JPH11294872A - 空調装置の冷媒回路 - Google Patents

空調装置の冷媒回路

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JPH11294872A
JPH11294872A JP10239798A JP10239798A JPH11294872A JP H11294872 A JPH11294872 A JP H11294872A JP 10239798 A JP10239798 A JP 10239798A JP 10239798 A JP10239798 A JP 10239798A JP H11294872 A JPH11294872 A JP H11294872A
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valve
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refrigerant circuit
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】圧縮機の吐出側と吸入側を短時間で均圧させる
ことが可能で、また圧縮機内の油が希釈を防止し、再起
動後には短時間で安定する空調用冷媒回路の提供。 【解決手段】圧縮機46の吐出側に逆止弁75を設け、
逆止弁と圧縮機の間と、圧縮機の吸入側とをキャピラリ
チューブ77でつなぐ。圧縮機と逆止弁との間に油分離
器76を設け、油分離器にキャピラリチューブの一端を
つなぐ。またキャピラリチューブと直列に電磁弁を設
け、これを開閉制御する。また室内熱交換器39と室外
熱交換器43との間に、圧縮機停止時に室内熱交換器と
室外熱交換器との間の流路を遮断する膨脹弁62または
電磁弁81を設ける。また、圧縮機の吸入側に設けたア
キュムレータ63に接ぐ配管79,80の端部79a,
80aはアキュムレータの上部に位置させ、且つアキュ
ムレータの底部と圧縮機の吸入側とをキャピラリチュー
ブ78でつなぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空調装置の冷媒回路
に関し、特に、走行駆動手段としてエンジンと走行モー
タとを有するハイブリッド車に備えた車両用空調装置の
冷媒回路に適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】図7はハイブリッド車に備えた従来の車
両用空調装置の要部構成の一例を示す説明図、図8は前
記車両用空調装置の冷媒回路例を示す構成図である。な
お、図7及び図8に示す装置は特開平5−162536
号公報において開示されたものである。
【0003】図7に示すハイブリッド車14は、車両後
部にエンジン13が搭載され、車両前部に走行用モータ
5が搭載されている。また、ハイブリッド車14には、
走行用モータ5の駆動のために図示しないバッテリやイ
ンバータ等も搭載されている。
【0004】ハイブリッド車14の車両用空調装置は、
吸気孔1,6,8,9,10,12と排気孔4とを有す
るダクト7を有している。ダクト7の内部には切換ダン
パ2、室外熱交換器3及び送風機14が設けられてい
る。また、排気孔4は車両の下面に設けられており、こ
の排気孔4の直前に室外熱交換器3及び送風機14が設
けられている。切換ダンパ2は室外熱交換器3の上方に
設けられており、図示しないモータ等によって図7中の
a側又はb側に回動され、排気孔4へ連通する流路を吸
気孔1側又は他の吸気孔6,8,9,10,12側に切
り換える。なお、図7中の11はラジエータである。
【0005】従って、この車両用空調装置では、冷房運
転を行う場合には、切換ダンパ2が図7中のa側に回動
されて流路が吸気孔1側に切り換えられ、図7中に白抜
き矢印で示すように、送風機14によって吸気孔1から
吸い込まれた空気が室外熱交換器3を通って排気孔4か
ら車外に排出される。また、暖房運転を行う場合には、
切換ダンパ2が図7中のb側に回動されて流路が吸気孔
6,8,9,10,12側に切り換えられ、図7中に黒
矢印で示すように、送風機14によって吸気孔6,8,
9,10,12から吸い込まれた空気が室外熱交換器3
を通って排気孔4から車外に排出される。
【0006】そして、この車両用空調装置の冷媒回路
は、図8に示すように、ヒートポンプとして作用するも
のであり、四方弁15によって冷媒の流路を切り換える
ことにより冷房運転と暖房運転とを行うようになってい
る。
【0007】即ち、冷房運転時には、冷媒がコンプレッ
サ16、四方弁15、室外熱交換器3、逆止弁22、キ
ャピラリーチューブ(毛細管)20、室内熱交換器2
1、四方弁15、アキュムレータ17,18、コンプレ
ッサ16の順に流れる。このときには、室内熱交換器2
1が吸熱器(エバポレータ)、室外熱交換器3が放熱器
(コンデンサ)となり、車室24(図7参照)内は冷房
される。一方、暖房運転時には、冷媒がコンプレッサ1
6、四方弁15、室内熱交換器21、逆止弁23、キャ
ピラリーチューブ19、室外熱交換器3、四方弁15、
アキュムレータ17,18、コンプレッサ16の順に流
れる。このときには、室外熱交換器3が吸熱器(エバポ
レータ)、室内熱交換器21が放熱器(コンデンサ)と
なり、車室24内が暖房される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両用空調装置の冷媒回路では、コンプレッサ16
を一旦停止した後に再起動する場合、すぐには再起動さ
せることができず、比較的長い待ち時間を要する。つま
り、コンプレッサ16は吐出側と吸入側の圧力差が大き
いとトルクが大き過ぎるため、吐出側と吸入側が均圧す
るまで(例えば圧力差が1〜2kg/cm2 になるま
で)再起動させることができない。ところが、冷媒回路
には冷媒を減圧する絞り機構(図示例の場合にはキャピ
ラリーチューブ19,20)等が設けられているため、
コンプレッサ16の吐出側と吸入側はなかなか均圧しな
い。例えば、均圧するのに3分程度の時間がかかる。
【0009】このことは、特に、ハイブリッド車14の
場合に問題になると考えられる。即ち、ハイブリッド車
14では始動時(低速時)に高トルクが得られる走行用
モータ5の特性と、高速時に高トルクが得られるエンジ
ン13の特性とを生かすために、車両の始動時(低速
時)には走行用モータ5によって走行し、高速時にはエ
ンジン13によって走行することが考えられるが、この
場合、走行用モータ5とエンジン13との切り換えが頻
繁に行われる可能性がある。そして、ハイブリッド車1
4ではコンプレッサ16をエンジン13と図示しないコ
ンプレッサ用モータとで選択的に駆動するように構成す
る場合があり、この場合には、上記のように走行用モー
タ5とエンジン13との切り換えが頻繁に行われると、
これに伴ってコンプレッサ16の起動・停止も頻繁に繰
り返されることになる。このため、上記のようにコンプ
レッサ16の再起動に時間がかかると、適切な空調が行
えなくなり、非常に不都合である。快適性の観点から
も、再起動までの待ち時間はできるだけ短い方がよい。
【0010】また、例えば暖房運転時にコンプレッサ1
6を停止すると、高圧側である室内熱交換器(コンデン
サ)21内の液冷媒が低圧側である室外熱交換器(エバ
ポレータ)3側に流れ込むが、上記のようにコンプレッ
サ16の起動・停止が頻繁に繰り返されると、室外熱交
換器(エバポレータ)3内の液冷媒がコンプレッサ16
に戻り、冷媒と共に循環している油がコンプレッサ16
内において希釈されてしまう。このため、コンプレッサ
16のベアリング部の油膜が薄くなり、コンプレッサ1
6は焼きつき起こして故障する虞がある。
【0011】更には、コンプレッサ16を再起動した後
には短時間で安定する(冷媒分布が停止前の状態に短時
間で回復する)ことが好ましく、このことからも、高圧
部(コンデンサ)と低圧部(エバポレータ)と間の流路
を瞬時に遮断して、高圧部(コンデンサ)から低圧部
(エバポレータ)への冷媒の移動を阻止することが望ま
れる。
【0012】ところが、一般に例えば、エバポレータ出
口の冷媒の過熱度を一定に制御するために温度式膨張弁
を用いるような場合には、コンプレッサが停止してから
温度式膨張弁が全閉に達するまでの時間が長くなるのは
その構造上避けられない。即ち、温度式膨張弁は、閉弁
方向に蒸発圧力とバネ力とを作用させる一方、開弁方向
に前記過熱度に相当する圧力だけ高めの圧力を作用させ
るものであり、前記過熱度が大きくなって温度式膨張弁
に作用する前記両圧力の差圧Δpが大きくなれば開度が
大きくなって冷媒流量を増加させ、前記過熱度が小さく
なって前記差圧Δpが小さくなれば開度が小さくなって
冷媒流量を減少させることにより前記過熱度を一定に制
御する。このため、温度式膨張弁は、コンプレッサを停
止させると、前記過熱度がなくなるために閉じる。しか
し、温度式膨張弁が全閉に達するまでには時間がかか
る。従って、この間に冷媒が高圧部(コンデンサ)から
低圧部(エバポレータ)へ移動してしまい、再起動後に
冷媒分布が元の状態に戻るには時間がかかる。即ち、安
定に達するまでの所要時間が長くなる。
【0013】また、起動時等にエバポレータ(室内熱交
換器21又は室外熱交換器3)で未蒸発の冷媒(液冷
媒)がコンプレッサ16に直接流入すると、上記の場合
と同様に油が希釈されてコンプレッサ16が故障してし
まう虞があるため、コンプレッサ16の吸入側には液冷
媒を溜めて蒸気冷媒だけをコンプレッサ16に戻すため
にアキュムレータが設けられる(図示例の場合には2段
アキュムレータ17,18が設けられている)。
【0014】かかるアキュムレータとしては、一般に図
7に示すような構造のものが知られている。同図に示す
アキュムレータ25では、アキュムレータ25に接続す
る一方の配管27の端部27aはアキュムレータ25の
上部(気相部25a)に位置する一方、アキュムレータ
25に接続する他方の配管26の端部26aはU字状に
形成され、アキュムレータ25の液相部25b内に位置
すると共に先端が気相部25aに突出している。また、
アキュムレータ25の液相部25aには油も溜まり、こ
のままではコンプレッサ内の油がなくなってしまうた
め、配管26の端部26aにはアキュムレータ25に溜
まっている油を吸い込んでコンプレッサに供給するため
に、油ピックアップホール26bが設けられている。
【0015】ところが、このようなU字管タイプのアキ
ュムレータ25では、コンプレッサの起動・停止が繰り
返されることによりアキュムレータ25に溜まる液冷媒
が増えて液面が上昇したときに、配管26の端部26a
(U字状部)に液冷媒が入ってしまい、この液冷媒がコ
ンプレッサの起動時にコンプレッサに吸い込まれてしま
う。その結果、上記の場合と同様に、コンプレッサ内の
油が希釈されてコンプレッサが故障してしまう虞があ
る。
【0016】従って本発明は上記従来技術に鑑み、コン
プレッサの吐出側と吸入側を短時間で均圧させることが
できる空調装置の冷媒回路を提供することを第1課題と
する。
【0017】また、コンプレッサの停止時に高圧側から
低圧側に液冷媒が移動するのを防止して、コンプレッサ
の起動・停止が頻繁に繰り返されてもコンプレッサ内の
油が希釈されるのを防止することができ、且つ再起動後
には短時間で安定に達する空調装置の冷媒回路を提供す
ることを第2課題とする。
【0018】また、コンプレッサの起動・停止が頻繁に
繰り返されてアキュムレータに液冷媒が多量に溜まって
も、この液冷媒がコンプレッサに吸い込まれるのを防止
して、コンプレッサ内の油が希釈されるのを防止するこ
とができる空調装置の冷媒回路を提供することを第3課
題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記第1課題を解決する
第1発明の空調装置の冷媒回路は、コンプレッサで圧縮
した冷媒を、コンプレッサの吐出側から室外熱交換器又
は室内熱交換器へと送出し、再び前記室内熱交換器又は
前記室外熱交換器から前記コンプレッサの吸入側へと戻
すよう構成した空調装置の冷媒回路において、前記コン
プレッサの吐出側に逆止弁を設けると共に、この逆止弁
と前記コンプレッサとの間と、前記コンプレッサの吸入
側とをキャピラリーチューブでつないだことを特徴とす
る。
【0020】また、第2発明の空調装置の冷媒回路は、
第1発明の空調装置の冷媒回路において、前記キャピラ
リーチューブと直列に開閉弁を設け、制御装置により、
運転時には前記開閉弁を閉め、停止時には前記開閉弁を
開けるよう制御する構成としたことを特徴とする。
【0021】また、第3発明の空調装置の冷媒回路は、
第1発明の空調装置の冷媒回路において、前記コンプレ
ッサと前記逆止弁との間にオイルセパレータを設けて、
このオイルセパレータに前記キャピラリーチューブの一
端側を接続したことを特徴とする。
【0022】また、第4発明の空調装置の冷媒回路は、
第1発明の空調装置の冷媒回路において、前記キャピラ
リーチューブと直列に開閉弁を設け、且つ、前記コンプ
レッサと前記逆止弁との間に液面検出手段を具備したオ
イルセパレータを設けて、このオイルセパレータに前記
キャピラリーチューブの一端側を接続すると共に、前記
開閉弁の開閉制御をする制御装置を設けて、この制御装
置により、運転時には前記オイルセパレータの液面を検
出する液面検出手段の検出信号に基づいて前記開閉弁を
開閉し、停止時には前記開閉弁を開けるよう制御する構
成としたことを特徴とする。
【0023】また、上記第2課題を解決する第5発明の
空調装置の冷媒回路は、第1、第2、第3又は第4発明
の空調装置の冷媒回路において、前記室内熱交換器と前
記室外熱交換器との間に、前記コンプレッサを停止した
ときに前記室内熱交換器と前記室外熱交換器との間の流
路を瞬時に遮断する遮断手段を設けたことを特徴とす
る。
【0024】また、上記第3課題を解決する第6発明の
空調装置の冷媒回路は、コンプレッサで圧縮した冷媒
を、室外熱交換器又は室内熱交換器へと送出し、再び前
記室内熱交換器又は前記室外熱交換器から前記コンプレ
ッサの吸入側へと戻すよう構成した空調装置の冷媒回路
において、前記コンプレッサの吸入側にアキュムレータ
を設けると共に、前記アキュムレータに接続する配管の
端部は前記アキュムレータの上部に位置させ、且つ、前
記アキュムレータの底部と前記コンプレッサの吸入側と
をキャピラリーチューブでつないだことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。
【0026】図1は本発明の実施の形態に係る車両用空
調装置の冷媒回路を備えたハイブリッド車の熱システム
に関するレイアウトを示す平面図、図2は前記熱システ
ムの系統図、図3は前記冷媒回路を抽出して示す構成図
である。
【0027】<構成>図1に示すハイブリッド車31は
所謂パラレル式のハイブリッド車であり、車両前部には
走行用モータ等からなるドライブユニット33が搭載さ
れ、車両後部にはエンジン32が搭載されている。ま
た、車両後部にはトランスミッション48、発電機3
5、バッテリ34等が搭載され、車両前部にはインバー
タ36等が搭載されている。
【0028】従って、このハイブリッド車31では、後
輪37はトランスミッション48を介してエンジン32
により回転駆動され、前輪38はドライブユニット33
により回転駆動される。また、ハイブリッド車31は、
始動時(低速時)に高トルクが得られるドライブユニッ
ト33(走行モータ)の特性と、高速時に高トルクが得
られるエンジン32の特性とを生かすために、車両の始
動時(低速時)にはドライブユニット33によって走行
し、高速時にはエンジン32とドライブユニット33の
両方或いはエンジン32のみによって走行する。
【0029】なお、ドライブユニット33の走行用モー
タは、バッテリ34からインバータ36を介して電力が
供給されると共にインバータ36等によって回転速度等
が制御されるようになっている。また、エンジン32の
作動時には発電機35がエンジン32により回転駆動さ
れて発電し、この発電電力がバッテリ34に充電される
と共にインバータ36を介して走行用モータにも供給さ
れるようになっている。
【0030】また、ハイブリッド車21には車両用空調
装置等の熱システムに関する各コンポーネントが次のよ
うに配置されている。
【0031】即ち、車両用空調装置の室内熱交換器3
9、ヒータコア40及びブロア41(モータによって回
転駆動される)は、車室42の前部に配置されている。
車両用空調装置の室外熱交換器43や送風機44(モー
タ44aによって回転駆動される)は、車両側面後部に
沿って配置されている。従って、送風機44により室外
熱交換器43に送風された空気は、車両側面後部に設け
られた排気孔45から車外に排出される。車両用空調装
置のコンプレッサ46はエンジン32の近傍に配置され
ており、エンジン32又はコンプレッサ用モータ47に
よって選択的に回転駆動されるようになっている。
【0032】また、車両後部にはエンジン用ラジエータ
49が配置されると共に、このエンジン用ラジエータ4
9に隣接して送風機50(モータ50aによって回転駆
動される)が配置されている。車両前部には電気機器用
ラジエータ51とバッテリ用ラジエータ52とが隣接し
て配置されると共に、バッテリ用ラジエータ52に隣接
して送風機53(モータ53aによって回転駆動され
る)が配置されている。また、車両前端には吸気孔76
が設けられ、車両後端にはモータ55によって開閉する
シャッタ54が設けられている。
【0033】次に、図2に基づいて熱システムの系統構
成を説明する。図2中、太線は冷媒の循環回路(冷媒回
路)、細線は冷却水(ロングライフクーラント(LL
C)等)の循環回路(冷却水回路)を示している。
【0034】車両用空調装置の冷媒回路Aはヒートポン
プとして作用するものであり、四方弁61によって冷媒
の流路を切り換えることにより、冷房運転と暖房運転と
を行うようになっている。なお、この冷媒回路Aの詳細
な説明は後述する。
【0035】冷却水回路としては、エンジン冷却水回路
B、バッテリ冷却水回路C及び電気機器冷却水回路Dが
設けられている。
【0036】これらのうち、エンジン冷却水回路Bで
は、ポンプ64によってエンジン冷却水が主にエンジン
32とエンジン用ラジエータ49との間で循環すると共
に、エンジン冷却水の一部が絞り弁65を介して車両用
空調装置のヒータコア40にも流れ、且つ、絞り弁66
を介してバッテリ暖機用熱交換器67にも流れるように
なっている。なお、エンジン32からエンジン用ラジエ
ータ49までの通路には、絞り弁66及びバッテリ暖機
用熱交換器67をバイパスする別の絞り弁75が設けら
れおり、この絞り弁75と絞り弁66との間の流量調節
を行うことよってバッテリ暖機用熱交換器67での放熱
調節が可能となっている。
【0037】バッテリ冷却水回路Cでは、バッテリ34
を冷却する場合と暖機する場合とでバッテリ冷却水の流
れが切り換えられる。即ち、バッテリ34を冷却する場
合には、バッテリ用ラジエータ52をバイパスする絞り
弁68は閉じ且つ絞り弁69は開けた状態で、ポンプ7
0によってバッテリ冷却水がバッテリ34とバッテリ用
ラジエータ52との間で循環する。なお、このときには
絞り弁66を閉じてエンジン冷却水がバッテリ暖機用熱
交換機67に流れないようにする。一方、バッテリ34
を暖機する場合には、絞り弁66を開けてエンジン冷却
水がバッテリ暖機用熱交換機67に流れるようにすると
共に絞り弁68を開け且つ絞り弁69を閉じた状態で、
ポンプ70によってバッテリ冷却水が、バッテリ用ラジ
エータ52をバイパスし、バッテリ34とバッテリ暖機
用熱交換機67との間で循環する。
【0038】電気機器冷却水回路Dでは、ポンプ72に
よって電気機器冷却水が各種の電気機器(ドライブユニ
ット等)71と電気機器用ラジエータ51との間で循環
する。
【0039】かくして、車両用空調装置では室内熱交換
器39(冷媒回路A)による冷暖房とエンジン冷却水
(ヒータコア40)による暖房とが行われ、エンジン冷
却水回路Bではエンジン冷却水によるエンジン冷却が行
われ、バッテリ冷却水回路Cではバッテリ冷却水による
バッテリ冷却とエンジン冷却水によるバッテリ暖機とが
行われ、電気機器冷却水回路Dでは電気機器冷却水によ
る電気機器冷却が行われる。
【0040】なお、図2中の74は図示しないモータ等
によって回動される切換ダンパであり、この切換ダンパ
74によって車両用空調装置の送風機44による空気の
吸入方向が切り換えられるようになっている。即ち、冷
房運転時には、切換ダンパ74を図2中のa側に回動さ
せ、送風機44で外気を直接吸い込んで排気孔45から
車外に排出する。一方、暖房運転時には、エンジン32
やバッテリ34等の排熱を有効に利用して冬場の暖房能
力を補助するために、切換ダンパ74を図2中のb側に
回動させ、エンジン32(エンジン用ラジエータ49)
やバッテリ34等の排熱によって温められた空気を、送
風機44で吸い込んで排気孔45から車外に排出する。
また、図2中の73は外気導入と内気循環との切り換え
を行う切換ダンパであり、図示しないモータ等によって
回動される。
【0041】ここで、図3に基づいて、冷媒回路Aの構
成を詳細に説明する。
【0042】図3に示すように、冷媒回路Aには四方弁
61が設けられており、この四方弁61によって冷媒の
流路を切り換えることにより冷房運転又は暖房運転を行
う。即ち、冷房運転時には、冷媒がコンプレッサ46、
四方弁61、室外熱交換器43、膨張弁(絞り弁)6
2、室内熱交換器39、四方弁61、アキュムレータ6
3、コンプレッサ46の順に流れる。このときには室内
熱交換器39が吸熱器(エバポレータ)、室外熱交換器
43が放熱器(コンデンサ)となり、車室42内は冷房
される。一方、暖房運転時には、冷媒がコンプレッサ4
6、四方弁61、室内熱交換器39、膨張弁62、室外
熱交換器43、四方弁61、アキュムレータ63、コン
プレッサ46の順に流れる。このときには室外熱交換器
43が吸熱器(エバポレータ)、室内熱交換器39が放
熱器(コンデンサ)となり、車室42内が暖房される。
図4は冷媒回路Aの特性例を示す線図である。
【0043】そして、コンプレッサ46の吐出側には逆
止弁75が設けられている。また、コンプレッサ46と
逆止弁75との間にはオイルセパレータ76が設けられ
ており、このオイルセパレータ76とコンプレッサ46
の吸入側とがキャピラリーチューブ(毛細管)77によ
ってつながれている。即ち、キャピラリーチューブ77
の一端はオイルセパレータ77に接続され、他端はコン
プレッサ46の吸入側(配管79)に接続されている。
【0044】このことによって、運転時には、コンプレ
ッサ46から吐出された冷媒と油との混合流体をオイル
セパレータ76で冷媒と油とに分離して、冷媒は四方弁
61を介して室内熱交換器39又は室外熱交換器43に
送出する一方、油はキャピラリーチューブ77によって
コンプレッサ46の吸入側に戻し、停止時には、コンプ
レッサ46と逆止弁75との間の冷媒を油と共にキャピ
ラリーチューブ77を介してコンプレッサ46の吸入側
に戻してコンプレッサ46の吐出側と吸入側とを均圧さ
せるようになっている。
【0045】なお、オイルセパレータは一般にフロート
スイッチ等の液面検出装置の検出信号に基づいてオイル
セパレータに備えた油戻し管を開閉することにより、オ
イルセパレータ内の油の液面が低下したときに前記油戻
し管からガス(冷媒)が吹き抜けてしまうのを防止する
ようになっている。そして、具体的には、フロートスイ
ッチと開閉弁とを一体にしたフロート式開閉弁が用いら
れることが多い。しかし、フロート式開閉弁を用いた場
合には、停止時に冷媒をバイパスさせてコンプレッサの
吐出側と吸入側とを均圧させることと、運転時に冷媒が
吹き抜けてしまうのを防止することとを同時に満足させ
ることはできない。
【0046】そこで、この停止時の均圧と運転時の冷媒
の吹き抜け防止とを同時に満足させるには、図5に示す
ように、キャピラリーチューブ77に直列に電磁弁で代
表される開閉弁100を設け、この開閉弁100を制御
装置101によって開閉制御するようにすればよい。
【0047】即ち、運転時には、オイルセパレータ76
の液面を検出する液面検出器102の検出信号に基づい
て開閉弁100を開閉する。具体的には、オイルセパレ
ータ76内の液面が所定値以上の高い場合には開閉弁1
00を開き、オイルセパレータ76内の液面が所定値よ
りも低下した場合には開閉弁100を閉じて冷媒の吹き
抜けを防止する。そして、停止時には、オイルセパレー
タ76内の液面に係わらず、開閉弁100を開くように
する。
【0048】但し、停止時の均圧を主体に考えた場合に
は、キャピラリーチューブ77はガス流動抵抗は甚だし
く大であり、液流動抵抗は甚だしく小であるから、運転
中の冷媒の吹き抜けによる多少の性能低下を犠牲にすれ
ば、開閉弁100は不要である。
【0049】一方、停止時の均圧と運転時の冷媒の吹き
抜け防止とを同時に満足させようとする場合には、上記
の如く、開閉弁100を設け、制御装置101により、
運転時には液面検出装置102の検出信号に基づいて開
閉弁100を開閉し、停止時にはオイルセパレータ76
内の液面に係わらず開閉弁100を開けるよう制御す
る。なお、液面検出装置としては、フロートスイッチや
超音波などで直接液面を検出するものや、油戻し管(こ
こではキャピラリーチューブ)内の流体の状態(ガス又
は油)を温度等で間接的に判別するものなどがある。
【0050】また、図3に示すように、膨張弁62は室
内熱交換器39と室内熱交換器43との間の流路に設け
られている。この膨張弁62は電動式のもの(EEV)
であって、ステッピングモータによって軸を回転するこ
とにより先端のニードルが移動して流路を瞬時に開閉す
ることができるものであり、暖房運転時又は冷房運転時
にはそれぞれの時の蒸発圧力とエバポレータの出口温度
により過熱度が一定になるよう適度に調節された開度で
流路を絞ると共に、暖房運転時又は冷房運転時にコンプ
レッサ46を停止したときには例えば図5に示す制御装
置101からの制御信号(コンプレッサの停止指令信
号)に基づいて瞬時に全閉し、室内熱交換器39と室外
熱交換器43との間の流路を瞬時に遮断することができ
る。
【0051】即ち、膨張弁62は冷媒を減圧する絞り機
構としての機能と、暖房運転時又は冷房運転時にコンプ
レッサ46を停止させたときに、室内熱交換器39と室
外熱交換器43との間の流路を瞬時に遮断することによ
り、コンデンサとして機能している高圧側の室内熱交換
器39又は室外熱交換器43からエバポレータとして機
能している低圧側の室外熱交換器43又は室内熱交換器
39へ液冷媒が流れ込むのを防止する機能とを兼ね備え
ている。
【0052】なお、この膨張弁62に代えてキャピラリ
ーチューブと開閉弁とを設けてもよい。例えば、図3中
に一点鎖線で示すように、膨張弁62に代えて、絞り機
構としてのキャピラリーチューブ82と、開閉弁として
の電磁弁81とを直列に設けてもよい。そして、運転時
には電磁弁81を開とし、停止時には前記停止指令信号
に基づいて電磁弁81を閉とする。つまり、膨張弁(E
EV)62は開閉制御自在に行うことができるが、温度
式や固定絞り式(キャピラリーチューブ)の膨張弁は開
閉動作が本質的に不能又は瞬時の開閉動作が不能であ
る。そこで、これを電磁弁で補う。
【0053】また、図3に示すように、コンプレッサ4
6の吸入側に設けられたアキュムレータ63は従来のよ
うなU字管タイプのものではなく、アキュムレータ63
に接続された配管79,80の端部79a,80aが何
れもアキュムレータ63の上部(気相部63aの上部)
に位置している。そして、アキュムレータ63の底部
(液相部63bの底部)とコンプレッサ46の吸入側
(配管79)とがキャピラリーチューブ78によってつ
ながれている。
【0054】<作用・効果>上記構成の冷媒回路Aによ
れば、暖房運転時又は冷房運転時にはコンプレッサ46
から吐出された冷媒と油との混合流体がオイルセパレー
タ76において冷媒と油とに分離され、冷媒は四方弁6
1を介して室内熱交換器39又は室外熱交換器43に送
出される一方、油はキャピラリーチューブ77によって
コンプレッサ46の吸入側に戻される。
【0055】そして、例えば、ハイブリッド車31の走
行駆動手段をドライブユニット33からエンジン32に
切り換えるのに伴ってコンプレッサ46の駆動手段をコ
ンプレッサ用モータ47からエンジン32に切り換える
ために、コンプレッサ46を一旦停止した場合には、コ
ンプレッサ46と逆止弁75との間の冷媒が油と共にキ
ャピラリーチューブ77を介してコンプレッサ46の吸
入側に流れ、しかも逆止弁75によって冷媒回路Aの高
圧側(室内熱交換器39側又は室外熱交換器43側)の
冷媒がコンプレッサ46の吐出側に流れてくるのを阻止
するため、コンプレッサ46の吐出側と吸入側とが短時
間で均圧される。
【0056】このため、冷媒回路A全体は均圧されなく
ても、コンプレッサ46をすぐに再起動させることがで
きる。従って、ドライブユニット33とエンジン32と
の切り換えが頻繁に行われることによってコンプレッサ
16の起動・停止が頻繁に繰り返されても、特に不都合
がなく、適切な空調を行うことができる。
【0057】また、オイルセパレータ76を設けたこと
によって、運転時には油だけをキャピラリーチューブ7
7によりコンプレッサ46の吐出側から吸入側に戻すこ
とができる。即ち、オイルセパレータ76を設けず、単
にコンプレッサ46と逆止弁75の間と、コンプレッサ
46の吸入側とをキャピラリーチューブ77によってつ
ないでも、上記と同様にコンプレッサ46の吐出側と吸
入側とを短時間に均圧させることはできるが、、この場
合には、運転時に油と共に冷媒の一部もキャピラリーチ
ューブ77を通ってコンプレッサ46の吸入側に戻って
しまうため、冷媒回路AのCOP(成績係数)が低下し
てしまう。これに対して、上記のようにオイルセパレー
タ76を設け、このオイルセパレータ76にキャピラリ
ーチューブ77の一端を接続すれば、油のみをコンプレ
ッサ46の吸入側に戻すことができるため、COPが向
上する。
【0058】なお、ここで用いるオイルセパレータ76
の油戻し回路は油量によって開閉制御されることを前提
にしていないから、運転条件によっては油がなくなって
ガス(冷媒)の吹き抜けが生じる場合もある。しかし、
運転範囲の大部分の領域ではオイルセパレータ76内で
油が満杯にならない範囲で運転可能なように設計される
ものであるから、上記のような作用・効果が得られる。
また、オイルセパレータ76によって冷媒と油とを分離
するため、室内熱交換器39や室外熱交換器43におけ
る冷媒側の熱伝達率が高くなると共に流路の圧力損失も
低減し、このことによっても冷媒回路AのCOPを向上
させることができる。即ち、コンプレッサ46の吐出側
と吸入側の均圧を短時間で行うことができ、且つ、冷媒
回路AのCOPを向上させることができる。
【0059】なお、図6に示すように、オイルセパレー
タ76は設けず、キャピラリーチューブ77に開閉弁1
00を直列に接続し、この開閉弁100を制御装置10
1によって開閉制御するようにしてもよい。この場合、
制御装置101により、運転時には開閉弁100を閉
じ、停止時には開閉弁100を開くように制御する。こ
のことによって、停止時の均圧と運転時の冷媒の吹き抜
け防止とを同時に満足させることができる。
【0060】但し、COP向上の観点からは、上記によ
うに、オイルセパレータ46を設けることが好ましく、
更には、開閉弁100も設けることが好ましい。即ち、
オイルセパレータ46を設けることによって油と冷媒と
を分離することができると共に、開閉弁100を設けた
ことにより停止時の均圧と運転時の冷媒の吹き抜け防止
とを同時に満足させることができるため、COPを更に
向上させることができる。
【0061】また、上記構成の冷媒回路Aによれば、コ
ンプレッサ46を停止させたときに室内熱交換器39と
室外熱交換器43との間の流路を膨張弁62或いは電磁
弁81によって瞬時に遮断するようにしたため、高圧側
の室内熱交換器39又は室外熱交換器43から低圧側の
室外熱交換器43又は室内熱交換器39へ液冷媒が流れ
込むのを防止することができる。このため、コンプレッ
サ46の起動・停止を繰り返しても、コンプレッサ46
内の油が液冷媒によって希釈されるのを防止することが
できる。しかも、コンプレッサ46の運転時と停止時と
で冷媒分布にあまり差がないため、コンプレッサ46を
起動したときの立ち上がりが早い。即ち、コンプレッサ
46を再起動した後に短時間で安定する(冷媒分布が停
止前の状態に短時間で回復する)。
【0062】また、アキュムレータ63に接続する配管
79,80の端部79a,80aはアキュムレータ63
の上部に位置させ、且つ、アキュムレータ63の底部と
コンプレッサ46の吸入側とをキャピラリーチューブ7
8でつないだため、アキュムレータ63の液相部63b
の油はキャピラリーチューブ78を介してコンプレッサ
46に供給されるようになると共に、コンプレッサ46
の起動・停止が頻繁に繰り返されてアキュムレータ46
に液冷媒が多量に溜まっても、この液冷媒がコンプレッ
サ46に吸い込まれるのを防止して、コンプレッサ46
内の油が希釈されるのを防止することができる。特に、
室内熱交換器39と室外熱交換器43との間の流路を瞬
時に遮断する遮断手段(膨張弁(EEV)62又は電磁
弁81)がない場合に有効である。また、冷房運転時と
暖房運転時とで必要冷媒量が異なるが、この余剰冷媒を
アキュムレータ63に容易に溜めておくことができる。
【0063】なお、本発明は、特にハイブリッド車の車
両用空調装置の冷媒回路に適用して有用なものである
が、必ずしもこれに限定するものではなく、その他の空
調装置の冷媒回路にも適用することができる。
【0064】
【発明の効果】以上、発明の実施の形態と共に具体的に
説明したように、第1発明の空調装置の冷媒回路は、コ
ンプレッサで圧縮した冷媒を、コンプレッサの吐出側か
ら室外熱交換器又は室内熱交換器へと送出し、再び前記
室内熱交換器又は前記室外熱交換器から前記コンプレッ
サの吸入側へと戻すよう構成した空調装置の冷媒回路に
おいて、前記コンプレッサの吐出側に逆止弁を設けると
共に、この逆止弁と前記コンプレッサとの間と、前記コ
ンプレッサの吸入側とをキャピラリーチューブでつない
だことを特徴とする。
【0065】従って、この第1発明の空調装置の冷媒回
路によれば、コンプレッサを停止すると、コンプレッサ
と逆止弁との間の冷媒が油と共にキャピラリーチューブ
を介してコンプレッサの吸入側に流れ、しかも逆止弁に
よって冷媒回路の高圧側(室内熱交換器側又は室外熱交
換器側)の冷媒がコンプレッサの吐出側に流れてくるの
を阻止するため、コンプレッサの吐出側と吸入側とが短
時間で均圧される。このため、コンプレッサをすぐに再
起動させることができ、コンプレッサの起動・停止が頻
繁に繰り返されも、特に不都合がなく、適切な空調を行
うことができる。
【0066】また、第2発明の空調装置の冷媒回路は、
第1発明の空調装置の冷媒回路において、前記キャピラ
リーチューブと直列に開閉弁を設け、制御装置により、
運転時には前記開閉弁を閉め、停止時には前記開閉弁を
開けるよう制御する構成としたことを特徴とする。
【0067】従って、この第2発明の空調装置の冷媒回
路によれば、キャピラリーチューブと直列に開閉弁を設
けたことによって、停止時の均圧(コンプレッサの吐出
側と吸入側との均圧)と運転時の冷媒の吹き抜け防止と
を同時に満足させることができ、単にコンプレッサの吐
出側と吸入側とをキャピラリーチューブでつないだ場合
に比べて、COPの向上を図ることができる。
【0068】また、第3発明の空調装置の冷媒回路は、
第1発明の空調装置の冷媒回路において、前記コンプレ
ッサと前記逆止弁との間にオイルセパレータを設けて、
このオイルセパレータに前記キャピラリーチューブの一
端側を接続したことを特徴とする。
【0069】従って、この第3発明の空調装置の冷媒回
路によれば、オイルセパレータを設けたことによって、
運転時には油だけをキャピラリーチューブによりコンプ
レッサの吐出側から吸入側に戻すことができ、また、冷
媒と油とを分離するため、室内熱交換器や室外熱交換器
における冷媒側の熱伝達率が高くなると共に流路の圧力
損失も低減する。このため、停止時の均圧を短時間で行
うことができ、且つ、冷媒回路のCOPを向上させるこ
とができる。
【0070】また、第4発明の空調装置の冷媒回路は、
第1発明の空調装置の冷媒回路において、前記キャピラ
リーチューブと直列に開閉弁を設け、且つ、前記コンプ
レッサと前記逆止弁との間に液面検出手段を具備したオ
イルセパレータを設けて、このオイルセパレータに前記
キャピラリーチューブの一端側を接続すると共に、前記
開閉弁の開閉制御をする制御装置を設けて、この制御装
置により、運転時には前記オイルセパレータの液面を検
出する液面検出手段の検出信号に基づいて前記開閉弁を
開閉し、停止時には前記開閉弁を開けるよう制御する構
成としたことを特徴とする。
【0071】従って、この第4発明の空調装置の冷媒回
路によれば、オイルセパレータを設けたことにより油と
冷媒とを分離することができると共に、開閉弁を設けた
ことにより停止時の均圧と運転時の冷媒の吹き抜け防止
とを同時に満足させることができるため、COPを更に
向上させることができる。
【0072】また、第5発明の空調装置の冷媒回路は、
第1、第2、第3又は第4発明の空調装置の冷媒回路に
おいて、前記室内熱交換器と前記室外熱交換器との間
に、前記コンプレッサを停止したときに前記室内熱交換
器と前記室外熱交換器との間の流路を瞬時に遮断する遮
断手段を設けたことを特徴とする。
【0073】従って、この第5発明の空調装置の冷媒回
路によれば、コンプレッサを停止させたときに室内熱交
換器と室外熱交換器との間の流路を遮断手段によって瞬
時に遮断するようにしたため、高圧側の室内熱交換器又
は室外熱交換器から低圧側の室外熱交換器又は室内熱交
換器へ液冷媒が流れ込むのを防止することができる。こ
のため、コンプレッサの起動・停止を繰り返しても、コ
ンプレッサ内の油が液冷媒によって希釈されるのを防止
することができる。しかも、コンプレッサの運転時と停
止時とで冷媒分布にあまり差がないため、コンプレッサ
を起動したときの立ち上がりが早い。即ち、コンプレッ
サを再起動した後に短時間で安定する(冷媒分布が停止
前の状態に短時間で回復する)。なお、遮断手段として
EEVの如く弁開度を任意に制御可能な弁を用いた場合
には停止指令信号等に基づいて同弁を全閉作動させれば
よく、電磁弁のような開閉弁を用いた場合には停止指令
信号等に基づいて同弁を閉とすればよい。
【0074】また、第6発明の空調装置の冷媒回路は、
コンプレッサで圧縮した冷媒を、室外熱交換器又は室内
熱交換器へと送出し、再び前記室内熱交換器又は前記室
外熱交換器から前記コンプレッサの吸入側へと戻すよう
構成した空調装置の冷媒回路において、前記コンプレッ
サの吸入側にアキュムレータを設けると共に、前記アキ
ュムレータに接続する配管の端部は前記アキュムレータ
の上部に位置させ、且つ、前記アキュムレータの底部と
前記コンプレッサの吸入側とをキャピラリーチューブで
つないだことを特徴とする。
【0075】従って、この第6発明の空調装置の冷媒回
路によれば、アキュムレータに接続する配管の端部はア
キュムレータの上部に位置させ、且つ、アキュムレータ
の底部とコンプレッサの吸入側とをキャピラリーチュー
ブでつないだため、アキュムレータの液相部の油はキャ
ピラリーチューブを介してコンプレッサに供給されるよ
うになると共に、コンプレッサの起動・停止が頻繁に繰
り返されてアキュムレータに液冷媒が多量に溜まって
も、この液冷媒がコンプレッサに吸い込まれるのを防止
して、コンプレッサ内の油が希釈されるのを防止するこ
とができる。特に、室内熱交換器と室外熱交換器との間
の流路を瞬時に遮断する遮断手段がない場合に有効であ
る。また、冷媒の流れる方向を切り換えて冷房運転と暖
房運転とを行うことができるようにした場合には、冷房
運転時と暖房運転時とで必要冷媒量が異なるが、この余
剰冷媒をアキュムレータに容易に溜めておくことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用空調装置の冷
媒回路を備えたハイブリッド車の熱システムに関するレ
イアウトを示す平面図である。
【図2】前記熱システムの系統図である。
【図3】前記冷媒回路を抽出して示す構成図である。
【図4】前記冷媒回路の特性例を示す線図である。
【図5】前記冷媒回路の他の構成例を示す要部構成図で
ある。
【図6】前記冷媒回路の他の構成例を示す要部構成図で
ある。
【図7】ハイブリッド車に備えた従来の車両用空調装置
の要部構成の一例を示す説明図である。
【図8】前記車両用空調装置の冷媒回路例を示す構成図
である。
【図9】従来のアキュムレータの一般的な例を示す構造
図である。
【符号の説明】
31 ハイブリッド車 32 ドライブユニット 33 エンジン 39 室内熱交換器 43 室外熱交換器 46 コンプレッサ 47 コンプレッサ用モータ 61 四方弁 62 膨張弁 63 アキュムレータ 75 逆止弁 76 オイルセパレータ 77,78,82 キャピラリーチューブ 79,80 配管 79a,80a 配管の端部 81 電磁弁 100 電磁弁 101 制御装置 102 液面検出装置 A 冷媒回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンプレッサで圧縮した冷媒を、コンプ
    レッサの吐出側から室外熱交換器又は室内熱交換器へと
    送出し、再び前記室内熱交換器又は前記室外熱交換器か
    ら前記コンプレッサの吸入側へと戻すよう構成した空調
    装置の冷媒回路において、 前記コンプレッサの吐出側に逆止弁を設けると共に、こ
    の逆止弁と前記コンプレッサとの間と、前記コンプレッ
    サの吸入側とをキャピラリーチューブでつないだことを
    特徴とする空調装置の冷媒回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する空調装置の冷媒回路
    において、 前記キャピラリーチューブと直列に開閉弁を設け、制御
    装置により、運転時には前記開閉弁を閉め、停止時には
    前記開閉弁を開けるよう制御する構成としたことを特徴
    とする空調装置の冷媒回路。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載する空調装置の冷媒回路
    において、 前記コンプレッサと前記逆止弁との間にオイルセパレー
    タを設けて、このオイルセパレータに前記キャピラリー
    チューブの一端側を接続したことを特徴とする空調装置
    の冷媒回路。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載する空調装置の冷媒回路
    において、 前記キャピラリーチューブと直列に開閉弁を設け、且
    つ、前記コンプレッサと前記逆止弁との間に液面検出手
    段を具備したオイルセパレータを設けて、このオイルセ
    パレータに前記キャピラリーチューブの一端側を接続す
    ると共に、前記開閉弁の開閉制御をする制御装置を設け
    て、この制御装置により、運転時には前記オイルセパレ
    ータの液面を検出する液面検出手段の検出信号に基づい
    て前記開閉弁を開閉し、停止時には前記開閉弁を開ける
    よう制御する構成としたことを特徴とする空調装置の冷
    媒回路。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4に記載する空調
    装置の冷媒回路において、 前記室内熱交換器と前記室外熱交換器との間に、前記コ
    ンプレッサを停止したときに前記室内熱交換器と前記室
    外熱交換器との間の流路を瞬時に遮断する遮断手段を設
    けたことを特徴とする空調装置の冷媒回路。
  6. 【請求項6】 コンプレッサで圧縮した冷媒を、室外熱
    交換器又は室内熱交換器へと送出し、再び前記室内熱交
    換器又は前記室外熱交換器から前記コンプレッサの吸入
    側へと戻すよう構成した空調装置の冷媒回路において、 前記コンプレッサの吸入側にアキュムレータを設けると
    共に、前記アキュムレータに接続する配管の端部は前記
    アキュムレータの上部に位置させ、且つ、前記アキュム
    レータの底部と前記コンプレッサの吸入側とをキャピラ
    リーチューブでつないだことを特徴とする空調装置の冷
    媒回路。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100357108B1 (ko) * 2000-04-11 2002-10-19 엘지전자 주식회사 2개의 압축기를 갖는 공기조화기
CN102303498A (zh) * 2011-06-17 2012-01-04 童明伟 直接蒸发车用毛细吸液芯辐射板空调系统
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