【請求項4】 請求項2または3において、前記凹部に
    は光学的な透明部材が充填されていることを特徴とする
    回折格子。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかの項におい
    て、前記重合部は赤色相のポリジアセチレン誘電体から
    なることを特徴とする回折格子。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかの項におい
    て、前記周期格子の表面には透明材料からなる保護膜が
    形成されていることを特徴とする回折格子。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の回折格子の製造方法で
    あって、前記ジアセチレンモノマーからなる前記薄膜を
    形成した後、当該薄膜の表面を、紫外線透過部分が周期
    格子状に形成されたフォトマスクで覆い、当該フォトマ
    スクを介して前記薄膜の表面に紫外線を照射して、前記
    周期格子を形成することを特徴とする回折格子の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の回折格子の製造方法に
    おいて、前記ジアセチレンモノマーからなる前記薄膜を
    形成した後、当該薄膜の表面を紫外線透過部分が周期格
    子状に形成されたフォトマスクで覆い、当該フォトマス
    クを介して前記薄膜の表面に紫外線を照射して前記重合
    部を形成し、しかる後に、隣接する前記重合部の間の前
    記薄膜を除去することにより前記周期格子を形成するこ
    とを特徴とする回折格子の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8において、隣接する前記重合部
    の間の前記薄膜の除去をモノマーの融点以上の温度の熱
    処理で行い、この熱処理で赤色相のポリジアセチレン誘
    電体からなる前記重合部を形成することを特徴とする回
    折格子の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7221509B2 (en) 2001-04-18 2007-05-22 Ricoh Company, Ltd. Method and apparatus for optical pickup capable of performing an effective polarization split
JP2007128042A (ja) * 2005-10-31 2007-05-24 Samsung Electronics Co Ltd 偏光性液晶フィルムとその製造方法、偏光性液晶フィルム一体型導光板及びこれを含むバックライトユニット

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US7221509B2 (en) 2001-04-18 2007-05-22 Ricoh Company, Ltd. Method and apparatus for optical pickup capable of performing an effective polarization split
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